JP3752398B2 - ねじれ溝成形研削加工の補正方法及びねじれ溝成形研削加工装置 - Google Patents

ねじれ溝成形研削加工の補正方法及びねじれ溝成形研削加工装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯車,ドリル,エンドミル等の加工用ワークにねじれ溝を成形研削加工するねじれ溝成形研削加工の補正方法及びねじれ溝成形研削加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯車の研削仕上げには、研削砥石と歯面とを噛み合い運動させることによって研削を行う創成法と、1歯ずつ割り出しながら研削を行う成形法とがあるが、成形法は、研削効率が良く、任意の歯形をもつ歯車の研削ができる点で小量多品種生産に適している。ただし、この成形法は、創成法に比べ、製品の加工精度に左右する要素、例えば研削砥石の整形誤差、研削砥石と工作物の相対的な位置関係における誤差が含まれているため、これらの誤差をいかに補正するかが歯車の研削仕上げ精度を高める上での課題となっている。
【0003】
次に、具体例としてねじれ溝を成形研削加工する場合を例に取り説明する。ねじれ溝の成形研削加工は、主としてインボリュートヘリカル歯車を加工する場合に実施されている。加工する形状に共役な形状の研削砥石(以下砥石と略称する)を用いるNCねじれ溝成形研削加工は、加工面粗度の良い形状を加工することができる。特に、NC成形研削加工装置上に砥石整形機構を備えたものは、砥石の成形から研削加工までを同時に行うことができるため、加工形状に対応する砥石を交換する手間がなく、また、砥石交換に伴う取り付け誤差もないため、任意形状のねじれ溝の加工を高精度かつ短時間で行えるようになっている。
【0004】
しかし、現実には砥石整形機構に対して砥石取り付け誤差があるとともに、整形(目立て)時に誤差が生じるため、砥石そのものが目標通りの形状に整形されておらず、結果として研削された製品の加工形状に誤差が生じていた。また、目標通りに整形された砥石を用いて研削加工を行ったとしても、加工するワークに対して砥石の相対位置が正確に与えられていないと、目標通りの形状を加工することはできない。
【0005】
上記砥石形状の整形について説明すると、平歯車などの直溝歯形の整形では、歯車歯形形状と合同な形状を有する砥石を用いるだけでよいが、例えばヘリカル歯形などのねじれ溝歯形を成形研削加工する場合では、砥石とねじれ溝が干渉するため、砥石輪郭形状の計算が困難とされてきた。そこで、精密工学会誌JSPE-58-04'92-04-628、第628 〜634 頁に記載の“成形研削用砥石輪郭の計算法”には、包絡線の計算を利用した工具輪郭形状の計算方法が提案されており、この計算法に従えば、ねじれ溝歯形の成形研削加工においても、砥石形状の計算を比較的容易に行えるようになっている。また、同様の手法により、任意の輪郭形状の砥石を用いて成形研削加工したワークのねじれ溝の断面形状を計算できることも知られている。
【0006】
このようにして砥石形状については正確に加工できるようにはなってはいるものの、成形研削加工を行うNC成形研削加工装置には、加工ワーク座標に対する砥石座標の相対的な位置決め誤差や、熱変形、装置本体の剛体ひずみなどの原因により、目標どおりの加工を実現するのが困難であるという課題がなお残されている。
【0007】
なお、インボリュート歯車の歯形形状の測定は、歯車の基礎円転がり運動を用いた歯車測定機により、図10( a) に示すような目標歯形と実際の歯形の相対的な誤差を図10( b) に示すようにグラフ化することにより、測定を行っている。そしてその図10( b) の歯形誤差計測に基づき、従来は経験と勘に基づいて歯形誤差を補正するための補正値をNC加工機に与えていた。ところが、このような歯形計測を行った場合でも、一度の補正では目標の歯形精度が得られないため、歯形計測、その歯形計測に基づく補正を繰り返し行う必要があった。
【0008】
この問題に対して、日本機械学会論文集( C編)57 巻543 号の第3652〜3655頁に記載の“歯車の成形研削加工における誤差補正について(以下、第一の先行技術と呼ぶ)”には、歯形加工の誤差要因となるワークに対する砥石車の位置決めNC値をパラメータとし、この値を変化させた時の歯形誤差を計算する数値シミュレータを作成し、計算上の歯形誤差が実際の歯形誤差計測データに近づくように人手でNCパラメータを変化させることにより、砥石車の位置決め値を推定する方法を提案している。従ってこの推定方法に従えば、推定された位置決め値と目標の位置決め値の差を補正するようにNC補正値を与えれば、誤差の補正を行うことができる。
【0009】
また、日本機械学会論文集( C編)63 巻612 号の第2852〜2858頁に記載の“成形研削によるはすば歯車加工時の砥石セッティング誤差推定法”(以下、第二の先行技術と呼ぶ)では、砥石車の輪郭上の座標とその点における接線の傾きを用いて、砥石車のワークに対する位置決め誤差の微小変化(砥石セッティング誤差)に対する歯形曲線誤差の微小変化との関係を定式化し、歯形曲線誤差の微小変化から砥石セッティング誤差を推定する方法を提案している。この誤差推定法において、一つの歯面の歯形誤差データだけでは砥石セッティング誤差を一義的に逆算することができないため、一つの歯面の歯形誤差データだけでなく、研削された両歯面(一つの歯溝を共有する向かいあった二つの歯面)の歯形誤差データを用い、さらに、歯圧の測定を行うことにより、砥石セッティング位置の誤差を解析できるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記した第一の先行技術は、加工誤差の補正パラメータを人手で変更しながら最適な値を求めるものであるため、操作に熟練が必要なうえ、同一の歯形誤差補正を行っても操作者毎に異なる結果になることが予想され、補正値が一義的に定まらず、補正結果が必ずしも真値を与えていないという問題がある。
【0011】
また、上記第二の先行技術では、加工誤差の補正パラメータについては自動で求められるが、左右両歯面の歯形誤差を測定する必要があるとともに、補正を正確に行うためにはさらに歯厚の測定まで行なわなければならない。このように測定項目が多くなると、各々の項目を測定する計測機が必要になり、コストが高くなるだけでなく計測に時間がかかるという問題がある。さらに、正規の歯形形状を研削加工する時の砥石のセッティング位置の微小変化を用いているために、仕上げ代を大きくとると補正計算に誤差が生じることになる。
【0012】
なお、上記歯形誤差の計測は通常の歯形測定機を用いて行い、測定グラフを人が読み取るために読み取り誤差が生じる恐れもある。詳しくは、歯形測定機による誤差計測では、測定子を歯底から歯先へ滑らせて測定を行なうようになっているが、その測定子先端がある大きさを持っているために両歯面に接触した状態では歯底まで到達することができず、従って図10( b) の歯形誤差測定結果のグラフにおいて、横軸の起点および終点が厳密に歯先と歯底を示しているとは言えず、補正計算に必要な測定データの歯形の位置上の対応づけ、すなわち図10( b) の法線長さ“s”が正確ではなく、補正に誤差が生じる可能性がある。
