JP3753699B2 - ステータコアへの巻線方法及び同方法によって巻線されたコイル付きステータコア - Google Patents

ステータコアへの巻線方法及び同方法によって巻線されたコイル付きステータコア Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステータコアのスロット内におけるコイル占有率を高めたステータコアへの巻線方法及び同方法によって巻線されたコイル付きステータコアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ステータコアの内歯に直接巻線してコイルを形成する巻線装置は、一般に、ステータコアの中心に同軸的に配置され、所定角度で揺動すると共に、軸方向に往復移動する導線導入筒と、この導線導入筒の先端に装着され、導線を前記導線導入筒に対してほぼ直交する方向に繰り出す巻線ノズルとを備えている。そして、上記導線導入筒の動きによって巻線ノズル先端を巻線すべきステータコアの内歯の回りに周回させ、巻線ノズルから繰り出される導線を内歯に直接巻付けてコイルを形成するようになっている。
【0003】
このような巻線装置として、本出願人により提案された下記特許文献1に示されるものが知られている。この巻線装置は、上記導線導入筒の先端にヘッドを装着し、前記巻線ノズルをこのヘッドに対して半径方向に摺動可能に装着すると共に、その基端部にカムフォロアを取付け、このカムフォロアが嵌入するカム溝を有するカム板を前記ヘッドに対して回転可能に内蔵し、このカム板を前記導線導入筒に対して相対回転させるカム板回転手段を有している。この巻線装置によれば、巻線ノズルを半径方向に移動させながら巻線することにより、ステータコアの内歯の突出方向に沿って導線を整列させて巻き付けることができ、スロット内におけるコイル占有率を高めることができる。
【0004】
しかしながら、上記のような巻線装置においては、スロット内において巻線ノズルが半径方向に移動する領域、すなわち、巻線ノズルが挿入される通路幅は、巻線ノズルが巻線された導線と干渉しないようにするため、空間として残しておく必要があった。このため、ステータコアのスロット内におけるコイル占有率を高めることに限界があった。
【0005】
一方、ステータコアのスロット内におけるコイル占有率を更に高める技術として、下記特許文献2には、内周にスロットを形成した鉄心が複数枚積層されて固定子が形成され、この固定子のスロット間に電線が巻回された回転電機において、上記固定子の一つのスロットの中心線から上記スロットと隣接するスロットの中心線までの単位で複数に分割された固定子片を一つのコイルが形成されるのに要する分まとめてユニットコアとし、このユニットコア内の固定子片は固定子の外周部になる部分で薄肉連結部により連結一体化して構成され、上記ユニットコアをコイル必要量だけ組み込んで固定子としたことを特徴とする回転電機が提案されている。
【0006】
また、本出願人により提案された下記特許文献3には、特許文献2に記載されたような分割されたステータコアに巻線を施すための巻線装置が開示されている。
【0007】
特許文献2,3に記載された技術によれば、分割されたステータコアの各固定子片に導線を整列させて巻き付けた後、これらの固定子片をループ状に組み合わせてステータコアを形成することができるので、巻線ノズルを挿入するためのスペースを残しておく必要がなく、スロット内におけるコイル占有率を更に高めることができる。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−245121号公報
【特許文献2】
特開平9−191588号公報
【特許文献3】
特開2001−8418号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、特許文献1に記載された巻線技術では、ステータコアの内歯の突出方向に沿って導線を整列させて巻き付けることができるが、巻線ノズルが挿入される通路幅は、空間として残しておく必要があるため、ステータコアのスロット内におけるコイル占有率を高めることに限界があった。
【0010】
