JP3756733B2 - 鉄道車両用の全閉形駆動電動機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば鉄道車両に利用される全閉形駆動電動機(全閉形モータ)に関する。
【0002】
【従来の技術】
モータは使用時の通電による発熱によって絶縁物や各部材の機能に異常が発生しないように、通常冷却風を外部より取り入れてモータ内の各部を冷却している。
【0003】
モータ内に外気を導入すると、外気に含まれる塵埃がモータ内に付着し、モータ内部が汚損されることがある。このように、モータ内部が汚損されると、放熱の効率が悪くなりモータ機能が低下するため、定期的に分解して清掃する必要がある。しかし、この清掃作業は大変なため保守面から改善が求められている。
【0004】
この問題を解決するため、近年モータ内に冷却風を導入しなくてもよい全閉形駆動電動機が開発されている。
【0005】
この全閉形駆動電動機は、冷却風を機内に導入しないため、塵埃による機内の汚損から長期間開放され、分解して清掃する作業が不要となり保守の省力化が可能となる。
【0006】
図9は、この従来の全閉形駆動電動機の構造を示す断面図である。この図9では、全閉形駆動電動機の備えるシャフトの回転軸が水平となるように配置した場合を図示している。また、全閉形駆動電動機はシャフトの回転軸でほぼ対称となるため、この図9では全閉形駆動電動機のシャフトから上部側のみを示しており、シャフトより下部側については省略している。
【0007】
従来の全閉形駆動電動機1は円筒状に形成されたフレーム2を持つ。フレーム2の内周部には固定子鉄心3が嵌着され、この固定子鉄心3の内周部には多数の溝が軸方向に形成され、この溝にコイル4が取り付けられている。
【0008】
フレーム2の一方の端部には、軸受5を支持する鏡フタ6が備えられている。
【0009】
軸受5は回転子のシャフト7を支承しており、回転子を回転自在としている。この軸受5は円筒状であり、内径部をシャフト7が通過する。
【0010】
フレーム2の他方の端部では側板2aが形成され、さらにこの側板2aの内周部に軸受9を支持するハウジング10が備えられている。
【0011】
軸受5、9とその周辺にはグリース11が充填されており、これにより軸受5、9が潤滑される。グリース11を充填している鏡フタ6と端フタ12は軸受5の外輪5aを支持固定している。
【0012】
同様に、グリース11を充填しているハウジング10と端フタ13は軸受9の外輪9aを支持固定している。
【0013】
軸受5、9には、外輪5a、9aに内接するように回転体5b、9bが配置されており、この回転体5b、9bを外接する状態で内輪5c、9cが配置されている。この内輪5c、9cの内周面とシャフト7とは嵌着している。
【0014】
カラー14〜16は円筒状であり、内径部をシャフト7が通過し、シャフト7の外周面に嵌着される。カラー14の外周面は端フタ12に対向し、カラー15の外周面は鏡フタ6に対向し、カラー16の外周面はハウジング10に対向するように配置される。
【0015】
つまり、内輪5c、9cとカラー14〜16はシャフトと共に回転している。
【0016】
シャフト7の中央部には回転子鉄心17を設けこの鉄心17の外周部に設けられた多数の溝にロータバー18が取り付けられ、その両端部にエンドリング19a,19bが接続されている。
【0017】
回転子に発生した回転力はシャフト7の駆動側端部の駆動軸7aより図示しない駆動装置を介して図示しない車輪に伝達され車両が走行する。
【0018】
フレーム2、側板2a、鏡フタ6の外部には、外気に放熱させるための多数の冷却フィン20が設けられコイル4などから発生した熱を効率よく伝熱している。
【0019】
さらに、シャフト7にファン21が取り付けられており、循環ダクト22より機内の熱を外気に熱交換できる構造となっている。
【0020】
また、ハウジング10側のシャフト7の端部には歯車形の押え板23が取り付けられている。すなわち、この押え板23は、シャフト7に対して同軸となるように嵌着される円筒部分と、シャフト7と同じ軸で回転する歯車部分とを備えている。
【0021】
そして、全閉形駆動電動機1には、磁気的に押え板23の歯車を数えるようにセンサ24が押え板23の歯車部分に対向して取り付けられている。
【0022】
この押え板23とセンサ24の磁気感知部24aはセンサケース25によって外気と遮断され、外部の塵埃から守られている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の全閉形駆動電動機1では、冷却フィン20によって放熱の効率化を図っているが、一般的に機内に冷却風を導入する従来のモータと比べると冷却性能が劣る。
【0024】
全閉形駆動電動機1の冷却性能が十分でない場合には、潤滑グリース11が熱によって劣化して潤滑寿命が短くなり、早期のグリース交換が必要になり、保守労力がかかる。
【0025】
