JP3751997B2 - 研削装置および砥石成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の研削装置および砥石成形方法は、回転する砥石ホイールにより被削材が研削される研削装置と、同研削装置を効率よく運転するための砥石成形方法とに関し、研削技術および砥石ツルーイング技術の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年の研削装置は、基本的に、主軸を有する主軸ユニットと、適当な位置にあるツルアと、回転する砥石ホイールを備えた移動可能な砥石ユニットと、これらを操作する操作装置とを備えている。通常、操作装置にはプログラム機能が付与されているので、NC研削盤やプログラマブル研削装置などと呼ばれている。
【0003】
従来技術としては、被削材の仕上げ面精度を向上させる目的で、特殊な砥石成形方法と、同方法を実施するNC装置を備えた研削装置とが、特開平6−190696号公報に開示されている。
この砥石成形方法は、砥石ホイールの外周面を形成する砥石面を、砥石前進方向側の円錐面(テーパ面)と、これに連続する円筒面とで形成するツルーイング方法とである。同方法では、テーパ角(円錐面の半頂角)は、被削材の直径などの条件によって1度から20度の範囲で変更可能である。
【0004】
したがって、従来技術の研削装置では、テーパ面で粗研削が行われ、続いて円筒面で仕上げ研削が行われるので、被削材の円筒度および平滑度が向上と記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来技術では、砥石外周面が全面に渡ってツルーイングされ、しかもテーパ面の形成もなされている。その結果、ツルーイングに時間を要し、ツルーイング時間を含む段取り時間が長くなって、生産効率が良くないという問題があった。また、砥石およびツルアの損耗を低減する効果は無いという別の問題も抱えていた。
【0006】
そこで、本発明は、研削装置による研削加工の生産効率を上げる目的で、ツルーイングの時間が短くて済む(段取り時間が短縮される)砥石成形方法と、それを実施する研削装置とを提供することを、第1の解決すべき課題とする。
同時に、本発明は、砥石およびツルアの損耗を低減し、もってコスト低減にも寄与する研削装置および砥石成形方法を提供することを、第2の解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1構成は、被削材が固定支持され該被削材と共に回転駆動される主軸を有する主軸ユニットと、該主軸ユニットに対して所定の位置関係にあるツルアと、該主軸に対し該主軸の軸線と平行な方向および該軸線に垂直な方向に移動される砥石ユニットと、該砥石ユニットに回動自在に軸支されて回転駆動される外周部に砥石が固定されている略円盤状の砥石ホイールと、該砥石ユニットに所定の位置または所定の経路を指示する操作装置とを備えている研削装置において、前記操作装置は、前記被削材の外周面の少なくとも一部が前記砥石により研削される際に、該被削材の被研削面に沿って移動する該砥石の研削面の前進側に形成される形状崩れ巾が所定値を越えたか否かを判定する判定手段と、該判定手段により該形状崩れ巾が前記所定値を越えたと判定された場合に、該砥石ユニットを移動させ、該研削面を前記ツルアに当てて、該形状崩れ巾が該被削材に形成されている研削ぬすみ巾より所定巾以上小さくなるまで、かつ、該研削崩れ巾の一部を残してツルーイングするツルーイング手段とを備えていることを特徴とする研削装置である。
【0008】
本発明の第2構成は、上記第1構成において更に、前記判定手段は、前回のツルーイング以後処理された前記被削材の数または研削により除去された被削材の体積が、予め設定されている限界値に達したか否かをもって、前記形状崩れ巾が前記所定値を越えたか否かを判定する積算式判定手段であることを特徴とする。本発明の第3構成は、上記第1構成において更に、前記主軸ユニットに直接的または間接的に保持されて、研削後の前記被削材の前記ぬすみ巾の一端部を形成する被研削面の半径を計測する被研削面センサ、および、前記砥石ユニットに固定されて、前記砥石の前記形状崩れ巾を計測する砥石形状センサのうち、いずれかのセンサが装備されており、前記判定手段は、該センサからの計測信号に基づいて、前記形状崩れ巾が前記所定値を越えたか否かを判定する計測式判定手段であることを特徴とする。
【0009】
本発明の第4構成は、上記第3構成において更に、前記センサは、互いに対向して複数の平行光線を送受する投光器および受光器を有するアナログ式巾計、光源と回転ミラーと受光素子とを有する光走査式寸法測定装置、リニアアレイ・イメージセンサおよびCCDカメラのうち、いずれかの光学センサであることを特徴とする。
【0010】
本発明の第5構成は、上記第1構成において更に、前記操作装置は、前記被削材の被研削部分の周速度が所定の範囲に保たれるように、前記主軸の回転速度を自動的に調整する主軸調速手段を備えていることを特徴とする。本発明の第6構成は、外周部に砥石が固定されている略円盤状の砥石ホイールにより、被削材の外周面の少なくとも一部が研削される研削工程において、少なくとも前記被削材が交換される度に、該被削材の被研削面に沿って移動する前記砥石の研削面の前進側に形成される形状崩れ巾が所定値を越えたか否かが判定され、もし、該形状崩れ巾が前記所定値を越えていないと判定された場合には、研削工程が続行され、逆に、該形状崩れ巾が前記所定値を越えたと判定された場合には、該砥石の研削面をツルアに当てて、該形状崩れ巾が該被削材に形成されている研削ぬすみ巾より所定巾以上小さくなるまで、かつ、該研削崩れ巾の一部を残してツルーイングするツルーイング工程が施された後、研削工程に復帰することを特徴とする砥石成形方法である。
【0011】
本発明の第1構成の研削装置では、操作装置に備えられた判定手段が、形状崩れ巾が所定値を越えたか否かを判定し、越えたと判定された場合には、砥石のツルーイングが行われる。ツルーイングに際しては、ツルーイング手段が、砥石ユニットを移動させて砥石の研削面をツルアに当て、前記形状崩れ巾が該被削材に形成されている研削ぬすみ巾より所定巾以上小さくなるまで、かつ、該研削崩れ巾の一部を残してツルーイングする。ツルーイングは、研削ぬすみ巾がゼロにならないうちに終了するので、ツルーイングに要する時間およびツルーイングの切込量は、少なくて済む。
