JP3755392B2 - クランプ形分割トランス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば配線路に漏電箇所を探査するための探査信号などの信号を注入したり、電線に取り付けて当該電線に流れる電流を検出したりするクランプ形分割トランスの改良に関するものである。
更に詳しくは、外形がコンパクトで軽量であり、取り扱いがしやすいようにしたものに関する。また、クランプケースを開閉する際にコアに無理な力が加わりにくく、コアが損傷しにくいようにしたものに関する。
【0002】
【従来技術】
低圧配電線に接続された線路あるいは負荷の漏電箇所を通電状態で探査するために漏電箇所探査装置が使用されている。漏電箇所探査装置としては、従来から様々な装置が提案されているが、例えば、本願出願人が提案した特開2000-74979号公報記載のものがある。
この公報記載の漏電箇所探査装置は、配線路に探査信号を注入する探査信号注入手段と、注入された探査信号を電源から電力が供給される負荷側で検出する検出手段とを備えている。
【0003】
そして、配線路に注入された探査信号に基いて負荷側で検出された探査信号の検出状態に応じて、探査信号の信号レベルを変化させて注入する。
これにより、漏電事故による漏電抵抗に応じて流れる漏電電流の大小により感度を調整することができ、探査範囲を順次狭めて漏電箇所を確実且つ迅速に特定できるものである。
【0004】
上記漏電箇所探査装置には、探査信号注入手段としてクランプ形分割トランスが採用されている。図8に従来のクランプ形分割トランスの構造を示す。
クランプ形分割トランス13は、把手を兼用する本体部131と、本体部131の一端側に支持ピン133a、133bにより軸支され、連通する収納孔を有するクランプケース132a、132bと、クランプケース132a、132bの収納孔内に板バネ137、138により揺動自在に支持されるコア部135、136と、クランプケース132a、132bの各収納孔を相互に連通する接合状態となるように押圧力を付勢するコイルスプリング134とを備えた構成である。
【0005】
コア部135、136は、フェライトでコ字形状に形成してある。コア部135、136の各端面135a、135b、136a、136bは平坦面となっている。コア部135、136は、クランプケース132a、132bの収納孔の形状よりも小さな外形寸法で形成され、背面側から内方へ押し出す方向へ板バネ137、138で常時付勢されている。コア部135、136は、図示していない巻線と共にトランスを形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したような従来のクランプ形分割トランスには、次のような課題があった。
すなわち、クランプ形分割トランスは、各コアがコ字形状であり、コアを収納する各クランプケースもまたコ字形状である。しかし、各クランプケースの内側に設けてある保持部は半円状であり、電線のクランプはこの保持部で行う。つまり、各クランプケースの出っ張った各角部は、機能的に有効性がないばかりでなく、嵩張って重くなり、特に機器内の狭い箇所で作業を行う場合に取り扱いがしにくかった。
【0007】
また、クランプケースを開閉する際、上記したようにコアは板バネの付勢力によって動くようになっている。特に、クランプケースを開いた状態から閉じるときには、両側のコアの先端部同士が当たって擦れ合い、クランプケース内で収まりのよい位置に動くようになっている。
ところが、コアは比較的脆いフェライト等でつくられているので、コア同士が当たって衝撃が加わると欠けることがあった。
更に、コ字状のコアはクランプケース内で動くときに、ケース内面と複数箇所で接触するので、分割されているコアの先端部の接触面に無理な力が加わり、接触面が完全には密着しないという問題があった。また、コア自体に無理な力が加わって割れてしまうことがあった。
【0008】
(本発明の目的)
本発明の目的は、外形をコンパクトかつ軽量にして、取り扱いがしやすいようにしたクランプ形分割トランスを提供することである。
本発明の他の目的は、クランプケースの開閉操作によってコアに無理な力が加わることなく、コアの先端部の接触面が確実に密着して常に安定した接触状態を保つことができるクランプ形分割トランスを提供することである。
