JP3759110B2 - 超音波探傷方法とその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、溶接継手部等の内部欠陥を非破壊で検査する超音波探傷方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、溶接継手部等の内部欠陥を非破壊で検査する手段として、超音波探傷検査(UT)が知られている。この超音波探傷検査は、被検査体の表面に探触子を密着させ、この探触子から被検査体に入射させた超音波の反射によって欠陥を検出する非破壊検査であり、入射させた超音波の反射を検出するまでの時間によって欠陥の位置を知ることができる。
【0003】
図11は超音波探傷方法の一例を示す図であり、(a) は超音波探傷方法の模式図、(b) はその探傷波形の模式図である。この超音波探傷方法は、一般にTOFD(Time of Fright Diffraction)法と呼ばれている。図示する例は、このTOFD法によって溶接継手部101を超音波探傷検査する例であり、溶接継手部101の両側部に超音波探触子102A,102Bを設け、一方の超音波探触子102Aから溶接継手部101の溶接線方向と直交する方向に超音波を入射し、その反射を他方の超音波探触子102Bで受けて超音波探傷検査を行っている。
【0004】
この例の場合、溶接継手部101から所定距離離れた位置から発信した超音波によって、被検査体100の全板厚方向を検査するように構成されている。図示する左側が送信探触子102Aであり、右側が受信探触子102Bである。送信探触子102Aから発した超音波が被検査体100の表面を伝わって受信探触子102Bで検出されるラテラル波aと、被検査体100の底面で反射した底面波bと、これらの間で欠陥103に反射した回折波の上端波cと下端波dとを受信探触子102Bで検知し、この信号によって、欠陥103の存在と欠陥103の位置を検出している。また、この例の場合、溶接継手部101に沿って超音波探触子102A,102Bを移動させることにより、全線の超音波探傷を行う例を示している。
【0005】
また、超音波探傷する被検査体の厚みが大きい場合、超音波の交軸点(ビーム中心)から離れると超音波強度が低下して安定した検査ができないため、送信探触子と受信探触子との組み合わせからなる超音波探傷チャンネル(この明細書では、一対の送信探触子と受信探触子との組み合わせを「超音波探傷チャンネル」という)を複数設けたTOFD装置を用い、これらの超音波探傷チャンネルの探触子の間隔を変化させることによって超音波の交軸点を厚み方向に変化させ、それぞれが探傷可能な超音波強度の範囲で厚み方向の別範囲を走査することによって被検査体の全厚みを検査している。この場合、それぞれの超音波探傷チャンネルで探傷した結果の探傷画像は別々の画面に表示され、検査者がそれらの画像を見て欠陥評価している。
【0006】
さらに、このようなTOFD装置による超音波探傷に加え、パルス反射装置による超音波探傷を行う場合もある。例えば、TOFD装置によって被検査体の所定深さよりも深い部分を超音波探傷し、表面近くをパルス反射装置によって超音波探傷して、被検査体の全厚み方向を超音波探傷する。この場合も、TOFD装置による探傷結果とパルス反射装置による探傷結果とは別々の画面に表示され、検査者がそれらの画像を見て欠陥評価している。
【0007】
なお、この種の従来技術として、複数回のTOFD法で得られた被検査体断面層のDスコープ画像を記憶装置に記憶し、1回目の測定で得られたDスコープ画像と、2回目以降の測定で得られたDスコープ画像とを比較し、そのDスコープ画像の欠陥縞のすべてについて欠陥評価を行おうとするものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−162390号公報(図4)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したように、複数チャンネルのTOFD装置、及びTOFD装置とパルス反射装置とを併用した探傷装置による探傷結果がそれぞれ探触子の数だけ別々に表示されているため、検査者がそれら複数の画像から一つの探傷画像を想像しながら欠陥評価をする必要があり、正確な探傷が行えない。
【0010】
また、このように複数の画像から一つの探傷画像を想像しながら超音波探傷する場合、その検査者の経験によって判断が異なる場合があり、安定した超音波探傷が困難になって、欠陥評価の精度を低下させる場合がある。
【0011】
しかも、TOFD装置の探傷画像は、時間とスキャン位置との関係で表されているために、現実の対象である板厚とスキャン位置との関係として視覚的に理解するためには熟練度を要する。
【0012】
