JP3754799B2 - 閃光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ等に使用する閃光装置に関し、特に閃光装置の安全回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の閃光装置(ストロボ装置)では、ストロボ装置の充電時間を短縮するために、電源電圧を昇圧する発振トランスの1次巻線と2次巻線の巻線比を高く設定することが一般的であって、この様なストロボ装置では主コンデンサの電圧が所定の電圧に達すると充電を断続させて一定の電圧を保持させるものや、充電を停止させるように構成したものが普通である。
【0003】
図8は従来の閃光装置のブロック図であり、1は電源であるところの電池、2は電池1を昇圧するための昇圧回路(DC/DCコンバータ回路)ブロック、3は高圧整流用ダイオード、4は高圧定電圧ダイオード、5は抵抗、10はサイリスタ、7はコンデンサ、8は抵抗で、コンデンサ7と抵抗8の並列回路がサイリスタ10のゲート・カソード間に接続されている。更に、高圧定電圧ダイオード4と抵抗5の直列回路が抵抗6を介して、後述する主コンデンサの正極とサイリスタ10のゲートに接続されている。
【0004】
9は抵抗でサイリスタ10のアノードと主コンデンサの正極間に接続される。11はコンデンサ、12はトリガトランスでトリガトランス12の出力は、放電管13のトリガ電極に接続されている。14は主コンデンサで放電管13に並列に接続されている。a,dは端子でカメラ側の制御回路(図示していない)に接続されている。
【0005】
次に、以上のような回路構成の動作について説明する。
【0006】
カメラ側の制御回路(図示していない)から端子aを介して、充電信号が与えられると、DC/DCコンバータ回路ブロック2は電池1の電圧を昇圧し、主コンデンサ14を高圧整流用ダイオード3を介して充電する。やがて主コンデンサ14の電位が上昇して高圧定電圧ダイオード4の動作電圧に達すると、高圧定電圧ダイオード4を介して電流が流れ、抵抗5と6と8に電位が発生する。抵抗6と8の直列回路に発生する電位は端子dを介してカメラ側の制御回路(図示していない)へ入力し、所定の基準電圧との比較により所定値に達すると、端子aを介して与えられていた充電信号を解除し発振を停止する。
【0007】
この時、充電が完了した時点で抵抗6,8の直列回路に発生する充電完了信号電位では、抵抗8に発生する電位がサイリスタ10の動作する電位以下になるように設定されているため、サイリスタ10は非導通のままである。ここでカメラ側の制御回路(図示していない)より端子dを介して充電完了信号より高く設定されている発光信号が与えられると、抵抗6を介してサイリスタ10にゲート電流が流れサイリスタ10は導通する。これによって、抵抗9とトリガトランス12の1次側を介して充電されたコンデンサ11の電荷が、サイリスタ10とトリガトランス12を介して急激に放電し、トリガトランス12の出力には数KVの高圧パルスが発生して、放電管13のトリガ電極をトリガする。これによって放電管13が励起され導通して、主コンデンサ14の充電電荷を放電し、このエネルギーが光エネルギーに変換されることで被写体を照明する。
【0008】
ここで、カメラへの接続端子dの接続が切れたりした場合は、充電完了信号の検出ができないために、主コンデンサ14の電位が上昇し定格を超えてしまうような事故が発生する可能性がある。主コンデンサに定格電圧以上の電圧が長時間印加されると、主コンデンサは発熱し内部のガス圧が上昇して、終いには安全弁が作動する事態に至る。安全弁が作動することによって爆発の危険は避けられるが、内部ガスが外に漏れることによってユーザーに不快感を与えるので、従来の回路では、主コンデンサ14に定格電圧を超える電圧が印加された場合に、抵抗8に発生する電位が上昇し、サイリスタ10が導通するように構成して、充電打ち切りタイマの期間中に連続発光を行うことにより放電させ、主コンデンサに定格以上の電圧が印加されないような構成になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、高圧定電圧ダイオード4、抵抗5のオープンあるいは実装パターンのオープン等が発生した場合には、充電打ち切りタイマの期間中に充電された電荷が定格電圧以上となり主コンデンサの自己放電等により定格電圧以下に放電するまでの期間中に、主コンデンサには400V程度の過電圧が印加され徐々に劣化し、終いには安全弁が作動するという不都合がある。
