JP3759680B2 - 後輪操舵装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は後輪操舵装置に係り、とくに車体の後側を後前軸と後々軸とによって支持するようにした車両の後輪操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
積載荷重の大きなトラックにおいては、1軸の後軸でこの荷重の大半を支えることができない。そこで従来より後2軸のトラックが広く用いられている。とくに後2軸をトラニオン式サスペンション装置によって懸架すると、後前軸と後々軸との荷重のアンバランスをなくして両軸で安定に荷重を受けることが可能になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが後2軸であってトラニオン式サスペンション装置によってこれらの2軸を懸架するようにしたトラックの場合には、後前軸と後々軸の中間位置、すなわちトラニオンブラケットの取付け位置において2軸の全荷重を受けることになる。すなわち後2軸であっても荷重を受ける位置は車両の前後方向において1点になってしまい、この位置において大きな荷重を支えることになる。
【0004】
このような後2軸のトラックにおいて、とくにシングルタイヤから成る前輪に加わる荷重を軽減するためには、後2軸を全体として前方に移動させればよい。すなわちトラニオンブラケットの取付け位置を車両の前方側へ偏倚させることにより、前軸の荷重が軽減される。ところが後2軸を前方へ一緒に移動させると、後々軸よりも後端側のオーバーハング部分の長さが長くなる。従って旋回時に車両の後端が左右に振れることになり、安全性に問題を生ずる。
【0005】
後々軸よりも後に延出されるオーバーハング部分の長さを一定の範囲内に収め、しかも前輪に加わる荷重を軽減するには、後前軸を前方に移動させるとともに、後前軸と後々軸との間の距離を大きくすることである。ところが操舵不能な後前軸を後々軸に対して大きく前方へ偏倚させると、旋回時に後前軸の車輪が偏摩耗を起し、これによってタイヤの寿命が著しく短くなる問題がある。
【0006】
このような問題を解決するために、後前輪を後前軸に操舵可能に取付けることが考察される。ここで後前輪は後々輪とともに通常複輪から構成され、後前輪と後々輪とが共働して車体荷重の大半を受持つことになる。従って大きな荷重を受ける複輪から成る後前輪を操舵するためには、大出力のアクチュエータを必要とすることになる。しかもこのような大出力のアクチュエータによって、車両の停止時に前輪の操舵に連動して後前輪の操舵を行なうと、後前輪の操舵機構に大きな負荷がかかるばかりでなく、タイヤが摩耗したり損傷したりする可能性がある。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、後2軸で車体荷重の大半を支持することによって前輪に加わる負担を軽減するとともに、比較的小出力のアクチュエータによって大荷重を受ける複輪から成る後前輪の操舵を可能とした後輪操舵装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の一発明は、車体の後側を後前軸と後々軸とによって支持するようにした車両の後輪操舵装置において、
後前軸の両側に左右の後前輪を操舵可能に取付ける後前輪の操舵機構と、
前記操舵機構を介して前記後前輪を操舵するための油圧アクチュエータと、
前記油圧アクチュエータと前輪のパワーステアリング装置に対して圧油を供給する油圧源と、
前記油圧源からの圧油を供給する管路の前記後前輪の油圧アクチュエータへの供給路と前記パワーステアリング装置への供給路との分岐部に接続される調整弁と、
前記油圧アクチュエータによる前記後前輪の操舵を制御する制御手段と、
を具備し、前記調整弁は、前記パワーステアリング装置へ優先的に圧油を供給し、前記油圧源の吐出量が所定の値を越えた場合に前記後前輪の油圧アクチュエータに圧油を供給して前記後前輪の操舵を行なうようにし、
しかも前記制御手段は、車速がほぼ0の場合には前記油圧アクチュエータによる前記後前輪の操舵を停止することを特徴とする後輪操舵装置に関するものである。
【0009】
ここで制御手段は前輪の操舵角に応じて後前輪の操舵を行なうとともに、前輪の操舵角が所定の値を越えた場合に後前輪の操舵角を一定に保持するようにしてよい。また後前輪を従動輪から構成するとともに、後々輪を駆動輪から構成するようにしてよい。また前輪が単輪から構成されるとともに、後前輪と後々輪とが複輪から構成されてよい。またこのような車両の後前軸と後々軸との間の軸間距離が1500mm以上であってよい。また前軸と後々軸との間の軸間距離に対して後前軸と後々軸との間の軸間距離が20%以上であってよい。
【0010】
本発明の好ましい態様は、車体の後側を支持する後前軸と後々軸との間の軸間距離を1500mm以上、より好ましくは1800mm以上とし、しかも前軸と後々軸との間の軸間距離に対して後前軸と後々軸との間の軸間距離が20%以上、より好ましくは25%以上離れるように後前軸と後々軸とを配する。なおこの比率が20%以下だと前軸の荷重を十分に軽減することができない。そして駆動輪から成る後々輪を操舵不能な固定輪とするとともに、従動輪から成る後前輪を左右に操舵可能な操舵輪とする。
【0011】
ここで後前輪は後前軸の両端にそれぞれキングピンを介して操舵可能に取付けるようにするとともに、後前輪のナックルアームをアクチュエータと連結し、上記アクチュエータの作動によって後前輪の操舵を行なう。
【0012】
ここで前輪の操舵を行なうためのパワーステアリング装置を駆動するオイルポンプの吐出量の一部をプライオリティバルブから成る分流弁を介して上記アクチュエータを構成する油圧シリンダに供給する。そして後前輪の操舵が前輪の操舵に連動して行なわれるようにする。
【0013】
しかも後前輪の操舵は、車速が0の場合には行なわないようにする。すなわち車両が走行中の場合のみ後前輪の操舵を行なうようにすることによって、小さな操舵力によって後前輪の操舵を可能にする。従ってこれにより、比較的小出力の油圧シリンダから成るアクチュエータによる後前輪の操舵が可能になる。このような構成によると、後前輪の操舵装置の軽量化とコンパクト化とが達成されるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る後2軸のトラックを示すものであって、車体フレーム10の前端側の部分にはキャブ11が搭載されている。またキャブ11の後側であって車体フレーム10上には荷箱12が取付けられる。
【0015】
このようなトラックの車体フレーム10の前端側の部分は両端に前輪15を取付けた前軸16によって支持される。これに対して車体フレーム10の後側の部分は左右に後前輪17を取付けた後前軸18と、左右に後々輪19を取付けた後々軸20とによって支持されるようになっている。
【0016】