【0012】
したがって、本構成によれば、ツルーイング時間を含む段取り時間が短縮されるので、生産効率が向上するという効果がある。同時に、ツルーイングによる砥石研削面の切込量が少ないので、砥石およびツルアのツルーイングよる消耗が少なく、加工コストが低減されるという効果もある。
本発明の第2構成では、積算式判定手段が、被削材の数または被削材の体積を限界値と比較して、ツルーイングすべき時期に達したか否かを判定する。
【0013】
したがって、本構成によれば、ツルーイングすべき時期に達したか否かの判定にあたり、センサ等の計測手段を必要としないので、研削装置をより安価に製造することが可能になるという効果がある。
本発明の第3構成では、被研削面センサによる被研削面の削り残しを検出する間接的な計測信号に基づいてか、または、砥石形状センサによる砥石研削面の形状崩れ巾を検出する直接的な計測信号に基づいて、計測式判定手段が形状崩れ巾が所定値を越えたか否かを判定する。
【0014】
したがって、本構成によれば、砥石の形状崩れが予測しえない挙動を示したり、予測しえない速度で形状崩れが進んだ場合にも、適切な時期にツルーイングを施すことができる。その結果、不必要に早い時期にツルーイングを施して無用に段取り時間を取ったり、逆にツルーイングすべき時期を逸して被削材に研削残しが生じ、不良品または要再加工品を出してしまったりする不都合が回避されるという効果がある。
【0015】
本発明の第4構成では、光学センサにより被研削面の削り残しまたは砥石研削面の形状崩れ巾が検出されるので、センサが被削材または砥石に接触することがない。
したがって、本構成によれば、センサ、被削材および砥石のうちいずれかに、センサに起因する損傷が起きることがないという効果がある。
【0016】
本発明の第5構成では、主軸調速手段により、被削材の被研削部分の周速度が所定の範囲に保たれるので、被削材の直径に係わりなく常に砥石の研削面との相対速度がほぼ一定に保たれる。
したがって、本構成によれば、被削材の直径に変更があった場合にも、一定の精度の仕上げ面を形成する研削加工が行われて、研削面の加工精度のばらつきが少ないという効果がある。
【0017】
本発明の第6構成の砥石成形方法では、形状崩れ巾が所定値を越えたか否かが判定され、越えたと判定された場合にのみ、砥石のツルーイングが行われる。ツルーイングは、ツルアにより、前記形状崩れ巾が該被削材に形成されている研削ぬすみ巾より所定巾以上小さくなるまで、かつ、該研削崩れ巾の一部を残して行われる。すると、研削ぬすみ巾がゼロにならないうちにツルーイングが終了するので、ツルーイングに要する時間およびツルーイングの切込量は、少なくて済む。
【0018】
したがって、本構成によれば、ツルーイング時間を含む段取り時間が短縮されるので、生産効率が向上するという効果がある。同時に、ツルーイングによる砥石研削面の切込量が少ないので、砥石およびツルアのツルーイングよる消耗が少なく、加工コストが低減されるという効果もある。
【0019】
【発明の実施の形態および実施例】
本発明の研削装置および砥石成形方法の実施の形態については、当業者に実施可能な理解が得られるよう、以下の実施例およびその変形態様で明確かつ充分に説明する。
〔実施例1〕
(実施例1の研削装置の基本構成)
本発明の実施例1としての研削装置1は、図1に示すように、ベース(基台)7上に固定された主軸ユニット2と、共通のベース7上に支持されているテール・ストック・ユニット3および砥石ユニット4とを装備している。研削装置1は、これらの各ユニット2,3,4とを制御する操作装置6と、操作装置6の一部を除いて装置全体を覆って保護するカバー11とをも備えている。図1では、操作装置1の構成を明らかにするため、カバー11の一部と主軸ユニット2の一部とが切除されて図示されている。
【0020】
主軸ユニット2は、ベース7上の所定高さに水平に固定支持された主軸モータケース24と、これに内蔵されたビルトイン・モータ23とを有する。ビルトイン・モータ23のテール・ストック・ユニット3側の一端には、出力軸の一端がモータケース24から突出して主軸22を形成している。ビルトイン・モータ23によって回転駆動される主軸22の先端には、円錐面状の固定センタ21が形成されている。
【0021】
テール・ストック・ユニット3は、主軸22の軸心の延長線上に同軸の移動センタ31を備えている。移動センタ31は、固定センタ21と同様に円錐面を形成しており、テール・ストック・ユニット3に内蔵されたビルトイン・モータ(図示せず)によって回転駆動される。テール・ストック・ユニット3は、油圧シリンダまたはステッピング・モータ等を有するスライド機構(図示せず)により、主軸22の軸心方向(Z軸方向)に移動することができる。移動の速度および位置は、操作装置6によって制御されている。
【0022】
また、テール・ストック・ユニット3は、ビルトイン・モータの一端に、移動センタ31と同軸で回転駆動される円盤状のツルア32を備えている。したがって、ツルア32は、主軸22に対しても同軸に回転駆動されており、その軸心方向(Z軸方向)にテール・ストック・ユニット3とともに移動する。
前述の主軸22先端の固定センタ21およびテール・ストック・ユニット3の移動センタ31は、それぞれの回転方向および回転速度を操作装置6によって制御されており、両者は原則として同期回転するよう制御されている。
【0023】
砥石ユニット4は、主軸22と平行かつ同一水平面内に回転軸を有する砥石ホイール40と、これを回転駆動するビルトイン・モータ(図示せず)とを備えている。砥石ユニット4は、二軸のスライド機構(図示せず)により、主軸22の軸線に沿う方向(Z軸方向)および水平面内で同軸線に垂直な方向(X軸方向)に移動することができる。砥石ユニット4の移動速度および位置と、砥石ホイールを40の回転速度とは、操作装置6により制御されている。
【0024】
操作装置6は、研削装置1の正面に面したディスプレイおよび操作盤と、ケーシングに保護されて内蔵された記憶演算装置および各種アクチュエータとのインタフェースとを備えている。操作装置6は、操作員(図示せず)からの指令を上記操作盤から受領し、同指令と上記記憶演算装置に予め記憶されているプログラムとに従って、同記憶演算装置内で計算を行い、適切な制御信号を算出する。同制御信号は、インタフェースを介して各ユニット2,3,4および各スライド機構に伝達されて、自動的に研削処理およびツルーイングが行われる。
