JP3756867B2 - 情報記録装置と情報記録方法とプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、CD−R/RWドライブ,DVD−R/RWドライブ,DVD+R/RWドライブ,DVD−RAMドライブ,DVD+RAMドライブ等の記録媒体にデータを記録する情報記録装置とその情報記録方法とプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報(データ)の記録可能なCD−Rディスク,CD−RWディスク,DVD−Rディスク,DVD−RWディスク,DVD+Rディスク,DVD+RWディスク,DVD−RAMディスク,DVD+RAMディスク等の光ディスク媒体(記録媒体)が用いられている。
そのような光ディスク媒体にデータを記録するCD−R/RWドライブ,DVD−R/RWドライブ,DVD+R/RWドライブ,DVD−RAMドライブ,DVD+RAMドライブ等の情報記録装置は、光ディスク媒体を回転制御し、光源から出射するレーザビーム(光ビーム)の記録パワーを目標値に制御し、光源から出射されたレーザビームを光ディスク媒体に集光して情報を記録する。
【0003】
その情報記録装置は、個々の装置の性能等のばらつきや記録速度,光ディスク媒体の記録特性等の条件に応じて光ディスク媒体に記録を行うための最適なレーザパワー(最適記録パワー)が異なるので、光ディスク媒体への本情報(本データ)の記録に先立ち、最適記録パワーを決定する処理を行う必要がある。
【0004】
例えば、CD−Rディスクにデータを記録する場合、光ディスク媒体面内の試し書き領域(Power Caliblation Area:PCA領域)で記録パワーを順次変えながら情報を試し書きし、その試し書きした情報の書き込み信号のアシンメトリ値(β値)を検出することによって最適記録パワーを決定している。この最適記録パワーの決定処理は、CD−Rディスクにおけるオプティマムパワーコントロール(Optimum Power Control:OPC)と呼ばれる。またOPC実行時に順次変化させる記録パワーの所定範囲を「OPCレンジ(OPC Range)」と称する。
【0005】
上述のようなCD−Rディスク等の光ディスク媒体への記録特性は、その光ディスク媒体の種類(種別)毎にそれぞれ異なるため、情報の記録に必要な記録パワー(レーザパワー)も異なるので、上述のような情報記録装置では、各光ディスク媒体の種類毎にOPCを実行する際の記録パワーの中心パワー(Pdef)を個別に保持している場合が多い。
また、従来の情報記録装置では、OPCによって最適記録パワーを決定した後に、その最適記録パワーを予め記憶している補正データによって補正している(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−328709号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の情報記録装置では、OPCの際に個々の装置の性能等のばらつきや記録速度,光ディスク媒体の記録特性等の条件等の何らかのばらつき要因により、本来OPCによって決定されるべき最適記録パワーが含まれているOPCレンジを外れてしまった場合、最適記録パワーが求められずにエラーとなってしまうという問題があった。
また、仮にOPCによって最適記録パワーが求まったとしても、OPCを実行する際の記録パワーの中心パワー(Pdef)から大きくずれた個所で決定した場合、真の値との誤差が大きくて真の最適記録パワーにならないという問題があった。
【0008】
上述したOPCの際のばらつき要因としては、情報記録装置の設定する記録パワーとその記録パワーで実際に出射される光ビーム(レーザ光)の記録パワーとの差異,レーザダイオード(光源)の微妙な発振周波数のばらつき,光ビームのフォーカスサーボのバランスのずれ,光源を搭載した光ピックアップの光ビームの出射レンズ面と光ディスク媒体のディスク面とのずれ(このずれを「チルト」と称する),光ビームの記録パルス波形のばらつき,光ディスク媒体の記録感度特性のばらつき,周辺温度の影響等のいろいろな要因が考えられるが、主要因としては情報記録装置側のばらつきによる影響が大きいことが多い。
【0009】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、常に正常なOPCレンジでOPCを実行して正しい最適記録パワーを決定し、その最適記録パワーによって記録媒体への記録品質を安定させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、次の(1)〜(8)の各情報記録装置を提供する。
(1)光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する情報記録装置であって、上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きする試し書き手段と、その試し書き手段によって試し書きされた情報に基づいて上記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定手段と、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納する補正パラメータ格納手段と、その補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手段による試し書き実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正する補正手段を備えた情報記録装置。
【0011】
(2)(1)の情報記録装置において、上記予め装置毎に調整された補正パラメータは、予め装置の製造工程において最適な記録パワーが管理された記録媒体に対して上記試し書き手段による試し書きを実行した結果から求めた補正パラメータである情報記録装置。
(3)(1)の情報記録装置において、上記予め装置毎に調整された補正パラメータは、調整用に記録パワーが管理された標準の情報記録装置によって記録パワーが管理された記録媒体に対して試し書きを実行した結果から求めた最適記録パワーと、自装置で上記記録パワーが管理された記録媒体に試し書きを行った結果得られた最適記録パワーとの両方の値、または上記各最適記録パワーの差から得られる値である情報記録装置。
【0012】
(4)(2)の情報記録装置において、上記試し書き手段による試し書きを記録媒体の任意の位置で実行する手段を設け、その手段によって装置の製造工程において記録媒体の定められた試し書き領域以外の領域も用いて試し書きを実行した結果から補正パラメータを求めるようにした情報記録装置。
(5)(1)の情報記録装置において、上記試し書き手段を複数種類の記録線速度においてそれぞれ上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きするようにし、上記補正パラメータ格納手段に予め装置毎に調整された補正パラメータを試し書きを実行する複数種類の記録線速度毎に格納するようにし、上記補正手段を上記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手段による試し書き実行時に複数種類の記録線速度毎に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正するようにした情報記録装置。
【0013】
(6)(1)の情報記録装置において、上記試し書き手段を複数種類の記録媒体に対してそれぞれ上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きするようにし、上記補正パラメータ格納手段に予め装置毎に調整された補正パラメータを試し書きを実行する複数種類の記録媒体毎に格納するようにし、上記補正手段を上記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手段による試し書き実行時に複数種類の記録媒体毎に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正するようにした情報記録装置。
【0014】
(7)(1)乃至(6)のいずれかの情報記録装置において、上記試し書き手段によって試し書きを実行する毎に上記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータを更新する補正パラメータ更新手段を設けた情報記録装置。
【0015】
(8)(7)の情報記録装置において、上記補正パラメータ更新手段による補正パラメータの更新回数を保存する補正パラメータ更新回数保存手段を設け、上記補正パラメータ更新手段は上記補正パラメータ更新回数保存手段に保存された更新回数が所定回数に達するまでの補正パラメータの平均値を新規の補正パラメータとして上記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータを更新する手段である情報記録装置。
【0016】
