JP3756006B2 - 高周波電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衛星放送受信用ダウンコンバータ等の高周波電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
衛星放送受信用ダウンコンバータでは、パラボラアンテナで受信した信号を導波管を介して低雑音増幅器や周波数変換器等の高周波回路部に入力するが、これらの高周波回路部は、導波管と一体に形成された金属筺体の内壁に固定されたプリント基板上に構成されている。
【0003】
図4は従来の高周波電子機器の斜視図であり、テフロン樹脂を基材としたプリント基板11の上面には低雑音増幅器や周波数変換器等の高周波回路部(いずれも図示せず)が構成されている。また、プリント基板11の下面全体には接地導体11a(図5参照)が設けられている。これらの高周波回路部は金属製のシールドケース12によって覆われる。プリント基板11上にはシールドケース12の下端外周に沿って適宜に接地導体11bが設けられており、シールドケース12はこの接地導体11bに半田付けされる。
【0004】
このプリント基板11は金属筺体13の内壁、例えば底壁13a上に載置され、ビス14によって金属筺体13にビス止めされることによって、プリント基板11の下面に設けた接地導体11aを金属筺体13に面接触させている。ビス止め用の孔(図示せず)はシールドケース12の外側で、プリント基板11の外周近傍に設けられている。そしてビス止めの際に、プリント基板11がテフロン樹脂を基材としているため比較的柔らかいので、ビス止め部分の変形を避けるため、図5に示すようにワッシャ15が使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の構成においては、プリント基板11の外周近傍のビス止め部分ではプリント基板11と金属筺体13とが強固に密着するが、プリント基板の中央部分、即ち、シールドケース12が載置されている領域ではプリント基板11と金属筺体13との密着性が悪く、プリント基板11と金属筺体13との間に隙間Gが生じ(図5参照)、これが高周波回路部の電気的性能を悪化させる原因となっていた。
また、ビス止めの際にワッシャ15を使用するので、プリント基板11を金属筺体13に取り付けるための作業性も低下していた。
【0006】
そこで、本発明では、高周波回路部が構成されたプリント基板を金属筺体上に取り付ける際に、プリント基板の下面全体、特に高周波回路部が構成された領域の下面と金属筺体との密着が強固になる高周波電子機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明の高周波機器は、金属筐体と、前記金属筐体の内壁上に取り付けられるプリント基板とを有し、前記プリント基板上には高周波回路部が構成されるとともに前記高周波回路部を覆うシールドケースが取り付けられ、前記シールドケースに、前記シールドケースの下端より上方側に取付脚を設け、前記取付脚を介して前記プリント基板を前記金属筐体に取り付け、前記シールドケースを介して前記プリント基板を前記金属筐体に押し付けるようにした。
【0008】
また、本発明の高周波機器は、前記取付脚と前記プリント基板とに挿通孔を設け、前記挿通孔に挿入したビスによって前記プリント基板を前記金属筐体に取り付けた。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の高周波電子機器を図1乃至図3に従って説明する。図1は本発明の高周波電子機器の斜視図であり、図2は本発明の高周波電子機器におけるプリント基板を金属筺体に取り付ける前の要部断面図であり、図3は本発明の高周波電子機器におけるプリント基板を金属筺体に取り付けた状態の要部断面図である。
【0011】
先ず、プリント基板1の上面には低雑音増幅器や周波数変換器等の高周波回路部2が構成されている。プリント基板1の基材には高周波特性に優れたテフロン樹脂が用いられる。また、プリント基板1の下面全体には接地導体1a(図2、3参照)が設けられている。そして、高周波回路部2は金属製のシールドケース3によって覆われる。シールドケース3は四角状に形成され、側壁3aの下端から折り曲げられて形成された複数の取付脚3bが設けられている。この取付脚3bは側壁3aの下端(プリント基板1の上面)よりもXだけ上方側に設けられている。