【0025】
このように、本実施例の研削装置1は、記憶演算装置(いわゆるマイコン、CPU/メモリまたはMPU)を内蔵しており、プログラマブルであるので、NC研削盤やプログラマブル研削装置などとも呼ばれる種類に属している。
なお、研削装置1は、高速研削に適し、必要に応じて研削液を研削面に吹き掛ける装置を装備することができる。
【0026】
(実施例1の被削材、砥石および研削工程)
被削材5は、図2に示すように、同軸に対向する固定センタ21と移動センタ31とに両端を挟持されている。被削材5の両端の中心軸上には、両センタ21,31に嵌合する円錐面状の凹部がそれぞれ形成されており、被削材5は、軸心が主軸とずれること無く所定位置に保持されている。移動センタ21には、軸力を検出するストレイン・ゲイジからなる軸力センサ(図示せず)が装備されており、移動センタ21が被削材5を押圧する軸力は、操作装置6により適正な範囲に自動制御されている。
【0027】
したがって、被削材5は、同期回転する固定センタ21と移動センタ31と挟持されており、両者との間に働く摩擦力を介して回転トルクを与えられて回転する。摩擦力による上記回転トルクが不足する場合には、ケレ(図示せず)を介して主軸22の回転を確実に被削材5に伝達してもよい。
一方、砥石ホイール40は、同じく図2に示すように、砥石ユニットから突出した駆動軸(図示せず)に中心部を固定支持されて回転するフランジ42と、その外周部に固定された中空円筒状の砥石41とからなる。
【0028】
以上で砥石41および被削材5の構成と位置関係が明確にされたので、次に、円筒研削を例に取って図2を参照しながら研削工程について説明する。
砥石ホイール40は、高速で回転しながら被削材5の被研削面54に沿って前進方向Aへ砥石ユニット4ごと移動していく。同時に、被削材5も回転してその全周囲(被研削面54)が砥石41の外周面である研削面44に当接して研削されていく。その際、砥石41の研削面44と重なる被削材5の被研削面54が、砥石41によって研削される。すなわち、被削材5から所定の厚みの研削量tが砥石41によって除去され、そのあとに円筒面55が形成されて研削工程が行われる。
【0029】
操作装置6は、前記被削材の被研削部分の周速度が所定の範囲に保たれるように、前記主軸の回転速度を自動的に調整する主軸調速手段を備えている。上記主軸調速手段は、操作装置6の記憶演算装置内にプログラムとして格納されていて、研削工程の間、実行されている。すなわち、上記主軸調速手段は、予め設定された最適の周速度を生じるように、被削材5の被研削面54(または研削後の円筒面55)の半径から逆算して主軸22の回転速度を設定して、主軸ビルトイン・モータ23を制御している。
【0030】
なお、被削材5の回転方向すなわち主軸22の回転方向は、操作装置6の操作により、必要に応じてどちら向きにも設定することができる。
(砥石の形状崩れとツルーイング)
研削盤1において砥石41による研削を続けていると、砥石41の形状が前進側から崩れてくる。この現象は、形状崩れと呼ばれている。
【0031】
従来の通常の研削装置の場合、ツルーイング直後の砥石41の外形は、図3(a)に示すように、中空円筒状をしている。すなわち、砥石41の前進側の端面の外周縁部である切り込み深さ部43と、外周面である研削面44とは直交していて、形状崩れがない状態で研削が始められる。
研削が進み、沢山の被削材5を加工しているうちに、砥石41の切り込み深さ部43と研削面44とが接する外周縁部分の損耗が進み、図3(b)に示すように、形状崩れが徐々に進行する。ここで、切り込み深さ部43を形成していた前進側の端面から、円筒面である研削面44が形状崩れによって崩れていない限界線までの距離をもって、形状崩れ巾eと定義する。
【0032】
砥石41の形状崩れが進行し、形状崩れ巾eが研削ぬすみ巾F(図2参照)よりも大きくなると、被削材5の円筒面55の最後の部分(図2中の研削ぬすみ巾Fの左隣部分)に、研削し残りが生じる。研削し残りが生じると、そのままでは製品として不良品になるので、再研削しなければならない。
そこで、研削し残りが出ないうちに、または研削し残りが出始めたら、図4に示すように、砥石41にはツルーイングが施される。すなわち、砥石41の研削面44から形状崩れ部分を含む厚みであるツルーイング量gだけ、回転するツルア32によって砥石41の外周縁が削られて、新たに円筒面の研削面44が削りだされる。
【0033】
なお、砥石ホイール40の回転方向およびツルア32の回転方向は、操作装置6の操作により、必要に応じてどちら向きにも設定することができる。
(実施例1の操作装置および砥石成形方法)
前述のツルーイングを施すに際し、本実施例の研削装置1では、ツルーイングすべき時期を判定する判定手段と、適正なツルーイング量gを決定するツルーイング手段とが、操作装置6に内蔵されている。両手段は、それぞれプログラムとして操作装置6の記憶演算装置内に格納されており、必要に応じて起動されて記憶演算装置上で実行され、研削装置1の各部を制御している。
【0034】
本プログラムによる上記判定手段および上記ツルーイング手段の使用は、本発明の砥石成形方法の実施に当たる。
(実施例1の判定手段)
上記判定手段は、被削材5の被研削面54が砥石41により研削される際に、前述の形状崩れ巾eが所定値を越えたか否かを判定するプログラム(より正確には、プログラムとそれを記憶し演算ずる記憶演算装置)である。
【0035】
すなわち、上記判定手段は、図5に示すように、複数のステップから構成されたプログラムであり、形状崩れ巾eを検知するための特別なセンサを必要としない積算式の判定手段である。同判定手段では、前回のツルーイング以後処理された被削材の数Nが、予め設定されている限界値Nset に達したか否かをもって、形状崩れ巾eが研削ぬすみ巾Fを越えたか否かが判定される。
【0036】
先ず、判定プログラムが始動すると、ステップS1で、限界値Nset や研削処理に必要な各種設定値が操作装置6の操作盤から入力される。ここで、限界値Nset とは、砥石41の形状崩れ巾eが被削材5に形成された研削ぬすみ巾Fの8割に達するまでに研削処理される被削材の本数をもって、一回のツルーイングで研削処理可能な被削材の限界本数を指す。入力された限界値Nset 等の各種設定値は、異常値がないか記憶演算装置上でチェックされた上で、操作装置6のディスプレイに表示される。