【0010】
このために、主コンデンサの充電電圧の検出回路と安全回路は別々の回路で構成することが望ましい。また、安全回路の構成は性格上信頼性の高い構成が必要条件となる。従って構成部品が極力少ないことが望ましい。例えば、定電圧ダイオードを使用して安全回路を構成すると、定電圧ダイオードの温度特性と電圧検出回路の温度特性に差が生じた場合に、ある温度では所定の検出電圧に達する前に安全回路が作動して、ストロボ装置が発光してしまうという不都合がある。
【0011】
そこで、請求項1に記載の発明の目的は、安全回路が作動する電圧を主コンデンサの充電完了電圧レベルに対し安全なように補正することにより、簡単な構成でより安全な動作が可能となる閃光装置を提供することにある。
【0012】
更に、請求項2乃至10に記載の発明の目的は、温度特性を考慮して安全回路の作動電圧を正確に設定し充電完了電圧も温度特性に正確に追従して補正する、より安全な回路を備えた閃光装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本出願に係る発明の目的を実現する構成は、請求項1に記載のように、電池電圧を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路の出力により充電する主コンデンサと、前記主コンデンサの電圧を検出するための電圧検出回路と、主コンデンサの電圧を検出し主コンデンサに印加される過電圧を防止する安全回路と温度検出回路を有する閃光装置において、前記電圧検出回路の検出により前記昇圧回路の作動を禁止または断続的に作動させることで電圧を保持する第1の電圧レベルと、前記主コンデンサの電圧を検出し主コンデンサに印加される電圧にて発光させることで主コンデンサの放電を行う安全回路の作動電圧とする第2の電圧レベルを有して、前記温度検出回路の出力に応じて第2の電圧レベルよりも低い第1の電圧レベルを可変設定することを特徴とする閃光装置にある。
【0015】
この構成によれば、温度検出回路の出力に応じて充電完了電圧を安全な範囲に補正することができる。
【0016】
本出願に係る発明の目的を実現する具体的な構成は、請求項2に記載のように、前記安全回路は、定電圧ダイオードを含むことを特徴とする請求項1記載の閃光装置にある。
【0017】
この構成によれば、過充電による作動電圧に正確に対応できる。
【0018】
本出願に係る発明の目的を実現する他の具体的な構成は、請求項3に記載のように、前記可変設定する第1の電圧レベルは、安全回路の有する温度特性に比例することを特徴とする請求項1記載の閃光装置にある。
【0019】
この構成によれば、安全回路の作動電圧の温度による変化に比例して充電完了電圧を補正することができる。
【0020】
本出願に係る発明の目的を実現する他の具体的な構成は、請求項4に記載のように、前記可変設定する第1の電圧レベルは、所定の温度により1段あるいは複数段階に可変されることを特徴とする請求項1記載の閃光装置にある。
【0021】
この構成によれば、分割した温度領域に対応して充電完了電圧を複数段階に可変設定することができる。
【0022】
本出願に係る発明の目的を実現する他の具体的な構成は、請求項5に記載のように、前記電圧検出回路の出力は、A/Dコンバータにより検出することを特徴とする請求項1記載の閃光装置にある。
【0023】
この構成によれば、アナログ電圧値をデジタル値に変換して正確にマイコンで電圧値を読み取ることができる。
【0024】
本出願に係る発明の目的を実現する他の具体的な構成は、請求項6に記載のように、前記可変設定する第1の電圧レベルは、A/Dコンバータあるいはコンパレータにより検出することを特徴とする請求項4記載の閃光装置にある。
【0025】
この構成によれば、充電完了電圧はデジタル値のパルスカウントあるいは基準値との比較によって正確に設定ができる。
【0026】
本出願に係る発明の目的を実現する他の具体的な構成は、請求項7に記載のように、前記可変設定する第1の電圧レベルは、不揮発性のメモリに記憶することを特徴とする請求項1記載の閃光装置にある。
【0027】
この構成によれば、電源が切れても設定し直しの必要がない。
【0028】
本出願に係る発明の目的を実現する他の具体的な構成は、請求項8に記載のように、前記可変設定する第1の電圧レベルは、書き込み可能な不揮発性メモリに記憶することを特徴とする請求項1記載の閃光装置にある。
【0029】
この構成によれば、充電電圧値は1度書き込めば再度設定する必要はないが、必要なら書換え更新もできる。
