JP3760208B2 - 化粧パネルの研磨方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合板や木質材等のパネル等に化粧用の木口材を密着させてなる化粧パネルの研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、合板や木質材等を基材としたパネルの木口に化粧用の木口材を接着して貼り合わせた化粧パネルは、美麗であるために扉や室内家具等に使用されている。この化粧用の木口材は合板や木質材等のパネルの木口を覆うように種々の色や柄模様等を有する化粧シート等からなり、パネルの意匠性を向上させると共に合板や木質材等の吸水や吸湿による材質劣化を防ぐことができる。
木口材として、従来、種々の色、柄模様を施した0.3〜3mm程度の合成樹脂製シートや、種々の色、柄模様を施した紙材の表面を合成樹脂でコーティングした合成樹脂コート紙を樹脂含浸紙や合成樹脂シートに積層した0.3〜0.5mm厚程度の複合シート材等が用いられていた。
しかしながら、このような合成樹脂製シートや複合シート材からなる木口材は、パネルに接着して化粧パネルとした後、欠損や破損等を防ぐために角部や幅方向の両端部等に平面やR状の面取りを施すと色や柄模様が途切れて一体感を失ったり、著しく美観を損ねてしまう等という欠点があった。また顔料を練り込んだ単色の合成樹脂製シートを木口材とした場合には、パネルの木口に介在する接着剤が透明であるために接着剤部分につなぎ目が発生して化粧パネルとしての一体感が失われて、やはり美観を損ねるという欠点があった。
【0003】
このような欠点を改善した化粧用の木口材として、透明なアクリル樹脂製シートを押し出し成形等で製造してパネルとの接着面をなす裏面に色や柄模様を印刷したものが提案されている。このアクリル樹脂製シートをパネルに接着して面取りする工程を図7により説明する。
図7(a)において、合板や木質材等を基材としたパネル1の木口1aに、押し出し成形した透明アクリル樹脂製シートからなる化粧用の木口材2を接着する。木口材2は裏面2aに柄模様が印刷されていて木口1aの幅より若干長い(例えば3mm程度)幅を有していて、木口1aに木口材2の裏面2aを接着剤で接着する。そして同図(b)に示すように回転カッタ3を用いてパネル1からはみ出す木口材2の部分を除去すると共に、裏面2aに対向する表面2bの両端部に断面凸曲のR状面取り部2c,2cを形成する。
そして面取り部2c、2cに固定刃4を当ててパネル1を相対移動させて仕上げ加工する。通常、これによって木口材2の仕上げ加工が終了し、化粧パネル5が製造される。
この化粧パネル5はパネル1の表面を被覆する木口材2が透明なアクリル樹脂シートからなり、その裏面に色や柄模様を印刷して構成されたものであるから、接着剤層が目立たず、上から見て色や柄模様を目視できるだけでなく、横方向から見ても面取り部2cを介して屈折する光によって色や柄模様を目視できて立体感があり、表面2bを面取り加工しても裏面2cに位置する色や柄模様が切除されずに複数の木口材を接合する角部であっても連続性があり、意匠性が高いという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような化粧パネル5においては、木口材2の表面2bの面粗さや光沢は押し出し加工で製造される際の表面の粗さによって決定され、表面平均粗さ(Ra)が0.5μm以上であり光沢も十分ではないという欠点がある。この場合、木口材2の表面2bについてつや出し加工ができず、また面取り部2cについては固定刃4で面取り加工を施しているためにつやと面粗さが更に低下するという欠点がある。
そのため、木口材2の面取り部2cでなくても表面2bを斜め上方から見ると粗い面粗さによる乱反射のために表面2bでの光沢がよくない上に柄模様等の視認性が悪いという欠点もあった。