また、次の(9)と(10)の各情報記録方法も提供する。
(9)光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する情報記録方法であって、上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きし、その試し書きされた情報に基づいて上記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定し、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納し、その格納された補正パラメータに基づいて上記試し書きの実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正する情報記録方法。
【0017】
(10)光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する情報記録方法であって、上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きし、その試し書きされた情報に基づいて上記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定し、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納し、その格納された補正パラメータに基づいて上記試し書きの実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正し、上記試し書きを実行する毎に上記補正パラメータを更新する情報記録方法。
【0018】
また、次の(11)と(12)の各プログラムも提供する。
(11)コンピュータに、光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する記録手順と、上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きする試し書き手順と、その試し書き手順によって試し書きされた情報に基づいて上記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定手順と、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納する補正パラメータ格納手順と、その補正パラメータ格納手順によって格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手順による試し書き実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正する補正手順を実行させるためのプログラム。
【0019】
(12)コンピュータに、光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する記録手順と、上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きする試し書き手順と、その試し書き手順によって試し書きされた情報に基づいて上記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定手順と、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納する補正パラメータ格納手順と、その補正パラメータ格納手順に格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手順による試し書き実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正する補正手順と、上記試し書き手順によって試し書きを実行する毎に上記補正パラメータ格納手順によって格納された補正パラメータを更新する補正パラメータ更新手順を実行させるためのプログラム。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態である光ディスク記録装置の機能構成を示すブロック図である。
光ディスク記録装置は、レーザ光源であるLDの制御回路において少なくとも記録パワー,再生パワーの2段階のパワー出力が可能であり、設定された目標値を維持するように記録パルスを制御するCD−R/RWドライブ,DVD−R/RWドライブ,DVD+R/RWドライブ,DVD−RAMドライブ,DVD+RAMドライブ等の情報記録装置であり、回転モータ1,ディスク回転制御部2,光ヘッド3,LDドライバ部(LDドライバ)4,サーボ制御部5,データ生成部6,パルス設定部7,パワー設定部8,β値検出部9,コントローラ10,パラメータ記憶部11,外部インターフェース(I/F)12からなる。
【0021】
回転モータ(スピンドルモータ)1は、CD−Rディスク,CD−RWディスク,DVD−Rディスク,DVD−RWディスク,DVD+Rディスク,DVD+RWディスク,DVD−RAMディスク,DVD+RAMディスク等の情報の記録可能な光ディスク(光ディスク媒体,記録媒体)20を回転する。
ディスク回転制御部2は、サーボ制御部5からの制御信号に基づいて回転モータ1を所定の速度で回転し、光ディスク20の線速度を可変する制御を行う。
【0022】
光ヘッド(光ピックアップ)3は、データ記録時,データ試し書き時,データ再生時に、図示を省略した光源である公知のレーザダイオード等の半導体レーザ光源(LD)によって光ビーム(レーザ光)を発光し、サーボ制御部5によるフォーカシングサーボ,トラッキングサーボによってその光ビームを光ディスク20面上を移動させる。LDドライバ4からの制御によってデータ記録時,データ試し書き時は所定の記録パワー,記録パルス幅によってレーザ光の光ビームLを光ディスク20の記録膜上に集光させてデータの記録マークを形成して記録する。また、データ再生時は所定の再生パワー等によって光ビームLを光ディスク20のデータが記録された部分に集光させてその反射光を同じく図示を省略した受光素子(PD)によって受信し、その再生信号(RF)を出力してデータを再生する。
【0023】
このように、LDドライバ4によって光ビームを記録パワー状態とスペースパワー状態の間で変調することにより、光ディスク20の記録膜上には記録マークとそうでないところができる。それを再生すると反射率の差が生じて情報信号として再生することができる。記録マークは、例えば、CD−Rディスクのような非可逆な有機色素媒体ではピット(穴)であり、そうでないところはスペースと呼ばれる。
【0024】
図2は、CD−Rディスクの記録面のフォーマットを示す説明図である。
光ディスク20が、例えば、CD−Rディスクの場合、内周側から順に、パワー・キャリブレーション・エリア(Power Calibration Area:PCA領域)20a,プログラム・メモリ・エリア20b,リード・イン・エリア20c,プログラム・エリア20d,リード・アウト・エリア20eからなり、情報の試し書きを行う光ディスク20上の所定のテスト記録位置(試し書き領域)としては、一般にはユーザエリアよりも内周のPCA領域が用いられる。また、最近では外周部にも試し書き領域を割り当てることもある。
【0025】
LDドライバ4は、パルス設定部7からの入力パルス信号(WD)に基づいて所定の記録パワー状態の記録パワーで、なおかつパワー設定部8からの記録パワー信号に基づいて入力パルス信号(WD)で変調される所定の記録パルス幅で光ヘッド3のLDに光ビームを発光させる制御を行う。
サーボ制御部5は、コントローラ10からのアクセス制御指令(access)に基づいて光ヘッド3を光ディスク20の半径方向に移動させる制御を司り、光ディスク20に予め設けられた試し書き領域やユーザデータ領域にデータ記録・再生時の光ビームLが照射されるようにアクセスを制御する。また、コントローラ10からの回転スピード制御指令(Speed)に基づいて回転モータ1を所定の速度で回転させる制御を行う。
【0026】
データ生成部6は、光ディスク20に記録するデータに所定のフォーマットで符号化や変調処理を施し、シリアル形式で記録データ列信号(WDATA)としてパルス設定部7へ出力する。
パルス設定部7は、コントローラ10からの指示に基づいてデータ生成部6からの記録データ列信号(WDATA)を記録パルス幅を示す入力パルス信号(WD)に変換してLDドライバ4へLDの記録パルス幅を制御する信号として出力する。
【0027】
その変換処理は、例えば記録パルス幅を変える処理である。例えば、入力パルス信号(WD)の記録パルス幅の立ち上がりエッジを記録データ列信号(WDATA)の立ち上がりエッジよりも前側に立ち上がりエッジシフト量thetaだけずらせて記録パルス幅を長くする。その立ち上がりエッジシフト量thetaは、記録データ列信号(WDATA)の全ての立ち上がりエッジに対して同じ量にしてもよいが、記録データ列信号(WDATA)の記録マーク長(High幅)に応じて異なる量を設定してもよい。例えば、記録マーク長が短いほど長めの立ち上がりエッジシフト量thetaを設定すれば、短い記録マーク長の記録マークの記録感度を補正することができる。この時のパルス幅設定を立ち上がりエッジシフト量thetaを用いて(n+theta)Tと表現する。
