JP3757472B2 - 燃料スラリノズルの先導水の詰まり検出方法 - Google Patents

燃料スラリノズルの先導水の詰まり検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料スラリノズル内で燃料スラリを乾燥させないようにする先導水が、供給されているかどうかを検出する燃料スラリノズルの先導水の詰まり検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料スラリ供給装置の一例を図4によって説明すると、内部が加圧雰囲気になっている圧力容器1の中に流動層ボイラ2が設けられており、流動層ボイラ2に石炭スラリ等の燃料スラリSを噴出する燃料スラリノズル3が、圧力容器1の外部から圧力容器1及び流動層ボイラ2を貫通して配設されていて、燃料スラリノズル3の先端は流動層ボイラ2の内部に臨んでいる。
【0003】
4はスラリタンクであって、石炭を粗粉砕して水及び石灰石と混ぜてスラリ状にした燃料スラリSが供給・貯蔵されるようになっている。
【0004】
スラリタンク4に供給・貯蔵されている燃料スラリSは、スラリポンプ5、スラリ管6、三方弁7を介して、前述した燃料スラリノズル3の基端に燃料として供給されるようになっている。
【0005】
三方弁7とスラリタンク4とは循環管8を介して接続されていて、三方弁7は、起動時やボイラ運転中断時などにスラリ管6に燃料スラリSが詰まらないように、スラリポンプ5からの燃料スラリSを循環管8を介してスラリタンク4に戻し、ボイラ運転時は燃料スラリSを燃料スラリノズル3に供給するように切り換えられるようになっている。
【0006】
圧力容器1外部の燃料スラリノズル3の途中には、遮断弁9が取り付けてあって、三方弁7を介して燃料スラリノズル3の基端側3aに供給された燃料スラリSを、遮断弁9を開閉することにより燃料スラリノズル3の先端側3bに供給したり遮断したりすることができるようになっている。
【0007】
燃料スラリSを空になっている燃料スラリノズル3に供給する時に、燃料スラリノズル3の内部が高温で乾燥しているために燃料スラリSが遮断弁9の箇所に達する前に、燃料スラリSに含まれている水分が蒸発して乾燥して固まることにより燃料スラリノズル3が詰まってしまうことを防止するために、燃料スラリノズル3の基端側3aにおける遮断弁9の近傍に、先導水タンク15に貯蔵されている先導水Wを水張り弁16を介して供給できるように配管している。先導水タンク15は燃料スラリノズル3よりも10mないし15m程度高い位置に設けてあって、先導水タンク15内の先導水Wはその水頭圧により、燃料スラリノズル3の基端側3a内に流入するようになっている。
【0008】
また燃料スラリノズル3の基端側3aにおける前記水張り弁16と反対側の端部近傍には、先導水タンク15から燃料スラリノズル3内に供給された先導水Wを排出できるように水張り逃し弁17を取り付けている。
【0009】
燃料スラリノズル3の基端側3a内に先導水Wを水張りする際は、水張り弁16と水張り逃し弁17とを開いて、水張り弁16から水張り逃し弁17に亘って基端側3a内に先導水タンク15からの先導水Wを流し、続いて水張り弁16と水張り逃し弁17とを閉じて基端側3a内に先導水Wを導入した状態にする。
【0010】
燃料スラリSを流動層ボイラ2内に噴出させる時には、スラリポンプ5からスラリ管6に送られる燃料スラリSを燃料スラリノズル3の基端側3aに供給するように三方弁7を切り換え、遮断弁9を開くと、燃料スラリSは先導水Wと共に遮断弁9を通って燃料スラリノズル3の先端側3bから流動層ボイラ2内に噴出するようになる。
【0011】
このように燃料スラリノズル3内に先導水Wを導入した状態で燃料スラリSを燃料スラリノズル3の基端に供給するように三方弁7を切り換え、遮断弁9を開くと、燃料スラリSは乾燥・固化することなく遮断弁9を通って燃料スラリノズル3の先端側3bから流動層ボイラ2内に噴出する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが前記したような燃料スラリノズル3においては、該燃料スラリノズル3の基端側3a内を流動する燃料スラリSによって特に水張り弁16が詰まってしまうことがある。この時、水張り逃し弁17も詰まりを生じることがあるが、詰まりの発生頻度は水張り弁16の方が圧倒的に多くなっている。
【0013】
上記したように、水張り弁16が詰まった状態になった時には、燃料スラリノズル3の基端側3a内に先導水Wが導入されなくなり、また水張り逃し弁17が詰まった場合も燃料スラリノズル3の基端側3a内の空気が抜けないために矢張り先導水Wが導入されなくなるが、目視によっては先導水Wの有無を確認することができない。