その上、時間とスキャン位置との関係で表示された複数の画像を合成する場合、同一欠陥を探傷しても、探触子間距離が異なれば超音波が伝播した時間は変化するため、時間とスキャン位置との関係で表示された画像では異なる時間軸上に欠陥像が表示されてしまう。一般に、複数チャンネルを用いる場合のTOFD探傷は、チャンネルごとに異なる板厚深さ方向の狙い位置を持たせるために、探触子間距離をチャンネルごとに変える必要がある。そのため、このようにして得られたTOFD探傷結果の合成を困難にしている。
【0013】
なお、前記特許文献1の場合、複数回測定したDスコープ画像を単に表示するものであり、板厚と探傷結果との関係として視覚的に理解することができるものではない。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記課題を解決するために、本願発明の超音波探傷方法は、送信探触子から超音波を被検査体内に送信し、該被検査体の内部からの回波を受信探触子で受信して被検査体の厚み方向を超音波探傷し、該超音波探傷する超音波が被検査体内を伝搬した時間厚み方向距離とを対応付けて時間軸を厚み方向距離に変換した線形表示の超音波探傷画像に変換し、該変換した超音波探傷画像に被検査体の表面部をパルス反射法で検査したパルス反射画像を合成して全体の探傷画像を得るようにしている。このようにすれば、被検査体をTOFD法とパルス反射法とによって精度よく超音波探傷し、超音波探傷した結果を厚み方向距離に対応させた1つの探傷画像として見ることができるので、検査者が板厚と探傷結果との関係として視覚的に理解しながら高い精度で欠陥評価を行うことができる。
【0015】
また、送信探触子から超音波を被検査体内に送信し、該被検査体の内部からの回波を受信探触子で受信して被検査体の厚み方向の異なる範囲を超音波探傷し、該それぞれの超音波探傷する超音波が被検査体内を伝搬した時間厚み方向距離とを対応付けて時間軸を厚み方向距離に変換した線形表示の超音波探傷画像に変換し、該変換した複数の超音波探傷画像を被検査体の厚み方向に合成して全体の探傷画像を得るようにしてもよい。このようにすれば、被検査体の厚みが大きい場合に、厚み方向を異なる一対の探触子によって探傷し、それぞれの超音波探傷結果を合成して被検査体の厚み方向を1つの探傷画像として見ることができるので、検査者が板厚と探傷結果との関係として視覚的に理解しながら高い精度で欠陥評価を行うことができる。
【0016】
さらに、前記超音波探傷方法により得られた探傷画像に、探触子から発した超音波パルスの反射を変換したパルス反射画像を合成して全体の探傷画像を得るようにすれば、被検査体の全厚み方向をTOFD法とパルス反射法との合成画像によって精度高く超音波探傷することができる。
【0017】
また、前記いずれかの超音波探傷方法において、被検査体のスキャン位置をずらせて複数回行うことにより複数の探傷画像を得て、該複数の探傷画像を組み合わせることによって三次元の探傷画像を得るようにすれば、任意に三次元で断面できる探傷画像を見て、より高い欠陥評価を行うことができる。
【0018】
さらに、前記超音波探傷方法によって得られた三次元の探傷画像の任意断面を取り出して欠陥評価するようにすれば、検査者が異なっても探傷画像の任意断面を選択して見て、高い欠陥評価精度の超音波探傷を行うことができる。
【0019】
また、前記超音波探傷方法において、超音波探傷に適した被検査体の適正厚み範囲ごとに探傷する送信探触子と受信探触子とからなる複数の超音波探傷チャンネルで、被検査体の厚み方向の異なる位置をそれぞれ超音波探傷することによりそれぞれの厚み方向位置の探傷画像を得て、これらの探傷画像に基づいて三次元の探傷画像を得るようにすれば、探傷途中で厚みが変化したり、探触子の交換等の探傷条件が変化するような被検査体であっても、連続した探傷画像を三次元で提示することができる。
【0020】
一方、本願発明の超音波探傷装置は、送信探触子から超音波を被検査体内に送信し該被検査体の内部からの回波を受信探触子で受信する一対の探触子と、該一対の探触子で被検査体の厚み方向を超音波探傷する探傷器と、該一対の探触子で超音波探傷する超音波が被検査体内を伝搬した時間厚み方向距離とを対応付けて時間軸を厚み方向距離に変換した線形表示の超音波探傷画像に変換する変換部と、該変換した超音波探傷画像に被検査体の表面部をパルス反射法で検査したパルス反射画像を被検査体の厚み方向に合成する合成部と、該合成した全体の探傷画像を表示する表示部とを備えている。このようにすれば、探傷器によって被検査体をTOFD法とパルス反射法とで精度よく超音波探傷し、超音波探傷した結果を変換部で線形表示の探傷画像に変換して合成部で合成することにより、1つの探傷画像としてモニターテレビ等の表示部で見ることができるので、検査者が板厚と探傷結果との関係として視覚的に理解しながら高い精度で欠陥評価を行うことができる。