【0028】
パワー設定部8は、コントローラ10から入力される記録パワー制御指令(power)に基づいてLDドライバ4にLDの発光レベルを指示する記録パワー信号を出力する。また、コントローラ10からデータの試し書きのOPCモード指令(OPCmode)が入力されると、記録パワー制御指令とは関係なくデータ試し書きモードになり、LDドライバ4にLDの発光レベルを指示する記録パワーを順次可変する記録パワー信号を出力する。
【0029】
なお、上記記録パワー及び記録パルス幅は固定値を設定してもよいが、光ディスク20の記録速度である線速度に応じてそれぞれの値を設定するようにすれば、線速度による記録マーク長毎の感度の違いを吸収できるからなおよい。
また、光ディスク20に対するZCLV記録やCAV記録のように、ディスク面内で記録速度(記録時の線速度:記録線速度)を変える場合、記録中に随時線速度によって記録パワーや記録パルス幅の設定を変えるのが好ましい。
【0030】
例えば、記録パルス幅の設定の場合、コントローラ10によって線速度やディスク種別に応じてそれぞれに設定すれば、線速度やディスク種別による記録マーク長毎の感度の違いを吸収できる。
そのディスク種別は、コントローラ10の図示を省略したメディアタイプ検出手段によって光ヘッド3で光ディスク20の特定場所を再生したときの再生信号から検出する。そのディスク種別は、例えばディスクメーカを何らかの方法で特定できればメーカ別にしてもよいし、同一メーカでもさらに細かく分類できればなおよい。他のディスク種別同定手法としては、例えば光ディスク20に予め埋め込んである各種パラメータを用いることもできる。例えば、推奨記録パワーや記録パルス幅などを埋め込んである場合はそれを用いてもよい。
【0031】
あるいは、ディスクメーカ毎に特定のメーカ識別コード(ベンダーコード)を埋め込んでおくこともある。さらに細分類のためのコードを埋め込んでもよい。
例えば、CD−Rディスクの場合、主にリードイン(Lead IN)領域と呼ばれるトラック情報を記録する領域の開始アドレスをディスクメーカ毎に割り当てることによって識別している。そのようにすることで、同一メーカのさまざまな記録膜に応じて、最適な記録パルス幅設定(ライトストラテジ:Write Strategy)が可能になる。
【0032】
β値検出部9は、OPC(情報の試し書きによって最適記録パワーを決定する処理)において、光ディスク20に対してある線速度で記録パワーを順次変化させて情報を試し書き記録し、その試し書きした記録部の情報の再生信号のβ値を検出する。まず、光ヘッド3から再生信号(RF)入力するとその信号の低域成分を除去(AC結合)して、その上側包絡線レベルaと下側包絡線レベルbを検出する。
【0033】
図3は、再生信号(RF)から低域成分を除去して上側包絡線レベルaと下側包絡線レベルbを求める処理の説明に供する波形図である。
光ディスク20の記録膜の特性として、記録マーク部でのレーザ光の反射率が下がると仮定すると、再生信号(RF)は低反射部で低レベルになる。そうすると、適正な記録条件のときにAC結合された再生信号(RF)の場合、同図の(1)に示すように、上側包絡線レベルaと下側包絡線レベルbが基準レベルを挟んで上下対称になり、a=bになる。
【0034】
また、適正な記録条件のときよりも記録パワーが過大な場合は記録マーク部が長くなるから、同図の(2)に示すように、AC結合された再生信号(RF)の下側包絡線レベルbよりも上側包絡線レベルaが高くなり(高レベルになり)、a>bになる。
さらに、適正な記録条件のときよりも記録パワーが不足する場合は記録マーク長が短くなるから、同図の(3)に示すように、AC結合された再生信号(RF)の上側包絡線レベルaよりも下側包絡線レベルbが高くなり下側レベルが高くなり(高レベルになり)、a<bになる。
【0035】
その上側包絡線レベルaと下側包絡線レベルbの差(a−b)を再生信号(RF)振幅値(RF振幅値)(a+b)で正規化した量がアシンメトリ値(β値)である。
すなわち、β=(a−b)/(a+b)を求める。
このβ値は、β値が大きいと最適記録パワーよりも記録パワーが過大であり、小さいと最適記録パワーよりも記録パワーが不足であることを表す。
【0036】
コントローラ10は、CPU,ROM及びRAM等からなるマイクロコンピュータによって実現され、この光ディスク装置の全体の制御を司り、この発明に係る各種の処理も実行する。また、上記β値を評価することによってβターゲットになるときの記録パワーを求め、その記録パワーを最適記録パワーに決定する処理も行う。
最適記録パワーはβ値がある値(例えば4%程度)になったときであり、そのときのβ値をβターゲット(βtarget)と呼ぶ。
【0037】
図4は、記録パワーとβ値との関係を示す線図である。
同図の(a)に示すように、所定範囲であるOPCレンジ(記録パワーを振る範囲)内で記録パワーを10段階に変えて情報を記録する。OPCレンジは、基準となる中心記録パワーPdefに対して、例えば+40%,−30%の範囲で10段階で振る、あるいは中心記録パワーPdefに対して、例えば+5mW,−4mWの範囲で1mWずつ振る等の方法がある。
【0038】
同図の(a)に示した10段階の記録パワーで試し書きした情報の再生信号から得られた10点のβ値から曲線(2次)近似し、同図の(b)に示すβカーブを(β曲線)を求め、そのβカーブからβターゲットとなる記録パワーPopcを求める。その記録パワーPopcはOPCを実行する時点の温度変化等の条件によって多少変動することもあるため、通常条件では記録パワーPopcはなるべく中心記録パワーPdef付近で求まる方が望ましい。また、記録パワーPopcは光ディスク毎に異なることが多いため、それぞれの光ディスクの種類に対応したライトストラテジと共に設定することも多い。
【0039】
しかし、何らかのばらつき要因により、OPCによって決定されるべき最適記録パワーがOPCレンジを外れてしまった場合、最適記録パワーが求められずエラーとなってしまう。また、仮にOPCパワーが求まったとしても中心記録パワーPdefから大きくずれた個所で決定した場合、真の値との誤差が大きい場合がある。
このOPCばらつきは、上述の温度変化や光ディスク媒体の記録感度特性のばらつきといった要因もあるが、光ディスク記録装置に起因したばらつきが多い。
【0040】
その光ディスク記録装置側のばらつき要因としては、光ディスク記録装置の設定する記録パワーとその記録パワーで実際に出射される光ビーム(レーザ光)の記録パワーとの差異,レーザダイオード(光源)の微妙な発振周波数のばらつき,光ビームのフォーカスサーボのバランスのずれ,光源を搭載した光ピックアップの光ビームの出射レンズ面と光ディスク媒体のディスク面とのずれ(このずれを「チルト」と称する),光ビームの記録パルス波形のばらつき,光ディスク媒体の記録感度特性のばらつき,周辺温度の影響等のいろいろな要因が考えられるが、主要因としては情報記録装置側のばらつきによる影響が大きいことが多い。
【0041】
パラメータ記憶部11は、例えば不揮発性メモリを使用し、光ディスク装置毎に調整された諸パラメータを格納するメモリであり、予め装置毎に調整された補正パラメータであるOPCレンジ補正パラメータdPdefを保存する。
このパラメータ記憶部11は、フラッシュROMやEEPROM等の不揮発性メモリだけでなく、PCB上にジャンパスイッチを設けることでも補正範囲を荒く設定することで代用できる。このOPCレンジ補正パラメータに基づいて、コントローラ10はOPC実行時、OPCレンジをOPCレンジ補正パラメータdPdef分だけシフトさせる。すなわち中心記録パワーPdefを(Pdef+dPdef)としてOPCレンジを補正してOPCを実行する。
【0042】
次に、この光ディスク記録装置におけるこの発明に係るOPCレンジ補正機能(試し書き実行時に順次変化させる記録パワーの所定範囲を補正する記録パワー所定範囲補正機能)について説明する。
【0043】
(1)この光ディスク記録装置におけるこの発明に係る第1のOPCレンジ補正機能
この第1のOPCレンジ補正機能を実現するため、光ディスク記録装置のコントローラ10のメモリ(図示を省略)に、光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する記録手順と、上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きする試し書き手順と、その試し書き手順によって試し書きされた情報に基づいて上記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定手順と、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納する補正パラメータ格納手順と、その補正パラメータ格納手順によって格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手順による試し書き実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正する補正手順とを実行させるためのプログラムをインストール(CPUが実行可能に格納)する。
