JP3753458B2 - トンネル掘削岩盤の性状判定方法 - Google Patents

トンネル掘削岩盤の性状判定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明はシールド掘削機によって水力発電用の傾斜水路等のトンネルを掘削する際に、そのトンネル施工を中断することなく岩盤地盤の性状を判断し得るトンネル掘削岩盤の性状判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
岩盤層の地山にトンネルボーリングマシン(以下、TBMと称する)によってトンネルを掘削する場合、掘削したトンネルの崩壊を防止すると共に作業員の安全を確保するために支保工を組立てゝいるが、該支保工の強度や間隔等は岩盤の性状に応じて設定して効率のよい且つ経済的な施工を行うことが望ましい。又、水力発電用の傾斜水路を掘削するに際して、TBMによりパイロット坑を掘削したのち、拡幅掘削する場合においても、岩盤の性状に応じて発破工法によるか、無発破工法によるかの判断を行っている。
【0003】
このため、岩盤の性状を判定する必要があり、岩盤の性状判定方法として、従来からTBMによるトンネル掘削時に、掘削されたTBMの後方のトンネル内壁面をハンマーにより叩打して岩盤の強弱を人為的に判断を行っている。また、TBMによるパイロット坑の掘削終了後、拡幅掘削を施工するに際して、該パイロット坑内でJISに規格された平板載荷試験法を採用し、平板の載荷重と岩盤の歪み変形量の関係から岩盤の強弱を判定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ハンマーの叩打による岩盤の性状判定では、精度のよい判定が行えないばかりでなく、トンネルの全長に亘って連続して岩盤の歪み変形量を測定することができず、そのため、岩盤に応じた支保工の強度やピッチを正確に設定することが困難であると共に支保工にロックボルトを併用する必要があるかどうかの判定も難しく、従って、支保工を必要以上の強度に設定したり、ピッチを狭くすることが行われて作業能率が低下したり工費が高くなるという問題点が生じるものである。
【0005】
また、平板載荷試験法においても、その測定に手間を要する上に、トンネルの全長に亘って岩盤の歪み変形量を連続して測定することが困難である。本発明はこのような問題点を解消することを目的とするもので、トンネル施工を中断することなく、トンネル掘削機による掘進に従って岩盤の性状を連続的に且つ精度よく判定し得るトンネル掘削岩盤の性状判定方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に記載したトンネル掘削岩盤の性状判定装置は、トンネル掘削機の胴体両側に配設したグリッパをトンネルの掘削岩盤に圧着させてトンネル掘削機を支持する際に、グリッパがトンネル掘削岩盤に当接した状態から該グリッパを押し進めた時の岩盤の歪み変形量とグリッパの押圧力とを測定し、この歪み変形量から岩盤の脆弱度を判断する特徴とするものである。この方法において、請求項2に記載したように、上記岩盤の歪み開始時をグリッパがトンネル掘削岩盤に当接した状態からさらに押し進めた際のグリッパの作動油圧の急激な変化により検知し、歪み変形量は両側グリッパ間の距離変化を計測することにより行うものである。
【0007】
また、上記方法において、岩盤歪み変形量測定装置としては、請求項3に記載した発明は、トンネル掘削機の胴体両側に配設され、該トンネル掘削機の胴体と一体の固定部に対して摺動する可動部を有し、この可動部を掘削岩盤に圧着させて前記トンネル掘削機を保持する一対のグリッパと、一方のグリッパの可動部に取り付けたレーザー発光器と、該レーザー発光器に対向して他方のグリッパの可動部に取り付けたレーザー光反射板とからなる構造を有するものである。また、別な岩盤歪み変形量測定装置として、請求項4に記載した発明は、トンネル掘削機の胴体両側に配設され、該トンネル掘削機の胴体と一体の固定部に対して摺動する可動部を有し、この可動部を掘削岩盤に圧着させて機体を保持する一対のグリッパと、一方のグリッパの固定部に取り付けたストローク計本体と、その一端が前記グリッパの可動部に固着していると共に他端が前記ストローク計本体に摺動自在に支持されてなるストローク検出スピンドルとからなるストローク計と、このストローク計に剛性を有する連結部材を介して連結される別のストローク計本体と、その一端が他方のグリッパの可動部に固着していると共に他端が前記別のストローク計本体に摺動自在に支持されてなるストローク検出スピンドルとからなる別なストローク計とから構成しているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