【0012】
そして、高周波回路部2が構成され、シールドケース3が取り付けられたプリント基板1は金属筺体4の内壁、例えば底壁4a上に載置されるが、載置された状態では、図2に示すように、取付脚3bとプリント基板1との間に隙間Xが生じるようになっている。
【0013】
また、プリント基板1上にはシールドケース3の側壁3aの下端に沿って適宜に接地導体1bが設けられており、シールドケース3はこの接地導体1bに半田付けされる。
【0014】
取付脚3bとプリント基板1には、ビス5が挿通されるビス挿通孔3c、1cが穿設されており、さらに、金属筺体4にもビス止め用のネジ孔4bが形成されている。
そして、ビス5が取付脚3bに形成したビス挿通孔3cとプリント基板1に形成したビス挿通孔1cとを挿通し、金属筺体4のネジ孔4bにビス止めされる。
【0015】
すると、取付脚3bとプリント基板1との間に隙間Xがあるので、図3に示すように、取付脚3bは傾斜した状態となり、ビス5を締め付けることによってシールドケース3全体がプリント基板1側に付勢されてプリント基板1を押しつける。このことによって、シールドケース3が取り付けられた領域のプリント基板1の下面も金属筺体4側に押しつけられる。
従って、プリント基板1の下面の接地導体1a全体が金属筺体4に密着し、高周波回路部2の電気的特性が安定したものとなる。
さらに、取付脚3bがワッシャの役目を果たすことになり、ワッシャが不要となる。
【0016】
【発明の効果】
以上のように、本発明の高周波電子機器は、金属筺体と、金属筺体の内壁上に取り付けられるプリント基板とを有し、プリント基板上に取り付けたシールドケースに取付脚を設け、取付脚を介してプリント基板を金属筺体に取り付け、シールドケースを介してプリント基板を金属筺体に押しつけるようにしたので、シールドケース全体がプリント基板側に付勢されてプリント基板を押しつける。このことによって、シールドケースが取り付けられた領域のプリント基板の下面も金属筺体側に押しつけられる。
従って、プリント基板の下面の接地導体全体が金属筺体に密着し、高周波回路部の電気的特性が安定したものとなる。
【0017】
また、本発明の高周波電子機器は、取付脚はシールドケースの下端より上方側に設けたので、取付脚によってプリントプリント基板を金属筺体に取り付けるだけでプリント基板を容易に金属筺体側に付勢出来る。
【0018】
また、本発明の高周波電子機器は、取付脚とプリント基板とに挿通孔を設け、挿通孔に挿入したビスによってプリント基板を金属筺体に取り付けたので、ビスの締め付けでシールドケース全体がプリント基板側に付勢される。
また、取付脚がワッシャの役目を果たすのでワッシャが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波電子機器の斜視図である。
【図2】本発明の高周波電子機器におけるプリント基板を金属筺体に取り付ける前の要部断面図である。
【図3】本発明の高周波電子機器におけるプリント基板を金属筺体に取り付けた状態の要部断面図である。
【図4】従来の高周波電子機器の斜視図である。
【図5】従来の高周波電子機器におけるプリント基板を金属筺体に取り付けた状態の要部断面図である。
【符号の説明】
1 プリント基板
1a、1b 接地導体
1c ビス挿通孔
2 高周波回路部
3 シールドケース
3a 側壁
3b 取付脚
3c ビス挿通孔
4 金属筺体
4a 底壁
4b ネジ孔
5 ビス

Claims (2)

  1. 金属筐体と、前記金属筐体の内壁上に取り付けられるプリント基板とを有し、前記プリント基板上には高周波回路部が構成されるとともに前記高周波回路部を覆うシールドケースが取り付けられ、前記シールドケースに、前記シールドケースの下端より上方側に取付脚を設け、前記取付脚を介して前記プリント基板を前記金属筐体に取り付け、前記シールドケースを介して前記プリント基板を前記金属筐体に押し付けるようにしたことを特徴とする高周波電子機器。
  2. 前記取付脚と前記プリント基板とに挿通孔を設け、前記挿通孔に挿入したビスによって前記プリント基板を前記金属筐体に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の高周波電子機器。
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