JP3760238B2 - 衛星測位端末受信機の検定方法及び検定システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、測地座標系における位置を人工衛星により送信される搬送波の位相を利用して測位する衛星測位受信機を検定する検定方法及び、検定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
日本測地系などの測地座標系における位置を高精度に計測する手段としては、汎地球衛星測位システム(GPS)の信号を単独で受信して測位する方法や、単独GPS測位に補正情報を組み合わせる方法、複数の受信機で信号を受信して基準点に対する相対的な位置を計測する方法などさまざまな方法がある。
【0003】
公知の技術として、GPSを用いて固定点における測地座標値の測定を行う際に、DGPS等の既存の方式に併用することで現在よりも一層高い精度の測地座標測定を実現できるようにすることを目的とした技術が知られている。(特許文献1を参照。)
本技術は、複数のGPS衛星から受信した電波を解析することにより割り出した、これら電波の受信箇所の座標値を補正するに当たり、恒星日における時刻が前記複数のGPS衛星から電波を受信した時刻と同じ時刻に割り出した前記受信箇所の過去の座標値と、前記受信箇所の正確な実際の座標値との差値である誤差補正データを求める。
そして、前記誤差補正データを用いて、前記割り出した前記受信箇所の座標値を補正することを特徴としている。
【0004】
また、他の技術として、連続受信が不要であって、しかも必要なときにリアルタイムで観測地点の整数値バイアスを決定することを可能とすることを目的とした技術がある。(特許文献2を参照。)
本技術は、地滑り等に係る位置の移動を観測する観測局と基準局を設け、観測局の衛星受信装置により、任意の時刻に観測した複数の衛星信号についてのそれぞれ1サイクル以下の搬送波位相を基準局に送信する。基準局は、任意の時刻と同時刻に基準局衛星受信装置で観測した複数の衛星信号の搬送波位相と、観測局から送信されてきた搬送波位相とから整数値バイアスを決定し、観測局の位置を算出する。本開示によれば、任意の時刻における1サイクル以下の搬送波位相を観測値としているので、サイクルスリップの影響を受けることなく正確な整数値バイアスを決定することができる、としている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−109018号公報
【特許文献2】
特開2002−267735号公報
【0006】
従来知られている技術は、このように観測結果の精度向上を図ったものが多くあるが、一般に個々の衛星測位受信機には設計上もしくは製造上の違いによる特性の差異があり、同一の条件で測位を行ったとしても異なる衛星測位受信機によって得られる測位結果は一定とは限らないという問題がある。特に問題となるのは、衛星の方向によってアンテナの位相中心における位相バイアスが変化する位相特性と、アンテナの構造上発生するマルチパスの2つがあげられる。これらの問題は、とくに1cm程度以上の測位精度を要求する場合に無視することができない影響を与える可能性がある。また、測位衛星測位受信機の経年劣化などにより、衛星からの信号を十分な信号対雑音比で受信できなくなったりした場合には、その衛星測位受信機を用いて信頼性の高い測位を行うことができなくなる。このような問題に対して、従来は、衛星測位受信機の特性を統一的に評価する方法がなかったため、個々の衛星測位受信機が高精度な測位を行うために十分な一定の性能を備えているか否かを客観的に評価することができなかった。
【0007】
前述のDGPSシステムにおいて、衛星固有の補正を加えるGPS受信機と、その受信機に設定する補正値を決定するための補正値管理システムが特許文献3に開示されている。
本システムによると、基準側GPS受信機と測位側GPS受信機の間で、発生した疑似雑音符号と各衛星信号の疑似雑音符号の間の位相差が異なっていたり、GPS受信機の帯域フィルタの特性が異なっている場合に、GPS衛星の信号の特性におけるわずかな違いによる測定精度の劣化を防止する技術を開示している。また衛星毎の補正値をGPS受信機に記憶させて管理することができる。
【0008】
【特許文献3】
特開2001−194441号公報
【0009】
本システムにおいては位置が既知な基準側GPS受信機を用いることにより各測位側GPS受信機に補正値を付与することができる一方、その補正は、複数のGPS衛星の信号の特性に依存したものであり、測位衛星の方向に依存した受信機毎の特性を検定できるものではなく、また特性の評価を行う手段をもっていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みて創出されたものであり、統一的な基準に基づいて衛星測位受信機の特性を評価し、検定を行う方法およびそのシステムの提供を目的とする。また、同方法により測定された衛星測位受信機の特性を補正情報として用いることにより、被検定衛星測位受信機による測位結果の精度および確度を向上させることを目的とする。
【0011】