したがって、いかに全閉形駆動電動機の冷却性能を向上させるかが全閉形駆動電動機を設計する上で問題となる。
【0026】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、シャフトを回転可能に支持する軸受部分の温度上昇を抑制する鉄道車両用の全閉形駆動電動機を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の骨子は、軸受部分に配置されている回転部材、例えばカラーや押え板にファン等のような冷却手段を採用し、この冷却手段で軸受近傍の熱を外気に放熱する点にある。
【0028】
第1の発明は、フレームの円周部にコイルを装着した固定子鉄心を備え、フレームの一端に第1の軸受を支持する鏡フタを装着し、フレームの他端に第2の軸受を支持するハウジングを装着し、第1の軸受と第2の軸受によって回転子のシャフトを回転可能に支持し、第1の軸受を挟んで鏡フタの外側に第1の端フタを取り付け、第2の軸受を挟んでハウジングの外側に第2の端フタを取り付け、シャフトと同軸の円筒形状でありシャフトの外周面と第1の端フタとの間でシャフトの回転に基づいて回転するカラーと、シャフトと同軸の円筒部分を含みこの円筒部分がシャフトの外周面と第2の端フタとの間でシャフトの回転に基づいて回転する押え板とを備えた鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、カラーと押え板とのうちの少なくとも一方の外気に接する部分に冷却手段を具備した鉄道車両用の全閉形駆動電動機である。
【0029】
この第1の発明においては、軸受近傍に配置されており、シャフトの回転に基づいて回転するカラーや押え板のような回転部材に冷却手段を設けている。
【0030】
これにより、全閉形駆動電動機における軸受部分の冷却性能を向上させることができ、全閉形駆動電動機の温度上昇を抑制できる。特に、軸受近傍の冷却が可能となるため、潤滑グリースの潤滑寿命を長くすることができ、取り替え等の保守労力を軽減できる。
【0031】
第1の発明の鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、第1の軸受と接するカラーと第2の軸受と接する押え板とのうちの少なくとも一方は、外気に接する部分をシャフトと同軸となる円板状とした円板部分を含み、円板部分の外周部にファンとして作用するための溝があり、回転した場合に風を発生させるとともに、第1の軸受と第2の軸受とのうちの少なくとも一方から伝達された熱を外気に放出する。
【0032】
このように、カラーと押え板とのうちの少なくとも一方にファンとして作用するための溝を備え、この溝のファン作用により冷却風を発生させることで鉄道車両用の全閉形駆動電動機の一層効果的な冷却を実現できる。特に、鉄道車両用の全閉形駆動電動機の軸受近傍を効果的に冷却できる。
また、カラーと押え板の少なくとも一方の外気に接する部分の形状を円板状とすることで、外気に接する部分の面積を広くできる。
【0033】
また、第1の発明は、溝のファン作用により発生する風を、鏡フタとハウジングと第1の端フタと第2の端フタとのうちの少なくとも一つが受ける鉄道車両用の全閉形駆動電動機である。
【0034】
このように、溝のファン作用により発生する風を鉄道車両用の全閉形駆動電動機の他の部分(鏡フタ、ハウジング、端フタ等)に当てることで、鉄道車両用の全閉形駆動電動機の一層効果的な冷却を実現できる。特に、鉄道車両用の全閉形駆動電動機の軸受近傍を効果的に冷却できる。
【0035】
第2の発明は、第1の発明の鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、溝のファン作用により発生する風を受ける部分にフィンを設けた鉄道車両用の全閉形駆動電動機である。
【0036】
このように、風を受ける部分にフィンを設けることで、鉄道車両用の全閉形駆動電動機の一層効果的な冷却を実現できる。特に、鉄道車両用の全閉形駆動電動機の軸受近傍を効果的に冷却できる。
【0037】
第3の発明は、第1の発明の鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、溝のファン作用により発生する風を受ける部分に凹凸を設けた鉄道車両用の全閉形駆動電動機である。
【0038】
このように、風を受ける部分表面に凹凸を設けることにより、風を受ける部分の面積を広くすることができるため、鉄道車両用の全閉形駆動電動機の一層効果的な冷却を実現できる。特に、鉄道車両用の全閉形駆動電動機の軸受近傍を効果的に冷却できる。
【0039】
第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明の鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、円板部分の外側の面上に少なくとも一つの溝が設けられている鉄道車両用の全閉形駆動電動機である。
【0040】
