JP2010127689A - 超音波探傷装置、断面画像生成方法および断面画像生成プログラム - Google Patents

超音波探傷装置、断面画像生成方法および断面画像生成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】検査対象物内の欠陥部位および欠陥部位の周辺形状が明瞭に写し出された断面画像を簡便に表示すること。
【解決手段】探触子20は、広帯域の超音波ビームを検査対象物である溶接配管部に送信して、反射波データを受信し、ログアンプ16bは、ゲイン調整部16aによってゲイン調整された反射波データから対数圧縮により圧縮データを生成する。透過データ生成部17aは、溶接配管部内にある反射源それぞれの周波数特性から設定された複数のバンドパスフィルタにより、圧縮データから複数の透過データを生成し、断面画像生成部17bは、複数の透過データそれぞれから断面画像を生成する。合成画像生成部17cは、複数の断面画像を合成した合成画像を生成し、制御部13は、合成画像を、位置センサー30から位置データ取得部14が取得した探触子20の位置とともに、表示部12にて表示するように制御する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、超音波探傷装置、断面画像生成方法および断面画像生成プログラムに関する。
従来より、超音波探傷試験法は、放射性透過試験法と比較して、構造物の板厚方向の欠陥位置測定および欠陥の深さ測定が簡便に行なえる試験法として、原子力発電プラントの供用期間中検査などの非破壊検査において広く用いられている。具体的には、超音波探傷試験法は、探触子から送信した超音波ビームの反射波(エコー)を用いて構造物内部の欠陥を検出測定する試験法であり、簡便な操作性、被ばくのおそれがない非侵襲性などの利点を備えている。
特に、1970年代、沸騰水型原子力発電プラントのステンレス鋼配管溶接部において粒界型応力腐食割れ(IGSCC: Inter-granular stress corrosion cracking)が検出されて以降、超音波探傷試験法は、管外面からIGSCCの検出および欠陥深さ測定を行なうことが可能な実用的非破壊試験法として重要な役割を果たしている。
ここで、原子力発電プラントを含む工業分野における溶接構造物の超音波探傷試験法では、横穴などの標準反射体からの反射波の高さを基準(基準エコー高さ)とし、基準エコー高さに対するエコー高さおよびエコーの出現する範囲により、IGSCCなどの欠陥が溶接構造物内にあるか否かを判定している(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、配管溶接部の探傷で得られるエコーは、溶接部の形状に起因するエコーを含んでいる。すなわち、配管溶接部は、図9に示すように、溶接金属(Weld metal)、溶接部の裏波(Root)および内面テーパ加工部(Counterbore)からなり、探傷部位の形状が複雑となるため、配管溶接部の探傷で得られるエコーは、溶接部近傍に発生した欠陥の「き裂開口部(Crack bottom)」および「き裂先端部(Crack tip)」に由来するエコーと、溶接金属、裏波および内面テーパ加工部に由来するエコーとを含んでいる。なお、図9は、配管溶接部を説明するための図である。
また、オーステナイト系ステンレス鋼溶接部のように、溶接金属組織が超音波の難透過材である場合は、超音波の屈折および散乱により、溶接金属内、あるいは母材と溶接金属との境界部で比較的大きな散乱エコーが発生する。
このように、超音波探傷試験法において、配管溶接部の探傷により得られるエコーは、欠陥に由来するエコーの他に、溶接部の形状に由来するエコーと、溶接金属に由来する散乱エコーとを含んでいるため、単純にエコー高さのみから欠陥であるか否かを判定することが困難であり、実際には、経験を積んだ検査員が、エコー高さ、反射源の位置および長さ、探傷部位の形状などを考慮して、欠陥とそれ以外の反射源との判別を行なっている。
このため、検査員の負担軽減と、検査の信頼性向上とを目指して、欠陥エコーとその他のエコーとを区別する技術の開発が進められている。例えば、近年、フェーズドアレイを用いて超音波探傷を行なうフェーズドアレイ装置により、IGSCCなどの欠陥部位を映像化する技術が開発されている。具体的には、フェーズドアレイ装置は、フェーズドアレイ各素子の励振タイミングを調整して超音波ビームの焦点を合わせると同時に、励振位置を移動することにより、欠陥部位および欠陥部位の周辺形状が明瞭に写し出された断面画像を生成して、生成した断面画像をモニタに表示する。
JIS規格Z3060