【問題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の衛星測位受信機の検定方法では、基準となる衛星測位受信機と、特性を測定する被検定衛星測位受信機とで同時に一定の時間測位衛星からの搬送波を受信し、個々の衛星ごとの搬送波位相データを記録する。一定の時間データを記録したのち、搬送波位相データを相対干渉測位方式によって解析することによって、被検定衛星測位受信機の特性を計測すると同時に、被検定衛星測位受信機が一定の性能を満たしているかどうかを判定することにより検定を行う。
なお、本発明の衛星測位受信機の検定方法は、測地座標系における位置を人工衛星から送信される搬送波の位相を計測することによって測位を行う衛星測位受信機を検定する検定方法であって、次の各ステップを備える。
【0012】
まず、予め基準となる衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性に起因する受信方向(方位角および仰角)に依存した位相特性を測定、又は所定値に定めて衛星測位検定サーバ装置に記録する。その上で、衛星測位受信機のアンテナ部を、所定の検定マーカの直上の少なくとも異なる2種の高さに設置して一定の時間観測データの取得を行うステップ、取得された各設置高さの観測データを、衛星測位検定サーバー装置に伝送するステップ、該衛星測位検定サーバー装置において該基準となる衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性を用いて測位解析を行うステップ、該衛星測位受信機で取得されたデータから、衛星測位受信機のアンテナ部の高さを変化したことによって変化する受信方向の領域を調べることで、衛星測位受信機においてマルチパスの影響を受ける受信方向の領域の特性を評価するステップ、該評価結果が予め定めた特性値に適合しているか否かを判定するステップを具備する。
【0013】
また、前記衛星測位端末装置の検定方法において、衛星測位受信機で取得した衛星X(Xは複数の衛星A、B、C、・・・)の搬送波位相φ(1,X)と、基準となる衛星測位受信機で取得した衛星Xの搬送波位相φ(2,X)との差を示す次式
φ(1,X)−φ(2,X)=2πf(r(1,X)−r(2,X))/c
+N(X)+α(θ,ζ)−β(θ,ζ)
(ただし、r(1,X)とr(2,X)はそれぞれ衛星測位受信機と基準となる衛星測位受信機から衛星Xまでの距離、fは搬送波の周波数、cは光速、N(X)は初期位相バイアス、α(θ,ζ)は衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性に起因する受信方向(方位角θおよび仰角ζ)に依存した位相バイアス、β(θ,ζ)は基準となる衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性に起因する受信方向(方位角θおよび仰角ζ)に依存した位相バイアスである。)
を用い、α(θ,ζ)の特性を評価することもできる。
【0014】
また、衛星測位受信機のゲインに関する特性である構成において本検定方法を用いることができる。
前記測位解析を行うステップにおいて、少なくとも衛星軌道情報、地球姿勢情報、大気・電離層補正データのいずれかを使用することができる。
【0015】
前記検定衛星測位受信機で取得されたデータを解析して特性を評価した後に、得られた特性を較正データとして被検定衛星測位受信機に付与するステップを備えた衛星測位受信機の検定方法を提供してもよい。
【0016】
また、本発明では測地座標系における位置を人工衛星から送信される搬送波の位相を計測することにより測位する衛星測位受信機を検定する検定システムを提供することができる。
本システムでは、被検定衛星測位受信機が、人工衛星から送信される搬送波を受信する 衛星測位受信手段、少なくとも受信された観測データを送信可能な端末側通信手段、の各手段を少なくとも備える構成において、所定の検定フィールドにおける少なくとも異なる2種の高さに設けた検定マーカと、位置が既知の観測点において基準となる衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性に起因する受信方向(方位角および仰角)に依存した位相特性を測定、又は所定値に定めて記録する基準点観測データ取得手段、該各設置高さの衛星測位端末装置が取得した観測データを受信可能なサーバー側通信手段、該基準となる衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性を用い、該観測データを演算して測位結果を得る演算解析手段、得られた測位解析結果を用い、衛星測位受信機のアンテナ部の高さを変化したことによって変化する受信方向の領域を調べることで、衛星測位受信機においてマルチパスの影響を受ける受信方向の領域の特性評価を行う特性評価手段、該特性評価結果を記録及び/又は出力する特性検定手段、の各手段を少なくとも備えた衛星測位検定サーバー装置とから構成されることを特徴とする。
【0017】
前記衛星測位検定サーバー装置における特性評価手段が、上記衛星測位受信手段のゲインに関する特性を評価する構成でもよい。
【0018】
前記衛星測位検定サーバー装置が、前記人工衛星の固有情報、又は衛星信号伝搬に係る気象情報、地球姿勢情報の少なくともいずれかに関する補正条件データを取得する補正条件データ取得手段を備え、前記演算解析手段において、該補正条件データにより該観測データの補正を行う構成でもよい。
【0019】
