JP3760222B2 - トビイカ発光蛋白質、トビイカ発光蛋白質をコードする遺伝子 - Google Patents

トビイカ発光蛋白質、トビイカ発光蛋白質をコードする遺伝子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トビイカ(Symplectoteuthis oualaniensis )由来の発光蛋白質であるシンプレクチン、シンプレクチンのアミノ酸配列、及び当該蛋白質をコードする遺伝子の塩基配列に関する。更に本発明は、当該発光蛋白質を用いて発光素子の存在下に、化学発光により一価カチオンを検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生物発光は、その発光にあたり補因子を必要とすることを利用して、生細胞中における金属イオン変動のモニター等に応用されている。発光は、発光素子が酸化され生成した高エネルギー中間体(発光中間体)が、基底状態に落ちるときに光を発する現象である。発光生物は酵素を用いることで、この反応を効率的に行っている。
【0003】
最も古典的な生物発光は、ホタルの発光に関するルシフェリンールシフェラーゼ反応である。ルシフェリンールシフェラーゼ反応の実態は、ATP とマグネシウムイオンの存在下、ルシフェラーゼの酵素反応によりルシフェリンがオキシルシフェリンになる現象である。ホタルルシフェラーゼは、微量で光の検出が可能であるために、生化学研究の重要なツールとなっている。ホタルのルシフェラーゼは既にクローン化され、大腸菌により生産された熱安定型の酵素が市販されている。
【0004】
その他の例として、オワンクラゲに由来する青色蛍光蛋白質であるエクオリンが知られており、エクオリンは21kDa と比較的低分子量の蛋白質である。そのエクオリンは、セレンテラジン等の発光素子と酸素とを取り込むと、カルシウムイオンを引き金として、高エネルギーの励起状態となり青色発光をする。実際のクラゲの発光は青色であって緑色ではないが、この現象はエクオリンからのエネルギーを受け取る緑色蛍光蛋白質(GFP )が緑色に発光するために生じると考えられている。
【0005】
オワンクラゲの発光系は、細胞生化学、生化学の分野でも応用されている。エクオリンの発光がカルシウムイオンにより引き起こされることを利用して、無傷細胞を種々のホルモンや神経伝達物質などのアゴニストや細胞増殖因子により刺激することに伴う、細胞質中のカルシウムイオン濃度の変化を検討する実験などにも用いられている。この様に、エクオリンは、臨床生化学の分野のみならず、カルシウムセンサーや遺伝子レポーターとしても注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ルシフェリンやエクオリンを用いた上記の方法は、高い感度を有する優れた方法であるが、発光のトリガーとなるイオンは、ルシフェリンにおいてはマグネシウムイオン、エクオリンにおいてはカルシウムイオンであり、共に二価カチオンである。そのために、発光蛋白質を用いて一価カチオンを検出する手段はなかった。発光蛋白質を用いる方法は感度が高くて放射性同位元素のような危険性はないために、一価のカチオンを検出できる発光蛋白質が求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、カリウムやナトリウム等の一価カチオンで発光が誘発される沖縄のトビイカ(Symplectoteuthis oualaniensis )の生物発光系に着目して、その発光機構について検討を行った。トビイカの発光系においては、一価カチオンが発光のトリガーとして作用する。よって、トビイカ由来の発光蛋白質は、一価カチオンを検出するための良いツールと成り得ると考えられる。
【0008】
トビイカはその胴体上に大きな発光器を有している。光を放出する系には発光蛋白質であるシンプレクチンが関与し、シンプレクチン蛋白質にデヒドロセレンテラジンが付加し共有結合しており、発光には酸素分子、一価のカチオン(カリウム、ナトリウムなど)が必要である。即ち、デヒドロセレンテラジンが蛋白質に取り込まれて共有結合を形成し、一価のカチオンの存在下に発光素子が還元型の発色団に変換されるために発光が生じる。ここで一価カチオンが存在することにより発光蛋白質のコンフォメーションが変化し、発光を伴う化学反応が起こると考えられており、それがトビイカの発光系において一価カチオンが発光のトリガーとなる理由である。グルタチオンによるモデル系を用いて明らかにされた、トビイカの推定されている発光機構を、図1に示す。
【0009】
トビイカの発光において、発光蛋白質シンプレクチンと結合する発光素子として、デヒドロセレンテラジンを用いることができることが知られている。デヒドロセレンテラジンの構造を化学式12に示す。
【化12】
Figure 0003760222
また、デヒドロセレンテラジンのみならず、その誘導体も発光素子として使用できると考えられている。その様な誘導体として、
【化13】
Figure 0003760222
の化合物(Xはハロゲン又はメトキシ基である置換基)、
