JP3757075B2 - 光ネットワーク,光送信装置,光受信装置,光増幅装置,分散補償装置,光ネットワークにおける信号光波長選択方法,波長多重化装置および波長分離装置 - Google Patents

光ネットワーク,光送信装置,光受信装置,光増幅装置,分散補償装置,光ネットワークにおける信号光波長選択方法,波長多重化装置および波長分離装置 Download PDF

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Description

【0001】
(目次)
産業上の利用分野
従来の技術
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
発明の実施の形態
・第1実施形態の説明(図1〜図4)
・第2実施形態の説明(図5)
・第3実施形態の説明(図6,図7)
・第4実施形態の説明(図8)
・第5実施形態の説明(図9)
・第6実施形態の説明(図10〜図12)
・第7実施形態の説明(図13〜図22)
・第8実施形態の説明(図23〜図25)
・第9実施形態の説明(図26)
・第10実施形態の説明(図27)
・第11実施形態の説明(図28〜図30)
・第12実施形態の説明(図31〜図33)
・第13実施形態の説明(図34〜図36)
・第14実施形態の説明(図37〜図40)
・第15実施形態の説明(図41〜図43)
発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】
本発明は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を用いて光通信を行なう光通信システムに適用される、光ネットワーク,光送信装置,光受信装置,光増幅装置,分散補償装置,光ファイバおよび光ネットワークにおける信号光波長選択方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
近年の飛躍的な情報量の増加に伴い大容量の通信システムが必要となってきており、現在、この通信システムの構築のための研究も活発に行なわれている。
このような大容量化を実現する通信システムとしては光通信システムが最も有望視されており、例えば、現在では2.4Gb/sの光通信システムとともに、例えばエルビウムドープ光ファイバ増幅器(Er-Doped Fiber Amplifier:以下、EDFAという)を用いた光増幅多中継システムが実用化されつつあるが、今後、さらに進行する情報化に伴い、情報量はますます増加することが予想され、この情報量の増加に対応して大容量化された光通信システム構築が望まれるところである。
【0004】
光通信システムの大容量化の方法としては、伝送速度の高速化という意味で時間軸上での多重化をはかるTDM(時分割多重)方式や、光周波数軸上での多重化をはかるWDM〔波長分割多重;一般に、波長間隔の比較的広いものをWDM方式、高密度多重したものをFDM(周波数分割多重)方式と呼んでいる〕方式が挙げられる。
【0005】
このうち、TDMのような多重化においては、伝送速度を高速化させるため、送信機,受信機内の電子回路の高速化が必要となり、現状では数十Gb/sが限界と考えられている。
一方、光ファイバの広帯域性を利用したWDM(FDM)方式では、伝送速度の高速化と併用することで、数十〜数百Gb/sの大容量化が可能であり、光カプラ,光フィルタ等を用いた光多重化装置,光分離装置(MUX/DEMUX)により、多重・分離が光領域で簡単に行なえるため電子回路に対する負担も軽減される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光周波数軸上で波長多重して伝送するWDM(FDM)方式では、光アンプの利得帯域依存性や光部品の波長依存性があるため、使用可能な帯域が制限される。従って、多重化による大容量化のためにはチャネル間隔(信号光の波長間隔)を狭くして全チャネルの示す帯域を狭くする必要がある。また、マルチギガビットの光伝送では、光ファイバの分散による波形劣化が生じるため、光信号の波長を光ファイバの零分散波長の周辺に設定する必要がある。
【0007】
しかしながら、従来、WDM方式において波長多重化すべき複数の信号光の各波長(各チャネル)の配置手法は未だ確立されておらず、効率よく信号光を配置することで効率よく帯域を利用できるようにすることが望まれている。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、光ファイバの零分散波長周辺の帯域を使用する場合に、効率よく光信号を配置することにより、光通信システムの大容量化を実現した、光ネットワーク,光送信装置,光受信装置,光増幅装置,分散補償装置,光ファイバおよび光ネットワークにおける信号光波長選択方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の光ネットワーク(請求項1)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路をそなえ、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定された光ネットワークにおいて、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償する分散補償手段をそなえたことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の光ネットワーク(請求項2)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路をそなえ、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定された光ネットワークにおいて、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償する分散補償手段をそなえたことを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明の光ネットワーク(請求項3)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路をそなえ、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定された光ネットワークにおいて、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償する分散補償手段をそなえたことを特徴としている。
なお、上述した光ネットワーク(請求項1〜3)において、隣り合う各波長の間隔は所定の波長または周波数の自然数倍としてもよいし(請求項4)、さらに、前記の各波長の間隔が等間隔であってもよいし(請求項5)、前記の各波長の間隔が不等間隔であってもよい(請求項6)。
【0011】
本発明の光送信装置(請求項7)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光送信装置において、それぞれ波長の異なる信号光を出力するとともに、各信号光の波長が光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように構成された複数の光出力手段と、該複数の光出力手段からの各信号光を波長多重化して該光ファイバ伝送路に入射する波長多重化手段とをそなえ、なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の光送信装置(請求項8)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光送信装置において、それぞれ波長の異なる信号光を出力するとともに、各信号光の波長が光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように構成された複数の光出力手段と、該複数の光出力手段からの各信号光を波長多重化して前記光ファイバ伝送路に入射する波長多重化手段とをそなえ、なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明の光送信装置(請求項9)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光送信装置において、それぞれ波長の異なる信号光を出力するとともに、各信号光の波長が光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側にあるように構成された複数の光出力手段と、該複数の光出力手段からの各信号光を波長多重化して前記光ファイバ伝送路に入射する波長多重化手段とをそなえ、なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴としている。
なお、上述した光送信装置(請求項7〜9)において、隣り合う各波長の間隔は所定の波長または周波数の自然数倍としてもよいし(請求項10)、さらに、前記の各波長の間隔が等間隔であってもよいし(請求項11)、前記の各波長の間隔が不等間隔であってもよい(請求項12)。
【0014】
本発明の光受信装置(請求項13)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光受信装置において、光ファイバ伝送路から受信する波長多重信号光を複数の信号光に波長分離する波長分離手段と、該波長分離手段によって波長分離された各信号光をそれぞれ受信する複数の光受信手段とをそなえ、少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されことを特徴としている。ここで、波長多重化された状態とは、少なくとも2以上の信号光が波長多重化された状態を言う。
【0015】
また、本発明の光受信装置(請求項14)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光受信装置において、光ファイバ伝送路から受信する波長多重信号光を複数の信号光に波長分離する波長分離手段と、該波長分離手段によって波長分離された各信号光をそれぞれ受信する複数の光受信手段とをそなえ、少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されことを特徴としている。ここで、波長多重化された状態とは、少なくとも2以上の信号光が波長多重化された状態を言う。
【0016】
さらに、本発明の光受信装置(請求項15)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光受信装置において、光ファイバ伝送路から受信する波長多重化信号光を複数の信号光に波長分離する波長分離手段と、該波長分離手段によって波長分離された各信号光をそれぞれ受信する複数の光受信手段とをそなえ、少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されことを特徴としている。ここで、波長多重化された状態とは、少なくとも2以上の信号光が波長多重化された状態を言う。
なお、上述した光受信装置(請求項13〜15)において、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍である複数の信号光を処理するように構成してもよいし(請求項16)、さらに、前記の各波長の間隔が等間隔であってもよいし(請求項17)、前記の各波長の間隔が不等間隔であってもよい(請求項18)。
【0017】
本発明の光増幅装置(請求項19)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光増幅装置において、該光ファイバ伝送路から波長多重信号光を受信する手段と、受信した波長多重信号光を増幅する光増幅手段とをそなえ、少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されことを特徴としている。ここで、波長多重化された状態とは、少なくとも2以上の信号光が波長多重化された状態を言う。
【0018】
また、本発明の光増幅装置(請求項20)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光増幅装置において、光ファイバ伝送路から波長多重信号光を受信する手段と、受信した波長多重信号光を増幅する光増幅手段とをそなえ、少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されことを特徴としている。ここで、波長多重化された状態とは、少なくとも2以上の信号光が波長多重化された状態を言う。
【0019】
さらに、本発明の光増幅装置(請求項21)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光増幅装置において、光ファイバ伝送路から波長多重信号光を受信する手段と、受信した波長多重信号光を増幅する光増幅手段とをそなえ、少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されことを特徴としている。ここで、波長多重化された状態とは、少なくとも2以上の信号光が波長多重化された状態を言う。
なお、上述した光増幅装置(請求項19〜21)において、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍である複数の信号光を含む光波長多重信号を増幅するように構成してもよいし(請求項22)、さらに、前記の各波長の間隔が等間隔であってもよいし(請求項23)、前記の各波長の間隔が不等間隔であってもよい(請求項24)。
【0020】
本発明の分散補償装置(請求項25)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路を有し、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定された光ネットワークで用いられ、該光ファイバ伝送路を介して伝送されることによってそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に与えられる分散を補償するように各信号光に第2の分散を与える分散補償装置において、該複数の信号光が前記光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償するように構成されたことを特徴としている。
【0021】
また、本発明の分散補償装置(請求項26)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路を有し、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定された光ネットワークで用いられ、該光ファイバ伝送路を介して伝送されることによってそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に与えられる分散を補償するように各信号光に第2の分散を与える分散補償装置において、該複数の信号光が前記光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償するように構成されたことを特徴としている。
【0022】
さらに、本発明の分散補償装置(請求項27)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路を有し、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定された光ネットワークで用いられ、該光ファイバ伝送路を介して伝送されることによってそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に与えられる分散を補償するように各信号光に第2の分散を与える分散補償装置において、該複数の信号光が前記光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償するように構成されたことを特徴としている。
なお、上述した分散補償装置(請求項25〜27)において、隣り合う各波長の間隔を所定の波長または周波数の自然数倍としてもよく(請求項28)、さらに、前記の各波長の間隔が等間隔であってもよいし(請求項29)、前記の各波長の間隔が不等間隔であってもよい(請求項30)。