【0013】
また、第一及び第二の先行技術ともに、インボリュート歯車の基礎円転がり方式の歯形誤差測定結果を元に補正計算を行なうものである。図11はその歯形誤差測定原理を示したものである。Y軸方向,Z軸方向の各移動、及び歯車を保持しているA軸の回転を同時制御することにより、測定子50の先端50aを歯車51の片側歯面51aに接触させた状態で、歯車基礎円Cの接線PTに沿ってA点からB点まで移動させると、測定子50の先端50aがプラス方向またはマイナス方向に振れる。その振れを検出して処理すれば歯形誤差を測定することができるというものである。
【0014】
ところが、上記基礎円転がり方式による歯形誤差測定は、インボリュート歯形曲線の性質上、歯形誤差がゼロに近い時には測定子先端が歯形曲線と直角に接触して正規の歯形曲線に対する法線距離の差を測定することができるものの、特に仕上げ代を残した歯形形状を測定するような場合では、測定子先端が歯形曲線に対して直角には接触せず、歯形誤差計測に誤差が生じる。従って、第一及び第二の先行技術において、仕上げ代をある程度残した状態で誤差補正を行うような場合では十分な精度が得られないという問題がある。また、第一及び第二の先行技術ともに、ワーク断面がインボリュート形状をした歯形についての成形研削誤差の補正に限られる。従って、インボリュート形状以外の任意の形状からなるねじれ溝の加工誤差補正を行うことは出来ない。
【0015】
また、上記した第一及び第二の先行技術のいずれも、砥石は正規形状のものであることを前提として加工誤差の補正を行っているため、それらの補正方法を実際の研削加工に適用すると問題が生じる場合がある。なぜなら、継続して研削加工を行っていると当然、砥石が摩耗し砥石形状に誤差が生じることなり、その誤差がそのまま製品の加工誤差になるからである。そこで砥石の摩耗を考慮した場合には、NC加工機上で砥石の目立て(ドレス)を行う必要がある。目立ては、通常、先端部に一つのダイヤモンド石をとりつけたいわゆるシングルポイントドレッサ、または多数のダイヤモンド石を円周上に配置したロータリードレッサを使用して砥石の目立てを行うことになるが、経年変化に伴うダイヤモンド石先端の摩耗や、砥石車に対するドレッサの位置決め誤差などの影響で、砥石形状の整形時においても誤差が生じる。上記した先行技術では、このような砥石形状の整形誤差に関する補正は考慮されておらず、従って砥石の整形誤差及び取り付け誤差については補正することができない。
【0016】
本発明は以上のような従来の課題を考慮してなされたものであり、複数種類の計測機を必要とせず歯形誤差を正確に計測して砥石位置決め誤差及び/または砥石整形誤差等を補正し、目標とするねじれ溝を正確に成形研削加工することのできるねじれ溝成形研削加工の補正方法及びその装置を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のねじれ溝成形研削加工の補正方法は、砥石車に整形誤差がないという前提でワークの断面形状のみが把握されている場合に適用される第一の補正方法、及びワークの断面形状と砥石車の断面形状が把握されている第二の補正方法と、砥石車に整形誤差が含まれるという条件でワークの断面形状のみが把握されている場合に適用される第三の補正方法、及びワークの断面形状と砥石車の断面形状が把握されている第四の補正方法からなり、
本発明のねじれ溝整形研削加工装置は、砥石車に整形誤差がないという前提でワークの断面形状のみが把握されている場合に適用される第一の装置、及びワークの断面形状と砥石車の断面形状が把握されている第二の装置と、砥石車に整形誤差が含まれるという条件でワークの断面形状のみが把握されている場合に適用される第三の装置、及びワークの断面形状と砥石車の断面形状が把握されている第四の装置からなる。
【0018】
上記第一の補正方法は、ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を用いてねじれ溝を成形研削加工する方法において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測し、該計測によって得られた座標データを記憶し、前記ねじれ溝の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜4階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対して前記砥石車の位置決め誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差を推定し、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工することを要旨とする。
【0019】
上記第二の補正方法は、ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を用いてねじれ溝を成形研削加工する方法において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測し、該計測によって得られた座標データを記憶し、前記砥石車の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜3階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対して前記砥石車の位置決め誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差を推定し、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工することを要旨とする。
【0020】
上記第三の補正方法は、機上砥石整形機付きNC成形研削加工装置を用い、ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を機上で整形し、その砥石車でねじれ溝を成形研削加工する方法において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測し、該計測によって得られた座標データを記憶し、前記ねじれ溝の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜5階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対する前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差を推定し、推定された砥石車整形誤差を前記機上砥石整形機にフィードバックして目標とする砥石形状に前記砥石車を整形するとともに、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工することを要旨とする。