【0044】
そして、コントローラ10がそのプログラムを実行することにより、光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録して、上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きし、その試し書きされた情報に基づいて上記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定し、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納し、その格納された補正パラメータに基づいて上記試し書きの実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正する処理を行う。
【0045】
すなわち、上記コントローラ10等が、光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する手段と、上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きする試し書き手段と、その試し書き手段によって試し書きされた情報に基づいて上記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定手段と、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納する補正パラメータ格納手段と、その補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手段による試し書き実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正する補正手段の機能を果たす。
【0046】
この第1のOPCレンジ補正機能の処理は、コントローラ10が、OPC時、パラメータ記憶部11に格納された予め装置毎に調整されたOPCレンジ補正パラメータを読み出し、そのOPCレンジ補正パラメータに基づいて試し書きの実行時に順次変化させる記録パワーのOPCレンジ(所定範囲)を補正する。
【0047】
このOPCレンジ(所定範囲)の補正では、パラメータ記憶部11に格納されたOPCレンジ補正パラメータに基づいて上記順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変える補正をする。
すなわち、中心記録パワーを変えずにOPCの変化ステップパラメータに応じて変えることでOPCレンジを広げる。
【0048】
このようにして、OPCばらつきのある光ディスク記録装置の場合、OPCレンジ補正パラメータに示された値によってOPC実行時に順次変更していく記録パワーのステップ量を可変にするので、正常にOPCを実行することができる。
そして、上記OPCレンジ(所定範囲)内で光ビームの記録パワーを順次変化させて光ディスク20のPCA領域(所定のテスト記録位置)にデータ(情報)を試し書きし、その試し書きされたデータを再生した再生信号に基づいて光ディスク20にデータを記録するときの最適記録パワーを決定する。
【0049】
このようにして、予め光ディスク記録装置毎にOPCパワーばらつきを求めてその補正パラメータを保存しておき、その保存したパラメータからOPCレンジを装置毎にずらすことによって光ディスク記録装置毎にOPCレンジを調整可能にしたので、常に適正なOPCレンジでOPCを正常に実行し、常にデータ記録時の最適記録パワーを求めることができ、光ディスクに対する安定したデータ記録品質を確保することができる。また、装置毎の性能等のばらつきを抑えられるので製造上の歩留まり向上にも貢献することができる。
【0050】
(2)この光ディスク記録装置におけるこの発明に係る第2のOPCレンジ補正機能
この第2のOPCレンジ補正機能は、上記第1のOPCレンジ補正機能において、上記予め装置毎に調整された補正パラメータを、予め装置の製造工程において最適な記録パワーが管理された記録媒体に対して上記試し書き手段による試し書きを実行した結果から求めた補正パラメータにしたものである。
【0051】
そのために、上記プログラムにこの第2のOPCレンジ補正機能に係る手順として、予め装置の製造工程において最適な記録パワーが管理された記録媒体に対して上記試し書き手段による試し書きを実行した結果から求めた補正パラメータ上記予め装置毎に調整された補正パラメータにする手順を追加し、上記コントローラ10等がその手順を実行することにより、第2のOPCレンジ補正機能を実現する。
【0052】
この第2のOPCレンジ補正機能では、パラメータ記憶部11に、予め光ディスク記録装置の製造工程において最適記録パワーが管理された光ディスクに対して試し書きを実行した結果から求めた装置毎に調整されたOPCレンジ補正パラメータを格納し、コントローラ10が、そのOPCレンジ補正パラメータに基づいて上記第1のOPCレンジ補正処理を行う。
例えば、光ディスク記録装置の製造工程において最適記録パワーのわかっている光ディスクを管理しておき、その光ディスクに対してOPCを実行した結果に基づいてOPCレンジ補正パラメータを求め、その光ディスク記録装置のパラメータ記憶部11に記憶させる。
【0053】
このようにして、光ディスク記録装置の製造工程において適正な記録パワーの管理された光ディスクを用いて、光ディスク記録装置毎に調整されたOPCレンジ補正パラメータを求めてその光ディスク記録装置に記憶させることにより、出荷後の各光ディスク記録装置はそれぞれ適正なOPCレンジでOPCを正常に実行することができるようになる。
【0054】
(3)この光ディスク記録装置におけるこの発明に係る第3のOPCレンジ補正機能
この第3のOPCレンジ補正機能は、上記第1のOPCレンジ補正機能において、上記予め装置毎に調整された補正パラメータを、調整用に記録パワーが管理された標準の情報記録装置によって記録パワーが管理された記録媒体に対して試し書きを実行した結果から求めた最適記録パワーと上記試し書き手段による試し書きを実行した結果から求めた最適記録パワーとの両方の値、又は上記各最適記録パワーの差から得られる値であるようにしたものである。
【0055】
そのために、上記プログラムにこの第3のOPCレンジ補正機能に係る手順として、調整用に記録パワーが管理された標準の情報記録装置によって記録パワーが管理された記録媒体に対して試し書きを実行した結果から求めた最適記録パワーと上記試し書き手順による試し書きを実行した結果から求めた最適記録パワーとの両方の値、又は上記各最適記録パワーの差から得られる値を上記予め装置毎に調整された補正パラメータとする手順を追加し、上記コントローラ10等がその手順を実行することにより、第3のOPCレンジ補正機能を実現する。
【0056】
上述のようにOPCレンジ補正パラメータの取得を光ディスク記録装置の製造工程で行うとなると、調整用に記録パワーの管理された光ディスクを定常的に用意しつづけることは大きな負担になる。
そこで、基準となる標準光ディスク記録装置(標準機)を用意し、予めその標準機で調整用光ディスクに対してOPCを実行し、標準機でのOPCで決定された最適記録パワーと調整される個々の光ディスク記録装置でのOPCで決定された最適記録パワー(またはその両最適記録パワーの差)をOPCレンジ補正パラメータとして保存すれば、個々の調整用光ディスクを厳密に管理しなくても、標準機での記録品質を管理しておくことで安定してOPCレンジ補正パラメータを求めることができる。
【0057】
この第3のOPCレンジ補正機能では、パラメータ記憶部11に、OPCレンジ補正パラメータの調整用に記録パワーが管理された標準の光ディスク記録装置(標準機)によって記録パワーが管理された光ディスクに対して試し書きを実行した結果から求めた最適記録パワーと、自装置で光ディスクに試し書きを実行した結果から求めた最適記録パワーとの両方の値、又は上記各最適記録パワーの差から得られる値を予め光ディスク記録装置毎に調整されたOPCレンジ補正パラメータとして記憶する。
このとき標準機でOPCをした結果の記録パワーを光ディスクの特定個所に記録し、光ディスク記録装置調整時に標準機の記録パワーが記録された個所を読み取れるようにするとなお良い。
【0058】
このようにして、調整用のディスク特性として記録パワーの管理された光ディスクを定常的に用意しつづけることは困難であるので、基準となる標準の光ディスク記録装置(標準機)を用意し、まずその標準機で調整用光ディスクに対してOPCを実行して最適記録パワーを求め、自装置で光ディスクにOPCを実行し最適記録パワーを求め、その両最適記録パワー(またはその両最適記録パワーの差)をOPCレンジ補正パラメータとして保存することにより、調整用ディスクを厳密に管理しなくても安定してOPC補正パラメータを求めることができる。