前記被検定衛星測位受信機が、該較正データを記憶する較正データ記憶手段を備える構成であって、前記衛星測位検定サーバー装置が、前記特性検定手段から特性評価結果を較正データとして送出し、該被検定衛星測位受信機が該較正データを記憶し用いるような構成とすることもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面に示した実施例に基づいて説明する。なお、実施形態は、本発明の主旨から逸脱しないかぎり適宜変更可能なものである。
図1に本発明にかかる衛星測位受信機検定システム(以下、単にシステムと呼ぶ。)の全体構成を説明する説明図を示す。本発明では衛星測位受信機の、特にGPSアンテナの特性検定を行うことを目的とするため、衛星測位受信機に従来のように測位解析機能を有するものでも、あるいは測位解析機能を別途解析サーバーにおいて行うものでも、検定対象とすることができる。
【0021】
以下に示す実施例では、衛星測位受信機を衛星測位端末装置(以下、単に端末装置と呼ぶ。)に備え、その測定特性を検定するものである。
被検定対象の端末装置(1)のアンテナ部を、位置が既知である検定フィールド(10)の検定マーカ(11)上の既知の高さに固定して複数の測位衛星、例えば衛星A(12)、衛星B(13)、衛星C(14)・・からの搬送波を受信して、個々の衛星の搬送波位相を記録する。また、同時に、位置が既知の点に設置された基準衛星測位受信機(102)でも同じく複数の測位衛星からの搬送波を受信して、個々の衛星の搬送波位相を記録する。ある一定時間データを蓄積したのち、記録された搬送波位相データを、データ解析を行う衛星測位検定サーバー装置(以下、単にサーバー装置と呼ぶ。)(2)に送信する。サーバー装置では、得られた搬送波位相データを用いて、相対干渉測位方式によってデータ解析を行う。
データ解析においては、まず端末装置で取得した衛星X(X=A、B、C、・・・)の搬送波位相φ(1,X)と基準衛星測位受信機で取得した衛星Xの搬送波位相φ(2,X)の差を計算する。ここで得られた差には、次式のように初期位相バイアスN(X)と、端末装置と基準衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性に起因する受信方向(方位角θおよび仰角ζ)に依存した位相バイアスα(θ,ζ)およびβ(θ,ζ)の影響が含まれる。
φ(1,X)−φ(2,X)=2πf(r(1,X)−r(2,X))/c
+N(X)+α(θ,ζ)−β(θ,ζ)
ここで、r(1,X)とr(2,X)はそれぞれ端末装置と基準衛星測位受信機から衛星Xまでの距離を示し、fは搬送波の周波数、cは光速である。長距離の相対測位の場合に問題となる大気遅延および電離層遅延による影響が問題となるが、ここでは、端末装置と基準衛星測位受信機を十分近距離に設置することでこれらの効果は相殺されるので省略した。大気遅延および電離層遅延のモデルがある場合には、これらを用いて補正を行うことももちろん可能である。r(1,X)とr(2,X)は、端末装置と基準衛星測位受信機の既知の位置と、精密衛星軌道情報、地球姿勢情報などから計算される。β(θ,ζ)は、位相特性が優れた標準的なアンテナを用いることによって常に0と仮定してもよいが、より正確な検定を行うには、電波暗室などのマルチパスのない理想的な環境のもとで、アンテナの位相特性を別途計測することによってあらかじめ与えることができたほうが望ましい。初期位相バイアスN(X)は、端末装置と基準衛星測位受信機の局部発信機の初期位相や、受信機内部の遅延などによって決まるもので、衛星ごとに一定の値となる。データ解析のまず最初のステップでは、α(θ,ζ)が常に0であるとしてすべての衛星のデータを用いて最小2条推定を行い、N(X)の値を推定する。その後、次のステップでは、N(X)を推定された値に固定して、α(θ,ζ)の値をさまざまな受信方向に対して求める。ただし、一般に測位衛星の方向は特定のパターンを描くので、任意のθとζに対してくまなくα(θ,ζ)を求めることは困難である。そこで、α(θ,ζ)をθとζに対するある次数までの球面調和関数に展開し、その係数を最小2乗推定によって推定することが簡便である。次に、端末装置のアンテナ部を固定する高さを変えて同様の手順を繰り返す。マルチパスの影響がない場合には、端末装置の高さを変えても得られるα(θ,ζ)は不変であるが、地面などからの反射波が端末装置のアンテナ部の背面からマルチパス波として受信されている場合には、端末装置のアンテナ部の高さを変化した影響がα(θ,ζ)に現れる。したがって、α(θ,ζ)の結果を比較して、端末装置のアンテナ部の高さを変化したことによって変化する(θ,ζ)の領域を調べることで、端末装置がマルチパスの影響を受ける受信方向の領域を特定する。最後に、端末装置で記録された受信方向ごとの搬送波信号強度をもとに、任意の受信方向における端末装置のゲイン特性を計算する。この場合も、θとζに対するある次数までの球面調和関数に展開し、その係数を最小2乗推定によって推定することが簡便である。