トンネル掘削機による一定長のトンネル部を掘削する毎にその胴体両側に配設したグリッパをトンネル掘削岩盤に圧着させてトンネル掘削機を支持する。このグリッパをトンネル掘削岩盤に圧着させる度に岩盤の歪み変形量を測定し、トンネル施工を中断することなくトンネルの全長に亘って連続的に岩盤の歪み変形量を測定するものである。この際、グリッパがトンネル掘削岩盤に当接した岩盤歪み開始時をグリッパの作動油の圧力を検出する油圧計の変化によって判断するので、その歪み開始時からの両側グリッパ間の距離変化を計測することによって岩盤の変形歪み量が正確に測定され、岩盤の性状を精度よく判定できて支保工の強度やピッチを岩盤の性状に応じて設定し得る。
【0009】
上記両側グリッパ間の距離測定装置として、請求項3に記載したように、一方のグリッパの可動部にレーザー発光器を、他方のグリッパの可動部に該発光器からの光反射板を設置しておけば、両側グリッパがトンネル掘削岩盤に当接した状態からのグリッパの押進量、即ち、岩盤の変形歪み量をレーザー発光器から反射板に発振されるレーザー光線の反射距離から測定し得る。
【0010】
又、請求項4に記載した岩盤歪み変形量測定装置においては、一方のグリッパの固定側にストローク計を取付けて該ストローク計のストローク検出スピンドルを該グリッパの可動部に固着している。従って、トンネル掘削岩盤にグリッパを圧着させると、その反力によって固定側、即ち、トンネル掘削機の胴体が内径方向に歪み変形し、該グリッパを押し進めた時のグリッパ圧着部の岩盤歪み変形量はストローク計によって検出される数値から上記胴体の歪み変形量を加算した長さである。さらに、他方のストローク計は上記ストローク計に連結部材を介してそのストローク検出スピンドルを他方のグリッパの可動部に固定しているので、該グリッパを押し進めた時のグリッパ圧着部の岩盤歪み変形量はストローク計によって検出される数値から上記胴体の歪み変形量を減じた長さである。従って、両グリッパによる岩盤歪み変形量は両ストローク計の数値の和によって知ることができる。
【0011】
【実施例】
次に、本発明の実施例を図面について説明すると、図1はトンネル掘削機1の概略構造を示すもので、トンネル掘削機1はそのスキンプレートを前胴体1aと後胴体1bとに分割して前胴体1aの後端部に後胴体1bの前端部をシール材1cを介して前後摺動自在に被嵌していると共に前胴体1aの開口前端に配設したカッタヘッド2を前胴体1aの前部に設けている隔壁1cの前面側で回転自在に支持させ、隔壁1cの背面側に装着している駆動モータ3よって回転駆動するように構成している。4は前胴体1aと後胴体1b間を連結している推進ジャッキで、その前後端部をこれらの前後胴体1a、1bに突設したブラケット1d、1eに枢着してある。なお、推進ジャッキ4は周方向に一定間隔毎に複数本、配設されている。
【0012】
5、6は前胴体1aの周壁両側部に直径方向に対向した状態で装着しているフロントグリッパで、図2に示すように、前胴体1aの両側内周面に一体に固着し且つトンネル掘削岩盤Aに向かって開口した固定筒5a、6aと、この固定筒5a、6a内に夫々摺動自在に配設されて固定筒5a、6aの開口端から前胴体1aの直径方向に出没する可動部であるシリンダ5b、6bと、固定筒5a、6aの内底面中央に一体的に固着し且つ該内底面中央からシリング5b、6b内に夫々突出している固定ロッド体5c、6cとからなり、これらのフロントグリッパ5、6はシリンダ5b、6bと該シリンダ5b、6bに摺接したロッド体5c、6cの頭部との間に夫々圧油を供給することによりロッド体5c、6c側を固定部として可動部であるシリング5b、6bを前後に作動させるように構成している。
【0013】
又、フロントグリッパ5、6に対する作動圧油の供給管路8には油圧計9が設けられている。10は圧油供給源である。なお、図2においては、一方のフロントグリッパ5に対する供給管路8と油圧計9とを示し、他方のフロントグリッパ6に対する供給管路と油圧計は省略している。7は後胴体1bの周壁数カ所に装着されたリアグリッパで、圧油により周壁からトンネル掘削岩盤Aに向かって出没するように構成している。
【0014】