【0014】
このため、水張り弁16及び水張り逃し弁17の開閉操作を行なった後、基端側3a内に先導水Wが導入されていない状態で三方弁7を介して燃料スラリノズル3に燃料スラリSを供給すると、燃料スラリSが乾燥して固まり、燃料スラリノズル3が詰まってしまう問題があった。
【0015】
本発明はこのような問題を解決するため、燃料スラリノズルに燃料スラリを供給する前に、燃料スラリノズル内の先導水の有無を確認することができるようにした燃料スラリノズルの先導水の詰まり検出方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、スラリタンクから三方弁を介して基端側に燃料スラリが供給され遮断弁を介して先端側から流動層ボイラに燃料スラリを吐出する燃料スラリノズルと、該燃料スラリノズルの基端側に接続され上部に設けた先導水タンクからの先導水を基端側に供給する水張り弁と、燃料スラリノズルの基端側に接続され基端側に供給されている先導水を排出する水張り逃がし弁とを備えた燃料スラリノズルの先導水の詰まり検出方法であって、前記燃料スラリノズルの基端側と先端側との圧力差を検出する差圧計を設け、前記水張り弁と水張り逃がし弁とを開いた時の前記差圧計の検出した圧力差に対し、前記水張り弁を開いたままで水張り逃がし弁を閉じた時の前記差圧計の検出した圧力差が設定幅以上変化しない時に、警報を発するようにしたことを特徴とする燃料スラリノズルの先導水の詰まり検出方法、に係るものである。
【0017】
請求項2記載の発明は、水張り弁を開いたままで水張り逃がし弁を閉じた時の差圧計の検出した圧力差の絶対値が設定値以上に大きい時に、警報を発するようにしたことを特徴とする燃料スラリノズルの先導水の詰まり検出方法、に係るものである。
【0018】
請求項1記載の発明では、水張り弁及び水張り逃がし弁の何れかが詰まって先導水が燃料スラリノズルの基端側内に導入されていない時にそれを検出して、警報を発することができ、また、請求項2記載の発明では、水張り弁が詰まって先導水が燃料スラリノズルの基端側内に導入されない時にそれを検出して、警報を発することができ、よって燃料スラリノズルに燃料スラリを供給する前に、燃料スラリノズル内に先導水が導入されているかどうかを検出して、燃料スラリノズル内に先導水が導入されないまま燃料スラリノズルに燃料スラリを供給して燃料スラリが乾燥して固まり、燃料スラリノズルが詰まってしまう事故を未然に防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しつつ説明する。
【0020】
図1は、本発明の方法に使用する装置の実施形態の一例を示す系統図であって、図4と同一部品には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0021】
本発明の方法に使用する装置においては、燃料スラリノズル3における遮断弁9の上流側と下流側とに亘って差圧計18を接続することにより、燃料スラリノズル3の基端側3a内の圧力と、先端側3b内の圧力との圧力差を差圧計18によって検出し、差圧計18の検出値を制御器19に入力するようにしている。
【0022】
制御器19は、水張り弁16及び水張り逃し弁17の開閉を制御するようになっていて、水張り弁16と水張り逃し弁17とを開いた状態の時の差圧計18の検出した圧力差に対し、水張り弁16を開いたままで水張り逃し弁17を閉じた状態にした時の差圧計18の検出した圧力差が設定幅以上に変化しない時、或いは前記差圧計18の検出した圧力差の絶対値が設定値より大きい時に、警報器20を作動させて警報を発生させるようになっている。
【0023】
次に、図1に示した装置の作用を説明する。
【0024】
三方弁7が燃料スラリノズル3に燃料スラリSを供給しない位置に切換えられ、遮断弁9、水張り弁16が閉、水張り逃し弁17が開の状態では、燃料スラリノズル3の基端側3a内部の圧力は大気圧になっており、また燃料スラリノズル3の先端側3b内の圧力は、圧力容器1から流動層ボイラ2に送られている高圧空気の圧力が作用して高い圧力になっている。
【0025】
図2では、上記の状態をAの時点からBの時点で示していて、流動層ボイラ2内の空気圧を2.5kg/cm2(ゲージ圧)と仮定してこの圧力を基準としており、よって基端側3a内の圧力は、先端側3b内の圧力に対して−2.5kg/cm2の差圧を有している。
【0026】