本発明の更に他の目的は、コアに無理な力や衝撃が加わっても、コアが損傷しにくいようにしたクランプ形分割トランスを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
すなわち本発明は、
把持部と、
当該把持部に開閉可能に設けてある一対のクランプケースと、
当該クランプケース内に揺動自在に収納してあるコアと、
当該コアを本質的に方向へ付勢するコア付勢体と、
上記クランプケースを閉じる方向へ付勢するケース付勢体と、
を備えており、
上記クランプケースと上記コアは本質的に円弧状に形成されており、
上記コアのうち、少なくとも一方には巻線が施してあり、
上記クランプケースを閉じたときには、上記コア同士が、両先端部同士を密着させて上記コア付勢体の付勢力によって上記クランプケース内で保持されるようにしてあり、
上記コア付勢体の弾性変形による動きを制御するストッパーが設けてあることを特徴とする、
クランプ形分割トランスである。
【0016】
本発明に係る「クランプ形分割トランス」の名称で使用している「クランプ」の表現は、あくまでもクランプするケースもあるという意味であり、すべてのケースでクランプするという意味ではない(後述、[0037]参照)。
本発明に係るクランプ形分割トランスは、配線路に漏電箇所を探査するための探査信号などの信号を注入(送信)する信号注入(送信)装置としての機能と、電線に取り付けて当該電線に流れる電流を検出する検出装置としての機能を有している。
【0017】
(作用)
本発明に係るクランプ形分割トランスは、クランプケースとコアは本質的に円弧状に形成されている。これにより、従来の、コアがコ字形状であるクランプ形分割トランスと相違して、角部の出っ張った部分がない。従って、外形がコンパクトになり、軽量化できるので、機器内の狭い箇所で作業を行う場合にも取り扱いがしやすい。
【0018】
クランプケースが開いたときに、コアがコア付勢体の付勢力により本質的に向かい合う方向へ移動し、コアの両先端部がクランプケースの両先端部から突出するものは、クランプケースを閉じるとき、分割されたコアの先端部から先に接触し、コアの揺動自在機構との組み合わせにより、コアは先端部の接触面(全4面)が接触した後、クランプケース内に収納される。従って、収納時において、分割されているコアの接触面を完全に密着させることができ、常に安定した接触状態を保つことができる。
【0019】
コアとコア付勢体とは係止してあり、コアは当該係止部を中心として揺動するようにしてあるものは、コアが揺動するときクランプケース内位置が大きくずれてしまうことがないので、クランプケースを閉じることによってクランプケースにコアが収まるときに、各コアの接触面の位置が合いやすく、スムーズな開閉ができる。
また、コアが長手方向へ移動して抜け出すのを止めることができるので、突出したコアが邪魔になって、クランプケースの開閉ができなくなることを防止できる。
【0020】
コア付勢体の弾性変形による動きを制御するストッパーが設けてあるものは、コア付勢体の弾性により、フローティング状態で保持されたコアに衝撃力が加わった場合に、質量の重いコアによりコア付勢体が限界以上に圧縮されることを防止できる。
【0021】
コアを挟んでコア付勢体と対向する位置に、コアが本質的に向かい合う方向へ移動したときにコアを受けるコア受部が設けてあるものは、クランプケースを閉じるとき、分割されているコアがコア受部を支点として揺動するので、各コアの先端部の接触面の位置が合いやすく、確実に密着させることができる。
【0022】
コアに補強手段が設けてあるものは、コアの強度が向上しているので、例えばクランプケースを開閉する際にコアに無理な力や衝撃が加わっても、コアの損傷を防止できる。
【0023】
クランプケースを被覆する磁気シールドが設けてあるものは、例えば、配線路に探査信号を注入する探査信号注入手段と当該注入された探査信号を上記電源から電力が供給される負荷側で検出する検出手段とを備えた漏電箇所探査装置に採用した場合、探査信号注入手段からの探査信号を検出手段が配電線を介することなく磁束干渉を受けて検出することを防止できるので、配電線の任意の箇所において配電線に注入された探査信号のみを確実に検出できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係るクランプ形分割トランスの一実施の形態を示す断面説明図、