【0021】
上記第四の補正方法は、機上砥石整形機付きNC成形研削加工装置を用い、ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を機上で整形し、その砥石車でねじれ溝を成形研削加工する加工方法において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測し、該計測によって得られた座標データを記憶し、前記砥石車の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜4階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対する前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差を推定し、推定された砥石車整形誤差を前記機上砥石整形機にフィードバックして目標とする砥石形状に前記砥石車を整形するとともに、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工することを要旨とする。
【0022】
また、上記第一の成形研削加工装置は、ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を用いてねじれ溝を成形研削加工する装置において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測する計測手段と、該計測によって得られた座標データを記憶する記憶手段と、前記ねじれ溝の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜4階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係に基づき、前記ワークに対して前記砥石車の位置決め誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差を推定する計算手段と、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工する補正手段と、を備えてなることを要旨とする。
【0023】
上記第二の成形研削加工装置は、ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を用いてねじれ溝を成形研削加工する装置において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測する計測手段と、該計測によって得られた座標データを記憶する記憶手段と、前記砥石車の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜3階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対して前記砥石車の位置決め誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差を推定する計算手段と、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工する補正手段と、を備えてなることを要旨とする。
【0024】
上記第三の成形研削加工装置は、ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を研削機上で整形し、その砥石車でねじれ溝を整形研削加工する砥石成形機付きNC成形研削加工装置において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測する計測手段と、該計測によって得られた座標データを記憶する記憶手段と、前記ねじれ溝の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜5階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対する前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数をを計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差を推定する計算手段と、推定された砥石車整形誤差を前記機上砥石整形機にフィードバックして目標とする砥石形状に前記砥石車を整形するとともに、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工する補正手段と、を備えてなることを要旨とする。
【0025】
上記第四の成形研削加工装置は、ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を研削機上で整形し、その砥石車でねじれ溝を成形研削加工する砥石整形機付きNC成形研削加工装置において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測する計測手段と、該計測によって得られた座標データを記憶する記憶手段と、前記砥石車の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜4階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対する前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差を推定する計算手段と、推定された砥石車整形誤差を前記機上砥石整形機にフィードバックして目標とする砥石形状に前記砥石車を整形するとともに、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工する補正手段と、を備えたことを要旨とする。
【0026】
本発明において、測定子は、NC成形研削加工装置における砥石車の主軸保持台に取り付けたものから構成することが好ましいが、測定子を備えた専用の座標計測装置を機上に備えることもできる。さらにまた、ワーク部分及びねじれ溝部分の座標計測は、NC成形研削加工装置とは別に機外の計測装置で計測してもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
5軸NC歯車成形研削加工装置(以下、NC研削装置と略称する)を用いて、インボリュートヘリカル歯形を成形研削加工する実施形態を示す。
【0028】
1.ヘリカル歯形成形研削加工及び歯形形状計測のモデル化
図1( a) はNC研削装置を用いてインボリュートヘリカル歯形を成形研削加工している状態を示し、図1( b) は研削した歯形をNC研削装置上で計測手段としての測定子を用いて歯形形状計測を行っている状態を示している。
【0029】