【0037】
次に、ステップS2では、前回のツルーイング以後処理された被削材の数Nがゼロ・リセットされる。続いてステップS3では、次の被削材5を検知するセンサ(図示せず)からの出力に基づいて、これから研削処理すべき被削材5の有無が判定される。次の被削材5がない場合には、ディスプレイにその旨が表示された上で、研削装置1は休止して操作員の次の指示を待つ。
【0038】
次の被削材5がある場合には、一連のステップS4〜6で、被削材5の取り付け・研削加工・取り外しが行われ、続くステップS7で、処理された被削材の数Nが一つだけカウントアップされる。
続いてステップS8で、処理された被削材の数Nがその限界値Nset (ステップS1で設定)に達していないことが確認されると、ループL1を経由して前述のステップS3に戻り、引き続き研削処理が行われる。
【0039】
逆に、ステップS8でNがその限界値Nset に達したと判定されると、本プログラムはステップS9(ツルーイング工程)に進み、砥石41にツルーイングが施される。ツルーイングが完了すると、本プログラムは、ループL2を経由してステップS2に戻り、前回のツルーイング後に処理された被削材の数Nをゼロ・リセットして、引き続き前述の研削処理のルーチン・ワークが繰り返される。
【0040】
なお、複数種類の被削材5が処理される場合には、形状センサなどによる被削材種類判定手段を備えることにより対応が可能である。その際には、Nは、被削材の種類によって割り当てられた点数n(砥石41の消耗度に対応)の積算値、その限界値Nset は、研削ぬすみ巾Fに形状崩れ巾eが近づいてくる上記点数積算値Nの限界値である。したがって、ステップS7の右辺がN+1に代わりN+nに変更されているプログラムが、使用される。
【0041】
(実施例1のツルーイング手段)
上記ツルーイング手段は、前述のように、判定手段のステップS8(図5参照)により形状崩れ巾eが、所定値を越えたと判定された場合(すなわち所定本数の被削材5を処理した場合)に、起動するプログラムである。同プログラムは、図5のフロー・チャート中では、ステップS9「ツルーイング工程」として記載されている。
【0042】
本ツルーイング手段の特徴は、砥石ユニット4を移動させ研削面44をツルア32に当ててツルーイングする際に、形状崩れ巾eが被削材5に形成されている研削ぬすみ巾Fよりも所定巾以上小さくなるまでツルーイングすることにある。換言すれば、形状崩れ巾eを全て除去して完全に円筒面のみから形成される砥石41の研削面44を形成するのではなく、ツルーイング量gを浅めに設定することにより、形状崩れ巾eの一部を残してツルーイングが施される。
【0043】
すなわち、図6に示すように、被削材5の研削ぬすみ巾Fよりも少し短い程度に形状崩れ巾eが成長すると、前述の判定手段によりツルーイング手段が使用されて、砥石41はツルーイング処理(図4参照)される。
その際、従来の通常の場合は、形状崩れ巾eを完全に除去することに目的を置いて、ツルーイング直前の研削面44からツルーイング量gだけ砥石41の外周部が削り落とされ、新たな研削面44”が形成されていた。
【0044】
しかし、本発明の砥石成形方法を実施する本実施例のツルーイング手段では、形状崩れ巾eを半減させることに目的を置いて、ツルーイングされる。すると、ツルーイング量は図6中のg’だけであり、新たに形成されるのは研削面44’であって、研削ぬすみ巾e’が研削面44に連続して残る。同図から明らかなように、本実施例でのツルーイング量g’は、通常行われているツルーイング量gのわずか5分の1程度で済む。
【0045】
記載が前後するが、本実施例での適正なツルーイング量g’は、前述のプログラム(図5参照)の諸元を設定するステップS1において、入力されている。ここで、ツルーイング量g’は、予め実験的に求められている。あるいは、経験に基づくチャートから操作員が読み取って入力するか、同チャートがソフトウェアとして操作装置6の記憶演算装置内に格納されており、ステップS1で諸元が入力されると自動的に算出されるかの、いずれの手段をとることも可能である。
【0046】
(実施例1の効果)
したがって、本実施例の砥石成形方法を実行する研削装置1によれば、ツルーイングに要する時間が大幅に短縮される。その結果、ツルーイング時間を含む段取り時間が短縮されて、研削装置1の生産性(時間当たりの生産量)が向上するという効果がある。
【0047】
実際に、砥石巾5mmの砥石41により、研削ぬすみ巾1.5mmの被削材5を研削し、研削ぬすみ巾が1.4mm近くに成長すると、0.7mmの研削ぬすみ巾e’を残すようにツルーイングする本発明の砥石成形方法を試してみた。その結果、この場合には、従来の通常の場合でのツルーイングに要した時間の約60%で、ツルーイングを完了することができることが実証されている。
【0048】
また、本実施例の研削装置1によれば、ツルーイング量(g→g’)が大幅に減少するので、砥石41およびツルア32の寿命が大幅に延び、生産コストが低減されるという効果も生じる。
しかも、ツルーイング後の砥石41には、前進方向Aに形成される切り込み深さ部43の一部に、形状崩れによる斜面部分が残る。この斜面部分には、研削抵抗を軽減する作用があるので、ツルーイング直後においてもスムースに研削加工がなされ、形状崩れの成長が遅れるという効果も生じる。
【0049】
(実施例1の円筒研削以外への応用)
さて、以上の説明では、理解を容易にするために円筒研削(図2参照)を例示してきたが、円錐面(テーパ面)研削、端面研削、R形状研削およびその他の倣い研削の加工処理も可能である。
円錐面研削においては、図7に示すように、砥石41’には、被削面のテーパに相当する半頂角iの円錐面状の研削面44が形成されており、その前進方向A側に形状崩れが発生する。形状崩れが成長し、形状崩れ巾eが被削材の研削ぬすみ巾に近づいたら、形状崩れ巾eが半減してe’になるだけのツルーイング量g’で、ツルーイング処理が砥石41’に施される。
【0050】