【0026】
本発明の光ネットワークにおける信号光波長選択方法(請求項3)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を光ファイバ伝送路によって伝送する光ネットワークにおける信号光波長選択方法であって、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように各波長を選択し、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる選択された各波長に基づく分散を、補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償することを特徴としている。
【0027】
また、本発明の光ネットワークにおける信号光波長選択方法(請求項3)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を光ファイバ伝送路によって伝送する光ネットワークにおける信号光波長選択方法であって、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように各波長を選択し、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる選択された各波長に基づく分散を、補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償することを特徴としている。
【0028】
さらに、本発明の光ネットワークにおける信号光波長選択方法(請求項3)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を光ファイバ伝送路によって伝送する光ネットワークにおける信号光波長選択方法であって、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に存在するように各波長を選択し、該複数の信号光が前記光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる選択された各波長に基づく分散を、補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償することを特徴としている。
なお、上述した信号光波長選択方法(請求項3〜3)において、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍となるように選択してもよいし(請求項34)、さらに、前記の各波長の間隔が等間隔であってもよいし(請求項35)、前記の各波長の間隔が不等間隔であってもよい(請求項36)。
本発明の波長多重化装置(請求項37)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる波長多重化装置において、複数の信号光を受信する光受信部と、該光受信部によって受信した複数の信号光を波長多重化して、光ファイバ伝送路に入射する波長多重化部とをそなえ、少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴としている。
また、本発明の波長多重化装置(請求項38)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる波長多重化装置において、複数の信号光を受信する光受信部と、該光受信部によって受信した複数の信号光を波長多重化して光ファイバ伝送路に入射する波長多重化部とをそなえ、少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴としている。
さらに、本発明の波長多重化装置(請求項39)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる波長多重化装置において、複数の信号光を受信する光受信部と、該光受信部によって受信した複数の信号光を波長多重化して光ファイバ伝送路に入射する波長多重化部とをそなえ、少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴としている。
なお、上述した波長多重化装置(請求項37〜39)において、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍となるように選択してもよいし(請求項40)、さらに、前記の各波長の間隔が等間隔であってもよいし(請求項41)、前記の各波長の間隔が不等間隔であってもよい(請求項42)。
本発明の波長分離装置(請求項43)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる波長分離装置において、該光ファイバ伝送路から受信する波長多重信号光を複数の信号光 に波長分離する波長分離手段と、該波長分離手段によって波長分離された各信号光をそれぞれ出力する複数の光出力部とをそなえ、少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴としている。
また、本発明の波長分離装置(請求項44)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる波長分離装置において、該光ファイバ伝送路から受信する波長多重信号光を複数の信号光に波長分離する波長分離手段と、該波長分離手段によって波長分離された各信号光をそれぞれ出力する複数の光出力部とをそなえ、少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴としている。
さらに、本発明の波長分離装置(請求項45)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる波長分離装置において、該光ファイバ伝送路から受信する波長多重信号光を複数の信号光に波長分離する波長分離手段と、該波長分離手段によって波長分離された各信号光をそれぞれ出力する複数の光出力部とをそなえ、少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴としている。
なお、上述した波長分離装置(請求項43〜45)において、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍となるように選択してもよいし(請求項46)、さらに、前記の各波長の間隔が等間隔であってもよいし(請求項47)、前記の各波長の間隔が不等間隔であってもよい(請求項48)。
【0029】
上述した本発明の光ネットワーク(請求項1〜),光送信装置(請求項〜1),光受信装置(請求項1〜1),光増幅装置(請求項1〜2),分散補償装置(請求項230),光ファイバ(請求項31〜3)および光ネットワークにおける信号光波長選択方法(請求項342)では、光ファイバ(光ファイバ伝送路)の零分散波長周辺の帯域を使用する場合に、効率よく光信号を配置することができる。また、隣り合う各波長の間隔を所定の波長または周波数の自然数倍とすることにより、信号光(チャネル)を、同じ特性のファブリ・ペロ干渉計で制御することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)第1実施形態の説明
図1〜図4は本発明の第1実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法を説明するためのもので、図1はその方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図、図2はその信号光波長選択方法を適用される光WDM分配伝送系(即ち、光送信装置,光受信装置および光ファイバを有してなる光ネットワーク)の構成を示すブロック図、図3および図4はいずれもその動作を説明するための図である。
【0031】
まず、図2により本実施形態の信号光波長選択方法を適用される光WDM分配伝送系(光ネットワーク)について説明すると、この図2において、1は送信回路(光送信装置)であり、この送信回路1は、複数のチャネルからの信号を、互いに周波数(波長)の異なる信号光として高密度に多重化するものである。
この送信回路1は、各チャネル(CH−1〜CH−n)毎に設けられたレーザダイオード(LD−1〜LD−n;光出力手段)1aと、各チャネル毎のレーザダイオード1aからの信号光を受けてこれらの信号光を多重化するための合波器(波長多重化手段)1bとをそなえて構成されている。
【0032】
2は送信回路1からの多重化された信号光を伝送するための光ファイバ(光ファイバ伝送路)、3は光ファイバ2からの信号を各チャネルに分配する分配器、4は各チャネルCH−i(i=1〜n)毎に設けられ該当する周波数(波長)の信号光を受信する受信回路で、各受信回路4は、多重化された信号光から対応する信号を抽出して出力する光フィルタ(波長分離手段)4aと、光フィルタ4aを制御する制御回路4bと、光フィルタ4aからの信号光を検出する検出器(光受信手段)4cとをそなえて構成されている。
【0033】
ところで、光ファイバ2の非線形効果としての四光波混合〔以下、FWM(Four Wave Mixing)という〕は、光ファイバ2の零分散波長周辺の帯域を用いて、互いに周波数(波長)の異なる信号光を送信回路1にて多重化して光ファイバ2に入力した時に、信号光間の光周波数混合により発生する現象で、他チャネルからのクロストーク(漏話)の要因となって信号伝送特性を劣化させている。
【0034】
光ファイバ2の零分散波長周辺の帯域を用いた光WDM(FDM)伝送において、最も厳しい影響を与えるのは光ファイバ2の非線形効果であるFWMである。このFWMについてより詳細に説明すべく、FWMの影響を考慮して行なわれる必要があるシステムの設計、特に、チャネル間隔,チャネル配置,入力パワーについて以下に説明する。
【0035】
例えば、周波数f1 〜fn (波長λ1 〜λn )の信号光を入力した場合、この中の任意の3波fi ,fj ,fk (λi ,λj ,λk )により、光ファイバ2の3次の非線形感受率χllllを介して発生した周波数fijk (波長λijk ;i≠k,j≠k)の第4の光が、FWMである。この周波数fijk (波長λijk )は、次式(1)の関係を満たす光周波数の位置に発生し、間隔が等間隔でチャネル数が多い場合には、i,j,kの組み合わせで周波数fijk (波長λijk )の位置に幾つものFWMが発生して信号光に重畳されるためクロストークはより悪化する。
【0036】
ijk =fi +fj −fk (λijk =λi +λj −λk ) (1)
また、周波数fijk (波長λijk )の発生効率が高くなるのは零分散波長近傍で、各周波数fi ,fj ,fk ,fijk (各波長λi ,λj ,λk ,λijk )の位相関係により効率が変化する(後で述べる位相不整合量Δβが小さい程、効率は高くなる)。
【0037】
一般に、3つの信号チャネルの偏波が一致している場合、FWMの光電力(光パワー)Pijk は次式(2)で表される。
Figure 0003757075
ただし、ηijk は周波数fijk (波長λijk )の発生効率、χllllは3次の非線形感受率、dは縮退係数(i≠j≠kの時、d=6,i=j≠kの時、d=3)、nはコアの屈折率、λは信号波長、cは光速、Leff は次式(3)により与えられる実効光ファイバ長、Aeff は実行断面積(=πW2 ,Wはモードフィールド径)、αは光ファイバの減衰係数、Pi ,Pj ,Pk はそれぞれ周波数fi ,fj ,fk (波長λi ,λj ,λk )の信号光の入力パワーである。
【0038】
eff ={1−exp(−αL)}/α (3)
ここで、発生効率ηijk (=η)は次式(4)で表される。
Figure 0003757075
なお、Lは光ファイバ長、Δβは位相不整合量である。また、光ファイバ2の分散スロープdD/dλが波長に対して一定であるとすると、位相不整合量Δβは次式(5),(6)で表される。
【0039】
Figure 0003757075
ここで、Dは光ファイバの波長分散、dD/dλは2次の光ファイバの波長分散、f0 は零分散光周波数である。ただし、上記(5),(6)式における周波数fi ,fj ,fk ,f0 をそれぞれ波長λi ,λj ,λk ,λ0 に置き換えたものも、上式と同様に成立する。
【0040】
多チャネルの場合、周波数fijk (波長λijk )の位置に発生するFWMのi,j,kの組み合わせを求め、各々について光電力Pijk を求める。そして、その総和が周波数fijk (波長λijk )の位置に発生するFWMの光パワーとなる。その光パワーの総和を用いてクロストーク量CRは次式(7)のように与えられる。
【0041】
Figure 0003757075
上式(2),(4)〜(7)を用いればFWMの影響を見積もることができ、チャネル間隔やチャネル配置や入力パワー等のシステムのパラメータの値を設計することが可能となる。以下に説明する第1〜第6実施形態の作用効果の説明に際しては、適宜、上述した式により得られたFWMの影響の見積もり(図3,図4,図7,図11,図12参照)を用いている。
【0042】
さて、前述したように、光ファイバ2の分散による波形劣化を防止するために、光ファイバの零分散波長周辺の帯域を利用する必要があるとともに、上記帯域で多重化した場合に顕著になるFWMの影響を考慮に入れたチャネル間隔および信号チャネル配置が必要であるが、これらに対応して、本発明の第1実施形態にかかる信号光波長選択方法では、例えば図1に示すように各チャネルの信号光が配置される。
【0043】
この図1に示すようなチャネル配置によれば、零分散波長λ0 からある一定幅のFWM抑圧用ガードバンド5を設け、このガードバンド5の外の、零分散波長λ0 よりも長波長側6に信号光が配置されている。つまり、第1実施形態では、波長多重化すべきn個の信号光(チャネル)の各波長が光ファイバ2の零分散波長λ0 よりも長くなるように各波長を選択するとともに、隣り合う各信号光の波長の間隔が所定の周波数(または波長)の自然数倍となるように各信号光の波長を選択している。例えば、第1実施形態では、所定の周波数を50GHzとし、隣り合う波長の間隔(チャネル間隔)をその3倍つまり150GHzとする。従って、各波長の間隔は等間隔となっている。
【0044】
上述の構成により、本発明の第1実施形態にかかる信号光波長選択方法では、送信回路1にて、各チャネルからの信号が、互いに周波数(波長)の異なる信号光として高密度に多重化され光ファイバ2を介して伝送される。
光ファイバ2により伝送された信号光は、分配器3にて分離されて、各チャネルに対応した受信回路4に入力され、入力チャネルに対応した周波数(波長)の信号光として検出される。
【0045】
このとき、例えば、送信回路1のチャネル数を16(n=16)、チャネル間隔を150GHz(所定の周波数50GHzの3倍)、光ファイバ2の長さLを90km、1チャネル当たりの光入力パワーPを+3dBm としたシステムの場合には、各チャネルのクロストーク量の計算結果は図3に示す通りである。この計算に用いたパラメータは、χllll=5.0 ×10-15 cm3 /erg(esu) ,Aeff =4.6 ×10-112 ,α=5.2958×10-5-1(0.23dB/km),dD/dλ=0.065ps/(km ・nm2)となっている。
【0046】
この図3において、図中の‘0.0ps’等の記載は、CH1(チャネル番号1)での分散の値である。チャネル番号(CH No.)が増えるにつれ分散値は分散スロープdD/dλに従って大きくなる。図3に示す結果より、CH2,CH3,CH4でのクロストーク量が最も大きなものとなる。
【0047】
これらのCH2,CH3,CH4に注目して計算した結果を図4に示す。この図4に示すように、例えば、クロストーク量を30dB以下に抑えるためには、CH1の分散値を0.64ps/nm/km以上にすればよく、例えばdD/dλ=0.065ps /(km ・nm2)とすると、CH1を零分散波長λ0 から約10nm離せばよく、10nmのガードバンド5を設定すればよいことになる。
【0048】
このように、第1実施形態の信号光波長選択方法によれば、光ファイバ2の零分散波長λ0 からガードバンド5を介して各チャネルの信号光を配置することにより、FWMの影響を抑圧できクロストークによる他チャネルからの影響が抑制されるとともに、効率よく帯域を利用することができるので、高い伝送精度を維持しつつ光通信システムの大容量化を実現できる。