両図において、x軸テーブル1は左右方向(x軸方向)に往復移動するようになっており、割出台2のワーク保持部2aはワーク3を保持した状態でA軸まわりに回転するようになっている。y軸テーブル4は、前後方向(y軸方向)に前進または後退するようになっており、このy軸テーブル4上には、上下方向(z軸方向)に昇降可能なz軸テーブル5が備えられている。このz軸テーブル5の前面には砥石車保持部5aが備えられ、この砥石車保持部5aの先端に被削歯車の歯溝の形状に整形された砥石車6が軸支されている。z軸テーブル5はC軸まわりに回転可能である。また、z軸テーブル5からは測定子7が垂下されており、その先端に形成されている球状のプローブを、成形研削加工されたインボリュート歯車のヘリカル溝(ねじれ溝)に接触させることができるようになっている。なお、本実施形態における測定子は、先端部の変位や接触を電圧信号に変換して出力する距離計測センサやタッチセンサとして機能するものであれば、タッチセンサや電気マイクロセンサ等の任意のセンサを使用することができる。
【0030】
ワーク部分とねじれ溝部分の座標データを採取するには、歯形諸元からあらかじめ計算した位置に測定子7のz位置を位置決めし、y軸を動作させて測定子7の球状先端部をワーク部分(被削歯車の外周部分)3a及びねじれ溝部分3bに押し当てトレースさせることによって行う。なお、採取された座標データ及び各軸の座標データは、NCコントローラ8内の記憶手段としてのメモリ8aに格納される。
【0031】
また、計算部としての演算部8bは、後述するように、ワークの断面形状のみ把握されている場合は、ねじれ溝の軸直角断面形状曲線とその1〜4階微分値、及び砥石車6とワーク3との幾何学的位置関係に基づき、ワーク3に対して砥石車6の位置決め誤差が含まれているねじれ溝についてその近傍の任意の空間位置からそのねじれ溝曲面に直交する法線の距離を計算し、計算された該法線の距離が、球状先端部の半径と等しくなるように位置決め誤差を逆算することにより、砥石車6の位置決め誤差を推定する。また、補正手段としての補正部8cは、推定された砥石車位置決め誤差をNC成形研削加工装置にフィードバックさせるようになっている。なお、ワークの断面形状と砥石の断面形状が把握されている場合は、砥石車6の軸直角断面形状曲線とその1〜3階微分値を計算する。
【0032】
また、砥石車6に整形誤差が含まれており、ワークの断面形状のみが把握されている場合は、計算手段としての演算部8bは、ねじれ溝の軸直角断面形状曲線とその1〜4階微分値、及び砥石車とワークとの幾何学的位置関係に基づき、ワーク3に対する砥石車6の位置決め誤差及び砥石車整形誤差が含まれているねじれ溝についてその近傍の任意の空間位置からそのねじれ溝曲面に直交する法線の距離を計算し、計算された法線の距離が、球状先端部の半径と等しくなるに位置決め誤差を逆算することにより、砥石車6の位置決め誤差及び砥石車整形誤差を推定する。この場合の補正部8cは、推定された砥石車整形誤差を装置上の砥石整形機(図5参照)にフィードバックする。なお、ワークの断面形状と砥石の断面形状が把握されている場合は、砥石車6の軸直角断面形状曲線とその1〜3階微分値を計算する。
【0033】
このような構成のNC研削装置を用いた成形研削加工の補正方法について以下詳しく説明するが、まず、成形研削加工をモデル化するために、図2に示すように座標系を定義する。なお、座標変換や空間の点の定義には、同次変換形式を用いる。
【0034】
1.1 ワーク座標と砥石座標の定義
図2はヘリカル歯形を砥石車で成形研削加工している状態を示している。同図において、図中Σtfはワークに固定した座標系でありワークの基準となるものである。Σt は任意の断面における座標を示し、Σt はΣtfからz軸方向にζ進み、そのときのヘリカルのねじれ角θだけ回転した座標系を示している。ΣtfからΣt への座標変換行列tft は(1) 式で与えられる。
【0035】
【数1】
Figure 0003752398
【0036】
ここで、“Trans ”は平行移動を表し、“Rot ”は回転を表わす座標変換列、r0は図3に示すピッチ円筒半径、β0 は同じくピッチ円筒上のねじれ角である。このように、ζはθから一義的に決まるパラメータであるから、結局、ワークにおける基準の座標“tf”から任意の座標“t ”への変換は、θだけで決まることになる。
【0037】
次に、砥石車6の中心にある固定の座標系をΣgfとすると、ワーク3側から砥石車6側への座標変換、すなわちΣtfからΣgfへの座標変換行列tfgfは(2) 式で与えられる。
【0038】
【数2】
Figure 0003752398
【0039】
ここに“D”はワーク3の回転軸と砥石車6の回転軸とに共通する法線の長さ、“Г”は砥石車6のセッティング角度、“d”は砥石車6の回転軸方向の取り付け位置であり、それぞれNC研削機械のZ,C,Y軸の位置決めに相当する。これらD,d,Гをまとめたパラメータ“c”は、ワーク3に対する砥石車6のセッティング位置に相当する。従って、本発明の補正方法における最終目的はこのパラメータcの値を求めることになる。パラメータcの値が諸元通りであれば正確に歯形が成形研削加工されていることになるからである。
次に、砥石車6においてΣgfのy軸周りにφ回転した座標系をΣg とすると、ΣgfからΣg への座標変換行列gfg は次式で与えられる。
【0040】
【数3】
Figure 0003752398
【0041】
1.2 正規歯形から正規砥石車形状へのモデル化
次に、研削したい軸直角断面の歯形形状を媒介変数αを用いて、一般的に、
【0042】
【数4】
Figure 0003752398
【0043】
と定義しておく。(4) 式のように表現しておくと、歯形(溝)の断面形状はインボリュートに限らず、任意形状のねじれ溝形状を扱うことができる。なお、(4) 式の左上の添え字は、変数を定義する座標系を意味し、正規砥石形状の計算には、各パラメータの右下に“0 ”の添字を用いる。
歯形形状曲線の砥石車断面への射影は、
【0044】
【数5】
Figure 0003752398
【0045】
で与えられる。すなわち、(5) 式は砥石車6における任意の切断面に対してθ0 ,αを変化させたときに表される曲線を示していることになる。なお、t χ0 はワーク3の断面形状で与えられた正規の歯形形状曲線を示している。また、右辺における固定の設計値、例えばc0 は関数として左辺に表さない。そこで、αとθを与えれば、ワーク歯形の砥石車側座標Σg への射影が与えられることになる。なお、ワーク歯形の射影曲線の包絡線から砥石車の断面形状を計算する手法は、従来の技術の欄に記載した公知の“成形研削用砥石輪郭の計算法”を利用することができる。
ここで、(5) 式において、
【0046】
【数6】
Figure 0003752398
【0047】
となる。ヘリカル歯形を成形研削加工する砥石車6の輪郭形状は、(5) 式の射影曲線群の包絡線になり、αを固定し、
【0048】
【数7】
Figure 0003752398