ところで、上記したフェーズドアレイ装置は、超音波ビームを電子的に制御する特殊機能を備えた装置であり、通常の超音波探傷装置に比べ高価であるために、未だ広く用いられるには至っていない。
このため、上記した従来の技術は、検査対象物内の欠陥部位および欠陥部位の周辺形状が明瞭に写し出された断面画像を簡便に表示することができないという課題があった。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、検査対象物内の欠陥部位および欠陥部位の周辺形状が明瞭に写し出された断面画像を簡便に表示することが可能となる超音波探傷装置、断面画像生成方法および断面画像生成プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この装置は、所定の検査対象物に送信した超音波の反射波データを用いて当該所定の検査対象物内を探傷するための断面画像を生成する超音波探傷装置であって、広帯域の超音波を前記所定の検査対象物に送信して、当該所定の検査対象物からの前記反射波データを受信する探触子と、前記探触子によって受信された前記反射波データから対数圧縮により圧縮データを生成する圧縮データ生成手段と、前記所定の検査対象物内にある反射源それぞれの前記反射波データにおける周波数特性から設定された複数の帯域透過フィルタにより、前記圧縮データ生成手段によって生成された前記圧縮データから複数の透過データを生成する透過データ生成手段と、前記透過データ生成手段によって生成された前記複数の透過データそれぞれから断面画像を生成する断面画像生成手段と、前記断面画像生成手段によって前記複数の透過データごとに生成された複数の断面画像を合成した合成画像を生成する合成画像生成手段と、前記合成画像生成手段によって生成された合成画像を所定の表示部に表示するように制御する表示制御手段と、を備えたことを要件とする。
また、この方法は、所定の検査対象物に送信した超音波の反射波データを用いて当該所定の検査対象物内を探傷するための断面画像を生成する断面画像生成方法であって、
広帯域の超音波を前記所定の検査対象物に送信して、当該所定の検査対象物から受信した前記反射波データから対数圧縮により圧縮データを生成する圧縮データ生成ステップと、前記所定の検査対象物内にある反射源それぞれの前記反射波データにおける周波数特性から設定された複数の帯域透過フィルタにより、前記圧縮データ生成ステップによって生成された前記圧縮データから複数の透過データを生成する透過データ生成ステップと、 前記透過データ生成ステップによって生成された前記複数の透過データそれぞれから断面画像を生成する断面画像生成ステップと、前記断面画像生成ステップによって前記複数の透過データごとに生成された複数の断面画像を合成した合成画像を生成する合成画像生成ステップと、前記合成画像生成ステップによって生成された合成画像を所定の表示部に表示するように制御する表示制御ステップと、を含んだことを要件とする。
また、このプログラムは、所定の検査対象物に送信した超音波の反射波データを用いて当該所定の検査対象物内を探傷するための断面画像を生成する断面画像生成方法をコンピュータに実行させる断面画像生成プログラムであって、広帯域の超音波を前記所定の検査対象物に送信して、当該所定の検査対象物から受信した前記反射波データから対数圧縮により圧縮データを生成する圧縮データ生成手順と、前記所定の検査対象物内にある反射源それぞれの前記反射波データにおける周波数特性から設定された複数の帯域透過フィルタにより、前記圧縮データ生成手順によって生成された前記圧縮データから複数の透過データを生成する透過データ生成手順と、前記透過データ生成手順によって生成された前記複数の透過データそれぞれから断面画像を生成する断面画像生成手順と、前記断面画像生成手順によって前記複数の透過データごとに生成された複数の断面画像を合成した合成画像を生成する合成画像生成手順と、前記合成画像生成手順によって生成された合成画像を所定の表示部に表示するように制御する表示制御手順と、をコンピュータに実行させることを要件とする。
開示の装置、方法およびプログラムによれば、検査対象物内の欠陥部位および欠陥部位の周辺形状が明瞭に写し出された断面画像を簡便に表示することが可能となる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る超音波探傷装置、断面画像生成方法および断面画像生成プログラムの実施例を詳細に説明する。
まず、図1および図2を用いて、本実施例における超音波探傷装置の断面画像生成方法の概念について説明する。図1は、検査対象物内の反射源に応じた周波数特性を説明するための図であり、図2は、アンプによる断面画像の表現の違いを説明するための図である。
