JP3750491B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御を行う部品等を冷却ファンの駆動で冷却する電気加熱または誘導加熱の加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘導加熱調理器と発熱体を内部に有する加熱庫を有する加熱調理器において、調理終了後の加熱庫の余熱で、電子部品が温度上昇し誤動作を起こしたり破壊するのを防止するために、電源スイッチのオフ後も冷却ファンを駆動する技術は、特開平7−272846号公報あるいは特開平7−272847号公報に記載されたものが知られている。また、前記文献には、電源スイッチのオフ後加熱庫の発熱手段が停止してから、あるいは周波数変換装置と発熱手段がともに停止してから長時間の冷却ファンが動作し続けるのを防止するために、発熱手段が停止してから、あるいは周波数変換装置と発熱手段がともに停止してからタイマ手段で所定時間後にファンモータ手段の駆動を禁止する技術についても記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記発熱手段の停止後あるいは周波数変換装置と発熱手段がともに停止してからタイマ手段で計時し、所定時間後にファンモータ手段の駆動を禁止するようにした加熱調理器においては、発熱手段の停止後、あるいは周波数変換装置と発熱手段がともに停止してから所定時間が経過すると、発熱体の温度を監視する温度検知手段の出力に関係なく、冷却ファンの駆動を停止する。従って、加熱庫内の被加熱物が何らかの要因で加熱中に生じた燃焼を調理終了後も継続したり、あるいは加熱停止直後に被加熱物が燃焼を開始した場合においては、燃焼が長時間継続して、前記タイマ手段の計時終了後、すなわち、冷却ファン停止後においても燃焼を続け、加熱庫周囲が高温になって付近の樹脂を変形したり電子部品を破壊させる恐れがあり、このような場合には冷却ファンが停止しないようにすることが要求される。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するもので、電源スイッチのオフ後、あるいは加熱手段と周波数変換装置がともに停止してから長時間の冷却ファンが動作し続けるのを防止するとともに、被加熱物が燃焼した場合等、加熱手段とは別に加熱庫内で新たな熱が発生した場合には、これに応じて冷却ファンの動作を継続して、加熱庫周辺の樹脂変形や電子部品の破壊が生じるのを防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、加熱庫内で加熱手段とは別の新たな熱発生の有無を検知する熱発生検知手段を設け、前記熱発生検知手段の検知結果により、前記新たな熱発生が認められた場合には計時手段の計時結果に依存し動作時間の上限を定めて駆動可能とした冷却ファンの駆動終了タイミングを遅延するか又は前記駆動終了タイミングで一時停止していた冷却ファンを再度駆動するように構成したものである。
【0006】
上記手段により、庫内の加熱手段の加熱を停止してから長時間の冷却ファンが動作し続けるのを防止するとともに、被加熱物が燃焼した場合等、加熱庫で新たな熱が発生した場合でも、これに応じて冷却ファンの動作を継続して冷却を行い、加熱庫周辺の樹脂変形や電子部品の破壊が起こるのを防止することの可能な加熱調理器が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、加熱庫内の被調理物を加熱する庫内加熱手段あるいは前記庫内加熱手段と加熱コイルに高周波電流を供給する周波数変換装置と、前記庫内加熱手段あるいは前記加熱庫の温度又は温度変化の状況を観測可能な温度検知手段と、少なくとも前記周波数変換装置の部品を冷却する冷却ファンと、前記温度検知手段の検知結果と前記庫内加熱手段の加熱動作停止のタイミングあるいは前記庫内加熱手段と前記周波数変換装置の加熱動作がともに停止されるタイミングで計時動作を開始する計時手段の計時結果に基づき、前記周波数変換装置あるいは他の加熱手段の加熱動作の停止後も前記冷却ファンを動作時間の上限を定めて駆動可能とするファン駆動手段を備え、前記温度検知手段の検知した温度又は温度変化の状況に基づき又は前記加熱庫内で前記被加熱物の燃焼により発生する赤外線や二酸化炭素を検出して前記庫内加熱手段が発生する熱以外で、かつ前記加熱庫内での前記被加熱物や受け皿等に溜まっている油等が燃焼して発生する新たな熱発生の有無を検知する熱発生検知手段を設け、前記熱発生検知手段の検知結果により、前記新たな熱発生が認められた場合には前記計時手段の計時結果による前記冷却ファンの駆動終了タイミングを遅延するか又は前記駆動終了タイミングで一時停止していた前記冷却ファンを再度駆動するようにした加熱調理器である。