また、特許文献2,3に記載された巻線技術では、分割されたステータコアを用いることによって、巻線ノズルを挿入するためのスペースを残しておく必要がなくなるため、スロット内におけるコイル占有率を更に高めることができるというメリットがあるが、ステータコアにつなぎ目ができてしまうため、その部分で磁気抵抗が生じてモータの性能が低下するという問題があった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、周方向に連続した環状をなすステータコアを用いて、コイル占有率を更に高めることができる巻線方法及び同方法によって巻線されたコイル付きステータコアを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のステータコアへの巻線方法は、ステータコアの中心に同軸的に配置され、所定角度で揺動すると共に、軸方向に往復移動する導線導入筒と、この導線導入筒の先端に装着され、導線を前記導線導入筒に対してほぼ直交する方向に繰り出す巻線ノズルとを備えた巻線装置を用いて、前記巻線ノズルを前記ステータコアの所定の内歯を周回するように移動させて巻線を行うステータコアへの巻線方法において、前記巻線ノズルを前記導線導入筒に対して放射状に前記ステータコアのスロット数分だけ取付け、前記巻線ノズルを前記ステータコアの全スロットに同時に挿入しながら対応する内歯に対して同時に巻線を行い、前記スロット内における前記巻線ノズルが挿入される通路幅に前記導線が進入する直前まで巻線した後は、前記導線を2段状に重ねながらスロットの奥方から順次巻線を施すことにより、前記スロット内における前記巻線ノズルが挿入される通路幅内にまで導線が配置されるように巻線を施すことを特徴とする。
【0013】
上記巻線方法によれば、巻線ノズルをステータコアの全スロットに同時に挿入しながら対応する内歯に対して同時に巻線を行うことにより、隣接する内歯に対して再度巻線を施す必要がなくなるので、巻線ノズルが挿入される通路幅内にまで導線が配置されるように巻線しても、そのまま巻線ノズルを後退させながら巻線してスロットから出ることにより、巻線された導線に巻線ノズルが干渉することなく、巻線ノズルの通路幅内にまで巻線することができる。その結果、周方向に連続した環状をなすステータコアを用いて、コイル占有率を更に高めることができるので、コンパクトで高性能のモータを作ることができる。
【0014】
本発明の巻線方法においては、前記導線が前記通路幅に進入する直前までは、前記内歯の突出方向に沿って前記巻線ノズルを往復移動させながら巻線を行うことが好ましい。
【0015】
この態様によれば、巻線ノズルが巻線された導線に接触することなく、導線を内歯の突出方向に沿って整列させた状態で、かつ、巻線ノズルの通路幅内に至るまで整然と積層させて巻き付けることができ、ステータコアのスロット内におけるコイル占有率を最大限に高めることができる。
【0016】
また、本発明の巻線方法は、スロット数が12以上であるステータコアに対して適用されることが好ましい。
【0017】
スロット数が12以上であるステータコアは、従来の巻線方法では、巻線ノズルの通路幅を確保するためのデッドスペースが、スロットの数だけ増えるので、大きくなるのであるが、本発明の巻線方法を適用すれば、上記デッドスペースにも巻線することが可能になるので、多スロットコアでもコイル占有率をより効果的に高めることができる。更に、電気自動車用のモータ等においては、複数の内歯に巻線されたコイルに並行的に電流を流して出力を高めることがあるが、ステータコアのスロット数が多いほど並行的に電流を流せるコイルの数が増えるので、出力をより高めることができる。
【0018】
一方、本発明のコイル付きステータコアは、上記いずれかの方法で巻線して得られるコイル付きステータコアであって、前記ステータコアは、周方向に連続した環状をなしており、前記スロットの前記巻線ノズルの通路幅内にも導線が配置されるように巻線されていることを特徴とする。
【0019】