【0030】
本出願に係る発明の目的を実現する他の具体的な構成は、請求項9に記載のように、前記可変設定する第1の電圧レベルは、複数の比較回路を温度により切換えて検出することを特徴とする請求項4記載の閃光装置にある。
【0031】
この構成によれば、分割した温度領域の数だけ用意した比較回路で各領域に対応する充電電圧を検出が可能になる。
【0032】
本出願に係る発明の目的を実現する他の具体的な構成は、請求項10に記載のように、前記可変設定する第1の電圧レベルは、所定の温度以上では一定とすることを特徴とする請求項4記載の閃光装置にある。
【0033】
この構成によれば、所定の温度以上では充電完了電圧は変化しないとして、一定とみなすることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図を参照して説明する。
図1〜図5は本発明の第1の実施の形態に係る図である。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るカメラの閃光装置の回路ブロック図である。
図2は図1に示すカメラの動作のフローチャートである。
図3は図2に示すフラッシュモード時のフローチャートである。
図4は図1に示す閃光装置の主コンデンサと安全回路の作動電圧の関係を示す図である。
【0037】
図1において、図8の従来例の回路と同一構成には同一符号を付している。1は電源である電池、2は電池1を昇圧するためのDC/DCコンバータ回路ブロック(昇圧回路)、3は高圧整流用ダイオード、4は高圧定電圧ダイオード、5は抵抗、10はサイリスタ、7はコンデンサ、8は抵抗で、コンデンサ7と抵抗8の並列回路をサイリスタ10のゲート、カソード間に接続している。更に、高圧定電圧ダイオード4と抵抗5の直列回路を主コンデンサの正極とサイリスタ10のゲートに接続している。
【0038】
9は抵抗で、サイリスタ10のアノードと主コンデンサの正極の間に接続している。11はコンデンサ、12はトリガトランスでトリガトランス12の出力は、放電管13のトリガ電極に接続されている。14は主コンデンサで放電管13に並列に接続している。15は抵抗、16はスイッチ素子、17は抵抗で、これらの直列回路も同様に主コンデンサ14に並列に接続されている。
【0039】
a,b,cは端子でカメラ側のワンチップマイコンで構成した制御回路25へ接続されている。20は定電圧回路ブロックで、基準電圧Vrefや各回路ブロックの電源Vccを供給する回路ブロックであって、制御回路25よりVccEN端子を介して制御されている。21は測光回路、22はスイッチ回路ブロックで、Vcc電源により動作して各スイッチの変化を制御回路25へ伝達する。23はシャッタ回路ブロック、24は表示回路ブロックで、例えばLCD等に必要な情報を表示するものである。
【0040】
26は測距回路ブロック、27は温度検出回路ブロック、28はフィルム感度検出ブロックで制御回路25に各端子を介して撮影に必要な情報を伝える。29はレンズ駆動回路ブロック、30はフィルム駆動回路ブロックで制御回路25の制御によりフィルム給送を行う。
【0041】
つぎに動作について説明する。
【0042】
いま、電池1は投入されていて、この状態ではカメラの制御回路25は低消費モードとなっていて作動が停止している。この状態で、カメラのバリア等の部材と連動するスイッチ回路ブロック22内の電源スイッチが入ると、マイコンの制御回路25は作動を開始する。制御回路25は定電圧回路ブロック20にVccEN端子を介して信号を与え、定電圧回路ブロック20は基準電圧Vref及び各回路ブロックの電源Vccを供給する。
【0043】
以降の動作については図2のフローチャートを参照して詳述する。尚、以下の各フローチャートにおける“S”は、ステップを表している。
【0044】
マイコンに必要な初期設定を行う(S1)。スイッチ回路22にVccを供給する(S2)。
【0045】
レリーズボタンの半押し状態であるスイッチ回路22内に設けられた第1ストロークのSW1を検出し、検出したらS4に移る(S3)。所定のカウンタを初期状態にセットする(S4)。バッテリチェックを行う(S5)。
【0046】
カメラの撮影に必要な電源状態にあるかを判定する(S6)。NGならスイッチ待ちS2へ戻る。OKならば端子AFCに信号を与え、測距回路26が作動して被写体迄の距離を測定する(S7)。測距情報はAFD端子より制御回路25に与えられる。
【0047】