超音波探傷装置を用いた検査対象物としては、配管溶接部が挙げられる。配管溶接部は、図1の(A)に示すように、溶接金属、溶接部の裏波および管内表面からなる。また、図1の(A)に示すSCC(応力腐食割れ:Stress Corrosion Cracking)は、溶接金属と配管の母材との境界面に沿って発生した配管溶接部における欠陥である。なお、図1の(A)に示すように、SCC開口部は、SCCの管内表面における起点であり、SCC先端部は、SCCの配管内における終点である。
図1の(B)に示す画像は、SCCが発生した配管溶接部に対して、2MHzの狭帯域な超音波ビームを斜角45度にて送信して受信した反射波データから生成されたBスコープ画像(断面画像)である。このBスコープ画像においては、図1の(B)に示すように、SCC開口部エコーと、管内表面の底部反射で検出したSCC先端部エコーとが現れている。
なお、「底部反射で検出したSCC先端部エコー」は、送信された超音波ビームがSCC先端部に直接当たって反射された反射波データではなく、送信された超音波ビームが一旦底部で反射されたのちにSCC先端部に当たって反射された反射波データであるために、Bスコープ画像上ではSCC開口部より下側に現れる。
すなわち、図1の(B)に示すように、2MHz程度の低い周波数の超音波ビームを送信することにより、反射源がSCC開口部であるエコーを取得することができる。
また、図1の(C)に示す画像は、SCCが発生した配管溶接部に対して、5MHzの狭帯域な超音波ビームを斜角45度にて送信して受信した反射波データから生成されたBスコープ画像である。このBスコープ画像においては、図1の(C)に示すように、SCC開口部のエコーおよび管内表面の底部反射で検出したSCC先端部エコーとともに、管内表面の形状を示す反射波(管内表面エコー)が現れている。さらに、このBスコープ画像においては、図1の(C)に示すように、溶接金属部分のシグナルが減衰している。
すなわち、図1の(C)に示すように、5MHzといった中程度の周波数の超音波ビームを送信することにより、反射源が管内表面であるエコーを取得することができる。
なお、図には示さないが、さらに高い周波数の超音波ビームを送信することにより、SCC開口部エコーと比較してエコー高さが極端に低いSCC先端部エコーや溶接金属内部からのエコーを取得することができる。
このように、SCCが発生した溶接配管部内の反射源ごとに周波数特性が異なることから、溶接配管部内の反射源すべてを映像化した断面画像を生成するためには、広帯域の超音波ビームを送信して反射波データを受信することが必要となる(第一の要点)。また、反射源それぞれを描出するためには、受信した反射波データを反射源ごとの周波数特性に基づいて切り分ける必要となる(第二の要点)。
ところで、一般的な超音波探傷装置では、特定の対象物(例えば、SCC開口部など)の検出感度を向上させるためにリニアアンプが用いられている。そこで、図1の(A)に示した配管溶接部に対して10MHzの広帯域な超音波ビームを斜角45度にて送信することで、リニアアンプ型超音波探傷装置にてBスコープ画像(以下、リニアアンプ画像と記す)を生成した結果を、図2の(A)に示す。
リニアアンプ画像においては、図2の(A)に示すように、SCC開口部(SCC bottom corner)が明確に表示され、さらに、SCC先端部(SCC tip)がわずかに表示される。また、リニアアンプ画像の上部には、溶接部と母材との境界面(Weld to base metal interface)が微かに表示されている。しかし、リニアアンプ画像においては、管内表面(Inter surface)のエコーが明確には識別できない。
一方、一般的な医療分野における超音波診断装置では、幅広く反射波データを収集するためにログアンプが用いられている。そこで、ログアンプを搭載した超音波探傷装置を用いて、上述したリニアアンプ型超音波探傷装置の場合と同じ条件で、Bスコープ画像(以下、ログアンプ画像と記す)を生成した結果を、図2の(B)に示す。なお、図2の(B)に示すように、ログアンプ画像を生成する際の解析感度幅は、「0dB〜60dB」の60dBとした。
ログアンプ画像においては、図2の(B)に示すように、SCC開口部(SCC bottom corner)、SCC先端部(SCC tip)および管内表面(Inter surface)が明確に表示され、また、リニアアンプ画像と同様に、溶接部と母材との境界面(Weld to base metal interface)が微かに表示されている。