上記コイル付きステータコアによれば、周方向に連続した環状をなすステータコアであるから、分割されたステータコアのようなつなぎ目はなく、つなぎ目で磁気抵抗が増えて性能が低下するという問題は発生しない。また、ステータコアのスロットの巻線ノズルの通路幅内にも導線が配置されるように巻線されているので、スロット内におけるコイル占有率を高めることができ、コンパクトで性能の高いモータを作ることが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1〜10には、本発明によるステータコアへの巻線方法及び同方法によって巻線されたコイル付きステータコアの一実施形態が示されている。図1は同巻線方法に用いる巻線装置の巻線ノズル近傍を示す要部拡大断面図、図2は図1のII−II矢示線に沿った断面図、図3は同巻線方法に適用されるステータコアの平面図、図4は同巻線装置にステータコアを設置した状態を示す横断面図、図5はステータコアの内歯に巻線を開始した状態を示す部分拡大断面図、図6はステータコアの内歯の突出方向に沿って巻線ノズルを往復移動させながら巻線を行っている状態を示す部分拡大断面図、図7は巻線ノズルの通路幅内まで導線が配置されるように巻線を行った状態を示す部分拡大断面図、図8はステータコアの内歯に対する巻線の順序の一例を示す部分拡大断面図、図9は巻線終了状態を示す横断面図、図10は同巻線方法によって得られた本発明によるコイル付きステータコアの一実施形態を示す平面図である。
【0021】
図1、2には、本発明の巻線方法に用いられる巻線装置の一例が示されている。この巻線装置11は、ステータコアの中心に同軸的に配置され、下端から導線が導入される導線導入筒12を有している。導線導入筒12の外周には、外筒13が装着されている。導線導入筒12及び外筒13は、軸受14に挿通されている。
【0022】
そして、導線導入筒12は、図示しない駆動機構を介して、図2中の矢印Aで示すように所定角度範囲で揺動(往復回動)すると共に、図1中の矢印Bで示すように軸方向に往復移動する。
【0023】
また、外筒13は、前記導線導入筒12と一緒に揺動し、かつ、軸方向に移動すると共に、図示しない駆動機構を介して、前記導線導入筒12に対して更に所定角度で揺動するようになっている。
【0024】
導線導入筒12の上端には、上部内外径が下部内外径に比べて縮径された段付き円筒部材15が被され、この段付き円筒部材15は、ネジ18によって導線導入筒12の上端部外周に固定されている。段付き円筒部材15の上部内周には、内周が曲面状をなすガイド環15aが配置され、導線導入筒12の上端から導出される導線を通過させて、巻線ノズル23の導線ガイド孔31に導くようになっている。
【0025】
段付き円筒部材15の上部の縮径部外周には、環状のカム板21が回動可能に装着されている。そして、カム板21の上部には、ヘッド本体16が配置されている。ヘッド本体16は、段付き円筒部材15に固着されている。そして、カム板21は、段付き円筒部材15の拡径段部と、ヘッド本体16とに挟まれて保持されると共に、段付き円筒部材15及びヘッド本体16に対して回転できるようになっている。なお、上記ヘッド本体16、段付き円筒部材15及びカム板21が、本発明におけるヘッド17を構成している。
【0026】
ヘッド本体16の下面には、中心から等角度で半径方向外方に伸びる、合計18本の放射状のガイド溝22が形成されている。これらのガイド溝22に、それぞれ巻線ノズル23の基部が挿入され、図2中の矢印Cで示すように、半径方向に移動可能に保持されている。
【0027】
一方、カム板21の上面には、各ガイド溝22に対応して、渦巻き状のカム溝24が形成されている。そして、巻線ノズル23の下面に支軸25を介して取付けられたカムフォロア26が、上記渦巻き状のカム溝24に挿入されている。その結果、図示しない駆動機構によりカム板21がヘッド本体16に対して相対的に回動すると、カムフォロア26がカム溝24に沿って移動し、巻線ノズル23がガイド溝22に沿って、図2中の矢印Cで示すように、半径方向に出没動作するようになっている。
【0028】
また、前記外筒13の上端部には、拡径部13aが形成されている。前記段付き円筒部材15の下部は、上記拡径部13aの内周に挿入され、前記カム板21は、ボルト27によって上記拡径部13aに固着されている。そして、段付き円筒部材15は、その拡径された下部を外筒13とカム板21との間で回転可能に保持されている。
【0029】