【0021】
また、送信探触子から超音波を被検査体内に送信し該被検査体の内部からの回波を受信探触子で受信する一対の探触子と、該一対の探触子を複数配置して被検査体の厚み方向の異なる範囲を超音波探傷する探傷器と、該それぞれの一対の探触子で超音波探傷する超音波が被検査体内を伝搬した時間厚み方向距離とを対応付けて時間軸を厚み方向距離に変換した線形表示の超音波探傷画像に変換する変換部と、該変換した複数の超音波探傷画像を被検査体の厚み方向に合成する合成部と、該合成した全体の探傷画像を表示する表示部とを備えたものでもよい。このようにすれば、被検査体の厚みが大きい場合に、厚み方向を異なる一対の探触子によって探傷し、それぞれの超音波探傷結果を合成して被検査体の厚み方向を1つの探傷画像として見ることができるので、検査者が板厚と探傷結果との関係として視覚的に理解しながら高い精度で欠陥評価を行うことができる。
【0022】
さらに、前記超音波探傷装置に、探触子から発した超音波パルスの反射を、該超音波が被検査体内を伝播した時間から厚み方向距離に対応付けて線形表示のパルス反射画像に変換するパルス変換部を設け、前記合成部に、該変換したパルス反射画像に前記合成部で被検査体の厚み方向に合成した複数の超音波探傷画像を合成して全体の探傷画像を得る機能を具備させれば、被検査体の全厚み方向をTOFD法とパルス反射法との合成画像によって精度高く超音波探傷することができる。
【0023】
その上、前記いずれかの超音波探傷装置に、被検査体のスキャン位置をずらせて複数回行うことにより得られる複数の探傷画像を記録する記録部と、該複数の探傷画像を組み合わせることによって三次元の探傷画像を合成する合成部とを具備させれば、複数の探傷画像から得られた三次元の探傷画像を見ながら、より精度の高い欠陥評価を行うことができる。
【0024】
また、前記超音波探傷装置に、合成部で合成した三次元の探傷画像の任意断面を取り出して表示する機能を具備させれば、複数の探傷画像から得られた三次元の探傷画像を任意に断面した探傷画像を得ることができ、検査者が異なっても欠陥評価精度の高い超音波探傷を行うことができる。
【0025】
さらに、前記超音波探傷装置において、超音波探傷に適した被検査体の適正厚み範囲ごとに探傷する送信探触子と受信探触子とからなる複数の超音波探傷チャンネルを具備し該複数の超音波探傷チャンネルで被検査体の厚み方向の異なる位置をそれぞれ超音波探傷することにより得られるそれぞれの厚み方向位置の探傷画像を得てこれらの探傷画像に基づいて三次元の探傷画像を得るように構成すれば、探傷途中で厚みが変化したり、探触子の交換等の探傷条件が変化するような被検査体であっても、連続した探傷画像を三次元で提示することができ、安定した欠陥評価が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本願発明の第1実施形態を示す超音波探傷装置における超音波探触子の正面図であり、図2は同超音波探傷方法のフローチャートである。図3は同超音波探触子による探傷画像の模式図であり、(a) は各超音波探触子における探傷画像の模式図、(b) はこれらの探傷画像を合成した後の探傷画像の模式図である。
【0027】
この第1実施形態では、複数チャンネルのTOFD法を行う場合、チャンネル毎にある一定以上の欠陥検出性能を発揮できる厚み範囲が限定されているので、2つの各チャンネルが有する適正厚み範囲ごとの画像を抽出することにより、厚み方向全域にわたって均質な欠陥検出性能が保証できるようにし、これらの画像を合成することによって一つの画像として欠陥評価が可能なようにしている。なお、この第1実施形態は、TOFD法による2つの超音波探傷チャンネルの探傷画像を合成する例であるが、1つの超音波探傷チャンネルであっても、3つ以上の超音波探傷チャンネルであってもよい。
【0028】
図1に示すように、被検査体10の探傷部11を挟んで送信探触子12,13と受信探触子14,15とからなる2つの超音波探傷チャンネル16,17が設けられている。この例では、被検査体10の厚み方向を2つの超音波探傷チャンネル16,17で検査するように構成されており、内側に設けられた超音波探傷チャンネル16で厚み方向上部を、外側に設けられた超音波探傷チャンネル17で厚み方向下部を検査するように配置されている。この実施形態では、これら超音波探傷チャンネル16,17が、複数チャンネルデータが取得可能な探傷器に接続されている。
【0029】
図2に示すように、このような構成の超音波探傷チャンネル16,17による超音波探傷は、超音波探傷チャンネル16によるTOFDデータの取得1(i) 、リニアスケール変換1(ii) 、観察範囲のみの抽出1(iii) と、超音波探傷チャンネル17によるTOFDデータの取得2(iv) 、リニアスケール(線形表示)変換2(v) 、観察範囲のみの抽出2(vi) とを行い、1,2・・・,nの観察範囲の合成(vii) 、をする。なお、図2のフローチャートでは、2つ以上の超音波探傷チャンネル(図では「n」)を使用する場合の(viii) 〜(x) も示している。