このように、感度が異なる欠陥部位(SCC)および欠陥部位の周辺形状を併せた反射波データを一括して収集するためには、ログアンプを利用することが必要となる(第三の要点)。
このように、図1および図2を用いて説明した第一から第三の3つの要点に基づいて、本実施例における超音波探傷装置は、例えば、配管溶接部などの検査対象物に送信した超音波の反射波データを用いて検査対象物内を探傷するための断面画像(Bスコープ画像)を生成する際に、広帯域の超音波ビームを検査対象物に送信して反射波データを受信する。
そして、本実施例における超音波探傷装置は、ログアンプによる対数圧縮により反射波データから圧縮データを生成し、検査対象物内にある反射源それぞれの反射波データにおける周波数特性から設定された複数の帯域透過フィルタにより、圧縮データから複数の透過データを生成する。
そして、本実施例における超音波探傷装置は、複数の透過データそれぞれから断面画像を生成して、複数の透過データごとに生成された複数の断面画像を合成した合成画像を生成し、合成画像を表示するように制御するので、検査対象物内の欠陥部位および欠陥部位の周辺形状が明瞭に写し出された断面画像を簡便に表示することが可能となる。
次に、本実施例における超音波探傷装置の構成について、図3を用いて説明する。図3は、本実施例における超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施例における超音波探傷装置100は、装置本体10と、探触子20と位置センサー30とから構成される。
探触子20は、広帯域の超音波ビームを配管溶接部などの検査対象物に送信して反射波データを受信する。例えば、本実施例における探触子20は、配管溶接部に探傷屈折角45度にて10MHzの広帯域超音波ビームを送信し、反射波データを受信する。なお、探触子20は、超音波探傷装置100を用いて配管溶接部を探傷する検査員によって、配管溶接部の外部表面に沿って走査され、一定間隔ごと(例えば、0.2mmピッチ)で超音波データを取得する。
位置センサー30は、配管溶接部の外部表面における位置を検知し、後述する制御部13に超音波データの取得を指示するためのセンサーである。すなわち、位置センサー30は、後述する制御部13に対し、探傷が開始された位置を原点とする一定間隔ごとの超音波データを後述する画像生成部17が取得するための情報を送信する。
装置本体10は、探触子20および位置センサー30と接続され、図3に示すように、入力部11と、表示部12と、制御部13と、位置データ取得部14と、送信部15と、受信部16と、画像生成部17とを備える。
入力部11は、ボタン、マウス、キーボードなどを備え、超音波探傷装置100を操作する検査員から指示を受け付けて入力し、入力された情報は、制御部13に転送される。なお、入力部11は、特に本発明に密接に関連するものとして、断面画像の撮影開始要求や、後述する透過データ生成部17aによる処理に用いられるバンドパスフィルタの透過帯域を検査員から受け付けて入力する。
表示部12は、入力部11を介して検査者から指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、後述する画像生成部17によって生成された断面画像を表示したりするためのモニタを備える。
制御部13は、入力部11から転送された検査員の指示に基づいて、超音波探傷装置100の動作を制御する。例えば、制御部13は、入力部11から転送された検査員の指示に基づいて、後述する送信部15を介して探触子20が送信する超音波ビームの発生を制御したり、後述する画像生成部17による断面画像の生成処理を制御したり、後述する画像生成部17によって生成された断面画像を表示部12がそなえるモニタに表示させるように制御したりする。
位置データ取得部14は、位置センサー30が検知した探触子20の超音波ビーム送受信時における位置を取得する。
送信部15は、制御部13の制御に従って、探触子20に電気信号を供給して超音波ビームを発生させる。
受信部16は、探触子20が受信した反射波データ(エコー信号)を取得し、図3に示すように、ゲイン調整部16aおよびログアンプ16bを備える。
ゲイン調整部16aは、探触子20が受信した反射波データに対して、ゲイン調整を行なう。
ログアンプ16bは、ゲイン調整部16aによってゲイン調整された反射波データから対数圧縮により圧縮データを生成する。
例えば、本実施例におけるログアンプ16bは、図4に示すように、想定される最大エコーが「−6〜−12dB」として設定され、反射波データの収集範囲が「0dB〜−80dB」となるように調整されている。すなわち、ログアンプ16bは、「0dB〜−80dB」の範囲にある反射波データを対数圧縮により一括して収集することで、圧縮データを生成する。なお、図4は、本実施例におけるログアンプを説明するための図である。