本発明は、このような実情に鑑みて、面粗さと光沢が良く立体感と意匠性に優れている化粧パネルの研磨方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による化粧パネルの研磨方法は、裏面に柄や色等が施された透明な合成樹脂からなる木口材が木口に固着されてなる化粧パネルを相対的に搬送して、複数配列されたバフユニットのうち、一部のバフユニットは化粧パネルの搬送方向に直交する方向に対して搬送方向前方側または後方側に傾斜していて木口材表面の面取り部を研磨し、他のバフユニットが化粧パネルの搬送方向に直交する方向に配設されていて木口材表面の平面部を研磨し、一部のバフユニットに付着した粉体状の研磨材の平均粒径より他のバフユニットに付着した粉体状の研磨材の平均粒径を小さく設定することで平面部の面粗さを面取り部よりも小さくするようにし、木口材表面の面取り部を研磨した後で平面部を研磨するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、複数のバフユニットで木口材表面の面取り部と平面部とを順次研磨することで面粗さを小さくすると共に表面の光沢性を向上できる。しかも、木口材表面のうちで平面部が最も見やすく目立つので、この部分を最後に研磨加工することで光沢と意匠性が向上する。また、平均粒径の粗い研磨材で面取り部を粗研磨加工した後で平均粒径の細かい研磨材で平面部を仕上げ研磨加工することになり、仕上がりの良い研磨加工を効率的に行える。
【0006】
また複数のバフユニットは各バフが粉体状の研磨材の供給を受けつつ木口材表面を研磨するようにしてもよい。
また木口材の表面を研磨した後でその表面に付着した研磨材を清掃部材で除去するようにしてもよい。
研磨の時に付着した研磨材を清掃部材によって木口材表面から除去できて化粧用の木口材の表面の仕上がりを損なわない。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を図1乃至図6により説明する。図1は化粧パネルの部分側面図、図2は図1のA−A線縦断面図、図3は化粧パネル表面の面粗さを示す説明図であり、(a)は実施形態で得たもの、(b)は従来技術を示す図、図4は化粧パネルの研磨装置の要部構成を示す側面図、図5は図4に示す研磨装置の平面図、図6は実施の形態に用いる研磨装置の各バフユニットのバフによる木口材の研磨状態を示す図で、(a)は第一バフユニット、(b)は第二バフユニット、(c)は第三バフユニットである。
図1及び図2に示す化粧パネル10は、合板や木質材等からなるパネル11の各木口11aに化粧用の木口材12を接着剤13で接着して構成されている。木口材12は例えば透明なアクリル樹脂シート等の合成樹脂からなり、例えば押し出し成形によって製作された後に裏面12aに色や柄模様を印刷すると共にプライマー処理を行う。木口材12を構成する透明な合成樹脂として、他にポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等があり、他にポリアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメタクリレート等が挙げられる。木口材12の材質として、木口材裏面12aの色や柄模様を表現するための透明性、刃物による切削性、研磨の容易さ、印刷適正を考慮すると透明なアクリル樹脂(メタクリル酸樹脂)が特に好ましい。
【0013】
また接着剤13は、パネル11と木口材12の接着に際してそれぞれの材質との接着強度を有し、吸湿による劣化が少ない材質のものであれば特に限定されるものではない。例えばE.V.A系ホットメルト接着剤、反応性ホットメルト接着剤等が挙げられる。接着剤13による接着層は例えば100〜200μmの厚みを有している
また木口材12の表面12bは、図2に示すように平面部12dの幅方向両端角部には半径rの断面凸曲線状の面取り部12c、12cが形成されている。これによって木口材12を上方向(平面部12d方向)から見ただけでなく横方向(側面方向)から見た場合にも面取り部12cで屈折した光によって裏面12aに印刷された色や柄模様を立体感を以て目視できるようになっている。
また図1において、パネル11の隣り合う二つの木口(側面)11a,11aの交差する角部で、各木口11aに接着された木口材12,12の一方がより突出して他方の木口材12の先端面に接着され、しかもより突出した一方の木口材12の表面12bの角部が半径Rの凸曲面12eに形成されている。これによって凸曲面12eは互いに交差する二つの木口材12,12の表面12b、12bを凸曲状に滑らかに連結するコーナー部を構成する。
【0014】