【0030】
前記TOFDデータをリニアスケール変換する画像変換手法として、この実施形態では、時間軸を厚み方向距離に変換する方法を採用している。この方法は、TOFD法によって得られる探傷画像(Dスコープ画像)が、超音波強度を時間とスキャン位置との関係(以下、単に「時間−スキャン位置」とも表示)で表示されるものであるため、この画像において、時間と厚み方向距離(深さ)を1対1に対応付けて線形表示に変換するものである。
【0031】
この変換する厚み方向距離(深さ)dは、被検査体内を超音波が伝播した時間をt、被検査体内の超音波の音速をV、探触子間隔をSとすると、
【0032】
【数1】
d=1/2・((t・V)2−S21/2
で表され、この数式によって求められたデータによって画像が描かれる。
【0033】
このようなTOFD法によって得られる探傷画像(Dスコープ画像)は、波の像を平面に変換する時に、超音波強度の高い方を「白色」、超音波強度の低い方を「黒色」、その間の超音波強度を「灰色」で表示することにより、グレースケールの探傷画像として表すことができる。
【0034】
また、このように変換される超音波探傷チャンネル16,17のTOFD画像を合成する方法としては、時間−スキャン位置で表示された複数の探傷画像の時間軸を厚み方向距離に変換することで、厚み方向あるいはスキャン方向に画像合成をすることが可能である。
【0035】
これら時間−スキャン位置で表示された複数の探傷画像の時間軸を厚み方向距離に変換する変換部や、変換した超音波探傷画像にパルス反射画像を被検査体の厚み方向に合成する合成部としては、パーソナルコンピュータ等の演算装置が用いられる。
【0036】
図3に示すように、前記グレースケールで描かれた各超音波探傷チャンネル16,17の探傷画像は、図3(a) のように、それぞれの超音波探傷チャンネル16,17によって検査されて抽出された観察範囲の探傷画像18,19が別々に求められ、これらの探傷画像18,19を前記したように合成することによって、図3(b) に示すように、1つになった探傷画像20を得ることができる。この図において、fは表面波、gは底面波、eは欠陥を示している。
【0037】
つまり、時間−スキャン位置で表示されるTOFD画像の時間軸をリニアな厚み軸に変換することで、複数のTOFD画像の合成を厚み方向で可能とし、厚み−スキャン位置関係を表示することができる。この表示する表示部としては、モニターテレビ等の一般的な画像表示手段が用いられる。これにより、検査者が、視覚的に厚みとスキャン位置との関係を理解することが容易に可能となって、一つの画像上で欠陥表示・欠陥評価ができるため、評価時間の短縮や、熟練を要することなく安定した超音波探傷を行うことができる。この例では、表面波fと底面波gとの間に表示されている欠陥eの深さ位置や長手方向位置を視覚的に認識することが容易に可能であることがわかる。
【0038】
図4は本願発明の第2実施形態を示す超音波探傷装置における超音波探触子の正面図であり、図5は同超音波探傷方法のフローチャートである。図6は同超音波探触子による探傷画像の模式図であり、(a) は各超音波探触子における探傷画像の模式図、(b) はこれらの探傷画像を合成した後の探傷画像の模式図である。この第2実施形態は、前記第1実施形態のTOFD法による超音波探傷に加え、パルス反射法による超音波探傷を行う例である。また、この第2実施形態では、TOFD法の超音波探傷チャンネル16で被検査体10の厚み方向の浅い部分、超音波探傷チャンネル17で厚み方向の深い部分、パルス反射法の超音波探傷チャンネル21,22(各探触子)で被検査体10の表面部分を超音波探傷するようにしている。これにより、各チャンネル16,17,21,22における超音波探傷に適した範囲(交軸点を中心心とした所定範囲)の適正厚み範囲ごとの画像を抽出し、合成することによって厚み方向全域にわたって均質な欠陥検出性能が保証できた複数のTOFD画像を一つの画像にして欠陥評価をできるようにしている。この実施形態では、これら超音波探傷チャンネル16,17,21,22が、複数チャンネルデータが取得可能な探傷器と接続されている。
【0039】
図4に示すように、具体的に構成としては、前記第1実施形態と同様に、被検査体10の探傷部11を挟んで送信探触子12,13と受信探触子14,15とからなる超音波探傷チャンネル16,17が2つ設けられており、これらの超音波探傷チャンネル16,17で、被検査体10の厚み方向を検査するようにしている。内側に設けられた超音波探傷チャンネル16で厚み方向上部を、外側に設けられた超音波探傷チャンネル17で厚み方向下部を検査するように配置されている。