そして、外筒13は、図示しない駆動機構によって、導線導入筒12と一緒に回動及び軸方向移動すると共に、その状態で導線導入筒12に対して相対的に回転するようになっており、それによってカム板21がヘッド本体16に対して相対的に回転するようになっている。すなわち、カム板21は、ヘッド本体16と一緒に回動すると共に、巻線操作の過程でヘッド本体16に対しても相対的に回動する。その結果、前記のように、カム溝24に挿入されたカムフォロア26を介して、巻線ノズル23を半径方向に出没動作させることができるようになっている。
【0030】
この巻線装置11においては、図示しない駆動機構により、導電導入筒12が図2中の矢印Aで示すように所定角度で揺動(往復回動)すると共に、図1中の矢印Bで示すように軸方向に往復移動することにより、この導線導入筒12の上端部にヘッド17を介して取付けられた各巻線ノズル23が、ステータコアの対応する内歯の周りを周回する。
【0031】
そして、導線は、導線導入筒12の下端から導入され、上端から導出された後、段付き円筒部材15の環状ガイド15aで進路を変えて、巻線ノズル23の導線ガイド孔31を通り、ノズル24の先端から繰り出され、ステータコアの内歯に巻付けられる。
【0032】
上記巻き付け操作と併行して、外筒13が導線導入筒12に対して相対的に回動し、外筒13に連接されたカム板21が、ヘッド本体16に対して相対的に往復回動する。その結果、カム板21のカム溝24に嵌合するカムフォロア26を介して、巻線ノズル23が図2中の矢印Cで示すように半径方向に出没動作し、ステータコアの内歯の突出方向に沿って導線を整列させながら多層に巻き付けることができる。
【0033】
なお、導線導入筒12の図中矢印A,Bで示す揺動及び軸方向への往復移動のための駆動機構としては、例えば特許第2813556号公報に示される巻線装置の駆動機構などを採用することができる。
【0034】
また、外筒13に連設されたカム板21の駆動機構としては、例えば特開2000−245121号公報(前記特許文献2)に示される巻線装置の駆動機構などを採用することができる。
【0035】
図3には、本発明の巻線方法が適用されるステータコアの一例が示されている。このステータコア40は、例えば薄いケイ素鋼板を成形し、複数枚積層して形成されており、環状の本体部41と、この本体部41の内周に突出する複数の内歯42とを有し、内歯42どうしの間がスロット43をなしている。この例では、内歯42及びスロット43がそれぞれ18個形成されている。スロット43の内周には、樹脂成形品等の絶縁材料からなるスロットライナー44が予め装着されている。このステータコア40は、従来から採用されているステータコアと何ら変わるものではないが、環状の本体部41が周方向に分割されておらず、つなぎ目なく一体に成形されている点で、前記特許文献2,3に記載されたステータコアとは異なるものである。
【0036】
図4は、巻線装置11のヘッド17をステータコア40に挿入した状態を示している。前述した動作によって、巻線装置11の巻線ノズル23は、ステータコア40の内歯42の間隙を通ってスロット43内に挿入され、対応する内歯42を周回して導線を巻き付けるように動作する。この場合、巻線ノズル23は、スロット43の数だけ取付けられており、巻線ノズル23をステータコア40の全スロット43に同時に挿入しながら、対応する内歯42に対して同時に巻線を行うようになっている。
【0037】
図5は、こうしてステータコア40の内歯42に対して巻線を開始した状態を示している。巻線装置11の巻線ノズル23は、対応する内歯42を周回するように移動し、内歯42に導線50を巻き付ける。導線50は、内歯42の両側のスロット43に収容される。巻線ノズル23は、内歯42の突出方向に矢印Cで示すように移動し、巻線位置を徐々に変えることによって、導線50を整列させて巻き付ける。なお、図中、Wは、巻線ノズル23が挿入される通路幅を表している。
【0038】
図6は、ステータコア40の内歯42の突出方向に沿って巻線ノズル23を往復移動させながら巻線を行っている状態を示している。導線50が、巻線ノズル23の通路幅W内に入るまでは、巻線ノズル23を内歯42に突出方向に沿って半径方向に往復移動させながら巻線を行う。その結果、導線50は、一列に並びながら巻線され、内歯42の端部近傍までくると折り返して、その上に重ねて多層に巻線されていく。図8における巻線順序1〜19は、巻線ノズル23を内歯42の突出方向に沿って往復移動させながら巻いている状態を示している。