【0059】
(4)この光ディスク記録装置におけるこの発明に係る第4のOPCレンジ補正機能
この第4のOPCレンジ補正機能は、上記第2のOPCレンジ補正機能において、上記試し書き手段による試し書きを記録媒体の任意の位置で実行する手段を設け、その実行によって装置の製造工程において記録媒体の定められた試し書き領域以外の領域も用いて試し書きを実行した結果から補正パラメータを求めるようにしたものである。
【0060】
そのために、上記プログラムにこの第4のOPCレンジ補正機能に係る手順として、上記試し書き手順による試し書きを記録媒体の任意の位置で実行する手順と、その手順による実行によって装置の製造工程において記録媒体の定められた試し書き領域以外の領域も用いて試し書きを実行した結果から補正パラメータを求める手順とを追加し、上記コントローラ10等がその手順を実行することにより、第4のOPCレンジ補正機能を実現する。
すなわち、上記コントローラ10等が、上記試し書き手段による試し書きを記録媒体の任意の位置で実行する手段と、その手段によって装置の製造工程において記録媒体の定められた試し書き領域以外の領域も用いて試し書きを実行した結果から補正パラメータを求める手段の機能を果たす。
【0061】
例えば、CD−Rディスクの場合、PCA領域で実行できるOPCの実行回数は99回という制限がある。しかし、OPCレンジ補正パラメータの調整用としては一枚の光ディスクでなるべく多くOPCを実行できた方が製造工程上効率がよい。
そこで、光ディスクの任意の位置でOPC動作を実行してOPCレンジ補正パラメータを求めるようにすれば、OPCの実行回数の制限を受けずにOPCレンジ補正パラメータを得ることができる。
【0062】
この第4のOPCレンジ補正処理では、上述のOPCレンジ補正処理において、コントローラ10が、光ディスク20の任意の位置で試し書きを実行し、その実行によって光ディスク記録装置の製造工程において光ディスクの定められた試し書き領域(PCA領域)以外の領域も用いて試し書きを実行した結果からOPCレンジ補正パラメータを求める。
【0063】
そのとき、光ディスク20の面内のどの位置まで調整用のOPCを実行したかを判別する必要がある。そのための手段としては、PCA領域のカウントエリアと同様の情報をその光ディスク20内に記録し、調整時は随時続けてその後にOPCを行うように光ディスク記録装置自身に機能を持たせる方法がある。
また、図5のフローチャート図に示すように、ATAPIやその他の外部I/F12を用いて調整装置のホストコンピュータ(HOST)と接続し、そのホストコンピュータ側でOPC実行回数の管理,OPC実行アドレスの指示,標準機でのOPC結果取得,OPCレンジ補正パラメータの設定等を行うようにするとよい。
【0064】
その処理は、光ディスク記録装置のコントローラ10は、ステップ(図中「S」で示す)1の基準ディスクマウント処理で基準となる光ディスクをマウントすると、外部I/Fを介してホストコンピュータへマウント完了通知を送る。
ホストコンピュータは、光ディスク記録装置からマウント完了通知を受け取ると、ステップ11でマウント完了を認識し、ステップ12で光ディスク記録装置に光ディスクのアドレスを指定してOPCの実行を指示するOPC指示を送る。
光ディスク記録装置のコントローラ10は、ステップ2で外部I/Fを介してホストコンピュータからOPC指示を受け取ると、光ディスクの指定したアドレスに対してOPCによる試し書きを実行し、ステップ3でOPCによる結果を取得し、その結果を示すOPC結果通知を外部I/Fを介してホストコンピュータへ送る。
【0065】
ホストコンピュータは、光ディスク記録装置からOPC結果通知を受け取ると、ステップ13でOPC結果に基づいてOPCレンジ補正パラメータを決定し、光ディスク記録装置にそのOPCレンジ補正パラメータを送る。
光ディスク記録装置のコントローラ10は、ステップ4で外部I/Fを介してホストコンピュータからOPCレンジ補正パラメータを受け取ると、それをパラメータ記憶部に記憶して保存し、この処理を終了する。
【0066】
このようにして、光ディスクの任意の位置でOPC動作を実行してOPCレンジ補正パラメータを求められるので、例えば、CD−RディスクのようにPCAで実行できるOPC実行回数に制限のある光ディスクでも、なるべく多くのOPCを実行してOPCレンジ補正パラメータの調整が行えるので、光ディスク記録装置を効率良く製造することができる。
【0067】
(5)この光ディスク記録装置におけるこの発明に係る第5のOPCレンジ補正機能
この第5のOPCレンジ補正機能は、上記第1のOPCレンジ補正機能において、上記試し書き手段を複数種類の記録線速度においてそれぞれ上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きするようにし、上記補正パラメータ格納手段に予め装置毎に調整された補正パラメータを試し書きを実行する複数種類の記録線速度毎に格納するようにし、上記補正手段を上記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手段による試し書き実行時に複数種類の記録線速度毎に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正するようにしたものである。
【0068】
そのために、上記プログラムにこの第5のOPCレンジ補正機能に係る手順として、上記試し書き手順を複数種類の記録線速度においてそれぞれ上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きするようにし、上記補正パラメータ格納手順によって予め装置毎に調整された補正パラメータを試し書きを実行する複数種類の記録線速度毎に格納するようにし、上記補正手順を上記補正パラメータ格納手順によって格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手順による試し書き実行時に複数種類の記録線速度毎に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正する手順を追加し、上記コントローラ10等がその手順を実行することにより、第5のOPCレンジ補正機能を実現する。
【0069】
例えば、光ディスク記録装置では、基準の線速度に対して、2倍速,4倍速,と言ったように複数の記録線速度の記録モードをもつ場合が多い。
この第5のOPCレンジ補正処理では、コントローラ10は、複数種類の記録線速度においてそれぞれ光ビームの記録パワーをOPCレンジ(所定範囲)内で順次変化させて光ディスクの所定のテスト記録位置にデータ(情報)を試し書きするようにし、その試し書きによって得られた複数種類の記録線速度毎のOPCレンジ補正パラメータをパラメータ記憶部11に記憶して格納するようにし、OPC時、パラメータ記憶部11に格納された記録線速度毎のOPCレンジ補正パラメータに基づいて各記録線速度毎に順次変化させる記録パワーのOPCレンジ(所定範囲)を補正する。このように、記録線速度を複数もつ場合は、OPC実行速度毎に補正パラメータを持つとよい。しかし、製造時の調整タクトを減らすため、ある速度で求めたOPCレンジ補正パラメータにある比率を掛け、その速度でのOPCレンジ補正パラメータとする方法もある。
このようにして、記録速度毎に記録パワーのOPCレンジは異なるため、記録速度毎のOPCレンジ補正パラメータをもつことにより、どの記録速度でも安定してOPCが実行できる。
【0070】
(6)この光ディスク記録装置におけるこの発明に係る第6のOPCレンジ補正機能
この第6のOPCレンジ補正機能は、上記第1のOPCレンジ補正機能において、上記試し書き手段を複数種類の記録媒体に対してそれぞれ上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きするようにし、上記補正パラメータ格納手段に予め装置毎に調整された補正パラメータを試し書きを実行する複数種類の記録媒体毎に格納するようにし、上記補正手段を上記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手段による試し書き実行時に複数種類の記録媒体毎に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正するようにしたものである。
【0071】
そのために、上記プログラムにこの第6のOPCレンジ補正機能に係る手順として、上記試し書き手順を複数種類の記録媒体に対してそれぞれ上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きするようにし、上記補正パラメータ格納手順によって予め装置毎に調整された補正パラメータを試し書きを実行する複数種類の記録媒体毎に格納するようにし、上記補正手順を上記補正パラメータ格納手順によって格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手順による試し書き実行時に複数種類の記録媒体毎に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正する手順を追加し、上記コントローラ10等がその手順を実行することにより、第6のOPCレンジ補正機能を実現する。