図3に戻って、画像生成部17は、ログアンプ16bによって生成された圧縮データから断面画像を生成するために、透過データ生成部17aと、断面画像生成部17bと、合成画像生成部17cとを備える。
透過データ生成部17aは、溶接配管部内にある反射源(SCC、管内表面、溶接金属)それぞれの反射波データにおける周波数特性から設定された複数の帯域透過フィルタにより、ログアンプ16bによって生成された圧縮データから複数の透過データを生成する。
例えば、入力部11を介して検査員(もしくは、超音波探傷装置100の管理者)から「中心周波数:1MHz、透過帯域:0.5MHz〜2MHz」のバンドパスフィルタ1と、「中心周波数:4MHz、透過帯域:2MHz〜6MHz」のバンドパスフィルタ2と、「中心周波数:8MHz、透過帯域:6MHz〜10MHz」のバンドパスフィルタ3とが設定されたとする。この場合、透過データ生成部17aは、図5に示すように、バンドパスフィルタ1により圧縮データから透過データ1を生成し、バンドパスフィルタ2により圧縮データから透過データ2を生成し、バンドパスフィルタ3により圧縮データから透過データ3を生成する。なお、図5は、透過データ生成部を説明するための図である。
図3に戻って、断面画像生成部17bは、透過データ生成部17aによって生成された複数の透過データそれぞれから断面画像を生成する。
例えば、断面画像生成部17bは、図6の(A)に示すように、低周波数の成分のみからなる透過データ1から断面画像1を生成する。ここで、断面画像生成部17bは、「青」を色調とする断面画像1を生成する。なお、図6は、断面画像生成部を説明するための図である。
これにより、断面画像生成部17bは、図6の(A)に示すように、SCC開口部エコーおよびSCC先端部エコーが強い青色にて表される断面画像1を生成する。
また、断面画像生成部17bは、図6の(B)に示すように、中周波数の成分のみからなる透過データ2から断面画像2を生成する。ここで、断面画像生成部17bは、「緑」を色調とする断面画像2を生成する。
これにより、断面画像生成部17bは、図6の(B)に示すように、SCC開口部エコー、SCC先端部エコー、管内表面形状エコーおよび溶接金属の部分が強い緑色にて表される断面画像2を生成する。
また、断面画像生成部17bは、図6の(C)に示すように、高周波数の成分のみからなる透過データ3から断面画像3を生成する。ここで、断面画像生成部17bは、「赤」を色調とする断面画像3を生成する。
これにより、断面画像生成部17bは、図6の(C)に示すように、SCC開口部エコーおよびSCC先端部エコーが強い赤色にて、また、溶接金属の部分が弱い赤色にて表される断面画像3を生成する。なお、断面画像3においては、管内表面形状エコーが微かなシグナルにて現れている。
図3に戻って、合成画像生成部17cは、断面画像生成部17bによって複数の透過データごとに生成された複数の断面画像を合成した合成画像を生成する。
例えば、合成画像生成部17cは、図7に示すように、断面画像1〜3を合成することにより、SCC先端部エコーとSCC開口部エコーと、管内表面形状エコーと、溶接金属と母材との境界部エコーとがすべて含まれる合成画像を生成する。なお、図7は、合成画像生成部を説明するための図である。
ここで、断面画像1〜3の色調を変化させていることから、すべての断面画像において現れているSCC先端部エコーとSCC開口部エコーとは、合成画像にて白く表示される。また、断面画像2および3において溶接金属が現れていることから、溶接金属と母材との境界部エコーは、合成画像にて緑色および赤色が混在したシグナルとして表示される。また、断面画像2において管内表面形状エコーが強く現れていることから、管内表面形状エコーは、合成画像にて緑のシグナルが顕著に表示される。
なお、探触子20が配管溶接部に探傷屈折角45度にて広帯域超音波ビームを送信していることから、合成画像生成部17cは、図7に示す合成画像に対し角度45度の画像変形を行なって新たな合成画像を生成してもよい。
図3に戻って、制御部13は、合成画像生成部17cによって生成された合成画像を、表示部12のモニタにて表示するように制御する。この際、制御部13は、位置データ取得部14によって取得された探触子20の位置を、合成画像とともに表示するように制御する。
続いて、図8を用いて、本実施例における超音波探傷装置100の処理の流れについて説明する。図8は、本実施例における超音波探傷装置の処理を説明するためのフローチャートである。