図2のBの時点で、水張り弁16を開けて、水張り弁16と水張り逃し弁17の両方が開かれると、水張り弁16が詰まっていない正常状態であれば、先導水タンク15からの先導水Wは、水張り弁16から燃料スラリノズル3内を満たして水張り逃し弁17に流出するようになる。この時には遮断弁9よりも基端側には先導水Wの水頭圧は作用せず、先導水Wの流れに対する配管抵抗の圧力が作用するだけであるので、図2のBの時点からCの時点まで実線で示すように、基端側3a内の圧力の変化は極めて小さく、よって遮断弁9の両側の差圧の変化もmのようにごく僅かである。
【0027】
図2のCの時点で水張り弁16は開いたままで、水張り逃し弁17のみを閉じると、基端側3a内には、先導水タンク15からの先導水Wが導入された状態で、且つ先導水タンク15による例えば1.5kg/cm2の水頭圧が作用するようになり、図2のCの時点からDの時点まで実線で示すように遮断弁9の両側の差圧は1.5kg/cm2程度小さくなるように大きな変化幅Xで変化する。
【0028】
次にDの時点において、水張り弁16を閉じ、燃料スラリSを燃料スラリノズル3の基端側3aに供給するように三方弁7を切り換え、遮断弁9を開くと、燃料スラリSは遮断弁9を通って燃料スラリノズル3の先端側3bから流動層ボイラ2内に噴出されるようになり、この時の基端側3aの圧力は流動層ボイラ2内の圧力と同じ圧力になり、遮断弁9の両側は同圧になり、差圧は無くなって0になる。
【0029】
ところが水張り弁16が詰まっていて、先導水タンク15からの先導水Wが通れない状態になっている時についてみると、Aの時点で三方弁7を燃料スラリノズル3に燃料スラリSを供給しない切換位置とし、遮断弁9、水張り弁16を閉じ、水張り逃し弁17を開けると、燃料スラリノズル3の基端側3a内の圧力は大気圧であり、先端側3b内の圧力は、流動層ボイラ2内の例えば2.5kg/cm2であって、遮断弁9の両側は−2.5kg/cm2の差圧を有している。
【0030】
しかし、この状態から図2のBの時点で水張り弁16を開いても、水張り弁16から先導水Wは導入されないため、基端側3a内の圧力は大気圧のままで変化せず、図2のBの時点からCの時点まで破線で示すように遮断弁9の両側の差圧も変化しない。
【0031】
更に、図2のCの時点で水張り弁16は開いたままで、水張り逃し弁17のみを閉じても、基端側3a内は先導水Wが導入されないために大気圧のままで変化せず、そのため、図2のCの時点からDの時点までの間も破線で示すように遮断弁9の両側の差圧は最初と同じで全く変化しない。
【0032】
このように、正常に先導水Wが導入されている状態では実線で示すように、図2のCの時点で水張り弁16を開いたまま水張り逃し弁17のみを閉じた時に遮断弁9の両側の差圧が前記先導水タンク15の高さによる水頭圧に応じた一定値以上の変化幅Xで変化するのに対して、図2のCの時点で水張り弁16を開いたまま水張り逃し弁17のみを閉じても遮断弁9の両側の差圧が依然として変化しないか、極めて小さな差圧の変化である場合には、基端側3a内に先導水Wが入っていないことになり、水張り弁16が詰まっていることを検出できる。
【0033】
従って、制御器19に、水張り弁16に詰まりがなければ図2のCの時点で所定の幅以上の差圧の変化が生じるはずであるという値を設定幅L1として入力しておくことにより、設定幅L1以上の差圧の変化がない時に、警報器20を作動させて警報を出し、水張り弁16が詰まっていて基端側3a内に先導水Wが導入されていないことを知らせることができる。
【0034】
この時、図2の場合では先導水タンク15の水頭圧1.5kg/cm2に対してそれより少し小さい値、例えば1.3kg/cm2を設定幅L1として設定する。
【0035】
また、前記水張り逃し弁17が詰まった場合には、図3に示すように、Aの時点で三方弁7を燃料スラリノズル3に燃料スラリSを供給しない切換位置とし、遮断弁9、水張り弁16を閉じ、水張り逃し弁17を開けた時は、燃料スラリノズル3の基端側3a内の圧力は略大気圧であり、先端側3b内の圧力は、流動層ボイラ2内の例えば2.5kg/cm2であって、遮断弁9の両側は−2.5kg/cm2の差圧を有している。
【0036】
しかしこの状態から図3のBの時点で水張り弁16を開くと、水張り弁16と水張り逃し弁17の両方が開いていることにより本来ならば基端側3a内を先導水Wが流れることになるはずであるが、水張り逃し弁17が詰まっているために、基端側3a内に先導水タンク15の水頭圧が作用することになって基端側3aの圧力が上昇することにより、図3図中破線で示すように差圧の絶対値が小さくなる(図では差圧の絶対値は1である)。