以上の結果得られた端末装置の特性が、あらかじめ設定した基準を満足しているかどうかを照らし合わせ、検定結果の合否もしくは適合するクラスを判定することによって検定を完了する。たとえば、全天の方向に対して十分なゲインが確保されていない場合や、マルチパスの影響を受ける受信方向の領域がある基準よりも大きい場合には、検定不合格と判定する。また、位相バイアスの大きさに応じて、端末装置のクラスを一種合格、二種合格などに分類して検定することも考えられる。なお、この際、検定結果に加えて、得られた端末装置の特性をのちに利用できる形で提供する。このことにより、検定を受けた端末装置で測位を行ったのち、データ解析を行うときに位相バイアスの補正を行うと同時に、マルチパスの影響のある受信方向のデータを解析データから棄却することで、測位の精度および確度を向上させることができる。このようにすることで、検定を受けた端末装置を用いて正しい手順で測位を行った結果は、客観的に計算される誤差以下の精度で正しい結果であることを保証することができる。
【0022】
端末装置(1)とサーバー装置(2)とは電話回線、インターネット・専用線などのネットワーク、携帯電話・PHSなどの無線通信回線といった通信手段(3)によってデータの送受信が可能である。
本発明における衛星測位検定のフローチャートを図2に示すと共に、端末装置(1)における処理のフローチャートを図3に、サーバー装置のフローチャートを図4に示す。また、端末装置(1)の構成図を図5に、サーバー装置(2)の構成図を図6に示している。
以下、検定時における検定システムの処理を中心に、各装置(1)(2)について説述する。
【0023】
まず、端末装置(1)に備えた衛星測位受信機、例えばGPS受信機(41)のアンテナ部を本システムの検定マーカ(11)上に配置し、該GPS受信機(41)で人工衛星からの衛星信号を受信する。このとき、後述するマルチパス特性を測定するため、設置高さは予め定めておく。そして、一定の時間、例えば1時間、あるいは1日間、GPS信号を受信した観測データを端末装置(1)に備えるコンピュータに伝送して保存する。本処理は通常の端末装置(1)が測位を行う際の動作と同様である。
【0024】
端末装置(1)には、GPS受信機(41)で得た観測データを演算したり、記憶することができる観測処理手段としてCPU(40)やメモリ(43)、外部記憶装置(45)などの公知の諸部材を備えており、例えばパーソナルコンピュータなどで実現するのが簡便である。
周知のように、CPU(40)とメモリ(43)、外部記憶装置(45)などはCPU(40)の処理に応じて随時機能するようになっている。
【0025】
また、端末装置(1)には、サーバー装置(2)とのデータの送受信を司るデータ送受信手段として電話回線、携帯電話、PHSであればモデム、ネットワークであればネットワークインターフェースなどのネットワークアダプタ(42)を備える。
さらに、観測データや、検定結果、後述の較正データなどを表示する手段としてモニタ(44)を備えることもできる。
【0026】
上記で、GPS受信機(41)とCPU(40)等のコンピュータは単体の装置として構成してもよいし、GPS受信機(41)とCPU(40)等とを遠隔して配置し、その間を電話回線・無線通信回線などの通信回線を用いて接続してもよい。いずれの構成においても、CPU(40)ではソフトウェア処理によってGPS受信機(41)からの信号を観測データ(100)として取得するGPS情報取得部(46)を備え、データ処理部(47)において外部記憶装置(45)に該観測データ(100)を記録していく。(観測データの取得処理(20))
そして、通信部(48)から該観測データ(100)を、ネットワークアダプタ(42)を用いて送出する。(観測データの解析サーバーへの伝送処理(21))
【0027】
該伝送には上記のような通信手段(3)を用いるが、このときのプロトコルとしては、インターネットプロトコル(IP)を用い、特にメールの送信プロトコル(SMTP)などを用いることもできる。
すなわち、メール送信によって観測データを送信する構成は、端末装置(1)がインターネット接続、及びメール送信が可能であればよく、互換性や通信手段の多様性に優れる特徴を有する。
【0028】
送信された観測データ(100)は、通信手段(3)を経て、サーバー装置(2)に至る。サーバー装置(2)は、端末装置(1)におけるのと同様のネットワークアダプタ(51)を備え、観測データ(100)を受信する。
さらに、サーバー装置(2)は、端末装置(1)から受信した観測データを解析する解析手段としてCPU(50)やメモリ(52)、外部記憶装置(53)などの公知の諸部材を備えており、例えばパーソナルコンピュータや、ワークステーションなどで実現するのが簡便である。
【0029】
CPU(50)には、ネットワークアダプタ(51)を制御し観測データ(100)を受信する通信部(54)と、観測データを解析する解析部(55)とを備える。
解析部(55)における解析処理は、公知の測位方法を用いることができる。例えばGPSの測位方法としては、C/AコードもしくはPコードの時刻同期タイミングとしての擬似ランダム符号 (PRN : Pseudo Random Noise Code)を電波の伝送時間測定に利用し、利用者局GPS受信機アンテナとGPS衛星間の測距を行うコード測位方式や、衛星から送信される搬送波の位相を利用して利用者局GPS受信機アンテナとGPS衛星間の測距を行う搬送波位相測位方式などがある。
【0030】