図8に示すように、本実施例における超音波探傷装置100は、検査員から入力部11を介して断面画像の撮影開始要求を受け付けると(ステップS801肯定)、探触子20は、広帯域の超音波ビームを検査対象物である溶接配管部に送信して、反射波データを受信する(ステップS802)。なお、位置センサー30は、探触子20が広帯域の超音波ビームを送信した際の配管溶接部の外表面における位置を検知して、検知した位置データを位置データ取得部14に送信する。
そして、ゲイン調整部16aは、探触子20が受信した反射波データのゲイン調整を行ない(ステップS803)、ログアンプ16bは、ゲイン調整済みの反射波データから対数圧縮により圧縮データを生成する(ステップS804)。
続いて、透過データ生成部17aは、溶接配管部内にある反射源(SCC、管内表面、溶接金属)それぞれの反射波データにおける周波数特性から設定された複数のバンドパスフィルタにより、ログアンプ16bによって生成された圧縮データから複数の透過データを生成する(ステップS805)。
そののち、断面画像生成部17bは、透過データ生成部17aによって生成された複数の透過データそれぞれから断面画像を生成する(ステップS806)。なお、断面画像生成部17bは、例えば、「青」、「緑」、「赤」といったように、断面画像ごとの色調を変化させる。
そして、合成画像生成部17cは、断面画像生成部17bによって複数の透過データごとに生成された複数の断面画像を合成した合成画像を生成し(ステップS807)、制御部13は、合成画像生成部17cによって生成された合成画像を、表示部12のモニタにて表示するように制御して(ステップS808)、処理を終了する。なお、制御部13は、位置データ取得部14によって取得された探触子20の位置を、合成画像とともに表示するように制御する。
上述してきたように、本実施例では、探触子20は、広帯域の超音波ビームを検査対象物である溶接配管部に送信して、反射波データを受信し、ログアンプ16bは、ゲイン調整部16aによってゲイン調整された反射波データから対数圧縮により圧縮データを生成する。
そして、透過データ生成部17aは、溶接配管部内にある反射源(SCC、管内表面、溶接金属)それぞれの反射波データにおける周波数特性から設定された複数のバンドパスフィルタにより、ログアンプ16bによって生成された圧縮データから複数の透過データを生成し、断面画像生成部17bは、透過データ生成部17aによって生成された複数の透過データそれぞれから断面画像を生成する。
そして、合成画像生成部17cは、断面画像生成部17bによって複数の透過データごとに生成された複数の断面画像を合成した合成画像を生成し、制御部13は、合成画像生成部17cによって生成された合成画像を、位置センサー30から位置データ取得部14が取得した探触子20の超音波ビーム送信時における位置とともに、表示部12のモニタにて表示するように制御するので、高価なフェーズドアレイを用いることなく、一回の走査のみで合成画像を生成することができ、検査対象物(溶接配管部)内の欠陥(SCC)部位および欠陥部位の周辺形状(管内表面および溶接金属と母材との境界面)が明瞭に写し出された断面画像を簡便に表示することが可能となる。これにより、検査員は、容易に正確な欠陥判定を行なうことが可能となる。
また、断面画像生成部17bは、断面画像ごとの色調を変化させるので、合成画像における欠陥部位および周辺部位の視認性を向上させることができ、検査員は、より容易に正確な欠陥判定を行なうことが可能となる。
なお、上述した実施例では、断面画像に対して本発明を適用する場合について説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、断面画像を並列に集積した立体的な情報に基づいて生成された平面画像や立体画像に対しても適用することが可能である。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、本実施例で説明した断面画像生成方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上のように、本発明に係る超音波探傷装置、断面画像生成方法および断面画像生成プログラムは、検査対象物に送信した超音波の反射波データを用いて当該検査対象物内を探傷するための断面画像を生成する場合に有用であり、特に、検査対象物内の欠陥部位および欠陥部位の周辺形状が明瞭に写し出された断面画像を簡便に表示することに適する。