ここで前輪15と後前輪17と後々輪19の配置は図2に示すように構成されており、とくに車両の旋回時において、前輪15が操舵されるとこれに連動して後前輪17が操舵されるようになっており、後前輪17の車軸の延長上が後々軸20の延長上であって車両の旋回中心と一致するようにしている。このような対策によって、後前軸18を後々軸20に対して従来のトラックよりも前方へ大きく偏倚させながら、しかも後前輪17のタイヤの偏摩耗を確実に防止するようにしている。
【0017】
図3に示す前軸16と後々軸20との間の距離Aはここでは7000mmに設定されているのに対し、後前軸18と後々軸20との距離Bは1800mmに設定されている。ちなみに従来のトラニオンサスペンション装置においては、Aの値が7000mmの場合には、Bの値は約1300mmの値に設定されている。すなわちトラニオン式サスペンション装置の後前軸18と後々軸20との間の軸間距離の約1.4倍の値にBの寸法が設定されている。
【0018】
前軸16、後前軸18、および後々軸20の配置を図3に示すような配置にすると、荷箱12の部分にほぼ均等な等分布荷重が加わった場合における3軸16、18、20の荷重配分が、ほぼ1:2:2の割合とすることが可能になる。すなわち後前軸18と後々軸20とにそれぞれ加わる荷重の半分の値に前軸16に加わる荷重を設定することが可能になる。
【0019】
従って積載荷重が25トンのトラックの場合には、前軸16に5トン、後前軸18に10トン、後々軸20に10トンの荷重がそれぞれ加わるようになる。このような荷重配分の関係は、各車輪15、17、19のタイヤの数に比例した値になる。すなわち各タイヤにはそれぞれ2.5トンの荷重が加わるようになり、これによって前輪15、後前輪17、および後々輪19の総てのタイヤに加わる荷重が等しくなる。
【0020】
ここで後々軸20が駆動軸を構成しており、後前軸18は死軸あるいは従動軸になっている。すなわち後々軸20には図3に示すように差動歯車装置23が取付けられており、この差動歯車装置23とキャブ11の下側のエンジン24とがトランスミッション25およびプロペラシャフト26を介して連結されており、エンジン24からの駆動力が後々輪19に伝達されるようになっている。
【0021】
次に上記後前軸18と後々軸20の懸架の構造について説明すると、とくに図4に示すように、後前軸18と後々軸20の取付け位置のほぼ中間位置において、フレーム10にはトラニオンブラケット77が取付けられている。このようなトラニオンブラケット77によってトラニオンシャフト78が回転自在に支持される。そしてトラニオンシャフト78の両側にそれぞれトラニオンシート79が取付けられるようになっている。トラニオンシート79にはUボルトを介して前後方向に長いリーフスプリング40またはビームが取付けられる。
【0022】
リーフスプリング40またはビームの前端側の部分とフレーム10との間には前側のエアスプリング80が介装される。これに対してリーフスプリング40またはビームの後端部と車体フレーム10との間には後側のエアスプリング81が介装される。そしてリーフスプリング40の前端側によって後前軸18が、またリーフスプリング40の後端側によって後々軸20がそれぞれ懸架されることになる。
【0023】
次に上記後前軸18に取付けられている後前輪17の操舵機構について説明する。後前軸18は図5および図6に示すようにエリオット型のアクスルから構成されており、その左右両端にはそれぞれ取付けアーム29、30が上下に設けられている。そしてこれらの取付けアーム29、30によってキングピン31の上下の端部がそれぞれ保持されている。そしてキングピン31の長さ方向の中間位置にナックル32が操舵可能に取付けられている。
【0024】
ナックル32の先端部には中空のスピンドル33が固着されるとともに、このスピンドル33にベアリング36を介してハブ34が回転自在に取付けられている。そしてハブ34にホイール35が取付けられるようになっており、このホイール35の外周面に取付けられているタイヤによって後前輪17が構成されている。
【0025】
上記後前軸18は図5および図6に示すようにその左右両端側の部分にそれぞれ開口から成る挿通部39を有するとともに、このような挿通部39をサスペンションばねを構成するリーフスプリング40が挿通されている。また後前軸18は図示を省略したトルクロッドによって車体フレーム10に連結されている。
【0026】
上記後前輪17を支持するナックル32にはとくに図7に示すようにナックルアーム47が固着されている。そして左右のナックルアーム47はタイロッド48を介して互いに連結されており、これによってアッカーマン型の操舵機構を構成している。
【0027】
またナックルアーム47の先端部には図7および図6に示すドラッグリンク49が連結されており、このようなドラッグリンク49が図8に示す反転レバー50を介して油圧シリンダ51のピストンロッドに連結されている。従ってこのような油圧シリンダ51の作動によって、ドラッグリンク49が引張られたり押戻されたりし、これによってナックルアーム47を介してナックル32がキングピン31を中心として回動するようになっている。このようなナックル32の回動によって、ナックル32に取付けられている後前輪17が操舵される。
【0028】
次に上記油圧シリンダ51を作動させるための油圧回路について図8によって説明する。前輪15を操舵するためのステアリングホイール55はステアリングシャフト56の先端部に取付けられるとともに、ステアリングシャフト56がパワーステアリング装置57の操作軸に連結されている。そしてこのパワーステアリング装置57の側部に取付けられているピットマンアーム58に前輪15を操舵するドラッグリンク59が連結されている。
【0029】
上記パワーステアリング装置57を駆動するためにオイルポンプ62が設けられており、このオイルポンプ62はエンジン24に直結されている。オイルポンプ62はリザーバ63からオイルを吸引して加圧するようになっている。そして上記オイルポンプ62にはリリーフ弁64が接続されるとともに、このオイルポンプ62の吐出側にはプライオリティバルブを構成する調整弁67が接続されていおり、この調整弁67を通してオイルポンプ62の吐出側がパワーステアリング装置57に接続されている。また調整弁65とパワーステアリング装置57とを直結する管路に対して並列にリリーフ弁66が接続されている。
【0030】
上記プライオリティバルブ65の側方のポートは制御弁67と接続されるとともに、この制御弁67が油圧シリンダ51に接続されるようになっている。また上記油圧シリンダ51の両端はカットオフバルブ68によって互いに連通されるようになっている。そして上記プライオリティバルブ65とカットオフバルブ68とがともに電子制御装置(ECU)69によって制御されるようになっている。
【0031】
上記電子制御装置69の入力側には、この車両のトランスミッション25のシフトスイッチの出力、ブレーキスイッチの出力、クラッチスイッチの出力、車速センサの出力がそれぞれ入力されている。またパワーステアリング装置57のピットマンアーム58の支軸に取付けられている前輪15の操舵角センサ71と反転レバー50の支軸に取付けられている後前輪17の操舵角センサ72とがそれぞれ電子制御装置69に接続されている。