【0049】
ところで、送信回路1では、複数のレーザダイオード1aの波長を所望のチャネル配置,チャネル間隔で安定化する必要があり、受信回路4では、チャネルを選択し抽出する必要がある。前述したようなFWMの影響を抑えるために要求されるチャネル配置,チャネル間隔は、送信回路1で制御しやすいこと、且つ、受信回路4で抽出しやすいことが望まれる。
【0050】
一般に、チャネル間隔の制御は、光干渉計の周期的な特性を利用して行なわれる。例えば、チャネル間隔の制御をファブリ・ペロ干渉計を用いて行なう場合、所望のチャネル間隔がファブリ・ペロ干渉計の透過ピークの間隔に等しい、あるいは透過ピークの間隔の自然数倍である時には、1つのファブリ・ペロ干渉計を基準にしてその透過ピークの位置に個々のレーザダイオード1aの波長を安定化すれば全チャネルの制御を簡単に実現することができるが、不等間隔で並んでいる場合には、制御が複雑になる。
【0051】
このような観点から、前述のごとくチャネル間隔を所定周波数または所定波長(光干渉計の透過ピークの一周期の間隔またはその自然数倍)の自然数倍に設定することで、同じ特性をもつ1個または2個のファブリ・ペロ干渉計により、チャネル(信号光)を制御することができる。また、受信回路4に関しても同様で、チャネル間隔を所定周波数または所定波長の自然数倍に設定することにより、同特性の干渉計を使用できる。
【0052】
従って、第1実施形態の信号光波長選択方法によれば、送信側でのチャネル間隔を、1個または2個のファブリ・ペロ干渉計で制御できるので、送信側の制御を簡易なものにできる利点がある。
また、受信側に関しても同様で、チャネル間隔を所定周波数または所定波長の自然数倍に設定することにより、送信側と同特性の干渉計を使用できるようになり、選択受信が容易になるとともに装置を簡略化できるなどの利点がある。
【0053】
なお、本実施形態においては、信号光を零分散波長λ0 よりも長波長側6に配置しているが、零分散波長λ0 よりも短波長側7にガードバンド5を介して信号光を配置してもよい。
【0054】
(B)第2実施形態の説明
次に、本発明の第2実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法について説明すると、図5はその方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図である。なお、第2実施形態としての信号光波長選択方法も、図2により説明した光WDM分配伝送系(光ネットワーク)と同様のものに適用されるので、その説明は省略する。
【0055】
そして、本実施形態にかかる信号光波長選択方法では、図5に示すように、零分散波長λ0 の両側にFWM抑圧用ガードバンド5を設け、ガードバンド5の外の短波長側7,長波長側6のそれぞれに各チャネルの信号光を配置するようになっている。つまり、第2実施形態では、波長多重化すべきn個の信号光(チャネル)の各波長が光ファイバ2の零分散波長λ0 よりも短波長側7および長波長側6の両方に存在するように各波長を選択し、隣り合う各信号光の波長の間隔が所定の周波数(または波長)の自然数倍となるように各信号光の波長を選択している。例えば、第2実施形態でも、第1実施形態と同様、所定の周波数を50GHzとし、隣り合う波長の間隔(チャネル間隔)をその3倍つまり150GHzとする。従って、各波長の間隔は等間隔となっている。
【0056】
上述のようなチャネル配置を行なうことにより、第2実施形態の信号光波長選択方法によれば、第1実施形態と同様の作用効果が得られるほか、光増幅器の帯域内、あるいは光部品の帯域内に零分散波長λ0 が位置する場合においても、制限のある帯域内でFWMの効果を抑えてクロストークによる他チャネルからの影響を抑制しつつ効率よくコンパクトに信号光を配置することができるので、高い伝送精度を維持しつつシステムの大容量化を実現できる利点がある。
【0057】
(C)第3実施形態の説明
次に、本発明の第3実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法について説明すると、図6はその方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図、図7はその動作を説明するための図である。なお、第3実施形態の信号光波長選択方法も、図2により説明した光WDM分配伝送系(光ネットワーク)と同様のものに適用されるので、その説明は省略する。
【0058】
そして、第3実施形態の信号光波長選択方法では、図6に示すように、FWM抑圧用ガードバンド5が、零分散波長λ0 を中心として、短波長側7および長波長側6とで、非対称となるように設けられるとともに、多重化される信号光のチャネル間隔を、短波長側7(Δf)と長波長側6(Δf′)とで互いに異なるように設定して配置するようになっている。なお、短波長側7および長波長側6のそれぞれにおける各波長の間隔は等間隔になっている。
【0059】
ガードバンド5の短波長,長波長の各側でチャネル間隔を変えて、ガードバンドの短波長側の信号光と長波長側の信号光との間で生じるFWM光の発生位置が何れかの信号光波長と一致するのを防止することができ、クロストークによる他チャネルからの影響が抑制される。ここで、FWM光が発生する帯域を信号光の帯域からずらす幅としては、その幅を受信側の光フィルタ4aで抑圧できる範囲のものが望ましい。
【0060】
例えば、図7に示すように、左右のチャネル間隔を変え短波長側7で200GHz(つまり所定周波数50GHzの4倍)、長波長側6で150GHz(つまり所定周波数50GHzの3倍)とし、且つ、ガードバンド5の幅を短波長側7で1.6nm、長波長側6で4nmとした場合、チャネル間にFWM光は発生するが、信号光の帯域にはFWM光の発生は少なくなり、クロストーク量も減少する。
このようにして、第3実施形態の信号光波長選択方法によっても、第1実施形態や第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0061】
(D)第4実施形態の説明
次に、本発明の第4実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法について説明すると、図8はその方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図である。なお、第4実施形態の信号光波長選択方法も、図2により説明した光WDM分配伝送系(光ネットワーク)と同様のものに適用されるので、その説明は省略する。
【0062】
そして、第4実施形態の信号光波長選択方法では、図8に示すように、短波長側7および長波長側6のそれぞれにおけるチャネル間隔を所定周波数もしくは所定波長の自然数倍に設定するようになっており、長波長側6におけるチャネル間隔は、第1,第2実施形態と異なって、不等間隔に設定されている。
【0063】
例えば、チャネル間隔ΔfをΔf=A・Xとすれば、チャネルn+4とチャネルn+5とのチャネル間隔をΔf′=B・Xとし、チャネルn+m−1とチャネルn+mとのチャネル間隔をΔf′′=C・Xとする。ここで、Xは所定数、A,B,Cは自然数である。
また、この図8に示すように、本実施形態でも、FWM抑圧用ガードバンド5は、零分散波長λ0 を中心として、短波長側7および長波長側6とで、非対称となるように設けられている。
【0064】
このようにして、第4実施形態の信号光波長選択方法によっても、第1実施形態や第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施形態において、複数チャネルの信号光の隣接するチャネル間隔を、ガードバンド5外の短波長側7においても不等間隔に設定することも可能である。ただし、その場合でも、各波長の間隔は所定周波数もしくは所定波長の自然数倍とする。
【0065】
(E)第5実施形態の説明
次に、本発明の第5実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法について説明すると、図9はその方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図である。なお、第5実施形態の信号光波長選択方法も、図2により説明した光WDM分配伝送系(光ネットワーク)と同様のものに適用されるので、その説明は省略する。
【0066】
そして、第5実施形態の信号光波長選択方法では、図9に示すように、FWM抑圧用ガードバンド5の両側に配置された各チャネルの信号光の間隔が、ガードバンド5をはさんで互いに一定数の整数倍分離れている関係を満たすように、各チャネルの信号光の周波数(波長)が設定されている。
具体的には、チャネル(CH)iの光周波数をfとすると、任意のチャネルjの光周波数は、f±A・X(A:自然数、X:定数)を満たすように設定されている。
【0067】
上述のようにチャネル配置を行なうことにより、第5実施形態の信号光波長選択方法によれば、ガードバンド5をはさんで各チャネル間隔を所定周波数または所定波長(光干渉計の透過ピークの一周期の間隔またはその自然数倍)の自然数倍に設定でき、送信側でのチャネル間隔の制御を1つの光干渉計だけで実現できるとともに、受信側においても同特性の干渉計を用いればよいので、選択受信が容易になると共に装置がさらに簡略化する利点がある。
【0068】
(F)第6実施形態の説明
次に、本発明の第6実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法について説明すると、図10はその方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図、図11および図12はいずれもその動作を説明するための図である。なお、第6実施形態の信号光波長選択方法も、図2により説明した光WDM分配伝送系(光ネットワーク)と同様のものに適用されるので、その説明は省略する。
【0069】
そして、第6実施形態の信号光波長選択方法では、図10に示すように、光周波数(光波長)軸上でみて、零分散波長λ0 で折り返してみた場合、2つ以上のチャネルが重ならないようにチャネルを配置する(分散値の絶対値の等しい組が1組以下になるように配置する)。図10に示す例では、CH3とCH8との1組のみが重なっている。
【0070】
例えば、送信回路1のチャネル数を16、チャネル間隔を150GHz,200GHz,250GHz(所定周波数50GHzの自然数倍)、光ファイバ2の長さLを90km、1チャネル当たりの光入力パワーPを0dBm とし、短波長側のガードバンド幅を1.6nm、且つ、長波長側のガードバンド幅を2.4nmとしたシステムの場合、各チャネルのクロストークの計算結果は図11に示す通りである。また、送信回路1のチャネル数を16、チャネル間隔を150GHz,200GHz,300GHz、光ファイバ2の長さLを90km、1チャネル当たりの光入力パワーPを0dBm とし、短波長側のガードバンド幅を1.6nm、且つ、長波長側のガードバンド幅を2nmとしたシステムの場合には、各チャネルのクロストークの計算結果は図12に示す通りである。この図11あるいは図12に示すように、全チャネルはほぼクロストークは−30dB前後で良好な値を示している。
【0071】
第3実施形態に示した図7では、CH2,CH5,CH11,CH15のクロストークの影響が表れているが、この図7のチャネル配置では、零分散波長λ0 で折り返すと、CH2とCH15とが重なり、CH5とCH11とが重なってしまう。言い換えれば、これらの2組は分散値の絶対値が同じものである。これに対して、本実施形態では、図11,図12に示すように、分散値の絶対値が同じものを1組だけにすることで、前述の通り、全チャネルほぼ−30dB前後で良好な値を示している。
【0072】
零分散波長λ0 をはさんで2組以上分散値の絶対値が同じものがあると、前記(5)式からも分かるように、2組の中の3つのチャネルの組み合わせで位相不整合量Δβが0になってしまい、残りの1つのチャネル位置にFWM光が高い効率で発生してしまう。結局、2組の4つのチャネル全ての光周波数位置にFWM光が発生してクロストークを悪化させる。従って、図11,図12に示す本実施形態のごとく、分散値の絶対値の同じものが2組以上にならないようにする(1組以下にする)必要がある。
【0073】
このように、第6実施形態の信号光波長選択方法によれば、零分散波長λ0 をはさんで2組以上分散値の絶対値が同じものがないので、FWM光の発生を抑圧することができ、クロストークによる他チャネルからの影響をより確実に抑制できるほか、前述した各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上述した第1〜第6実施形態では、チャネル間隔を周波数により設定しているが、波長により設定してもよく、この場合も、上述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0074】
(G)第7実施形態の説明
さて、光ファイバの零分散波長周辺の帯域を使用したWDM方式による光伝送系〔光ネットワーク;第7実施形態では図15により後述するような光増幅多中継システム(再生中継システム)〕において、信号光間のFWMによるクロストークを抑制して避けるためには、前述したように信号光帯域と光ファイバの零分散波長とを離す必要がある。
【0075】
このときのチャネル配置は、主に、FWM抑圧のためのガードバンド(第1〜第6実施形態により説明したガードバンド5),SPM−GVD効果による制限帯域,EDFAの利得帯域によって決定される。
また、実際の光ファイバの零分散波長は長手方向にばらついており、零分散波長とそのばらつきとを管理することが、システム設計上、極めて重要である。さらに、光分散補償器(分散補償装置)を用いることにより、見かけの零分散波長をシフトさせることができ、これは、後述するごとく、零分散波長ばらつきを許容する効果を有している。
【0076】
以下に説明する第7実施形態および第8実施形態では、以上の要因を考慮したときの、WDM方式におけるチャネル配置法について説明する。これは、逆に言えば、チャネル数とチャネル間隔とが決まっている状況下での光ファイバの零分散波長とそのばらつきとの規定法とも考えることができる。
【0077】
以下の説明では、まず、信号光帯域の制限要因である(a)波長多重信号帯域,(b)EDFAの利得帯域,(c)FWM抑圧のためのガードバンド,(d)SPM−GVD効果による制限帯域について説明した後に、光分散補償器の挿入有無を考慮してチャネル配置と光ファイバの所要特性との関係について説明する。なお、SPM−GVD効果とは、伝送距離と伝送速度との制限要因の一つである、自己位相変調と波長分散(群速度分散)との相互効果のことである。
【0078】
・制限要因について
(a)波長多重信号帯域
n波の信号光を等波長間隔ΔλS で配置した場合、波長多重信号光帯域ΔλWDM はΔλS ×(n−1)で表される。なお、等波長間隔配置の場合、信号光帯域内のFWM光が大きくなりがちである一方、第4,第5実施形態にて前述した通り、波長安定化制御は容易になる。
【0079】
(b)EDFA利得帯域
WDM方式の光伝送の場合、各波の受信特性を等しくするために、それぞれの信号光パワーを等しくする必要があり、そのためには、EDFAの利得が平坦な周波数帯域を使用しなければならない。例えば、図16には、EDFAを4段接続した後のASE(自然放出光:Amplified Spontaneous Emission)のスペクトル例を示すが、現状のEDFA技術では、1550〜1560nmの範囲が、利得が平坦な周波数帯域であり、この帯域幅(ΔλEDFA=10nm)内に全てのチャネルの信号光を配置することが望ましい。なお、図16に示すASEスペクトル分布はほぼEDFAの利得分布に等しいものである。
【0080】
なお、上述以外の周波数帯域としては、利得の等しい1535nm付近が挙げられる。また、このときのチャネル間隔を決定する要因としては、波長選択フィルタ特性や半導体レーザの波長安定性等がある。さらに、EDFAの利得帯域幅ΔλEDFAを拡大する手段としては、EDFA動作点の最適化,EDF組成の最適化,光ノッチフィルタの挿入等が考えられる。
【0081】
(c)FWM抑圧のためのガードバンド