検査対象物内の反射源に応じた周波数特性を説明するための図である。 アンプによる断面画像の表現の違いを説明するための図である。 本実施例における超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。 本実施例におけるログアンプを説明するための図である。 透過データ生成部を説明するための図である。 断面画像生成部を説明するための図である。 合成画像生成部を説明するための図である。 本実施例における超音波探傷装置の処理を説明するためのフローチャートである。 配管溶接部を説明するための図である。
符号の説明
10 装置本体
11 入力部
12 表示部
13 制御部
14 位置データ取得部
15 送信部
16 受信部
16a ゲイン調整部
16b ログアンプ
17 画像生成部
17a 透過データ生成部
17b 断面画像生成部
17c 合成画像生成部
100 超音波探傷装置

Claims (4)

  1. 所定の検査対象物に送信した超音波の反射波データを用いて当該所定の検査対象物内を探傷するための断面画像を生成する超音波探傷装置であって、
    広帯域の超音波を前記所定の検査対象物に送信して、当該所定の検査対象物からの前記反射波データを受信する探触子と、
    前記探触子によって受信された前記反射波データから対数圧縮により圧縮データを生成する圧縮データ生成手段と、
    前記所定の検査対象物内にある反射源それぞれの前記反射波データにおける周波数特性から設定された複数の帯域透過フィルタにより、前記圧縮データ生成手段によって生成された前記圧縮データから複数の透過データを生成する透過データ生成手段と、
    前記透過データ生成手段によって生成された前記複数の透過データそれぞれから断面画像を生成する断面画像生成手段と、
    前記断面画像生成手段によって前記複数の透過データごとに生成された複数の断面画像を合成した合成画像を生成する合成画像生成手段と、
    前記合成画像生成手段によって生成された合成画像を所定の表示部に表示するように制御する表示制御手段と、
    を備えたことを特徴とする超音波探傷装置。
  2. 前記断面画像生成手段は、前記複数の透過データそれぞれから断面画像を生成する際に、当該断面画像それぞれの色調を変化させることを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷装置。
  3. 所定の検査対象物に送信した超音波の反射波データを用いて当該所定の検査対象物内を探傷するための断面画像を生成する断面画像生成方法であって、
    広帯域の超音波を前記所定の検査対象物に送信して、当該所定の検査対象物から受信した前記反射波データから対数圧縮により圧縮データを生成する圧縮データ生成ステップと、
    前記所定の検査対象物内にある反射源それぞれの前記反射波データにおける周波数特性から設定された複数の帯域透過フィルタにより、前記圧縮データ生成ステップによって生成された前記圧縮データから複数の透過データを生成する透過データ生成ステップと、
    前記透過データ生成ステップによって生成された前記複数の透過データそれぞれから断面画像を生成する断面画像生成ステップと、
    前記断面画像生成ステップによって前記複数の透過データごとに生成された複数の断面画像を合成した合成画像を生成する合成画像生成ステップと、
    前記合成画像生成ステップによって生成された合成画像を所定の表示部に表示するように制御する表示制御ステップと、
    を含んだことを特徴とする断面画像生成方法。
  4. 所定の検査対象物に送信した超音波の反射波データを用いて当該所定の検査対象物内を探傷するための断面画像を生成する断面画像生成方法をコンピュータに実行させる断面画像生成プログラムであって、
    広帯域の超音波を前記所定の検査対象物に送信して、当該所定の検査対象物から受信した前記反射波データから対数圧縮により圧縮データを生成する圧縮データ生成手順と、
    前記所定の検査対象物内にある反射源それぞれの前記反射波データにおける周波数特性から設定された複数の帯域透過フィルタにより、前記圧縮データ生成手順によって生成された前記圧縮データから複数の透過データを生成する透過データ生成手順と、
    前記透過データ生成手順によって生成された前記複数の透過データそれぞれから断面画像を生成する断面画像生成手順と、
    前記断面画像生成手順によって前記複数の透過データごとに生成された複数の断面画像を合成した合成画像を生成する合成画像生成手順と、
    前記合成画像生成手順によって生成された合成画像を所定の表示部に表示するように制御する表示制御手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする断面画像生成プログラム。
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