【0032】
次に以上のような構成に係る後輪操舵装置の動作について説明する。図8に示すステアリングホイール55を操作することによって、ステアリングシャフト56を介してパワーステアリング装置57が作動され、ピットマンアーム58が回動し、ドラッグリンク59を介して前輪15の操舵が行なわれる。このときの前輪15の操舵角は操舵角センサ71によって検出され、電子制御装置69に入力される。
【0033】
上記パワーステアリング装置57に圧油を供給するプライオリティバルブ65は余剰のオイルを制御弁67側に供給する。制御弁67が切換えられていない場合には、プラオリティバルブ65を通して制御弁67に供給されたオイルはこの制御弁67からリザーバ63に戻るようになる。電子制御装置69によって制御弁67が切換えられると、プライオリティバルブ65を通して供給されたオイルが制御弁67を通して油圧シリンダ51に供給される。なおこのときの油圧シリンダ51の作動の方向は、制御弁67の切換えの方向に応じてピストンロッドを引込む方向と押出す方向の何れかの方向である。
【0034】
このような油圧シリンダ51の作動によって、油圧シリンダ51のピストンロッドの動作が反転レバー50を介してドラッグリンク49に伝達され、これによってこのドラッグリンク49がナックルアーム47を介してナックル32を回動させる。従ってこのナックル32が取付けられている後前輪17が操舵されるようになる。
【0035】
このときの後前輪17の操舵角は反転レバー50の支軸に取付けられている操舵角センサ72によって検出されるようになっており、前輪15の操舵角に応じた操舵角に達すると、電子制御装置69は制御弁67を遮断状態に切換え、これによって油圧シリンダ51の動作を停止させる。このようにして後前輪17は前輪15の操舵角に連動した角度で操舵されるようになる。このような状態が図2に示されている。
【0036】
ここで図8に示すプライオリティバルブ65は図9に示すように、まずパワーステアリング装置57に優先的に圧油を供給する。そして所定の吐出量よりも余剰の吐出量に相当する圧油を制御弁67を介して油圧シリンダ51に供給するようにしている。
【0037】
従ってオイルポンプ62の回転数が低い場合には、パワーステアリング装置57にのみしか圧油が供給されず、油圧シリンダ51への圧油の供給がなされない。これによって前輪15の操舵が優先的に行なわれるようにし、後前輪17の操舵は行なわれず、あるいはまた不完全になされるにすぎない。オイルポンプ62の回転数が所定の回転数を越えた場合には、パワーステアリング装置57と油圧シリンダ51とへともに十分な量の圧油が供給され、前輪15の操舵と後前輪17の操舵がともに行なわれることになる。
【0038】
次に電子制御装置69による後前輪17の操舵の動作について図11により説明する。電子制御装置69は車速センサによって車速の読込みを行なうとともに、車速が0であるかどうかの判断を行なう。車速が0の場合には後前輪17の操舵が停止される。これに対して車速が0でない場合、すなわち車両が走行中の場合には、操舵角センサ71によって前輪15の操舵角の読込みを行なうとともに、図10に示す不感帯にあるかどうかの判断を行なう。前輪15の操舵角が不感帯の角度の場合には後前輪17の操舵が行なわれない。これに対して不感帯を越えた角度で前輪15が操舵された場合には、後前輪17の操舵の制御が行なわれる。
【0039】
この制御動作は操舵角センサ71によって得られる前輪15の操舵角に応じて、後前輪17の理論操舵角を図10に示すグラフのように演算によって求める。そして制御弁67を切換えるようにし、これによってオイルポンプ62の圧油を油圧シリンダ51に供給し、そのピストンロッドを押出すか引込むようにする。これによって反転レバー50を介してドラッグリンク49を移動させ、ナックルアーム47を介してナックル32を回動させ、これによって後前輪17の操舵を行なう。このときの後前輪17の操舵角が操舵角センサ72によって検出される。従ってこの操舵角が目標舵角を越えたかどうかの判断を行なうとともに、越えた段階で制御弁67を遮断する。
【0040】
このように本実施の形態の車両は、前軸16、後前軸18、および後々軸20から成る3軸の総重量が25トンの車両において、4軸車並の低床とするとともに、操舵輪を構成する後前輪17のタイヤ摩耗を低減し、しかも後前輪17の操舵機構を軽量かつコンパクトにすることを目的とするものである。
【0041】
このような目的を達成するために、前輪15の操舵のためのパワーステアリング装置57にオイルを供給するオイルポンプよりもやや流量を増大させた油圧ポンプ62を備え、プライオリティバルブから成る調整弁65を介してフロント側とリヤ側とにオイルの供給を分けるようにしており、後前輪17を操舵するための油圧シリンダ51への圧油の供給は、制御弁67によって達成されるようになっている。そして制御弁67の切換えによって油圧シリンダ51が伸縮し、図6および図7に示す後前輪17の操舵機構が作動して後前輪17が左方向または右方向に操舵されるようになっている。
【0042】
前輪15と後前輪17の舵角を検出するめにそれぞれ操舵角センサ71、72が設けられており、前輪15の操舵角に応じた操舵角になるように後前輪17の操舵を電子制御装置69によって図11に示すプログラムに基いて制御を行なうようにしている。ここでとくに後前輪17を作動させる操舵機構は、車両が走行中の場合のみしか作動せず、車両の停止時における後前輪17のすえ切り能力は備えていない。このような特徴ある構成によって、後前輪17の操舵のための油圧システムの部品点数を最小限にすることができるばかりでなく、油圧シリンダ51として比較的小出力のものを用いることができ、軽量でしかもコンパクトな操舵装置を構成することになる。
【0043】
また図10および図11に示すように、前輪15の操舵角が所定の値以下の場合には、不感帯として後前輪17の操舵を行なわないようにしている。従って前輪15の微小な細かい操舵に後前輪17の操舵機構が過敏に反応することがなく、これによって後前輪17の操舵機構の部品の摩耗を防止し、耐久性を高めることが可能になる。
【0044】
またとくに図10に示すように、前輪15の操舵角が所定の値を越えた場合には、それ以降後前輪17の操舵角を変更させることなく一定の値に保持するようにしている。これによって後前輪17が必要以上に大きな舵角で操舵されることを防止している。この場合に後前輪17を構成するタイヤに若干の偏摩耗の発生の可能性があるが、前輪15を大きな舵角で操舵するケースが確率的に少ないために、とくに問題にはならない。
【0045】
このような3軸車から成るトラックにおいて、後前軸18と後々軸20との間の軸間距離を適当な値、例えば1800mmの値に設定すると、前軸16、後前軸18、および後々軸20の分担荷重が5トン、10トン、10トンの割合にすることができる。そして前輪15を単輪から構成し、後前輪17と後々輪19を複輪から構成すると、各車輪(タイヤ)には等しく2.5トンの荷重が加わることになり、タイヤの均等荷重配分を行なうことが可能になる。