【化14】
Figure 0003760222
の化合物(Xはハロゲン、メトキシ基又は水酸基であり、Y、Zは水素、ハロゲン、メトキシ基又は水酸基である、但し、Y、Zが共に水素である場合は除く)及び
【化15】
Figure 0003760222
の化合物(X、Aはハロゲン、メトキシ基又は水酸基であり、Y、Z、B、Cは水素、ハロゲン、メトキシ基又は水酸基である、但し、Y、Zが上記置換基でありB、Cが共に水素である場合、及びY、Z、B、Cが全て水素である場合は除く)を挙げることができる。なお、本発明者らは発光素子を除いたクルードなアポ蛋白質を用いた系に上記の発光素子又はその誘導体を添加して発光蛋白質を再構成することにより、発光が認められる事を確認している。
【0010】
トビイカの発光蛋白質は溶解度が低く、一般的な研究方法というものはない。膜蛋白質を可溶化する界面活性剤を用いると、トビイカ発光蛋白質は発光活性を失う。ここで、カオトロピックな塩であるKCl をバッファーに加えることで活性を維持したまま可溶化することができる。目的蛋白質の抽出効率及び発光活性に各種の塩が及ぼす影響をしらべたところ、KCl が最もふさわしいことが判明した。また、エクオリンとは異なり、二価のカチオンによりシンプレクチンの発光は引き起こされなかった。トビイカの発光蛋白質の酵素化学的特性を検討した結果、至適pHは8、至適温度は約20℃であることが知られている(Isobe M. et al.,Pure and Appl.Chem.,(1998) Vol.70,2085-2092 )。
【0011】
【発明の実施の形態】
そこで本発明者らは実施例において述べる様に、KCl を含むバッファー中においてトビイカの発光蛋白質を抽出し、PCR クローニングによる塩基配列の決定、及びアミノ酸配列の決定を行った。本発明のトビイカ由来の発光蛋白質であるシンプレクチンの構造は、配列表の配列番号1に記載したアミノ酸配列より特定される。このアミノ酸配列により示される蛋白質に上記の発光素子が共有結合することにより、一価カチオンの存在が引き金となって発光が起こる。当該アミノ酸配列により特定される蛋白質は、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)において約60kDa の分子量を示す。
【0012】
配列表の配列番号1に示す蛋白質の一部が欠失、置換若しくは付加された蛋白質とは、配列番号1に示すアミノ酸配列において20個以下、好ましくは10個以下、更に好ましくは5個以下のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加された配列を有する蛋白質である。その様なポリペプチドも、発光素子と共有結合して一価カチオンの存在下に発光するという発光蛋白質シンプレクチンの特徴を有する限り、本発明の範囲内である。
【0013】
また、下記の実施例において示す様に、当該蛋白質をトリプシン処理することにより、40kDa と15kDa の2つのフラグメントに分解されるが、当該蛋白質のC末端側に相当する40kDa が、発光機能に関与している。トリプシン分解により得られた上記40kDa の2つのフラグメントのアミノ酸配列を、配列表の配列番号2に示す。配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列を有する蛋白質も、本発明の範囲内である。
【0014】
配列表の配列番号2に示す蛋白質の一部が欠失、置換若しくは付加された蛋白質とは、配列番号2に示すアミノ酸配列において20個以下、好ましくは10個以下、更に好ましくは5個以下のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加された配列を有する蛋白質である。その様な蛋白質も、発光素子と共有結合して一価カチオンの存在下に発光するという発光蛋白質シンプレクチンの特徴を有する限り、本発明の範囲内である。
【0015】
また、シンプレクチン蛋白質をコードする遺伝子のcDNAは,配列表の配列番号3に記載した塩基配列により特定される。配列表の配列番号3に記載されている塩基配列は、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の13番目のフェニルアラニンからC末端のセリンまで合計489アミノ酸残基をコードしている読み枠(オープンリーディングフレーム)を含む全長cDNAの塩基配列である。
【0016】
多くのアミノ酸については、それをコードするDNA の塩基配列は複数存在する。本発明で明らかにされたシンプレクチンのアミノ酸配列をコードする遺伝子の場合にも、そのDNA の塩基配列として、天然の遺伝子の塩基配列以外にも、多数の塩基配列が存在する可能性がある。しかし、本発明の遺伝子は、天然のDNA 塩基配列のみに限定されるものではなく、本発明により明らかにされた発光蛋白質のアミノ酸配列をコードする、他のDNA 塩基配列を含むものである。
【0017】