11は両側フロントグリッパ5、6をトンネル掘削岩盤Aに圧着させた際に、その岩盤の歪み変形量を測定する装置で、図3に示すように、棒状の連結部材12の両端にストローク計13、14を固定状態で内装しているストローク計本体である筒体15、16の内端を夫々一体に連結していると共に、一方の筒体15を一方のフロントグリッパ5の固定部である固定筒5aの底部に固着して該筒体15内から突出しているストローク計13のストローク検出スピンドル13a の先端部をフロントグリッパ5の可動部である上記シリンダ5bの底部に一体的に固着してあり、他方の筒体16を他方のフロントグリッパ6の固定部である固定筒6aの外底面から連結部材12に向かって同一軸線上に突設したガイドパイプ17内に摺動自在に挿嵌し、該筒体16から突出しているストローク計14のストローク検出スピンドル14a の先端部をフロントグリッパ6の可動部である上記シリンダ6bの底部に一体的に固着してなるものである。
【0015】
なお、図1に示すように、トンネル掘削機1にはカッタヘッド2と隔壁1'との間に掘削ズリ取入室18が設けられていると共にカッタヘッド2の背面外周部には取入室18内に向かって突出したズリ掻き上げ板19を一体に設けてあり、この掻き上げ板19によって掻き上げられた土砂は取入室18から後方に延設している搬出コンベア20上に落下、投入されて後方に搬出されるように構成している。
【0016】
以上のように構成したトンネル掘削機1によってトンネルを掘削しながら該トンネル掘削岩盤の性状を判定する方法について次に述べる。岩盤層からなる地盤中に、例えば、図4に示すように、水力発電用の傾斜水路Bを掘削するに先立ってトンネル掘削機1によって小径トンネル(パイロット坑)Cを掘削する場合、前胴体1aのフロントグリッパ5、6に圧油を供給してその可動シリンダ5b、6bを前胴体1aの外径方向に突出させ、トンネル掘削機1によって掘削されたトンネル掘削岩盤Aの岩盤壁面に圧着させる。
【0017】
この時、シリンダ5b、6bは、図5に示すように、岩盤壁面に当接するまでは作動油圧が殆ど上昇することなく迅速に前進し、岩盤壁面に当接すると岩盤からの抵抗力によってこれらのシリンダ5b、6bの作動油圧が急激に上昇することになる。この急激な油圧の上昇を油圧計9によって検出させ、フロントグリッパ5、6の可動シリンダ5b、6bが岩盤壁面に当接したことを確認する。
【0018】
一方、フロントグリッパ5、6のシリンダ5b、6bが前進すると、歪み変形量測定装置11のストローク計13、14のストローク検出スピンドル13a 、14a がこれらのシリンダ5b、6bと夫々一体的に伸長し、シリンダ5b、6bが岩盤壁面に当接した時の夫々のストローク値をこれらのストローク計13、14から検知する。
【0019】
シリンダ5b、6bが岩盤壁面に当接した状態から該シリンダ5b、6bをさらに前進させてトンネル掘削機1の掘進反力を支持し得るまで岩盤Aに圧着させると、岩盤Aがその圧着力によって歪み変形する。この際、図5に示すように、シリンダ5b、6bが岩盤Aに当接した位置Dからの岩盤Aの歪み変形量はシリンダ5b、6bの作動油圧の上昇に比例して大きくなるが、岩盤Aが軟弱なほど、一定圧の作動油圧に対する歪み変形量が大きくなる。
【0020】
この歪み変形量の測定は、両側フロントグリッパ5、6のシリンダ5b、6bが岩盤壁面に当接した位置D、即ち、岩盤Aの歪み開始時からのシリンダ5b、6b間の距離変化を計測することによって行うことができる。具体的には、上記歪み変形量測定装置11において、一方のフロントグリッパ5のシリンダ5bを圧油供給によって岩盤Aに圧着させて岩盤Aを歪ませると、その歪み変形量に応じてストローク計13のストローク検出スピンドル13a が伸長するが、シリンダ5bの圧着力の反力が固定ロッド体5cを介して前胴体1aに作用して固定側が前胴体1aの内径方向に歪み変形するので、正確な岩盤歪み変形量は、ストローク計13によって検出された数値から上記固定側の歪み変形量を減じた長さである。
【0021】
さらに、他方のストローク計14は上記ストローク計13に連結部材12を介してこのストローク計13と同一軸線上に連結していると共にそのストローク検出スピンドル14a を他方のグリッパ6の可動シリンダ6bに固定しているので、該シリンダ6bを圧油により岩盤Aに圧着させた時の岩盤歪み変形量は、ストローク計14によって検出される数値から上記前胴体1aの固定部の歪み変形量を加算した量(長さ)である。従って、両グリッパ5、6による岩盤Aの歪み変形量は、両ストローク計13、14の数値の和によって知ることができるのである。