【0046】
またここで後前軸18と後々軸20との間の距離を適正な値に保持するとともに、後々輪19を固定輪とすることによって、後々軸20の後側のオーバハング部分の張出し量を小さくすることが可能になる。すなわち車両のホイールベースを十分に長くすることが可能になり、安定性が向上し、横への張出しに伴う事故の発生を未然に防止できるようになり、安全性の高い3軸車が提供される。
【0047】
また後前輪17を従動輪とするとともに、後々輪19を駆動輪とするようにしているために、操舵を行なう後前輪17を駆動する必要がなく、これによって駆動輪19の駆動機構が簡潔になる。また後前輪17の操舵をアクスルステアではなくホイールステアにしているために、とくに後前輪17の懸架機構が簡潔になる。すなわち後前軸18をアクスルステアさせようとすると、ばねの支持部がばね上とばね下とでステア時に前後左右にずれることになり、このために懸架装置が成立しなくなる。これに対して後前輪17をホイールステアとしているために、図4に示すようなリーフスプリング40と前後のエアスプリング80、81とによる懸架機構によって、後前軸18と後々軸20とを安定に支持することが可能になる。
【0048】
また図4に示すようなサスペンション装置と対応し、ナックルアーム47と連結されているドラッグリンク49を図7に示すように前方に引出すようにし、左右のナックルアーム47を後に配置されているタイロッド48で連結した構造としている。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本願の一発明は、車体の後側を後前軸と後々軸とによって支持するようにした車両の後輪操舵装置において、後前軸の両側に左右の後前輪を操舵可能に取付ける後前輪の操舵機構と、操舵機構を介して後前輪を操舵するための油圧アクチュエータと、油圧アクチュエータと前輪のパワーステアリング装置に対して圧油を供給する油圧源と、油圧源からの圧油を供給する管路の後前輪の油圧アクチュエータへの供給路とパワーステアリング装置への供給路との分岐部に接続される調整弁と、油圧アクチュエータによる後前輪の操舵を制御する制御手段と、を具備し、調整弁は、パワーステアリング装置へ優先的に圧油を供給し、該油圧源の吐出量が所定の値を越えた場合に後前輪の油圧アクチュエータに圧油を供給して後前輪の操舵を行なうようにし、しかも制御手段は、車速がほぼ0の場合には油圧アクチュエータによる後前輪の操舵を停止するようにしたものである。
【0050】
従ってこのような後輪操舵装置によれば、車速がほぼ0の場合にはアクチュエータによる後前輪の操舵を停止するために、後前輪の操舵機構を作動させるアクチュエータとして比較的小出力のアクチュエータを用いることが可能になり、後前輪の操舵機構の軽量化とコンパクト化とが達成されることになる。
【0051】
制御手段が前輪の操舵角に応じて後前輪の操舵を行なうとともに、前輪の操舵角が所定の値を越えた場合に後前輪の操舵角を一定に保持するようにした構成によれば、後前輪が不必要に大きく操舵されることが防止される。
【0052】
後前輪を従動輪から構成するとともに、後々輪を駆動輪から構成すると、操舵機構を有しない後々輪を駆動すればよく、これによって駆動機構を簡潔にすることが可能になる。
【0053】
前輪が単輪から構成されるとともに、後前輪と後々輪とが複輪から構成されると、複輪から成る後前輪が操舵されることになる。
【0054】
後前軸と後々軸との間の軸間距離が1500mm以上である構成によれば、後前軸と後々軸とによって車体の荷重の大半を負担することが可能になり、前軸に加わる荷重を低減できるようになる。
【0055】
前軸と後々軸との間の軸間距離に対して後前軸と後々軸との間の軸間距離が20%以上である構成によれば、前軸と後前軸と後々軸とにバランスよく荷重を負担させることが可能になるとともに、前軸によって負担される荷重を軽減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】後輪操舵装置を備えるトラックの側面図である。
【図2】同トラックの旋回時の車輪の配置を示す平面図である。
【図3】トラックの全体の配置を示す平面図である。
【図4】後前軸と後々軸の懸架機構を示す側面図である。
【図5】後前輪の取付け機構を示す要部縦断面図である。
【図6】同要部拡大縦断面図である。
【図7】同要部拡大平面図である。
【図8】後前輪を操舵する油圧シリンダを作動するための油圧管路の配管図である。
【図9】プライオリティバルブの機能を示すグラフである。
【図10】前輪の操舵角と後前輪の操舵角との関係を示すグラフである。
【図11】制御の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 車体フレーム
11 キャブ
12 荷箱
15 前輪
16 前軸
17 後前輪
18 後前軸
19 後々輪
20 後々軸
23 差動歯車装置
24 エンジン
25 トランスミッション
26 プロペラシャフト
29、30 取付けアーム
31 キングピン
32 ナックル
33 スピンドル
34 ハブ
35 ホイール
36 ベアリング
37 ブレーキドラム
39 挿通部(開口)
40 リーフスプリング
47 ナックルアーム
48 タイロッド
49 ドラッグリンク
50 反転レバー
51 油圧シリンダ
55 ステアリングホイール
56 ステアリングシャフト
57 パワーステアリング装置
58 ピットマンアーム
59 ドラッグリンク
62 オイルポンプ
63 リザーバ
64 リリーフ弁
65 調整弁(プライオリティバルブ)
66 リリーフ弁
67 制御弁
68 カットオフバルブ
69 電子制御装置(ECU)
71 操舵角センサ(前輪)
72 操舵角センサ(後前輪)
77 トラニオンブラケット
78 トラニオンシャフト
79 トラニオンシート
80 エアスプリング(前)
81 エアスプリング(後)
【発明の属する技術分野】
本発明は後輪操舵装置に係り、とくに車体の後側を後前軸と後々軸とによって支持するようにした車両の後輪操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
積載荷重の大きなトラックにおいては、1軸の後軸でこの荷重の大半を支えることができない。そこで従来より後2軸のトラックが広く用いられている。とくに後2軸をトラニオン式サスペンション装置によって懸架すると、後前軸と後々軸との荷重のアンバランスをなくして両軸で安定に荷重を受けることが可能になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが後2軸であってトラニオン式サスペンション装置によってこれらの2軸を懸架するようにしたトラックの場合には、後前軸と後々軸の中間位置、すなわちトラニオンブラケットの取付け位置において2軸の全荷重を受けることになる。すなわち後2軸であっても荷重を受ける位置は車両の前後方向において1点になってしまい、この位置において大きな荷重を支えることになる。