その結果、形状崩れを完全に除去してしまう場合に比べ、ツルーイング量は激減し、ツルーイング時間が減って生産性が向上すると同時に、砥石41’とツルアの消耗が少ないので生産コストが低下するという効果が得られる。
端面研削においても、図8に示すように、形状崩れ巾eが被削材の研削ぬすみ巾に近づいたら、形状崩れ巾eが半減してe’になるだけのツルーイング量g’で、ツルーイング処理が砥石41”に施される。ただし、被削材の端面の内周縁部に、研削ぬすみ巾が形成されているものとする。その結果、端面研削でも、前述の円筒研削の場合や円錐面研削の場合と同様に、生産性の向上およびコスト低減の効果が生じる。
【0051】
なお、内面研削にも、上記の各研削に準じて本発明の砥石成形方法は適用可能である。
(実施例1の変形態様1)
本変形態様の研削装置1は、実施例1のそれと同様の構成であり、ただ、操作装置6の記憶演算装置の格納されている積算式判定手段の計算方法が、実施例1のものと異なっている。
【0052】
すなわち、実施例1では、被削材5の処理本数Nか、各種被削材の点数nの積算値Nかの、いずれかが予め設定された限界値Nset に達したか否かで、形状崩れ巾eが見積もられていた。しかし、本変形態様では、前回のツルーイング以後研削により除去された被削材の体積(切削体積)Vが、予め設定されている限界値Vset に達したか否かをもって、形状崩れ巾eが見積もられる。切削体積Vが限界値Vset に達すると、形状崩れ巾eが研削ぬすみ巾Fに近づいて所定値を越えたものと判定され、ツルーイング工程に移行する。
【0053】
ここで、切削体積の限界値Vset は、実施例1のステップS1(図5参照)に相当する入力操作で設定される。その数値は、ツルーイング後に砥石の形状崩れ巾が、研削ぬすみ巾に近づくまでに研削により削除される被削材の体積であり、実験的または経験的に求められる。
一方、切削体積Vは、被削材ごとに累積して計算される。その積算方法は、円筒研削の場合には、被削面半径r、研削量(切り込み深さ)t、および研削行程(前進距離)zに基づいて、次の計算式 ΔV=2πrtz から求められた当該被削材の切削体積ΔV(概算値)を、積算していく方法である。円筒研削ではなく、被削面半径rが変化していく場合には、2πrt(r,tは変数)がzについて積分され、同積分値をもって各被削材の切削体積ΔVが求められるので、これを積算していくことにより切削体積Vは求められる。以上の積算または積分計算手順は、判定手段にプログラムとして操作装置6に格納されており、自動的に実行される。
【0054】
以上のようにして求められた切削体積の積算値Vは、一本の被削材の研削加工が終了する毎に、限界値Vset と比較される。そして、V<Vset と判定された場合には次の被削材へと研削加工処理を進めていくが、そうでなかった場合には、形状崩れ巾eが研削ぬすみ巾Fに近づいて所定値を越えたものと判定され、ツルーイング工程に移行する。この判定ステップは、実施例1の判定手段のステップS8(図5参照)に相当する。
【0055】
本変形態様の切削体積Vの積算による判定手段は、大局において、形状崩れ巾eの成長は、切削体積の積算値Vに対応している(必ずしも比例ではないが、単調増加関数の関係にある)との考えに立っている。各種形状の被削材が研削されるのみならず、各種材料の被削材がある場合や、前進方向Aへの送り速度(またはピッチ)や、切り込み深さ(切削量)tが異なる場合には、単純に積算したのでは形状崩れ巾eの推定精度が落ちることもある。その場合には、調整係数を被削材毎に付与して、複数種類の被削材の研削処理に対応する判定手段を構成することも可能である。
【0056】
本変形態様の研削装置1によれば、複数種類の被削材を任意の順に研削処理する際の効率がより向上して、研削装置としてのフレキシビリティが増す。よって発明者らは、本変形態様の研削装置をフレキシブル研削装置と呼んでいる。
(実施例1のその他の変形態様)
本実施例の研削装置の特徴的な部分は、主として操作装置6に内蔵された判定手段およびツルーイング手段にあるので、その他の部分は、公知の技術で代替することができる。
【0057】
例えば、固定センタ21および移動センタ31は回転せず、固定センタ21回りに回転する主軸22からケレによって被削材5が回転駆動される構成の研削装置1でも、本発明の実施は可能である。同様に、テール・ストック・ユニット3が無く、主軸に装備された各種チャックで被削材が主軸に対して固定支持され、被削材が主軸とともに回転駆動される構成の研削装置でも、本発明の実施は可能である。さらに、砥石ユニット2は、垂直軸回りに回転可能に軸支され、アクチュエータにより任意の回転角度に固定されて、砥石面の主軸に対する角度が設定される構成の研削装置でも、本発明の実施は可能である。
【0058】
また、ツルア32が主軸22の根元部分に装備されている構成や、円盤状の回転するツルア32の代わりに、通常の単石ダイヤモンドツルアや、複石ダイヤモンドツルア、またはその他の公知の各種ツルアを装備した構成の研削装置が可能である。
あるいは、操作装置6も、必ずしも研削装置本体に固定されている必要はない。したがって、研削装置1に隣接して、または遠隔地に備えられたパソコン、ミニコン、ワークステーションなどで、実施例1の操作装置6に代えることができる。さらに、一台のコンピュータで、複数台の研削装置およびその他の装置を連携して制御する複合工作システムが形成されていてもよい。
【0059】
〔実施例2〕
(実施例2の構成と被研削面センサ)
本実施例の研削装置は、実施例1の研削装置1と比較して、接触式の被研削面センサと、同センサからの計測信号に基づいてツルーイングの必要の有無を判定する計測式判定手段とを備えている点を、構成上の特徴としている。
【0060】
被研削面センサは、図9に示すように、被削材5の軸線C(主軸軸線と一致)に平行な平面である当接面81を持つ当接子8を有する。当接子8は、主軸ユニット2(図1参照)から伸びる剛性の高いフレーム(図示せず)に固定されたエア・アクチュエータ(図示せず)によって、垂直方向(Y軸方向)に駆動され、研削加工後の被削材5の研削範囲の終端部付近に軽く当接する。当接子8は磨耗に強い合金で形成されており、その当接面81には、テフロン皮膜が形成されているので、当接子8および被削材5の双方に、磨耗はほとんど生じない。
【0061】