このように、円板状の部分の円面上に溝を設けることで、外気に接する部分の面積を広くできる。
【0041】
これにより、鉄道車両用の全閉形駆動電動機の一層効果的な冷却を実現でき、特に軸受近傍を効果的に冷却できる。
【0042】
第5の発明は、第4の発明の鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、少なくとも一つの溝は、円板部分の外側の面上に同心となるように設けられている少なくとも一つの円状の溝である鉄道車両用の全閉形駆動電動機である。
【0043】
このように、カラーと押え板の少なくとも一方の外気に接する部分の形状を円板状し、さらに、この円板状部分の円面上に円状の溝を設けることで、外気に接する部分の面積を広くできる。
【0044】
これにより、鉄道車両用の全閉形駆動電動機の一層効果的な冷却を実現でき、特に軸受近傍を効果的に冷却できる。
第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明の鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、ハウジング側のカラーに固定されているセンサ用歯車と、センサ用歯車と対向するようにフレームに取り付けられ、機内に備えられ、歯車を数えるセンサとをさらに具備する全閉形駆動電動機である。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0046】
(第1の実施の形態)
本実施の形態においては、カラーの外気に接する部分にファンを備えた全閉形駆動電動機について説明する。
【0047】
図1は、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機のうち鏡フタ側(駆動側)の外気に接するカラー周辺の構造を例示する断面図である。この図1は、図9と同一の条件により図示されており、図9と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略するかあるいは簡単に説明し、ここでは異なる部分についてのみ詳しく説明する。
【0048】
なお、図1に示されていない部分に関しては、例えば図9に示す全閉形駆動電動機1と同様の構造とすることができる。
【0049】
本実施の形態に係る全閉形駆動電動機においては、図9に示す全閉形駆動電動機1と同様に、鏡フタ6の中心軸部に内接嵌合している軸受5の外輪5aとシャフト7の外周部に外接嵌合している軸受5の内輪5cの間で回転する複数の回転体5bが配設され、回転子がシャフト7を介して回転自由に支承されている。
【0050】
また、軸受5の外輪5aは軸方向に端フタ12により固定され、端フタ12はボルト26で鏡フタ6に固定されている。
【0051】
鏡フタ6と端フタ12の軸受5の側面に対向する環状の空間部には軸受5を循環するグリース11が充填されており、鏡フタ6と端フタ12の中心部内周側に対向する形でカラー27、15が配設されており、このカラー27、15はシャフト7外周上に嵌着されている。
【0052】
本実施の形態に係る全閉形駆動電動機においては、このカラー27のうち外気に接している部分の外周部を半径方向に伸延させて円板部分27aを形成している。また、この円板部分27aの外周部にファンとして作用する溝27bを多数加工している。
【0053】
また、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機においては、この多数の溝27b部分の半径方向延長上に鏡フタ6の一部が位置する。
【0054】
図2は、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機における軸受5とカラー27、15とシャフト7の関係を例示する斜視断面図である。
【0055】
カラー27のモータ外側の外周部には円周方向に多数の溝27bが配置され、ファンを構成している。このカラー27はシャフト7の回転に基づいて回転する。
【0056】
このように構成された本実施の形態に係る全閉形駆動電動機においては、モータ使用時の回転によってコイル4から発生する熱のうち一部は冷却フィン20から外気に放熱されるが、一部は機内に蓄熱される。
【0057】
この機内に蓄積される熱は、鏡フタ6や回転子からシャフト7を経由し、軸受5、鏡フタ6、端フタ12に保持されている潤滑用グリース11に伝達され、潤滑グリース11が温められる。
【0058】
温められた潤滑グリース11を長時間使用し続けると、グリース11の温度が耐熱温度に接近し、グリース11が劣化する。
【0059】
しかしながら、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機においては、回転子のシャフト7と一体で回転するカラー27の外側外周部の溝27bによるファン作用により、軸受5の熱を外気に放熱するので潤滑グリース11の温度が低減される。
【0060】