【0004】
このような後2軸のトラックにおいて、とくにシングルタイヤから成る前輪に加わる荷重を軽減するためには、後2軸を全体として前方に移動させればよい。すなわちトラニオンブラケットの取付け位置を車両の前方側へ偏倚させることにより、前軸の荷重が軽減される。ところが後2軸を前方へ一緒に移動させると、後々軸よりも後端側のオーバーハング部分の長さが長くなる。従って旋回時に車両の後端が左右に振れることになり、安全性に問題を生ずる。
【0005】
後々軸よりも後に延出されるオーバーハング部分の長さを一定の範囲内に収め、しかも前輪に加わる荷重を軽減するには、後前軸を前方に移動させるとともに、後前軸と後々軸との間の距離を大きくすることである。ところが操舵不能な後前軸を後々軸に対して大きく前方へ偏倚させると、旋回時に後前軸の車輪が偏摩耗を起し、これによってタイヤの寿命が著しく短くなる問題がある。
【0006】
このような問題を解決するために、後前輪を後前軸に操舵可能に取付けることが考察される。ここで後前輪は後々輪とともに通常複輪から構成され、後前輪と後々輪とが共働して車体荷重の大半を受持つことになる。従って大きな荷重を受ける複輪から成る後前輪を操舵するためには、大出力のアクチュエータを必要とすることになる。しかもこのような大出力のアクチュエータによって、車両の停止時に前輪の操舵に連動して後前輪の操舵を行なうと、後前輪の操舵機構に大きな負荷がかかるばかりでなく、タイヤが摩耗したり損傷したりする可能性がある。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、後2軸で車体荷重の大半を支持することによって前輪に加わる負担を軽減するとともに、比較的小出力のアクチュエータによって大荷重を受ける複輪から成る後前輪の操舵を可能とした後輪操舵装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の一発明は、車体の後側を後前軸と後々軸とによって支持するようにした車両の後輪操舵装置において、
後前軸の両側に左右の後前輪を操舵可能に取付ける後前輪の操舵機構と、
前記操舵機構を介して前記後前輪を操舵するための油圧アクチュエータと、
前記油圧アクチュエータと前輪のパワーステアリング装置に対して圧油を供給する油圧源と、
前記油圧源からの圧油を供給する管路の前記後前輪の油圧アクチュエータへの供給路と前記パワーステアリング装置への供給路との分岐部に接続される調整弁と、
前記油圧アクチュエータによる前記後前輪の操舵を制御する制御手段と、
を具備し、前記調整弁は、前記パワーステアリング装置へ優先的に圧油を供給し、前記油圧源の吐出量が所定の値を越えた場合に前記後前輪の油圧アクチュエータに圧油を供給して前記後前輪の操舵を行なうようにし、
しかも前記制御手段は、車速がほぼ0の場合には前記油圧アクチュエータによる前記後前輪の操舵を停止することを特徴とする後輪操舵装置に関するものである。
【0009】
ここで制御手段は前輪の操舵角に応じて後前輪の操舵を行なうとともに、前輪の操舵角が所定の値を越えた場合に後前輪の操舵角を一定に保持するようにしてよい。また後前輪を従動輪から構成するとともに、後々輪を駆動輪から構成するようにしてよい。また前輪が単輪から構成されるとともに、後前輪と後々輪とが複輪から構成されてよい。またこのような車両の後前軸と後々軸との間の軸間距離が1500mm以上であってよい。また前軸と後々軸との間の軸間距離に対して後前軸と後々軸との間の軸間距離が20%以上であってよい。
【0010】
本発明の好ましい態様は、車体の後側を支持する後前軸と後々軸との間の軸間距離を1500mm以上、より好ましくは1800mm以上とし、しかも前軸と後々軸との間の軸間距離に対して後前軸と後々軸との間の軸間距離が20%以上、より好ましくは25%以上離れるように後前軸と後々軸とを配する。なおこの比率が20%以下だと前軸の荷重を十分に軽減することができない。そして駆動輪から成る後々輪を操舵不能な固定輪とするとともに、従動輪から成る後前輪を左右に操舵可能な操舵輪とする。
【0011】
ここで後前輪は後前軸の両端にそれぞれキングピンを介して操舵可能に取付けるようにするとともに、後前輪のナックルアームをアクチュエータと連結し、上記アクチュエータの作動によって後前輪の操舵を行なう。
【0012】
ここで前輪の操舵を行なうためのパワーステアリング装置を駆動するオイルポンプの吐出量の一部をプライオリティバルブから成る分流弁を介して上記アクチュエータを構成する油圧シリンダに供給する。そして後前輪の操舵が前輪の操舵に連動して行なわれるようにする。
【0013】
しかも後前輪の操舵は、車速が0の場合には行なわないようにする。すなわち車両が走行中の場合のみ後前輪の操舵を行なうようにすることによって、小さな操舵力によって後前輪の操舵を可能にする。従ってこれにより、比較的小出力の油圧シリンダから成るアクチュエータによる後前輪の操舵が可能になる。このような構成によると、後前輪の操舵装置の軽量化とコンパクト化とが達成されるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る後2軸のトラックを示すものであって、車体フレーム10の前端側の部分にはキャブ11が搭載されている。またキャブ11の後側であって車体フレーム10上には荷箱12が取付けられる。
【0015】
このようなトラックの車体フレーム10の前端側の部分は両端に前輪15を取付けた前軸16によって支持される。これに対して車体フレーム10の後側の部分は左右に後前輪17を取付けた後前軸18と、左右に後々輪19を取付けた後々軸20とによって支持されるようになっている。
【0016】
ここで前輪15と後前輪17と後々輪19の配置は図2に示すように構成されており、とくに車両の旋回時において、前輪15が操舵されるとこれに連動して後前輪17が操舵されるようになっており、後前輪17の車軸の延長上が後々軸20の延長上であって車両の旋回中心と一致するようにしている。このような対策によって、後前軸18を後々軸20に対して従来のトラックよりも前方へ大きく偏倚させながら、しかも後前輪17のタイヤの偏摩耗を確実に防止するようにしている。
【0017】
図3に示す前軸16と後々軸20との間の距離Aはここでは7000mmに設定されているのに対し、後前軸18と後々軸20との距離Bは1800mmに設定されている。ちなみに従来のトラニオンサスペンション装置においては、Aの値が7000mmの場合には、Bの値は約1300mmの値に設定されている。すなわちトラニオン式サスペンション装置の後前軸18と後々軸20との間の軸間距離の約1.4倍の値にBの寸法が設定されている。
【0018】