【0039】
こうして、多層に重ねられた導線50が、巻線ノズル23の通路幅W内に入る直前まで巻線を行った後、図8における巻線順序20〜35に示すように、導線50を2段状に重ねながらスロット43の奥方から順次巻線を施す。このように、スロット43の奥方から巻線を行うのは、巻き付いた導線50が通路幅W内に入るように重なっていくため、巻線ノズル23を再びスロット43の奥方に挿入することはできなくなるためである。
【0040】
図7は、上記のように、導線50が巻線ノズル23の通路幅W内に入るように、スロット43の奥方から順次巻線を行って、スロット43の開口部まで達した巻線終了状態(図8の巻線順序35の状態)を示している。また、図9は、上記巻線終了状態での断面図を示している。
【0041】
このように、巻線ノズル23をスロット43の数だけ取付け、巻線ノズル23をステータコア40の全スロット43に同時に挿入しながら、対応する内歯42に対して同時に巻線を行うことにより、スロット43の巻線ノズル23の通路幅W内に至るまで導線50が配置されるように巻線することができ、それによってスロット43内におけるコイル占有率(スペースファクタ)をより一層高めることができる。
【0042】
図10は、上記のような方法で巻線することによって得られた本発明のコイル付きステータコアの一実施形態が示されている。
【0043】
このコイル付きステータコアは、上記のような巻線方法によってステータコア40の内歯42に導線50が巻き付けられて、U相、V相、W相のそれぞれのコイルが形成されている。図におけるU1〜U6はU相のコイルを示し、V1〜V6はV相のコイルを示し、W1〜W6はW相のコイルを示している。
【0044】
図10においては、便宜上U相のリード線しか記載していないが、各コイルからは、巻き始め端部と巻き終わり端部とで構成される2本のリード線が引き出されている。そして、この実施形態においては、6つずつのU相、V相、W相の各リード線がパラ結線されている。例えばU相の場合、U1〜U6のコイルの巻き始め端部からなるリード線La1〜La6を集めて結線し、巻き終わり端部からなるリード線Lb1〜Lb6を集めて結線する。こうしてパラ結線して、例えばU1〜U6のコイルに並行して電流を流すことにより、駆動電圧が低くても電流値を大きくして出力を高めることが可能となり、電気自動車用モータ等として好適となる。
【0045】
すなわち、電気自動車においては、例えば12V等の低電圧のバッテリーから大きな出力を発生させるために電流値を高める必要があり、その結果、電気抵抗をできるだけ少なくする必要が生じる。しかしながら、太い導線を使用すると、ステータコアへの巻線が困難となってしまい、導線の太さには限界があるため、複数本の導線を並列させて巻き付ける方法が提案されている。しかし、複数本の導線を並列させて巻き付けるパラ巻き方法は、導線を整列させることが難しく、スロット内におけるコイル占有率を高めることが難しいという問題があった。
【0046】
これに対して、図10に示したように、パラ結線して複数のコイルに並行して電流を流す方法は、個々の内歯42に対する巻線は1本ずつの導線50で行えばよいので、導線50を整列させやすく、スロット43内におけるコイル占有率を上記のように高めることが容易であり、コンパクトで性能の高いモータを作ることが可能である。なお、パラ結線しなければならない分だけ作業工数が増えるというデメリットはあるが、電気自動車等のモータにおいては、そのようなデメリットよりも、コイル占有率を高めてコンパクトで性能の高いモータを作れるというメリットの方が高く評価されると考えられる。
【0047】
なお、前述したように、本発明の巻線方法は、スロット数が12以上であるステータコアに対して適用されることが好ましい。これによれば、上記のように、U,V,Wの各コイル毎にパラ結線して電流を並行して流す場合のコイルの数を増やすことができるので、低駆動電圧でも電流値を高めて出力を高めやすくなる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の巻線方法によれば、巻線ノズルをステータコアの全スロットに同時に挿入しながら対応する内歯に対して同時に巻線を行うことにより、隣接する内歯に対して再度巻線を施す必要がなくなるので、巻線ノズルが挿入される通路幅内にまで導線が配置されるように巻線しても、そのまま巻線ノズルを後退させながら巻線してスロットから出ることにより、巻線された導線に巻線ノズルが干渉することなく、巻線ノズルの通路幅内にまで巻線することができる。