また、遺伝子組み換え技術によれば、基本となるDNA の特定の部位に、当該DNA がコードする蛋白質の基本的な特性を変化させることなく、あるいはその特性を改善する様に、人為的に変異を起こすことができる。本発明により提供される天然の塩基配列を有する遺伝子、あるいは天然のものとは異なる塩基配列を有する遺伝子に関しても、同様に人為的に挿入、欠失、置換を行う事により、天然の遺伝子と同等のあるいは改善された特性を有するものとすることが可能であり、本発明はそのような変異遺伝子を含むものである。即ち、配列表の配列番号3に示す遺伝子の一部が欠失、置換若しくは付加された遺伝子とは、配列番号3に示す塩基配列において20個以下、好ましくは10個以下、更に好ましくは5個以下の塩基が欠失、置換若しくは付加された配列を有する遺伝子である。その様な遺伝子も、発光素子と共有結合して一価カチオンの存在下に発光するという発光蛋白質シンプレクチンの特徴を有するポリペプチドをコードしている限り、本発明の範囲内である。
【0018】
本発明の発光蛋白質は、感度良く一価カチオンを検出する目的において、特に有用である。生物発光は10-16 モル程度という超高感度で検出が可能であるために、放射性同位元素と同等又はそれ以上の感度で、迅速かつ簡便に一価カチオンを検出することが可能であり、放射性同位元素のような危険性と煩わしさがない。その様に、本発明の発光蛋白質は一価カチオン、特にカリウムイオンやナトリウムイオンのセンサーとして優れた特徴を有している。
【0019】
具体的には、医療の現場における臨床分析や生化学的な研究試薬として、本発明の発光蛋白質又はそれをコードする遺伝子を利用できる。臨床分析において、試験管内(インビトロ)で一価カチオンを検出する目的で、本発明の発光蛋白質は特に有用である。それのみならず、細胞内における微妙な一価カチオンを検出するにも、本発明の発光蛋白質を用いることができる。上述したオワンクラゲの発光蛋白質であるエクオリンは細胞質内におけるカルシウムイオンの濃度を検出するインジケーターとして本技術分野で汎用されているが、本発明の発光蛋白質は一価カチオンを検出するための、エクオリン類似のインジケーターとして使用できると思われる。エクオリンについては、エクオリンをコードする蛋白質を細胞質内において発現させた系を用いて、細胞内のカルシウムイオン濃度の変化を確認する手段が確立されており、本発明の遺伝子およびポリペプチドにおいても、それらの塩基配列およびアミノ酸配列が本発明により判明したために、同様の方法により使用する事が可能であると思われる。特に神経細胞の機能の研究などにおいては、微量のカリウムイオン濃度の変化を検出できることは重要である。例えばマイクロインジェクションなどの手法を用いて、細胞質内に本発明の発光蛋白質を導入することにより、細胞内における微量な一価カチオンの変化を測定することができる。また、本発明の発光蛋白質をコードする遺伝子を細胞内に導入して発現させることによっても同様の効果を得ることができる。それらの場合、発光素子については外部から与えることが可能であり、特に植物においては根から吸わせることも可能である。
【0020】
ところで、本発明者らは、ホタルのルシフェリン−ルシフェラーゼ系を用いて、ホスファターゼの活性を感度良く検出する方法を確立している。発光素子であるルシフェリンにリン酸基が結合したルシフェリンフォスフェートにフォスファターゼを作用させるとルシフェリンが生成し、生成したルシフェリンを基質としてルシフェラーゼによる酵素反応を行うことにより、発光を検出することができる。なお、ルシフェリンフォスフェートはルシフェラーゼの基質とならず、発光を引き起こさない。よって、フォスファターゼによる酵素反応により生成したルシフェリンが存在しないと発光が生じないために、発光強度はフォスファターゼ活性と相関している。即ち、フォスファターゼの酵素活性を生物発光に置き換えて検出することが可能である。
【0021】
同様の原理を用いて酵素活性を測定することが、本発明のトビイカ発光蛋白質を用いても可能である。フォスファターゼの酵素活性を例にとると、デヒドロセレンテラジン等の発光素子にリン酸基が結合したフォスファターゼ基質と成り得る誘導体を作製し、それを基質としてフォスファターゼの酵素反応を行う。酵素反応により生成した発光素子は、トビイカ発光蛋白質と共有結合して、一価カチオンの存在下で発光を生じるために、発光により酵素活性を測定することが可能である。同様の原理による測定は、発光素子を目的とする酵素の基質に変換することができる限り、フォスファターゼ以外の種々の酵素においても可能である。以下の実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は上述した例又は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術分野における通常の変更をする事ができる。
【0022】
【実施例】