前軸16、後前軸18、および後々軸20の配置を図3に示すような配置にすると、荷箱12の部分にほぼ均等な等分布荷重が加わった場合における3軸16、18、20の荷重配分が、ほぼ1:2:2の割合とすることが可能になる。すなわち後前軸18と後々軸20とにそれぞれ加わる荷重の半分の値に前軸16に加わる荷重を設定することが可能になる。
【0019】
従って積載荷重が25トンのトラックの場合には、前軸16に5トン、後前軸18に10トン、後々軸20に10トンの荷重がそれぞれ加わるようになる。このような荷重配分の関係は、各車輪15、17、19のタイヤの数に比例した値になる。すなわち各タイヤにはそれぞれ2.5トンの荷重が加わるようになり、これによって前輪15、後前輪17、および後々輪19の総てのタイヤに加わる荷重が等しくなる。
【0020】
ここで後々軸20が駆動軸を構成しており、後前軸18は死軸あるいは従動軸になっている。すなわち後々軸20には図3に示すように差動歯車装置23が取付けられており、この差動歯車装置23とキャブ11の下側のエンジン24とがトランスミッション25およびプロペラシャフト26を介して連結されており、エンジン24からの駆動力が後々輪19に伝達されるようになっている。
【0021】
次に上記後前軸18と後々軸20の懸架の構造について説明すると、とくに図4に示すように、後前軸18と後々軸20の取付け位置のほぼ中間位置において、フレーム10にはトラニオンブラケット77が取付けられている。このようなトラニオンブラケット77によってトラニオンシャフト78が回転自在に支持される。そしてトラニオンシャフト78の両側にそれぞれトラニオンシート79が取付けられるようになっている。トラニオンシート79にはUボルトを介して前後方向に長いリーフスプリング40またはビームが取付けられる。
【0022】
リーフスプリング40またはビームの前端側の部分とフレーム10との間には前側のエアスプリング80が介装される。これに対してリーフスプリング40またはビームの後端部と車体フレーム10との間には後側のエアスプリング81が介装される。そしてリーフスプリング40の前端側によって後前軸18が、またリーフスプリング40の後端側によって後々軸20がそれぞれ懸架されることになる。
【0023】
次に上記後前軸18に取付けられている後前輪17の操舵機構について説明する。後前軸18は図5および図6に示すようにエリオット型のアクスルから構成されており、その左右両端にはそれぞれ取付けアーム29、30が上下に設けられている。そしてこれらの取付けアーム29、30によってキングピン31の上下の端部がそれぞれ保持されている。そしてキングピン31の長さ方向の中間位置にナックル32が操舵可能に取付けられている。
【0024】
ナックル32の先端部には中空のスピンドル33が固着されるとともに、このスピンドル33にベアリング36を介してハブ34が回転自在に取付けられている。そしてハブ34にホイール35が取付けられるようになっており、このホイール35の外周面に取付けられているタイヤによって後前輪17が構成されている。
【0025】
上記後前軸18は図5および図6に示すようにその左右両端側の部分にそれぞれ開口から成る挿通部39を有するとともに、このような挿通部39をサスペンションばねを構成するリーフスプリング40が挿通されている。また後前軸18は図示を省略したトルクロッドによって車体フレーム10に連結されている。
【0026】
上記後前輪17を支持するナックル32にはとくに図7に示すようにナックルアーム47が固着されている。そして左右のナックルアーム47はタイロッド48を介して互いに連結されており、これによってアッカーマン型の操舵機構を構成している。
【0027】
またナックルアーム47の先端部には図7および図6に示すドラッグリンク49が連結されており、このようなドラッグリンク49が図8に示す反転レバー50を介して油圧シリンダ51のピストンロッドに連結されている。従ってこのような油圧シリンダ51の作動によって、ドラッグリンク49が引張られたり押戻されたりし、これによってナックルアーム47を介してナックル32がキングピン31を中心として回動するようになっている。このようなナックル32の回動によって、ナックル32に取付けられている後前輪17が操舵される。
【0028】
次に上記油圧シリンダ51を作動させるための油圧回路について図8によって説明する。前輪15を操舵するためのステアリングホイール55はステアリングシャフト56の先端部に取付けられるとともに、ステアリングシャフト56がパワーステアリング装置57の操作軸に連結されている。そしてこのパワーステアリング装置57の側部に取付けられているピットマンアーム58に前輪15を操舵するドラッグリンク59が連結されている。
【0029】
上記パワーステアリング装置57を駆動するためにオイルポンプ62が設けられており、このオイルポンプ62はエンジン24に直結されている。オイルポンプ62はリザーバ63からオイルを吸引して加圧するようになっている。そして上記オイルポンプ62にはリリーフ弁64が接続されるとともに、このオイルポンプ62の吐出側にはプライオリティバルブを構成する調整弁67が接続されていおり、この調整弁67を通してオイルポンプ62の吐出側がパワーステアリング装置57に接続されている。また調整弁65とパワーステアリング装置57とを直結する管路に対して並列にリリーフ弁66が接続されている。
【0030】
上記プライオリティバルブ65の側方のポートは制御弁67と接続されるとともに、この制御弁67が油圧シリンダ51に接続されるようになっている。また上記油圧シリンダ51の両端はカットオフバルブ68によって互いに連通されるようになっている。そして上記プライオリティバルブ65とカットオフバルブ68とがともに電子制御装置(ECU)69によって制御されるようになっている。
【0031】
上記電子制御装置69の入力側には、この車両のトランスミッション25のシフトスイッチの出力、ブレーキスイッチの出力、クラッチスイッチの出力、車速センサの出力がそれぞれ入力されている。またパワーステアリング装置57のピットマンアーム58の支軸に取付けられている前輪15の操舵角センサ71と反転レバー50の支軸に取付けられている後前輪17の操舵角センサ72とがそれぞれ電子制御装置69に接続されている。
【0032】
次に以上のような構成に係る後輪操舵装置の動作について説明する。図8に示すステアリングホイール55を操作することによって、ステアリングシャフト56を介してパワーステアリング装置57が作動され、ピットマンアーム58が回動し、ドラッグリンク59を介して前輪15の操舵が行なわれる。このときの前輪15の操舵角は操舵角センサ71によって検出され、電子制御装置69に入力される。
【0033】
上記パワーステアリング装置57に圧油を供給するプライオリティバルブ65は余剰のオイルを制御弁67側に供給する。制御弁67が切換えられていない場合には、プラオリティバルブ65を通して制御弁67に供給されたオイルはこの制御弁67からリザーバ63に戻るようになる。電子制御装置69によって制御弁67が切換えられると、プライオリティバルブ65を通して供給されたオイルが制御弁67を通して油圧シリンダ51に供給される。なおこのときの油圧シリンダ51の作動の方向は、制御弁67の切換えの方向に応じてピストンロッドを引込む方向と押出す方向の何れかの方向である。