【0040】
そして、この実施形態では、超音波探傷チャンネル16によって検査が難しい被検査体10の表面部をパルス反射法によって検査するように、パルス反射探触子23,24が探傷部11を挟んで対向するように設けられている。なお、探傷部11が幅方向に広い場合は、これらのパルス反射探触子23,24を幅方向に移動させて検査するように構成してもよい。
【0041】
図5に示すように、このような構成の超音波探傷チャンネル16,17,21,22による超音波探傷は、超音波探傷チャンネル16,17によるTOFDデータの取得1・・・,n(xi) 、リニアスケール変換1・・・,n(xii) 、観察範囲のみの抽出1・・・,n(xiii) 、1,2・・・,nの観察範囲の合成(xiv)、をするとともに、パルス反射探触子23,24によるパルス反射データの取得1・・・,n(xv) 、Bスケール(断面)画像変換1・・・,n(波形強度にしきい値を設定し、欠陥部分のみ抽出し、画像化する)(xvi)、をし、これらの、TOFD合成画像とパルス反射Bスコープ画像の重ね合わせ(xvii) 、を行うことによって、1つの全体的な探傷画像を得るようにしている。なお、図5のフローチャートでは、2つ以上の超音波探傷チャンネル(図では「n」)を使用する場合として記載しているが、この実施形態では、1と2のみでよい。
【0042】
このTOFDデータとパルス反射データとをリニアスケール変換する画像変換手法としては、上述した第1実施形態と同様に、時間軸を厚み方向距離に変換する方法が採用される。つまり、得られる探傷画像(Dスコープ画像)が、超音波強度を時間−スキャン位置で表示したものであるため、この画像において、時間と厚み方向距離(深さ)を1対1に対応付けて線形表示に変換される。なお、数式は上述した[数式1]と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0043】
この実施形態でも、TOFD法によって得られる探傷画像(Dスコープ画像)とパルス反射法によって得られる探傷画像とを、波の像を平面に変換する時に、超音波強度の高い方を「白色」、超音波強度の低い方を「黒色」、その間の超音波強度を「灰色」で表示することにより、グレースケールの探傷画像として表示することができる。この表示する表示部としては、モニターテレビ等の一般的な画像表示手段が用いられる。
【0044】
図6に示すように、前記グレースケールで描かれた各超音波探傷チャンネル16,17,21,22の探傷画像は、図6(a) のように、それぞれの超音波探傷チャンネル16,17,21,22によって検査されて抽出された観察範囲の探傷画像25,26,27,28が別々に求められ、これらの探傷画像25,26,27,28を前記したように合成することによって、図6(b) に示すように、1つになった探傷画像29として得ることができる。この図において、fは表面波、gは底面波、eは欠陥を示している。hとjはパルス反射波の両端を示している。
【0045】
つまり、時間−スキャン位置で表示されるTOFD画像は、時間軸をリニアな厚み軸に変換し、厚み方向のBスコープで表示されるパルス反射法で計測した結果は、前記リニアな厚み軸に変換したTOFD画像に重ね合わせられる。この時、設定したしきい値以上のエコー高さデータを重ねることによって、TOFD法とパルス反射法の探傷結果を1つの画面として見て欠陥評価することが可能になる。
【0046】
その結果、複数チャンネルのTOFD画像及びパルス反射画像からなる異なる複数の探傷データによる欠陥検出を行った結果が、一つの画像上で表示・評価できるため、検査者は、評価時間の短縮や、熟練を要することなく見落としや過検出を軽減して、安定した超音波探傷を行うことができる。しかも、この実施形態では、パルス反射画像を合成することによって、上述した第1実施形態よりも詳細な超音波探傷が可能となり、より超音波探傷試験の精度を向上させることができる。この例でも、表面波fと底面波gとの間に表示されている欠陥eの深さ位置や長手方向位置を視覚的に認識することが容易に可能であることがわかる。
【0047】
なお、この第2実施形態では、上述した第1実施形態において合成されたTOFD法の2つの超音波探傷チャンネル16,17と、パルス反射法の超音波探傷チャンネル21,22とを用いた例を示したが、TOFD法の超音波探傷チャンネル16(17)が1つで、パルス反射法の超音波探傷チャンネル21(22)が1つの場合や、他の組み合わせであってもよく、超音波探傷チャンネルの数は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0048】
