JP3751190B2 - 電子機器のパネル保護構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器のパネル保護構造に係り、より詳細には電子機器本体の所定面に表示部と複数の操作ボタンとを配置したパネルを設けて操作ボタンが複数配列する間にパネルから延在する保護リブを突出させて衝撃を吸収する電子機器のパネル保護構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、カーオーディオ、カーナビゲーションなどの電子機器には、本体の前面にパネルを配置し、このパネルに液晶表示器(LCD)及び複数の操作ボタンを配置している。また、このパネルは、カーオーディオのパネルの場合、全体面積が広く複数の操作ボタンが配置されており、この操作ボタンに負荷を与えないように操作ボタンの間に突出する保護リブを介在させて衝撃を吸収する電子機器のパネル保護構造を備えている。図6は、このようなカーオーディオに採用した従来の電子機器のパネル保護構造を示す一部切り欠いた斜視図である。また、図7は、図6に示した矢印Dの方向から見た保護リブ30aに衝突物Bが当接した状態を示す平面図である。また、図8は、図7に示したE−E線の断面で保護リブ30aが破損した状態を示す断面図である。また、図9は、図6に示した液晶表示器30aが破損した状態を示す図である。
【0003】
図6に示すように、カーオーディオに採用した従来の電子機器のパネル保護構造は、カーオーディオの外装を形成する本体1を設け、この本体1の所定面に表示部32及び複数の操作ボタン34を配置したパネル30を備え、このパネル30に操作ボタン34の間に介在して突出する保護リブ30aを一体に形成して衝撃を吸収する構造を備えている。
【0004】
ここで、本体1内には、図示されていないが、パネル30の裏側に複数の電子部品を実装した回路基板を配置している。この回路基板には、パネル30の表示部32に配置されるガラス材からなる液晶表示器(LCD)40、及びパネル30に配置した複数の操作ボタン34により動作するスイッチ(図示せず)などの電子部品が実装されている。
【0005】
また、パネル30は、本体1の所定面を封止するように装着されており、この表面に表示部32を設けて本体1内から前述した液晶表示器40を配置しているとともに、この表示部32の近傍に複数の操作ボタン34を突出するように配列させて操作面を形成している。これによりパネル30の操作面では、表示部32で所定の情報を表示して伝達できるとともに、複数配列させた操作ボタン34を操作することで所定の機能を実行することができる。ここで、パネル30には、操作面に複数配列する操作ボタン34の間に介在して表面に突出する複数の保護リブ30aを一体に形成している。この保護リブ30aは、パネル30に突出させて配置した操作ボタン34より高く突出させて設けており、操作ボタン34に直接衝撃が加わることを防止している。
【0006】
このような構成によるカーオーディオに採用した従来の電子機器のパネル保護構造は、図7に示すように、例えば、パネル30の正面に所定の衝突物Bが当接して衝撃が加えられた場合、この衝突物Bに保護リブ30aが当接して操作ボタン34及び表示部32などの操作面に直接衝撃が加わることを防止している。ここで操作ボタン34は、本体1内の回路基板に実装したスイッチ(図示せず)に接触しており、図7に示した衝突物Bの衝撃により急激に押下されるとスイッチ及び回路基板が破損する場合があるため、保護リブ30aを設けることが特に重要になる。このようにカーオーディオに採用した従来の電子機器のパネル保護構造は、操作ボタン34の間に保護リブ30aを介在させて突出させることで、パネル30の破損及び本体1内の電子部品の破損などを効果的に防止していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電子機器のパネル保護構造では、パネル30に保護リブ30aを一体に形成し、この保護リブ30aの肉厚は薄いので、保護リブ30aの肉厚が薄さ故に、大きい衝撃が加わると、図8に示すように、保護リブ30aが割れて操作ボタン34に直接衝撃が加わり衝突物Bにより操作ボタン34を急激に本体1内に押し込んでしまう。これにより本体1内では、操作ボタン34がスイッチ及び回路基板に負荷を加えて悪影響を与えてしまう。
また、従来の電子機器のパネル保護構造では、図6に示したように、本体1内にガラス材からなる液晶表示器40を配置しており、この液晶表示器40は、通常、電圧を印加すると分子の配列が変わる液晶を2枚の板状のガラス材にはさむことで形成されている。従って、このようなガラス材からなる液晶表示器40は、板状のガラス材が割れ易く、例えば図8に示した衝突物Bの衝撃によりパネル30に衝撃が加わって、ガラス材が割れた場合、図9に示すように内部に破片が散乱し内部に悪影響を与えてしまう。