図2はコア受部の拡大説明図(巻線の図示は省略している)、
図3は片側のクランプケースを開いた状態を示す断面説明図である。
クランプ形分割トランス3は、把持部30を備えている。把持部30の一端側には、支持ピン31によりクランプケース32、32aが軸支してある。クランプケース32、32aは、それぞれ半円形状の収容部321を有し、その一端側には開閉操作をするための操作部322を備えている。クランプケース32、32aは、操作部322を軸支して回動可能に取り付けてある。
【0025】
クランプケース32、32aの断面形状は、後述する収納部33及びコア35と共にほぼ四角形である。クランプケース32、32a内部には、外形と同じく半円形状の収納部33が設けてある。収納部33の両端部は、クランプケース32、32aの両端部に開口している。そして、クランプケース32、32aの両端部同士及び収納部33両端の開口部同士は、クランプケース32、32aを閉じたときに位置が合うようになっている。
【0026】
各操作部322の内側には、バネ装着孔323が設けてある。各バネ装着孔323の間には、コイルバネ34が装着してある。コイルバネ34は圧縮バネであり、各操作部322を開く方向へ、すなわちクランプケース32、32aを閉じる方向へ常時付勢している。
【0027】
クランプケース32、32aに設けてある収納部33には、フェライト製のコア35がそれぞれ収納してある。コア35は、半円形状に形成されており、断面四角形状である。コア35の両側面(平面側)には、補強部材350が設けてある。補強部材350は若干の弾性を有するエポキシ樹脂で形成してある。コア35の両先端部には、同じくエポキシ樹脂製の緩衝部材351が設けてある。
なお、補強部材350及び緩衝部材351の材料は、エポキシ樹脂に限定するものではなく、強度や緩衝性が十分であれば他の材料を採用してもよい。また、コア35についても、フェライトの代わりに電磁鋼鈑の積層体等、他の材料を採用することもできる。
【0028】
一方のコア35には、巻線36が施されており、これによりトランスが形成されている。巻線36は、コア35の中間部分に2ブロックに分けて構成されている。符号360は巻線36につながる電線である。
【0029】
各コア35の外周面側の中央部には、係止凹部352が設けてある。
また、収納部33の径大側の内壁部の中央部には、固定凹部331が設けてある。更に、収納部33の径小側の内壁部のうち固定凹部331と相対向する部分には、コア35が向かい合う方向へ移動したときにコア35に当接し支持するコア受部333が外方へ突出して設けてある。
【0030】
固定凹部331には、バネ板で形成されたコア付勢体である押圧バネ37が嵌め込まれて固定されている。また、固定凹部331の中央部には、押圧バネ37の弾性変形による動きを制御するストッパー332が設けてある。なお、押圧バネ37の弾性変形の方向は、コア35の図2において左右方向及び上下方向あるいはそれらが複合した方向である。ストッパー332は、押圧バネ37のこのような動きを制御して脱落などを防止し、その結果、コア35の動きも制御している。
【0031】
押圧バネ37は、上記コア35の係止凹部352と係止するV字型の係止部371と、その両側に設けてある直板状の固定部372により構成されている。
押圧バネ37は、係止部371を係止凹部352に挿入して係止し、コア35を常時向かい合う方向へ付勢している。また、コア35は押圧バネ37による係止部分で動きが制限される以外は、収納部33内部で比較的自由に揺動できるようになっている。
【0032】
これにより、クランプケース32、32aを開いたときには、各コア35は向かい合う方向へ移動し、各コア35の両先端部はクランプケース32、32aのそれぞれの両先端部から突出する。
なお、本実施の形態においては、コア35が半円形であり、収納部33も同じく半円形であるため、コア35が長手方向(円周方向)へ移動すると収納部33から抜け出して突出してしまい、開閉ができなくなる。押圧バネ37は、コア35の長手方向の移動を止めて、コア35が突出して開閉ができなくなるのを防止している。