【0072】
例えば、CD−Rディスクの場合、その構成物質によってシアニン系,フタロシアニン系,アゾ系と大別されるが、それらの種別によってOPCばらつき傾向が異なる場合もある。また、一般にCD−RディスクでOPC時の記録パワーが大きい光ディスク記録装置では、CD−RWディスクでもOPC時の記録パワーは大きくなるが、ばらつきの傾向は必ずしも一致しない。また、CD−Rディスクでもその構成物質によってシアニン系,フタロシアニン系,アゾ系に大別されるがその種類によっても同様である。そこで、光ディスクの種類毎のOPCレンジ補正パラメータをそれぞれ持つようにするとよい。
【0073】
この第6のOPCレンジ補正処理は、パラメータ記憶部11に予め装置毎に調整されたOPCレンジ補正パラメータを試し書きを実行する複数種類の光ディスク毎に格納するようにし、コントローラ10が、パラメータ記憶部11に格納されたOPCレンジ補正パラメータに基づいて試し書き実行時に複数種類の光ディスク毎に順次変化させる記録パワーのOPCレンジ(所定範囲)を補正し、複数種類の光ディスクに対してそれぞれ光ビームの記録パワーをOPCレンジ(所定範囲)内で順次変化させて光ディスクの所定のテスト記録位置にデータ(情報)を試し書きする。
【0074】
図6は、光ディスクの種類毎に格納されたOPCレンジ補正パラメータを用いたOPC処理を示すフローチャート図である。
この処理は、コントローラ10が、ステップ21でOPC対象の光ディスクのディスクIDを取得し、ステップ22でそのディスクIDに基づいて光ディスクの種類を判別し、その種類に対応するOPCパラメータ(OPCレンジ補正パラメータ)をパラメータ記憶部から読み出して設定し、そのOPCパラメータに基づいてOPCレンジを補正し、その補正したOPCレンジを設定して、ステップ23でOPCを実行する。
このようにして、光ディスクの種類毎にOPCレンジ補正パラメータをもつことでより安定してOPCを実行することができる。
【0075】
(7)この光ディスク記録装置におけるこの発明の参考技術のOPCレンジ補正機能
この参考技術のOPCレンジ補正機能は、上記第1のOPCレンジ補正機能において、上記記録パワーの所定範囲の補正を、上記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータの値分だけ上記所定範囲の中心記録パワーをシフトさせる補正にしたものである。
そのために、上記プログラムにこの参考技術のOPCレンジ補正機能に係る手順として、上記補正パラメータ格納手順によって格納された補正パラメータの値分だけ上記所定範囲の中心記録パワーをシフトさせて上記記録パワーの所定範囲の補正する手順を追加し、上記コントローラ10等がその手順を実行することにより、参考技術のOPCレンジ補正機能を実現する。
【0076】
この参考技術のOPCレンジ補正処理は、コントローラ10が、上記OPCレンジ補正処理において、記録パワーのOPCレンジ(所定範囲)の補正を、パラメータ記憶部11に格納されたOPCレンジ補正パラメータの値分だけOPCレンジ(所定範囲)の中心記録パワーをシフトさせる補正をする。
すなわち、OPC実行時には、OPCレンジ補正パラメータdPdef分だけOPCレンジをシフトさせ、中心記録パワーをPdef+dPdefにする。
このようにして、OPCレンジ補正パラメータに示された記録パワーだけOPCの中心記録パワーをオフセットさせることによってOPCレンジを補正することにより、安定してOPCを実行することができる。
【0077】
(8)この光ディスク記録装置におけるこの発明に係る第7のOPCレンジ補正機能
この第7のOPCレンジ補正機能を実現するため、光ディスク記録装置のコントローラ10のメモリ(図示を省略)に、光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する記録手順と、上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きする試し書き手順と、その試し書き手順によって試し書きされた情報に基づいて上記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定手順と、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納する補正パラメータ格納手順と、その補正パラメータ格納手順によって格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手順による試し書き実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正する補正手順と、上記試し書き手順によって試し書きを実行する毎に上記補正パラメータ格納手順によって格納された補正パラメータを更新する補正パラメータ更新手順とを実行させるためのプログラムをインストール(CPUが実行可能に格納)する。
【0078】
そして、コントローラ10がそのプログラムを実行することにより、光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録して、上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きし、その試し書きされた情報に基づいて上記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定し、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納し、その格納された補正パラメータに基づいて上記試し書きの実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正し、上記試し書きを実行する毎に上記補正パラメータを更新する処理を行う。
【0079】
すなわち、上記コントローラ10等が、光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する記録手段と、上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きする試し書き手段と、その試し書き手段によって試し書きされた情報に基づいて上記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定手段と、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納する補正パラメータ格納手段と、その補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手段による試し書き実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正する補正手段と、上記試し書き手段によって試し書きを実行する毎に上記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータを更新する補正パラメータ更新手段の機能を果たす。
【0080】
光ディスク記録装置の出荷後にユーザが使用するときには、様々なユーザ環境や使用ディスク、更には装置やディスクの経時変化に対応するため、光ディスクに対してOPCを実行する度にOPCレンジ補正パラメータを更新するとよい。
この第7のOPCレンジ補正処理は、コントローラ10が、上述のOPCレンジ補正処理において、上記試し書きを実行する毎にパラメータ記憶部11のOPCレンジ補正パラメータを更新する。
【0081】
例えば、まず初期値としては製造工程において記録パワーの管理された光ディスクを用いてOPCを実行し、そのOPCで得られたOPCレンジ補正パラメータをパラメータ記憶部11に保存する。そして、出荷後にその保存されたOPCレンジ補正パラメータを用いてOPCを行って最適記録パワーを求めてデータを記録すると共に、パラメータ記憶部11のOPCレンジ補正パラメータにそのOPCで新たに得られたOPCレンジ補正パラメータdPdefを上書きすることにより、OPC実行毎にOPCレンジ補正パラメータを更新する。
このようにして、製造工程において適正な記録パワーの管理された光ディスクを用いてOPC補正パラメータを調整することにより、出荷当初からそれぞれの光ディスク記録装置が適正なOPCレンジでOPCを正常に実行することができる。
【0082】
図7は、OPCレンジ補正パラメータの更新処理を示すフローチャート図である。