【0049】
を満たすθ0 を計算することにより求められる。ここで、右下添え字のα、θは、α、θによる偏微分を示しており、(7) 式は接線方向が一致するという拘束条件を示している。従って、f1 をゼロとするθ0 とαを求めればそれらが砥石車の断面形状を与えるパラメータになる。
(7) 式をαによるθ0 の陰関数の拘束条件と見なすと、(5) 式の砥石断面形状g χ0 は見かけ上、αのみの関数になり、これを、g χ0(α) と表現する。
【0050】
1.3 成形研削誤差のある歯形形状のモデル化
(2) 式のNC研削機械の位置決めパラメータcに誤差がある場合のワーク形状は、砥石車形状曲線を歯形軸直角断面に射影した曲線群の包絡線になる。これを、(9) 式を拘束条件とする(8) 式で表現する。
【0051】
【数8】
Figure 0003752398
【0052】
【数9】
Figure 0003752398
【0053】
ここで、(8) 式において、
【0054】
【数10】
Figure 0003752398
【0055】
である。(8) 式は見かけ上cとαのみの関数になり、これを、t χ( c, α) と表現する。
【0056】
砥石車位置決めパラメータcに誤差がある場合は、正規歯形形状t χ0(α) と実際の歯形形状t χ(c, α) は一致しない。この砥石車位置決めパラメータcの誤差を、成形研削誤差と呼ぶことにする。歯形形状を計測し、誤差のある歯形に対してパラメータcを求め、それが正規の値になるようにNC研削機械にフィードバックするというのが本特許の誤差補正方法の原理である。
【0057】
1.4 歯形形状計測のモデル化
次に、成形研削誤差のある歯形形状を、図2( b) のような先端の半径がrp の球形のプローブで計測を行う状態をモデル化する。ここで、歯面とある座標と連絡する法線の距離を計算する。
軸直角断面形状t χ(c, α) により作られるねじれ溝が、歯形形状曲面tfpになる。
【0058】
【数11】
Figure 0003752398
【0059】
次に、発明者が先に出願した歯車誤差計測方法及び補正方法(特開平9-11085 号公報)を利用して、ワーク部分および歯形部分を計測し、歯形形状計測データをワーク座標系Σtfに変換し、tfχmi(i=1,..,N)とする。各計測データはプローブ球の中心位置になる。計測データtfχmiに対する歯形曲面の法線の足tfp(c, αii)は、
【0060】
【数12】
Figure 0003752398
【0061】
を同時に満たすαii により与えられる。このとき、計測データと歯形曲面との距離li は、
【0062】
【数13】
Figure 0003752398
【0063】
で計算される。
ここで、(12)式をcによるαii の陰関数の拘束条件と見なし、αii をcの関数であると考えると、(13)式の距離は、計測データtfχmiとcの関数になり、これをli(tfχmi, c) と表現する。
結局、計測データと歯形曲面との距離が、プローブ球の半径に等しくなる値、すなわち、
【0064】
【数14】
Figure 0003752398
【0065】
を満たすcを計算することにより、成形研削誤差が推定されることになる。
【0066】
2.成形研削誤差推定アルゴリズム
(14)式の関係を満たすように、非線形の最小自乗法を用いて成形研削の位置決めパラメータcを逆算することにより位置決め誤差を推定する。(14)式をcのみの関数と見なした時には、
STEP C1
cの初期値を与える。
STEP C2
【0067】
【数15】
Figure 0003752398
【0068】
【数16】
Figure 0003752398
【0069】
を計算する。
STEP C3
【0070】
【数17】
Figure 0003752398
【0071】
なら終了。( ec は任意の小さな正の数)
STEP C4
【0072】
【数18】
Figure 0003752398
【0073】
を計算し( +は擬似逆行列)
【0074】
【数19】
Figure 0003752398
【0075】
によりcを更新し、STEP C2 へ戻る。
実際には、(7),(9),(12)式の陰関数による拘束条件があるため、以下の計算を行う必要がある。
(14)式のcによる微分は、
【0076】
【数20】
Figure 0003752398
【0077】
となり、これは、
【0078】
【数21】
Figure 0003752398
【0079】
より計算できる。
(21)式のαi 、λi のcによる微分は、tfχmi, cを与えたときに(12)式を満たすαii を求め、そのtfχmi, c, αii を用いて、
【0080】
【数22】
Figure 0003752398
【0081】
で計算する。tfχmi, cを与えたときに(12)式を満たすαii を求める計算は、以下のステップで行う。
STEP AL1
αii の初期値を与える。
STEP AL2
【0082】
【数23】
Figure 0003752398
【0083】
【数24】
Figure 0003752398
【0084】
を計算する。
STEP AL3
【0085】
【数25】
Figure 0003752398
【0086】
なら終了。(e34は任意の小さな正の数)
STEP AL4
【0087】
【数26】
Figure 0003752398
【0088】
を計算し、
【0089】
【数27】
Figure 0003752398
【0090】
によりαi,λi を更新し、STEP AL2へ戻る。(22)式および、(23)から(27)式の計算で、(12) 式で表されるf 3i ,f 4i について、
【0091】
【数28】
Figure 0003752398
【0092】
を計算する必要があり、この計算には、
【0093】
【数29】
Figure 0003752398
【0094】
を計算する必要がある。
(11)式を厳密に書くと、
tf p( c, αii)=tft(λ)・t χ( φ( c, αi), c, αi)
(11)'
であり、(29)式の微分計算を行う際に、(11)' 式のt χ( φ( c, αi), c, αi)微分である、
【0095】
【数30】
Figure 0003752398
【0096】
を計算する必要がある。
(30)式のφのαi 、cによる微分は、αi 、cを与えたときに(9) 式を満たすφを求め、そのαi 、c、φを用いて、
【0097】
【数31】
Figure 0003752398
【0098】
で計算する。tfχmi, cを与えたときに(12)式を満たすαi,λi を求める計算は、以下のステップで行う。
STEP P1
φの初期値を与える。
STEP P2
【0099】
【数32】
Figure 0003752398
【0100】
【数33】
Figure 0003752398
【0101】
を計算する。
STEP P3
【0102】
【数34】
Figure 0003752398