また、溝27bのファン作用により発生する放射状に吐き出される風(図1に矢印で示す)で鏡フタ6が冷却され結果的に軸受5及び潤滑グリース11が冷却される。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機においては、回転するシャフト7に嵌合したカラー27がモータ使用時に回転し、カラー27の外周上の溝27bがファンとなり、カラー27に接している軸受5から伝達される熱がカラー27の本体を介して外周部の溝27bのファン作用により効率よく外気に放出される。
【0062】
また、カラー27の溝27bのファン効果によって発生される半径方向放射状に吹き出す風が、半径方向延長上の鏡フタ12に当り、この風により鏡フタ12が冷却され、結果的に鏡フタ6と接している軸受5及び潤滑グリース11を冷却させることができる。
【0063】
したがって、全閉形駆動電動機における軸受部分の冷却性能を向上させることができ、全閉形駆動電動機の温度上昇を抑制できる。特に、軸受近傍の冷却が可能となるため、潤滑グリースの潤滑寿命を長くすることができ、取り替え等の保守労力を軽減できる。
【0064】
なお、本実施の形態においては、溝27bのファン効果によって発生される風が鏡フタ12に当たる場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、風が端フタ12やフレーム2に当たるとしてもよい。
【0065】
また、本実施の形態においては、ファン作用により発生された風を受ける部分に凹凸を設けてもよい。これにより、風を受ける部分の面積を広くでき、冷却効果を一層向上させることができる。
【0066】
(第2の実施の形態)
本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態に係る全閉形駆動電動機の変形例について説明する。
【0067】
図3は、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機のうち鏡フタ側の外気に接するカラー周辺の構造を例示する断面図である。この図3は、上記図1と同一の条件により図示されており、図1と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0068】
本実施の形態に係る全閉形駆動電動機においては、カラー27の円板部分27aの半径方向延長上の鏡フタ6に冷却フィン28が多数設けられている。
【0069】
カラー27の溝27bのファン効果によって発生される半径方向放射状に吹き出す風は、半径方向延長上にある鏡フタ6の冷却フィン28に当り、この風により鏡フタ12が冷却され、結果的に鏡フタ6と接している軸受5及び潤滑グリース11を冷却させることができる。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機においては、カラー27の回転により発生する風を受ける部分に冷却フィン28を設けることで、一層軸受部分の冷却性能を向上させることができる。
【0071】
なお、溝27bのファン効果によって発生される風が端フタ12やフレーム2に当たる場合には、風が当たる端フタ12やフレーム2の部分に冷却フィンを備えてもよい。
【0072】
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、図1に示すカラーの変形例について説明する。
【0073】
図4は、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機のうち鏡フタ側の外気に接するカラー周辺の構造を例示する断面図であり、図1と同一の条件で示している。
【0074】
また、図5は、本実施の形態に係る全閉形電動機のうち鏡フタ側の外気に接するカラーをシャフト7の回転軸方向から見た外観図である。
【0075】
このカラー29には、円板部分29aの外側の円面上に回転軸方向の溝29bが設けられている。このカラー29の溝29bは、主に放熱のために使用され、軸受5からの熱をカラー29を介して外気に放熱する。
【0076】
このように溝29bを設けることで外気に接するカラー29の面積が広くなり、軸受5近傍の冷却性能が向上するため、潤滑グリース11の潤滑寿命を長くすることができ、取り替え等の保守労力を軽減できる。
【0077】
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、図1に示すカラーの変形例について説明する。
【0078】
図6は、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機のうち鏡フタ側の外気に接するカラーを例示する断面図であり、図1と同一の条件で図示している。
【0079】
このカラー30には、図1のカラー27と同様に、円板部分30aの外周部にファンとして作用する溝30bが設けられており、さらに円板部分30aの外側円面上に同心となる回転軸方向の円状溝30cを複数個加工している。