上記エア・アクチュエータには、リニア・ポテンショメータ(変位センサ)が組み込まれており、当接子8の変位が検出される。したがって、その検出値に基づいて、被削材5の当接子8との当接部位の最大半径Rが計測される。最大半径Rの計測値が、被削材5の円筒面55の半径rの許容範囲を外れて大きければ、操作装置6の記憶演算装置にプログラムとして内蔵されている計測式判定手段により、研削残し51が生じているものと認識される。
【0062】
(実施例2の計測式判定手段)
計測式判定手段で使用されるプログラムは、図10に示すように、シンプルなステップ構成をしている。
先ず、プログラムが始動すると、実施例1の場合と同様に、ステップS1’で操作員が諸元を操作装置6に入力して設定する。操作装置6内の記憶演算装置には、不揮発性メモリが装備されており、同メモリ内には前回の諸元が記憶されている。したがって、設定すべき諸元が前回の運転時と変わらなければ、ディスプレイに表示されたその値を確認した上で、そのまま運転を開始できる。
【0063】
その際、実施例1と異なるのは、一回のツルーイング以後正常に処理できる被削材5の本数Nset に代わって、被削材5の研削後の半径rの許容上限値rcrが入力される点である。
諸元の設定が終わると、研削ルーチンL1’に入る。ここでは、実施例1同様に、ステップS3で次の被削材の有無が判定され、無しの場合には一端プログラムは停止し、研削装置1は待機状態になる。次の被削材がある場合には、ステップS4で自動装置(公知)により新たに被削材が取りつけられ、続いてステップS5で通常のNC研削方法にしたがって研削加工が行われる。
【0064】
一本の被削材の研削加工工程が終了するたびに、ステップS7’で前述の被研削面センサの当接子8(図9参照)が下りてきて、被削材の研削行程終端部での仕上がり半径Rが計測される。計測が済むと、当接子8は上記エア・アクチュエータにより即座に引き上げられる。したがって、当接子8が下りてきて被削材5に当接するのは、ステップS7’の計測時のみであり、研削加工や被削材の取り付け・取り外しの邪魔になることはない。また、計測に要する時間はわずかであって、生産性を目に見えるほど損なうものではない。
【0065】
続いて、ステップS7’で計測された仕上がり半径Rは、ステップS8’で、許容上限値rcr以内に納まっているか否か判定される。仕上がり半径Rが、許容上限値rcr以内に納まっている場合には、研削加工は正常に終了したものと判定され、ステップS6で被削材が取り外されたのち、再びステップS3からのルーチン・ワークを繰り返す。
【0066】
逆に、ステップS8’で、仕上がり半径Rが許容上限値rcrを越えている場合には、それをもって形状崩れ巾eが所定値としての研削ぬすみ巾Fを越えたものと判定される(図6参照)。その結果、プログラムのロジックは、ステップS9およびステップS5’からなるバイパス経路L2’に入る。
ステップS9のツルーイング工程では、実施例1でのそれと同様に、形状崩れ巾eが半分になる程度のツルーイング量g’(図6参照)で、砥石41にツルーイングが施される。その後、主軸ユニット2に取り付けられたままで置いておかれた研削残し51のある被削材5(図9参照)に対して、ステップS5’で、再び研削処理が研削残し51部分にのみ施される。こうして、被削材5は不良品を出すこと無く自動的に次々と研削加工されていく。
【0067】
(実施例2の効果)
本実施例によれば、実施例1と同様の効果(生産性の向上・コスト低減)を生じるほか、さらに次の利点がある。
第1に、形状崩れ巾eが所定値に達するまでの被削材5の本数Nが入力される必要がないので、これに要する労力やデータ取得の手間が省ける。同時に、本数Nの推定の誤りや、被削材や砥石の材質および研削条件の変化などによって、研削残し51をもつ被削材5を大量に生じる危険性がないという利点もある。
【0068】
第2に、被削材5に削り残し51が生じるまで連続して研削加工が続けられるので、ツルーイング間のインターバルが長く、一回のツルーイングでより多くの被削材5を加工することが可能になっている。その結果、生産性がよりいっそう向上するという効果がある。
〔実施例3〕
(実施例3の構成および砥石形状センサ)
本実施例の研削装置は、実施例1の研削装置1と比較して、非接触式の砥石形状センサと、同センサからの計測信号に基づいてツルーイングの必要の有無を判定する計測式判定手段とを備えている点を、構成上の特徴としている。
【0069】
上記砥石形状センサは、図11(a)に示すように、センサ系と情報処理系とからなる砥石形状センサ・システムを形成している。すなわち、同システムは、非接触式の光学センサとしてのCCDカメラ91と、その画像信号Vから砥石41の形状崩れ巾eを計測する画像処理手段90とを主要構成要素としている。
CCDカメラ91は、光学中心軸が砥石41の研削面44の接線と一致する姿勢で砥石ユニット4に固定されており、その視野FOVには砥石41の外周部が収められている。砥石ユニット4には、CCDカメラ91の他にも、照明ランプ92、黒色の背景板93、および跳ね避けカバー45が固定保持されている。照明ランプ92は、CCDカメラ91の視野FOVに収められた砥石41外周部の要部を照らしだしている。背景板93は、CCDカメラ91の視野FOVの全てを覆うだけの面積を有している。
【0070】
したがって、CCDカメラ91の視野FOVに収まった画像には、図11(b)に示すように、砥石41の外周部のシルエットが黒い背景上にくっきりと映し出される。その輪郭線Cを認識して形状崩れ巾eを計測するのは、画像処理手段90の作用である。
その際、研削液などによって、上記シルエットが不鮮明である場合には、CCDの長時間露光またはそれに相当するソフトウェア上の処理で、安定したシルエットの画像を得ることが可能である。この手の技術は、天文観測などの分野では常套手段であるので、公知技術で対応可能である。
【0071】
画像処理手段90は、図11(a)の下半部に示すように、画像信号Vから砥石41の輪郭線Cを認識する画像認識手段94と、同輪郭線Cに基づいて形状崩れ巾eを計測する形状崩れ巾計測手段95とから構成されている。両手段は、マイクロ・プロセッサ(またはMPU)上で実行されるプログラムまたはソフトウェアとして製作されており、操作装置6内の記憶演算装置にその一部として組み込まれている。(図11(a)では、画像処理手段90は操作装置6の外に描かれている。理解を容易にするためである。)