本発明はこのような課題を解決し、電子機器本体内に悪影響を与えることなく、衝撃に耐えうる耐久性の高い電子機器のパネル保護構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、電子機器本体の所定面に配置したパネルに表示部と複数の操作ボタンとを配列させ、かつ、複数配列した操作ボタン間に操作ボタンの高さより高く突出する複数の保護リブを介在させた電子機器のパネル保護構造であって、保護リブはパネルの正面側から所定の衝撃が加わった場合に、リブに一定の強度を持たせて衝撃を吸収し操作ボタン及び表示部を保護する硬質材を内部に設ける。
【0009】
ここで、硬質材は、金属材からなる板金であり、パネルから延在する複数の保護リブ内に少なくとも1箇所以上配置することが好ましい。また、表示部は、パネル内にガラス材により形成した液晶表示器を配置し、この液晶表示器のガラス材が割れた際に破片の散乱を防止する保護シートを貼ることが好ましい。また、本体内には、パネルと所定の間隔を設けて配置されたシールド板を設けており、このシールド板と保護リブとの間の空間に硬質材を固定して設けることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明による電子機器のパネル保護構造の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明による電子機器のパネル保護構造の実施の形態を示す一部切り欠いた斜視図である。また、図2は、図1に示した液晶表示器20の詳細を示す斜視図である。また、図3は、図1に示した矢印A方向から見た保護リブ10aに衝突物Bが当接した状態を示す平面図である。また、図4は、図3に示したC−C線の断面を示す断面図である。また、図5は、図2に示した保護シート22を貼った液晶表示器20が破損した状態を示す図である。
【0011】
図1に示す本発明による電子機器のパネル保護構造の実施の形態は、図6に示した従来技術と同様にカーオーディオに採用したものであり、カーオーディオの外装を形成する本体1を設け、この本体1の所定面に表示部12及び複数の操作ボタン14を配置したパネル10を備え、このパネル10に操作ボタン14の間に介在して突出する保護リブ10aを一体に形成して衝撃を吸収する構造を備えている。
【0012】
ここで、本体1内には、図示されていないが、パネル10の裏側に複数の電子部品を実装した回路基板を配置している。この回路基板には、パネル10に配置した複数の操作ボタン14を押すことで動作するスイッチ(図示せず)、及びパネル10の表示部12に配置される液晶表示器(LCD)20などの電子部品が実装されている。液晶表示器20は、電圧を印加すると分子の配列が変わる液晶を2枚の板状のガラス材ではさんで形成している。そして、この液晶表示器20には、図6に示した従来技術とは異なり、液晶をはさんだガラス材に図2に示す保護シート22を貼っており、ガラス材が割れた際に発生する破片の散乱を防止する。
【0013】
再び、図1を参照してパネル10は、図6に示した従来技術と同様に、本体1の所定面を封止するように装着され、この表面に表示部12を設けて本体1内から前述した液晶表示器20を配置している。また、パネル10には、表示部12の近傍に複数の操作ボタン14を配列させて突出するように配置することで操作面を形成している。これによりパネル10の操作面では、表示部12から所定の情報を表示して伝達できるとともに、複数配列させた操作ボタン14を操作することで所定の機能を実行することができる。ここで、パネル10には、複数配列する操作ボタン14の間に介在して操作面の表面に突出する複数の保護リブ10aを一体に形成している。この保護リブ10aは、パネル10に突出させて設けた操作ボタン14より高く突出させて設けており、操作ボタン14に衝撃が加わることを防止している。
【0014】
また、パネル10には、図6に示した従来技術とは異なり、本体1内から保護リブ10aの内部に金属などの板金からなる硬質材16を配置(図1では1箇所)して保護リブ10aの強度が向上するように形成している。また、本体1内には、図3に示すように、回路基板(図示せず)と操作ボタン14との間を遮蔽するように、金属による板金からなるシールド板18がパネル10と所定の間隔を備えて配置されている。従って、本体1内には、保護リブ10aとシールド板18との間の空間に硬質材16を介在させて固定している。これにより保護リブ10aは、外部からの衝撃に対して一定の強度を保つことができ、簡単に破損することがなくなる。
【0015】