【0103】
なら終了。( e2 は任意の小さな正の数)
STEP P4
【0104】
【数35】
Figure 0003752398
【0105】
を計算し、
【0106】
【数36】
Figure 0003752398
【0107】
によりαii を更新し、STEP P2 へ戻る。
(31)式および、(32)式から(36)式の計算で、
【0108】
【数37】
Figure 0003752398
【0109】
を計算する必要があり、この計算には、(8) 式において
【0110】
【数38】
Figure 0003752398
【0111】
の計算、すなわち、ベクトル xの各成分のα ,φ,c による偏微分の計算が必要である。αの3階微分までの計算及びcの1階微分の計算について考えると、(8) 式において、αは砥石輪郭形状曲線を規定するパラメータ、cはワーク3に対する砥石車6のセッティング位置に相当するパラメータであり、xは(α)の関数で表されている。従って、この(α)すなわち砥石車の軸直角断面形状曲線が把握されている場合には、その砥石車の軸直角断面形状曲線(α)のαによる1〜3階微分cによる微分、及びφによる微分を用いることにより、(38)式の微分を計算することが可能になる(本発明の第二の解決手段に相当する) 。なお、φはα 及びcの関数であり、 (α)に含まれるφはα とcで表されるので、φによる微分は本発明において必ずしも要しない。砥石車の軸直角断面形状(α)が把握されていない場合には、(38)式の微分計算を行う際に、さらに、(7) 式の拘束条件の下で、(5) 式の微分である、
【0112】
【数39】
Figure 0003752398
【0113】
を計算する必要がある。
(39)式のθ0 のαによる微分は、αを与えたときに(7) 式を満たすθ0 を求め、そのα、θ0 を用いて、
【0114】
【数40】
Figure 0003752398
【0115】
で計算する。αを与えたときに(7) 式を満たすθ0 を求める計算は、以下のステップで行う。
STEP T1
θ0 の初期値を与える。
STEP T2
【0116】
【数41】
Figure 0003752398
【0117】
【数42】
Figure 0003752398
【0118】
を計算する。
STEP T3
【0119】
【数43】
Figure 0003752398
【0120】
なら終了。( e1 は任意の小さな正の数)
STEP T4
【0121】
【数44】
Figure 0003752398
【0122】
を計算し、
【0123】
【数45】
Figure 0003752398
【0124】
によりθ0 を更新し、STEP T2 へ戻る。(40)式および、(41)式から(45)式の計算において、(7)式で表されるf1 のθ0 、αによる1 〜3 階微分を計算する必要があり、この計算には、(5) 式に表されるをθ0 、αに関して1 〜4 階微分する必要がある。同式においてはねじれ溝の軸直角断面形状曲線であるの関数で表されており、かつ、上述のように(7)式はαによるθ0の陰関数の拘束条件とみなしているので、結局、ねじれ溝の軸直角断面形状曲線とそのαによる1〜4階微分値、前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる微分値、および、(5) 式に表される砥石車と加工ワークの幾何学的位置関係から、ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を用いたねじれ溝のNC成形研削加工において、砥石車の位置を推定し補正することが出来ることを示した。
【0125】
3.数値シミュレーション
軸直角モジュール3、歯数26、圧力角20゜でピッチ円筒上のねじれ角が30゜のインボリュートヘリカル歯形に対して、本発明を用いて成形研削誤差を推定した数値シミュレーション結果を図4に示す。軸間距離139mm( D0=139mm, d0=0mm )でГ= 30゜の時に目標歯形が成形できるように設計されている場合において、D0 、d0 にそれぞれ故意に1mmの誤差( D= 140mm, d= 1mm )を与えた時の歯面を計測したデータ5点を図4( a) に示すように与えた。図4( b) 〜( d) に示すように、cに関する5回の収束計算で成形研削誤差が推定された。推定された誤差を補正するようにNC研削機に補正値をフィードバックすることにより、目標の歯形が成形研削加工される。
【0126】
4.ロータリドレッサの据え付け位置誤差及び整形誤差のモデル化
次に、多石ロータリドレッサ(以下ロータリドレッサと呼ぶ)を備えた機上砥石車整形機を用いて、NC機上で砥石車の輪郭形状を整形し、その砥石車を用いてねじれ溝( インボリュートヘリカル歯形) の成形研削加工を行う場合について考える。なお、図1( a) と同じ構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0127】
砥石整形機付きNC成形研削加工装置によるヘリカル歯車歯形の成形研削加工では、まず、図5( a) 及び図5( b) に示すように、NC駆動軸を動作させて、NC研削機の基台に取り付けられたロータリドレッサ10に砥石車6を押し当てることにより、砥石整形を行う。
【0128】
砥石整形を行っているときの、砥石車6に対する砥石整形軌跡を図6に示す。ロータリドレッサ10の動作は、ロータリドレッサ10のエッジを動作参照点として与えている。この動作参照点を砥石曲線に沿って動作させると、砥石面が整形されることになる。また、ロータリドレッサ10のエッジにはダイヤモンドなどで作られた整形用石10aが固着されているので、砥石曲線軌跡に対して、この整形用石10aの半径を工具径補正値としてNCコントーラに与えてやれば、動作参照点は砥石曲線から整形用石半径rdだけ離れた位置を移動することになり、その結果、砥石車6が、目標の砥石曲線通りに整形されることになる。
【0129】
しかし、実際には、整形用石10aが経年変化する等の要因により、初期にNCコントローラに与えた値とずれてきたり( 形状誤差) 、また、ロータリドレッサの回転軸芯がNC研削機の垂直軸とずれる( 据え付け位置誤差) ため、砥石車6は目標通りに整形されていないのが実状である。
【0130】
そこで、まず、整形用石10a半径の誤差が、砥石車形状に及ぼす影響を考える。整形用石10a半径の誤差Δrdにより、図8に示すように、砥石輪郭形状は、正規の砥石輪郭形状から距離Δrd離れた曲線を描くことになり、法線ベクトルgn0 を用いて以下のように記述される。
【0131】
【数46】
Figure 0003752398
【0132】
(46)式に示すように、砥石車の形状誤差を扱うために、砥石輪郭形状の微分が必要となり、2.の成形研削誤差推定アルゴリズムのαによる微分計算が1階高次になる。すなわち、ねじれ溝の軸直角断面形状のαによる1〜5階微分、または、砥石車の軸直角断面形状のαによる1〜4階微分を用いることになる。この砥石車6を用いて成形研削加工したワーク3のねじれ溝形状は(8) 式を参照して、
