JPH11313045A - 光ネットワーク,光送信装置,光受信装置,光増幅装置,分散補償装置,光ファイバおよび光ネットワークにおける信号光波長選択方法 - Google Patents

光ネットワーク,光送信装置,光受信装置,光増幅装置,分散補償装置,光ファイバおよび光ネットワークにおける信号光波長選択方法

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JPH11313045A
JPH11313045A JP11065415A JP6541599A JPH11313045A JP H11313045 A JPH11313045 A JP H11313045A JP 11065415 A JP11065415 A JP 11065415A JP 6541599 A JP6541599 A JP 6541599A JP H11313045 A JPH11313045 A JP H11313045A
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signal light
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英之 宮田
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Kazue Otsuka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバの零分散波長周辺の帯域を使用す
る場合に、効率よく光信号を配置することにより、光通
信システムの大容量化を実現する。 【解決手段】 波長多重化された互いに波長の異なる複
数の信号光を光ファイバによって伝送する光ネットワー
クにおいて、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が
前記光ファイバの零分散波長よりも長く、且つ、隣り合
う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍と
なるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(目次) 産業上の利用分野 従来の技術 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段 発明の実施の形態 ・第1実施形態の説明(図1〜図4) ・第2実施形態の説明(図5) ・第3実施形態の説明(図6,図7) ・第4実施形態の説明(図8) ・第5実施形態の説明(図9) ・第6実施形態の説明(図10〜図12) ・第7実施形態の説明(図13〜図22) ・第8実施形態の説明(図23〜図25) ・第9実施形態の説明(図26) ・第10実施形態の説明(図27) ・第11実施形態の説明(図28〜図30) ・第12実施形態の説明(図31〜図33) ・第13実施形態の説明(図34〜図36) ・第14実施形態の説明(図37〜図40) ・第15実施形態の説明(図41〜図43) 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、波長多重化された互い
に波長の異なる複数の信号光を用いて光通信を行なう光
通信システムに適用される、光ネットワーク,光送信装
置,光受信装置,光増幅装置,分散補償装置,光ファイ
バおよび光ネットワークにおける信号光波長選択方法に
関する。
【0003】
【従来の技術】近年の飛躍的な情報量の増加に伴い大容
量の通信システムが必要となってきており、現在、この
通信システムの構築のための研究も活発に行なわれてい
る。このような大容量化を実現する通信システムとして
は光通信システムが最も有望視されており、例えば、現
在では2.4Gb/sの光通信システムとともに、例え
ばエルビウムドープ光ファイバ増幅器(Er-Doped Fiber
Amplifier:以下、EDFAという)を用いた光増幅多
中継システムが実用化されつつあるが、今後、さらに進
行する情報化に伴い、情報量はますます増加することが
予想され、この情報量の増加に対応して大容量化された
光通信システム構築が望まれるところである。
【0004】光通信システムの大容量化の方法として
は、伝送速度の高速化という意味で時間軸上での多重化
をはかるTDM(時分割多重)方式や、光周波数軸上で
の多重化をはかるWDM〔波長分割多重;一般に、波長
間隔の比較的広いものをWDM方式、高密度多重したも
のをFDM(周波数分割多重)方式と呼んでいる〕方式
が挙げられる。
【0005】このうち、TDMのような多重化において
は、伝送速度を高速化させるため、送信機,受信機内の
電子回路の高速化が必要となり、現状では数十Gb/s
が限界と考えられている。一方、光ファイバの広帯域性
を利用したWDM(FDM)方式では、伝送速度の高速
化と併用することで、数十〜数百Gb/sの大容量化が
可能であり、光カプラ,光フィルタ等を用いた光多重化
装置,光分離装置(MUX/DEMUX)により、多重
・分離が光領域で簡単に行なえるため電子回路に対する
負担も軽減される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光周波数軸
上で波長多重して伝送するWDM(FDM)方式では、
光アンプの利得帯域依存性や光部品の波長依存性がある
ため、使用可能な帯域が制限される。従って、多重化に
よる大容量化のためにはチャネル間隔(信号光の波長間
隔)を狭くして全チャネルの示す帯域を狭くする必要が
ある。また、マルチギガビットの光伝送では、光ファイ
バの分散による波形劣化が生じるため、光信号の波長を
光ファイバの零分散波長の周辺に設定する必要がある。
【0007】しかしながら、従来、WDM方式において
波長多重化すべき複数の信号光の各波長(各チャネル)
の配置手法は未だ確立されておらず、効率よく信号光を
配置することで効率よく帯域を利用できるようにするこ
とが望まれている。本発明はこのような課題に鑑み創案
されたもので、光ファイバの零分散波長周辺の帯域を使
用する場合に、効率よく光信号を配置することにより、
光通信システムの大容量化を実現した、光ネットワー
ク,光送信装置,光受信装置,光増幅装置,分散補償装
置,光ファイバおよび光ネットワークにおける信号光波
長選択方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の光ネ
ットワーク(請求項1)は、波長多重化された互いに波
長の異なる複数の信号光を光ファイバによって伝送する
ものにおいて、波長多重化すべき複数の信号光の各波長
が前記光ファイバの零分散波長よりも短く、且つ、隣り
合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍
であることを特徴としている。
【0009】また、本発明の光ネットワーク(請求項
2)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信
号光を光ファイバによって伝送するものにおいて、波長
多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイバの
零分散波長よりも長く、且つ、隣り合う各波長の間隔が
所定の波長または周波数の自然数倍であることを特徴と
している。
【0010】さらに、本発明の光ネットワーク(請求項
3)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信
号光を光ファイバによって伝送するものにおいて、波長
多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイバの
零分散波長よりも短波長側または長波長側にあり、且
つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の
自然数倍であることを特徴としている。なお、上述した
光ネットワーク(請求項1〜3)において、前記の各波
長の間隔が等間隔であってもよいし(請求項4)、前記
の各波長の間隔が不等間隔であってもよい(請求項
5)。
【0011】本発明の光送信装置(請求項6)は、それ
ぞれ波長の異なる信号光を出力する複数の光出力手段
と、各信号光を波長多重化して光ファイバ伝送路に入射
させる波長多重化手段とをそなえ、各信号光の波長が前
記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短く、且つ、隣
り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数
倍となるよう前記の各光出力手段が構成されていること
を特徴としている。
【0012】また、本発明の光送信装置(請求項7)
は、それぞれ波長の異なる信号光を出力する複数の光出
力手段と、各信号光を波長多重化して光ファイバ伝送路
に入射させる波長多重化手段とをそなえ、各信号光の波
長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長く、且
つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の
自然数倍となるよう前記の各光出力手段が構成されてい
ることを特徴としている。
【0013】さらに、本発明の光送信装置(請求項8)
は、それぞれ波長の異なる信号光を出力する複数の光出
力手段と、各信号光を波長多重化して光ファイバ伝送路
に入射させる波長多重化手段とをそなえ、各信号光の波
長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側
または長波長側にあり、且つ、隣り合う各波長の間隔が
所定の波長または周波数の自然数倍となるよう前記の各
光出力手段が構成されていることを特徴としている。な
お、上述した光送信装置(請求項6〜8)において、前
記の各波長の間隔が等間隔であってもよいし(請求項
9)、前記の各波長の間隔が不等間隔であってもよい
(請求項10)。
【0014】本発明の光受信装置(請求項11)は、光
ファイバ伝送路から受信する光波長多重信号をそれぞれ
互いに波長の異なる複数の信号光に波長分離する波長分
離手段と、波長分離された各信号光をそれぞれ受信する
複数の光受信手段とをそなえてなるものにおいて、前記
波長分離手段および前記の各光受信手段は、各波長が前
記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短く、且つ、隣
り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数
倍である複数の信号光を処理するように構成されている
ことを特徴としている。
【0015】また、本発明の光受信装置(請求項12)
は、光ファイバ伝送路から受信する光波長多重信号をそ
れぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に波長分離する
波長分離手段と、波長分離された各信号光をそれぞれ受
信する複数の光受信手段とをそなえてなるものにおい
て、前記波長分離手段および前記の各光受信手段は、各
波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長く、
且つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数
の自然数倍である複数の信号光を処理するように構成さ
れていることを特徴としている。
【0016】さらに、本発明の光受信装置(請求項1
3)は、光ファイバ伝送路から受信する光波長多重信号
をそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に波長分離
する波長分離手段と、波長分離された各信号光をそれぞ
れ受信する複数の光受信手段とをそなえてなるものにお
いて、前記波長分離手段および前記の各光受信手段は、
各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波
長側または長波長側にあり、且つ、隣り合う各波長の間
隔が所定の波長または周波数の自然数倍である複数の信
号光を処理するように構成されていることを特徴として
いる。なお、上述した光受信装置(請求項11〜13)
において、前記の各波長の間隔が等間隔であってもよい
し(請求項14)、前記の各波長の間隔が不等間隔であ
ってもよい(請求項15)。
【0017】本発明の光増幅装置(請求項16)は、光
ファイバ伝送路を介して伝送されるそれぞれ互いに波長
の異なる複数の信号光を含む光波長多重信号を増幅する
ものにおいて、各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散
波長よりも短く、且つ、隣り合う各波長の間隔が所定の
波長または周波数の自然数倍である複数の信号光を含む
光波長多重信号を増幅するように構成されたことを特徴
としている。
【0018】また、本発明の光増幅装置(請求項17)
は、光ファイバ伝送路を介して伝送されるそれぞれ互い
に波長の異なる複数の信号光を含む光波長多重信号を増
幅するものにおいて、各波長が前記光ファイバ伝送路の
零分散波長よりも長く、且つ、隣り合う各波長の間隔が
所定の波長または周波数の自然数倍である複数の信号光
を含む光波長多重信号を増幅するように構成されたこと
を特徴としている。
【0019】さらに、本発明の光増幅装置(請求項1
8)は、光ファイバ伝送路を介して伝送されるそれぞれ
互いに波長の異なる複数の信号光を含む光波長多重信号
を増幅するものにおいて、各波長が前記光ファイバ伝送
路の零分散波長よりも短波長側または長波長側にあり、
且つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数
の自然数倍である複数の信号光を含む光波長多重信号を
増幅するように構成されたことを特徴としている。な
お、上述した光増幅装置(請求項16〜18)におい
て、前記の各波長の間隔が等間隔であってもよいし(請
求項19)、前記の各波長の間隔が不等間隔であっても
よい(請求項20)。
【0020】本発明の分散補償装置(請求項21)は、
光ファイバ伝送路を介して伝送されることによってそれ
ぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に与えられる分散
を補償するように各信号光に第2の分散を付加するもの
において、各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長
よりも短く、且つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長
または周波数の自然数倍である複数の信号光に与えられ
る分散を補償するように構成されたことを特徴としてい
る。
【0021】また、本発明の分散補償装置(請求項2
2)は、光ファイバ伝送路を介して伝送されることによ
ってそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に与えら
れる分散を補償するように各信号光に第2の分散を付加
するものにおいて、各波長が前記光ファイバ伝送路の零
分散波長よりも長く、且つ、隣り合う各波長の間隔が所
定の波長または周波数の自然数倍である複数の信号光に
与えられる分散を補償するように構成されたことを特徴
としている。
【0022】さらに、本発明の分散補償装置(請求項2
3)は、光ファイバ伝送路を介して伝送されることによ
ってそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に与えら
れる分散を補償するように各信号光に第2の分散を付加
するものにおいて、各波長が前記光ファイバ伝送路の零
分散波長よりも短波長側または長波長側にあり、且つ、
隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然
数倍である複数の信号光に与えられる分散を補償するよ
うに構成されたことを特徴としている。なお、上述した