しかも木口材12の面取り部12c、12cを含む表面12bは後述の研磨装置による研磨によって、表面平均粗さ(Ra)が0.1μm以下、しかも最大粗さ(Rmax)が0.2μm以下に設定されている。研磨前の押し出し成形による表面12bの表面平均粗さ(Ra)は0.5μm前後であるため、表面12bでの乱反射が多く、裏面12aの色や柄模様の立体感やつや出しが不十分であったが(図3(b)参照)、表面平均粗さ(Ra)0.1μm以下、最大粗さ(Rmax)0.2μm以下に設定することによって乱反射がほとんど防止される(図3(a)参照)。
そのため、光沢値(正反射の割合)についてはグロスメータによる測定値が研磨前を50%以下として研磨後で90%以上の特性を有しており、研磨前に比べて1.8倍以上になる。光沢とつやが良好である上に透明度に優れて裏面12aの色や柄模様について高い立体感が得られ、視覚による美麗性や意匠性に優れており、この種の木口材12として優れている。
尚、上述の説明では、面取り部12cを断面凸曲線状に形成したが、これに限定することなく平面状に面取り形成してもよい。
また面取り部12cの半径rと凸曲面12eの半径Rについては例えば木口材12の厚み(例えば1〜4mm程度)程度に設定するのが好ましいが、これに限定されることなく任意の半径に設定してよい。
【0015】
上述のように化粧パネル10は、パネル11の木口11a,11a同士の角部における接合部の木口材裏面12a,12aによる色や柄模様が木口材12の厚みを通して途切れることなく連続して視認でき、しかも接着層の厚みが目立たないため、立体感が高くて意匠性に優れている。しかも木口材12の表面12bの面粗さが0.1μm以下であるために、光沢値が90%以上になり乱反射を抑えて色や柄模様を良好に視認できて美麗性と意匠性に優れてこの種の化粧パネルの特性を向上できるという効果を奏する。
【0016】
次に実施の形態による化粧パネル10の研磨方法とその研磨方法に用いる研磨装置とについて図4乃至図6により説明する。
図4及び図5に示す化粧パネル10の研磨装置20において、基台21上に搬送テーブル22が設けられ、この搬送テーブル22上でその上面と下面をそれぞれベルトコンベア23、23(搬送手段)で挟持されて化粧パネル10が水平方向(図4において左側から右側へ)に搬送される。化粧パネル10の木口材12は側面方向(図4で紙面に直交する方向)に突出した状態で搬送されることになる。
搬送テーブル22の側部には化粧テーブル10の搬送方向に沿って適宜間隔で3つ以上、例えば3つのバフユニット25、26,27(研磨手段)が配列されている。これらのバフユニット25、26,27は化粧パネル10の木口材12を研磨するためのもので、最も搬送方向後方側に位置する第一バフユニット25は支持部29が基台21上に支持され、支持部29の側部には駆動モータM1に軸支されたピニオン30に噛合するラック31が設けられていて支持部29が昇降可能とされている。
【0017】
支持部29の上部にはバフ研磨機33が木口材12と略平行な垂直の面内で傾斜可能に支持されている。このバフ研磨機33は回転軸34と、回転軸34の一端に設けられていて支持部29に軸支された駆動モータM2と、回転軸34の上部に取り付けられた略円柱状のバフ35とで構成されている。しかもこのバフ研磨機33は回転軸34が化粧パネル10の搬送方向に直交する方向に対して後方側に傾斜角(+α)(例えばα=30°)で傾斜して支持されている。
バフ35は例えば綿等の柔軟性の高い繊維材料で形成されており、その略円筒状の外表面35a(研磨面)にはコンパウンド材36がコイルスプリング等を有する押圧部材37によって押し付けられている。コンパウンド材36は例えば二酸化珪素等の一般砥粒が粉体状の研磨材として固形脂肪酸によってチョーク状に固められてなる。そして回転するバフ35によってコンパウンド材36から粉体状の研磨材が削られてバフ外表面35aに付着し、この研磨材を介してバフ35によって木口材12の表面を研磨加工することになる。
第一バフユニット25の搬送方向前方側に位置する第二バフユニット26及び第三バフユニット27も同一構成を有している。そして第二バフユニット26はバフ研磨機33の回転軸34が第一バフユニット25とは逆側即ち搬送方向前方側に傾斜角(−α)(例えば−α=−30°)で傾斜して配設され、第三バフユニット27はバフ研磨機33の回転軸34が傾斜角0°即ち化粧パネル10の搬送方向に略直交する方向に配設されている。
【0018】