さらに、これらは相対干渉測位方式による衛星測位受信機を例にとって実施例を記述しているが、RTK−GPS測位など測位衛星の搬送波位相を観測量として使用する衛星測位受信機であれば同様の方法を適用することができる。これら測位方式、方法については公知であり、本発明では従来ユーザー側の受信機や基準局で行っていた解析処理を、サーバー装置(2)の解析部(55)に置き換えることで足りるので、測位衛星の搬送波位相を観測量として用いる方式である限り、測位方式等については限定しない。
【0031】
解析にはこのように任意の方法をとることができるが、本実施例では、サーバー装置(2)が、少なくとも位置が既知の観測点における補正用観測データを取得し、解析部(55)で、補正用観測データを用いて解析処理を行う。
補正用観測データ(102)の補正用観測データ入力手段としては、ここでは先述のネットワークアダプタ(51)を用いる。
【0032】
上記の位置が既知の基準点としては、電波暗室での計測によって位相特性の測定を行った標準アンテナを周囲の構造物による遮蔽物やマルチパスの影響のない平坦な場所に設置したものを使用し、その基準点位置は電子基準点との相対干渉測位によって正確に計測してあるものを利用する。
補正用観測データ(102)はネットワークアダプタ(51)から取得してもよいし、本サーバー装置(2)に直接接続して取得してもよいが、いずれにしてもCPU(50)において解析し、前記端末装置(1)の観測データと同条件下で解析処理をおこなう。
【0033】
本実施例における測地方式の一例として、従来の搬送波位相測位方式におけるRTK-GPS(Real-Time Kinematic GPS: リアル タイム キネマティックGPS)測位を適用することもできる。該測位方法は、位置の分かっている基準局と位置を求めようとする観測点で同時にGPS観測を行い、基準局で観測したデータを、無線等を用いて観測点へリアルタイムに送信し、基準局の位置成果に基づき観測点の位置をリアルタイムに求める技術である。
【0034】
RTK−GPSは、両点で位相の測定を行い基準局で観測した位相データを観測点に送信する。 観測点のGPS受信機では、受信データと基準局から送信されたデータをリアルタイムで解析することにより、観測点の位置を決定することができる。
ここでは、本解析処理をサーバー装置(2)の解析部(55)で行い、従来のように端末装置で処理を行わないことで、測地精度の向上と整合性を実現している。
【0035】
さらに、衛星信号伝搬に係る気象情報や、地球姿勢情報などの副次的情報(103)を用いて解析結果を補正することができる。該気象情報としては水蒸気分布モデル(103a)及び電離層密度分布モデル(103b)を随時更新して大気遅延と電離層遅延に関する情報を用いることができ、これらをサーバー装置(2)で取得する。また、人工衛星に関し、その時点でもっとも精度の高い衛星軌道情報(103d)を用いることもできる。
【0036】
また、地球姿勢情報とは、地球の自転軸の方向および自転角度など地球の姿勢に係る情報を指す。精密な測定を行うと、地球自転軸の方向や自転角度(速度)は一定しておらず、地上から宇宙飛翔体(人工衛星)の位置を精密に測定するには、地球姿勢についても精密に知る必要があるため、本発明では該情報もサーバー装置(2)の解析処理に用いる。
【0037】
これら副次的情報(103)に関しても、ネットワークアダプタ(51)を介して取得することができ、特に気象情報や地球姿勢情報などはインターネットを通して気象観測局等より取得する際に好適である。
【0038】
以上のサーバー装置(2)における処理を図4に従ってまとめると、まず観測データ(100)を受信(30)し、必要に応じて該観測データの有効性の有無を評価(31)して問題がある場合には通知(32)の後終了し、問題がなければ、解析部(55)における測位解析の処理(34)を行う。
解析処理には、前述の通り、既知の観測点データ(102)、水蒸気分布モデル(103a)、電離層密度分布モデル(103b)、衛星軌道情報(103c)、地球姿勢情報(103d)などを用いることができる。
【0039】
ここで、本システムでは、GPS受信機(41)のアンテナ部は位置が既知である検定マーカ(11)上に配置しているので、上記副次的情報(103)を用いた解析処理(34)で得られた解析結果(101)と、その既知な位置とに誤差が生じている場合、それはGPS受信機(41)の受信特性に起因するものと考えることができる。また、言い換えると、この誤差が十分に少ない場合には、検定対象としているGPS受信機(41)の性能が十分であることが示される。
【0040】
このような受信特性としては、マルチパス特性、衛星測位受信手段のゲインに関する特性、受信方向に依存した位相特性などを検定することができる。本発明の要部であるデータ解析及び特性評価処理(35)と、特性検定処理(36)につき、以下順に説述する。
【0041】
マルチパス特性とは、主に地面から反射してくる電波を受信してしまい、衛星から直接受信される信号から少し遅れて信号が受信される現象による特性をいう。建物の壁からのマルチパスについては、受信機の特性ではなく、測定場所によって変わるが、地面からの反射波をブロックできているかどうかは、受信機のアンテナの設計によって変化する特性である。
【0042】
そこで、本システムでは、検定マーカ(11)は周りに障害物がなく、地面からのある一定の高さだけ離れた場所にして、どの程度のマルチパスがあるかを調べれば、これを評価することができる。