【0033】
(作 用)
図4は本発明に係るクランプ形分割トランスを採用する漏電箇所探査装置のブロック図、
図5は図4に示した漏電箇所探査装置の漏電箇所探査の動作を示すフローチャート、
図6は図4に示した漏電箇所探査装置の動作説明図である。
図1ないし図6を参照して、本発明に係るクランプ形分割トランスを採用する漏電箇所探査装置を探査方法と共に説明する。
従来型のクランプ形分割トランスを採用した漏電箇所探査装置は公知であり、以下に示す漏電箇所探査装置は本発明に係るクランプ形分割トランスの使用方法の一例として説明する。なお、本発明に係るクランプ形分割トランスは、電線に取り付けて、当該電線に流れる電流を検出することもできる。
【0034】
漏電箇所探査装置は、配電線100に探査信号を注入する探査信号注入手段1と、探査信号を電源から電力が供給される配電線100の負荷側で検出する検出手段2とを備えている。なお、クランプ形分割トランス3は、探査信号注入手段1を構成している。
検出手段2は、配電線100の負荷側において非接触で探査信号を受信する受信部21と、この受信された探査信号を解析して漏電箇所を特定する信号解析部22と、この信号解析部22の解析結果及び特定された漏電箇所を出力する探査結果表示・出力部24とを備える構成である。
【0035】
受信部21は、コイル状の巻線からなり、巻線に高周波の探査信号が流れる配電線100で生じる磁束が鎖交して誘起される誘導起電力を検出するコイルセンサ21aと、検出された誘導起電力に基いて検出する信号生成部22bとを備える構成である。
【0036】
信号解析部22は、特定周波数である探査信号が受信部21で検出された信号レベルに基づいて漏電を発生している配電線100を特定すると共に、この特定された配電線100における漏電箇所の特定を実行する構成である。
探査結果表示・出力部24は、信号解析部22の解析結果に基づいて漏電箇所であることを表示し、または音声等により報知する構成である。
【0037】
上記構成を有する漏電箇所探査装置の探査動作について、主に図5を参照して説明する。
まず、漏電箇所探査の対象となる対象線路である活線状態の配電線100にクランプ形分割トランス3をクランプ状態(配電線100が太い場合はクランプすることがあるが、配電線100が細い場合は、配電線100を囲繞して引っ掛かる状態となることがある)で装着する(ステップ1)。
【0038】
ステップ1を詳細に説明する。
まず、クランプ形分割トランス3を探査対象となる配電線100へ装着する。装着は、クランプ形分割トランス3の把持部30を持ち、クランプケース32、32aの操作部322をコイルバネ34の弾性力に抗して押圧する。
この押圧動作により、クランプケース32、32aは相互に離隔され、開放される(図3参照。ただし、図3では左方のクランプケース32は動いていない状態で図示している)。
【0039】
このとき、押圧バネ37により常時向かい合う方向へ付勢されているコア35は内方へ移動し、各コア35の両先端部はクランプケース32、32aの両先端部から突出する。
そして、開放状態のクランプケース32、32aの間へ配電線100を通し、操作部322の押圧を解除すると、コイルバネ34の弾性力により、クランプケース32、32aが内方へ回動し、配電線100を囲繞する。なお、両押圧バネ37を合わせた付勢力よりコイルバネ34の付勢力の方が強くなっているので、上記作動はスムーズに行われる。
【0040】
各コア35の両先端部は、クランプケース32、32aの両先端部から突出しているので、クランプケース32、32aを閉じるときには、まず各コア35の両先端部が互いに接触し擦れ合い、押圧バネ37の付勢力に抗しながら揺動して収納部33に収まる。そして、各コア35の両先端部の接触面同士及びクランプケース32、32aの両先端部同士は位置が合って完全に密着する。なお、各コア35は、押圧バネ37の付勢力によって収納部33内で保持されている。
【0041】
更に、信号電圧を印加すると、各コア35の両端面(互いに密着している面)を貫通する磁束により、各々が吸引状態で接続される。ただし、信号電圧は交流電圧が印加されていることから、吸引力の零点が存在し、その結果振動することになるが、各押圧バネ37の付勢力に基く相互作用により、この振動を抑制することができる。