【0133】
【数47】
Figure 0003752398
【0134】
で与えられる。ここで、Δrdをワーク3と砥石車6の幾何学位置を表現するパラメータcに含めて考え、これを、新たにcと定義し直す。
【0135】
【数48】
Figure 0003752398
【0136】
この式は見かけ上(8) 式と同じ形式になり、拡張した(48)式を前述(8) 式に置き換えることにより、整形用石10a半径の誤差Δrdも同時に推定することができる。
【0137】
次に、ロータリドレッサ10の回転軸芯誤差が、砥石形状に及ぼす影響を考える。通常、ロータリドレッサ10の回転軸芯誤差は微小であると考えられるが、この時、図9に示すように左右でロータリドレッサ10のエッジの高さに差が生じる。一般にインボリュートヘリカル歯形の成形研削加工では、左右の両歯を同時に研削加工するが、左右の両歯についてそれぞれ(2) 式のD( ワークと砥石の軸間距離) を本発明に基づき推定計算し、左右のDの差が砥石整形機のエッジの高さとして推定される。( 第三及び第四の解決手段に対応する)
このようにして、ロータリドレッサの据え付け位置誤差及び形状誤差がモデル化できる。
【0138】
従って、推定された砥石整形誤差を補正するようにNC研削機に補正値をフィードバックすることにより、目標の砥石形状が成形研削加工される。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、請求項1〜4の本発明によれば、溝形状を計測するだけで補正を行うことができるため、複数種類の計測機を必要とせず砥石位置決め誤差を補正し、目標とするねじれ溝を成形研削加工することができる。また、請求項5〜8の本発明によれば、砥石整形誤差及び砥石取り付け誤差がある場合にそれらの誤差を補正し、目標とするねじれ溝を成形加工することができる。
【0140】
また、本発明によれば、仕上げ代を残したねじれ溝についても砥石車の位置決めを正確に行うことができる。また、複数種類の計測機を必要としないため、低コスト且つ短時間で補正を行うことができる。
【0141】
また、NC整形研削装置上で溝形状の計測を行う本発明によれば、ワークをNC研削装置から取り外し、再び取り付けるなどの作業工程が省け、その作業時に発生する取り付け誤差を解消することができる。
さらにまた、砥石整形機付きNC成形研削加工装置で補正を行う本発明によれば、装置上で整形した砥石の形状誤差も同時に推定し補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補正方法が適用されるNC成形研削加工装置による成形研削加工及び歯形計測状態を示す斜視図である。
【図2】ワークと砥石車の位置関係を座標で示した模式図である。
【図3】歯形のねじれ角を示す説明図である。
【図4】数値シミュレーションに与えるデータを示す説明図である。
【図5】砥石整形機付きNC研削装置の構成を示す斜視図である。
【図6】砥石とロータリドレッサの配置を示す説明図である。
【図7】砥石整形軌跡を示す説明図である。
【図8】砥石輪郭形状の計算原理を示す説明図である。
【図9】ロータリードレッサの取り付け誤差を示す説明図である。
【図10】従来の歯形誤差計測の原理を示す説明図である。
【図11】従来の基礎円転がり方式による歯形誤差測定の原理を示す説明図である。
【符号の説明】
1 x軸テーブル
3 ワーク
4 y軸テーブル
5 z軸テーブル
6 砥石車
7 測定子

Claims (14)

  1. ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を用いてねじれ溝を成形研削加工する方法において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測し、該計測によって得られた座標データを記憶し、前記ねじれ溝の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜4階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対して前記砥石車の位置決め誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差を推定し、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工することを特徴とするねじれ溝成形研削加工の補正方法。
  2. ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を用いてねじれ溝を成形研削加工する方法において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測し、該計測によって得られた座標データを記憶し、前記砥石車の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜3階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対して前記砥石車の位置決め誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差を推定し、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工することを特徴とするねじれ溝成形研削加工の補正方法。
  3. 機上砥石整形機付きNC成形研削加工装置を用い、ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を機上で整形し、その砥石車でねじれ溝を成形研削加工する方法において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測し、該計測によって得られた座標データを記憶し、前記ねじれ溝の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜5階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対する前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差を推定し、推定された砥石車整形誤差を前記機上砥石整形機にフィードバックして目標とする砥石形状に前記砥石車を整形するとともに、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工することを特徴とするねじれ溝成形研削加工の補正方法。