図7に示すように、衛星A(12)からの信号波は、GPS受信機(41)に直接入力する直接波(71)と、地面からの反射波(72)(73)があり、反射波(72)(73)が強いと、直接波(71)と区別ができずにそれを観測データとして処理してしまう。
【0043】
本システムでは、GPS受信機(41)を既知の場所に設置するため、真正な直接波(71)と、マルチパスによるものと考えられる反射波(72)(73)はサーバー装置(2)の特性評価部(56)において峻別可能である。
すなわち、通信手段(3)を介して、特性評価部(56)には直接波(71)及び反射波(72)(73)のデータが入力する。このとき、直接波(71)には前記補正用観測データ(102)や副次的情報(103)により補正可能な誤差が含まれているものの、この直接波(71)からある時間遅れて到達する信号波は反射波(72)(73)であると判定できる。
【0044】
反射波については、検定マーカ(11)上の所定の高さにGPS受信機(41)を設置するため、常に一定の反射波(72)(73)が受信される環境であるため、GPS受信機(41)の特性によりそれらをどの程度受信するか、比較することが可能である。例えば、図8に示す情報テーブルのように、時刻tに受信した観測データ(81)が直接波(71)であるとき、時刻t+αや時刻t+βに受信した信号(72)(73)がマルチパスであると判定(Y又はN)する。
【0045】
このとき、直接波(71)とマルチパスと判定された反射波(71)(72)のゲイン比(G1/G2やG1/G3)を求め、この比が所定の値以上になっていれば、閾値を設けて峻別することが容易であるが、そうでない場合、反射波(71)(72)により誤った測定を行う恐れがある。
したがって、特性評価部(56)においては、反射波と判定される観測データの存否及び、それがある場合にはそのゲイン比が閾値以上となっているか否かを評価し、さらに、特性検定処理(36)としてサーバー装置(2)に備えるモニタ(58)から検定結果として表示する。
【0046】
さらに、本サーバー装置(2)のデータ管理部(57)で保存・読み出しが可能なデータベースシステム(4)に該検定結果を保存(37)することができる。保存される情報テーブルは図11のようなものであり、検定した日時(110)、観測データと共に伝送された端末の識別符号(111)、観測データ(112)の他に、後述する較正データ(113)及び、検定結果(114)を含む。検定結果(114)には、検定結果を示す「OK」「NG」などのデータでもよいが、図示のように、検定結果が後から参照できるように検定をパスしたものにはシリアル番号を付与する構成をとることもできる。
【0047】
本発明では、ゲインに関する特性を検定することもできる。ゲインに関する特性とは、GPS衛星の信号がどの程度の強さで受信されたかということを示すものである。
GPS受信機(41)のゲインが十分であるか否か、各衛星(12)(13)(14)からの直接波(71)・・のゲインを調べ、事前に該測定マーカー(11)における各衛星(12)(13)(14)のゲインと比較し、所定のゲインが得られているか否かを評価する。
【0048】
すなわち、図9に示す情報テーブルのように、予め衛星毎(91)に衛星の方向(92)とゲイン(93)の関係を調べ、外部記憶装置(53)に基準ゲインとして記録しておく。そして、特性評価部(56)では測定時の各衛星の方向に最も近い方向のゲインを照会し、測定したゲインとの差を求め、被検定GPS受信機(41)におけるゲインが基準ゲインを上回っているか、又は下回っている場合にはその差が所定の閾値内に収まっているか否かを評価する。
評価の結果は、サーバー装置(2)に備えるモニタ(58)において検定結果として表示する。
【0049】
このときも、本サーバー装置(2)のデータ管理部(57)で保存・読み出しが可能なデータベースシステム(4)に該検定結果を保存(37)することができる。保存される情報テーブルは検定した日時(110)、観測データと共に伝送された端末の識別符号(111)の他に、後述する較正データ(113)及び、検定結果(114)を含む。
【0050】
さらに、受信方向に依存した位相特性を検定することもできる。該位相特性とは、GPS衛星の方向によって、受信機内部の遅延時間が変化する特性であり、理想的なアンテナにおいては衛星がどの方向にあっても受信機内の遅延時間は一定となるが、実際のアンテナでは受信した信号を衛星毎に個別に調べて、受信方向に依存した遅延時間の変化があるかどうかを見れば評価することができる。
【0051】
該特性評価で得られる情報テーブルは図10のようなものである。衛星毎(91)に衛星の方向(92)と遅延時間(94)の関係を調べ、受信方向毎に遅延時間がどのように変化するかをメモリ(52)や外部記憶装置(53)に記憶させる。
そして、受信方向の変化(D1〜D5)に対する遅延時間の変化(t1〜t5)が、例えば標準偏差を取ることで所定の閾値以内に収まっているか否かを評価する。評価の結果は、サーバー装置(2)に備えるモニタ(58)において検定結果として表示したり、或いは図示しない音声出力手段からの音声出力や、印刷手段からのプリント処理によって出力してもよい。
【0052】
上記同様、該検定結果は、データ管理部(57)で保存・読み出しが可能なデータベースシステム(4)に保存(37)することができる。保存される情報テーブルは検定した日時(110)、観測データと共に伝送された端末装置の識別符号(111)の他に、較正データ(113)及び、検定結果(114)を含む。