【0042】
このように、各コア35を正確且つ確実に接合することにより、探査信号の注入を減衰させることなく行うことができる。そして、配電線100にクランプ形分割トランス3を装着した後は、次のようにして漏電箇所の探査を実行することができる。
【0043】
検出手段2が検出した探査信号が複数の配電線100で各々所定値以上検出した場合には、探査信号の信号レベルを低く変化させて注入する。また、検出信号を検出しなかった場合には、探査信号の信号レベルを高く変化させて注入し、この変化後の探査信号により検出される検出信号に基づいて漏電箇所を特定する構成である。
【0044】
探査信号注入手段1は、高周波の探査信号を生成する探査信号生成部11と、この探査信号の信号レベルを調整する探査信号レベル調整部12と、前記探査信号を配電線100に注入するクランプ形分割トランス3と、前記探査信号レベル調整部12に対して探査信号の信号レベルを支持する調整ダイアル15とを備える構成である。
クランプ形分割トランス3は、二分割され開閉可能なクランプケース32、32aの収納部33にコア35を収容している。クランプ形分割トランス3は、クランプケース32、32aの内側に配電線100を挿通してクランプした状態で装着し、配電線100に探査信号を送信する構成である。
【0045】
この装着されたクランプ形分割トランス3を介して探査信号生成部11で生成された高周波の探査信号が配電線100に注入される(ステップ2)。
【0046】
探査信号が注入されている状態において、配電線100に漏電箇所が存在する場合には、配電線100−漏電箇所−大地帰路−B種接地線−配電線100の閉回路(図6を参照)が形成され、この閉回路を高周波の探査信号が伝送されることになる。
この状態で配電線100に検出手段2の受信部21を接近させ、上記高周波の探査信号により配電線100の周囲に磁束が生じ、磁束が受信部21のコイルセンサ21aと鎖交して誘導起電力を生じて探査信号を非接触で検出する(ステップ3)。
【0047】
上記ステップ3において検出された探査信号が1回目の探査動作(検出動作)によるものか否かを操作者が判断する(ステップ4)。
この判断において1回目の探査である場合には、検出手段2の受信部21を図6に示すようにAからB方向へ順次移動させて他の異なる配電線100へ検出位置を変更する(ステップ5)。
検出位置を順次変更した状態で再度探査信号を注入し(ステップ2)、さらに探査信号を検出する(ステップ3)。
【0048】
探査信号について、1回目の探査動作により検出されたか否かを表示またはブザー報知等により判断する(ステップ4)。
ステップ4において1回目の探査動作でない場合には、複数箇所の探査動作により探査信号が複数箇所検出されたか否かを判断する(ステップ6)。
ステップ6において探査信号が複数箇所検出されていないと判断された場合には、探査信号が全く検出されていないか否かを判断する(ステップ7)。
【0049】
ステップ7において探査信号が全く検出されていないと判断された場合には、操作者が認識して調整ダイアル15を操作し、調整ダイアル15から制御信号送信部23が探査信号の信号レベルを現在注入している探査信号の信号レベルよりも高く変更させて制御信号を出力する(ステップ8)。
【0050】
また、ステップ6において探査信号が複数箇所検出されたと判断された場合には、その表示内容を操作者が認識して調整ダイアル15を操作し、調整ダイアル15から制御信号送信部23が探査信号の信号レベルを現在注入している探査信号の信号レベルよりも低く変更させて制御信号を出力する(ステップ9)。
【0051】
このように、ステップ8及びステップ9で各々信号レベルを変更する制御信号が調整ダイアル15から探査信号レベル調整部12へ送出された後は、この制御信号に基いて探査信号レベル調整部12が探査信号生成部11から生成出力される探査信号の信号レベルを調整する(ステップ10)。
【0052】
調整された探査信号がクランプ形分割トランス3から配電線100へ再度注入され(ステップ2)、ステップ3ないしステップ10を繰り返すこととなる。
繰り返し動作の結果、ステップ7において、探査信号が一箇所のみ検出表示されたと判断された場合には、配電線100の漏電箇所が特定される(ステップ11)。