分散補償装置(請求項21〜23)において、前記の各
波長の間隔が等間隔であってもよいし(請求項24)、
前記の各波長の間隔が不等間隔であってもよい(請求項
25)。
【0023】本発明の光ファイバ(請求項26)は、波
長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光を伝送
する、零分散波長を有するものにおいて、隣り合う波長
の間隔が、所定の波長または周波数の自然数倍の複数の
信号光を伝送するとともに、前記零分散波長が、波長多
重化すべき複数の信号光の各波長よりも短くなるように
構成されたことを特徴としている。
【0024】また、本発明の光ファイバ(請求項27)
は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信号光
を伝送する、零分散波長を有するものにおいて、隣り合
う波長の間隔が、所定の波長または周波数の自然数倍の
複数の信号光を伝送するとともに、前記零分散波長が、
波長多重化すべき複数の信号光の各波長よりも長くなる
ように構成されたことを特徴としている。
【0025】さらに、本発明の光ファイバ(請求項2
8)は、波長多重化された互いに波長の異なる複数の信
号光を伝送する、零分散波長を有するものにおいて、隣
り合う波長の間隔が、所定の波長または周波数の自然数
倍の複数の信号光を伝送するとともに、前記零分散波長
が、波長多重化すべき複数の信号光の各波長よりも短波
長側または長波長側となるように構成されたことを特徴
としている。なお、上述した光ファイバ(請求項26〜
28)において、前記の各波長の間隔が等間隔であって
もよいし(請求項29)、前記の各波長の間隔が不等間
隔であってもよい(請求項30)。
【0026】本発明の光ネットワークにおける信号光波
長選択方法(請求項31)は、波長多重化された互いに
波長の異なる複数の信号光を光ファイバによって伝送す
る光ネットワークにおける信号光波長選択方法であっ
て、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光フ
ァイバの零分散波長よりも短くなるように各波長を選択
し、隣り合う各信号光の波長の間隔が所定の波長または
周波数の自然数倍となるように各信号光の波長を選択す
ることを特徴としている。
【0027】また、本発明の光ネットワークにおける信
号光波長選択方法(請求項32)は、波長多重化された
互いに波長の異なる複数の信号光を光ファイバによって
伝送する光ネットワークにおける信号光波長選択方法で
あって、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記
光ファイバの零分散波長よりも長くなるように各波長を
選択し、隣り合う各信号光の波長の間隔が所定の波長ま
たは周波数の自然数倍となるように各信号光の波長を選
択することを特徴としている。
【0028】さらに、本発明の光ネットワークにおける
信号光波長選択方法(請求項33)は、波長多重化され
た互いに波長の異なる複数の信号光を光ファイバによっ
て伝送する光ネットワークにおける信号光波長選択方法
であって、波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前
記光ファイバの零分散波長よりも短波長側または長波長
側に存在するように各波長を選択し、隣り合う各信号光
の波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍とな
るように各信号光の波長を選択することを特徴としてい
る。なお、上述した信号光波長選択方法(請求項31〜
33)において、前記の各波長の間隔が等間隔であって
もよいし(請求項34)、前記の各波長の間隔が不等間
隔であってもよい(請求項35)。
【0029】上述した本発明の光ネットワーク(請求項
1〜5),光送信装置(請求項6〜10),光受信装置
(請求項11〜15),光増幅装置(請求項16〜2
0),分散補償装置(請求項21〜25),光ファイバ
(請求項26〜30)および光ネットワークにおける信
号光波長選択方法(請求項31〜35)では、光ファイ
バ(光ファイバ伝送路)の零分散波長周辺の帯域を使用
する場合に、効率よく光信号を配置することができる。
また、隣り合う各波長の間隔を所定の波長または周波数
の自然数倍とすることにより、信号光(チャネル)を、
同じ特性のファブリ・ペロ干渉計で制御することができ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (A)第1実施形態の説明 図1〜図4は本発明の第1実施形態としての光ネットワ
ークにおける信号光波長選択方法を説明するためのもの
で、図1はその方法により選択された複数チャネルの信
号光配置状態を示す図、図2はその信号光波長選択方法
を適用される光WDM分配伝送系(即ち、光送信装置,
光受信装置および光ファイバを有してなる光ネットワー
ク)の構成を示すブロック図、図3および図4はいずれ
もその動作を説明するための図である。
【0031】まず、図2により本実施形態の信号光波長
選択方法を適用される光WDM分配伝送系(光ネットワ
ーク)について説明すると、この図2において、1は送
信回路(光送信装置)であり、この送信回路1は、複数
のチャネルからの信号を、互いに周波数(波長)の異な
る信号光として高密度に多重化するものである。この送
信回路1は、各チャネル(CH−1〜CH−n)毎に設
けられたレーザダイオード(LD−1〜LD−n;光出
力手段)1aと、各チャネル毎のレーザダイオード1a
からの信号光を受けてこれらの信号光を多重化するため
の合波器(波長多重化手段)1bとをそなえて構成され
ている。
【0032】2は送信回路1からの多重化された信号光
を伝送するための光ファイバ(光ファイバ伝送路)、3
は光ファイバ2からの信号を各チャネルに分配する分配
器、4は各チャネルCH−i(i=1〜n)毎に設けら
れ該当する周波数(波長)の信号光を受信する受信回路
で、各受信回路4は、多重化された信号光から対応する
信号を抽出して出力する光フィルタ(波長分離手段)4
aと、光フィルタ4aを制御する制御回路4bと、光フ
ィルタ4aからの信号光を検出する検出器(光受信手
段)4cとをそなえて構成されている。
【0033】ところで、光ファイバ2の非線形効果とし
ての四光波混合〔以下、FWM(Four Wave Mixing)と
いう〕は、光ファイバ2の零分散波長周辺の帯域を用い
て、互いに周波数(波長)の異なる信号光を送信回路1
にて多重化して光ファイバ2に入力した時に、信号光間
の光周波数混合により発生する現象で、他チャネルから
のクロストーク(漏話)の要因となって信号伝送特性を
劣化させている。
【0034】光ファイバ2の零分散波長周辺の帯域を用
いた光WDM(FDM)伝送において、最も厳しい影響
を与えるのは光ファイバ2の非線形効果であるFWMで
ある。このFWMについてより詳細に説明すべく、FW
Mの影響を考慮して行なわれる必要があるシステムの設
計、特に、チャネル間隔,チャネル配置,入力パワーに
ついて以下に説明する。
【0035】例えば、周波数f1 〜fn (波長λ1 〜λ
n )の信号光を入力した場合、この中の任意の3波
i ,fj ,fk (λi ,λj ,λk )により、光ファ
イバ2の3次の非線形感受率χllllを介して発生した周
波数fijk (波長λijk ;i≠k,j≠k)の第4の光
が、FWMである。この周波数fijk (波長λijk
は、次式(1)の関係を満たす光周波数の位置に発生
し、間隔が等間隔でチャネル数が多い場合には、i,
j,kの組み合わせで周波数fijk (波長λijk )の位
置に幾つものFWMが発生して信号光に重畳されるため
クロストークはより悪化する。
【0036】 fijk =fi +fj −fk (λijk =λi +λj −λk ) (1) また、周波数fijk (波長λijk )の発生効率が高くな
るのは零分散波長近傍で、各周波数fi ,fj ,fk
ijk (各波長λi ,λj ,λk ,λijk )の位相関係
により効率が変化する(後で述べる位相不整合量Δβが
小さい程、効率は高くなる)。
【0037】一般に、3つの信号チャネルの偏波が一致
している場合、FWMの光電力(光パワー)Pijk は次
式(2)で表される。 Pijk = ηijk ・{(1024π6 ・χllll 2 ・d2)/(n4 ・λ2 ・c2 )} ・(Leff /Aeff )2・Pi ・Pj ・Pk ・exp(−αL)(2) ただし、ηijk は周波数fijk (波長λijk )の発生効
率、χllllは3次の非線形感受率、dは縮退係数(i≠
j≠kの時、d=6,i=j≠kの時、d=3)、nは
コアの屈折率、λは信号波長、cは光速、Leff は次式
(3)により与えられる実効光ファイバ長、Aeff は実
行断面積(=πW2 ,Wはモードフィールド径)、αは
光ファイバの減衰係数、Pi ,Pj ,Pk はそれぞれ周
波数fi,fj ,fk (波長λi ,λj ,λk )の信号
光の入力パワーである。
【0038】 Leff ={1−exp(−αL)}/α (3) ここで、発生効率ηijk (=η)は次式(4)で表され
る。 η=α2 ・[1+4exp(-αL)・sin2(ΔβL/2)/{1-exp(- αL)}2 ] /(α2 +Δβ2 ) (4) なお、Lは光ファイバ長、Δβは位相不整合量である。
また、光ファイバ2の分散スロープdD/dλが波長に
対して一定であるとすると、位相不整合量Δβは次式
(5),(6)で表される。
【0039】 (a)fi ≠fj ≠fk (λi ≠λj ≠λk )の場合 Δβ=(πλ4 /3c2 )・(dD/dλ) ・{(fi +fj −fk −f03 −(fi −f03 −(fj −f03 +(fk −f03 )} (5) (b)fi =fj ≠fk (λi =λj ≠λk )の場合 Δβ=(πλ4 /c2 )・(dD/dλ) ・2・(fi −f0 )・(fi −fk 2 (6) ここで、Dは光ファイバの波長分散、dD/dλは2次
の光ファイバの波長分散、f0 は零分散光周波数であ
る。ただし、上記(5),(6)式における周波数
i ,fj ,fk ,f0 をそれぞれ波長λi ,λj ,λ
k ,λ0 に置き換えたものも、上式と同様に成立する。
【0040】多チャネルの場合、周波数fijk (波長λ
ijk )の位置に発生するFWMのi,j,kの組み合わ
せを求め、各々について光電力Pijk を求める。そし
て、その総和が周波数fijk (波長λijk )の位置に発
生するFWMの光パワーとなる。その光パワーの総和を
用いてクロストーク量CRは次式(7)のように与えら
れる。
【0041】 CR=10・log {(fijk の位置に発生する全てのFWM光パワーの総和) /(fijk の位置にある信号光パワー)} (7) 上式(2),(4)〜(7)を用いればFWMの影響を
見積もることができ、チャネル間隔やチャネル配置や入
力パワー等のシステムのパラメータの値を設計すること
が可能となる。以下に説明する第1〜第6実施形態の作
用効果の説明に際しては、適宜、上述した式により得ら
れたFWMの影響の見積もり(図3,図4,図7,図1
1,図12参照)を用いている。
【0042】さて、前述したように、光ファイバ2の分
散による波形劣化を防止するために、光ファイバの零分
散波長周辺の帯域を利用する必要があるとともに、上記
帯域で多重化した場合に顕著になるFWMの影響を考慮
に入れたチャネル間隔および信号チャネル配置が必要で
あるが、これらに対応して、本発明の第1実施形態にか
かる信号光波長選択方法では、例えば図1に示すように
各チャネルの信号光が配置される。
【0043】この図1に示すようなチャネル配置によれ
ば、零分散波長λ0 からある一定幅のFWM抑圧用ガー
ドバンド5を設け、このガードバンド5の外の、零分散
波長λ0 よりも長波長側6に信号光が配置されている。
つまり、第1実施形態では、波長多重化すべきn個の信
号光(チャネル)の各波長が光ファイバ2の零分散波長
λ0 よりも長くなるように各波長を選択するとともに、
隣り合う各信号光の波長の間隔が所定の周波数(または
波長)の自然数倍となるように各信号光の波長を選択し
ている。例えば、第1実施形態では、所定の周波数を5
0GHzとし、隣り合う波長の間隔(チャネル間隔)を
その3倍つまり150GHzとする。従って、各波長の
間隔は等間隔となっている。
【0044】上述の構成により、本発明の第1実施形態
にかかる信号光波長選択方法では、送信回路1にて、各
チャネルからの信号が、互いに周波数(波長)の異なる
信号光として高密度に多重化され光ファイバ2を介して
伝送される。光ファイバ2により伝送された信号光は、
分配器3にて分離されて、各チャネルに対応した受信回
路4に入力され、入力チャネルに対応した周波数(波
長)の信号光として検出される。
【0045】このとき、例えば、送信回路1のチャネル
数を16(n=16)、チャネル間隔を150GHz(所定の
周波数50GHzの3倍)、光ファイバ2の長さLを9
0km、1チャネル当たりの光入力パワーPを+3dBm と
したシステムの場合には、各チャネルのクロストーク量
の計算結果は図3に示す通りである。この計算に用いた
パラメータは、χllll=5.0 ×10-15 cm3 /erg(esu) ,
eff =4.6 ×10-112 ,α=5.2958×10-5-1(0.2
3dB/km),dD/dλ=0.065ps/(km ・nm2)となってい
る。
【0046】この図3において、図中の‘0.0ps’等
の記載は、CH1(チャネル番号1)での分散の値であ
る。チャネル番号(CH No.)が増えるにつれ分散
値は分散スロープdD/dλに従って大きくなる。図3
に示す結果より、CH2,CH3,CH4でのクロスト
ーク量が最も大きなものとなる。
【0047】これらのCH2,CH3,CH4に注目し
て計算した結果を図4に示す。この図4に示すように、
例えば、クロストーク量を30dB以下に抑えるために
は、CH1の分散値を0.64ps/nm/km以上にすればよ
く、例えばdD/dλ=0.065ps/(km ・nm2)とする
と、CH1を零分散波長λ0 から約10nm離せばよく、
10nmのガードバンド5を設定すればよいことになる。
【0048】このように、第1実施形態の信号光波長選
択方法によれば、光ファイバ2の零分散波長λ0 からガ
ードバンド5を介して各チャネルの信号光を配置するこ
とにより、FWMの影響を抑圧できクロストークによる
他チャネルからの影響が抑制されるとともに、効率よく
帯域を利用することができるので、高い伝送精度を維持
しつつ光通信システムの大容量化を実現できる。
【0049】ところで、送信回路1では、複数のレーザ
ダイオード1aの波長を所望のチャネル配置,チャネル
間隔で安定化する必要があり、受信回路4では、チャネ
ルを選択し抽出する必要がある。前述したようなFWM
の影響を抑えるために要求されるチャネル配置,チャネ
ル間隔は、送信回路1で制御しやすいこと、且つ、受信
回路4で抽出しやすいことが望まれる。
【0050】一般に、チャネル間隔の制御は、光干渉計
の周期的な特性を利用して行なわれる。例えば、チャネ
ル間隔の制御をファブリ・ペロ干渉計を用いて行なう場
合、所望のチャネル間隔がファブリ・ペロ干渉計の透過
ピークの間隔に等しい、あるいは透過ピークの間隔の自
然数倍である時には、1つのファブリ・ペロ干渉計を基
準にしてその透過ピークの位置に個々のレーザダイオー
ド1aの波長を安定化すれば全チャネルの制御を簡単に
実現することができるが、不等間隔で並んでいる場合に
は、制御が複雑になる。
【0051】このような観点から、前述のごとくチャネ
ル間隔を所定周波数または所定波長(光干渉計の透過ピ
ークの一周期の間隔またはその自然数倍)の自然数倍に
設定することで、同じ特性をもつ1個または2個のファ
ブリ・ペロ干渉計により、チャネル(信号光)を制御す
ることができる。また、受信回路4に関しても同様で、
チャネル間隔を所定周波数または所定波長の自然数倍に
設定することにより、同特性の干渉計を使用できる。
【0052】従って、第1実施形態の信号光波長選択方