図7は本願発明の第3実施形態を示す超音波探傷装置における超音波探触子の正面図であり、図8は同超音波探傷方法によりTOFD画像を得る場合のフローチャートである。図9は図8のTOFD画像を模式的に示した探傷画像の模式図であり、(a) は探傷部の長手方向を検査した探傷画像の模式図、(b) は探傷部の幅方向をスキャンした探傷画像の模式図である。この第3実施形態は、上述したTOFD法による超音波探傷方法で探傷部のスキャン位置をずらせて複数回行うことにより、複数の探傷画像を得て、この複数の探傷画像を組み合わせることによって三次元の探傷画像を得るようにするものである。
【0049】
図7に示すように、この実施形態では、被検査体10の探傷部11の長手方向Xと幅方向Yとで、走査ライン30,31を一定ピッチでずらせて複数回の検査を行い、それらのデータを利用している。なお、図では走査ライン30,31(スキャン位置)を模式的に示している。
【0050】
図8に基づいて、探傷部11の長手方向Xを検査する例を説明する。まず、TOFDデータの取得1(xviii) 、を行うことにより、走査ライン30a位置(図7)におけるデータ取得を行う。その後、探触子を走査ラインから一定ピッチ(例えば、1mm以下)ずらす(xix) 。その走査ライン30bで、TOFDデータの取得2(xx) 、を行うことにより、走査ライン30b位置(図7)におけるデータ取得を行う。その後、探触子を走査ラインから一定ピッチ(例えば、1mm以下)ずらす(xxi) 。このように探触子(図示せず)の走査ライン30を一定ピッチずらしてはTOFDデータの取得を行い、TOFDデータの取得n(xxii) 、を行うことにより、走査ライン30n位置(図7)におけるデータ取得を行う。このようにして、1回のスキャンで得られる1つの探傷画像を、スキャン位置を任意にずらせて複数回スキャンすることで、複数得る。そして、これらの複数画像を組み合わせることにより、TOFD三次元データの合成(xxiii) 、を行って三次元画像として合成する。つまり、あるピッチ毎に探傷画像を描き、これらを合成することにより三次元の探傷画像を描いている。
【0051】
図9(a) は、図8に示すフローチャートの手順によって図7に示す走査ライン30側で、探傷部11の長手方向Xで複数回の検査を行って取得したTOFDデータをリニアスケール変換した探傷画像32を示すものであり、各検査位置での探傷画像32a〜32nが示されている。また、図9(b) は、図7に示す走査ライン31側で、探傷部11の幅方向Yで複数回の検査を行って取得したTOFDデータをリニアスケール変換した探傷画像33を示すものであり、各検査位置での探傷画像33a〜33nが示されている。この図においても、fは表面波、gは底面波、eは欠陥を示している。この探傷部11の幅方向Yを検査する手順は、前記図8に示すフローチャートと同様に行われるため、その説明は省略する。なお、これらの探傷画像も模式的に示したものであり、図では数枚程度の探傷画像を示しているが、実際には更に多くの探傷画像が求められる。このリニアスケール変換する手法も、上述した第1実施形態と同様に、時間軸を厚み方向距離に変換する方法が採用される。
【0052】
このようにして得られた探傷画像32,33を合成して三次元画像が得られると、その三次元画像の任意断面の画像情報を取り出すことができるため、探傷部11を任意断面した距離−超音波強度関係を画面に表示することができる。これにより、欠陥評価する場合に様々な角度からの画像で精度良く欠陥評価をすることができる。しかも、検査者は一つの三次元画像上で表示・評価できるため、評価時間の短縮や、熟練を要することなく見落としや過検出を軽減して、安定した超音波探傷を行うことができる。この場合も、三次元探傷画像を表示する表示部としては、モニターテレビ等の一般的な画像表示手段が用いられる。
【0053】
なお、被検査体10の厚みが大きい場合には、上述した第1実施形態と同様に、厚み方向を異なる超音波探傷チャンネル16,17によって検査し、それぞれの超音波探傷チャンネル16,17で検査したTOFDデータから三次元画像を作成するようにすればよい。
【0054】
図10は、本願発明の第4実施形態に係る超音波探傷方法のフローチャートであり、図8に示すTOFD画像にパルス反射画像を合成する例のフローチャートを示している。この第4実施形態は、前記第3実施形態におけるTOFD法の超音波探傷と同様に、上述したパルス反射法で、探傷部11のスキャン位置を複数回ずらせて行うことにより、パルス反射データの取得1・・・,n(xxiv) 、を行い、これらのパルス反射データを、Bスコープ(断面)画像変換1・・・,n、及び、Cスコープ(平面)画像変換1・・・,n、(波形強度にしきい値を設定し、欠陥部分のみを抽出するようにし、画像化する。B,Cスコープで三次元データ)(xxv) 、を作成する。この時のしきい値は、欠陥以外のノイズを除去する値に設定される。