  4. 機上砥石整形機付きNC成形研削加工装置を用い、ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を機上で整形し、その砥石車でねじれ溝を成形研削加工する加工方法において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測し、該計測によって得られた座標データを記憶し、前記砥石車の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜4階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対する前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差を推定し、推定された砥石車整形誤差を前記機上砥石整形機にフィードバックして目標とする砥石形状に前記砥石車を整形するとともに、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工することを特徴とするねじれ溝成形研削加工の補正方法。
  5. ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を用いてねじれ溝を成形研削加工する装置において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測する計測手段と、該計測によって得られた座標データを記憶する記憶手段と、前記ねじれ溝の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜4階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係に基づき、前記ワークに対して前記砥石車の位置決め誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差を推定する計算手段と、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工する補正手段と、を備えてなることを特徴とするねじれ溝成形研削加工装置。
  6. ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を用いてねじれ溝を成形研削加工する装置において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測する計測手段と、該計測によって得られた座標データを記憶する記憶手段と、前記砥石車の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜3階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対して前記砥石車の位置決め誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差を推定する計算手段と、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工する補正手段と、を備えてなることを特徴とするねじれ溝成形研削加工装置。
  7. ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を研削機上で整形し、その砥石車でねじれ溝を整形研削加工する砥石成形機付きNC成形研削加工装置において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測する計測手段と、該計測によって得られた座標データを記憶する記憶手段と、前記ねじれ溝の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜5階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対する前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差を推定する計算手段と、推定された砥石車整形誤差を前記機上砥石整形機にフィードバックして目標とする砥石形状に前記砥石車を整形するとともに、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工する補正手段と、を備えてなることを特徴とするねじれ溝成形研削加工装置。
  8. ねじれ溝と共役な断面形状を有する砥石車を研削機上で整形し、その砥石車でねじれ溝を成形研削加工する砥石整形機付きNC成形研削加工装置において、前記ねじれ溝を成形研削したワークのワーク部分及びねじれ溝部分に対し、先端部の寸法が既知である測定子を接触させた時の座標を計測する計測手段と、該計測によって得られた座標データを記憶する記憶手段と、前記砥石車の軸直角断面形状曲線と、この軸直角断面形状曲線を規定するパラメータによる当該軸直角断面形状曲線の1〜4階微分値と、前記ワークに対する前記砥石車のセッティング位置に相当する位置決めパラメータによる前記軸直角断面形状曲線の微分値と、前記砥石車と前記ワークとの幾何学的位置関係とに基づき、前記ワークに対する前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差が含まれている前記ねじれ溝について前記計測によって得られた座標データからねじれ溝曲面への法線の足の座標を示す前記位置決めパラメータの関数及び前記法線の距離を示す前記位置決めパラメータの関数を計算し、計算された該法線の距離が、前記測定子先端部における既知寸法と等しくなるような前記位置決めパラメータを逆算することにより、前記砥石車の位置決め誤差及び砥石車整形誤差を推定する計算手段と、推定された砥石車整形誤差を前記機上砥石整形機にフィードバックして目標とする砥石形状に前記砥石車を整形するとともに、推定された砥石車位置決め誤差を前記NC成形研削加工装置にフィードバックさせ、目標とするねじれ溝を成形研削加工する補正手段と、を備えたことを特徴とするねじれ溝成形研削加工装置。
  9. 前記測定子が、NC成形研削加工装置における砥石車の主軸保持台に取り付けられたものである請求項1〜4のいずれかに記載のねじれ溝成形研削加工の補正方法。
  10. 前記測定子が、NC成形研削加工装置上に備えられた専用の座標計測装置から構成される請求項1〜4のいずれかに記載のねじれ溝成形研削加工の補正方法。
  11. 前記測定子が、NC成形研削加工装置とは別の座標計測装置から構成される請求項1〜4のいずれかに記載のねじれ溝成形研削加工の補正方法。
  12. 前記測定子が、NC成形研削加工装置における砥石車の主軸保持台に取り付けられたものである請求項5〜8のいずれかに記載のねじれ溝成形研削加工装置。
  13. 前記測定子が、NC成形研削加工装置上に備えられた専用の座標計測装置から構成される請求項5〜8のいずれかに記載のねじれ溝成形研削加工装置。
  14. 前記測定子が、NC成形研削加工装置とは別の座標計測装置から構成される請求項5〜8のいずれかに記載のねじれ溝成形研削加工装置。
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