各バフユニット25,26,27をこのように配設することによって、第一バフユニット25では角度(+α)の傾斜によって化粧パネル10の木口材12の上部側の面取り部12cを他の部分より強い力で押圧して研磨し、第二バフユニット26では角度(−α)の傾斜によって木口材12の下部側の面取り部12cを他の部分より強い力で押圧して研磨し、第三バフユニット27では傾斜角0°によって木口材12の平面部12dを主として研磨することになる。
ここで、傾斜角αの絶対値は45°〜10°の範囲に設定する。傾斜角αが45°より大きいと押圧力が強すぎるために研磨材が外表面35aから除去されて木口材12の面取り部12cから平面部12dにかけてスクラッチを生じやすく、10°に満たないと面取り部12cでの研磨力が小さく面粗さが十分向上せずつやが生じない。傾斜角αは好ましくは30°〜15°の範囲とし、最も好ましいのは20°前後である。
【0019】
しかも各バフユニット25,26,27に取り付けられたコンパウンド材36についても、第一及び第二バフユニット25,26においては研磨材の平均粒径(例えば平均粒径10〜20μm程度、好ましくは15μm程度の砥粒)が、第三バフユニット27における研磨材の平均粒径(例えば10μm未満、好ましくは平均粒径3〜5μm程度の砥粒)より大きいものとする。尚、コンパウンド材36は研磨材供給手段を構成する。
そして各バフユニット25,26,27の更に搬送方向前方には木口材12の表面に付着した粉体状の研磨材や研磨屑等をふき取るための清掃部材39が設けられている。この清掃部材39は基台21上に設けた支持部40に例えばネル(フランネル)等からなる柔軟性の高い略円柱状の拭き取り部41の外表面が木口材12の表面12b全面に当接するように配設され、この拭き取り部41は支持部40に固定された駆動モータM3に回転可能に支持されている。
【0020】
本実施の形態で用いる化粧パネル10の研磨装置20は上述の構成を有しており、次にその研磨方法を説明する。
先ず前工程として図7に示すものと同一の手順により、合板や木質材等を基材としたパネル11の木口11aに、押し出し成形した透明アクリル樹脂製シートからなる木口材12の柄模様が印刷された裏面12aを接着剤13で接着する。そして回転カッタ3でパネル11からはみ出す木口材12を除去すると共に、裏面12aに対向する表面12bの両端部に断面凸曲のR状面取り部12c,12Cを形成する。そして面取り部12c、12cに固定刃4を当ててパネル11を相対移動させて化粧パネル10を仕上げ加工する。ここまでは上述の従来技術と同様である。次に図4及び図5に示す研磨装置20において、化粧パネル10を搬送テーブル22上で上下方向に並べられた搬送コンベア23,23間に挿入して送り出す。化粧パネル10はパネル11の木口11aに固着された木口材12を側面に突出させた状態で搬送される。この時、木口材12の表面12bは平面部12dが略垂直の状態であり、その上下両端部に面取り部12c、12cが位置する状態で搬送される。
【0021】
第一乃至第三バフユニット25,26,27の各バフ35は図5に示す平面視で反時計方向に回転しているために、木口材12とは接触部分で逆方向(順方向でもよい)に摺動することになる。このとき化粧パネル10は例えば4〜20m/分で走行し、各バフ33は回転速度300〜1500m/分で逆方向に回転している。因みに相対速度にして概略300〜1500m/分程度であればよい。300m/分より相対速度が小さいと木口材12の表面12bにつやが発生せず、1500m/分を越えると木口材12の表面12bにスクラッチが生じ易い。走行する化粧パネル10の木口材表面12bに対して先ず第一バフユニット25のバフ35が当接して変形する。このとき、バフ35の外周面35aにはコンパウンド材36が押し付けられており、その先端面が削られて粉体状の研磨材がバフ35の外表面35aに付着する。そしてこのバフ35の外表面35aが木口材表面12bに押し付けられる(図6(a)参照)が、第一バフユニット25ではバフ35が化粧パネル10の搬送方向後方に30°傾斜しているために、特に上部の面取り部12cに最初に接触してこの面取り部12cを押圧する力が強く、この部分がバフ外表面35aに付着した研磨材により比較的強く研磨される。同時に表面12bの平面部12d等も研磨される。
【0022】
次いで第二バフユニット26において搬送方向前方側にバフ35が30°傾斜しているために、特に下部の面取り部12cに最初に接触してこの面取り部12cを押圧する力が強く、この部分がバフ外表面35aに付着した粉体状の研磨材により強く研磨されて磨かれる(図6(b)参照)。同時に表面12bの平面部も研磨される。