この処理は、コントローラ10が、ステップ31で光ディスクを識別し、ステップ32でパラメータ記憶部から読み出した補正パラメータ(OPCレンジ補正パラメータ)によってOPCレンジを補正して設定し、ステップ3でOPCを実行し、ステップ34でパラメータ記憶部の補正パラメータを上記OPCによって得られた新たな補正パラメータ(OPCレンジ補正パラメータ)に更新し、ステップ35のディスク記録処理で上記OPCで得られた最適記録パワーで光ディスクにデータを記録する。
【0083】
このようにして、ユーザが光ディスク記録装置を用いて光ディスクに記録を行う度にOPCレンジ補正パラメータを更新するので、装置出荷後にユーザが使用する様々な光ディスクや使用環境に応じた適正なOPCレンジを確保でき、常に適正なOPCレンジでOPCを正常に実行することができる。その結果、適正な記録パワーを求めることができ、光ディスクに対する安定した記録品質を確保することができる。
【0084】
(9)この光ディスク記録装置におけるこの発明に係る第8のOPCレンジ補正機能
この第8のOPCレンジ補正機能は、上記第7のOPCレンジ補正機能において、上記試し書き手段を複数種類の記録媒体に対してそれぞれ上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きするようにし、上記補正パラメータ格納手段に予め装置毎に調整された補正パラメータを試し書きを実行する複数種類の記録媒体毎に格納するようにし、上記補正手段を上記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手段による試し書き実行時に複数種類の記録媒体毎に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正するようにしたものである。
【0085】
そのために、上記プログラムにこの第8のOPCレンジ補正機能に係る手順として、上記試し書き手順を複数種類の記録媒体に対してそれぞれ上記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて上記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きするようにし、上記補正パラメータ格納手順によって予め装置毎に調整された補正パラメータを試し書きを実行する複数種類の記録媒体毎に格納するようにし、上記補正手順を上記補正パラメータ格納手順によって格納された補正パラメータに基づいて上記試し書き手順による試し書き実行時に複数種類の記録媒体毎に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて上記所定範囲を補正する手順を追加し、上記コントローラ10等がその手順を実行することにより、第8のOPCレンジ補正機能を実現する。
【0086】
この第8のOPCレンジ補正処理では、コントローラ10は、複数種類の記録線速度においてそれぞれ光ビームの記録パワーをOPCレンジ(所定範囲)内で順次変化させて光ディスクの所定のテスト記録位置にデータ(情報)を試し書きするようにし、その試し書きによって得られた複数種類の記録線速度毎のOPCレンジ補正パラメータをパラメータ記憶部11に記憶して格納するようにし、OPC時、パラメータ記憶部11に格納された記録線速度毎のOPCレンジ補正パラメータに基づいて各記録線速度毎に順次変化させる記録パワーのOPCレンジ(所定範囲)を補正する。そして、OPCを実行する度にパラメータ記憶部11に格納されたOPCレンジ補正パラメータdPdefを新しい値に更新する。
【0087】
例えば、光ディスク記録装置では、光ディスクの種類(ベンダーコード)毎に記録パルス幅の最適化(Write Strategy)を行う方がよく、光ディスク記録装置内に記録ストラテジ(Write Strategy)のパラメータテーブルを持つことが多い。
このパラメータテーブルの中にOPCの中心記録パワーPdefも光ディスクの種類N(Nは正の整数)毎に設定することがあるが、中心記録パワーPdef(N)に対して光ディスクの種類N毎にそれぞれOPCレンジ補正パラメータdPdef(N)を持っている。そこで、コントローラ10は、それぞれの光ディスクに対してOPCを実行する度にOPCレンジ補正パラメータdPdef(N)を更新していく。こうすることで常に適正なOPCレンジを確保できる。
【0088】
このようにして、光ディスクの種別により別々のOPCレンジ補正パラメータをもち、それぞれをOPCを実行する度に更新するので、光ディスクの種類毎に常に適正なOPCレンジでOPCを正常に実行することができる。
【0089】
(10)この光ディスク記録装置におけるこの発明に係る第9のOPCレンジ補正機能
この第9のOPCレンジ補正機能は、上記第7のOPCレンジ補正機能において、上記補正パラメータ更新手段による補正パラメータの更新回数を保存する補正パラメータ更新回数保存手段を設け、上記補正パラメータ更新手段を上記補正パラメータ更新回数保存手段に保存された更新回数が所定回数に達するまでの補正パラメータの平均値を新規の補正パラメータとして上記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータを更新する手段にしたものである。
【0090】
そのために、上記プログラムにこの第10のOPCレンジ補正機能に係る手順として、上記補正パラメータ更新手順による補正パラメータの更新回数を保存する補正パラメータ更新回数保存手順と、上記補正パラメータ更新手順を上記補正パラメータ更新回数保存手順によって保存された更新回数が所定回数に達するまでの補正パラメータの平均値を新規の補正パラメータとして上記補正パラメータ格納手順によって格納された補正パラメータを更新する手順とを追加し、上記コントローラ10等がその手順を実行することにより、第10のOPCレンジ補正機能を実現する。
【0091】
すなわち、上記コントローラ10等が、上記補正パラメータ更新手段による補正パラメータの更新回数を保存する補正パラメータ更新回数保存手段と、その補正パラメータ更新回数保存手段に保存された更新回数が所定回数に達するまでの補正パラメータの平均値を新規の補正パラメータとして上記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータを更新する補正パラメータ更新手段の機能を果たす。
【0092】
この第9のOPCレンジ補正処理では、コントローラ10は、パラメータ記憶部11のOPCレンジ補正パラメータの更新回数を、例えばパラメータ記憶部11に記憶して保存し、その補正パラメータ更新回数が所定回数に達するまでのOPCレンジ補正パラメータの平均値を新規のOPCレンジ補正パラメータとしてパラメータ記憶部11に格納されたOPCレンジ補正パラメータを更新する。
このように、OPCレンジ補正パラメータの更新で平均値をとることにより、突発的に特性の異なる光ディスクに対してOPCを実行したときにもOPCレンジ補正パラメータの値を適正に保つことができる。
このようにして、OPCレンジ補正パラメータを更新する際にトータルの平均値をとることで突発的に特性の異なる光ディスクを記録した後でも適正なOPCレンジ補正パラメータを保持することができ、常に適正なOPCレンジでOPCを正常に実行することができる。
【0093】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の情報記録装置と情報記録方法によれば、常に正常なOPCレンジでOPCを実行して正しい最適記録パワーを決定し、その最適記録パワーによって記録媒体への記録品質を安定させることができる。
また、この発明のプログラムによれば、コンピュータにこの発明に係る機能を容易に実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態である光ディスク記録装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】 CD−Rディスクの記録面のフォーマットを示す説明図である。
【図3】 再生信号(RF)から低域成分を除去して上側包絡線レベルaと下側包絡線レベルbを求める処理の説明に供する波形図である。
【図4】 記録パワーとβ値との関係を示す線図である。
【図5】 ホストコンピュータによる光ディスク記録装置のOPCレンジ補正パラメータの設定処理を示すフローチャート図である。
【図6】 光ディスクの種類毎に格納されたOPCレンジ補正パラメータを用いたOPC処理を示すフローチャート図である。
【図7】 OPCレンジ補正パラメータの更新処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1:回転モータ 2:ディスク回転制御部
3:光ヘッド 4:LDドライバ
5:サーボ制御部 6:データ生成部
7:パルス設定部 8:パワー設定部
9:β値検出部 10:コントローラ
11:パラメータ記憶部
12:外部インターフェース(I/F)
20:光ディスク
20a:パワー・キャリブレーション・エリア(PCA領域)
20b:プログラム・メモリ・エリア
20c:リード・イン・エリア
20d:プログラム・エリア
20e:リード・アウト・エリア
Claims (12)