沖縄県の海域で採取されたトビイカ発光器より、発光能を指標として分子量60kDa の発光蛋白質の分離、精製を行った。この発光蛋白質は、0.6M以上の濃度KCl を含む溶液中において可溶性であった。シンプレクチンを含む発光器官のホモジネートを、まず0.4M KCl溶液(pH 6.0)により洗浄した。後に0.6M KCl溶液で抽出し、その一部をpH 8.0のバッファー中に添加して発光能をチェックした。塩濃度が高いために、その抽出物を精製できるクロマトグラフィーの手段は限られていた。
【0023】
精製した蛋白質をトリプシンにより加水分解すると、60kDa の蛋白質から40kDa と15kDa の2つの生成物が生じた(図2)。図2において、レーン1はトリプシン分解前のオリジナルを、レーン2はクルードな蛋白質をトリプシンで消化した結果を、レーン3は精製した蛋白質をトリプシンで消化した結果を、レーン4は分子量マーカーを、それぞれ示す。特に精製した蛋白質であるレーン3において、トリプシン消化後の40kDa と15kDa の断片が認められた。発光能を検討したところ、60kDa と40kDa の蛋白質は共に発光した。一方、15kDa の蛋白質は発光能を示さなかったが、60kDa の蛋白質と同じN末端アミノ酸配列を有しており、当該15kDa の蛋白質はシンプレクチンのN末端に位置していることが判った。なお、発光機能を担う活性中心は、C末端側の40kDa の部位に存在していると思われる。
【0024】
この様にして精製した蛋白質を、酵素により加水分解してペプチド断片とし、それら断片につきナノ-LC-Q-TOF-MS-MS で解析することにより、部分アミノ酸配列を決定した。その様にしてクロマトグラフィー及び質量スペクトル解析(MS-MS スペクトル)を行い、いくつかのペプチド断片の部分アミノ酸配列を決定した。なお、N末端アミノ酸配列がYVRPVSSWK であることが判った。この様にして求めたペプチド断片の部分アミノ酸配列に基づいて、オリゴヌクレオチドプライマーを合成し、PCR によるcDNAの増幅に用いた。
【0025】
次に、トビイカの発光器官よりRNA を抽出し、逆転写酵素による反応により、cDNAのプールを調製した。この様にして得たcDNAを鋳型とし、上述した合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR )を行い、発光蛋白質のcDNA断片を増幅した。下記に述べるPCR クローニングに用いたプライマーの配列を以下に示す。
60(3)S: 5'-CGG GAT CCT TYG ARC AYC ARG TNA THC C-3' (配列番号4)
40AS: 5'-GCC TCG AGT CRT TRT TRA ANG CNA CRT T-3' (配列番号5)
BLP-SP1: 5'-ATG GAC CTG ATG GCA GAG AA-3' (配列番号6)
MC-AS1: 5'-TGR TAD ATN GGN GGN ARG TTN ACC CA-3'(配列番号7)
FR29 AS: 5'-GTY TGN ACR TCR TCR TCY TC-3' (配列番号8)
photo-SP: 5'-GAGACCAGTACCTATGGTAGCGG-3' (配列番号9)
adapter primer: 3'-RACE cDNA合成プライマー
(SMART TM cDNA 増幅キット:クロンテック)
【0026】
まず、部分アミノ酸配列に基づいて設計されたプライマーである60(3)Sと40ASとを用いてPCR で増幅を行い、その配列を基にして遺伝子特異的なプライマーBであるLP-SP1を、上記部分アミノ酸配列に基づいて2種のプライマー(MC-AS1、FR29 AS )を合成して、更に3'側に延ばした。最後にもう一つの遺伝子特異的なプライマーを用いて、SMART TM cDNA 増幅キット(クロンテック)を用いて3'-RACE (rapid amplification of cDNA ends)を行い、全長をクローニングした。ここで行ったPCR クローニングのストラテジーを図3に示す。
【0027】
その結果、配列表の配列番号3に示す1646塩基からなるcDNAを得た。このcDNAは、発光蛋白質の13番目のフェニルアラニンからC末端のセリンまで合計489アミノ酸残基をコードする配列を、構造遺伝子として含んでいた。この配列にナノ-LC-Q-TOF-MS-MS により決定したN末端部分アミノ酸配列である12残基を合わせて、合計501アミノ酸残基から成るトビイカ発光蛋白質の全アミノ酸配列を決定した。その様にして得たシンプレクチンのアミノ酸配列を、配列表の配列番号1に示す。そのポリペプチドの理論上の分子量は57,463であり、SDS-PAGEで評価した分子量である60kDa と比べてやや小さかった。また、上記501アミノ酸残基から成る配列のうち、トリプシン分解して得られた発光活性を有する40kDa 断片に相当する配列を、配列表の配列番号2に示す。
【0028】