第1実施形態においても説明した通り、光ファイバの零分散波長周辺の帯域を用いた光WDM(FDM)伝送において、FWMの影響を考慮して、チャネル間隔,チャネル配置,入力パワーを設定する必要がある。例えば、波長λ1 〜λn の信号光を入力した場合、この中の任意の3波λi ,λj ,λk により、光ファイバの3次の非線形感受率χllllを介して、波長λijk (i≠k,j≠k)の第4の光(FWM)が発生する。
【0082】
この波長λijk は、前記(1)式の関係を満たし、その位置に信号光がある場合にはクロストークとなって伝送特性を劣化させる。特に、チャネル間隔が等間隔でチャネル数が多い場合には、i,j,kの組み合わせで波長λijk の位置に複数のFWMが重畳され、クロストーク量が増加する。また、波長λijk の発生効率ηijk は各波長λi ,λj ,λk ,λijk の位相関係により変化し、光ファイバの零分散波長λ0 近傍で大きくなる。
【0083】
一般に、3つの信号光の偏波および光ファイバ入力端での位相が一致している場合、FWM光パワーPijk と発生効率ηijk は、それぞれ、上述した(2),(3)式および(4)〜(6)式で表される。
例えば、図17に示すように、16波の信号光を波長間隔ΔλS =1.2nmの等間隔に配置した場合の、チャネル1の分散値Dch1 を変化させたときの各チャネルへのクロストーク量〔前述した(7)式参照〕の計算例を図18に示す。この計算に用いたパラメータは、λ=1.55μm,χllll=5.0 ×10-15 esu,Aeff =4.6 ×10-112 ,α=5.3 ×10-5-1(0.23dB/km),dD/dλ=0.065ps /(km・nm2),L=90km,Pi =0dBm/chとなっている。
【0084】
この図18に示すように、各チャネルに重畳されるFWM光の組合せ数は、中心の7,8チャネルで最大になるが、各チャネルでの分散値が異なるために、チャネル2〜4でクロストーク量が最大となる(これは第1実施形態において図3により説明したものと同様の結果である)。所要クロストーク量を−30dBとすると、チャネル1の分散値Dch1 を0.25ps/(km・nm) 以上にする必要がある。つまり、零分散波長λ0 とチャネル1の波長λ1 との波長間隔を3.8nm以上とる必要があり、これを本実施形態のFWM抑圧用ガードバンドΔλg と呼ぶ。
【0085】
(d)SPM−GVD効果による制限帯域
図15は本発明の第7実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法を適用される再生中継システム(光ネットワーク,光伝送系)の構成を示すブロック図で、この図15において、11は電気信号を光信号(信号光)に変換するとともに図2により前述した構成(送信回路1/光送信装置)により光波長多重を行なう送信機、12は光伝送路(光ファイバ2)中にほぼ一定間隔LIn-line で挿入され線路損失により減衰した信号を増幅するインライン中継器(In-line amplifier;光増幅装置)である。
【0086】
また、13は光伝送路(光ファイバ2)中にほぼ一定間隔LR-rep (インライン中継器12の間隔LIn-line よりも広い間隔)で挿入される再生中継器(Regenerative-repeater)で、この再生中継器13は、線路特性に依存した雑音の影響によって劣化した信号光が、識別不可能な状態になる前に新たなパルスにつくり直して伝送するためのもので、等化増幅(Reshaping),リタイミング(Retiming),識別再生(Regenerating)の3つのRからなる機能を有し、3R中継器とも呼ばれる。
【0087】
さらに、14は図2により前述した構成(受信回路4/光受信装置)により多重化された信号光を分離するとともに各信号光を電気信号に変換する受信機である。
そして、本実施形態では、上述した送信機11と受信機14とを、複数のインライン中継器12および再生中継器13を介して光ファイバ2により接続することで、光増幅多中継WDM方式による光伝送系(再生中継システム/光ネットワーク)10が構成されている。
【0088】
さて、上述のような光伝送系10の場合、再生中継器13の間隔LR-rep は、主に、▲1▼インライン中継器12でのASE累積による光SNR(Signal to Noise Ratio)劣化と、▲2▼光ファイバ2中でのKerr効果を介したSPM−GVD効果による波形劣化との2つの要因で制限される。同時に、光ファイバ2中への入力パワーの下限は光SNRにより制限され、上限はSPM−GVD効果によって制限される。なお、SPM−GVD効果による波形劣化の評価に対しては、一般に、スプリット・ステップ・フーリエ法を用いて非線形シュレディンガー方程式を解くことによるシミュレーションが有効である。
【0089】
図19に、伝送速度を10Gbps、インライン中継器12の間隔LIn-line を70kmとして1波のみを伝送する場合の光ファイバ2への入力パワーと再生中継器13の間隔LR-rep との関係の例を示す。各光増幅器(インライン中継器12)からの光出力の変動を±2dBと仮定すると、許容分散値Dallow =±1ps/(nm・km) の場合は、再生中継器13の間隔LR-rep の最大値は280kmとなり、許容分散値Dallow =±2ps/(nm・km) の場合は、再生中継器13の間隔LR-rep の最大値は210kmとなる。長距離伝送を実現するためには、許容分散値を小さく且つ光ファイバ2への入力パワーを大きく設定する必要がある。
【0090】
・チャネル配置と光ファイバの所要特性との関係について
WDM方式による光伝送を行なう場合に考慮しなければならないDSF(分散シフトファイバ/光ファイバ2)の所要特性としては、前述した通り、▲1▼零分散波長λ0 ,▲2▼零分散波長ばらつき±Δλ0 ,▲3▼分散スロープ(二次分散)dD/dλの3つが挙げられる。ここでの零分散波長ばらつき±Δλ0 は、DSFの製造上のばらつきだけでなく、再生中継器13の間隔LR-rep 内での光ファイバ2の長手方向の零分散波長λ0 の最大変動幅を意味する。
【0091】
図20は、実際のDSFに2波の信号光を入力し、その一方の波長λ2 を1557nmに固定し、もう一方の波長λ1 を変化させたときのFWM発生効率ηの測定結果(図20中、白丸を実線で接続したもの)を示している。このとき、光ファイバ長を60km、各信号光パワーを+4dBm とした。零分散波長λ0 を一定値に固定した場合の計算結果(図20中の点線)と比較すると、測定値は広い波長範囲に分布しており、これは、実際のDSFの零分散波長λ0 が長手方向にばらついていることを意味している。
【0092】
上述の諸点を考慮して、本発明の第7実施形態の信号光波長選択方法では、例えば図13に示すように、各チャネルの信号光が配置される。なお、本実施形態では、4つのチャネルの信号光を波長多重して光伝送する場合について説明する。
即ち、図13に示すように、光ファイバ2の零分散波長λ0 と光ファイバ2の長手方向の零分散波長ばらつき±Δλ0 とを考慮し、光ファイバ2についての零分散波長ばらつき範囲の短波長端(λ0 −Δλ0)よりも短波長側に、多重化すべき4つのチャネルの信号光を等間隔ΔλS で配置している。
【0093】
このとき、光ファイバ2についての零分散波長ばらつき範囲の短波長端(λ0 −Δλ0)よりも短波長側には、FWM抑圧用ガードバンドΔλg を設け、波長(λ0 −Δλ0 −Δλg ) よりもさらに短波長側に、4つのチャネルの信号光(チャネル1〜4で波長λ1 〜λ4 )を配置している。本実施形態では、チャネル1の波長λ1 は、DSF(光ファイバ2)の零分散波長λ0 から短波長側に(Δλ0 +Δλg )だけ離れた位置に設定されている〔波長(λ0 −Δλ0 −Δλg ) がチャネル1の波長λ1 と一致するように設定されている〕。
【0094】
また、本実施形態では、光ファイバ2中でのSPM−GVD効果により決定される許容分散値Dallow により規定される伝送可能帯域ΔλSPM-GVD 内に、4つのチャネルの信号光が配置されている。つまり、図13に示すように、伝送可能な信号光波長範囲は、光ファイバ2についての零分散波長ばらつき範囲の長波長端(λ0 +Δλ0)から短波長側へ、ΔλSPM-GVD =|Dallow |/(dD/dλ)以内の領域である。このとき、4波とも伝送可能で且つ零分散波長ばらつきΔλ0 をできるだけ大きく許容するために、波長λSPM-GVD 〔=(λ0 +Δλ0)−ΔλSPM-GVD 〕とチャネル4の波長λ4 とが一致するように設定されている。
【0095】
さらに、本実施形態では、光ファイバ2に接続されるEDFA(インライン中継器12に配置される光増幅器)の利得帯域ΔλEDFA(例えば図16に示すような1550〜1560nmの範囲) 内に、4つのチャネルの信号光が配置される。
なお、図13中には図示しないが、半導体レーザ(信号光の光源)の製造性や波長制御精度による各信号光の光波長変動分を考慮する場合には、その変動分に応じて、複数チャネルの信号光を配置する帯域ΔλWDM を拡張して設定する。
【0096】
ここで、図13に示した信号光配置例について、より具体的に数値例を挙げて説明する。例えば、伝送速度10Gbpsの4波の信号光を波長間隔ΔλS =2nmの等間隔でDSF(光ファイバ2)の零分散波長λ0 よりも短波長側に配置し、インライン中継器12の間隔LIn-line を70km、再生中継器13の間隔LR-rep を280kmとした場合について、チャネル配置とDSFの所要特性との関係について説明する。
【0097】
まず、光ファイバ長を70km、各チャネルの入力パワーを+6dBm としたときの波長間隔ΔλS に対する、全てのチャネルでのクロストーク量が−30dB以下になるガードバンドΔλg の関係を図21に示す。この図21より、波長間隔ΔλS =2nmの場合(信号光帯域ΔλWDM =6nm)は、ガードバンドΔλg =3nmが必要であることが分かる。
【0098】
そして、図13に示すように、EDFAの利得帯域(1550〜1560nm)を有効利用するため、チャネル1の波長λ1 を利得帯域の長波長端である1560nmに設定する。このとき、波長λ1 は、前述した通りDSFの零分散波長λ0 から短波長側に(Δλ0 +Δλg )だけ離れた波長となる。
【0099】
また、図19より、再生中継器13の間隔LR-rep =280kmであるための許容分散値Dallow は−1ps/(nm・km) であるので、伝送可能な信号光波長範囲は、前述した通り、波長(λ0 +Δλ0)から短波長側へ、ΔλSPM-GVD =|Dallow |/(dD/dλ)以内の領域であり、4波とも伝送可能で且つ零分散波長ばらつきΔλ0 をできるだけ大きく許容するために、波長(λ0 +Δλ0)−ΔλSPM-GVD とチャネル4の波長λ4 とが一致するように設定する。これらの条件から、ΔλSPM-GVD ,Δλ0 ,λ0 の各値は次のように規定される。
【0100】
Figure 0003757075
以上の数値は、ばらつきΔλ0 が最小の場合のものである。なお、分散スロープdD/dλが小さいほど、ΔλSPM-GVD が大きくなり、ばらつきΔλ0 を大きく許容することができるようになる。
【0101】
図13では光分散補償器を用いない場合について説明したが、次に、光分散補償器を用いて各チャネルの信号光配置を行なう場合について説明する。つまり、本発明の第7実施形態の信号光波長選択方法では、光分散補償器を用いることにより、例えば図14に示すように各チャネルの信号光を配置することもできる。なお、光分散補償器(分散補償装置)は、光ファイバ2を介して伝送されることによってそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に与えられる分散を補償するように各信号光に第2の分散を付加するためのものである。また、ここでも、4つのチャネルの信号光を波長多重して光伝送する場合について説明する。
【0102】
即ち、まず、図14の上段に示すように、光ファイバ2中でのSPM−GVD効果により決定される許容分散値Dallow により規定される伝送可能帯域ΔλSPM-GVD 外に、4つのチャネルの信号光を配置してから、図14の下段に示すように、光分散補償器を用いて光ファイバ2の零分散波長λ0 をλ0 ′にシフトさせることにより、4つのチャネルの信号光を、見かけ上、伝送可能帯域ΔλSPM-GVD 内に配置している。
【0103】
このとき、4つのチャネルの信号光は、光分散補償器によるシフト前には、図13にて説明した配置例と同様に、波長(λ0 −Δλ0 −Δλg ) よりも短波長側に等間隔ΔλS で配置されるとともに、EDFAの利得帯域ΔλEDFA内に配置されている。なお、チャネル1の波長λ1 は、零分散波長λ0 から短波長側に(Δλ0 +Δλg )だけ離れた波長(λ0 −Δλ0 −Δλg ) と一致するように設定されている。
【0104】
そして、光分散補償器により実際の零分散波長λ0 をΔλDCだけ短波長側にシフトさせることにより、図14の下段に示すように、4つのチャネルの信号光を、見かけ上、伝送可能帯域ΔλSPM-GVD 内に配置している。
なお、図14中には図示しないが、半導体レーザ(信号光の光源)の製造性や波長制御精度による各信号光の光波長変動分を考慮する場合には、その変動分に応じて、複数チャネルの信号光を配置する帯域ΔλWDM を拡張して設定する。
【0105】
また、図14中には図示しないが、上述のように光分散補償器を用いる場合、光分散補償器の分散補償量ばらつき範囲±δλDCを考慮し、信号光帯域ΔλWDM を、長波長側および短波長側の両側についてその分散補償量ばらつき範囲δλDCだけ拡張して設定する。
【0106】
ここで、図14に示した信号光配置例について、より具体的に数値例を挙げて説明する。なお、ここでは、信号帯域の伝送路と正負反対符号の分散値をもつ光分散補償器を用いて、光ファイバ2についての零分散波長ばらつきΔλ0 を最大に許容することができ、且つ、光分散補償器のサイズ,光損失の点から分散補償波長シフト量ΔλDCを最小にする場合を考える。また、各数値としては図13により説明したものと同様とする。
【0107】
図14の下段に示すように、零分散波長ばらつきの下限から長波長側へΔλSPM-GVD の範囲と零分散波長ばらつきの下限から短波長側へΔλSPM-GVD の範囲とが重なった領域と、信号光帯域ΔλWDM とが一致するとき、零分散波長ばらつきΔλ0 を最大に許容することができる。つまり、
Figure 0003757075
となり、このとき、分散補償後の見かけの零分散波長λ0 ′は、信号光帯域ΔλWDM の中心に位置する。
【0108】
分散補償前は、図14の上段に示すように、FWM抑圧の条件から、チャネル1の波長λ1 は零分散波長λ0 から短波長側にΔλ0 +Δλg だけ離れている。従って、
λ0 =λ1 +Δλ0 +Δλg =1572.5nm
となり、λ0 ±Δλ0 =1572.5±9.5nm となる。
【0109】
このとき、分散補償波長シフト量ΔλDCは、λ0 −λ0 ′であり、以下のように求められる。
Figure 0003757075
光分散補償器としては、高分散,低損失,小型化が求められており、これまで分散補償ファイバ,トランスバーサルフィルタタイプ,光共振器タイプ等が提案されている。
【0110】
なお、図14に示す例では、正の分散値をもつ光分散補償器が必要なので、例えば、通常のシングルモードファイバ〔分散値DDC=18ps/(nm・km) 〕を用いたとすると、必要なファイバ長LDCは次のように与えられる。
Figure 0003757075
【0111】
上述した図13および図14の例では、それぞれ、零分散波長ばらつきΔλ0 が最小と最大の場合について具体的に説明したが、図22に、信号光を零分散波長λ0 の短波長側に配置した場合について、ばらつきΔλ0 に対する零分散波長λ0 と分散補償波長シフト量ΔλDCとの関係を示す。この図22中、波長間隔ΔλS =2nm,ガードバンドΔλg =3nmの場合を実線で示す。波長間隔ΔλS =3nmの場合を点線で示すが、このとき、図13より、零分散波長λ0 とチャネル1の波長λ1 とが一致さえしなければよいので、ガードバンドΔλg =1nmとした。
【0112】