【0037】
続いて、図3のCの時点で水張り弁16は開いたままで、水張り逃し弁17を閉じても、前記したように水張り逃し弁17が詰まっているために前記Bの時点とCの時点との間の差圧と同一値を示し、このように、Cの時点の前後で差圧の変化が無いことにより、前記設定幅L1以上の差圧の変化がないことによって、水張り逃し弁17が詰まったことを検出することができる。
【0038】
このように、水張り弁16と水張り逃し弁17の何れかが詰まった場合には、Bの時点において、設定幅L1以上の差圧の変化が生じないことによって詰まりを検出することができない。
【0039】
更に、前記制御器19には設定値L2を入力するようにしている。図2に示したBの時点の水張り弁16及び水張り逃し弁17が開いた状態から水張り逃し弁17を閉じたCの時点に、破線で示すように圧力差の絶対値が大きい時には水張り弁16が詰まっている状態なので、Cの時点で流動層ボイラ2内の圧力と大気の圧力との最大圧力差の絶対値(図では2.5kg/cm2)より絶対値が少し小さい値を設定値L2(例えば2.3kg/cm2)として設定し、Cの時点で差圧の絶対値が設定値L2以上に大きかった場合は、水張り弁16が詰まっていることを検出することができる。水張り逃し弁17が詰まった場合には、図3に示すようにCの時点の差圧の絶対値は前記設定値L2より小さくなってしまうので、設定値L2によって水張り逃し弁17の詰まりを検出することはできない。しかし、水張り弁16の詰まり発生頻度が水張り逃し弁17に較べて多いので、上記設定値L2による詰まり検出の方法も有効に利用できる。
【0040】
更に、前記設定幅L1と設定値L2とを同時に制御器19に入力しておくようにすれば、水張り弁16と水張り逃し弁17の何れが詰まりを生じたかを知ることができる。
【0041】
従って、水張り弁16或いは水張り逃し弁17が詰まった時にそれを制御器19で検出して警報器20によって警報を出すことにより、燃料スラリノズル3内に先導水Wが導入されないまま燃料スラリノズル3に燃料スラリSを供給して燃料スラリが乾燥して固まり、燃料スラリノズル3が詰まってしまう事故を未然に防ぐことができることになる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、燃料スラリノズルに燃料スラリを供給する前に、燃料スラリノズル内に先導水が導入されているかどうかを検出することができるので、燃料スラリノズル内に先導水が導入されないまま燃料スラリノズルに燃料スラリを供給して燃料スラリが乾燥して固まり、燃料スラリノズルが詰まってしまう事故を未然に防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に使用する装置の実施形態の一例を示す系統図である。
【図2】燃料スラリノズルの遮断弁上流側と下流側との圧力差を示すグラフである。
【図3】燃料スラリノズルの遮断弁上流側と下流側との圧力差の別の状態を示すグラフである。
【図4】従来の燃料スラリ供給装置の一例を示す系統図である。
【符号の説明】
2 流動層ボイラ
3 燃料スラリノズル
3a 基端側
3b 先端側
4 スラリタンク
7 三方弁
9 遮断弁
15 先導水タンク
16 水張り弁
17 水張り逃し弁
18 差圧計
1 設定幅
2 設定値
S 燃料スラリ
W 先導水

Claims (2)

  1. スラリタンクから三方弁を介して基端側に燃料スラリが供給され遮断弁を介して先端側から流動層ボイラに燃料スラリを吐出する燃料スラリノズルと、該燃料スラリノズルの基端側に接続され上部に設けた先導水タンクからの先導水を基端側に供給する水張り弁と、燃料スラリノズルの基端側に接続され基端側に供給されている先導水を排出する水張り逃がし弁とを備えた燃料スラリノズルの先導水の詰まり検出方法であって、前記燃料スラリノズルの基端側と先端側との圧力差を検出する差圧計を設け、前記水張り弁と水張り逃がし弁とを開いた時の前記差圧計の検出した圧力差に対し、前記水張り弁を開いたままで水張り逃がし弁を閉じた時の前記差圧計の検出した圧力差が設定幅以上変化しない時に、警報を発するようにしたことを特徴とする燃料スラリノズルの先導水の詰まり検出方法。
  2. 水張り弁を開いたままで水張り逃がし弁を閉じた時の差圧計の検出した圧力差の絶対値が設定値以上に大きい時に、警報を発するようにしたことを特徴とする請求項1記載の燃料スラリノズルの先導水の詰まり検出方法。
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