【0022】
なお、グリッパ5、6のシリンダ5b、6bは必ずしも岩盤Aに同時に当接するものではなく、いずれか一方のグリッパが他方にグリッパよりも早く或いは遅く岩盤Aに当接する。従って、夫々の距離を夫々のストローク計13、14によって検出して、この検出量からトンネル掘削機1の位置を確認することができる。
【0023】
こうして、両グリッパ5、6を岩盤Aに圧着させた状態で、後胴体1b側のリアグリッパ7を収縮させて岩盤壁面から離間させ、しかるのち、推進ジャッキ4を収縮方向に作動させることによって後胴体1bを前胴体1a側に引き寄せ、再び、リアグリッパ7を岩盤Aに圧着させてトンネル掘削機1を支持する。次いで、前胴体1aのフロントグリッパ5、6の岩盤Aに対する圧着を解いたのち、カッタヘッド2を回転駆動すると共に推進ジャッキ4を伸長させて後胴体1b側のリアグリッパ7に反力を支持させながら前胴体1aを推進させ、岩盤を掘削する。前胴体1aの推進による一定長さのトンネルCの掘削後、前胴体1a側のフロントグリッパ5、6を突出させてトンネル掘削岩盤Aの壁面に圧着させ、これらのグリッパ5、6の圧着時に、上記同様にして岩盤の歪み変形量を測定し、岩盤の硬軟を判定するものである。
【0024】
そして、トンネル掘削機1の一定長の掘進毎に判定されるトンネル掘削岩盤Aの脆弱(硬軟)の程度によって、掘削壁面に沿って建て込む鋼製支保工Eを選択する。例えば、岩盤Aの歪み変形量が大きければ、岩盤Aが脆弱であると判断し得るので、強度やサイズの大きい支保工Eを用いたり、支保工間のピッチを狭くすると共に併用するロックボルトとして長大なものを用い、岩盤Aの歪み変形量が小さければ、岩盤Aが硬質であるので、支保工間のピッチを広くしたり、短いロックボルトの併用等を行うものである。
【0025】
また、トンネル(パイロット坑)Cの掘削後に拡幅して傾斜水路Bを施工する場合においても、岩盤Aの上記性状に応じた工法を採用できるものである。即ち、岩盤Aが脆弱な場合には無発破工法によって行うか、或いは火薬の使用量を少なくして施工し、岩盤Aが硬質の場合には発破工法によって行う等の効果的な施工法を選択し得るものである。
【0026】
図6は本発明における別な岩盤歪み変形量測定装置の実施例を示すもので、上記フロントグリッパ5、6の可動シリンダ5b、6bの一方にレーザー発光器21を他方に該レーザー発光器21に対向させて反射板22を装着してなるものである。なお、フロントグリッパ5、6の固定筒5a、6aの底壁にはレーザー光を通過させる透孔23、24を夫々貫設している。
【0027】
このように構成したので、トンネル掘削機1をフロントグリッパ5、6によって支持させる際に、フロントグリッパ5、6を前進させてトンネル掘削岩盤Aに当接したことを上記油圧計9によって検出すると、その時の両グリッパ5、6間の距離、即ち、トンネル掘削壁の内空径を、レーザー発光器21からのレーザー光を反射板22に向かって発光し、該レーザー発光器21に到達した距離から測定する。なお、レーザー発光器21には光反射距離の測定器(図示せず)が配設されている。
【0028】
この状態から、上記のようにフロントグリッパ5、6のシリンダ5b、6bを更に圧油により押し進めてトンネル掘削機1の推進反力を支持し得るまで岩盤Aに圧着させると、岩盤Aがその圧着力によって歪み変形する。この変形量を上記同様にしてレーザー発光器21から反射板22に向かって発振されるレーザー光の反射距離を測定値から上記フロントグリッパ5、6のシリンダ5b、6bが岩盤Aに当接した時の上記測定値を減算することによって算出し、その結果から岩盤Aの軟硬度(性状)を判定するものである。なお、以上の実施例においては、歪み変形量測定装置をフロントグリッパ5、6側に設けたが、リアグリッパ7側に設けておいてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明のトンネル掘削岩盤の性状判定方法によれば、トンネル掘削機の胴体両側に配設したグリッパをトンネルの掘削岩盤に圧着させてトンネル掘削機を支持する際に、グリッパがトンネル掘削岩盤に当接した状態から該グリッパを押し進めた時の岩盤の歪み変形量とグリッパの押圧力とを測定し、この歪み変形量から岩盤の脆弱度を判断するものであるから、トンネル施工を中断することなくトンネルの全長に亘って岩盤の歪み変形量を連続的に正確且つ容易に測定することができ、従って、その歪み変形量から岩盤の性状を精度よく判定することができてトンネル壁面を支持する支保工の強度やピッチ等をその岩盤の性状に合わせて選択可能となり、掘削トンネルの崩壊を確実に防止し得ると共に作業員の安全を確保し得る効果的な支保工を築造し得るものである。さらに、水力発電用の傾斜水路を施工する際には、その岩盤の性状から発破工法で行えるか無発破工法でも可能であるかの正確な選択が可能となるものである。