法によれば、送信側でのチャネル間隔を、1個または2
個のファブリ・ペロ干渉計で制御できるので、送信側の
制御を簡易なものにできる利点がある。また、受信側に
関しても同様で、チャネル間隔を所定周波数または所定
波長の自然数倍に設定することにより、送信側と同特性
の干渉計を使用できるようになり、選択受信が容易にな
るとともに装置を簡略化できるなどの利点がある。
【0053】なお、本実施形態においては、信号光を零
分散波長λ0 よりも長波長側6に配置しているが、零分
散波長λ0 よりも短波長側7にガードバンド5を介して
信号光を配置してもよい。
【0054】(B)第2実施形態の説明 次に、本発明の第2実施形態としての光ネットワークに
おける信号光波長選択方法について説明すると、図5は
その方法により選択された複数チャネルの信号光配置状
態を示す図である。なお、第2実施形態としての信号光
波長選択方法も、図2により説明した光WDM分配伝送
系(光ネットワーク)と同様のものに適用されるので、
その説明は省略する。
【0055】そして、本実施形態にかかる信号光波長選
択方法では、図5に示すように、零分散波長λ0 の両側
にFWM抑圧用ガードバンド5を設け、ガードバンド5
の外の短波長側7,長波長側6のそれぞれに各チャネル
の信号光を配置するようになっている。つまり、第2実
施形態では、波長多重化すべきn個の信号光(チャネ
ル)の各波長が光ファイバ2の零分散波長λ0 よりも短
波長側7および長波長側6の両方に存在するように各波
長を選択し、隣り合う各信号光の波長の間隔が所定の周
波数(または波長)の自然数倍となるように各信号光の
波長を選択している。例えば、第2実施形態でも、第1
実施形態と同様、所定の周波数を50GHzとし、隣り
合う波長の間隔(チャネル間隔)をその3倍つまり15
0GHzとする。従って、各波長の間隔は等間隔となっ
ている。
【0056】上述のようなチャネル配置を行なうことに
より、第2実施形態の信号光波長選択方法によれば、第
1実施形態と同様の作用効果が得られるほか、光増幅器
の帯域内、あるいは光部品の帯域内に零分散波長λ0
位置する場合においても、制限のある帯域内でFWMの
効果を抑えてクロストークによる他チャネルからの影響
を抑制しつつ効率よくコンパクトに信号光を配置するこ
とができるので、高い伝送精度を維持しつつシステムの
大容量化を実現できる利点がある。
【0057】(C)第3実施形態の説明 次に、本発明の第3実施形態としての光ネットワークに
おける信号光波長選択方法について説明すると、図6は
その方法により選択された複数チャネルの信号光配置状
態を示す図、図7はその動作を説明するための図であ
る。なお、第3実施形態の信号光波長選択方法も、図2
により説明した光WDM分配伝送系(光ネットワーク)
と同様のものに適用されるので、その説明は省略する。
【0058】そして、第3実施形態の信号光波長選択方
法では、図6に示すように、FWM抑圧用ガードバンド
5が、零分散波長λ0 を中心として、短波長側7および
長波長側6とで、非対称となるように設けられるととも
に、多重化される信号光のチャネル間隔を、短波長側7
(Δf)と長波長側6(Δf′)とで互いに異なるよう
に設定して配置するようになっている。なお、短波長側
7および長波長側6のそれぞれにおける各波長の間隔は
等間隔になっている。
【0059】ガードバンド5の短波長,長波長の各側で
チャネル間隔を変えて、ガードバンドの短波長側の信号
光と長波長側の信号光との間で生じるFWM光の発生位
置が何れかの信号光波長と一致するのを防止することが
でき、クロストークによる他チャネルからの影響が抑制
される。ここで、FWM光が発生する帯域を信号光の帯
域からずらす幅としては、その幅を受信側の光フィルタ
4aで抑圧できる範囲のものが望ましい。
【0060】例えば、図7に示すように、左右のチャネ
ル間隔を変え短波長側7で200GHz(つまり所定周波数5
0GHzの4倍)、長波長側6で150GHz(つまり所定周
波数50GHzの3倍)とし、且つ、ガードバンド5の
幅を短波長側7で1.6nm、長波長側6で4nmとした場
合、チャネル間にFWM光は発生するが、信号光の帯域
にはFWM光の発生は少なくなり、クロストーク量も減
少する。このようにして、第3実施形態の信号光波長選
択方法によっても、第1実施形態や第2実施形態と同様
の作用効果を得ることができる。
【0061】(D)第4実施形態の説明 次に、本発明の第4実施形態としての光ネットワークに
おける信号光波長選択方法について説明すると、図8は
その方法により選択された複数チャネルの信号光配置状
態を示す図である。なお、第4実施形態の信号光波長選
択方法も、図2により説明した光WDM分配伝送系(光
ネットワーク)と同様のものに適用されるので、その説
明は省略する。
【0062】そして、第4実施形態の信号光波長選択方
法では、図8に示すように、短波長側7および長波長側
6のそれぞれにおけるチャネル間隔を所定周波数もしく
は所定波長の自然数倍に設定するようになっており、長
波長側6におけるチャネル間隔は、第1,第2実施形態
と異なって、不等間隔に設定されている。
【0063】例えば、チャネル間隔ΔfをΔf=A・X
とすれば、チャネルn+4とチャネルn+5とのチャネ
ル間隔をΔf′=B・Xとし、チャネルn+m−1とチ
ャネルn+mとのチャネル間隔をΔf′′=C・Xとす
る。ここで、Xは所定数、A,B,Cは自然数である。
また、この図8に示すように、本実施形態でも、FWM
抑圧用ガードバンド5は、零分散波長λ0 を中心とし
て、短波長側7および長波長側6とで、非対称となるよ
うに設けられている。
【0064】このようにして、第4実施形態の信号光波
長選択方法によっても、第1実施形態や第2実施形態と
同様の作用効果を得ることができる。なお、本実施形態
において、複数チャネルの信号光の隣接するチャネル間
隔を、ガードバンド5外の短波長側7においても不等間
隔に設定することも可能である。ただし、その場合で
も、各波長の間隔は所定周波数もしくは所定波長の自然
数倍とする。
【0065】(E)第5実施形態の説明 次に、本発明の第5実施形態としての光ネットワークに
おける信号光波長選択方法について説明すると、図9は
その方法により選択された複数チャネルの信号光配置状
態を示す図である。なお、第5実施形態の信号光波長選
択方法も、図2により説明した光WDM分配伝送系(光
ネットワーク)と同様のものに適用されるので、その説
明は省略する。
【0066】そして、第5実施形態の信号光波長選択方
法では、図9に示すように、FWM抑圧用ガードバンド
5の両側に配置された各チャネルの信号光の間隔が、ガ
ードバンド5をはさんで互いに一定数の整数倍分離れて
いる関係を満たすように、各チャネルの信号光の周波数
(波長)が設定されている。具体的には、チャネル(C
H)iの光周波数をfとすると、任意のチャネルjの光
周波数は、f±A・X(A:自然数、X:定数)を満た
すように設定されている。
【0067】上述のようにチャネル配置を行なうことに
より、第5実施形態の信号光波長選択方法によれば、ガ
ードバンド5をはさんで各チャネル間隔を所定周波数ま
たは所定波長(光干渉計の透過ピークの一周期の間隔ま
たはその自然数倍)の自然数倍に設定でき、送信側での
チャネル間隔の制御を1つの光干渉計だけで実現できる
とともに、受信側においても同特性の干渉計を用いれば
よいので、選択受信が容易になると共に装置がさらに簡
略化する利点がある。
【0068】(F)第6実施形態の説明 次に、本発明の第6実施形態としての光ネットワークに
おける信号光波長選択方法について説明すると、図10
はその方法により選択された複数チャネルの信号光配置
状態を示す図、図11および図12はいずれもその動作
を説明するための図である。なお、第6実施形態の信号
光波長選択方法も、図2により説明した光WDM分配伝
送系(光ネットワーク)と同様のものに適用されるの
で、その説明は省略する。
【0069】そして、第6実施形態の信号光波長選択方
法では、図10に示すように、光周波数(光波長)軸上
でみて、零分散波長λ0 で折り返してみた場合、2つ以
上のチャネルが重ならないようにチャネルを配置する
(分散値の絶対値の等しい組が1組以下になるように配
置する)。図10に示す例では、CH3とCH8との1
組のみが重なっている。
【0070】例えば、送信回路1のチャネル数を16、
チャネル間隔を150GHz,200GHz,250GHz(所定周波数5
0GHzの自然数倍)、光ファイバ2の長さLを90k
m、1チャネル当たりの光入力パワーPを0dBm とし、
短波長側のガードバンド幅を1.6nm、且つ、長波長側
のガードバンド幅を2.4nmとしたシステムの場合、各
チャネルのクロストークの計算結果は図11に示す通り
である。また、送信回路1のチャネル数を16、チャネ
ル間隔を150GHz,200GHz,300GHz、光ファイバ2の長さ
Lを90km、1チャネル当たりの光入力パワーPを0dB
m とし、短波長側のガードバンド幅を1.6nm、且つ、
長波長側のガードバンド幅を2nmとしたシステムの場合
には、各チャネルのクロストークの計算結果は図12に
示す通りである。この図11あるいは図12に示すよう
に、全チャネルはほぼクロストークは−30dB前後で
良好な値を示している。
【0071】第3実施形態に示した図7では、CH2,
CH5,CH11,CH15のクロストークの影響が表
れているが、この図7のチャネル配置では、零分散波長
λ0で折り返すと、CH2とCH15とが重なり、CH
5とCH11とが重なってしまう。言い換えれば、これ
らの2組は分散値の絶対値が同じものである。これに対
して、本実施形態では、図11,図12に示すように、
分散値の絶対値が同じものを1組だけにすることで、前
述の通り、全チャネルほぼ−30dB前後で良好な値を示
している。
【0072】零分散波長λ0 をはさんで2組以上分散値
の絶対値が同じものがあると、前記(5)式からも分か
るように、2組の中の3つのチャネルの組み合わせで位
相不整合量Δβが0になってしまい、残りの1つのチャ
ネル位置にFWM光が高い効率で発生してしまう。結
局、2組の4つのチャネル全ての光周波数位置にFWM
光が発生してクロストークを悪化させる。従って、図1
1,図12に示す本実施形態のごとく、分散値の絶対値
の同じものが2組以上にならないようにする(1組以下
にする)必要がある。
【0073】このように、第6実施形態の信号光波長選
択方法によれば、零分散波長λ0 をはさんで2組以上分
散値の絶対値が同じものがないので、FWM光の発生を
抑圧することができ、クロストークによる他チャネルか
らの影響をより確実に抑制できるほか、前述した各実施
形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、上述
した第1〜第6実施形態では、チャネル間隔を周波数に
より設定しているが、波長により設定してもよく、この
場合も、上述した実施形態と同様の作用効果を得ること
ができる。
【0074】(G)第7実施形態の説明 さて、光ファイバの零分散波長周辺の帯域を使用したW
DM方式による光伝送系〔光ネットワーク;第7実施形
態では図15により後述するような光増幅多中継システ
ム(再生中継システム)〕において、信号光間のFWM
によるクロストークを抑制して避けるためには、前述し
たように信号光帯域と光ファイバの零分散波長とを離す
必要がある。
【0075】このときのチャネル配置は、主に、FWM
抑圧のためのガードバンド(第1〜第6実施形態により
説明したガードバンド5),SPM−GVD効果による
制限帯域,EDFAの利得帯域によって決定される。ま
た、実際の光ファイバの零分散波長は長手方向にばらつ
いており、零分散波長とそのばらつきとを管理すること
が、システム設計上、極めて重要である。さらに、光分
散補償器(分散補償装置)を用いることにより、見かけ
の零分散波長をシフトさせることができ、これは、後述
するごとく、零分散波長ばらつきを許容する効果を有し
ている。
【0076】以下に説明する第7実施形態および第8実
施形態では、以上の要因を考慮したときの、WDM方式
におけるチャネル配置法について説明する。これは、逆
に言えば、チャネル数とチャネル間隔とが決まっている
状況下での光ファイバの零分散波長とそのばらつきとの
規定法とも考えることができる。
【0077】以下の説明では、まず、信号光帯域の制限
要因である(a)波長多重信号帯域,(b)EDFAの
利得帯域,(c)FWM抑圧のためのガードバンド,
(d)SPM−GVD効果による制限帯域について説明
した後に、光分散補償器の挿入有無を考慮してチャネル
配置と光ファイバの所要特性との関係について説明す
る。なお、SPM−GVD効果とは、伝送距離と伝送速
度との制限要因の一つである、自己位相変調と波長分散
(群速度分散)との相互効果のことである。
【0078】・制限要因について (a)波長多重信号帯域 n波の信号光を等波長間隔ΔλS で配置した場合、波長
多重信号光帯域ΔλWD M はΔλS ×(n−1)で表され
る。なお、等波長間隔配置の場合、信号光帯域内のFW
M光が大きくなりがちである一方、第4,第5実施形態
にて前述した通り、波長安定化制御は容易になる。
【0079】(b)EDFA利得帯域 WDM方式の光伝送の場合、各波の受信特性を等しくす
るために、それぞれの信号光パワーを等しくする必要が
あり、そのためには、EDFAの利得が平坦な周波数帯
域を使用しなければならない。例えば、図16には、E
DFAを4段接続した後のASE(自然放出光:Amplif
ied Spontaneous Emission)のスペクトル例を示すが、
現状のEDFA技術では、1550〜1560nmの範囲が、利得
が平坦な周波数帯域であり、この帯域幅(ΔλEDFA=1
0nm)内に全てのチャネルの信号光を配置することが望
ましい。なお、図16に示すASEスペクトル分布はほ
ぼEDFAの利得分布に等しいものである。
【0080】なお、上述以外の周波数帯域としては、利
得の等しい1535nm付近が挙げられる。また、このときの
チャネル間隔を決定する要因としては、波長選択フィル
タ特性や半導体レーザの波長安定性等がある。さらに、
EDFAの利得帯域幅ΔλED FAを拡大する手段として
は、EDFA動作点の最適化,EDF組成の最適化,光
ノッチフィルタの挿入等が考えられる。
【0081】(c)FWM抑圧のためのガードバンド 第1実施形態においても説明した通り、光ファイバの零
分散波長周辺の帯域を用いた光WDM(FDM)伝送に
おいて、FWMの影響を考慮して、チャネル間隔,チャ
ネル配置,入力パワーを設定する必要がある。例えば、
波長λ1 〜λnの信号光を入力した場合、この中の任意
の3波λi ,λj ,λk により、光ファイバの3次の非
線形感受率χllllを介して、波長λijk (i≠k,j≠
k)の第4の光(FWM)が発生する。
【0082】この波長λijk は、前記(1)式の関係を
満たし、その位置に信号光がある場合にはクロストーク
となって伝送特性を劣化させる。特に、チャネル間隔が
等間隔でチャネル数が多い場合には、i,j,kの組み
合わせで波長λijk の位置に複数のFWMが重畳され、
クロストーク量が増加する。また、波長λijk の発生効
率ηijk は各波長λi ,λj ,λk ,λijk の位相関係
により変化し、光ファイバの零分散波長λ0 近傍で大き
くなる。
【0083】一般に、3つの信号光の偏波および光ファ
イバ入力端での位相が一致している場合、FWM光パワ
ーPijk と発生効率ηijk は、それぞれ、上述した
(2),(3)式および(4)〜(6)式で表される。
例えば、図17に示すように、16波の信号光を波長間
隔ΔλS =1.2nmの等間隔に配置した場合の、チャネ
ル1の分散値Dch1 を変化させたときの各チャネルへの
クロストーク量〔前述した(7)式参照〕の計算例を図
18に示す。この計算に用いたパラメータは、λ=1.55
μm,χllll=5.0 ×10-15 esu,Aeff =4.6 ×10-11
2 ,α=5.3 ×10-5-1(0.23dB/km),dD/dλ=0.