【0053】
ここで、較正データ(112)について、例えば位相特性の較正データ(113)を一例に説述する。
較正データは、受信機において以後観測データに対して一定の演算を行うことで、特性による誤差を較正可能なデータであり、該検定時の特性評価から求められる。位相特性の場合、受信方向と遅延時間との関係式を近似計算により導出して較正データを求めることができる。すなわち、ある受信方向(92)に対して決まる遅延時間(94)を較正データとする。
【0054】
該データ(113)は、上記のようにデータベースシステム(4)に保存しておくこともできるが、サーバー装置(2)の特性評価部(56)から通信部(54)を経て、ネットワークアダプタ(51)を介し、端末装置(1)の較正データメモリ(49)に記憶することができる。
該メモリ(49)に蓄積される情報テーブルは図12のようなものであり、検定情報(120)として、検定対象又は各特性を、さらに検定日時(121)、データ(122)として検定結果又は較正データを、それぞれ含む。
【0055】
そして、以後、データ処理部(47)において該較正データメモリ(49)を参照しながら、観測データの補正を行うようにする。端末装置(1)における処理方法は公知の任意の手法を用いることができる。
【0056】
さらに、上記検定結果は、サーバー装置(2)におけるモニタ(58)の他に、端末装置(1)に検定結果(101)を通信部(54)から送出し、端末装置(1)におけるモニタ(44)にて表示することもできる。
検定結果(101)の通知には、観測データの送信時と同様にインターネットのメールを用いることもできる。
これにより、送受信ともにメールを利用して簡便な通知方法を実現することができる。なお、必ずしもサーバー装置(2)側からの送信手続きをとらずに、端末装置(1)側から問い合わせることによって検定結果(101)を取得する手続きでもよい。この場合、例えば検定結果をインターネットのWEBサーバ上に保存し、該情報を端末装置(1)がダウンロードする構成をとることもできる。
【0057】
本発明は、上記に限定されることなく、任意に変更可能である。上記ではGPSを用いているが、GLONASS(Global Navigation Satellite System: 全地球的航法衛星システム)など、任意の衛星システムを用いることができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成を備えるので、以下の効果を奏する。
すなわち、請求項1ないし4に記載の衛星測位受信機を検定する検定方法は、衛星測位検定サーバー装置を用いることにより、統一的な基準に基づいて衛星測位端末装置の特性を評価し検定することができる。検定の結果、一定の基準が満たされていると認定された衛星測位受信機は、得られた特性から算出される誤差の範囲で正確な結果を与えることを保証することができる。また、検定結果から得られる補正情報を使用して測位を行うことにより、被検定衛星測位受信機を用いて行う測位の精度および確度が向上する。
【0059】
特に従来と異なり、該サーバー装置を用いて衛星測位受信機が有する固有の特性を抽出することが可能であり、その結果得られた検定結果は同じように同サーバー装置で検定された受信機間のみならず、同様の構成の検定システムで検定された衛星測位受信機とも検定結果を比較することが可能であり、絶対的な特性評価が可能な検定方法を提供することができる。
【0060】
特に、衛星測位受信機の特性として、マルチパス特性や、衛星測位受信機のゲインに関する特性、受信方向に依存した位相特性について評価する際に極めて効果的である。
【0061】
また、請求項7ないし13に記載の衛星測位受信機を検定する検定システムにおいても、特性評価結果を記録したり、画面出力や音声出力などにより検定を行える特性検定手段を備えることで、従来提供されていなかった衛星測位受信機の特性評価及びその検定処理が可能となる。
これら検定には上記同様の検定方法を用いるため、検定結果は高精度かつ絶対的な評価が可能なシステムである。
【0062】
特に、衛星測位検定サーバー装置を用いることで、国際観測基準点や電子基準点などの情報を用いることができ、受信機の特性評価に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を説明する説明図。
【図2】 本発明の衛星測位検定システムの処理フローチャート。
【図3】 本発明の衛星測位端末装置の処理フローチャート。
【図4】 本発明の衛星測位検定サーバー装置の処理フローチャート。
【図5】 本発明の衛星測位端末装置の構成図。
【図6】 本発明の衛星測位サーバー装置の構成図。
【図7】 マルチパスの伝搬状態を説明する説明図。
【図8】 マルチパス特性の特性評価における情報テーブル。
【図9】 ゲイン特性の特性評価における情報テーブル。
【図10】 位相特性の特性評価における情報テーブル。
【図11】 データベースシステムに蓄積される情報テーブル。
【図12】 端末装置における較正データの情報テーブル。
【符号の説明】
1 衛星測位端末装置
2 衛星測位検定サーバー装置
3 通信手段
4 データベースシステム
10 検定フィールド
11 検定マーカ
12 衛星A
13 衛星B
14 衛星C
41 GPS受信機
102 既知の観測点データ