トビイカの発光蛋白質シンプレクチンの配列の中には、N-グリコシル化を受ける可能性がある部位が二カ所あり、その知見はこの発光蛋白質が糖蛋白質である可能性を示している。アミノ酸含量及び疎水性プロファイルの結果は、この蛋白質は水溶液中における溶解度は低いにもかかわらず、強度に疎水性ではないこを示していた。図4の上段にシンプレクチンの構造の模式図を、図4の下段に疎水性プロファイルの結果を示す。イカ発光蛋白質のアミノ酸配列は、既知の発光蛋白質と全く相同性を示さなかった。その結果は、一価のカチオンにより発光の引き金が依存していることにより示唆されていた様に、このイカの蛋白質は新しい型の発光蛋白質であることを示している。
【0029】
BLAST プログラムを用いた60kDa 発光蛋白質の相同性検索より、2つの蛋白質がこの発光蛋白質と類似していることが見られた。一つはビオシチンを加水分解してビオチンとリジンを生成する作用を有する可溶性酵素である、ビオチニナーゼ(EC 3.5.1.12 )である。もう一つはGPI-アンカー型の蛋白質であるバニンである。この膜蛋白質は血管周囲の胸腺基質細胞において発現しており、血球前駆体細胞が胸腺へ移行するためのホーミング受容体であると示唆されている。イカ発光蛋白質とこれらの哺乳動物蛋白質との間の相同性は限られたものであった。しかし、11個のシステイン残基はこれらの3つの蛋白質において保存されていた。
【0030】
上記のシンプレクチン蛋白質とその40kDa 断片のcDNAを、以下のセンスプライマー(PhPETS1, PhPETS2)及び共通なアンチセンスプライマー(PhPETA1) を用いてPCR 増幅した。尚、PCR 増幅の鋳型として発光器官のpoly(A)+RNA を用いた。これらのプライマーには、図5において示す様に、制限酵素分解サイト(EcoRI とSalIサイト)が挿入されている。そして図6において示す様に、PCR 増幅によって、60kDa の全長シンプレクチン蛋白質と40kDa 断片のcDNAが増幅された。
PhPETS1:5'-TTGAATTCCCAAAAACAGATATGGAGAC-3'(配列番号10)
PhPETS2:5'-TTGAATTCCTATTTTGGGAAGAAGGTTG-3'(配列番号11)
PhPETA1:5'-AAGTCGACTTAGGAGGCGGCGTAAACATAAG-3' (配列番号12)
【0031】
PCR 生成物をアガロースゲル上で分離した後に、EcoRI 及びSalIを用いて切断し、pET-32a(+)のEcoRI 及びSalI部位に結合してベクターを構築した。そのベクターをpET-60と名づけて、シンプレクチン蛋白質の発現に用いた。pET-60により形質転換した大腸菌株BL21(DE3)pLysSを、Luria broth (LB)中において37℃で培養した。isoproryl-1-thio-b-D-galactopyranoside(IPTG)を添加して蛋白の発現を誘導した。遠心して細胞を回収し、緩衝液中でソニケーションにより可溶化した。ホモジネートを遠心し、上清をHis-Bind樹脂を用いた親和性クロマトグラフィーにかけ、イミダゾール濃度を変えて段階的な溶出を行うことにより、チオレドキシンとの融合蛋白質を精製した。以上の操作により、組み換えシンプレクチン蛋白質が、チオレドキシンの融合蛋白質として得られた。
【0032】
細胞ライゼートについてSDS-PAGEを行ったところ、シンプレクチンとその40kDa 断片が検出された。更にウエスタンブロティング解析を行ったところ、これらのバンドは抗シンプレクチン抗体で特異的に染色され、本発明の蛋白質が組み換え蛋白質として発現していることが示された。ウエスタンブロッティングの結果を図7に示す。図7において、一次抗体として抗シンプレクチン抗体を、二次抗体としてHRP を結合した抗マウスIgG を使用した。また、レーン1は40kDa 断片の組み換え蛋白質、レーン2は60kDa の全長組み換え蛋白質、レーン3はクルードな抽出物を示す。図7の矢印で示される様に、60kDa の位置と40kDa の位置に、抗体と反応する蛋白質が検出された。
【0033】
組み換えシンプレクチン蛋白質を、生物発光アッセイにかけた。組み換えシンプレクチン蛋白質を緩衝液中に懸濁し、発光素子であるデヒドロセレンテラジンと混合して、20℃で30分間インキュベートして反応させることにより、蛋白質−発色団複合体を形成した。アルカリバッファー(pH9.8 )を添加して蛋白質−発色団溶液のpHを上昇させ、生物発光反応を開始した。得られた光発光を、ルミフォトメーターによりモニターしたところ、明らかな発光が検出された。この様に、組み換えシンプレクチン蛋白質が発光することは、シンプレクチン蛋白質をコードしているcDNAが、イカの発光蛋白質を実際にコードしていることを示している。
【0034】
【発明の効果】
本発明により、トビイカ(Symplectoteuthis oualaniensis )由来の発光蛋白質であるシンプレクチンのアミノ酸配列、及び当該蛋白質をコードする遺伝子の塩基配列が与えられた。発光素子の存在下において本発明の発光蛋白質を用いて、化学発光により一価カチオンを検出する事が可能である。
【0035】
【配列表】
<110>出願人氏名:名古屋大学長
<120>発明の名称:トビイカ発光蛋白質、トビイカ発光蛋白質をコードする遺伝子
<160>配列の数:12