065ps /(km・nm2),L=90km,Pi =0dBm/chとなっ
ている。
【0084】この図18に示すように、各チャネルに重
畳されるFWM光の組合せ数は、中心の7,8チャネル
で最大になるが、各チャネルでの分散値が異なるため
に、チャネル2〜4でクロストーク量が最大となる(こ
れは第1実施形態において図3により説明したものと同
様の結果である)。所要クロストーク量を−30dBとす
ると、チャネル1の分散値Dch1 を0.25ps/(km・nm) 以
上にする必要がある。つまり、零分散波長λ0 とチャネ
ル1の波長λ1 との波長間隔を3.8nm以上とる必要が
あり、これを本実施形態のFWM抑圧用ガードバンドΔ
λg と呼ぶ。
【0085】(d)SPM−GVD効果による制限帯域 図15は本発明の第7実施形態としての光ネットワーク
における信号光波長選択方法を適用される再生中継シス
テム(光ネットワーク,光伝送系)の構成を示すブロッ
ク図で、この図15において、11は電気信号を光信号
(信号光)に変換するとともに図2により前述した構成
(送信回路1/光送信装置)により光波長多重を行なう
送信機、12は光伝送路(光ファイバ2)中にほぼ一定
間隔LIn -line で挿入され線路損失により減衰した信号
を増幅するインライン中継器(In-line amplifier;光増
幅装置)である。
【0086】また、13は光伝送路(光ファイバ2)中
にほぼ一定間隔LR-rep (インライン中継器12の間隔
In-line よりも広い間隔)で挿入される再生中継器
(Regenerative-repeater)で、この再生中継器13は、
線路特性に依存した雑音の影響によって劣化した信号光
が、識別不可能な状態になる前に新たなパルスにつくり
直して伝送するためのもので、等化増幅(Reshaping),
リタイミング(Retiming),識別再生(Regenerating)の
3つのRからなる機能を有し、3R中継器とも呼ばれ
る。
【0087】さらに、14は図2により前述した構成
(受信回路4/光受信装置)により多重化された信号光
を分離するとともに各信号光を電気信号に変換する受信
機である。そして、本実施形態では、上述した送信機1
1と受信機14とを、複数のインライン中継器12およ
び再生中継器13を介して光ファイバ2により接続する
ことで、光増幅多中継WDM方式による光伝送系(再生
中継システム/光ネットワーク)10が構成されてい
る。
【0088】さて、上述のような光伝送系10の場合、
再生中継器13の間隔LR-rep は、主に、インライン
中継器12でのASE累積による光SNR(Signal to
Noise Ratio)劣化と、光ファイバ2中でのKerr効果を
介したSPM−GVD効果による波形劣化との2つの要
因で制限される。同時に、光ファイバ2中への入力パワ
ーの下限は光SNRにより制限され、上限はSPM−G
VD効果によって制限される。なお、SPM−GVD効
果による波形劣化の評価に対しては、一般に、スプリッ
ト・ステップ・フーリエ法を用いて非線形シュレディン
ガー方程式を解くことによるシミュレーションが有効で
ある。
【0089】図19に、伝送速度を10Gbps、インライ
ン中継器12の間隔LIn-line を70kmとして1波のみ
を伝送する場合の光ファイバ2への入力パワーと再生中
継器13の間隔LR-rep との関係の例を示す。各光増幅
器(インライン中継器12)からの光出力の変動を±2
dBと仮定すると、許容分散値Dallow =±1ps/(nm・k
m) の場合は、再生中継器13の間隔LR-rep の最大値
は280kmとなり、許容分散値Dallow =±2ps/(nm・
km) の場合は、再生中継器13の間隔LR-rep の最大値
は210kmとなる。長距離伝送を実現するためには、許
容分散値を小さく且つ光ファイバ2への入力パワーを大
きく設定する必要がある。
【0090】・チャネル配置と光ファイバの所要特性と
の関係について WDM方式による光伝送を行なう場合に考慮しなければ
ならないDSF(分散シフトファイバ/光ファイバ2)
の所要特性としては、前述した通り、零分散波長λ
0 ,零分散波長ばらつき±Δλ0 ,分散スロープ
(二次分散)dD/dλの3つが挙げられる。ここでの
零分散波長ばらつき±Δλ0 は、DSFの製造上のばら
つきだけでなく、再生中継器13の間隔LR-rep 内での
光ファイバ2の長手方向の零分散波長λ0 の最大変動幅
を意味する。
【0091】図20は、実際のDSFに2波の信号光を
入力し、その一方の波長λ2 を1557nmに固定し、もう一
方の波長λ1 を変化させたときのFWM発生効率ηの測
定結果(図20中、白丸を実線で接続したもの)を示し
ている。このとき、光ファイバ長を60km、各信号光パ
ワーを+4dBm とした。零分散波長λ0 を一定値に固定
した場合の計算結果(図20中の点線)と比較すると、
測定値は広い波長範囲に分布しており、これは、実際の
DSFの零分散波長λ0 が長手方向にばらついているこ
とを意味している。
【0092】上述の諸点を考慮して、本発明の第7実施
形態の信号光波長選択方法では、例えば図13に示すよ
うに、各チャネルの信号光が配置される。なお、本実施
形態では、4つのチャネルの信号光を波長多重して光伝
送する場合について説明する。即ち、図13に示すよう
に、光ファイバ2の零分散波長λ0 と光ファイバ2の長
手方向の零分散波長ばらつき±Δλ0 とを考慮し、光フ
ァイバ2についての零分散波長ばらつき範囲の短波長端
(λ0 −Δλ0)よりも短波長側に、多重化すべき4つの
チャネルの信号光を等間隔ΔλS で配置している。
【0093】このとき、光ファイバ2についての零分散
波長ばらつき範囲の短波長端(λ0−Δλ0)よりも短波
長側には、FWM抑圧用ガードバンドΔλg を設け、波
長(λ0 −Δλ0 −Δλg ) よりもさらに短波長側に、
4つのチャネルの信号光(チャネル1〜4で波長λ1
λ4 )を配置している。本実施形態では、チャネル1の
波長λ1 は、DSF(光ファイバ2)の零分散波長λ0
から短波長側に(Δλ 0 +Δλg )だけ離れた位置に設
定されている〔波長(λ0 −Δλ0 −Δλg )がチャネ
ル1の波長λ1 と一致するように設定されている〕。
【0094】また、本実施形態では、光ファイバ2中で
のSPM−GVD効果により決定される許容分散値D
allow により規定される伝送可能帯域ΔλSPM-GVD
に、4つのチャネルの信号光が配置されている。つま
り、図13に示すように、伝送可能な信号光波長範囲
は、光ファイバ2についての零分散波長ばらつき範囲の
長波長端(λ0 +Δλ0)から短波長側へ、ΔλSPM-GVD
=|Dallow |/(dD/dλ)以内の領域である。こ
のとき、4波とも伝送可能で且つ零分散波長ばらつきΔ
λ0 をできるだけ大きく許容するために、波長λ
SPM-GVD 〔=(λ0 +Δλ0)−ΔλSPM-GVD 〕とチャネ
ル4の波長λ4 とが一致するように設定されている。
【0095】さらに、本実施形態では、光ファイバ2に
接続されるEDFA(インライン中継器12に配置され
る光増幅器)の利得帯域ΔλEDFA(例えば図16に示す
ような1550〜1560nmの範囲) 内に、4つのチャネルの信
号光が配置される。なお、図13中には図示しないが、
半導体レーザ(信号光の光源)の製造性や波長制御精度
による各信号光の光波長変動分を考慮する場合には、そ
の変動分に応じて、複数チャネルの信号光を配置する帯
域ΔλWDM を拡張して設定する。
【0096】ここで、図13に示した信号光配置例につ
いて、より具体的に数値例を挙げて説明する。例えば、
伝送速度10Gbpsの4波の信号光を波長間隔ΔλS =2nm
の等間隔でDSF(光ファイバ2)の零分散波長λ0
りも短波長側に配置し、インライン中継器12の間隔L
In-line を70km、再生中継器13の間隔LR-rep を2
80kmとした場合について、チャネル配置とDSFの所
要特性との関係について説明する。
【0097】まず、光ファイバ長を70km、各チャネル
の入力パワーを+6dBm としたときの波長間隔ΔλS
対する、全てのチャネルでのクロストーク量が−30dB
以下になるガードバンドΔλg の関係を図21に示す。
この図21より、波長間隔ΔλS =2nmの場合(信号光
帯域ΔλWDM =6nm)は、ガードバンドΔλg =3nmが
必要であることが分かる。
【0098】そして、図13に示すように、EDFAの
利得帯域(1550〜1560nm)を有効利用するため、チャネ
ル1の波長λ1 を利得帯域の長波長端である1560nmに設
定する。このとき、波長λ1 は、前述した通りDSFの
零分散波長λ0 から短波長側に(Δλ0 +Δλg )だけ
離れた波長となる。
【0099】また、図19より、再生中継器13の間隔
R-rep =280kmであるための許容分散値Dallow
−1ps/(nm・km) であるので、伝送可能な信号光波長範
囲は、前述した通り、波長(λ0 +Δλ0)から短波長側
へ、ΔλSPM-GVD =|Dallo w |/(dD/dλ)以内
の領域であり、4波とも伝送可能で且つ零分散波長ばら
つきΔλ0 をできるだけ大きく許容するために、波長
(λ0 +Δλ0)−ΔλSP M-GVD とチャネル4の波長λ4
とが一致するように設定する。これらの条件から、Δλ
SPM-GVD ,Δλ0 ,λ0 の各値は次のように規定され
る。
【0100】 ΔλSPM-GVD =|Dallow |/(dD/dλ) =1(ps/(nm・km))/0.08(ps/(nm2 ・km))=12.5nm Δλ0 =(ΔλSPM-GVD −ΔλWDM −Δλg )/2=1.75nm λ0 =λ1 +Δλ0 +Δλg =1564.75nm 以上の数値は、ばらつきΔλ0 が最小の場合のものであ
る。なお、分散スロープdD/dλが小さいほど、Δλ
SPM-GVD が大きくなり、ばらつきΔλ0 を大きく許容す
ることができるようになる。
【0101】図13では光分散補償器を用いない場合に
ついて説明したが、次に、光分散補償器を用いて各チャ
ネルの信号光配置を行なう場合について説明する。つま
り、本発明の第7実施形態の信号光波長選択方法では、
光分散補償器を用いることにより、例えば図14に示す
ように各チャネルの信号光を配置することもできる。な
お、光分散補償器(分散補償装置)は、光ファイバ2を
介して伝送されることによってそれぞれ互いに波長の異
なる複数の信号光に与えられる分散を補償するように各
信号光に第2の分散を付加するためのものである。ま
た、ここでも、4つのチャネルの信号光を波長多重して
光伝送する場合について説明する。
【0102】即ち、まず、図14の上段に示すように、
光ファイバ2中でのSPM−GVD効果により決定され
る許容分散値Dallow により規定される伝送可能帯域Δ
λSP M-GVD 外に、4つのチャネルの信号光を配置してか
ら、図14の下段に示すように、光分散補償器を用いて
光ファイバ2の零分散波長λ0 をλ0 ′にシフトさせる
ことにより、4つのチャネルの信号光を、見かけ上、伝
送可能帯域ΔλSPM-GV D 内に配置している。
【0103】このとき、4つのチャネルの信号光は、光
分散補償器によるシフト前には、図13にて説明した配
置例と同様に、波長(λ0 −Δλ0 −Δλg ) よりも短
波長側に等間隔ΔλS で配置されるとともに、EDFA
の利得帯域ΔλEDFA内に配置されている。なお、チャネ
ル1の波長λ1 は、零分散波長λ0 から短波長側に(Δ
λ0 +Δλg )だけ離れた波長(λ0 −Δλ0 −Δ
λg ) と一致するように設定されている。
【0104】そして、光分散補償器により実際の零分散
波長λ0 をΔλDCだけ短波長側にシフトさせることによ
り、図14の下段に示すように、4つのチャネルの信号
光を、見かけ上、伝送可能帯域ΔλSPM-GVD 内に配置し
ている。なお、図14中には図示しないが、半導体レー
ザ(信号光の光源)の製造性や波長制御精度による各信
号光の光波長変動分を考慮する場合には、その変動分に
応じて、複数チャネルの信号光を配置する帯域ΔλWDM
を拡張して設定する。
【0105】また、図14中には図示しないが、上述の
ように光分散補償器を用いる場合、光分散補償器の分散
補償量ばらつき範囲±δλDCを考慮し、信号光帯域Δλ
WDMを、長波長側および短波長側の両側についてその分
散補償量ばらつき範囲δλDCだけ拡張して設定する。
【0106】ここで、図14に示した信号光配置例につ
いて、より具体的に数値例を挙げて説明する。なお、こ
こでは、信号帯域の伝送路と正負反対符号の分散値をも
つ光分散補償器を用いて、光ファイバ2についての零分
散波長ばらつきΔλ0 を最大に許容することができ、且
つ、光分散補償器のサイズ,光損失の点から分散補償波
長シフト量ΔλDCを最小にする場合を考える。また、各
数値としては図13により説明したものと同様とする。
【0107】図14の下段に示すように、零分散波長ば
らつきの下限から長波長側へΔλSP M-GVD の範囲と零分
散波長ばらつきの下限から短波長側へΔλSPM-GVD の範
囲とが重なった領域と、信号光帯域ΔλWDM とが一致す
るとき、零分散波長ばらつきΔλ0 を最大に許容するこ
とができる。つまり、 となり、このとき、分散補償後の見かけの零分散波長λ
0 ′は、信号光帯域Δλ WDM の中心に位置する。
【0108】分散補償前は、図14の上段に示すよう
に、FWM抑圧の条件から、チャネル1の波長λ1 は零
分散波長λ0 から短波長側にΔλ0 +Δλg だけ離れて
いる。従って、 λ0 =λ1 +Δλ0 +Δλg =1572.5nm となり、λ0 ±Δλ0 =1572.5±9.5nm となる。
【0109】このとき、分散補償波長シフト量Δλ
DCは、λ0 −λ0 ′であり、以下のように求められる。 ΔλDC=(2・Δλ0 −ΔλSPM-GVD )+Δλg +ΔλWDM =(2×9.5 −12.5)+3+6=15.5nm 光分散補償器としては、高分散,低損失,小型化が求め
られており、これまで分散補償ファイバ,トランスバー
サルフィルタタイプ,光共振器タイプ等が提案されてい
る。
【0110】なお、図14に示す例では、正の分散値を
もつ光分散補償器が必要なので、例えば、通常のシング
ルモードファイバ〔分散値DDC=18ps/(nm・km) 〕を用
いたとすると、必要なファイバ長LDCは次のように与え
られる。 LDC=(ΔλDC・dD/dλ・LR-rep )/DDC =(15.5×0.08×280)/18=19.3km
【0111】上述した図13および図14の例では、そ
れぞれ、零分散波長ばらつきΔλ0が最小と最大の場合
について具体的に説明したが、図22に、信号光を零分
散波長λ0 の短波長側に配置した場合について、ばらつ
きΔλ0 に対する零分散波長λ0 と分散補償波長シフト
量ΔλDCとの関係を示す。この図22中、波長間隔Δλ
S =2nm,ガードバンドΔλg =3nmの場合を実線で示
す。波長間隔ΔλS =3nmの場合を点線で示すが、この
とき、図13より、零分散波長λ0 とチャネル1の波長
λ1 とが一致さえしなければよいので、ガードバンドΔ
λg =1nmとした。
【0112】このように、第7実施形態の信号光波長選
択方法によれば、光ファイバ2の零分散波長λ0 周辺の
帯域を利用した光増幅多中継WDM方式において、FW
Mの影響を受けずに各チャネルの信号光を配置すること
ができ、同時に、敷設すべき光ファイバ伝送路の零分散
波長λ0 に関する所要特性を明確にすることができ、光
増幅多中継WDM方式における信号光のチャネル配置法
および伝送路設計法を確立できる。
【0113】特に、本実施形態によれば、零分散波長ば