【0008】
上記実施形態において、庫内加熱手段あるいは前記加熱庫の温度変化を観測可能な温度検知手段の検知結果から、調理中に発熱した加熱庫が、冷却ファン停止後に機器内の電子部品あるいは樹脂部品に与える熱影響の有無、あるいは程度を推定し、その結果必要と判断すれば、調理停止後においても、冷却ファンを継続して動作させる。
【0009】
また、温度検知手段の検知結果により停止タイミングを決める、もしくは庫内加熱手段の加熱動作停止のタイミングあるいは庫内加熱手段と周波数変換装置の加熱動作がともに停止されるタイミングで計時動作を開始する計時手段により、冷却ファンの停止タイミングを決定して所定時間、冷却ファンを必要なだけ継続動作させることができる。これにより、冷却ファンが加熱動作停止と同時に停止して、加熱庫の余熱により機器内の電子部品あるいは樹脂部品の温度が上昇して信頼性が低下したり、劣化・変形するのを防止し、逆に冷却ファンが不必要に長時間動作して使用者の耳障りになるのを避けることができる。
【0010】
また、庫内加熱手段が発生する熱以外で、かつ加熱庫内での新たな熱発生の有無を検知する熱発生検知手段を設けているので、加熱停止後に、加熱庫内で加熱中に生じた調理物の燃焼が継続、もしくは加熱停止直後に調理物の燃焼が発生したのを検知することができる。その検知結果に基づき、計時手段の計時結果による前記冷却ファンの駆動終了タイミングを変更するようにしたことにより、加熱停止後に、加熱庫内で調理物の燃焼が継続すると、計時手段による計時時間を延長して、冷却ファンの動作を延長させることができる。従って、調理停止後、調理物の燃焼等、新たな熱の発生が生起もしくは継続しても機器内の電子部品あるいは樹脂部品の温度上昇を防止するという作用を有し、それらの信頼性が低下したり、劣化・変形するのを防止することができる。
【0011】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載において、熱発生検知手段は加熱終了後の温度検知手段の検知結果により、新たな熱発生が認められた場合には計時手段の計時結果による冷却ファンの駆動終了タイミングを遅延するようにしたものである。
【0012】
上記実施形態において、温度検知手段の検知する温度の高低、傾きあるいは変化の状態などを観測すれば、被加熱物が燃焼により新たな熱を発生しているかどうかを精度良く判定でき、調理中の加熱庫の発熱や調理後における加熱庫の余熱の検知と、調理後の調理物の燃焼等による熱発生の検知を同一の温度検知素子で行うことも可能で、マイクロコンピュータ等を利用して回路構成を簡素化して請求項1同様の効果を得ることができる。
【0013】
また請求項3記載の発明は、請求項1記載において、冷却ファンを所定のタイミングで停止し、その後の温度検知手段の検知結果に基づき、新たな熱の発生が観測された場合には冷却ファンの再駆動を決定するので、冷却ファンの動作時間を短縮し、消費電力を抑制するとともに冷却ファンの寿命を長くするという作用を有するものである。
【0014】
【実施例】
以下本発明加熱調理器の一実施例につき、図面を参照して説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は請求項1および請求項2に記載の発明に対応する実施例1における高周波磁界で加熱するための誘導加熱コイルを1個と、加熱庫の内部にヒータ自身の抵抗の発熱で加熱する発熱体ヒータ(以下ロースタヒータと云う)を有するロースタを1個有する組み込みタイプの加熱調理器の回路ブロック図で、図2は同加熱調理器の要部を切欠いた斜視図である。
【0016】
図2において、1は天板枠2にはめ込まれ、上面に鍋を載せるトッププレート、3は吸気口で、4は排気口で、それぞれ天板枠2の後部に設けている。5は上面開口をトッププレート1で閉蓋し、かつU字形に成型されたシャーシで、内部で仕切板6により上下に分割されている。そして、シャーシ5は、仕切板6の上部にはU字形に成形された基板ベース7が設けられ、その底面と仕切板6との間に冷却通路となる隙間6aを設けて冷却風が通るように形成している。基板べース7は、その底面上部にスイッチング半導体の冷却フィン、共振コンデンサ、チョークコイル等のインバータ部品や、マイクロコンピュータなどの制御部品(図示せず)が載置接続された印刷配線板8が固定されている。9はトッププレート1、シャーシ5等で構成する外筐体の前面上部に臨む排気口、10は冷却ファンで、吸気口3の下部に位置して外気を吸引し、かつ冷却風を印刷配線板8方向に吹き出して冷却通路6aを流れる間に制御部品、その周囲の部材と熱交換し、排気口4と排気口9から排気する。11は外筐体の前面に設けた前面パネルで、ロースタヒータの加熱庫の扉部13等を有する。12はロースタとしての加熱庫に接続された煙突、14は加熱コイルで、波線で示す位置でトッププレート1の下部に設けている。