【0080】
このカラー30のうち、溝30bはファンとして作用し、円状溝30cは放熱フィンとして作用する。
【0081】
したがって、このカラー30を備えた本実施の形態に係る全閉形駆動電動機においては、軸受5近傍の冷却性能を向上させることができ、潤滑グリース11の潤滑寿命を長くすることができ、取り替え等の保守労力を軽減できる。
【0082】
(第5の実施の形態)
本実施の形態においては、反駆動側の軸受部分に備えられる押え板にファンを備えた全閉形駆動電動機について説明する。
【0083】
図7は、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機のうち反駆動側軸受部分の周辺構造を例示する断面図である。この図7は、図9と同一の条件により図示されており、図9と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ詳しく説明する。
【0084】
なお、図7に示されていない部分に関しては、例えば図9に示す全閉形駆動電動機1と同様の構造や、上述した各実施の形態に係る全閉形駆動電動機と同様の構造とすることができる。
【0085】
本実施の形態に係る全閉形駆動電動機においては、反駆動側(ハウジング側)のカラー31にセンサ用歯車32をボルト33で固定している。また、このセンサ用歯車32と対向するようにセンサ24がフレーム2に取り付けられている。
【0086】
このような構成とすることで、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機においては、機内にセンサ24を備えることができ、図9に示すセンサケース25を削除することができる。センサケース25を削除すると、図7に示すように押え板34が外気に接する。
【0087】
軸受9の内輪9cに接している押え板34には、図1に示す駆動側のカラー27と同様に、シャフト7に対して同軸となるように嵌着される円筒部分があり、さらに外側外周部には溝34bを複数個加工したファン構造がある。そして、シャフト7の回転により押え板34も回転し、冷却風が矢印のように流れる。
【0088】
この押え板34の回転により発生する風は、フレーム2の側板2aに取り付けられた複数個の冷却フィン35に当り、フレーム2を通して伝達される熱が放熱され、軸受9及びその周りにあるグリース11の昇温を防止できる。また、軸受9の熱を押え板34により外気に効果的に放熱できる。
【0089】
したがって、全閉形駆動電動機における軸受部分の冷却性能を向上させることができ、全閉形駆動電動機の温度上昇を抑制できる。特に、軸受近傍の冷却が可能となるため、潤滑グリースの潤滑寿命を長くすることができ、取り替え等の保守労力を軽減できる。
【0090】
なお、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機の備える押え板34については、上述したカラーと同様の各種冷却構造を持たせることができ、各種変形可能である。
【0091】
(第6の実施の形態)
本実施の形態においては、上述した第5の実施の形態に係る全閉形駆動電動機の変形例について説明する。
【0092】
図8は、本実施の形態に係る全閉形駆動電動機のうち反駆動側軸受部分の周辺構造を例示する断面図である。この図8は、図7と同一の条件により図示されており、図7と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ詳しく説明する。
【0093】
本実施の形態に係る全閉形駆動電動機においては、ハウジング10に冷却フィン36を設けており、この冷却フィン36が押え板34の回転により発生する風を受ける点が、先の図7に示す全閉形駆動電動機と異なっている。
【0094】
本実施の形態に係る全閉形駆動電動機では、フレーム2ではなくハウジング10を冷却して軸受9及びグリース11の昇温を下げる。
【0095】
なお、本実施の形態においては、ハウジング10に冷却フィン36を取り付けているが、例えば端フタ13に冷却フィンを取り付けてもよい。
【0096】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明の鉄道車両用の全閉形駆動電動機においては、機内で発生する熱が各種構成部材を介して軸受部に伝わって温度が上昇することを防止し、また機内の空気が温められて軸受部の温度が上昇することを防止できる。
【0097】
したがって、軸受及びグリースが安定した温度に保たれるのでグリースの劣化を未然に防止でき、鉄道車両用の全閉形駆動電動機における軸受部の有効な構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る全閉形駆動電動機のうち鏡フタ側の外気に接するカラー周辺の構造を例示する断面図。