被写体の輝度を測定し、この情報を端子SPを介し制御回路25に与える(S8)。S8のデータから輝度が所定輝度より明るいか、暗いかを判定し、輝度が低く被写体が暗い場合にはS10のフラッシュモードに進む(S9)。
【0048】
フラッシュ・モードの動作は図3のサブルーチンに移る。
【0049】
フラッシュ・モードでは、先ず、図1に示した温度検出回路27を作動し、充電時の温度データを検出して、温度検出データにより図4に示すような温度補正を行う(S20)。図4の実線カーブl1は定電圧ダイオードの温度特性を示したものである。点線カーブl2は温度検出回路27の検出温度に対応した主コンデンサ14の設定すべき充電完了電圧を示し、X軸に示す検出温度に対応するカーブl2のY軸に当たる電圧対応値を求め、A/Dコンバータによりこの電圧に対応する補正値を与える。この主コンデンサ14の充電完了時の電圧は、ここでは定電圧ダイオード4の温度特性を含めた安全回路の作動電圧より一定電圧低い電圧を設定している。例えば、検出温度が10℃の時の定電圧ダイオード4の導通電圧は316Vであるので、充電完了電圧としては、この導通電圧より一定電圧低い313Vがセットされる。この様にしてS20では温度に応じて定電圧ダイオード4の導通電圧に対して一定電圧低い充電電圧が設定される。
【0050】
次に、充電を打ち切るためのタイマである、充電タイマを作動させる。このタイマは一般的に10〜15秒程度の時間である(S21)。端子aにハイレベルの充電開始信号を与えて、DC/DCコンバータ2を作動させ電池1の電圧を昇圧し、高圧整流ダイオード3を介して主コンデンサ14の充電を開始すると共に、端子aの信号はN−ch FETであるスイッチ素子16のゲートにハイレベル信号を与えて導通し、主コンデンサ14の充電電圧の抵抗15,17による分圧電圧を、抵抗17に発生させて端子bを介して制御回路25に与える(S22)。ここで抵抗15は数百Kオーム〜1Mオーム程度の抵抗値で、抵抗17は数Kオームの抵抗値であることから、抵抗17に発生する電位は2V以下に設定されていて、抵抗17に発生する電位によりスイッチ素子16が非導通状態にならないように、ハイレベル信号を与えるように設定していることは言うまでもない。
【0051】
主コンデンサ14の充電が上昇すると、抵抗17に発生する電位も上昇し、端子bを介して制御回路25内のA/Dコンバータにより電圧を検出する(S23)。充電電圧が所定値より低い場合で、充電タイマ時間内の時は再度S23へ戻り、所定電圧つまり主コンデンサ電位がS20で決定した電圧になるまで繰り返す(S24)。
【0052】
S23の判定で充電完了の場合(S20で設定された充電電圧に達した場合)は、端子aに与えていた信号を停止して(S25)、充電完了のフラグを立て、図2のフローチャート中の▲3▼に戻る(S26)。
【0053】
また、S24の判定で充電完了前に充電タイマが終了カウント値に達した場合は、端子aを介して与えていた信号を停止して、DC/DCコンバータ2とスイッチ素子16をOFFさせ(S27)、充電未完了の充電NGフラグを立て、その後図2のフローの▲3▼に戻る(S28)。
【0054】
ここで、再び図2のフローチャートに戻る。
【0055】
S9の判断で被写体輝度が所定値より明るいと判断された場合は、シャッタボタンの第2ストロークSW2がONか否かを判断する(S12)。SW2が押されたら、S7による測距データに基づきレンズ駆動回路ブロック29を制御し、焦点調整を行う(S14)。
【0056】
S8で得られた被写体の輝度と、ISO感度データからの条件にて、シャッタ開口をシャッタ回路ブロック23を制御して行う。又、輝度が低くストロボ装置が必要な場合は測距データとISO感度によりシャッタ制御を行い、所定の絞り値でストロボを発光させる(S14)。
【0057】
ストロボの発光は図1の端子cにハイレベル信号を与えて抵抗6を介し、サイリスタ10のゲート信号を与えて導通させる。これによってコンデンサ11がトリガコイル12の1次巻線を介して放電し、放電管13のトリガ電極に高圧のパルス電圧を印加して、励起させると放電管13のインピーダンスが低下し一気に主コンデンサ14が放電する。このエネルギーは放電管13により光エネルギーに変換され、被写体に補助光として照射する。フラッシュ(ストロボ)を使用するとフラッシュフラグに1をセットする。
【0058】