- 光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する情報記録装置であって、前記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて前記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きする試し書き手段と、該試し書き手段によって試し書きされた情報に基づいて前記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定手段と、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納する補正パラメータ格納手段と、該補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータに基づいて前記試し書き手段による試し書き実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて前記所定範囲を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする情報記録装置。
- 請求項1記載の情報記録装置において、前記予め装置毎に調整された補正パラメータは、予め装置の製造工程において最適な記録パワーが管理された記録媒体に対して前記試し書き手段による試し書きを実行した結果から求めた補正パラメータであることを特徴とする情報記録装置。
- 請求項1記載の情報記録装置において、前記予め装置毎に調整された補正パラメータは、調整用に記録パワーが管理された標準の情報記録装置によって記録パワーが管理された記録媒体に対して試し書きを実行した結果から求めた最適記録パワーと、自装置で前記記録パワーが管理された記録媒体に試し書きを行った結果得られた最適記録パワーとの両方の値、または前記各最適記録パワーの差から得られる値であることを特徴とする情報記録装置。
- 請求項2記載の情報記録装置において、前記試し書き手段による試し書きを記録媒体の任意の位置で実行する手段を設け、該手段によって装置の製造工程において記録媒体の定められた試し書き領域以外の領域も用いて試し書きを実行した結果から補正パラメータを求めるようにしたことを特徴とする情報記録装置。
- 請求項1記載の情報記録装置において、前記試し書き手段を複数種類の記録線速度においてそれぞれ前記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて前記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きするようにし、前記補正パラメータ格納手段に予め装置毎に調整された補正パラメータを試し書きを実行する複数種類の記録線速度毎に格納するようにし、前記補正手段を前記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータに基づいて前記試し書き手段による試し書き実行時に複数種類の記録線速度毎に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて前記所定範囲を補正するようにしたことを特徴とする情報記録装置。
- 請求項1記載の情報記録装置において、前記試し書き手段を複数種類の記録媒体に対してそれぞれ前記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて前記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きするようにし、前記補正パラメータ格納手段に予め装置毎に調整された補正パラメータを試し書きを実行する複数種類の記録媒体毎に格納するようにし、前記補正手段を前記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータに基づいて前記試し書き手段による試し書き実行時に複数種類の記録媒体毎に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて前記所定範囲を補正するようにしたことを特徴とする情報記録装置。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報記録装置において、前記試し書き手段によって試し書きを実行する毎に前記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータを更新する補正パラメータ更新手段を設けたことを特徴とする情報記録装置。
- 請求項7記載の情報記録装置において、前記補正パラメータ更新手段による補正パラメータの更新回数を保存する補正パラメータ更新回数保存手段を設け、前記補正パラメータ更新手段は前記補正パラメータ更新回数保存手段に保存された更新回数が所定回数に達するまでの補正パラメータの平均値を新規の補正パラメータとして前記補正パラメータ格納手段に格納された補正パラメータを更新する手段であることを特徴とする情報記録装置。
- 光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する情報記録方法であって、前記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて前記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きし、該試し書きされた情報に基づいて前記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定し、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納し、該格納された補正パラメータに基づいて前記試し書きの実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて前記所定範囲を補正することを特徴とする情報記録方法。
- 光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する情報記録方法であって、前記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて前記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きし、該試し書きされた情報に基づいて前記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定し、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納し、該格納された補正パラメータに基づいて前記試し書きの実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて前記所定範囲を補正し、前記試し書きを実行する毎に前記補正パラメータを更新することを特徴とする情報記録方法。
- コンピュータに、光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する記録手順と、前記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて前記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きする試し書き手順と、該試し書き手順によって試し書きされた情報に基づいて前記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定手順と、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納する補正パラメータ格納手順と、該補正パラメータ格納手順によって格納された補正パラメータに基づいて前記試し書き手順による試し書き実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて前記所定範囲を補正する補正手順とを実行させるためのプログラム。
- コンピュータに、光源から出射された光ビームを記録媒体に集光して情報を記録する記録手順と、前記光ビームの記録パワーを所定範囲内で順次変化させて前記記録媒体の所定のテスト記録位置に情報を試し書きする試し書き手順と、該試し書き手順によって試し書きされた情報に基づいて前記記録媒体に情報を記録するときの最適記録パワーを決定する最適記録パワー決定手順と、予め装置毎に調整された補正パラメータを格納する補正パラメータ格納手順と、該補正パラメータ格納手順に格納された補正パラメータに基づいて前記試し書き手順による試し書き実行時に順次変化させる記録パワーの1ステップあたりの大きさを変えて前記所定範囲を補正する補正手順と、前記試し書き手順によって試し書きを実行する毎に前記補正パラメータ格納手順によって格納された補正パラメータを更新する補正パラメータ更新手順を実行させるためのプログラム。
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