【0053】
ステップ11における漏電箇所の特定は、配電線100における電源側から負荷側(図6においてAからCの矢印方向、CからDの矢印方向、DからFの矢印方向)へ順次検出手段2の受信部21を移動させて検出動作を実行することにより行う。
【0054】
この検出動作において、検出手段2の受信部21をCからGへ検出位置を移動した場合には、検出手段2で探査信号が検出できないことから、検出位置Gを含む分岐配線路では漏電事故が発生していないと判断することができる。
【0055】
このように、AからC、CからD、DからFへの負荷側へ検出手段2の受信部21を移動させることにより、負荷端末である機器101に漏電事故が発生していることを特定することができる。また、漏電閉回路が形成されている配電線100上から急に探査信号が検出されなくなった場合は、その箇所が漏電箇所である。
【0056】
図7は本発明に係るクランプ形分割トランスの他の実施の形態を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
クランプ形分割トランス3aは、上記クランプ形分割トランス3に磁気シールドカバー38を装着したものである。磁気シールドカバー38は磁性体(例えば鉄またはその合金など)で形成されており、クランプケース32、32aを被覆して装着されている。
【0057】
磁気シールドカバー38は、側面部分が開放した対となる箱体381、382を有している。箱体381、382は、開放側がスライド自在に嵌合するようにして形成されている。向かい合う開放側端部は、ほぼ半円形状に切除され、それぞれ挿通部383が形成されている。
なお、符号39は、箱体381、382が外れないように締め付けて固定するバンド体である。
【0058】
(作用)
クランプ形分割トランス3aを使用した漏電箇所探査装置の探査動作について説明する。
上記漏電箇所探査装置と同様に、配電線100にクランプ形分割トランス3aを装着する。このとき、クランプ形分割トランス3aの両側から箱体381、382を嵌合させるようにして磁気シールドカバー38を形成し、クランプケース32、32aに装着する。
これにより、挿通された配電線100を挟むようにして箱体381、382が嵌合し、配電線100を挿通する孔を最小限に小さくした状態で装着できることになる。
【0059】
このように配電線100の電線サイズに応じて電磁シールドカバー38の箱体381、382をスライドさせて適合させ、配電線100を最小限の挿通孔に挿通する装着状態とすることにより、探査信号注入手段1から探査信号が配電線100以外に注入されることなく、磁束が漏れて、隣接する配電線100において直接に検出手段2で検出されることがなくなり、漏電箇所の探査を確実に実行できる。
【0060】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0061】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明に係るクランプ形分割トランスは、クランプケースとコアは本質的に円弧状に形成されている。これにより、従来の、コアがコ字形状であるクランプ形分割トランスと相違して、角部の出っ張った部分がない。従って、外形がコンパクトになり、軽量化できるので、機器内の狭い箇所で作業を行う場合にも取り扱いがしやすい。
【0062】
(b)クランプケースが開いたときに、コアがコア付勢体の付勢力により本質的に向かい合う方向へ移動し、コアの両先端部がクランプケースの両先端部から突出するものは、クランプケースを閉じるとき、分割されたコアの先端部から先に接触し、コアの揺動自在機構との組み合わせにより、コアは先端部の接触面(全4面)が接触した後、クランプケース内に収納される。従って、収納時において、分割されているコアの接触面を完全に密着させることができ、常に安定した接触状態を保つことができる。
【0063】
(c)コアとコア付勢体とは係止してあり、コアは当該係止部を中心として揺動するようにしてあるものは、コアが揺動するときクランプケース内位置が大きくずれてしまうことがないので、クランプケースを閉じることによってクランプケースにコアが収まるときに、各コアの接触面の位置が合いやすく、スムーズな開閉ができる。