画像認識手段94は、画像信号Vから、砥石41の前進側の端面の輪郭に沿う直線(垂直線)と、研削面44の輪郭に沿う直線(水平線)とを割り出す。さらに、画像認識手段94は、これらの互いに直交する二本の直線から内側へ外れた曲線部分を形状崩れの輪郭線として認識して、輪郭線Cを数値化した情報を形状崩れ巾計測手段95に伝達する。
【0072】
形状崩れ巾計測手段95は、同情報に基づいて、形状崩れ巾eの計測値を算出し、研削装置1全体を制御している操作装置6(または研削装置制御ソフト)に伝達する。
(実施例3の計測式判定手段)
本実施例の計測式判定手段で使用されるプログラムは、図12に示すように、シンプルなステップ構成をしている。
【0073】
先ず、プログラムが始動すると、実施例2の場合と同様に、ステップS1”で操作員が諸元を操作装置6に入力して設定する。被削材5の研削後の半径rの許容上限値rcrに代わって、研削ぬすみ巾Fが入力される点である。
諸元の設定が終わると、研削ルーチンL1”に入る。すでに、砥石ユニット4は起動されており、前述のCCDカメラ91による砥石形状センサ・システム(図11参照)も起動して所定のインターバルで形状崩れ巾eの計測値が常時取られている。ステップS2”では、画像処理手段90からの信号を記憶しておくメモリ(図示せず)から、最新の形状崩れ巾eの計測値が読みだされる。
【0074】
即座にステップS3”で、同計測値eが研削ぬすみ巾F未満であるか否かが比較され、未満と判定されれば次のステップS3に進む。逆に、形状崩れ巾の計測値eが研削ぬすみ巾F以上である場合には、ツルーイングが必要と判定され、プログラムのロジックは、ツルーイング・ルーチンL2”のステップS9”へと進み、砥石41にツルーイングが施される。
【0075】
ステップS9”でのツルーイング工程は、前述の砥石形状センサ・システムによってツルーイング量g’が決定される点が、実施例1および実施例2と異なっている。すなわち、同システムにおいて砥石41の輪郭Cが計測されているので、その輪郭Cに基づいて適正なツルーイング量g’が算出されて、ステップS9”に提供されている。したがって、砥石41の形状崩れが当初の予想とは異なる形状になっている場合にも、常に適正なツルーイング量g’が設定される。
【0076】
砥石41の形状崩れ巾eが研削ぬすみ巾F未満であることが確認されたのち、(またはツルーイングされて形状崩れ巾が半減したのち)ステップS3で次の被削材5の有無が判定され、被削材無しの場合には一端プログラムは停止し、研削装置1は待機状態になる。次の被削材がある場合には、ステップS4で自動装置(公知)により新たに被削材が取りつけられ、続いてステップS5で通常のNC研削方法にしたがって研削加工が行われる。そして、ステップS6で被削材が取り外されたのち、再びステップS2”からのルーチン・ワークを繰り返す。
【0077】
(実施例3の効果)
本実施例によれば、実施例1および実施例2と同様の効果(生産性の向上・コスト低減)を生じるほか、次の利点がある。
第1に、光学式の非接触センサを使用しているので、センサが被削材5や砥石41に接触しない。それゆえ、計測によってセンサ、被削材5、または砥石41に傷が生じたり、計測自体が不具合や寿命の原因になることがないという利点がある。さらに、センサ・システムに機械的に動く部分がないので、故障の可能性が少なく、整備も極めて楽であるという利点もある。
【0078】
第2に、前述のように砥石41の輪郭Cが計測されているので、形状崩れの形状が予想外のものであっても、常に適正なツルーイング量g’を算出できるという利点がある。
第3に、同じ理由で、砥石41の形状に異常が発生した場合には、即座に認識して加工を止め、警報を発することができる。その結果、砥石41の異常による不良品が生産されることが回避され、操作員によってすぐに修復措置が取られるので、生産性向上およびコスト低減の効果がさらに高まる。
【0079】
(実施例3の変形態様1)
本変形態様の研削装置は、実施例3の研削装置構成に加えて、リアルタイムもしくは準リアルタイムで被削材5の形状を観測する光学センサ・システム(図略)を装備している。
同システムは、基本的なハードウェア構成は実施例3と同様である。ただし、CCDカメラは、主軸ユニットから被削材5の上方に突出するアーム上に固定、またはリモコンでパン可能に支持されている点と、観測対象が被削材5である点のみが、異なっている。
【0080】
上記システムに備わった情報処理装置には、被削材5の輪郭を認識する画像認識手段の他に、同輪郭に基づいて予め登録された複数の被削材5の種類のうち、いずれに該当するかを判定する被削材種類判定手段が備わっている。したがって、複数の種類の被削材を任意の順番で研削加工することが、滞りなく行われる。また、被削材の加工後の輪郭を画像情報を解析することにより、各ユニット2,3,4や砥石41などに生じた不具合や、被削材5自体の不具合によって生じる被削材5の仕上がり形状の異常をリアルタイムで発見し、通報する機能を付加することも可能である。
【0081】
なお、CCDカメラ画像による被削材の種類の判別を目的に、画像認識手段94としてニューラル・ネットワーク(いわゆるニューロ・コンピュータ)を備えたシステム構成をとることも可能である。本構成によれば、判別に要する時間を大幅に短縮することが可能になる。
(実施例3の変形態様2)
本変形態様の研削装置は、実施例3の砥石形状センサ・システムを廃し、前述の変形態様2のCCDカメラによる被削材形状センサ・システムを装備したものである。計測式判定手段のステップ構成は、実施例2のそれに近いものになる。本変形態様の研削装置は、加工対象である被削材5を観測できるという点で実施例3に優れ、センサ・システムを二つ持たないでよいだけ変形態様1よりも安価である。
【0082】
(実施例3のその他の変形態様)
以上の実施例3およびその変形態様では、光学センサとしてCCDカメラを使用していたが、その他の光学センサを装備した構成でも本発明の研削装置を構成できる。