シャッタが開成されると、焦点位置にあったレンズを初期の待機位置に戻す(S15)。撮影の終了したフィルムをフィルム駆動回路30を制御して1コマ分巻き上げる(S16)。フラッシュを使用したことを示すS14でのフラグが立っているかを確認する(S17)。フラグ“1”を確認したら、フラッシュモードの充電を行う(S18)。この充電はS10と同一であるため説明は省略する。また、フラッシュを使用していない時はS18を通らず、スイッチ検知のS2のシーケンスに戻り、一連の撮影シーケンスを終了する。
【0059】
以上説明した撮影シーケンスで、万一カメラの制御回路25に接続された端子bが何等かの原因により断線した場合、あるいは抵抗15が外れた場合などを想定すると、図3に示すフローのS22で充電完了信号が発生しないために、主コンデンサ14の充電電圧が過電圧になる。高圧ツェナーダイオード4は、この過充電を防止するために接続され、所定電圧に主コンデンサ14の電圧が上昇すると、抵抗5を介して高圧ツェナーダイオード4のツェナー電流が流れる。更に、この電流はサイリスタ10のゲート電流となり、サイリスタ10が導通して放電管13が発光する。この発光はS23の充電タイマのカウントが終了するまで連続的に発光し、長時間主コンデンサに過電圧が印加されることを防止する安全回路となる。
【0060】
このように、第1の実施の形態によれば、充電完了電圧とする第1の電圧レベルを温度変化に追従して可変設定できるように構成し、且つ、安全作動電圧より低めに設定するようにしたので、過充電に対して高い安全性を保証する安全システムが構成される。
【0061】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について図を参照して説明する。
図5は本発明の第2の実施の形態に係る閃光装置の主コンデンサと安全回路の作動電圧の関係を示す図である。
【0062】
図4に示した前実施の形態では、安全回路の温度特性に合わせて充電完了電圧を設定したが、図5に示す第2の実施の形態では、所定の温度以上(例えば10℃)では充電完了電圧は一定とし、所定温度以下の場合のみ温度特性に追従した設定を行うものである。
【0063】
通常10℃以上なら常温とみなすことができる。
【0064】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図を参照して説明する。
図6は本発明の第3の実施の形態に係る閃光装置の主コンデンサと安全回路の作動電圧の関係を示す図である。
【0065】
図6に示す第3の実施の形態の場合は、温度特性に対する対応として温度領域に対して、充電完了電圧を複数段階(例えば、3段階、−20℃〜0℃〜15℃〜…)に切換えて、各領域間の電圧レベルは一定となるように制御するものである。
【0066】
通常は0℃〜−20℃、15℃以上といった範囲は動作上それぞれ同一温度帯とみなすことができる。
【0067】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について図を参照して説明する。
図7は本発明の第4の実施の形態に係る閃光装置の主コンデンサと安全回路の作動電圧の関係を示す図である。
【0068】
図7に示す第4の実施の形態では、所定温度(例えば10℃)以下と以上に別けて、1段階で主コンデンサの充電完了電圧を変化追従させる設定である。
【0069】
以上、図4〜図7に示した第1〜第4の実施の形態についての図には、温度に対する充電完了電圧の補正用ROMテーブルが、それぞれ低下した形態を示している。
【0070】
(他の実施の形態)
第1の実施の形態では、主コンデンサ14の充電完了電圧にてDC/DCコンバータ2の作動を、端子aの信号を停止することによって充電停止としたが、DC/DCコンバータ2の作動をON−OFF−ON−OFFと断続させて、一定電圧を維持するプログラムでも良い。
【0071】
また、充電完了電圧の温度追従可変設定は、プログラムにテーブルを作成し参照して追従変更する方式としても良い。また、ROMではなく書き込み可能な不揮発性メモリ(EEPROM等)で補正値を与える方式でも良い。
【0072】
更に、第2〜第4に示した段階的に変化させる回路では、A/Dコンバータによる比較に限らず、複数の比較回路を温度によって切換える方式でも可能なことは勿論である。
【0073】
また、図6及び図7に示す第3及び第4の実施の形態において、段階的に充電完了電圧を設定する場合に、A/Dコンバータを用いずに所定の温度範囲で、コンパレータを含む検出回路の基準電圧を切換える方式として良い。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、温度特性を有する安全回路と、主コンデンサの充電電圧を検出し所定の充電完了電圧で昇圧回路を停止又は断続動作させて、所定電圧以上の主コンデンサの充電を禁止する充電完了電圧レベルを有する閃光装置において、安全回路が作動する電圧が主コンデンサの充電完了電圧レベルに対し安全な範囲に補正することにより簡単な構成でより安全な回路の構成が可能となった。