また、コアが長手方向へ移動して抜け出すのを止めることができるので、突出したコアが邪魔になって、クランプケースの開閉ができなくなることを防止できる。
【0064】
(d)コア付勢体の弾性変形による動きを制御するストッパーが設けてあるものでは、コア付勢体の弾性により、フローティング状態で保持されたコアに衝撃力が加わった場合に、質量の重いコアによりコア付勢体が限界以上に圧縮されることを防止できる。
【0065】
(e)コアを挟んでコア付勢体と対向する位置に、コアが本質的に向かい合う方向へ移動したときにコアを受けるコア受部が設けてあるものは、クランプケースを閉じるとき、分割されているコアがコア受部を支点として揺動するので、各コアの先端部の接触面の位置が合いやすく、確実に密着させることができる。
【0066】
(f)コアに補強手段が設けてあるものは、コアの強度が向上しているので、例えばクランプケースを開閉する際にコアに無理な力や衝撃が加わっても、コアの損傷を防止できる。
【0067】
(g)クランプケースを被覆する磁気シールドが設けてあるものは、例えば、配線路に探査信号を注入する探査信号注入手段と当該注入された探査信号を上記電源から電力が供給される負荷側で検出する検出手段とを備えた漏電箇所探査装置に採用した場合、探査信号注入手段からの探査信号を検出手段が配電線を介することなく磁束干渉を受けて検出することを防止できるので、配電線の任意の箇所において配電線に注入された探査信号のみを確実に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクランプ形分割トランスの一実施の形態を示す断面説明図。
【図2】コア受部の拡大説明図。
【図3】片側のクランプケースを開いた状態を示す断面説明図。
【図4】本発明に係るクランプ形分割トランスを採用する漏電箇所探査装置のブロック図。
【図5】図4に示した漏電箇所探査装置の漏電箇所探査の動作を示すフローチャート。
【図6】図4に示した漏電箇所探査装置の動作説明図。
【図7】本発明に係るクランプ形分割トランスの他の実施の形態を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は側面図。
【図8】従来のクランプ形分割トランスの構造を示す説明図。
【符号の説明】
3 クランプ形分割トランス
30 把持部
31 支持ピン
32、32a クランプケース
321 収容部
322 操作部
323 バネ装着孔
33 収納部
331 固定凹部
332 ストッパー
333 コア受部
34 コイルバネ
35 コア
350 補強部材
351 緩衝部材
352 係止凹部
36 巻線
360 電線
37 押圧バネ
371 係止部
372 固定部
3a クランプ形分割トランス
38 磁気シールドカバー
381、382 箱体
383 挿通部
39 バンド体
1 探査信号注入手段
11 探査信号生成部
12 探査信号レベル調整部
15 調整ダイアル
100 配電線
2 検出手段
21 受信部
21a コイルセンサ
22 信号解析部
24 探査結果表示・出力部
22b 信号生成部
Claims (1)
- 把持部(30)と、
当該把持部(30)に開閉可能に設けてある一対のクランプケース(32,32a)と、
当該クランプケース(32,32a)内に揺動自在に収納してあるコア(35)と、
当該コア(35)を本質的に向かい合う方向へ付勢するコア付勢体と、
上記クランプケース(32,32a)を閉じる方向へ付勢するケース付勢体と、
を備えており、
上記クランプケース(32,32a)と上記コア(35)は本質的に円弧状に形成されており、
上記コア(35)のうち、少なくとも一方には巻線(36)が施してあり、
上記クランプケース(32,32a)を閉じたときには、上記コア(35)同士が、両先端部同士を密着させて上記コア付勢体の付勢力によって上記クランプケース(32,32a)内で保持されるようにしてあり、
上記コア付勢体の弾性変形による動きを制御するストッパー (332) が設けてあることを特徴とする、
クランプ形分割トランス。
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