らつき範囲およびFWM抑圧用ガードバンドを考慮し、
波長(λ0 −Δλ0 −Δλg ) よりも短波長側に各チャ
ネルの信号光を配置することにより、光ファイバ2の長
手方向の零分散波長ばらつきが考慮・管理されると同時
に、FWMの影響が抑圧されてクロストークによる他チ
ャネルからの影響が抑制され、高い伝送精度を維持する
ことができる。
【0114】また、本実施形態によれば、SPM−GV
D効果による波形劣化を考慮した信号光配置を行なえる
ほか、EDFAの利得帯域ΔλEDFA内に各チャネルの信
号光を配置することにより、各信号光パワーを等しくで
き、各信号光の受信特性を等しくすることができる。
【0115】さらに、各チャネルの信号光の光波長変動
分に応じて信号光を配置する帯域ΔλWDM を拡張して設
定することにより、半導体レーザ等の信号光光源の製造
性や波長制御精度による各信号光の変動が考慮されると
ともに、光分散補償器を用いる場合には、信号光を配置
する帯域ΔλWDM を、長波長側および短波長側の両側に
ついて光分散補償器の分散補償量ばらつき範囲δλDC
け拡張して設定することにより、光分散補償器の分散補
償量ばらつきも考慮され、より信頼性の高い光伝送を行
なうことができる。なお、上述した第7実施形態では、
4つのチャネルの信号光を配置する場合について説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0116】(H)第8実施形態の説明 次に、本発明の第8実施形態としての信号光波長選択方
法について説明すると、図23はその複数チャネルの信
号光配置を示す図、図24はその複数チャネルの信号光
配置の変形例を示す図、図25はその零分散波長ばらつ
きに対する零分散波長と分散補償量との関係を示すグラ
フである。なお、第8実施形態の信号光波長選択方法
も、図15により説明した再生中継システム(光伝送系
/光ネットワーク)と同様のものに適用されるので、そ
の説明は省略する。
【0117】前述した第7実施形態では、各チャネルの
信号光を光ファイバ2の零分散波長λ0 よりも短波長側
に配置した場合について説明したが、第8実施形態で
は、各チャネルの信号光を光ファイバ2の零分散波長λ
0 よりも長波長側に配置しており、チャネル1の波長λ
1 をEDFAの利得帯域の短波長端1550nmに設定した上
で、第7実施形態の図13にて説明したものと全く同じ
手段により、チャネル配置とDSF(光ファイバ2)の
所要特性との関係を決定している。
【0118】即ち、図23に示すように、光ファイバ2
の零分散波長λ0 と光ファイバ2の長手方向の零分散波
長ばらつき±Δλ0 とを考慮し、光ファイバ2について
の零分散波長ばらつき範囲の長波長端(λ0 +Δλ0)よ
りも長波長側に、多重化すべき4つのチャネルの信号光
を等間隔ΔλS で配置している。
【0119】このとき、光ファイバ2についての零分散
波長ばらつき範囲の長波長端(λ0+Δλ0)よりも長波
長側には、FWM抑圧用ガードバンドΔλg を設け、波
長(λ0 +Δλ0 +Δλg ) よりもさらに短波長側に、
4つのチャネルの信号光(チャネル1〜4で波長λ1
λ4 )を配置している。本実施形態では、チャネル1の
波長λ1 は、DSF(光ファイバ2)の零分散波長λ0
から長波長側に(Δλ 0 +Δλg )だけ離れた位置に設
定されている〔波長(λ0 +Δλ0 +Δλg )がチャネ
ル1の波長λ1 と一致するように設定されている〕。
【0120】また、本実施形態では、光ファイバ2中で
のSPM−GVD効果により決定される許容分散値D
allow により規定される伝送可能帯域ΔλSPM-GVD
に、4つのチャネルの信号光が配置されている。つま
り、図23に示すように、伝送可能な信号光波長範囲
は、光ファイバ2についての零分散波長ばらつき範囲の
短波長端(λ0 −Δλ0)から長波長側へ、ΔλSPM-GVD
=|Dallow |/(dD/dλ)以内の領域である。こ
のとき、4波とも伝送可能で且つ零分散波長ばらつきΔ
λ0 をできるだけ大きく許容するために、波長λ
SPM-GVD 〔=(λ0 −Δλ0)+ΔλSPM-GVD 〕とチャネ
ル4の波長λ4 とが一致するように設定されている。
【0121】さらに、本実施形態では、光ファイバ2に
接続されるEDFAの利得帯域Δλ EDFA(例えば図16
に示すような1550〜1560nmの範囲) 内に、4つのチャネ
ルの信号光が配置される。なお、図23中には図示しな
いが、本実施形態においても、半導体レーザ(信号光の
光源)の製造性や波長制御精度による各信号光の光波長
変動分を考慮する場合には、その変動分に応じて、複数
チャネルの信号光を配置する帯域ΔλWDMを拡張して設
定する。
【0122】ところで、図23では光分散補償器を用い
ない場合について説明したが、次に、光分散補償器を用
いて各チャネルの信号光配置を行なう場合について説明
する。つまり、本発明の第8実施形態の信号光波長選択
方法では、光分散補償器(分散補償装置)を用いること
により、例えば図24に示すように、各チャネルの信号
光を配置することもできる。
【0123】即ち、まず、図24の上段に示すように、
光ファイバ2中でのSPM−GVD効果により決定され
る許容分散値Dallow により規定される伝送可能帯域Δ
λSP M-GVD 外に、4つのチャネルの信号光を配置してか
ら、図24の下段に示すように、光分散補償器を用いて
光ファイバ2の零分散波長λ0 をλ0 ′にシフトさせる
ことにより、4つのチャネルの信号光を、見かけ上、伝
送可能帯域ΔλSPM-GV D 内に配置している。
【0124】このとき、4つのチャネルの信号光は、光
分散補償器によるシフト前には、図23にて説明した配
置例と同様に、波長(λ0 +Δλ0 +Δλg ) よりも長
波長側に等間隔ΔλS で配置されるとともに、EDFA
の利得帯域ΔλEDFA内に配置されている。なお、チャネ
ル1の波長λ1 は、零分散波長λ0 から長波長側に(Δ
λ0 +Δλg )だけ離れた波長(λ0 +Δλ0 +Δ
λg ) と一致するように設定されている。
【0125】そして、光分散補償器により実際の零分散
波長λ0 をΔλDC(=λ0 ′−λ0)だけ長波長側にシ
フトさせることにより、図24の下段に示すように、4
つのチャネルの信号光を、見かけ上、伝送可能帯域Δλ
SPM-GVD 内に配置している。なお、図24においても、
第7実施形態の図14にて説明したように、零分散波長
ばらつきの下限から長波長側へΔλSPM-GVD の範囲と零
分散波長ばらつきの下限から短波長側へΔλSPM-GVD
範囲とが重なった領域と、信号光帯域ΔλWD M とを一致
させ、零分散波長ばらつきΔλ0 を最大に許容できる場
合について図示されている。
【0126】また、図24中には図示しないが、半導体
レーザ(信号光の光源)の製造性や波長制御精度による
各信号光の光波長変動分を考慮する場合には、その変動
分に応じて、複数チャネルの信号光を配置する帯域Δλ
WDM を拡張して設定する。さらに、図24中には図示し
ないが、上述のように光分散補償器を用いる場合、光分
散補償器の分散補償量ばらつき範囲±δλDCを考慮し、
信号光帯域ΔλWD M を、長波長側および短波長側の両側
についてその分散補償量ばらつき範囲δλ DCだけ拡張し
て設定する。
【0127】上述した図23および図24の例では、そ
れぞれ、零分散波長ばらつきΔλ0が最小と最大の場合
について説明したが、図25に、信号光を零分散波長λ
0 の長波長側に配置した場合について、ばらつきΔλ0
に対する零分散波長λ0 と分散補償波長シフト量ΔλDC
との関係を示す。この図25も、第7実施形態により前
述した図22における数値と同様のものが適用されてお
り、図25では、零分散波長λ0 よりも長波長側に信号
光を配置するために、ばらつきΔλ0 に対する零分散波
長λ0 についての傾きが、図22に示したものとは逆に
なっている。
【0128】このように、第8実施形態の信号光波長選
択方法によっても、前述した第7実施形態と全く同様の
作用効果を得ることができる。なお、上述した第8実施
形態では、4つのチャネルの信号光を配置する場合につ
いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0129】また、上述した第7実施形態および第8実
施形態では、各チャネルの信号光を、零分散波長λ0
りも短波長側,長波長側のいずれか一方の側に配置する
場合について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、各チャネルの信号光を、零分散波長λ0
両側に配置することもできる。このとき、光分散補償を
行なう場合には、零分散波長λ0 の短波長側と長波長側
との各チャネルは、別々に正負の異なる光分散補償器を
用いる必要がある。
【0130】(I)第9実施形態の説明 次に、本発明の第9実施形態としての光分散補償方式に
ついて説明すると、図26はそのブロック図であり、こ
の図26において、21は電気信号を光信号に変換して
送信する送信機、22は光伝送路(光ファイバ2)中に
挿入される中継器で、この中継器22としては、前述し
たようなインライン中継器や再生中継器がある。
【0131】また、23は受信した光信号を電気信号に
変換する受信機で、上述した送信機21と受信機23と
を、複数の中継器22を介して光ファイバ2により接続
することで、光伝送系20が構成され、この光伝送系2
0において、送信機21からの信号光が、中継器22お
よび光ファイバ2を介して受信機23へ伝送されるよう
になっている。
【0132】そして、24A,24Bはそれぞれ正の分
散量+B,負の分散量−Bを有する2種類の光分散補償
器ユニットであり、これらの2種類の光分散補償器ユニ
ット24A,24Bは、予め用意されており、後述する
ように、光伝送系20(光ファイバ2,送信機21,中
継器22,受信機23のいずれかの部分)に挿入される
ものである。
【0133】ところで、光伝送系20が、図15により
前述したような光増幅再生中継システムである場合、図
19により前述したように、再生中継器間隔が長距離に
なるほど許容分散値は小さくなるため、チャネル(信号
光)の配置位置をその許容分散値以内に収めるための光
分散補償器は不可欠になっている。
【0134】また、前述した第1〜第8実施形態では、
光ファイバ2の零分散波長周辺の帯域を利用したWDM
方式において、FWMによるクロストークを避けるため
に、光ファイバ2の零分散波長と信号光波長とを離して
いるが、その分の分散補償(特に第7,第8実施形態に
おける図14,図24の例参照)が必要となる。このよ
うな分散補償は、一波伝送,SMF伝送にも必要であ
る。
【0135】特に、陸上の光通信システムの場合、中継
間隔は一定ではなく、さらに実際の光ファイバ2の零分
散波長は長手方向にばらついているため、各中継区間の
分散量を等しくすることは困難である。そのため、DS
F(光ファイバ2)の零分散波長付近に信号光波長を設
定した場合、各中継区間毎に分散量の正負が異なる可能
性さえある。
【0136】そこで、この第9実施形態では、光伝送系
20の分散量を補償するために、予め用意された2種類
の光分散補償器ユニット24A,24Bをそれぞれ光伝
送系20に挿入し、この光伝送系20の伝送特性が良好
となる方の光分散補償器ユニット24Aもしくは24B
を選択して光伝送系20に挿入・設置している。これに
より、正確な分散量を測定できず、且つ、零分散波長ば
らつきをある程度把握できている場合、光伝送系20の
分散量を簡易的に補償できる。
【0137】また、光伝送系20の分散量を測定できる
場合には、測定された分散量の符号とは反対の符号の光
分散補償器ユニット24Aもしくは24Bを選択するこ
とで、より確実に光伝送系20の分散量を補償すること
ができる。このように、第9実施形態の光分散補償方式
によれば、個々の伝送路に応じた光分散補償器を設計・
製作することなく、SPM−GVD効果による波形劣化
やガードバンドについての分散量を容易に補償でき、光
通信システム構築までの工数削減および時間短縮を実現
することができる。
【0138】ここで、第9実施形態の具体的な数値例に
ついて説明する。伝送速度を10Gbps、インライン中継
器間隔LIn-line を70km、各光増幅器からの光出力の
変動を±2dBと仮定すると、図19より、許容分散値D
allow =±1ps/(nm・km) で最大再生中継器間隔は28
0kmとなり、280km伝送後の信号光の分散量としては
±280ps/nm の分散補償が必要である。そこで、例え
ば、伝送路分散量が+1200ps/nm の場合、分散量+1000
ps/nm と−1000ps/nm との光分散補償器ユニット24
A,24Bを用意した場合、分散量−1000ps/nm の光分
散補償器ユニット24Bを伝送路中に挿入すれば、総分
散量が+200ps/nmとなり、伝送可能になる。
【0139】(J)第10実施形態の説明 次に、本発明の第10実施形態としての光分散補償方式
について説明すると、図27はそのブロック図であり、
この図27中において、既述の符号と同一の符号は同一
部分を示しているので、その説明は省略する。前述した
第9実施形態においては、正の分散量+B,負の分散量
−Bを有する2種類の光分散補償器ユニットが予め用意
されていたのに対して、この第10実施形態では、正負
符号,分散量の異なる複数種類の光分散補償器ユニット
25A,25Bが予め用意されている。
【0140】ここでは、分散量B1,B2の2種類の光
分散補償器ユニット25A,25Bがそれぞれ複数個用
意され、これらの光分散補償器ユニット25A,25B
を組み合わせて構成された光分散補償器ユニット25
が、光伝送系20(光ファイバ2,送信機21,中継器
22,受信機23のいずれかの部分)に挿入されるよう
になっている。
【0141】そして、本実施形態では、光通信システム
敷設現場において、2種類の光分散補償器ユニット25
A,25Bを、設置数,組合せを変えながらそれぞれ光
伝送系20に挿入し、この光伝送系20の伝送特性、特
に符号誤り率を測定しながら、その伝送特性が良好とな
る設置数,組合せの光分散補償器ユニット25(図27
中では3個の光分散補償器ユニット25Aと1個の光分
散補償器ユニット25Bとを組み合わせたもの)を、2
種類の光分散補償器ユニット25A,25Bの中から選
択・決定して光伝送系20に挿入・設置している。
【0142】これにより、零分散波長ばらつきが不明で
ある場合や、零分散波長と信号光波長とが大きく離れて
いる場合に対応して、光伝送系20の分散量を簡易的に
且つ最適に補償することができる。また、光伝送系20
の分散量を測定できる場合には、その分散量を測定し、
測定された分散量に基づいて、信号光の分散値が伝送可
能な分散値内になる設置数,組合せの光分散補償器ユニ
ット25を、2種類の光分散補償器ユニット25A,2
5Bの中から選択・決定し、光伝送系20に挿入・設置
することにより、光伝送系20の分散量が確実に許容分
散値以内に収まるように補償することができる。
【0143】このように、第10実施形態の光分散補償
方式によっても、個々の伝送路に応じた光分散補償器を
設計・製作することなく、SPM−GVD効果による波
形劣化やガードバンドについての分散量を容易に補償で
き、光通信システム構築までの工数削減および時間短縮
を実現することができる。なお、上述した第10実施形
態では、予め用意される光分散補償器ユニットを2種類
とした場合について説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0144】ここで、第10実施形態の具体的な数値例