<210>配列番号:1
<211>配列の長さ:501
<212>配列の型:アミノ酸
<213>起源:Symplectoteuthis oualaniensis (トビイカ)シンプレクチン
<400>配列
YVRPVSSWKV AVFEHQVIPP KTDMETREEA LDALKLNSDV YHEAVLESRS KGVKMIVFPE 60
YGLYDINTLT RTRMDLMAEK VPHPKHGHRN PCDEPEYQTQ SSEMLRTFSC MAKENDMYMV 120
VNMAGREPCR RATEPECPGD KQLLYNTNVA FNNEGDVVAR YYKTHLFWEE GWFNSSKNYE 180
MALWDTPIGK FGTFMCFDFQ AVQLIEQYNV RHIAYPASWV NLPPIYQSIQ SHSAFARFAK 240
INLLAASVHR LETSTYGSGI YSPNGAEIFY FRPDIPKSKL LVAEILPIHV KKPEQTVVNF 300
DNPVFPSEDD DVQDLFDRGD FAFLKYKRMT TRAGTVEVCQ KSFCCKARYA VKDRFKEVYA 360
VGVYDGLLSA GANNLYFQIC TVIQCPHKKC GLKISKVRTH FKYLNLRADG WLDRYVFPSY 420
TVMYNNYIAL DPFVWNYTVA GGIETKPGTS TPLHSANLVA RIYAKDSSKH VHQPHPIDEG 480
VIKMAVKYML YVMAAYVYAA S 501
<210>配列番号:2
<211>配列の長さ:370
<212>配列の型:アミノ酸
<213>起源:Symplectoteuthis oualaniensis (トビイカ)シンプレクチン
<400>配列
ATEPECPGDK QLLYNTNVAF NNEGDVVARY YKTHLFWEEG WFNSSKNYEM ALWDTPIGKF 60
GTFMCFDFQA VQLIEQYNVR HIAYPASWVN LPPIYQSIQS HSAFARFAKI NLLAASVHRL 120
ETSTYGSGIY SPNGAEIFYF RPDIPKSKLL VAEILPIHVK KPEQTVVNFD NPVFPSEDDD 180
VQDLFDRGDF AFLKYKRMTT RAGTVEVCQK SFCCKARYAV KDRFKEVYAV GVYDGLLSAG 240
ANNLYFQICT VIQCPHKKCG LKISKVRTHF KYLNLRADGW LDRYVFPSYT VMYNNYIALD 300
PFVWNYTVAG GIETKPGTST PLHSANLVAR IYAKDSSKHV HQPHPIDEGV IKMAVKYMLY 360
VMAAYVYAAS 370
<210>配列番号:3
<211>配列の長さ:1646
<212>配列の型:核酸
<213>起源:Symplectoteuthis oualaniensis (トビイカ)シンプレクチン
<400>配列
TTCGAGCATC AGGTCATTCC TCCAAAAACA GATATGGAGA CTCGAGAGGA GGCCCTGGAC 60
GCACTCAAAT TGAATAGCGA TGTCTATCAT GAAGCAGTGC TTGAATCAAG ATCAAAAGGA 120
GTCAAAATGA TTGTCTTCCC CGAATATGGT CTTTATGATA TCAACACATT GACAAGAACG 180
AGGATGGACC TGATGGCAGA GAAAGTTCCA CACCCTAAAC ACGGCCACCG AAACCCATGC 240
GATGAGCCAG AGTATCAAAC TCAAAGTTCA GAGATGTTGA GAACTTTCAG TTGTATGGCG 300
AAAGAAAATG ATATGTATAT GGTGGTCAAC ATGGCCGGTC GTGAGCCATG TAGGCGTGCC 360
ACTGAACCTG AGTGCCCAGG AGACAAGCAA TTGCTATACA ACACTAATGT TGCTTTTAAC 420
AATGAAGGTG ACGTTGTTGC AAGGTATTAC AAAACCCATC TATTTTGGGA AGAAGGTTGG 480
TTCAACTCGT CCAAGAATTA CGAAATGGCA CTTTGGGACA CCCCGATTGG CAAATTTGGT 540
ACTTTTATGT GTTTTGACTT CCAGGCTGTT CAACTAATCG AACAATATAA CGTACGACAT 600
ATTGCTTACC CAGCTTCCTG GGTTAATCTG CCCCCAATCT ATCAATCAAT CCAATCCCAT 660
TCAGCTTTTG CTCGTTTTGC AAAGATTAAT CTATTGGCAG CAAGTGTCCA CAGGCTAGAG 720
ACCAGTACCT ATGGTAGCGG CATATATTCA CCTAATGGAG CTGAAATCTT TTATTTCCGT 780