【0034】
このような油圧シリンダ51の作動によって、油圧シリンダ51のピストンロッドの動作が反転レバー50を介してドラッグリンク49に伝達され、これによってこのドラッグリンク49がナックルアーム47を介してナックル32を回動させる。従ってこのナックル32が取付けられている後前輪17が操舵されるようになる。
【0035】
このときの後前輪17の操舵角は反転レバー50の支軸に取付けられている操舵角センサ72によって検出されるようになっており、前輪15の操舵角に応じた操舵角に達すると、電子制御装置69は制御弁67を遮断状態に切換え、これによって油圧シリンダ51の動作を停止させる。このようにして後前輪17は前輪15の操舵角に連動した角度で操舵されるようになる。このような状態が図2に示されている。
【0036】
ここで図8に示すプライオリティバルブ65は図9に示すように、まずパワーステアリング装置57に優先的に圧油を供給する。そして所定の吐出量よりも余剰の吐出量に相当する圧油を制御弁67を介して油圧シリンダ51に供給するようにしている。
【0037】
従ってオイルポンプ62の回転数が低い場合には、パワーステアリング装置57にのみしか圧油が供給されず、油圧シリンダ51への圧油の供給がなされない。これによって前輪15の操舵が優先的に行なわれるようにし、後前輪17の操舵は行なわれず、あるいはまた不完全になされるにすぎない。オイルポンプ62の回転数が所定の回転数を越えた場合には、パワーステアリング装置57と油圧シリンダ51とへともに十分な量の圧油が供給され、前輪15の操舵と後前輪17の操舵がともに行なわれることになる。
【0038】
次に電子制御装置69による後前輪17の操舵の動作について図11により説明する。電子制御装置69は車速センサによって車速の読込みを行なうとともに、車速が0であるかどうかの判断を行なう。車速が0の場合には後前輪17の操舵が停止される。これに対して車速が0でない場合、すなわち車両が走行中の場合には、操舵角センサ71によって前輪15の操舵角の読込みを行なうとともに、図10に示す不感帯にあるかどうかの判断を行なう。前輪15の操舵角が不感帯の角度の場合には後前輪17の操舵が行なわれない。これに対して不感帯を越えた角度で前輪15が操舵された場合には、後前輪17の操舵の制御が行なわれる。
【0039】
この制御動作は操舵角センサ71によって得られる前輪15の操舵角に応じて、後前輪17の理論操舵角を図10に示すグラフのように演算によって求める。そして制御弁67を切換えるようにし、これによってオイルポンプ62の圧油を油圧シリンダ51に供給し、そのピストンロッドを押出すか引込むようにする。これによって反転レバー50を介してドラッグリンク49を移動させ、ナックルアーム47を介してナックル32を回動させ、これによって後前輪17の操舵を行なう。このときの後前輪17の操舵角が操舵角センサ72によって検出される。従ってこの操舵角が目標舵角を越えたかどうかの判断を行なうとともに、越えた段階で制御弁67を遮断する。
【0040】
このように本実施の形態の車両は、前軸16、後前軸18、および後々軸20から成る3軸の総重量が25トンの車両において、4軸車並の低床とするとともに、操舵輪を構成する後前輪17のタイヤ摩耗を低減し、しかも後前輪17の操舵機構を軽量かつコンパクトにすることを目的とするものである。
【0041】
このような目的を達成するために、前輪15の操舵のためのパワーステアリング装置57にオイルを供給するオイルポンプよりもやや流量を増大させた油圧ポンプ62を備え、プライオリティバルブから成る調整弁65を介してフロント側とリヤ側とにオイルの供給を分けるようにしており、後前輪17を操舵するための油圧シリンダ51への圧油の供給は、制御弁67によって達成されるようになっている。そして制御弁67の切換えによって油圧シリンダ51が伸縮し、図6および図7に示す後前輪17の操舵機構が作動して後前輪17が左方向または右方向に操舵されるようになっている。
【0042】
前輪15と後前輪17の舵角を検出するめにそれぞれ操舵角センサ71、72が設けられており、前輪15の操舵角に応じた操舵角になるように後前輪17の操舵を電子制御装置69によって図11に示すプログラムに基いて制御を行なうようにしている。ここでとくに後前輪17を作動させる操舵機構は、車両が走行中の場合のみしか作動せず、車両の停止時における後前輪17のすえ切り能力は備えていない。このような特徴ある構成によって、後前輪17の操舵のための油圧システムの部品点数を最小限にすることができるばかりでなく、油圧シリンダ51として比較的小出力のものを用いることができ、軽量でしかもコンパクトな操舵装置を構成することになる。
【0043】
また図10および図11に示すように、前輪15の操舵角が所定の値以下の場合には、不感帯として後前輪17の操舵を行なわないようにしている。従って前輪15の微小な細かい操舵に後前輪17の操舵機構が過敏に反応することがなく、これによって後前輪17の操舵機構の部品の摩耗を防止し、耐久性を高めることが可能になる。
【0044】
またとくに図10に示すように、前輪15の操舵角が所定の値を越えた場合には、それ以降後前輪17の操舵角を変更させることなく一定の値に保持するようにしている。これによって後前輪17が必要以上に大きな舵角で操舵されることを防止している。この場合に後前輪17を構成するタイヤに若干の偏摩耗の発生の可能性があるが、前輪15を大きな舵角で操舵するケースが確率的に少ないために、とくに問題にはならない。
【0045】
このような3軸車から成るトラックにおいて、後前軸18と後々軸20との間の軸間距離を適当な値、例えば1800mmの値に設定すると、前軸16、後前軸18、および後々軸20の分担荷重が5トン、10トン、10トンの割合にすることができる。そして前輪15を単輪から構成し、後前輪17と後々輪19を複輪から構成すると、各車輪(タイヤ)には等しく2.5トンの荷重が加わることになり、タイヤの均等荷重配分を行なうことが可能になる。
【0046】
またここで後前軸18と後々軸20との間の距離を適正な値に保持するとともに、後々輪19を固定輪とすることによって、後々軸20の後側のオーバハング部分の張出し量を小さくすることが可能になる。すなわち車両のホイールベースを十分に長くすることが可能になり、安定性が向上し、横への張出しに伴う事故の発生を未然に防止できるようになり、安全性の高い3軸車が提供される。
【0047】