【0049】
また、上記巻線方法によって得られる本発明のコイル付きステータコアは、周方向に連続した環状をなすステータコアであるから、分割されたステータコアのようなつなぎ目はなく、つなぎ目から磁束が漏れて性能が低下するという問題は発生せず、ステータコアのスロットの巻線ノズルの通路幅内にも導線が配置されるように巻線されているので、スロット内におけるコイル占有率を高めることができ、コンパクトで性能の高いモータを作ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の巻線方法に用いる巻線装置の巻線ノズル近傍を示す要部拡大断面図である。
【図2】 図1のII−II矢示線に沿った断面図である。
【図3】 同巻線方法に適用されるステータコアの平面図である。
【図4】 同巻線装置にステータコアを設置した状態を示す横断面図である。
【図5】 ステータコアの内歯に巻線を開始した状態を示す部分拡大断面図である。
【図6】 ステータコアの内歯の突出方向に沿って巻線ノズルを往復移動させながら巻線を行っている状態を示す部分拡大断面図である。
【図7】 巻線ノズルの通路幅内まで導線が配置されるように巻線を行った状態を示す部分拡大断面図である。
【図8】 ステータコアの内歯に対する巻線の順序の一例を示す部分拡大断面図である。
【図9】 巻線終了状態を示す横断面図である。
【図10】 同巻線方法によって得られた本発明によるコイル付きステータコアの一実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
11 巻線装置
12 導線導入筒
15 段付き円筒部材
16 ヘッド本体
17 ヘッド
21 カム板
22 ガイド溝
23 巻線ノズル
24 カム溝
26 カムフォロア
31 導線ガイド孔
40 ステータコア
41 本体部
42 内歯
43 スロット
44 スロットライナー
50 導線
U1〜U6 U相のコイル
V1〜V6 V相のコイル
W1〜W2 W相のコイル

Claims (4)

  1. ステータコアの中心に同軸的に配置され、所定角度で揺動すると共に、軸方向に往復移動する導線導入筒と、この導線導入筒の先端に装着され、導線を前記導線導入筒に対してほぼ直交する方向に繰り出す巻線ノズルとを備えた巻線装置を用いて、前記巻線ノズルを前記ステータコアの所定の内歯を周回するように移動させて巻線を行うステータコアへの巻線方法において、前記巻線ノズルを前記導線導入筒に対して放射状に前記ステータコアのスロット数分だけ取付け、前記巻線ノズルを前記ステータコアの全スロットに同時に挿入しながら対応する内歯に対して同時に巻線を行い、前記スロット内における前記巻線ノズルが挿入される通路幅に前記導線が進入する直前まで巻線した後は、前記導線を2段状に重ねながらスロットの奥方から順次巻線を施すことにより、前記スロット内における前記巻線ノズルが挿入される通路幅内にまで導線が配置されるように巻線を施すことを特徴とするステータコアへの巻線方法。
  2. 前記導線が前記通路幅に進入する直前までは、前記内歯の突出方向に沿って前記巻線ノズルを往復移動させながら巻線を行う請求項1記載のステータコアへの巻線方法。
  3. スロット数が12以上であるステータコアに対して適用される請求項1又は2記載のステータコアへの巻線方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの方法で巻線して得られるコイル付きステータコアであって、前記ステータコアは、周方向に連続した環状をなしており、前記スロットの前記巻線ノズルの通路幅内にも導線が配置されるように巻線されていることを特徴とするコイル付きステータコア。
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