について説明する。第9実施形態の数値例と同様に、2
80km伝送後の信号光の分散量としては±280ps/nm
の分散補償が必要である場合に、例えば、分散量A1,
A2,B1,B2としてそれぞれ+300ps/nm,+100ps/
nm,−300ps/nm,−100ps/nmなる光分散補償器ユニット
を用意しているとすると、光分散補償器ユニットとして
は、B1×3個+B2×1個を組み合わせて伝送路中に
挿入すれば、総分散量が+200ps/nmとなり、伝送可能に
なる。
【0145】(K)第11実施形態の説明 次に、本発明の第11実施形態としての光分散補償方式
について説明すると、図28はそのブロック図、図29
および図30はそれぞれその第1変形例および第2変形
例を示すブロック図である。なお、前述した第9および
第10実施形態では、1波の信号光のみを伝送する場合
について説明したが、本実施形態では、4チャネルの信
号光(波長λ1 〜λ4 )を波長多重して伝送する場合に
ついて説明する。
【0146】図28に示すように、本実施形態において
も、光伝送系20が、送信機21,中継器22,受信機
23を光ファイバ2により接続して構成されているが、
この第11実施形態では、送信機21は、各チャネルの
電気信号を互いに波長(周波数)の異なる信号光に変換
した後に、これらの信号光について光波長多重を行なう
もので、各チャネル毎に設けられ各チャネルの電気信号
を所定波長の信号光に変換する電気/光変換部(E/O1〜
E/04)21aと、各チャネル毎の電気/光変換部21a
からの信号光を受けてこれらの信号光を多重化するため
の光多重化部21bとをそなえて構成されている。
【0147】また、受信機23は、送信機21から光フ
ァイバ2,中継器22を介して伝送されてきた多重化さ
れた信号光を分離するとともに各信号光を電気信号に変
換するもので、多重化された信号光を各チャネルに分離
・分配する光分離部23aと、各チャネル毎に設けられ
光分離部23aから分配されてきた当該チャネルの信号
光を電気信号に変換する光/電気変換部(O/E1〜O/E4)
23bとをそなえて構成されている。
【0148】そして、本実施形態では、送信機21の各
電気/光変換部21aと光多重化部21bとの間に、光
分散補償器ユニット25が設けられている。つまり、波
長多重前の各波長λ1 〜λ4 の信号光のチャネル毎に、
適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,
25Bが設置されている。
【0149】例えば、図28では、波長λ1 のチャネル
には分散量B1の光分散補償器ユニット25Aが1つだ
け設けられ、波長λ2 のチャネルには分散量B1の光分
散補償器ユニット25Aと分散量B2の光分散補償器ユ
ニット25Bとが1ずつ設けられ、波長λ3 のチャネル
には分散量B1の光分散補償器ユニット25Aが1つ且
つ分散量B2の光分散補償器ユニット25Bが2つ設け
られ、波長λ4 のチャネルには分散量B1の光分散補償
器ユニット25Aが1つ且つ分散量B2の光分散補償器
ユニット25Bが3つ設けられている。
【0150】このとき、各チャネルに配置される光分散
補償器ユニット25A,25Bの設置数,組合せを選択
する際には、第9,第10実施形態により説明したよう
に、各チャネルの伝送特性が良好となるものをトライア
ンドエラーにより選択してもよいし、光伝送系20の分
散量が測定可能であればその測定結果に基づいて信号光
の分散値が伝送可能な分散値内になるものを選択しても
よい。
【0151】図28では、送信機21内に光分散補償器
ユニット25を設けた場合について説明したが、この光
分散補償器ユニット25は、図29,図30にそれぞれ
示すように、中継器22や受信機23に設けてもよい。
図29に示すように、中継器22に光分散補償器ユニッ
ト25を設ける場合、中継器22には、この中継器22
を構成する光増幅器22aの後段に、増幅後の信号光を
各波長λ1 〜λ4 毎に一波ずつ波長分離する光分離部2
2bと、この光分離部22bにより分離された各波長λ
1 〜λ4 の信号光のチャネル毎に適当な設置数,組合せ
の光分散補償器ユニット25A,25Bを設置してなる
光分散補償器ユニット25と、光分散補償器ユニット2
5により分散補償された各チャネル毎の信号光を再び波
長多重化して伝送路へ送出する光多重化部22cとが配
置されている。なお、前述した光分離部22b,光分散
補償器ユニット25および光多重化部22cは、光増幅
器22aの前段に設けてもよい。
【0152】また、図30に示すように、受信機23に
光分散補償器ユニット25を設ける場合、受信機23の
光分離部23aと各光/電気変換部23bとの間に、光
分散補償器ユニット25が設けられている。つまり、波
長分離後の各波長λ1 〜λ4の信号光のチャネル毎に、
適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,
25Bが設置されている。
【0153】このように、第11実施形態の光分散補償
方式によれば、光伝送系20が互いに波長の異なる信号
光を多重化して伝送する光波長多重伝送を行なう場合に
も、各波長毎に適当な設置数,組合せの光分散補償器ユ
ニット25A,25Bを設置することにより、上述した
第9,第10実施形態と同様の作用効果が得られる。な
お、上述した実施形態では、多重化する信号光のチャネ
ル数が4で、各チャネル毎の分散補償のために予め用意
した光分散補償器ユニットが2種類である場合について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0154】(L)第12実施形態の説明 次に、本発明の第12実施形態としての光分散補償方式
について説明すると、図31はそのブロック図、図32
および図33はそれぞれその第1変形例および第2変形
例を示すブロック図である。なお、既述の符号と同一の
符号は同一部分を示しているので、その説明は省略す
る。
【0155】前述した第11実施形態では、各波長毎に
適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,
25Bを設置する場合について説明したが、この第12
実施例では、光伝送系20中で、複数波(本実施形態で
は2波)の信号光からなるチャネルグループ毎に、適当
な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25
Bを設置している。
【0156】即ち、図31〜図33は、それぞれ、光分
散補償器ユニット25を送信機21,中継器22,受信
機23に設けた例を示しており、図31に示すように、
送信機21に光分散補償器ユニット25を設ける場合、
前述した送信機21における光多重化部21bは、電気
/光変換部21aからの波長λ1 とλ2 との信号光を多
重化する光多重化部21cと、電気/光変換部21aか
らの波長λ3 とλ4 との信号光を多重化する光多重化部
21dと、これらの光多重化部21c,21dにより多
重化された2つの信号光をさらに多重化する光多重化部
21eとに分けられている。
【0157】そして、光多重化部21c,21dと、光
多重化部21eとの間に、光分散補償器ユニット25が
設けられている。つまり、2つの信号光からなるチャネ
ルグループ毎に、適当な設置数,組合せの光分散補償器
ユニット25A,25Bが設置されている。
【0158】例えば、図31では、波長λ1 とλ2 との
チャネルグループには分散量B1の光分散補償器ユニッ
ト25Aが1つだけ設けられ、波長λ3 とλ4 とのチャ
ネルグループには分散量B1の光分散補償器ユニット2
5Aと分散量B2の光分散補償器ユニット25Bとが1
ずつ設けられている。
【0159】このとき、各チャネルグループに配置され
る光分散補償器ユニット25A,25Bの設置数,組合
せを選択する際には、第9,第10実施形態により説明
したように、各チャネルの伝送特性が良好となるものを
トライアンドエラーにより選択してもよいし、光伝送系
20の分散量が測定可能であればその測定結果に基づい
て信号光の分散値が伝送可能な分散値内になるものを選
択してもよい。
【0160】また、図32に示すように、中継器22に
光分散補償器ユニット25を設ける場合、中継器22に
は、この中継器22を構成する光増幅器22aの後段
に、増幅後の信号光を2つのチャネルグループ(波長λ
1 ,λ2 のグループと波長λ3,λ4 のグループ)に波
長分離する光分離部22dと、この光分離部22dによ
り分離された各チャネルグループ毎に適当な設置数,組
合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置して
なる光分散補償器ユニット25と、光分散補償器ユニッ
ト25により分散補償された各チャネルグループ毎の信
号光を再び波長多重化して伝送路へ送出する光多重化部
22eとが配置されている。なお、前述した光分離部2
2d,光分散補償器ユニット25および光多重化部22
eは、光増幅器22aの前段に設けてもよい。
【0161】さらに、図33に示すように、受信機23
に光分散補償器ユニット25を設ける場合、前述した受
信機23における光分離部23aは、波長λ1 ,λ2
チャネルグループと波長λ3 ,λ4 のチャネルグループ
とに分離する光分離部23cと、波長λ1 ,λ2 のチャ
ネルグループをさらに各波長λ1 ,λ2 の信号光に分離
する光分離部23dと、波長λ3 ,λ4 のチャネルグル
ープをさらに各λ3 ,λ4 の信号光に分離する光分離部
23eとに分けられている。
【0162】そして、光分離部23cと、光分離部23
d,23eとの間に、光分散補償器ユニット25が設け
られている。つまり、2つの信号光からなるチャネルグ
ループ毎に、適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニ
ット25A,25Bが設置されている。
【0163】このように、第12実施形態の光分散補償
方式によれば、光伝送系20が互いに波長の異なる信号
光を多重化して伝送する光波長多重伝送を行なう場合に
も、チャネルグループ毎に適当な設置数,組合せの光分
散補償器ユニット25A,25Bを設置することによ
り、上述した第9,第10実施形態と同様の作用効果が
得られる。
【0164】なお、上述した実施形態では、多重化する
信号光のチャネル数が4で、各チャネル毎の分散補償の
ために予め用意した光分散補償器ユニットが2種類で、
且つ、2つのチャネルグループに分ける場合について説
明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0165】(M)第13実施形態の説明 次に、本発明の第13実施形態としての光分散補償方式
について説明すると、図34はそのブロック図、図35
および図36はそれぞれその第1変形例および第2変形
例を示すブロック図である。なお、既述の符号と同一の
符号は同一部分を示しているので、その説明は省略す
る。
【0166】前述した第11,第12実施形態では、各
波長毎,各チャネルグループ毎に適当な設置数,組合せ
の光分散補償器ユニット25A,25Bを設置する場合
について説明したが、この第13実施形態では、光伝送
系20中で、複数チャネル(本実施形態では4チャネ
ル)の信号光に対し一括して、適当な設置数,組合せの
光分散補償器ユニット25A,25Bを設置している。
【0167】即ち、図34〜図36は、それぞれ、光分
散補償器ユニット25を送信機21,中継器22,受信
機23に設けた例を示しており、図34に示すように、
送信機21に光分散補償器ユニット25を設ける場合、
送信機21における光多重化部21bの後段に、適当な
設置数,組合せの光分散補償器ユニット25A,25B
を設置してなる光分散補償器ユニット25が設けられて
いる。例えば、図34では、分散量B1の光分散補償器
ユニット25Aと分散量B2の光分散補償器ユニット2
5Bとが1ずつ設けられている。
【0168】このとき、一括して配置される光分散補償
器ユニット25A,25Bの設置数,組合せを選択する
際には、第9,第10実施形態により説明したように、
各チャネルの伝送特性が良好となるものをトライアンド
エラーにより選択してもよいし、光伝送系20の分散量
が測定可能であればその測定結果に基づいて信号光の分
散値が伝送可能な分散値内になるものを選択してもよ
い。
【0169】また、図35に示すように、中継器22に
光分散補償器ユニット25を設ける場合、中継器22に
は、この中継器22を構成する光増幅器22aの後段
に、適当な設置数,組合せの光分散補償器ユニット25
A,25Bを設置してなる光分散補償器ユニット25が
配置されている。なお、光分散補償器ユニット25は光
増幅器22aの前段に設けてもよい。
【0170】さらに、図36に示すように、受信機23
に光分散補償器ユニット25を設ける場合、受信機23
における光分離部23aの前段に、適当な設置数,組合
せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置してな
る光分散補償器ユニット25が設けられている。
【0171】このように、第13実施形態の光分散補償
方式によれば、光伝送系20が互いに波長の異なる信号
光を多重化して伝送する光波長多重伝送を行なう場合に
も、全チャネルの信号光に対し一括して適当な設置数,
組合せの光分散補償器ユニット25A,25Bを設置す
ることにより、上述した第9,第10実施形態と同様の
作用効果が得られる。
【0172】なお、上述した実施形態では、多重化する
信号光のチャネル数が4で、各チャネル毎の分散補償の
ために予め用意した光分散補償器ユニットが2種類であ
る場合について説明したが、本発明はこれに限定される
ものではない。また、上述した第10〜第13実施形態
においては、各チャネルの波長間隔と伝送路の分散スロ
ープdD/dλとを考慮して各光分散補償器ユニットの
分散値を設計し、光分散補償器ユニットの種類をできる
だけ少なくすることが重要である。
【0173】(N)第14実施形態の説明 次に、本発明の第14実施形態としての光分散補償方式
について説明すると、図37はそのブロック図、図38
(a),(b)はいずれもその第1変形例を示すブロッ
ク図、図39はその第2変形例を示すブロック図、図4
0は第2変形例によるパッケージ構成例を示す図であ
る。なお、既述の符号と同一の符号は同一部分を示して
いるので、その説明は省略する。
【0174】上述した第9〜第13実施形態では、光分
散補償ユニット24A,24B,25,25A,25B
の配置手段について説明しているが、この第14実施形
態では、各光分散補償ユニット25,25A,25B自
体の具体的な構成例および挿入・設置手段について説明
する。例えば、図37に示すように、光分散補償ユニッ
ト25を構成する各光分散補償ユニット25A,25B
の前段もしくは後段に、各光分散補償器ユニット25
A,25Bによる光損失を補償しうる光増幅器26を付
加している。
【0175】ところで、光分散補償器としては、これま
で、分散補償ファイバ,トランスバーサルフィルタタイ
プ,光共振器タイプなどが提案されている。現在、コア
形状を工夫することで、分散値-100ps/(nm・km)以上の
分散補償ファイバが製作されているが、ファイバ長によ
り分散補償量を容易に調節できる反面、光損失が大きく
なってしまう。
【0176】そこで、この第14実施形態のように、光
分散補償器ユニット25A,25BをEDFA等の光増
幅器26と一体化することにより、分散補償ファイバの
光損失を補償することができる。なお、図37では各光
分散補償ユニット25A,25B毎に光増幅器26を付