たとえば、光学センサとして、互いに対向して複数の平行光線を送受する投光器および受光器を有するアナログ式巾計、光源と回転ミラーと受光素子とを有する光走査式寸法測定装置、リニアアレイ・イメージセンサなどを採用することもできる。これらのセンサ類は、いずれも公知技術であり、例えば技術評論社「センサの働きと最適利用」(昭和56年)等に公開されている。これらのセンサのうち、いずれかを備えた砥石形状センサ・システム、または被削材5の形状を観測する被研削面センサ・システムを構成することも可能であり、同システムを装備した本発明の研削装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の研削装置の構成を示す斜視図
【図2】 円筒面研削工程を示す模式図
【図3】 砥石の形状崩れを説明する組図
(a)ツルーイング直後の砥石形状を示す模式図
(b)形状崩れが発生した砥石形状を示す模式図
【図4】 ツルーイング工程を示す砥石とツルアの模式図
【図5】 実施例1の判定手段のステップ構成を示すフローチャート
【図6】 本発明の砥石成形方法を説明する砥石と被削材の模式図
【図7】 本発明の砥石成形方法の円錐面研削への適用を示す模式図
【図8】 本発明の砥石成形方法の端面研削への適用を示す模式図
【図9】 実施例2の接触式被研削面センサの作用を示す模式図
【図10】実施例2の計測式判定手段のステップ構成のフローチャート
【図11】実施例3の砥石形状センサ・システムの構成と作用を示す組図
(a)砥石形状センサ・システムの構成を示す模式図
(b)CCDカメラ画像の模式図
【図12】実施例3の計測式判定手段のステップ構成のフローチャート
【符号の説明】
1:研削装置
2:主軸ユニット 21:固定センタ 22:主軸
3:テール・ストック・ユニット 31:移動センタ 32:ツルア
4:砥石ユニット 40:砥石ホイール 41:砥石 42:フランジ
43:切り込み深さ部 44:研削面 45:跳ね避けカバー
5:被削材 54:被削面 55:円筒面
6:操作装置 7:ベース(基台)
8:当接子 81:当接面(接触式の被研削面センサの一部)
9:砥石形状センサ・システム(光学センサ式)
90:砥石形状計測手段 91:CCDカメラ(光学センサとして)
94:画像認識手段 95:形状崩れ巾計測手段
t:研削量 e:形状崩れ巾 F:研削ぬすみ巾 g:ツルーイング量
N:被削材の累積本数 Nset :被削材の所定本数(限界値)
V:被削材の除去体積 Vset :除去体積の所定量(限界値)

Claims (8)

  1. 被削材が固定支持され該被削材と共に回転駆動される主軸を有する主軸ユニットと、
    該主軸ユニットに対して所定の位置関係にあるツルアと、
    該主軸に対し該主軸の軸線と平行な方向および該軸線に垂直な方向に移動される砥石ユニットと、
    該砥石ユニットに回動自在に軸支されて回転駆動されて回転駆動される外周部に砥石が固定されている略円盤状の砥石ホイールと、
    該砥石ユニットに所定の位置または所定の経路を指示する操作装置とを備えている研削装置において、
    前記操作装置は、
    前記被削材の外周面の少なくとも一部が前記砥石により研削される際に、該被削材の被研削面に沿って移動する該砥石の研削面の前進側に形成される形状崩れ巾が所定値を越えたか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段により該形状崩れ巾が所定値を越えたと判定された場合に、該砥石ユニットを移動させ、該研削面を前記ツルアに当てて、該形状崩れ巾が該被削材に形成されている研削ぬすみ巾より所定巾以上小さくなるまで、かつ、該研削崩れ巾の一部を残してツルーイングするツルーイング手段と、
    を備えていることを特徴とする研削装置。
  2. 前記判定手段は、前回のツルーイング以後処理された前記被削材の数または研削により除去された被削材の体積が、予め設定されている限界値に達したか否かをもって、前記形状崩れ巾が前記所定値を越えたか否かを判定する積算式判定手段であることを特徴とする請求項1記載の研削装置。
  3. 前記主軸ユニットに直接的または間接的に保持されて、研削後の前記被削材の前記ぬすみ巾の一端部を形成する被研削面の半径を計測する被研削面センサ、および、前記砥石ユニットに固定されて、前記砥石の前記形状崩れ巾を計測する砥石形状センサのうち、いずれかのセンサが装備されており、
    前記判定手段は、該センサからの計測信号に基づいて、前記形状崩れ巾が前記所定値を越えたか否かを判定する計測式判定手段であることを特徴とする請求項1記載の研削装置。
  4. 前記センサは、互いに対向して複数の平行光線を送受する投光器および受光器を有するアナログ式巾計、光源と回転ミラーと受光素子とを有する光走査式寸法測定装置、リニアアレイ・イメージセンサおよびCCDカメラのうち、いずれかの光学センサであることを特徴とする請求項3記載の研削装置。
  5. 前記操作装置は、前記被削材の被研削部分の周速度が所定の範囲に保たれるように、前記主軸の回転速度を自動的に調整する主軸調速手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の研削装置。
  6. 外周部に砥石が固定されている略円盤状の砥石ホイールにより、被削材の外周面の少なくとも一部が研削される研削工程において、
    少なくとも前記被削材が交換される度に、該被削材の被研削面に沿って移動する前記砥石の研削面の前進側に形成される形状崩れ巾が所定値を越えたか否かが判定され、
    もし、該形状崩れ巾が前記所定値を越えていないと判定された場合には、研削工程が続行され、
    逆に、該形状崩れ巾が前記所定値を越えたと判定された場合には、該砥石の研削面をツルアに当てて、該形状崩れ巾が該被削材に形成されている研削ぬすみ巾より所定巾以上小さくなるまで、かつ、該研削崩れ巾の一部を残してツルーイングするツルーイング工程が施された後、研削工程に復帰することを特徴とする砥石成形方法。
  7. 前記判定は、前記被削材が交換される際に行われ、
    もし、該形状崩れ巾が前記所定値を越えていないと判定された場合には、該被削材が交換されたのちに研削工程が続行されることを特徴とする請求項6記載の砥石成形方法。
  8. 前記形状崩れ巾が前記所定値を越えたか否かが、リアルタイムもしくは準リアルタイムで判定され、
    もし、該形状崩れ巾が前記所定値を越えていないと判定された場合には、そのまま研削工程が続行されることを特徴とする請求項6記載の砥石成形方法。
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