このように、第7実施形態の信号光波長選択方法によれば、光ファイバ2の零分散波長λ0 周辺の帯域を利用した光増幅多中継WDM方式において、FWMの影響を受けずに各チャネルの信号光を配置することができ、同時に、敷設すべき光ファイバ伝送路の零分散波長λ0 に関する所要特性を明確にすることができ、光増幅多中継WDM方式における信号光のチャネル配置法および伝送路設計法を確立できる。
【0113】
特に、本実施形態によれば、零分散波長ばらつき範囲およびFWM抑圧用ガードバンドを考慮し、波長(λ0 −Δλ0 −Δλg ) よりも短波長側に各チャネルの信号光を配置することにより、光ファイバ2の長手方向の零分散波長ばらつきが考慮・管理されると同時に、FWMの影響が抑圧されてクロストークによる他チャネルからの影響が抑制され、高い伝送精度を維持することができる。
【0114】
また、本実施形態によれば、SPM−GVD効果による波形劣化を考慮した信号光配置を行なえるほか、EDFAの利得帯域ΔλEDFA内に各チャネルの信号光を配置することにより、各信号光パワーを等しくでき、各信号光の受信特性を等しくすることができる。
【0115】
さらに、各チャネルの信号光の光波長変動分に応じて信号光を配置する帯域ΔλWDM を拡張して設定することにより、半導体レーザ等の信号光光源の製造性や波長制御精度による各信号光の変動が考慮されるとともに、光分散補償器を用いる場合には、信号光を配置する帯域ΔλWDM を、長波長側および短波長側の両側について光分散補償器の分散補償量ばらつき範囲δλDCだけ拡張して設定することにより、光分散補償器の分散補償量ばらつきも考慮され、より信頼性の高い光伝送を行なうことができる。
なお、上述した第7実施形態では、4つのチャネルの信号光を配置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0116】
(H)第8実施形態の説明
次に、本発明の第8実施形態としての信号光波長選択方法について説明すると、図23はその複数チャネルの信号光配置を示す図、図24はその複数チャネルの信号光配置の変形例を示す図、図25はその零分散波長ばらつきに対する零分散波長と分散補償量との関係を示すグラフである。なお、第8実施形態の信号光波長選択方法も、図15により説明した再生中継システム(光伝送系/光ネットワーク)と同様のものに適用されるので、その説明は省略する。
【0117】
前述した第7実施形態では、各チャネルの信号光を光ファイバ2の零分散波長λ0 よりも短波長側に配置した場合について説明したが、第8実施形態では、各チャネルの信号光を光ファイバ2の零分散波長λ0 よりも長波長側に配置しており、チャネル1の波長λ1 をEDFAの利得帯域の短波長端1550nmに設定した上で、第7実施形態の図13にて説明したものと全く同じ手段により、チャネル配置とDSF(光ファイバ2)の所要特性との関係を決定している。
【0118】
即ち、図23に示すように、光ファイバ2の零分散波長λ0 と光ファイバ2の長手方向の零分散波長ばらつき±Δλ0 とを考慮し、光ファイバ2についての零分散波長ばらつき範囲の長波長端(λ0 +Δλ0)よりも長波長側に、多重化すべき4つのチャネルの信号光を等間隔ΔλS で配置している。
【0119】
このとき、光ファイバ2についての零分散波長ばらつき範囲の長波長端(λ0 +Δλ0)よりも長波長側には、FWM抑圧用ガードバンドΔλg を設け、波長(λ0 +Δλ0 +Δλg ) よりもさらに短波長側に、4つのチャネルの信号光(チャネル1〜4で波長λ1 〜λ4 )を配置している。本実施形態では、チャネル1の波長λ1 は、DSF(光ファイバ2)の零分散波長λ0 から長波長側に(Δλ0 +Δλg )だけ離れた位置に設定されている〔波長(λ0 +Δλ0 +Δλg ) がチャネル1の波長λ1 と一致するように設定されている〕。
【0120】
また、本実施形態では、光ファイバ2中でのSPM−GVD効果により決定される許容分散値Dallow により規定される伝送可能帯域ΔλSPM-GVD 内に、4つのチャネルの信号光が配置されている。つまり、図23に示すように、伝送可能な信号光波長範囲は、光ファイバ2についての零分散波長ばらつき範囲の短波長端(λ0 −Δλ0)から長波長側へ、ΔλSPM-GVD =|Dallow |/(dD/dλ)以内の領域である。このとき、4波とも伝送可能で且つ零分散波長ばらつきΔλ0 をできるだけ大きく許容するために、波長λSPM-GVD 〔=(λ0 −Δλ0)+ΔλSPM-GVD 〕とチャネル4の波長λ4 とが一致するように設定されている。
【0121】
さらに、本実施形態では、光ファイバ2に接続されるEDFAの利得帯域ΔλEDFA(例えば図16に示すような1550〜1560nmの範囲) 内に、4つのチャネルの信号光が配置される。
なお、図23中には図示しないが、本実施形態においても、半導体レーザ(信号光の光源)の製造性や波長制御精度による各信号光の光波長変動分を考慮する場合には、その変動分に応じて、複数チャネルの信号光を配置する帯域ΔλWDM を拡張して設定する。
【0122】
ところで、図23では光分散補償器を用いない場合について説明したが、次に、光分散補償器を用いて各チャネルの信号光配置を行なう場合について説明する。つまり、本発明の第8実施形態の信号光波長選択方法では、光分散補償器(分散補償装置)を用いることにより、例えば図24に示すように、各チャネルの信号光を配置することもできる。
【0123】
即ち、まず、図24の上段に示すように、光ファイバ2中でのSPM−GVD効果により決定される許容分散値Dallow により規定される伝送可能帯域ΔλSPM-GVD 外に、4つのチャネルの信号光を配置してから、図24の下段に示すように、光分散補償器を用いて光ファイバ2の零分散波長λ0 をλ0 ′にシフトさせることにより、4つのチャネルの信号光を、見かけ上、伝送可能帯域ΔλSPM-GVD 内に配置している。
【0124】
このとき、4つのチャネルの信号光は、光分散補償器によるシフト前には、図23にて説明した配置例と同様に、波長(λ0 +Δλ0 +Δλg ) よりも長波長側に等間隔ΔλS で配置されるとともに、EDFAの利得帯域ΔλEDFA内に配置されている。なお、チャネル1の波長λ1 は、零分散波長λ0 から長波長側に(Δλ0 +Δλg )だけ離れた波長(λ0 +Δλ0 +Δλg ) と一致するように設定されている。
【0125】
そして、光分散補償器により実際の零分散波長λ0 をΔλDC(=λ0 ′−λ0 )だけ長波長側にシフトさせることにより、図24の下段に示すように、4つのチャネルの信号光を、見かけ上、伝送可能帯域ΔλSPM-GVD 内に配置している。なお、図24においても、第7実施形態の図14にて説明したように、零分散波長ばらつきの下限から長波長側へΔλSPM-GVD の範囲と零分散波長ばらつきの下限から短波長側へΔλSPM-GVD の範囲とが重なった領域と、信号光帯域ΔλWDM とを一致させ、零分散波長ばらつきΔλ0 を最大に許容できる場合について図示されている。
【0126】
また、図24中には図示しないが、半導体レーザ(信号光の光源)の製造性や波長制御精度による各信号光の光波長変動分を考慮する場合には、その変動分に応じて、複数チャネルの信号光を配置する帯域ΔλWDM を拡張して設定する。
さらに、図24中には図示しないが、上述のように光分散補償器を用いる場合、光分散補償器の分散補償量ばらつき範囲±δλDCを考慮し、信号光帯域ΔλWDM を、長波長側および短波長側の両側についてその分散補償量ばらつき範囲δλDCだけ拡張して設定する。
【0127】
上述した図23および図24の例では、それぞれ、零分散波長ばらつきΔλ0 が最小と最大の場合について説明したが、図25に、信号光を零分散波長λ0 の長波長側に配置した場合について、ばらつきΔλ0 に対する零分散波長λ0 と分散補償波長シフト量ΔλDCとの関係を示す。この図25も、第7実施形態により前述した図22における数値と同様のものが適用されており、図25では、零分散波長λ0 よりも長波長側に信号光を配置するために、ばらつきΔλ0 に対する零分散波長λ0 についての傾きが、図22に示したものとは逆になっている。
【0128】
このように、第8実施形態の信号光波長選択方法によっても、前述した第7実施形態と全く同様の作用効果を得ることができる。
なお、上述した第8実施形態では、4つのチャネルの信号光を配置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0129】
また、上述した第7実施形態および第8実施形態では、各チャネルの信号光を、零分散波長λ0 よりも短波長側,長波長側のいずれか一方の側に配置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各チャネルの信号光を、零分散波長λ0 の両側に配置することもできる。このとき、光分散補償を行なう場合には、零分散波長λ0 の短波長側と長波長側との各チャネルは、別々に正負の異なる光分散補償器を用いる必要がある。
【0130】
(I)第9実施形態の説明
次に、本発明の第9実施形態としての光分散補償方式について説明すると、図26はそのブロック図であり、この図26において、21は電気信号を光信号に変換して送信する送信機、22は光伝送路(光ファイバ2)中に挿入される中継器で、この中継器22としては、前述したようなインライン中継器や再生中継器がある。
【0131】
また、23は受信した光信号を電気信号に変換する受信機で、上述した送信機21と受信機23とを、複数の中継器22を介して光ファイバ2により接続することで、光伝送系20が構成され、この光伝送系20において、送信機21からの信号光が、中継器22および光ファイバ2を介して受信機23へ伝送されるようになっている。
【0132】
そして、24A,24Bはそれぞれ正の分散量+B,負の分散量−Bを有する2種類の光分散補償器ユニットであり、これらの2種類の光分散補償器ユニット24A,24Bは、予め用意されており、後述するように、光伝送系20(光ファイバ2,送信機21,中継器22,受信機23のいずれかの部分)に挿入されるものである。
【0133】
ところで、光伝送系20が、図15により前述したような光増幅再生中継システムである場合、図19により前述したように、再生中継器間隔が長距離になるほど許容分散値は小さくなるため、チャネル(信号光)の配置位置をその許容分散値以内に収めるための光分散補償器は不可欠になっている。
【0134】
また、前述した第1〜第8実施形態では、光ファイバ2の零分散波長周辺の帯域を利用したWDM方式において、FWMによるクロストークを避けるために、光ファイバ2の零分散波長と信号光波長とを離しているが、その分の分散補償(特に第7,第8実施形態における図14,図24の例参照)が必要となる。このような分散補償は、一波伝送,SMF伝送にも必要である。
【0135】
特に、陸上の光通信システムの場合、中継間隔は一定ではなく、さらに実際の光ファイバ2の零分散波長は長手方向にばらついているため、各中継区間の分散量を等しくすることは困難である。そのため、DSF(光ファイバ2)の零分散波長付近に信号光波長を設定した場合、各中継区間毎に分散量の正負が異なる可能性さえある。
【0136】
そこで、この第9実施形態では、光伝送系20の分散量を補償するために、予め用意された2種類の光分散補償器ユニット24A,24Bをそれぞれ光伝送系20に挿入し、この光伝送系20の伝送特性が良好となる方の光分散補償器ユニット24Aもしくは24Bを選択して光伝送系20に挿入・設置している。
これにより、正確な分散量を測定できず、且つ、零分散波長ばらつきをある程度把握できている場合、光伝送系20の分散量を簡易的に補償できる。
【0137】
また、光伝送系20の分散量を測定できる場合には、測定された分散量の符号とは反対の符号の光分散補償器ユニット24Aもしくは24Bを選択することで、より確実に光伝送系20の分散量を補償することができる。
このように、第9実施形態の光分散補償方式によれば、個々の伝送路に応じた光分散補償器を設計・製作することなく、SPM−GVD効果による波形劣化やガードバンドについての分散量を容易に補償でき、光通信システム構築までの工数削減および時間短縮を実現することができる。
【0138】
ここで、第9実施形態の具体的な数値例について説明する。伝送速度を10Gbps、インライン中継器間隔LIn-line を70km、各光増幅器からの光出力の変動を±2dBと仮定すると、図19より、許容分散値Dallow =±1ps/(nm・km) で最大再生中継器間隔は280kmとなり、280km伝送後の信号光の分散量としては±280ps/nm の分散補償が必要である。そこで、例えば、伝送路分散量が+1200ps/nm の場合、分散量+1000ps/nm と−1000ps/nm との光分散補償器ユニット24A,24Bを用意した場合、分散量−1000ps/nm の光分散補償器ユニット24Bを伝送路中に挿入すれば、総分散量が+200ps/nmとなり、伝送可能になる。
【0139】
(J)第10実施形態の説明
次に、本発明の第10実施形態としての光分散補償方式について説明すると、図27はそのブロック図であり、この図27中において、既述の符号と同一の符号は同一部分を示しているので、その説明は省略する。
前述した第9実施形態においては、正の分散量+B,負の分散量−Bを有する2種類の光分散補償器ユニットが予め用意されていたのに対して、この第10実施形態では、正負符号,分散量の異なる複数種類の光分散補償器ユニット25A,25Bが予め用意されている。
【0140】
ここでは、分散量B1,B2の2種類の光分散補償器ユニット25A,25Bがそれぞれ複数個用意され、これらの光分散補償器ユニット25A,25Bを組み合わせて構成された光分散補償器ユニット25が、光伝送系20(光ファイバ2,送信機21,中継器22,受信機23のいずれかの部分)に挿入されるようになっている。
【0141】
そして、本実施形態では、光通信システム敷設現場において、2種類の光分散補償器ユニット25A,25Bを、設置数,組合せを変えながらそれぞれ光伝送系20に挿入し、この光伝送系20の伝送特性、特に符号誤り率を測定しながら、その伝送特性が良好となる設置数,組合せの光分散補償器ユニット25(図27中では3個の光分散補償器ユニット25Aと1個の光分散補償器ユニット25Bとを組み合わせたもの)を、2種類の光分散補償器ユニット25A,25Bの中から選択・決定して光伝送系20に挿入・設置している。
【0142】
これにより、零分散波長ばらつきが不明である場合や、零分散波長と信号光波長とが大きく離れている場合に対応して、光伝送系20の分散量を簡易的に且つ最適に補償することができる。
また、光伝送系20の分散量を測定できる場合には、その分散量を測定し、測定された分散量に基づいて、信号光の分散値が伝送可能な分散値内になる設置数,組合せの光分散補償器ユニット25を、2種類の光分散補償器ユニット25A,25Bの中から選択・決定し、光伝送系20に挿入・設置することにより、光伝送系20の分散量が確実に許容分散値以内に収まるように補償することができる。
【0143】
このように、第10実施形態の光分散補償方式によっても、個々の伝送路に応じた光分散補償器を設計・製作することなく、SPM−GVD効果による波形劣化やガードバンドについての分散量を容易に補償でき、光通信システム構築までの工数削減および時間短縮を実現することができる。
なお、上述した第10実施形態では、予め用意される光分散補償器ユニットを2種類とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0144】
ここで、第10実施形態の具体的な数値例について説明する。第9実施形態の数値例と同様に、280km伝送後の信号光の分散量としては±280ps/nm の分散補償が必要である場合に、例えば、分散量A1,A2,B1,B2としてそれぞれ+300ps/nm,+100ps/nm,−300ps/nm,−100ps/nmなる光分散補償器ユニットを用意しているとすると、光分散補償器ユニットとしては、B1×3個+B2×1個を組み合わせて伝送路中に挿入すれば、総分散量が+200ps/nmとなり、伝送可能になる。
【0145】
(K)第11実施形態の説明
次に、本発明の第11実施形態としての光分散補償方式について説明すると、図28はそのブロック図、図29および図30はそれぞれその第1変形例および第2変形例を示すブロック図である。なお、前述した第9および第10実施形態では、1波の信号光のみを伝送する場合について説明したが、本実施形態では、4チャネルの信号光(波長λ1 〜λ4 )を波長多重して伝送する場合について説明する。