103 副次的情報
Claims (9)
- 測地座標系における位置をGPSなどの測位衛星の搬送波位相を使用して測位する衛星測位受信機を検定する検定方法であって、
予め基準となる衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性に起因する受信方向(方位角および仰角)に依存した位相特性を測定、又は所定値に定めて衛星測位検定サーバ装置に記録した上で、
衛星測位受信機のアンテナ部を、所定の検定マーカの直上の少なくとも異なる2種の高さに設置して一定の時間観測データの取得を行うステップ、
取得された各設置高さの観測データを、衛星測位検定サーバー装置に伝送するステップ、
該衛星測位検定サーバー装置において該基準となる衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性を用いて測位解析を行うステップ、
該衛星測位受信機で取得されたデータから、衛星測位受信機のアンテナ部の高さを変化したことによって変化する受信方向の領域を調べることで、衛星測位受信機においてマルチパスの影響を受ける受信方向の領域の特性を評価するステップ、
該評価結果が予め定めた特性値に適合しているか否かを判定するステップ
を具備したことを特徴とする衛星測位端末装置の検定方法。 - 前記衛星測位端末装置の検定方法において、
衛星測位受信機で取得した衛星X(Xは複数の衛星A、B、C、・・・)の搬送波位相φ(1,X)と、基準となる衛星測位受信機で取得した衛星Xの搬送波位相φ(2,X)との差を示す次式
φ(1,X)−φ(2,X)=2πf(r(1,X)−r(2,X))/c
+N(X)+α(θ,ζ)−β(θ,ζ)
(ただし、r(1,X)とr(2,X)はそれぞれ衛星測位受信機と基準となる衛星測位受信機から衛星Xまでの距離、fは搬送波の周波数、cは光速、N(X)は初期位相バイアス、α(θ,ζ)は衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性に起因する受信方向(方位角θおよび仰角ζ)に依存した位相バイアス、β(θ,ζ)は基準となる衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性に起因する受信方向(方位角θおよび仰角ζ)に依存した位相バイアスである。)
を用い、α(θ,ζ)の特性を評価する
請求項1に記載の衛星測位受信機の検定方法。 - 前記特性が前記衛星測位受信機のゲインに関する特性である請求項1又は2に記載の衛星測位受信機の検定方法。
- 前記測位解析を行うステップにおいて、少なくとも衛星軌道、電子基準点での観測データ、国際観測基準点での観測データ、大気・電離層補正データのいずれかを使用する請求項1ないし3に記載の衛星測位受信機の検定方法。
- 前記衛星測位受信機で取得されたデータを解析して特性を評価した後に、
得られた特性を較正データとして当該衛星測位受信機に付与するステップを備えた請求項1ないし4に記載の衛星測位端末装置の検定方法。 - 測地座標系における位置を人工衛星により測位する衛星測位受信機を検定する検定システムであって、
被検定衛星測位受信機が、人工衛星からの衛星信号を受信する衛星測位受信手段、少なくとも受信された観測データを送信可能な端末側通信手段、の各手段を少なくとも備える構成において、
所定の検定フィールドにおける少なくとも異なる2種の高さに設けた検定マーカと、
位置が既知の観測点において基準となる衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性に起因する受信方向(方位角および仰角)に依存した位相特性を測定、又は所定値に定めて記録する基準点観測データ取得手段、該各設置高さの衛星測位端末装置が取得した観測データを受信可能なサーバー側通信手段、該基準となる衛星測位受信機のアンテナ部の位相特性を用い、該観測データを演算して測位結果を得る演算解析手段、得られた測位解析結果を用い、衛星測位受信機のアンテナ部の高さを変化したことによって変化する受信方向の領域を調べることで、衛星測位受信機においてマルチパスの影響を受ける受信方向の領域の特性評価を行う特性評価手段、該特性評価結果を記録及び/又は出力する特性検定手段、の各手段を少なくとも備えた衛星測位検定サーバー装置と、
から構成されることを特徴とする衛星測位端末装置の検定システム。 - 前記衛星測位検定サーバー装置における特性評価手段が、被検定衛星測位受信機のゲインに関する特性を評価する手段を備えている
請求項6に記載の衛星測位端末装置の検定システム。 - 前記衛星測位検定サーバー装置が、
前記人工衛星の固有情報、又は衛星信号伝搬に係る気象情報、地球姿勢情報の少なくともいずれかに関する補正条件データを取得する補正条件データ取得手段を備え、
前記演算解析手段において、該補正条件データにより該観測データの補正を行う
請求項6又は7に記載の衛星測位端末装置の検定システム。 - 前記被検定衛星測位受信機が、該較正データを記憶する較正データ記憶手段を備える構成において、
前記衛星測位検定サーバー装置が、該較正データ記憶手段に向けて前記特性検定手段から特性評価結果を較正データとして送出する
請求項6ないし8に記載の衛星測位端末装置の検定システム。
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