【0017】
図1において、21は商用電源、22は電源スイッチで、一端が商用電源21に接続され、他端の負荷側端子は整流器(全波整流器)23の入力端子に接続する。整流器23は、その正極出力端子をインバータ回路24の入力端子に接続する。インバータ回路24には加熱コイル25と共振コンデンサやフィルタ部品等からなる共振回路ブロック26と半導体スイッチング素子であるIGBT27等が含まれる。庫内加熱手段としてのロースタヒータ28とリレー29の直列回路は、電源スイッチ22を介して商用電源に接続する。また、冷却ファンモータ30とリレー31の直列回路は、商用電源に接続する。
【0018】
電源回路32は入出力端子が絶縁されていないスイッチング電源回路で構成され、コモン電位をIGBT27のエミッタとしており、入力端子の一端はダイオード33とリレー35の直列回路を介して電源スイッチ22の商用電源側端子に接続するとともに、ダイオード34を介して電源スイッチ22の負荷側端子にも接続している。また、電源回路32の出力端子は、すべての制御回路ブロックの制御電源を供給し、コモン電位を共通としており、図1ではその記載を省略している。電源スイッチ(以下SWと表示する)検知手段36は、その入力端子を整流器23の正極に接続し、そして出力信号はリレー29をオン、オフするロースタ駆動手段49、IGBT27を制御するIH制御手段37、調理終了検知手段43にそれぞれ出力する。ロースタ駆動手段49からは、余熱検知手段39にも信号が出力される。
【0019】
サーミスタ47(温度検知手段)は、ロースタヒータ28を収納する加熱庫の壁面に固定され、温度検知手段38に温度信号を出力する。一方、温度検知手段38は、サーミスタ47の抵抗値を測定することにより温度を検出する。そして、温度検知手段38の出力信号は余熱検知手段39、庫内加熱手段が発生する熱以外で、かつ前記加熱庫内での新たな熱発生の有無を検知する熱発生検知手段40および電源リレー駆動手段42にそれぞれ出力される。余熱検知手段39の出力信号は第1タイマ44とファン駆動手段41にそれぞれ出力する。熱発生検知手段40は、温度検知手段38の出力信号と第1タイマ44の出力信号が入力されると、その出力信号をファン駆動手段41、電源リレー駆動手段42および第2タイマ45にそれぞれ入力する。ファン駆動手段41は、余熱検知手段39、熱発生検知手段40および調理終了検知手段43から信号が入力されると、冷却ファンモータ30のリレー31をオン、オフする。
【0020】
また、熱発生検知手段40は、温度検知手段38、第1タイマ44、第2タイマ45の出力信号がそれぞれ入力されると、ファン駆動手段41、電源リレー駆動手段42、熱発生報知手段48および第2タイマ45に信号をそれぞれ出力する。調理終了検知手段43は、前面パネル11の操作部46、電源SW検知手段36からの各信号を入力し、ファン駆動手段41に信号を出力する。第1タイマ44は、その出力信号を余熱検知手段39、熱発生検知手段40にそれぞれ出力する。第2タイマ45は、その出力信号を電源リレー駆動手段42と熱発生検知手段40にそれぞれ入力し、そして電源リレー駆動手段42は、その出力信号によりリレー35をオン、オフする。
【0021】
上記構成の加熱調理器について、その動作を説明する。電源スイッチ22をオンすると電源回路32の入力端子にダイオード34を介して電源が供給されるので、電源回路32の出力端子には平滑された直流電源電圧が出力される。この電源回路32の直流電源電圧は、制御電源として各回路ブロックに供給され、各回路ブロックは待機状態となる。
【0022】
次に操作部46の入力キーにより加熱コイル25の動作命令を入力すると、操作部46はIH制御手段37に加熱命令を出力し、IH制御手段37はIGBT27を駆動してインバータ回路24を動作し、加熱コイルに約20kHzの高周波電流を供給する。また、操作部46からの信号により調理終了検知手段43からファン駆動手段41に調理開始信号が出力され、ファン駆動手段41はリレー31をオンして冷却ファンモータ30を動作させる。