そして最後に第三バフユニット27において、搬送方向に略直交するバフ35の外表面35aに付着する粉体状の研磨材によって平面部12dが強く研磨される(図6(c)参照)。特に第三バフユニット27のバフ35に押圧されたコンパウンド材36は第一及び第二バフユニット25,26に押圧されたコンパウンド材36よりも研磨材の平均粒径が細かいために、第一及び第二バフユニット25,26よりも平面部12dを中心に仕上げ研磨を行うことができ、全体に面粗さを小さくしてつやを向上させることができる。
また各駆動モータM1で各バフユニット25,26,27をバフ35の回転軸34方向長さに亘って上下動させることで外表面35a全体でまんべんなく研磨でき、バフ35の片減りを抑制して寿命を長くできる。
その後、木口材12の表面12b全面に研磨材の付着していない拭き取り部41の外表面が押圧しつつ回転することによって、表面12bに付着残存する研磨材や研磨屑を拭き取ることができる。
【0023】
上述のような研磨装置20による化粧パネル10の木口材表面12bの研磨を2〜3回程度繰り返して行うことで、木口材表面12bは面取り部12cと平面部12dを含めて表面平均粗さ(Ra)が0.1μm以下、最大粗さ0.2μm以下になり、光沢とつやに優れた仕上がり面が得られる。
そのため、表面12bに入射する光が乱反射することが少なく、木口材裏面12aに印刷された色や柄模様が表面12bを通して立体的に視認でき意匠性に優れた木口材12が得られる。しかも表面12bの幅方向両端の面取り部12c、12cや凸曲面12eも略同一の表面特性が得られるために、化粧パネル10を側面方向から見ても面取り部12cを通して屈折して裏面12aの色や柄模様を同様に立体的に視認でき、下方から見ても凸曲面12eを通して裏面12aの色や柄模様を同様に立体的に視認できる。
特に本実施の形態によれば、研磨装置20による研磨前と後とで木口材12の表面12bの反射率をグロスメータで測定して、1.8倍以上になるという優れた面粗さと光沢性が得られる。
【0024】
次に本発明の実施例について行った測定試験について説明する。
No.1〜10までの実施例について、木口材12を透明アクリル樹脂で製作し、その裏面12aと表面12bとの間の厚みを2mmとし、裏面に色や柄模様を印刷した。
これらの木口材12の表面12bを研磨装置20で各3回繰り返して研磨して実施例No.1〜10による化粧パネル10を得た。各木口材12の研磨前と研磨後の光沢値と表面粗さをそれぞれ測定した。
光沢値はグロスメータ「GMX−200」(村上色彩(株)製)を用いて表面12bに対する入射角を60°として、平面部12dと面取り部12c、12cについて測定した。また表面粗さについても表面粗さ計「E−30A」(東京精密(株)製)を用いて表面12bの平面部12dと面取り部12c、12cについて測定した。尚、表面粗さ計のデータは次の通りである。
表面粗さ計「E−30A」(東京精密(株)製)
カットオフ値:0.8mm、評価長さ:5.0mm
得られた研磨前後の各光沢値と表面平均粗さ(Ra)及び最大粗さ(Rmax)を示すと表1に示すようになった。
研磨前の光沢値は50%以下、研摩後の光沢値は90%以上であり、これらのの比率は1.8倍以上であった。
表1の結果から本発明の光沢、つや、美麗な立体感ある意匠性を得るためには、測定誤差を考慮して研摩後の木口材表面12bの表面平均粗さ(Ra)が0.1μm以下、最大粗さ(Rmax)が0.2μm以下あればよいことを認識できる。
【0025】
【表1】
【0026】
尚、研磨装置20において、化粧パネル10の搬送方向に配列するバフユニット25,26,27について傾斜角度αを搬送方向に対して正負逆に設定した2つのバフ35、35と搬送方向に略直交させたバフ35とからなる3種が配列されていれば、その配列順序は任意である。その場合、少なくとも最後のバフ35に押圧するコンパウンド材36の研磨材の粉体平均粒径を比較的細かいものに設定すればよい。また面取り部12cが表面12bの片側にのみ存在する場合には、傾斜させるバフユニットも1つでよい。
尚、1つの研磨装置20に2〜3回化粧パネル10を通して研磨する方法に代えて、1つの研磨装置20に上述した3種を含む4つ以上のバフユニットを配列して化粧パネル10を1回の搬送で連続して木口材12の研磨を行うようにしてもよい。