【0055】
一方、上述した図8に示すフローチャートの手順で得られた、合成TOFD三次元データ(xxvi) 、を、1走査ラインごとのリニアスケール変換(xxvii) 、することにより、TOFD三次元リニアスケール変換画像取得(xxviii) 、し、TOFD三次元リニアスケール変換画像とパルス反射B,Cスコープ画像の重ね合せ(xxix) 、を行うことにより、TOFD画像とパルス反射画像との複数の探傷画像を組み合わせた三次元の探傷画像を得ることができる。
【0056】
このようにして三次元画像が得られると、その三次元画像の任意断面の画像情報を取り出すことができるため、例えば、横断面や縦断面の探傷画像等を任意に三次元で断面して、この探傷部11を任意断面した画像から詳細に欠陥評価することができる。しかも、検査者が異なっても、評価時間の短縮や、熟練を要することなく見落としや過検出を軽減して、安定した超音波探傷を行うことができる。その上、この実施形態では、パルス反射画像32,33を合成することによって、上述した第3実施形態よりも詳細な超音波探傷が可能となり、より超音波探傷試験の精度を向上させることができる。この例によれば、上述した実施形態と同様に、表面波と底面波との間に欠陥が表示され、その欠陥の深さ位置や長手方向位置を三次元で視覚的に認識することが可能となる。
【0057】
さらに、上述したように、時間−スキャン位置で表示されるTOFD画像の時間軸をリニアな厚み軸に変換することで、異なる厚みの複数のTOFD画像の合成がスキャン方向で可能となるので、厚み−スキャン位置の関係で画像を表示することができる。このように厚み−スキャン位置の関係で三次元の探傷画像を得ることにより、探傷途中で厚みが変化したり、探触子の交換等の探傷条件が変化した場合であっても、連続した探傷画像を提示することができる。
【0058】
この場合も、得られた三次元の探傷画像の任意断面の画像を取り出して表示できるようにすれば、検査者が代わっても容易に探傷画像の任意断面を選択して見ることができ、超音波探傷の評価精度を向上させることができる。また、検査者が異なっても、評価時間の短縮や、熟練を要することなく見落としや過検出を軽減して、安定した超音波探傷が行える。
【0059】
なお、上述した各実施形態を組み合わせることによって、様々な実施形態を実現することができ、探傷条件等に応じて適宜決定すればよい。
【0060】
また、上述した実施形態は一実施形態であり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0061】
【発明の効果】
本願発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0062】
超音波探傷した結果を厚み方向距離に対応させた1つの探傷画像として見ることができるので、検査者が板厚と探傷結果との関係として視覚的に理解しながら高い精度で欠陥評価を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態を示す超音波探傷装置における超音波探触子の正面図である。
【図2】図1に示す超音波探傷方法のフローチャートである。
【図3】図1に示す超音波探触子による探傷画像の模式図であり、(a) は各超音波探触子における探傷画像の模式図、(b) はこれらの探傷画像を合成した後の探傷画像の模式図である。
【図4】本願発明の第2実施形態を示す超音波探傷装置における超音波探触子の正面図である。
【図5】図4に示す超音波探傷方法のフローチャートである。
【図6】図4に示す超音波探触子による探傷画像の模式図であり、(a) は各超音波探触子における探傷画像の模式図、(b) はこれらの探傷画像を合成した後の探傷画像の模式図である。
【図7】本願発明の第3実施形態を示す超音波探傷装置における超音波探触子の正面図である。
【図8】図7に示す超音波探傷方法によりTOFD画像を得る場合のフローチャートである。
【図9】図8のTOFD画像を模式的に示した探傷画像の模式図であり、(a) は探傷部の長手方向を検査した探傷画像の模式図、(b) は探傷部の幅方向をスキャンした探傷画像の模式図である。
【図10】本願発明の第4実施形態に係る超音波探傷方法のフローチャートであり、図8に示すTOFD画像にパルス反射画像を合成する例のフローチャートを示している。
【図11】 (a) は超音波探傷方法の一例を示す模式図であり、(b) はその探傷波形の模式図である。
【符号の説明】
10…被検査体
11…探傷部
12,13…送信探触子
14,15…受信探触子
16,17…超音波探触子
18,19…探傷画像
20…探傷画像
21,22…超音波探傷チャンネル
23,24…パルス反射探触子