【0146】
図28に示すように、本実施形態においても、光伝送系20が、送信機21,中継器22,受信機23を光ファイバ2により接続して構成されているが、この第11実施形態では、送信機21は、各チャネルの電気信号を互いに波長(周波数)の異なる信号光に変換した後に、これらの信号光について光波長多重を行なうもので、各チャネル毎に設けられ各チャネルの電気信号を所定波長の信号光に変換する電気/光変換部(E/O1〜E/04)21aと、各チャネル毎の電気/光変換部21aからの信号光を受けてこれらの信号光を多重化するための光多重化部21bとをそなえて構成されている。
【0147】
また、受信機23は、送信機21から光ファイバ2,中継器22を介して伝送されてきた多重化された信号光を分離するとともに各信号光を電気信号に変換するもので、多重化された信号光を各チャネルに分離・分配する光分離部23aと、各チャネル毎に設けられ光分離部23aから分配されてきた当該チャネルの信号光を電気信号に変換する光/電気変換部(O/E1〜O/E4)23bとをそなえて構成されている。
【0148】
そして、本実施形態では、送信機21の各電気/光変換部21aと光多重化部21bとの間に、光分散補償器ユニット25が設けられている。つまり、波長多重前の各波長λ1 〜λ4 の信号光のチャネル毎に、適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bが設置されている。
【0149】
例えば、図28では、波長λ1 のチャネルには分散量B1の光分散補償器ユニット25Aが1つだけ設けられ、波長λ2 のチャネルには分散量B1の光分散補償器ユニット25Aと分散量B2の光分散補償器ユニット25Bとが1ずつ設けられ、波長λ3 のチャネルには分散量B1の光分散補償器ユニット25Aが1つ且つ分散量B2の光分散補償器ユニット25Bが2つ設けられ、波長λ4 のチャネルには分散量B1の光分散補償器ユニット25Aが1つ且つ分散量B2の光分散補償器ユニット25Bが3つ設けられている。
【0150】
このとき、各チャネルに配置される光分散補償器ユニット25A,25Bの設置数,組合せを選択する際には、第9,第10実施形態により説明したように、各チャネルの伝送特性が良好となるものをトライアンドエラーにより選択してもよいし、光伝送系20の分散量が測定可能であればその測定結果に基づいて信号光の分散値が伝送可能な分散値内になるものを選択してもよい。
【0151】
図28では、送信機21内に光分散補償器ユニット25を設けた場合について説明したが、この光分散補償器ユニット25は、図29,図30にそれぞれ示すように、中継器22や受信機23に設けてもよい。
図29に示すように、中継器22に光分散補償器ユニット25を設ける場合、中継器22には、この中継器22を構成する光増幅器22aの後段に、増幅後の信号光を各波長λ1 〜λ4 毎に一波ずつ波長分離する光分離部22bと、この光分離部22bにより分離された各波長λ1 〜λ4 の信号光のチャネル毎に適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置してなる光分散補償器ユニット25と、光分散補償器ユニット25により分散補償された各チャネル毎の信号光を再び波長多重化して伝送路へ送出する光多重化部22cとが配置されている。なお、前述した光分離部22b,光分散補償器ユニット25および光多重化部22cは、光増幅器22aの前段に設けてもよい。
【0152】
また、図30に示すように、受信機23に光分散補償器ユニット25を設ける場合、受信機23の光分離部23aと各光/電気変換部23bとの間に、光分散補償器ユニット25が設けられている。つまり、波長分離後の各波長λ1 〜λ4 の信号光のチャネル毎に、適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bが設置されている。
【0153】
このように、第11実施形態の光分散補償方式によれば、光伝送系20が互いに波長の異なる信号光を多重化して伝送する光波長多重伝送を行なう場合にも、各波長毎に適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置することにより、上述した第9,第10実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、上述した実施形態では、多重化する信号光のチャネル数が4で、各チャネル毎の分散補償のために予め用意した光分散補償器ユニットが2種類である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0154】
(L)第12実施形態の説明
次に、本発明の第12実施形態としての光分散補償方式について説明すると、図31はそのブロック図、図32および図33はそれぞれその第1変形例および第2変形例を示すブロック図である。なお、既述の符号と同一の符号は同一部分を示しているので、その説明は省略する。
【0155】
前述した第11実施形態では、各波長毎に適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置する場合について説明したが、この第12実施例では、光伝送系20中で、複数波(本実施形態では2波)の信号光からなるチャネルグループ毎に、適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置している。
【0156】
即ち、図31〜図33は、それぞれ、光分散補償器ユニット25を送信機21,中継器22,受信機23に設けた例を示しており、図31に示すように、送信機21に光分散補償器ユニット25を設ける場合、前述した送信機21における光多重化部21bは、電気/光変換部21aからの波長λ1 とλ2 との信号光を多重化する光多重化部21cと、電気/光変換部21aからの波長λ3 とλ4 との信号光を多重化する光多重化部21dと、これらの光多重化部21c,21dにより多重化された2つの信号光をさらに多重化する光多重化部21eとに分けられている。
【0157】
そして、光多重化部21c,21dと、光多重化部21eとの間に、光分散補償器ユニット25が設けられている。つまり、2つの信号光からなるチャネルグループ毎に、適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bが設置されている。
【0158】
例えば、図31では、波長λ1 とλ2 とのチャネルグループには分散量B1の光分散補償器ユニット25Aが1つだけ設けられ、波長λ3 とλ4 とのチャネルグループには分散量B1の光分散補償器ユニット25Aと分散量B2の光分散補償器ユニット25Bとが1ずつ設けられている。
【0159】
このとき、各チャネルグループに配置される光分散補償器ユニット25A,25Bの設置数,組合せを選択する際には、第9,第10実施形態により説明したように、各チャネルの伝送特性が良好となるものをトライアンドエラーにより選択してもよいし、光伝送系20の分散量が測定可能であればその測定結果に基づいて信号光の分散値が伝送可能な分散値内になるものを選択してもよい。
【0160】
また、図32に示すように、中継器22に光分散補償器ユニット25を設ける場合、中継器22には、この中継器22を構成する光増幅器22aの後段に、増幅後の信号光を2つのチャネルグループ(波長λ1 ,λ2 のグループと波長λ3 ,λ4 のグループ)に波長分離する光分離部22dと、この光分離部22dにより分離された各チャネルグループ毎に適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置してなる光分散補償器ユニット25と、光分散補償器ユニット25により分散補償された各チャネルグループ毎の信号光を再び波長多重化して伝送路へ送出する光多重化部22eとが配置されている。なお、前述した光分離部22d,光分散補償器ユニット25および光多重化部22eは、光増幅器22aの前段に設けてもよい。
【0161】
さらに、図33に示すように、受信機23に光分散補償器ユニット25を設ける場合、前述した受信機23における光分離部23aは、波長λ1 ,λ2 のチャネルグループと波長λ3 ,λ4 のチャネルグループとに分離する光分離部23cと、波長λ1 ,λ2 のチャネルグループをさらに各波長λ1 ,λ2 の信号光に分離する光分離部23dと、波長λ3 ,λ4 のチャネルグループをさらに各λ3 ,λ4 の信号光に分離する光分離部23eとに分けられている。
【0162】
そして、光分離部23cと、光分離部23d,23eとの間に、光分散補償器ユニット25が設けられている。つまり、2つの信号光からなるチャネルグループ毎に、適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bが設置されている。
【0163】
このように、第12実施形態の光分散補償方式によれば、光伝送系20が互いに波長の異なる信号光を多重化して伝送する光波長多重伝送を行なう場合にも、チャネルグループ毎に適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置することにより、上述した第9,第10実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0164】
なお、上述した実施形態では、多重化する信号光のチャネル数が4で、各チャネル毎の分散補償のために予め用意した光分散補償器ユニットが2種類で、且つ、2つのチャネルグループに分ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0165】
(M)第13実施形態の説明
次に、本発明の第13実施形態としての光分散補償方式について説明すると、図34はそのブロック図、図35および図36はそれぞれその第1変形例および第2変形例を示すブロック図である。なお、既述の符号と同一の符号は同一部分を示しているので、その説明は省略する。
【0166】
前述した第11,第12実施形態では、各波長毎,各チャネルグループ毎に適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置する場合について説明したが、この第13実施形態では、光伝送系20中で、複数チャネル(本実施形態では4チャネル)の信号光に対し一括して、適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置している。
【0167】
即ち、図34〜図36は、それぞれ、光分散補償器ユニット25を送信機21,中継器22,受信機23に設けた例を示しており、図34に示すように、送信機21に光分散補償器ユニット25を設ける場合、送信機21における光多重化部21bの後段に、適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置してなる光分散補償器ユニット25が設けられている。例えば、図34では、分散量B1の光分散補償器ユニット25Aと分散量B2の光分散補償器ユニット25Bとが1ずつ設けられている。
【0168】
このとき、一括して配置される光分散補償器ユニット25A,25Bの設置数,組合せを選択する際には、第9,第10実施形態により説明したように、各チャネルの伝送特性が良好となるものをトライアンドエラーにより選択してもよいし、光伝送系20の分散量が測定可能であればその測定結果に基づいて信号光の分散値が伝送可能な分散値内になるものを選択してもよい。
【0169】
また、図35に示すように、中継器22に光分散補償器ユニット25を設ける場合、中継器22には、この中継器22を構成する光増幅器22aの後段に、適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置してなる光分散補償器ユニット25が配置されている。なお、光分散補償器ユニット25は光増幅器22aの前段に設けてもよい。
【0170】
さらに、図36に示すように、受信機23に光分散補償器ユニット25を設ける場合、受信機23における光分離部23aの前段に、適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置してなる光分散補償器ユニット25が設けられている。
【0171】
このように、第13実施形態の光分散補償方式によれば、光伝送系20が互いに波長の異なる信号光を多重化して伝送する光波長多重伝送を行なう場合にも、全チャネルの信号光に対し一括して適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置することにより、上述した第9,第10実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0172】
なお、上述した実施形態では、多重化する信号光のチャネル数が4で、各チャネル毎の分散補償のために予め用意した光分散補償器ユニットが2種類である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述した第10〜第13実施形態においては、各チャネルの波長間隔と伝送路の分散スロープdD/dλとを考慮して各光分散補償器ユニットの分散値を設計し、光分散補償器ユニットの種類をできるだけ少なくすることが重要である。
【0173】
(N)第14実施形態の説明
次に、本発明の第14実施形態としての光分散補償方式について説明すると、図37はそのブロック図、図38(a),(b)はいずれもその第1変形例を示すブロック図、図39はその第2変形例を示すブロック図、図40は第2変形例によるパッケージ構成例を示す図である。なお、既述の符号と同一の符号は同一部分を示しているので、その説明は省略する。
【0174】
上述した第9〜第13実施形態では、光分散補償ユニット24A,24B,25,25A,25Bの配置手段について説明しているが、この第14実施形態では、各光分散補償ユニット25,25A,25B自体の具体的な構成例および挿入・設置手段について説明する。
例えば、図37に示すように、光分散補償ユニット25を構成する各光分散補償ユニット25A,25Bの前段もしくは後段に、各光分散補償器ユニット25A,25Bによる光損失を補償しうる光増幅器26を付加している。
【0175】
ところで、光分散補償器としては、これまで、分散補償ファイバ,トランスバーサルフィルタタイプ,光共振器タイプなどが提案されている。現在、コア形状を工夫することで、分散値-100ps/(nm・km)以上の分散補償ファイバが製作されているが、ファイバ長により分散補償量を容易に調節できる反面、光損失が大きくなってしまう。
【0176】
そこで、この第14実施形態のように、光分散補償器ユニット25A,25BをEDFA等の光増幅器26と一体化することにより、分散補償ファイバの光損失を補償することができる。
なお、図37では各光分散補償ユニット25A,25B毎に光増幅器26を付加したが、図38(a),(b)に示すように、光分散補償器ユニット25A,25Bのグループ(光分散補償器ユニット25 )について一つの光増幅器26を付加するようにしてもよい。
【0177】
また、図39に示すように、光分散補償器ユニット25A,25Bのグループ(光分散補償器ユニット25 )の前段および後段のそれぞれに光増幅器26A,26Bを付加してもよい。
光増幅器が1段のみであると、伝送路損失と光分散補償器ユニット25での光損失との両方を補償する大きな利得が要求されるばかりでなく、光損失の大きい光分散補償器ユニット25を光増幅器26の前段に配置した場合はNFを大きく劣化させる原因となる。これは、特に、光増幅多中継システムにおける1R中継器に光分散補償器ユニット25を挿入する場合には避けなければならない。
【0178】
そこで、図39に示すように、光分散補償器ユニット25の前後を2つの光増幅器26A,26Bで挟むような構成にすることにより、前段の光増幅器のNFを小さくすることで、1R中継器全体のNFを小さく抑えることができ、且つ、2段の光増幅器26A,26Bで十分な利得を確保することができる。
【0179】