CCAGACATTC CAAAAAGTAA ACTGTTAGTG GCCGAGATTT TACCAATCCA TGTTAAAAAA 840
CCAGAGCAGA CGGTAGTCAA TTTTGATAAT CCCGTATTCC CGTCTGAAGA TGATGACGTG 900
CAAGATCTTT TTGATCGGGG CGACTTTGCT TTCTTAAAAT ATAAACGTAT GACAACCAGG 960
GCTGGTACAG TGGAAGTTTG CCAAAAGTCC TTCTGTTGCA AAGCTCGCTA TGCAGTCAAA 1020
GATCGATTCA AAGAAGTTTA CGCTGTGGGT GTCTATGACG GTTTATTATC TGCCGGTGCC 1080
AACAATCTCT ACTTCCAGAT TTGTACGGTG ATTCAATGTC CTCATAAGAA GTGCGGACTG 1140
AAAATATCAA AAGTAAGGAC TCATTTCAAG TACCTTAATT TGCGAGCAGA TGGATGGTTA 1200
GATAGATACG TGTTTCCTTC ATATACGGTA ATGTACAACA ATTACATTGC GCTTGATCCA 1260
TTTGTATGGA ATTATACAGT GGCCGGAGGA ATCGAAACTA AACCAGGCAC AAGCACTCCT 1320
CTACATTCAG CCAATCTGGT CGCAAGGATT TATGCAAAAG ACAGTTCAAA GCACGTCCAT 1380
CAGCCACATC CTATTGACGA AGGCGTAATT AAAATGGCCG TTAAATATAT GTTATATGTA 1440
ATGGCAGCTT ATGTTTACGC CGCCTCCTAA ATATCGAAAA TAAACATTGG ACCACTCGAA 1500
AACCTCATCG AATGATGATG CTGAAAGATT AGGGATTTAT GAATAATGCT TTTTCAATTC 1560
TTGGTGGTGG TGCTGCTTAA AAAATTATGC GAATACTTTG CACGAACTTT AAAAGTTTAG 1620
ATCAAGATGA TTTCCATGAA AAAATC 1646
<210>配列番号:4
<211>配列の長さ:28
<212>配列の型:核酸
<213>起源:人工的な配列
<220>配列の特徴
<223>他の情報:PCR クローニング用プライマー
<400>配列
CGGGATCCTT YGARCAYCAR GTNATHCC
<210>配列番号:5
<211>配列の長さ:28
<212>配列の型:核酸
<213>起源:人工的な配列
<220>配列の特徴
<223>他の情報:PCR クローニング用プライマー
<400>配列
GCCTCGAGTC RTTRTTRAAN GCNACRTT
<210>配列番号:6
<211>配列の長さ:20
<212>配列の型:核酸
<213>起源:人工的な配列
<220>配列の特徴
<223>他の情報:PCR クローニング用プライマー
<400>配列
ATGGACCTGA TGGCAGAGAA
<210>配列番号:7
<211>配列の長さ:26
<212>配列の型:核酸
<213>起源:人工的な配列
<220>配列の特徴
<223>他の情報:PCR クローニング用プライマー
<400>配列
TGRTADATNG GNGGNARGTT NACCCA
<210>配列番号:8
<211>配列の長さ:20
<212>配列の型:核酸
<213>起源:人工的な配列
<220>配列の特徴
<223>他の情報:PCR クローニング用プライマー
<400>配列
GTYTGNACRT CRTCRTCYTC
<210>配列番号:9
<211>配列の長さ:23
<212>配列の型:核酸
<213>起源:人工的な配列
<220>配列の特徴
<223>他の情報:PCR クローニング用プライマー
<400>配列
GAGACCAGTA CCTATGGTAG CGG
<210>配列番号:10
<211>配列の長さ:28
<212>配列の型:核酸
<213>起源:人工的な配列
<220>配列の特徴
<223>他の情報:PCR 増幅用プライマー
<400>配列
TTGAATTCCC AAAAACAGAT ATGGAGAC
<210>配列番号:11
<211>配列の長さ:28
<212>配列の型:核酸
<213>起源:人工的な配列
<220>配列の特徴
<223>他の情報:PCR 増幅用プライマー
<400>配列
TTGAATTCCT ATTTTGGGAA GAAGGTTG
<210>配列番号:12
<211>配列の長さ:31
<212>配列の型:核酸
<213>起源:人工的な配列
<220>配列の特徴
<223>他の情報:PCR 増幅用プライマー
<400>配列
AAGTCGACTT AGGAGGCGGC GTAAACATAA G
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、トビイカの推定発光機構を示す模式図である。