【0075】
また、請求項2乃至10に記載の発明によれば、定電圧ダイオードを用いて安全回路の作動電圧を設定し、主コンデンサの充電完了電圧は安全回路の温度により可変する作動電圧に比例、若しくは所定の温度により1段又は複数段階に可変追従するように構成したので、温度変化に対応する安全回路の作動電圧を正確に検出して、充電完了電圧を温度に対応して正確に追従補正することにより、より安全な回路にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカメラの閃光装置の回路ブロック図である。
【図2】図1に示すカメラの動作のフローチャートである。
【図3】図2に示すフラッシュモード時のフローチャートである。
【図4】図1に示す閃光装置の主コンデンサと安全回路の動作電圧の関係を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る閃光装置の主コンデンサと安全回路の動作電圧の関係を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る閃光装置の主コンデンサと安全回路の動作電圧の関係を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る閃光装置の主コンデンサと安全回路の動作電圧の関係を示す図である。
【図8】従来のカメラの閃光装置の回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 電池
2 DC/DCコンバータ
3 整流ダイオード
4 高圧定電圧ダイオード
5,6,8,9 抵抗
7,11 コンデンサ
12 トリガトランス
13 放電管
14 主コンデンサ
15,17 充電電圧検出用分圧抵抗
16 FET
25 制御回路
27 温度検出回路
Claims (10)
- 電池電圧を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路の出力により充電する主コンデンサと、前記主コンデンサの電圧を検出するための電圧検出回路と、主コンデンサの電圧を検出し主コンデンサに印加される過電圧を防止する安全回路と温度検出回路を有する閃光装置において、
前記電圧検出回路の検出により前記昇圧回路の作動を禁止または断続的に作動させることで電圧を保持する第1の電圧レベルと、前記主コンデンサの電圧を検出し主コンデンサに印加される電圧にて発光させることで主コンデンサの放電を行う安全回路の作動電圧とする第2の電圧レベルを有して、前記温度検出回路の出力に応じて第2の電圧レベルよりも低い第1の電圧レベルを可変設定することを特徴とする閃光装置。 - 前記安全回路は、定電圧ダイオードを含むことを特徴とする請求項1記載の閃光装置。
- 前記可変設定する第1の電圧レベルは、安全回路の有する温度特性に比例することを特徴とする請求項1記載の閃光装置。
- 前記可変設定する第1の電圧レベルは、所定の温度により1段あるいは複数段階に可変されることを特徴とする請求項1記載の閃光装置。
- 前記電圧検出回路の出力は、A/Dコンバータにより検出することを特徴とする請求項1記載の閃光装置。
- 前記可変設定する第1の電圧レベルは、A/Dコンバータあるいはコンパレータにより検出することを特徴とする請求項4記載の閃光装置。
- 前記可変設定する第1の電圧レベルは、不揮発性のメモリに記憶することを特徴とする請求項1記載の閃光装置。
- 前記可変設定する第1の電圧レベルは、書き込み可能な不揮発性メモリに記憶することを特徴とする請求項1記載の閃光装置。
- 前記可変設定する第1の電圧レベルは、複数の比較回路を温度により切換えて検出することを特徴とする請求項4記載の閃光装置。
- 前記可変設定する第1のレベルは、所定の温度以上では一定とすることを特徴とする請求項4記載の閃光装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15618597A JP3754799B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 閃光装置 |
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