加したが、図38(a),(b)に示すように、光分散
補償器ユニット25A,25Bのグループ(光分散補償
器ユニット25 )について一つの光増幅器26を付加
するようにしてもよい。
【0177】また、図39に示すように、光分散補償器
ユニット25A,25Bのグループ(光分散補償器ユニ
ット25 )の前段および後段のそれぞれに光増幅器2
6A,26Bを付加してもよい。光増幅器が1段のみで
あると、伝送路損失と光分散補償器ユニット25での光
損失との両方を補償する大きな利得が要求されるばかり
でなく、光損失の大きい光分散補償器ユニット25を光
増幅器26の前段に配置した場合はNFを大きく劣化さ
せる原因となる。これは、特に、光増幅多中継システム
における1R中継器に光分散補償器ユニット25を挿入
する場合には避けなければならない。
【0178】そこで、図39に示すように、光分散補償
器ユニット25の前後を2つの光増幅器26A,26B
で挟むような構成にすることにより、前段の光増幅器の
NFを小さくすることで、1R中継器全体のNFを小さ
く抑えることができ、且つ、2段の光増幅器26A,2
6Bで十分な利得を確保することができる。
【0179】一方、以上説明したような光分散補償器ユ
ニット25の、送信機21,中継器22もしくは受信機
23内への挿入・設置は、例えば、次のような方式で行
なわれる。送信機21,中継器22もしくは受信機23
内に、予め光分散補償器ユニット25を挿入するスペー
スを空けておき、システム設置後に、その伝送路(光伝
送系20)に応じた最適な光分散補償器ユニット25を
追加して組み込むことにより、光分散補償器ユニット2
5を光伝送系20に挿入・設置する。
【0180】また、光伝送装置内の電子部品および光部
品は、一般に、プリント基板上に実装され(このように
プリント基板上に実装された形態のものをパッケージと
呼んでいる)、装置架に挿抜できる構造になっている場
合が多い。そこで、光分散補償器ユニットを実装した分
散補償パッケージを設け、この分散補償パッケージごと
挿抜する構成にしてもよい。例えば、図39に示した光
分散補償器ユニット25をパッケージ化したものを図4
0に示す。この図40において、27はプリント基板
で、このプリント基板27上に、前後2つの光増幅器2
6A,26Bと、2種類3個の光分散補償器ユニット2
5A,25Bからなる光分散補償器ユニット25とが実
装されることにより、分散補償パッケージ28が構成さ
れている。なお、各光分散補償器ユニット25A,25
Bは、プリント基板27上に設けられた小さなボビンに
分散補償ファイバ(光ファイバ2)を所定長さ巻き付け
ることにより構成されている。
【0181】このような分散補償パッケージ28を用い
ることで、パッケージ単位で光分散補償器ユニット25
の入換え・組込みを容易に行なえ、分散補償量を容易に
変更することができる。 (O)第15実施形態の説明 次に、本発明の第15実施形態としての光分散補償方式
について説明すると、図41はそのブロック図、図42
および図43はそれぞれその第1適用例および第2適用
例を示すブロック図である。なお、既述の符号と同一の
符号は同一部分を示しているので、その説明は省略す
る。
【0182】この第15実施形態では、光伝送系20を
構成する送信機21,中継器22,受信機23のそれぞ
れに、図41に示すような光分散補償器ユニット32を
内蔵している。この光分散補償器ユニット32は、図4
1に示すように、正負符号,分散量の異なる複数種類
(本実施形態では4種類,それぞれ分散量がB1〜B
4)の光分散補償器ユニット25A〜25Dを、スイッ
チ(切換手段)29A〜29Cを介して光分散補償器ユ
ニット25A〜25Dの組合せの切換・変更可能な状態
で接続して構成されている。
【0183】そして、図41に示す光分散補償器ユニッ
ト32では、4種類の光分散補償器ユニット25A〜2
5Dが3段そなえられ、スイッチ29A〜29Cの切換
操作により、適当な組合せの3つの光分散補償器ユニッ
ト25A〜25Dを選択して光伝送系20に挿入・設置
できるようになっている。
【0184】なお、スイッチ29A〜29Cとしては、
各光分散補償器ユニット25A〜25Dを光ファイバで
配線する手段〔機械的な接続(機械的スイッチ)〕や、
光スイッチで接続経路を選択する手段などがある。光ス
イッチとしては、光導波路スイッチや空間切替え型スイ
ッチ等がある。
【0185】そして、スイッチ29A〜29Cの切換操
作手段としては、単純に外部からの人的作業によって光
ファイバの配線を変えたり光スイッチをオン/オフした
りする手段や、外部からの電気もしくは光の制御信号に
より自動的に行なう手段がある。次に、外部からの制御
信号により、スイッチ29A〜29Cを切換操作して適
当な組合せの3つの光分散補償器ユニット25A〜25
Dを選択する場合について、より具体的な適用例を図4
2および図43により説明する。
【0186】制御信号により自動的に切換操作を行なう
手段としては、送受信端局から各中継器22へ制御信号
を送る方式のほか、図42に示す適用例では、システム
全体を集中管理するセンターオフィス30から各送信機
21,中継器22,受信機23における光分散補償器ユ
ニット32の各スイッチ29A〜29Cへ制御信号を送
っている。
【0187】また、図43に示す適用例では、受信機2
3側に、各送信機21,中継器22における光分散補償
器ユニット32の各スイッチ29A〜29Cへ切換用の
制御信号を出力する機能と、光伝送系20における伝送
特性(誤り率,波形等)を測定する伝送特性測定手段3
1とがそなえられている。
【0188】そして、各スイッチ29A〜29Cを受信
機23側からの制御信号により操作して光分散補償器ユ
ニット32における光分散補償器ユニット25A〜25
Dの組合せを順番に切り換えながら、伝送特性測定手段
31により光伝送系20の伝送特性を測定して、この光
伝送系20の伝送特性が最適となる組合せの光分散補償
器ユニット25A〜25Dを決定し、受信機23側から
の制御信号によりスイッチ29A〜29Cを操作し、光
分散補償器ユニット25A〜25Dの組合せを、決定さ
れた光伝送系20の伝送特性が最適となる組合せに切り
換える。
【0189】このように、第15実施形態の光分散補償
方式によれば、光伝送系20における送信機21,中継
器22,受信機23に、複数種類の光分散補償器ユニッ
ト25A〜25Dを、スイッチ29A〜29Cを介して
光分散補償器ユニット25A〜25Dの組合せの切換・
変更可能な状態で接続して予め内蔵しておくことによ
り、スイッチ29A〜29Cを操作することで、光分散
補償器ユニット25A〜25Dの中から適当な組合せの
光分散補償器ユニット25A〜25Dが選択される。特
に、図43に示すように構成することで、光分散補償器
ユニット25A〜25Dの組合せを、光伝送系20の伝
送特性が最適となる組合せに自動的に切り換えることが
できる。
【0190】なお、上述した実施形態では、光伝送系2
0を構成する送信機21,中継器22,受信機23のそ
れぞれに、光分散補償器ユニット32を内蔵した場合に
ついて説明したが、光分散補償器ユニット32は、送信
機21,中継器22,受信機23のうちの少なくとも一
つに内蔵されていれば、上述した実施形態と同様の作用
効果が得られることはいうまでもない。
【0191】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の光ネット
ワーク(請求項1〜5),光送信装置(請求項6〜1
0),光受信装置(請求項11〜15),光増幅装置
(請求項16〜20),分散補償装置(請求項21〜2
5),光ファイバ(請求項26〜30)および光ネット
ワークにおける信号光波長選択方法(請求項31〜3
5)によれば、以下に示すような効果ないし利点があ
る。
【0192】(1)効率よく信号光を配置することで効
率よく帯域を利用することができるので、高い伝送品質
を維持しつつ光通信システムの大容量化を実現できる。 (2)光アンプの帯域内、あるいは光部品の帯域内に零
分散波長が位置する場合においても、効率よくコンパク
トに信号光を配置することができる。
【0193】(3)送信側での信号光の波長間隔(チャ
ネル間隔)の制御を1個もしくは2個のファブリ・ペロ
干渉計で行なうことができ、受信側も送信側と同特性の
干渉計を使用できるので、送信側の制御を簡易なものに
するとともに、選択受信が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての光ネットワーク
における信号光波長選択方法により選択された複数チャ
ネルの信号光配置状態を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての信号光波長選択
方法を適用される光WDM分配伝送系(光ネットワー
ク)の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態の動作を説明するための
図である。
【図4】本発明の第1実施形態の動作を説明するための
図である。
【図5】本発明の第2実施形態としての光ネットワーク
における信号光波長選択方法により選択された複数チャ
ネルの信号光配置状態を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態としての光ネットワーク
における信号光波長選択方法により選択された複数チャ
ネルの信号光配置状態を示す図である。
【図7】本発明の第3実施形態の動作を説明するための
図である。
【図8】本発明の第4実施形態としての光ネットワーク
における信号光波長選択方法により選択された複数チャ
ネルの信号光配置状態を示す図である。
【図9】本発明の第5実施形態としての光ネットワーク
における信号光波長選択方法により選択された複数チャ
ネルの信号光配置状態を示す図である。
【図10】本発明の第6実施形態としての光ネットワー
クにおける信号光波長選択方法により選択された複数チ
ャネルの信号光配置状態を示す図である。
【図11】本発明の第6実施形態の動作を説明するため
の図である。
【図12】本発明の第6実施形態の動作を説明するため
の図である。
【図13】本発明の第7実施形態としての光ネットワー
クにおける信号光波長選択方法により選択された複数チ
ャネルの信号光配置状態を示す図である。
【図14】本発明の第7実施形態としての光ネットワー
クにおける信号光波長選択方法により選択された複数チ
ャネルの信号光配置状態の変形例を示す図である。
【図15】本発明の第7実施形態としての信号光波長選
択方法を適用される再生中継システムの構成を示すブロ
ック図である。
【図16】EDFAの利得帯域を説明すべくEDFA4
段接続後のASEスペクトル(EDFAの利得分布)を
示すグラフである。
【図17】FWM抑圧用ガードバンドおよびチャネル配
置を示す図である。
【図18】チャネル1の分散値とクロストークとの関係
を示すグラフである。
【図19】光ファイバ入力パワーと再生中継器間隔との
関係を示すグラフである。
【図20】FWM発生効率の信号光波長依存性を示すグ
ラフである。
【図21】チャネル間隔とガードバンドとの関係を示す
グラフである。
【図22】本発明の第7実施形態における零分散波長ば
らつきに対する零分散波長と分散補償量との関係を示す
グラフである。
【図23】本発明の第8実施形態としての光ネットワー
クにおける信号光波長選択方法により選択された複数チ
ャネルの信号光配置状態を示す図である。
【図24】本発明の第8実施形態としての光ネットワー
クにおける信号光波長選択方法により選択された複数チ
ャネルの信号光配置状態の変形例を示す図である。
【図25】本発明の第8実施形態における零分散波長ば
らつきに対する零分散波長と分散補償量との関係を示す
グラフである。
【図26】本発明の第9実施形態としての光分散補償方
式を示すブロック図である。
【図27】本発明の第10実施形態としての光分散補償
方式を示すブロック図である。
【図28】本発明の第11実施形態としての光分散補償
方式を示すブロック図である。
【図29】本発明の第11実施形態としての光分散補償
方式の第1変形例を示すブロック図である。
【図30】本発明の第11実施形態としての光分散補償
方式の第2変形例を示すブロック図である。
【図31】本発明の第12実施形態としての光分散補償
方式を示すブロック図である。
【図32】本発明の第12実施形態としての光分散補償
方式の第1変形例を示すブロック図である。
【図33】本発明の第12実施形態としての光分散補償
方式の第2変形例を示すブロック図である。
【図34】本発明の第13実施形態としての光分散補償
方式を示すブロック図である。
【図35】本発明の第13実施形態としての光分散補償
方式の第1変形例を示すブロック図である。
【図36】本発明の第13実施形態としての光分散補償
方式の第2変形例を示すブロック図である。
【図37】本発明の第14実施形態としての光分散補償
方式を示すブロック図である。
【図38】(a),(b)はいずれも本発明の第14実
施形態としての光分散補償方式の第1変形例を示すブロ
ック図である。
【図39】本発明の第14実施形態としての光分散補償
方式の第2変形例を示すブロック図である。
【図40】本発明の第14実施形態の第2変形例による
パッケージ構成例を示す図である。
【図41】本発明の第15実施形態としての光分散補償
方式を示すブロック図である。
【図42】本発明の第15実施形態としての光分散補償
方式の第1適用例を示すブロック図である。
【図43】本発明の第15実施形態としての光分散補償
方式の第2適用例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 送信回路(光送信装置) 1a レーザダイオード(光出力手段) 1b 合波器(波長多重化手段) 2 光ファイバ(光ファイバ伝送路) 3 分配器 4 受信回路(光受信装置) 4a 光フィルタ(波長分離手段) 4b 制御回路 4c 検出器(光受信手段) 5 四光波混合(FWM)抑圧用ガードバンド 6 長波長側 7 短波長側 10 光伝送系(再生中継システム/光ネットワーク) 11 送信機 12 インライン中継器(光増幅装置) 13 再生中継器 14 受信機 20 光伝送系 21 送信機 21a 電気/光変換部 21b〜21e 光多重化部 22 中継器 22a 光増幅器 22b,22d 光分離部 22c,22e 光多重化部 23 受信機 23a,23c〜23e 光分離部 23b 光/電気変換部 24A,24B,25,25A〜25D 光分散補償器
ユニット 25a ボビン 26,26A,26B 光増幅器 27 プリント基板 28 分散補償パッケージ 29A〜29C スイッチ(切換手段) 30 センターオフィス(CO) 31 伝送特性測定手段 32 光分散補償器ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 英之 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 関屋 元義 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 大塚 和恵 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長多重化された互いに波長の異なる複
    数の信号光を光ファイバによって伝送する光ネットワー
    クにおいて、 波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイ
    バの零分散波長よりも短く、且つ、隣り合う各波長の間
    隔が所定の波長または周波数の自然数倍であることを特