一方、以上説明したような光分散補償器ユニット25の、送信機21,中継器22もしくは受信機23内への挿入・設置は、例えば、次のような方式で行なわれる。送信機21,中継器22もしくは受信機23内に、予め光分散補償器ユニット25を挿入するスペースを空けておき、システム設置後に、その伝送路(光伝送系20)に応じた最適な光分散補償器ユニット25を追加して組み込むことにより、光分散補償器ユニット25を光伝送系20に挿入・設置する。
【0180】
また、光伝送装置内の電子部品および光部品は、一般に、プリント基板上に実装され(このようにプリント基板上に実装された形態のものをパッケージと呼んでいる)、装置架に挿抜できる構造になっている場合が多い。
そこで、光分散補償器ユニットを実装した分散補償パッケージを設け、この分散補償パッケージごと挿抜する構成にしてもよい。例えば、図39に示した光分散補償器ユニット25をパッケージ化したものを図40に示す。この図40において、27はプリント基板で、このプリント基板27上に、前後2つの光増幅器26A,26Bと、2種類3個の光分散補償器ユニット25A,25Bからなる光分散補償器ユニット25とが実装されることにより、分散補償パッケージ28が構成されている。なお、各光分散補償器ユニット25A,25Bは、プリント基板27上に設けられた小さなボビンに分散補償ファイバ(光ファイバ2)を所定長さ巻き付けることにより構成されている。
【0181】
このような分散補償パッケージ28を用いることで、パッケージ単位で光分散補償器ユニット25の入換え・組込みを容易に行なえ、分散補償量を容易に変更することができる。
(O)第15実施形態の説明
次に、本発明の第15実施形態としての光分散補償方式について説明すると、図41はそのブロック図、図42および図43はそれぞれその第1適用例および第2適用例を示すブロック図である。なお、既述の符号と同一の符号は同一部分を示しているので、その説明は省略する。
【0182】
この第15実施形態では、光伝送系20を構成する送信機21,中継器22,受信機23のそれぞれに、図41に示すような光分散補償器ユニット32を内蔵している。
この光分散補償器ユニット32は、図41に示すように、正負符号,分散量の異なる複数種類(本実施形態では4種類,それぞれ分散量がB1〜B4)の光分散補償器ユニット25A〜25Dを、スイッチ(切換手段)29A〜29Cを介して光分散補償器ユニット25A〜25Dの組合せの切換・変更可能な状態で接続して構成されている。
【0183】
そして、図41に示す光分散補償器ユニット32では、4種類の光分散補償器ユニット25A〜25Dが3段そなえられ、スイッチ29A〜29Cの切換操作により、適当な組合せの3つの光分散補償器ユニット25A〜25Dを選択して光伝送系20に挿入・設置できるようになっている。
【0184】
なお、スイッチ29A〜29Cとしては、各光分散補償器ユニット25A〜25Dを光ファイバで配線する手段〔機械的な接続(機械的スイッチ)〕や、光スイッチで接続経路を選択する手段などがある。光スイッチとしては、光導波路スイッチや空間切替え型スイッチ等がある。
【0185】
そして、スイッチ29A〜29Cの切換操作手段としては、単純に外部からの人的作業によって光ファイバの配線を変えたり光スイッチをオン/オフしたりする手段や、外部からの電気もしくは光の制御信号により自動的に行なう手段がある。
次に、外部からの制御信号により、スイッチ29A〜29Cを切換操作して適当な組合せの3つの光分散補償器ユニット25A〜25Dを選択する場合について、より具体的な適用例を図42および図43により説明する。
【0186】
制御信号により自動的に切換操作を行なう手段としては、送受信端局から各中継器22へ制御信号を送る方式のほか、図42に示す適用例では、システム全体を集中管理するセンターオフィス30から各送信機21,中継器22,受信機23における光分散補償器ユニット32の各スイッチ29A〜29Cへ制御信号を送っている。
【0187】
また、図43に示す適用例では、受信機23側に、各送信機21,中継器22における光分散補償器ユニット32の各スイッチ29A〜29Cへ切換用の制御信号を出力する機能と、光伝送系20における伝送特性(誤り率,波形等)を測定する伝送特性測定手段31とがそなえられている。
【0188】
そして、各スイッチ29A〜29Cを受信機23側からの制御信号により操作して光分散補償器ユニット32における光分散補償器ユニット25A〜25Dの組合せを順番に切り換えながら、伝送特性測定手段31により光伝送系20の伝送特性を測定して、この光伝送系20の伝送特性が最適となる組合せの光分散補償器ユニット25A〜25Dを決定し、受信機23側からの制御信号によりスイッチ29A〜29Cを操作し、光分散補償器ユニット25A〜25Dの組合せを、決定された光伝送系20の伝送特性が最適となる組合せに切り換える。
【0189】
このように、第15実施形態の光分散補償方式によれば、光伝送系20における送信機21,中継器22,受信機23に、複数種類の光分散補償器ユニット25A〜25Dを、スイッチ29A〜29Cを介して光分散補償器ユニット25A〜25Dの組合せの切換・変更可能な状態で接続して予め内蔵しておくことにより、スイッチ29A〜29Cを操作することで、光分散補償器ユニット25A〜25Dの中から適当な組合せの光分散補償器ユニット25A〜25Dが選択される。特に、図43に示すように構成することで、光分散補償器ユニット25A〜25Dの組合せを、光伝送系20の伝送特性が最適となる組合せに自動的に切り換えることができる。
【0190】
なお、上述した実施形態では、光伝送系20を構成する送信機21,中継器22,受信機23のそれぞれに、光分散補償器ユニット32を内蔵した場合について説明したが、光分散補償器ユニット32は、送信機21,中継器22,受信機23のうちの少なくとも一つに内蔵されていれば、上述した実施形態と同様の作用効果が得られることはいうまでもない。
【0191】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の光ネットワーク(請求項1〜),光送信装置(請求項〜1),光受信装置(請求項1〜1),光増幅装置(請求項1〜2),分散補償装置(請求項230),光ファイバ(請求項31〜3)および光ネットワークにおける信号光波長選択方法(請求項342)によれば、以下に示すような効果ないし利点がある。
【0192】
(1)効率よく信号光を配置することで効率よく帯域を利用することができるので、高い伝送品質を維持しつつ光通信システムの大容量化を実現できる。
(2)光アンプの帯域内、あるいは光部品の帯域内に零分散波長が位置する場合においても、効率よくコンパクトに信号光を配置することができる。
【0193】
(3)送信側での信号光の波長間隔(チャネル間隔)の制御を1個もしくは2個のファブリ・ペロ干渉計で行なうことができ、受信側も送信側と同特性の干渉計を使用できるので、送信側の制御を簡易なものにするとともに、選択受信が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての信号光波長選択方法を適用される光WDM分配伝送系(光ネットワーク)の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態の動作を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態の動作を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図である。
【図7】本発明の第3実施形態の動作を説明するための図である。
【図8】本発明の第4実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図である。
【図9】本発明の第5実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図である。
【図10】本発明の第6実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図である。
【図11】本発明の第6実施形態の動作を説明するための図である。
【図12】本発明の第6実施形態の動作を説明するための図である。
【図13】本発明の第7実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図である。
【図14】本発明の第7実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態の変形例を示す図である。
【図15】本発明の第7実施形態としての信号光波長選択方法を適用される再生中継システムの構成を示すブロック図である。
【図16】EDFAの利得帯域を説明すべくEDFA4段接続後のASEスペクトル(EDFAの利得分布)を示すグラフである。
【図17】FWM抑圧用ガードバンドおよびチャネル配置を示す図である。
【図18】チャネル1の分散値とクロストークとの関係を示すグラフである。
【図19】光ファイバ入力パワーと再生中継器間隔との関係を示すグラフである。
【図20】FWM発生効率の信号光波長依存性を示すグラフである。
【図21】チャネル間隔とガードバンドとの関係を示すグラフである。
【図22】本発明の第7実施形態における零分散波長ばらつきに対する零分散波長と分散補償量との関係を示すグラフである。
【図23】本発明の第8実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態を示す図である。
【図24】本発明の第8実施形態としての光ネットワークにおける信号光波長選択方法により選択された複数チャネルの信号光配置状態の変形例を示す図である。
【図25】本発明の第8実施形態における零分散波長ばらつきに対する零分散波長と分散補償量との関係を示すグラフである。
【図26】本発明の第9実施形態としての光分散補償方式を示すブロック図である。
【図27】本発明の第10実施形態としての光分散補償方式を示すブロック図である。
【図28】本発明の第11実施形態としての光分散補償方式を示すブロック図である。
【図29】本発明の第11実施形態としての光分散補償方式の第1変形例を示すブロック図である。
【図30】本発明の第11実施形態としての光分散補償方式の第2変形例を示すブロック図である。
【図31】本発明の第12実施形態としての光分散補償方式を示すブロック図である。
【図32】本発明の第12実施形態としての光分散補償方式の第1変形例を示すブロック図である。
【図33】本発明の第12実施形態としての光分散補償方式の第2変形例を示すブロック図である。
【図34】本発明の第13実施形態としての光分散補償方式を示すブロック図である。
【図35】本発明の第13実施形態としての光分散補償方式の第1変形例を示すブロック図である。
【図36】本発明の第13実施形態としての光分散補償方式の第2変形例を示すブロック図である。
【図37】本発明の第14実施形態としての光分散補償方式を示すブロック図である。
【図38】(a),(b)はいずれも本発明の第14実施形態としての光分散補償方式の第1変形例を示すブロック図である。
【図39】本発明の第14実施形態としての光分散補償方式の第2変形例を示すブロック図である。
【図40】本発明の第14実施形態の第2変形例によるパッケージ構成例を示す図である。
【図41】本発明の第15実施形態としての光分散補償方式を示すブロック図である。
【図42】本発明の第15実施形態としての光分散補償方式の第1適用例を示すブロック図である。
【図43】本発明の第15実施形態としての光分散補償方式の第2適用例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 送信回路(光送信装置)
1a レーザダイオード(光出力手段)
1b 合波器(波長多重化手段)
2 光ファイバ(光ファイバ伝送路)
3 分配器
4 受信回路(光受信装置)
4a 光フィルタ(波長分離手段)
4b 制御回路
4c 検出器(光受信手段)
5 四光波混合(FWM)抑圧用ガードバンド
6 長波長側
7 短波長側
10 光伝送系(再生中継システム/光ネットワーク)
11 送信機
12 インライン中継器(光増幅装置)
13 再生中継器
14 受信機
20 光伝送系
21 送信機
21a 電気/光変換部
21b〜21e 光多重化部
22 中継器
22a 光増幅器
22b,22d 光分離部
22c,22e 光多重化部
23 受信機
23a,23c〜23e 光分離部
23b 光/電気変換部
24A,24B,25,25A〜25D 光分散補償器ユニット
25a ボビン
26,26A,26B 光増幅器
27 プリント基板
28 分散補償パッケージ
29A〜29C スイッチ(切換手段)
30 センターオフィス(CO)
31 伝送特性測定手段
32 光分散補償器ユニット

Claims (48)

  1. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路をそなえ、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定された光ネットワークにおいて、
    該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償する分散補償手段をそなえたことを特徴とする、光ネットワーク。
  2. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路をそなえ、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定された光ネットワークにおいて、
    該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償する分散補償手段をそなえたことを特徴とする、光ネットワーク。
  3. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路をそなえ、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定された光ネットワークにおいて、
    該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償する分散補償手段をそなえたことを特徴とする、光ネットワーク。
  4. 隣り合う各波長の間隔は所定の波長または周波数の自然数倍としたことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光ネットワーク。
  5. 前記の各波長の間隔が等間隔であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光ネットワーク。
  6. 前記の各波長の間隔が不等間隔であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光ネットワーク。
  7. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光送信装置において、
    それぞれ波長の異なる信号光を出力するとともに、各信号光の波長が光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように構成された複数の光出力手段と、
    該複数の光出力手段からの各信号光を波長多重化して該光ファイバ伝送路に入射する波長多重化手段とをそなえ、
    なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴とする、光送信装置。
  8. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光送信装置において、
    それぞれ波長の異なる信号光を出力するとともに、各信号光の波長が光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように構成された複数の光出力手段と、
    該複数の光出力手段からの各信号光を波長多重化して前記光ファイバ伝送路に入射する波長多重化手段とをそなえ、
    なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴とする、光送信装置。
  9. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光送信装置において、