このように形成された本発明による電子機器のパネル保護構造の実施の形態は、図3に示すように、例えば、パネル10の正面に所定の衝突物Bが当接して衝撃が加えられた場合、この衝突物Bに保護リブ10aが当接して操作ボタン14及び表示部12(図1参照)などの操作面に衝撃が加わることを防止することができる。また、保護リブ10aでは、図4に示すように、衝突物Bからの衝撃を硬質材16が吸収し、この硬質材16からシールド板18に衝撃を拡散させることで効果的に衝撃を緩和している。従って、この保護リブ10aは、図6に示した従来技術に比べて強度が向上し、衝撃による破損を低減でき、操作ボタン14が本体1内に急激に押し込まれてスイッチ及び回路基板(図示せず)に悪影響を与えることを防止できる。また、本体1内に配置した液晶表示器20は、図2に示したように、ガラス材に保護シート22を貼っているため、例えば、図3に示した衝突物Bの衝撃によりガラス材が割れた場合でも、図5に示すように、保護シート22により破片が散乱することを防止できる。
【0016】
以上、本発明による電子機器のパネル保護構造の実施の形態を詳細に説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、本発明による電子機器のパネル保護構造をカーオーディオに採用した実施の形態を説明したが、これに限定されるものではなく、カーナビゲーションなどの電子機器にも適用可能である。
また、パネルに保護リブを複数形成してこの中の1箇所のみに硬質材を設けた実施の形態を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の保護リブ内に硬質材を複数配置して強度を向上させてもよい。
【0017】
【発明の効果】
このように本発明による電子機器のパネル保護構造によれば、保護リブ内に硬質材を配置して強度を向上させているため、衝撃による破損を低減でき、本体内に悪影響を与えることなく、衝撃に耐えうる耐久性の高い電子機器のパネル保護構造を得ることができる。
また、本発明による電子機器のパネル保護構造によれば、本体内に配置した液晶表示器のガラス材に保護シートを貼っていることで、衝撃によりガラス材が割れた場合でも保護シートにより破片が散乱して本体内に悪影響を与えることを防止でき、電子機器の本体内に悪影響を与えることのない電子機器のパネル保護構造を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子機器のパネル保護構造の実施の形態を示す一部切り欠いた斜視図。
【図2】図1に示した液晶表示器の詳細を示す斜視図。
【図3】図1に示した矢印A方向から見た保護リブに衝突物が当接した状態を示す平面図。
【図4】図3に示したC−C線の断面を示す断面図。
【図5】図2に示した保護シートを貼った液晶表示器が破損した状態を示す図。
【図6】従来の電子機器のパネル保護構造を示す一部切り欠いた斜視図。
【図7】図6に示した矢印Dの方向から見た保護リブに衝突物が当接した状態を示す平面図。
【図8】図7に示したE−E線の断面で保護リブが破損した状態を示す断面図。
【図9】図6に示した液晶表示器が破損した状態を示す図。
【符号の説明】
1 本体
10 パネル
10a 保護リブ
12 表示部
14 操作ボタン
16 硬質材
18 シールド板
20 液晶表示部
22 保護シート
Claims (4)
- 電子機器本体の所定面に配置したパネルに表示部と複数の操作ボタンとを配列させ、かつ、複数配列した前記操作ボタン間には、前記操作ボタンの高さより高く突出する複数の保護リブを介在させた電子機器のパネル保護構造において、
前記保護リブは、前記パネルの正面側から所定の衝撃が加わった場合に、リブに一定の強度を持たせて衝撃を吸収し前記操作ボタン及び表示部を保護する硬質材を内部に設けたことを特徴とする電子機器のパネル保護構造。 - 請求項1に記載の電子機器のパネル保護構造において、
前記硬質材は、金属材からなる板金であり、前記パネルから延在する複数の前記保護リブ内に少なくとも1箇所以上配置していることを特徴とする電子機器のパネル保護構造。 - 請求項1または2のいずれかに記載の電子機器のパネル保護構造において、
前記表示部は、前記パネル内にガラス材により形成した液晶表示器を配置し、この液晶表示器のガラス材が割れた際に破片の散乱を防止する保護シートを貼ったことを特徴とする電子機器のパネル保護構造。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の電子機器のパネル保護構造において、
前記本体内には、前記パネルと所定の間隔を設けて配置されたシールド板を設けており、このシールド板と前記保護リブとの間の空間に前記硬質材を固定して設けたことを特徴とする電子機器のパネル保護構造。
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