25,26,27,28…探傷画像
29…探傷画像
30,31…走査ライン
32,33…探傷画像
e…欠陥
f…表面波
g…底面波

Claims (12)

  1. 送信探触子から超音波を被検査体内に送信し、該被検査体の内部からの回波を受信探触子で受信して被検査体の厚み方向を超音波探傷し、該超音波探傷する超音波が被検査体内を伝搬した時間厚み方向距離とを対応付けて時間軸を厚み方向距離に変換した線形表示の超音波探傷画像に変換し、該変換した超音波探傷画像に被検査体の表面部をパルス反射法で検査したパルス反射画像を合成して全体の探傷画像を得る超音波探傷方法。
  2. 送信探触子から超音波を被検査体内に送信し、該被検査体の内部からの回波を受信探触子で受信して被検査体の厚み方向の異なる範囲を超音波探傷し、該それぞれの超音波探傷する超音波が被検査体内を伝搬した時間厚み方向距離とを対応付けて時間軸を厚み方向距離に変換した線形表示の超音波探傷画像に変換し、該変換した複数の超音波探傷画像を被検査体の厚み方向に合成して全体の探傷画像を得る超音波探傷方法。
  3. 前記請求項2記載の超音波探傷方法により得られた探傷画像に、探触子から発した超音波パルスの反射を変換したパルス反射画像を合成して全体の探傷画像を得る超音波探傷方法。
  4. 前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波探傷方法を、被検査体のスキャン位置をずらせて複数回行うことにより複数の探傷画像を得て、該複数の探傷画像を組み合わせることによって三次元の探傷画像を得る超音波探傷方法。
  5. 前記請求項4記載の超音波探傷方法によって得られた三次元の探傷画像の任意断面を取り出して欠陥評価する超音波探傷方法。
  6. 前記請求項4記載の超音波探傷方法において、超音波探傷に適した被検査体の適正厚み範囲ごとに探傷する送信探触子と受信探触子とからなる複数の超音波探傷チャンネルで、被検査体の厚み方向の異なる位置をそれぞれ超音波探傷することによりそれぞれの厚み方向位置の探傷画像を得て、これらの探傷画像に基づいて三次元の探傷画像を得ることを特徴とする超音波探傷方法。
  7. 送信探触子から超音波を被検査体内に送信し該被検査体の内部からの回波を受信探触子で受信する一対の探触子と、該一対の探触子で被検査体の厚み方向を超音波探傷する探傷器と、該一対の探触子で超音波探傷する超音波が被検査体内を伝搬した時間厚み方向距離とを対応付けて時間軸を厚み方向距離に変換した線形表示の超音波探傷画像に変換する変換部と、該変換した超音波探傷画像に被検査体の表面部をパルス反射法で検査したパルス反射画像を被検査体の厚み方向に合成する合成部と、該合成した全体の探傷画像を表示する表示部とを備えた超音波探傷装置。
  8. 送信探触子から超音波を被検査体内に送信し該被検査体の内部からの回波を受信探触子で受信する一対の探触子と、該一対の探触子を複数配置して被検査体の厚み方向の異なる範囲を超音波探傷する探傷器と、該それぞれの一対の探触子で超音波探傷する超音波が被検査体内を伝搬した時間厚み方向距離とを対応付けて時間軸を厚み方向距離に変換した線形表示の超音波探傷画像に変換する変換部と、該変換した複数の超音波探傷画像を被検査体の厚み方向に合成する合成部と、該合成した全体の探傷画像を表示する表示部とを備えた超音波探傷装置。
  9. 前記請求項8記載の超音波探傷装置に、探触子から発した超音波パルスの反射を、該超音波が被検査体内を伝播した時間から厚み方向距離に対応付けて線形表示のパルス反射画像に変換するパルス変換部を設け、前記合成部に、該変換したパルス反射画像に前記合成部で被検査体の厚み方向に合成した複数の超音波探傷画像を合成して全体の探傷画像を得る機能を具備させた超音波探傷装置。
  10. 前記請求項7〜9のいずれか1項に記載の超音波探傷装置に、被検査体のスキャン位置をずらせて複数回行うことにより得られる複数の探傷画像を記録する記録部と、該複数の探傷画像を組み合わせることによって三次元の探傷画像を合成する合成部とを具備させた超音波探傷装置。
  11. 前記請求項10記載の超音波探傷装置に、合成部で合成した三次元の探傷画像の任意断面を取り出して表示する機能を具備させた超音波探傷装置。
  12. 前記請求項10記載の超音波探傷装置において、超音波探傷に適した被検査体の適正厚み範囲ごとに探傷する送信探触子と受信探触子とからなる複数の超音波探傷チャンネルを具備し該複数の超音波探傷チャンネルで被検査体の厚み方向の異なる位置をそれぞれ超音波探傷することにより得られるそれぞれの厚み方向位置の探傷画像を得てこれらの探傷画像に基づいて三次元の探傷画像を得るように構成したことを特徴とする超音波探傷装置。
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