    それぞれ波長の異なる信号光を出力するとともに、各信号光の波長が光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側にあるように構成された複数の光出力手段と、
    該複数の光出力手段からの各信号光を波長多重化して前記光ファイバ伝送路に入射する波長多重化手段とをそなえ、
    なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴とする、光送信装置。
  10. 隣り合う各波長の間隔は所定の波長または周波数の自然数倍としたことを特徴とする、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の光送信装置。
  11. 前記の各波長の間隔が等間隔であることを特徴とする、請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の光送信装置。
  12. 前記の各波長の間隔が不等間隔であることを特徴とする、請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の光送信装置。
  13. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光受信装置において、
    光ファイバ伝送路から受信する波長多重信号光を複数の信号光に波長分離する波長分離手段と、
    該波長分離手段によって波長分離された各信号光をそれぞれ受信する複数の光受信手段とをそなえ
    なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されことを特徴とする、光受信装置。
  14. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光受信装置において、
    光ファイバ伝送路から受信する波長多重信号光を複数の信号光に波長分離する波長分離手段と、
    該波長分離手段によって波長分離された各信号光をそれぞれ受信する複数の光受信手段とをそなえ
    なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されことを特徴とする、光受信装置。
  15. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光受信装置において、
    光ファイバ伝送路から受信する波長多重化信号光を複数の信号光に波長分離する波長分離手段と、
    該波長分離手段によって波長分離された各信号光をそれぞれ受信する複数の光受信手段とをそなえ
    なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されことを特徴とする、光受信装置。
  16. 隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍である複数の信号光を処理するように構成されていることを特徴とする、請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載の光受信装置。
  17. 前記の各波長の間隔が等間隔であることを特徴とする、請求項13〜請求項16のいずれか1項に記載の光受信装置。
  18. 前記の各波長の間隔が不等間隔であることを特徴とする、請求項13〜請求項16のいずれか1項に記載の光受信装置。
  19. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光増幅装置において、
    該光ファイバ伝送路から波長多重信号光を受信する手段と、
    受信した波長多重信号光を増幅する光増幅手段とをそなえ、
    なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されことを特徴とする、光増幅装置。
  20. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光増幅装置において、
    光ファイバ伝送路から波長多重信号光を受信する手段と、
    受信した波長多重信号光を増幅する光増幅手段とをそなえ、
    なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されことを特徴とする、光増幅装置。
  21. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる光増幅装置において、
    光ファイバ伝送路から波長多重信号光を受信する手段と、
    受信した波長多重信号光を増幅する光増幅手段とをそなえ、
    なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されことを特徴とする、光増幅装置。
  22. 隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍である複数の信号光を含む光波長多重信号を増幅するように構成されたことを特徴とする、請求項19〜請求項21のいずれか1項に記載の光増幅装置。
  23. 前記の各波長の間隔が等間隔であることを特徴とする、請求項19〜請求項22のいずれか1項に記載の光増幅装置。
  24. 前記の各波長の間隔が不等間隔であることを特徴とする、請求項19〜請求項22のいずれか1項に記載の光増幅装置。
  25. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路を有し、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定された光ネットワークで用いられ、該光ファイバ伝送路を介して伝送されることによってそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に与えられる分散を補償するように各信号光に第2の分散を与える分散補償装置において、
    該複数の信号光が前記光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる 、設定された各波長に基づく分散を補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償するように構成されたことを特徴とする、分散補償装置。
  26. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路を有し、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定された光ネットワークで用いられ、該光ファイバ伝送路を介して伝送されることによってそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に与えられる分散を補償するように各信号光に第2の分散を与える分散補償装置において、
    該複数の信号光が前記光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償するように構成されたことを特徴とする、分散補償装置。
  27. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路を有し、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定された光ネットワークで用いられ、該光ファイバ伝送路を介して伝送されることによってそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に与えられる分散を補償するように各信号光に第2の分散を与える分散補償装置において、
    該複数の信号光が前記光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償するように構成されたことを特徴とする、分散補償装置。
  28. 隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍であることを特徴とする、請求項25〜請求項27のいずれか1項に記載の分散補償装置。
  29. 前記の各波長の間隔が等間隔であることを特徴とする、請求項25〜請求項28のいずれか1項に記載の分散補償装置。
  30. 前記の各波長の間隔が不等間隔であることを特徴とする、請求項25〜請求項28のいずれか1項に記載の分散補償装置。
  31. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を光ファイバ伝送路によって伝送する光ネットワークにおける信号光波長選択方法であって、
    波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように各波長を選択し、
    該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる選択された各波長に基づく分散を、補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償することを特徴とする、光ネットワークにおける信号光波長選択方法。
  32. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を光ファイバ伝送路によって伝送する光ネットワークにおける信号光波長選択方法であって、
    波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように各波長を選択し、
    該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる選択された各波長に基づく分散を、補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償することを特徴とする、光ネットワークにおける信号光波長選択方法。
  33. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を光ファイバ伝送路によって伝送する光ネットワークにおける信号光波長選択方法であって、
    波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に存在するように各波長を選択し、
    該複数の信号光が前記光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる選択された各波長に基づく分散を、補償するとともに、少なくとも2以上の信号光の分散をこれらの信号光が波長多重化された状態のまま一括して補償することを特徴とする、光ネットワークにおける信号光波長選択方法。
  34. 隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍となるように選択することを特徴とする、請求項3〜請求項3のいずれか1項に記載の光ネットワークにおける信号光波長選択方法。
  35. 前記の各波長の間隔が等間隔であることを特徴とする、請求項3〜請求項34のいずれか1項に記載の光ネットワークにおける信号光波長選択方法。
  36. 前記の各波長の間隔が不等間隔であることを特徴とする、請求項3〜請求項34のいずれか1項に記載の光ネットワークにおける信号光波長選択方法。
  37. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる波長多重化装置において、
    複数の信号光を受信する光受信部と、
    該光受信部によって受信した複数の信号光を波長多重化して、光ファイバ伝送路に入射する波長多重化部とをそなえ、
    少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴とする、波長多重化装置。
  38. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる波長多重化装置において、
    複数の信号光を受信する光受信部と、
    該光受信部によって受信した複数の信号光を波長多重化して光ファイバ伝送路に入射する波長多重化部とをそなえ、
    少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴とする、波長多重化装置。
  39. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる波長多重化装置において、
    複数の信号光を受信する光受信部と、
    該光受信部によって受信した複数の信号光を波長多重化して光ファイバ伝送路に入射する波長多重化部とをそなえ、
    少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴とする、波長多重化装置。
  40. 隣り合う各波長の間隔は所定の波長または周波数の自然数倍としたことを特徴とする、請求項37〜請求項39のいずれか1項に記載の波長多重化装置。
  41. 前記の各波長の間隔が等間隔であることを特徴とする、請求項37〜請求項40のいずれか1項に記載の波長多重化装置。
  42. 前記の各波長の間隔が不等間隔であることを特徴とする、請求項37〜請求項40のいずれか1項に記載の波長多重化装置。
  43. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散 を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる波長分離装置において、
    該光ファイバ伝送路から受信する波長多重信号光を複数の信号光に波長分離する波長分離手段と、
    該波長分離手段によって波長分離された各信号光をそれぞれ出力する複数の光出力部とをそなえ、
    少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴とする、波長分離装置。
  44. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長くなるように設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる波長分離装置において、
    該光ファイバ伝送路から受信する波長多重信号光を複数の信号光に波長分離する波長分離手段と、
    該波長分離手段によって波長分離された各信号光をそれぞれ出力する複数の光出力部とをそなえ、
    少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴とする、波長分離装置。
  45. 波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を含む波長多重信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が該光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側または長波長側に設定され、該複数の信号光が該光ファイバ伝送路を伝送する際に、該複数の信号光に与えられる、設定された各波長に基づく分散を補償する分散補償手段とをそなえた光ネットワークで用いられる波長分離装置において、
    該光ファイバ伝送路から受信する波長多重信号光を複数の信号光に波長分離する波長分離手段と、
    該波長分離手段によって波長分離された各信号光をそれぞれ出力する複数の光出力部とをそなえ、
    少なくとも2以上の信号光の分散が、これらの信号光が波長多重化された状態のまま、該分散補償手段によって一括して補償されることを特徴とする、波長分離装置。
  46. 隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍である複数の信号光を処理するように構成されていることを特徴とする、請求項43〜請求項45のいずれか1項に記載の波長分離装置。
  47. 前記の各波長の間隔が等間隔であることを特徴とする、請求項43〜請求項46のいずれか1項に記載の波長分離装置。
  48. 前記の各波長の間隔が不等間隔であることを特徴とする、請求項43〜請求項46のいずれか1項に記載の波長分離装置。
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