【図2】同実施の形態に係る全閉形駆動電動機における軸受とカラーとシャフトの関係を例示する斜視断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る全閉形駆動電動機のうち鏡フタ側の外気に接するカラー周辺の構造を例示する断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る全閉形駆動電動機のうち鏡フタ側の外気に接するカラー周辺の構造を例示する断面図。
【図5】同実施の形態に係る全閉形電動機うち鏡フタ側の外気に接するカラーをシャフトの回転軸方向から見た外観図。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る全閉形駆動電動機のうち鏡フタ側の外気に接するカラーを例示する断面図。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る全閉形駆動電動機のうち反駆動側軸受部分の周辺構造を例示する断面図。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係る全閉形駆動電動機のうち反駆動側軸受部分の周辺構造を例示する断面図。
【図9】従来の全閉形駆動電動機の構造を示す断面図。
【符号の説明】
1…全閉形駆動電動機
2…フレーム
2a…側板
3…固定子鉄心
4…コイル
5、9…軸受
5a、9a…外輪
5b、9b…回転体
5c、9c…内輪
6…鏡フタ
7…シャフト
7a…駆動軸
10…ハウジング
11…潤滑グリース
12、13…端フタ
17…回転子鉄心
18…ロータバー
19a、19b…エンドリング
21…ファン
22…循環ダクト
24…センサ
25…センサケース
14、15、16、27、29、30、31…カラー
27a、29a、30a…円板部分
27b、29b、30b…溝
30c…円状溝
20、28、35、36…冷却フィン
23、34…押え板
34b…溝
Claims (6)
- フレームの内周部にコイルを装着した固定子鉄心を備え、前記フレームの一端に第1の軸受を支持する鏡フタを装着し、前記フレームの他端に第2の軸受を支持するハウジングを装着し、前記第1の軸受と前記第2の軸受によって回転子のシャフトを回転可能に支持し、前記第1の軸受を挟んで前記鏡フタの外側に第1の端フタを取り付け、前記第2の軸受を挟んで前記ハウジングの外側に第2の端フタを取り付け、前記シャフトと同軸の円筒形状であり前記シャフトの外周面と前記第1の端フタとの間で前記シャフトの回転に基づいて回転するカラーと、前記シャフトと同軸の円筒部分を含みこの円筒部分が前記シャフトの外周面と前記第2の端フタとの間で前記シャフトの回転に基づいて回転する押え板とを備えた鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、
前記第1の軸受と接する前記カラーと前記第2の軸受と接する前記押え板とのうちの少なくとも一方は、外気に接する部分を前記シャフトと同軸となる円板状とした円板部分を含み、前記円板部分の外周部にファンとして作用するための溝があり、回転した場合に風を発生させるとともに前記第1の軸受と前記第2の軸受とのうちの少なくとも一方から伝達された熱を外気に放出し、
前記溝のファン作用により発生する風を、前記鏡フタと前記ハウジングと前記第1の端フタと前記第2の端フタとのうちの少なくとも一つが受けることを特徴とする鉄道車両用の全閉形駆動電動機。 - 請求項1記載の鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、
前記溝のファン作用により発生する風を受ける部分にフィンを設けたことを特徴とする鉄道車両用の全閉形駆動電動機。 - 請求項1記載の鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、
前記溝のファン作用により発生する風を受ける部分に凹凸を設けたことを特徴とする鉄道車両用の全閉形駆動電動機。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、
前記円板部分の外側の面上に少なくとも一つの溝が設けられていることを特徴とする鉄道車両用の全閉形駆動電動機。 - 請求項4記載の鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、
前記少なくとも一つの溝は、前記円板部分の外側の面上に同心となるように設けられている少なくとも一つの円状の溝である
ことを特徴とする鉄道車両用の全閉形駆動電動機。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の鉄道車両用の全閉形駆動電動機において、
前記ハウジング側のカラーに固定されているセンサ用歯車と、
前記センサ用歯車と対向するように前記フレームに取り付けられ、機内に備えられ、歯車を数えるセンサと
をさらに具備することを特徴とする鉄道車両用の全閉形駆動電動機。
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