また実施の形態による研磨装置20やこれを用いた研磨方法では、化粧パネル10の状態で木口材12の表面12bの研磨を行ったが、本発明はこれに限定されることなく、パネル11に固着する前の状態の木口材12を研磨して本発明による木口材12を得てもよい。この場合、木口材表面12bの研磨に際して、裏面12aに摺動可能に当接する当て板を研磨装置20に配して搬送研磨するようにしてもよい。
また本発明の化粧パネルはパネル状の部材だけでなく各種の形状や材質を有する内装材や装飾材等に適宜採用できる。
【0030】
【発明の効果】
本発明による化粧パネルの研磨方法は、一部のバフユニットが化粧パネルの搬送方向に直交する方向に対して搬送方向前方側または後方側に傾斜していて木口材表面の面取り部を研磨し、他のバフユニットが化粧パネルの搬送方向に直交する方向に配設されていて木口材表面の平面部を研磨し、一部のバフユニットに付着した粉体状の研磨材の平均粒径より他のバフユニットに付着した粉体状の研磨材の平均粒径を小さく設定することで平面部の面粗さを面取り部よりも小さくするようにし、木口材表面の面取り部を研磨した後で平面部を研磨するようにしたから、平均粒径の粗い研磨材で面取り部を粗研磨加工した後で平均粒径の細かい研磨材で平面部を仕上げ研磨加工することになり、効率的に研磨加工でき、表面の光沢性を向上できる。また木口材表面の面取り部を研磨した後で平面部を研磨するようにしたため、見栄えのよい平面部を最後に研磨加工できて光沢と意匠性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 化粧パネルの角部を示す要部側面図である。
【図2】 図1に示す化粧パネルのA−A線縦断面図である。
【図3】 木口材の表面の粗さを示す部分拡大図であり、(a)は実施の形態で得たもの、(b)は研磨処理をしていない従来技術によるものである。
【図4】 実施の形態に用いる研磨装置の要部側面図である。
【図5】 図4に示す研磨装置の要部平面図である。
【図6】 研磨装置の各バフユニットのバフによる木口材の研磨状態を示す図で、(a)は第一バフユニット、(b)は第二バフユニット、(c)は第三バフユニットである。
【図7】 従来の化粧パネルの製造工程を示す図であって、(a)は木口材をパネルに貼り付ける工程、(b)は木口材を回転カッタで面取り加工する工程、(c)は木口材の面取り部を仕上げ加工する工程である。
【符号の説明】
10 化粧パネル
11 パネル
11a 木口
12 木口材
12a 裏面
12b 表面
12c 面取り部
20 研磨装置
25 第一バフユニット
26 第二バフユニット
27 第三バフユニット
35 バフ
36 コンパウンド材
Claims (3)
- 裏面に柄や色等が施された透明な合成樹脂からなる木口材が木口に固着されてなる化粧パネルを相対的に搬送して、
複数配列されたバフユニットのうち、一部のバフユニットは化粧パネルの搬送方向に直交する方向に対して搬送方向前方側または後方側に傾斜していて木口材表面の面取り部を研磨し、他のバフユニットが化粧パネルの搬送方向に直交する方向に配設されていて木口材表面の平面部を研磨し、
前記一部のバフユニットに付着した粉体状の研磨材の平均粒径より前記他のバフユニットに付着した粉体状の研磨材の平均粒径を小さく設定することで前記平面部の面粗さを面取り部よりも小さくするようにし、
前記木口材表面の面取り部を研磨した後で平面部を研磨するようにしたことを特徴とする化粧パネルの研磨方法。 - 前記複数のバフユニットは各バフが前記研磨材の供給を受けつつ前記木口材表面を研磨するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の化粧パネルの研磨方法。
- 前記木口材の表面を研磨した後でその表面に付着した前記研磨材を清掃部材で除去するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の化粧パネルの研磨方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001206222A JP3760208B2 (ja) | 2001-07-06 | 2001-07-06 | 化粧パネルの研磨方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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