【図2】 図2は、本発明の発光蛋白質をトリプシンで分解を行った前後の、SDS-PAGEの結果を示す図である。
【図3】 図3は、本発明の発光蛋白質のcDNAを得るのに用いた、PCR クローニングのストラテジーを示す図である。
【図4】 図4は、本発明の発光蛋白質の構造の模式図及び疎水性プロファイルを示す図である。
【図5】 図5は、PCR 増幅に用いたプライマーと鋳型とを示す図である。
【図6】 図6は、本発明の発光蛋白質のcDNAを、PCR 増幅を行う際のストラテジーを示す図である。
【図7】 図7は、得られた組み換え蛋白質を、ウエスタンブロッティングにより解析を行った結果を示す図である。

Claims (8)

  1. トビイカに由来し、以下の(a)または(b)に示すアミノ酸配列からなることを特徴とする、蛋白質。
    (a)配列表の配列番号1に示す、アミノ酸番号1−501で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする、蛋白質。
    (b)(a)のアミノ酸配列のアミノ酸の10個以下が欠失、置換若しくは付加され、デヒドロセレンテラジンと結合してカリウムイオン又はナトリウムイオンの存在下に化学発光するという特徴を有する、蛋白質。
  2. トビイカに由来し、以下の(c)または(d)に示すアミノ酸配列からなることを特徴とする、蛋白質。
    (c)配列表の配列番号2に示す、アミノ酸番号1−370で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする、蛋白質。
    (d)(c)のアミノ酸配列のアミノ酸の10個以下が欠失、置換若しくは付加され、デヒドロセレンテラジンと結合してカリウムイオン又はナトリウムイオンの存在下に化学発光するという特徴を有する、蛋白質。
  3. 一価カチオンを検出するための方法であって、請求項1又は2記載の蛋白質と発光素子との共役付加体を形成させ、当該共役付加体を一価カチオンの存在下に発光させる過程より成り、当該発光素子が、
    Figure 0003760222
    の化合物、
    Figure 0003760222
    の化合物(Xはハロゲン又はメトキシ基)、
    Figure 0003760222
    の化合物(Xはハロゲン、メトキシ基又は水酸基であり、Y、Zは水素、ハロゲン、メトキシ基又は水酸基である、但し、Y、Zが共に水素である場合は除く)及び
    Figure 0003760222
    の化合物(X、Aはハロゲン、メトキシ基又は水酸基であり、Y、Z、B、Cは水素、ハロゲン、メトキシ基又は水酸基である、但し、Y、Zが上記置換基でありB、Cが共に水素である場合、及びY、Z、B、Cが全て水素である場合は除く)、
    からなる群より選択された化合物である、一価カチオンを検出する方法。
  4. 請求項1又は2記載の蛋白質をコードする、遺伝子。
  5. トビイカに由来し、以下の(e)または(f)に示す塩基配列からなることを特徴とする、遺伝子。
    (e)配列表の配列番号3に示す、塩基番号1−1646で示される塩基配列からなることを特徴とする、遺伝子。
    (f)(e)の塩基配列の塩基の10個以下が欠失、置換若しくは付加され、デヒドロセレンテラジンと結合してカリウムイオン又はナトリウムイオンの存在下に化学発光するという特徴を有する蛋白質をコードする、遺伝子。
  6. 一価カチオンを検出するための方法であって、請求項又は記載の遺伝子を細胞に導入し、当該遺伝子によりコードされる蛋白質を細胞内において発現させ、当該蛋白質と発光素子との共役付加体を形成させ、当該共役付加体を一価カチオンの存在下に発光させる過程より成り、当該発光素子が、
    Figure 0003760222
    の化合物、
    Figure 0003760222
    の化合物(Xはハロゲン又はメトキシ基)、
    Figure 0003760222
    の化合物(Xはハロゲン、メトキシ基又は水酸基であり、Y、Zは水素、ハロゲン、メトキシ基又は水酸基である、但し、Y、Zが共に水素である場合は除く)及び
    Figure 0003760222
    の化合物(X、Aはハロゲン、メトキシ基又は水酸基であり、Y、Z、B、Cは水素、ハロゲン、メトキシ基又は水酸基である、但し、Y、Zが上記置換基でありB、Cが共に水 素である場合、及びY、Z、B、Cが全て水素である場合は除く)、
    からなる群より選択された化合物である、一価カチオンを検出する方法。
  7. 請求項又は記載の遺伝子を挿入した、大腸菌形質転換体。
  8. 請求項又は記載の遺伝子を大腸菌内で発現させることにより、デヒドロセレンテラジンと結合してカリウムイオン又はナトリウムイオンの存在下に化学発光するという特徴を有する組み換え蛋白質を得る方法。
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