    徴とする、光ネットワーク。
  2. 【請求項2】 波長多重化された互いに波長の異なる複
    数の信号光を光ファイバによって伝送する光ネットワー
    クにおいて、 波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイ
    バの零分散波長よりも長く、且つ、隣り合う各波長の間
    隔が所定の波長または周波数の自然数倍であることを特
    徴とする、光ネットワーク。
  3. 【請求項3】 波長多重化された互いに波長の異なる複
    数の信号光を光ファイバによって伝送する光ネットワー
    クにおいて、 波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイ
    バの零分散波長よりも短波長側または長波長側にあり、
    且つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数
    の自然数倍であることを特徴とする、光ネットワーク。
  4. 【請求項4】 前記の各波長の間隔が等間隔であること
    を特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記
    載の光ネットワーク。
  5. 【請求項5】 前記の各波長の間隔が不等間隔であるこ
    とを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に
    記載の光ネットワーク。
  6. 【請求項6】 それぞれ波長の異なる信号光を出力する
    複数の光出力手段と、 各信号光を波長多重化して光ファイバ伝送路に入射させ
    る波長多重化手段とをそなえ、 各信号光の波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よ
    りも短く、且つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長ま
    たは周波数の自然数倍となるよう前記の各光出力手段が
    構成されていることを特徴とする、光送信装置。
  7. 【請求項7】 それぞれ波長の異なる信号光を出力する
    複数の光出力手段と、 各信号光を波長多重化して光ファイバ伝送路に入射させ
    る波長多重化手段とをそなえ、 各信号光の波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よ
    りも長く、且つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長ま
    たは周波数の自然数倍となるよう前記の各光出力手段が
    構成されていることを特徴とする、光送信装置。
  8. 【請求項8】 それぞれ波長の異なる信号光を出力する
    複数の光出力手段と、 各信号光を波長多重化して光ファイバ伝送路に入射させ
    る波長多重化手段とをそなえ、 各信号光の波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よ
    りも短波長側または長波長側にあり、且つ、隣り合う各
    波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍となる
    よう前記の各光出力手段が構成されていることを特徴と
    する、光送信装置。
  9. 【請求項9】 前記の各波長の間隔が等間隔であること
    を特徴とする、請求項6〜請求項8のいずれか1項に記
    載の光送信装置。
  10. 【請求項10】 前記の各波長の間隔が不等間隔である
    ことを特徴とする、請求項6〜請求項8のいずれか1項
    に記載の光送信装置。
  11. 【請求項11】 光ファイバ伝送路から受信する光波長
    多重信号をそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に
    波長分離する波長分離手段と、 波長分離された各信号光をそれぞれ受信する複数の光受
    信手段とをそなえてなる光受信装置において、 前記波長分離手段および前記の各光受信手段は、各波長
    が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短く、且
    つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の
    自然数倍である複数の信号光を処理するように構成され
    ていることを特徴とする、光受信装置。
  12. 【請求項12】 光ファイバ伝送路から受信する光波長
    多重信号をそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に
    波長分離する波長分離手段と、 波長分離された各信号光をそれぞれ受信する複数の光受
    信手段とをそなえてなる光受信装置において、 前記波長分離手段および前記の各光受信手段は、各波長
    が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長く、且
    つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周波数の
    自然数倍である複数の信号光を処理するように構成され
    ていることを特徴とする、光受信装置。
  13. 【請求項13】 光ファイバ伝送路から受信する光波長
    多重信号をそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光に
    波長分離する波長分離手段と、 波長分離された各信号光をそれぞれ受信する複数の光受
    信手段とをそなえてなる光受信装置において、 前記波長分離手段および前記の各光受信手段は、各波長
    が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波長側ま
    たは長波長側にあり、且つ、隣り合う各波長の間隔が所
    定の波長または周波数の自然数倍である複数の信号光を
    処理するように構成されていることを特徴とする、光受
    信装置。
  14. 【請求項14】 前記の各波長の間隔が等間隔であるこ
    とを特徴とする、請求項11〜請求項13のいずれか1
    項に記載の光受信装置。
  15. 【請求項15】 前記の各波長の間隔が不等間隔である
    ことを特徴とする、請求項11〜請求項13のいずれか
    1項に記載の光受信装置。
  16. 【請求項16】 光ファイバ伝送路を介して伝送される
    それぞれ互いに波長の異なる複数の信号光を含む光波長
    多重信号を増幅する光増幅装置において、 各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短
    く、且つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周
    波数の自然数倍である複数の信号光を含む光波長多重信
    号を増幅するように構成されたことを特徴とする、光増
    幅装置。
  17. 【請求項17】 光ファイバ伝送路を介して伝送される
    それぞれ互いに波長の異なる複数の信号光を含む光波長
    多重信号を増幅する光増幅装置において、 各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも長
    く、且つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周
    波数の自然数倍である複数の信号光を含む光波長多重信
    号を増幅するように構成されたことを特徴とする、光増
    幅装置。
  18. 【請求項18】 光ファイバ伝送路を介して伝送される
    それぞれ互いに波長の異なる複数の信号光を含む光波長
    多重信号を増幅する光増幅装置において、 各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波
    長側または長波長側にあり、且つ、隣り合う各波長の間
    隔が所定の波長または周波数の自然数倍である複数の信
    号光を含む光波長多重信号を増幅するように構成された
    ことを特徴とする、光増幅装置。
  19. 【請求項19】 前記の各波長の間隔が等間隔であるこ
    とを特徴とする、請求項16〜請求項18のいずれか1
    項に記載の光増幅装置。
  20. 【請求項20】 前記の各波長の間隔が不等間隔である
    ことを特徴とする、請求項16〜請求項18のいずれか
    1項に記載の光増幅装置。
  21. 【請求項21】 光ファイバ伝送路を介して伝送される
    ことによってそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光
    に与えられる分散を補償するように各信号光に第2の分
    散を付加する分散補償装置において、 各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短
    く、且つ、隣り合う各波長の間隔が所定の波長または周
    波数の自然数倍である複数の信号光に与えられる分散を
    補償するように構成されたことを特徴とする、分散補償
    装置。
  22. 【請求項22】 光ファイバ伝送路を介して伝送される
    ことによってそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光
    に与えられる分散を補償するように各信号光に第2の分
    散を付加する分散補償装置において、各波長が前記光フ
    ァイバ伝送路の零分散波長よりも長く、且つ、隣り合う
    各波長の間隔が所定の波長または周波数の自然数倍であ
    る複数の信号光に与えられる分散を補償するように構成
    されたことを特徴とする、分散補償装置。
  23. 【請求項23】 光ファイバ伝送路を介して伝送される
    ことによってそれぞれ互いに波長の異なる複数の信号光
    に与えられる分散を補償するように各信号光に第2の分
    散を付加する分散補償装置において、 各波長が前記光ファイバ伝送路の零分散波長よりも短波
    長側または長波長側にあり、且つ、隣り合う各波長の間
    隔が所定の波長または周波数の自然数倍である複数の信
    号光に与えられる分散を補償するように構成されたこと
    を特徴とする、分散補償装置。
  24. 【請求項24】 前記の各波長の間隔が等間隔であるこ
    とを特徴とする、請求項21〜請求項23のいずれか1
    項に記載の分散補償装置。
  25. 【請求項25】 前記の各波長の間隔が不等間隔である
    ことを特徴とする、請求項21〜請求項23のいずれか
    1項に記載の分散補償装置。
  26. 【請求項26】 波長多重化された互いに波長の異なる
    複数の信号光を伝送する、零分散波長を有する光ファイ
    バにおいて、 隣り合う波長の間隔が、所定の波長または周波数の自然
    数倍の複数の信号光を伝送するとともに、前記零分散波
    長が、波長多重化すべき複数の信号光の各波長よりも短
    くなるように構成されたことを特徴とする、光ファイ
    バ。
  27. 【請求項27】 波長多重化された互いに波長の異なる
    複数の信号光を伝送する、零分散波長を有する光ファイ
    バにおいて、 隣り合う波長の間隔が、所定の波長または周波数の自然
    数倍の複数の信号光を伝送するとともに、前記零分散波
    長が、波長多重化すべき複数の信号光の各波長よりも長
    くなるように構成されたことを特徴とする、光ファイ
    バ。
  28. 【請求項28】 波長多重化された互いに波長の異なる
    複数の信号光を伝送する、零分散波長を有する光ファイ
    バにおいて、 隣り合う波長の間隔が、所定の波長または周波数の自然
    数倍の複数の信号光を伝送するとともに、前記零分散波
    長が、波長多重化すべき複数の信号光の各波長よりも短
    波長側または長波長側となるように構成されたことを特
    徴とする、光ファイバ。
  29. 【請求項29】 前記の各波長の間隔が等間隔であるこ
    とを特徴とする、請求項26〜請求項28のいずれか1
    項に記載の光ファイバ。
  30. 【請求項30】 前記の各波長の間隔が不等間隔である
    ことを特徴とする、請求項26〜請求項28のいずれか
    1項に記載の光ファイバ。
  31. 【請求項31】 波長多重化された互いに波長の異なる
    複数の信号光を光ファイバによって伝送する光ネットワ
    ークにおける信号光波長選択方法であって、 波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイ
    バの零分散波長よりも短くなるように各波長を選択し、 隣り合う各信号光の波長の間隔が所定の波長または周波
    数の自然数倍となるように各信号光の波長を選択するこ
    とを特徴とする、光ネットワークにおける信号光波長選
    択方法。
  32. 【請求項32】 波長多重化された互いに波長の異なる
    複数の信号光を光ファイバによって伝送する光ネットワ
    ークにおける信号光波長選択方法であって、 波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイ
    バの零分散波長よりも長くなるように各波長を選択し、 隣り合う各信号光の波長の間隔が所定の波長または周波
    数の自然数倍となるように各信号光の波長を選択するこ
    とを特徴とする、光ネットワークにおける信号光波長選
    択方法。
  33. 【請求項33】 波長多重化された互いに波長の異なる
    複数の信号光を光ファイバによって伝送する光ネットワ
    ークにおける信号光波長選択方法であって、 波長多重化すべき複数の信号光の各波長が前記光ファイ
    バの零分散波長よりも短波長側または長波長側に存在す
    るように各波長を選択し、 隣り合う各信号光の波長の間隔が所定の波長または周波
    数の自然数倍となるように各信号光の波長を選択するこ
    とを特徴とする、光ネットワークにおける信号光波長選
    択方法。
  34. 【請求項34】 前記の各波長の間隔が等間隔であるこ
    とを特徴とする、請求項31〜請求項33のいずれか1
    項に記載の光ネットワークにおける信号光波長選択方
    法。
  35. 【請求項35】 前記の各波長の間隔が不等間隔である
    ことを特徴とする、請求項31〜請求項33のいずれか
    1項に記載の光ネットワークにおける信号光波長選択方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001037460A1 (fr) * 1999-11-16 2001-05-25 Oyokoden Lab Co., Ltd. Procede de communication optique et composant optique utilise dans ce procede, et dispositif de communication optique contenant ce composant
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