【0030】
また、上記両側グリッパ間の距離測定装置として、請求項3に記載したように一方のグリッパの可動部にレーザー発光器を、他方のグリッパの可動部に該発光器からの光反射板を設置しておけば、両側グリッパがトンネル掘削岩盤に当接した状態からのグリッパの押進量、即ち、岩盤の変形歪み量をレーザー発光器から反射板に発振されるレーザー光線の反射距離から容易に且つ正確に測定し得るものであり、請求項4に記載した岩盤歪み変形量測定装置によれば、岩盤に対してグリッパを圧着させた時にその反力でグリッパの固定側が内径方向に歪み変形しても、その歪み変形に拘わらず、岩盤歪み変形量を両側グリッパに夫々配設しているストローク計によって精度よく測定でき、グリッパを岩盤に圧着させる毎に該岩盤部分の岩盤性状を正確に判定し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トンネル掘削機の簡略縦断側面図、
【図2】そのフロントグリッパ部分の縦断正面図、
【図3】ストローク計による岩盤歪み変形量測定装置の簡略縦断正面図、
【図4】パイロット坑を掘削している状態の簡略断面図、
【図5】グリッパの作動油圧と岩盤の歪み変形量との関係図、
【図6】レーザー光による岩盤歪み変形量測定装置を示す簡略縦断正面図。
【符号の説明】
1 トンネル掘削機
1a、1b 前後胴体
5、6 フロントグリッパ
5b、6b 可動シリンダ
9 油圧計
11 歪み変形量測定装置
12 連結部材
13、14 ストローク計
13a 、14a ストローク検出スヒンドル
21 レーザー発光器
22 反射板
A トンネル掘削岩盤

Claims (4)

  1. トンネル掘削機の胴体両側に配設したグリッパをトンネルの掘削岩盤に圧着させてトンネル掘削機を支持する際に、グリッパがトンネル掘削岩盤に当接した状態から該グリッパを押し進めた時の岩盤の歪み変形量とグリッパの押圧力とを測定し、この歪み変形量から岩盤の脆弱度を判断することを特徴とするトンネル掘削岩盤の性状判定方法。
  2. 上記岩盤の歪み開始時を、グリッパがトンネル掘削岩盤に当接した状態からさらに押し進めた際のグリッパの作動油圧の急激な変化により検知し、歪み変形量は両側グリッパ間の距離変化を計測することにより行うことを特徴とする請求項1記載のトンネル掘削岩盤の性状判定方法。
  3. 岩盤の歪み変形量の測定は、トンネル掘削機の胴体両側に配設され、該トンネル掘削機の胴体と一体の固定部に対して摺動する可動部を有し、この可動部を掘削岩盤に圧着させて前記トンネル掘削機を保持する一対のグリッパと、一方のグリッパの可動部に取り付けたレーザー発光器と、該レーザー発光器に対向して他方のグリッパの可動部に取り付けたレーザー光反射板とから行うように構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトンネル掘削岩盤の性状判定方法
  4. 岩盤歪み変形量の測定は、トンネル掘削機の胴体両側に配設され、該トンネル掘削機の胴体と一体の固定部に対して摺動する可動部を有し、この可動部を掘削岩盤に圧着させて機体を保持する一対のグリッパと、一方のグリッパの固定部に取り付けたストローク計本体と、その一端が前記グリッパの可動部に固着していると共に他端が前記ストローク計本体に摺動自在に支持されてなるストローク検出スピンドルとからなるストローク計と、このストローク計に剛性を有する連結部材を介して連結される別のストローク計本体と、その一端が他方のグリッパの可動部に固着していると共に他端が前記別のストローク計本体に摺動自在に支持されてなるストローク検出スピンドルとからなる別なストローク計とから行うように構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトンネル掘削岩盤の性状判定方法。
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