また後前輪17を従動輪とするとともに、後々輪19を駆動輪とするようにしているために、操舵を行なう後前輪17を駆動する必要がなく、これによって駆動輪19の駆動機構が簡潔になる。また後前輪17の操舵をアクスルステアではなくホイールステアにしているために、とくに後前輪17の懸架機構が簡潔になる。すなわち後前軸18をアクスルステアさせようとすると、ばねの支持部がばね上とばね下とでステア時に前後左右にずれることになり、このために懸架装置が成立しなくなる。これに対して後前輪17をホイールステアとしているために、図4に示すようなリーフスプリング40と前後のエアスプリング80、81とによる懸架機構によって、後前軸18と後々軸20とを安定に支持することが可能になる。
【0048】
また図4に示すようなサスペンション装置と対応し、ナックルアーム47と連結されているドラッグリンク49を図7に示すように前方に引出すようにし、左右のナックルアーム47を後に配置されているタイロッド48で連結した構造としている。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本願の一発明は、車体の後側を後前軸と後々軸とによって支持するようにした車両の後輪操舵装置において、後前軸の両側に左右の後前輪を操舵可能に取付ける後前輪の操舵機構と、操舵機構を介して後前輪を操舵するための油圧アクチュエータと、油圧アクチュエータと前輪のパワーステアリング装置に対して圧油を供給する油圧源と、油圧源からの圧油を供給する管路の後前輪の油圧アクチュエータへの供給路とパワーステアリング装置への供給路との分岐部に接続される調整弁と、油圧アクチュエータによる後前輪の操舵を制御する制御手段と、を具備し、調整弁は、パワーステアリング装置へ優先的に圧油を供給し、該油圧源の吐出量が所定の値を越えた場合に後前輪の油圧アクチュエータに圧油を供給して後前輪の操舵を行なうようにし、しかも制御手段は、車速がほぼ0の場合には油圧アクチュエータによる後前輪の操舵を停止するようにしたものである。
【0050】
従ってこのような後輪操舵装置によれば、車速がほぼ0の場合にはアクチュエータによる後前輪の操舵を停止するために、後前輪の操舵機構を作動させるアクチュエータとして比較的小出力のアクチュエータを用いることが可能になり、後前輪の操舵機構の軽量化とコンパクト化とが達成されることになる。
【0051】
制御手段が前輪の操舵角に応じて後前輪の操舵を行なうとともに、前輪の操舵角が所定の値を越えた場合に後前輪の操舵角を一定に保持するようにした構成によれば、後前輪が不必要に大きく操舵されることが防止される。
【0052】
後前輪を従動輪から構成するとともに、後々輪を駆動輪から構成すると、操舵機構を有しない後々輪を駆動すればよく、これによって駆動機構を簡潔にすることが可能になる。
【0053】
前輪が単輪から構成されるとともに、後前輪と後々輪とが複輪から構成されると、複輪から成る後前輪が操舵されることになる。
【0054】
後前軸と後々軸との間の軸間距離が1500mm以上である構成によれば、後前軸と後々軸とによって車体の荷重の大半を負担することが可能になり、前軸に加わる荷重を低減できるようになる。
【0055】
前軸と後々軸との間の軸間距離に対して後前軸と後々軸との間の軸間距離が20%以上である構成によれば、前軸と後前軸と後々軸とにバランスよく荷重を負担させることが可能になるとともに、前軸によって負担される荷重を軽減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】後輪操舵装置を備えるトラックの側面図である。
【図2】同トラックの旋回時の車輪の配置を示す平面図である。
【図3】トラックの全体の配置を示す平面図である。
【図4】後前軸と後々軸の懸架機構を示す側面図である。
【図5】後前輪の取付け機構を示す要部縦断面図である。
【図6】同要部拡大縦断面図である。
【図7】同要部拡大平面図である。
【図8】後前輪を操舵する油圧シリンダを作動するための油圧管路の配管図である。
【図9】プライオリティバルブの機能を示すグラフである。
【図10】前輪の操舵角と後前輪の操舵角との関係を示すグラフである。
【図11】制御の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 車体フレーム
11 キャブ
12 荷箱
15 前輪
16 前軸
17 後前輪
18 後前軸
19 後々輪
20 後々軸
23 差動歯車装置
24 エンジン
25 トランスミッション
26 プロペラシャフト
29、30 取付けアーム
31 キングピン
32 ナックル
33 スピンドル
34 ハブ
35 ホイール
36 ベアリング
37 ブレーキドラム
39 挿通部(開口)
40 リーフスプリング
47 ナックルアーム
48 タイロッド
49 ドラッグリンク
50 反転レバー
51 油圧シリンダ
55 ステアリングホイール
56 ステアリングシャフト
57 パワーステアリング装置
58 ピットマンアーム
59 ドラッグリンク
62 オイルポンプ
63 リザーバ
64 リリーフ弁
65 調整弁(プライオリティバルブ)
66 リリーフ弁
67 制御弁
68 カットオフバルブ
69 電子制御装置(ECU)
71 操舵角センサ(前輪)
72 操舵角センサ(後前輪)
77 トラニオンブラケット
78 トラニオンシャフト
79 トラニオンシート
80 エアスプリング(前)
81 エアスプリング(後)
Claims (6)
- 車体の後側を後前軸と後々軸とによって支持するようにした車両の後輪操舵装置において、
後前軸の両側に左右の後前輪を操舵可能に取付ける後前輪の操舵機構と、
前記操舵機構を介して前記後前輪を操舵するための油圧アクチュエータと、
前記油圧アクチュエータと前輪のパワーステアリング装置に対して圧油を供給する油圧源と、
前記油圧源からの圧油を供給する管路の前記後前輪の油圧アクチュエータへの供給路と前記パワーステアリング装置への供給路との分岐部に接続される調整弁と、
前記油圧アクチュエータによる前記後前輪の操舵を制御する制御手段と、
を具備し、前記調整弁は、前記パワーステアリング装置へ優先的に圧油を供給し、前記油圧源の吐出量が所定の値を越えた場合に前記後前輪の油圧アクチュエータに圧油を供給して前記後前輪の操舵を行なうようにし、
しかも前記制御手段は、車速がほぼ0の場合には前記油圧アクチュエータによる前記後前輪の操舵を停止することを特徴とする後輪操舵装置。 - 制御手段は前輪の操舵角に応じて後前輪の操舵を行なうとともに、前輪の操舵角が所定の値を越えた場合に後前輪の操舵角を一定に保持することを特徴とする請求項1に記載の後輪操舵装置。
- 後前輪を従動輪から構成するとともに、後々輪を駆動輪から構成することを特徴とする請求項1に記載の後輪操舵装置。
- 前輪が単輪から構成されるとともに、後前輪と後々輪とが複輪から構成されることを特徴とする請求項3に記載の後輪操舵装置。
- 後前軸と後々軸との間の軸間距離が1500mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の後輪操舵装置。
- 前軸と後々軸との間の軸間距離に対して後前軸と後々軸との間の軸間距離が20%以上であることを特徴とする請求項1に記載の後輪操舵装置。
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