【0023】
続いて、操作部46の入力キーによりロースタヒータ28の動作命令を入力すると、操作部46はロースタ駆動手段49に加熱命令を出力し、その結果、ロースタ駆動手段49はリレー29をオンして通電によりロースタヒータ28を発熱させる。そして、ロースタヒータ28が発熱し加熱庫の壁面温度が90℃以上になると、サーミスタ47の抵抗が変化した信号を入力された温度検知手段38は電源リレー駆動手段42に駆動信号を出力して、リレー35をオンする。
【0024】
このようにして誘導加熱の加熱コイル25と電気加熱のロースタヒータ28が加熱動作をしているとき、電源スイッチ22をオフすると、メイン電流が遮断されるとともに、電源SW検知手段36が整流器23の正極電位が低下するのを検知して電源スイッチ22のオフを検知し、電源スイッチ22のオフ信号を出力する。この電源スイッチ22のオフ信号を、ロースタ駆動手段49とIH制御手段37にそれぞれ入力すると、ロースタ駆動手段49はリレー29の駆動信号の出力を、そしてIH制御手段37はIGBT27の駆動信号の出力を、それぞれ停止する。また、電源SW検知手段36は、電源スイッチ22のオフ信号を調理終了検知手段43にも入力し、そして、前記オフ信号を入力された調理終了検知手段43はファン駆動手段41にオフ信号を出力してリレー31を開き冷却ファンモータ30の動作を停止する。
【0025】
また、ロースタ駆動手段49は電源スイッチ22のオフ信号を入力した場合、あるいは操作部46からロースタの通電停止命令を入力して、ロースタヒータ28の駆動停止を行う場合に、ロースタオフ信号を余熱検知手段39に出力する。そして、余熱検知手段39は、前記ロースタオフ信号を入力すると、その時点で、温度検知手段38から入力する検知温度が90℃より低い場合にはファン駆動手段41にリレー31の駆動停止信号を出力する。
【0026】
また、余熱検知手段39は、前記ロースタオフ信号が入力された時、前記とは逆にその時、温度検知手段38から入力される検知温度が90℃以上であればファン駆動手段41にリレー31の駆動停止信号を出力せず、第1タイマ44に計時開始の信号を出力する。そして、第1タイマ44は計測時間が10分に到達するとタイムアップ信号を余熱検知手段39と熱発生検知手段40に出力する。そして、余熱検知手段39は第1タイマ44のタイムアップ信号が入力するか、または温度検知手段38から入力する検知温度が90℃より低くなるとファン駆動手段41に駆動停止信号を出力する。
【0027】
一方、熱発生検知手段40は第1タイマ44のタイムアップ信号を入力すると、その時点で温度検知手段38から入力する検知温度が150℃より低い場合にはファン駆動手段41にリレー31の駆動停止信号を出力し、そして電源リレー駆動手段42にもリレー35の駆動停止信号を出力する。
【0028】
以上のような状況時に、熱発生検知手段40は、温度検知手段38から入力する検知温度が150℃以上であればファン駆動手段41にリレー31の駆動停止信号を出力せず、電源リレー駆動手段42にリレー35の駆動停止信号を出力することもなく、第2タイマ45に計時開始信号を出力するとともに、熱発生報知手段48に表示信号を出力し、熱発生報知手段48はこれに応じて熱発生を示す旨の視覚的あるいは聴覚的表示(報知)を行う。第2タイマ45は計時開始から、60分経過するとタイムアップ信号を熱発生検知手段40と電源リレー駆動手段42に出力する。
【0029】
熱発生検知手段40が第2タイマ45からタイムアップ信号を入力するとファン駆動手段41に冷却ファン駆動停止信号を出力する。一方、電源リレー駆動手段42も第2タイマ45から前記タイムアップ信号を入力するとリレー35をオフして、そのとき電源スイッチ22がオフしていれば電源回路32への電源供給を遮断することになる。
【0030】
操作部46への入力操作によりロースタヒータ28と加熱コイル25の駆動がともに停止されると調理終了検知手段43がファン駆動手段41に冷却ファンモータ30の駆動停止信号を出力する。ファン駆動手段41は余熱検知手段39、熱発生検知手段40および調理終了検知手段43の少なくとも一つから冷却ファン駆動信号を入力するとリレー31をオンして冷却ファンモータ30のみを駆動する。
【0031】
以上のように本実施例によれば、ロースタヒータ28と加熱コイル25のいずれか一方が動作しておれば冷却ファンモータ30が動作し、図2のインバータ回路部品や制御部品を載置接続する印刷配線板8やそれを保持する樹脂製の基板ベース7等が温度上昇して破壊したり変形するのを防止する。加熱コイル25への通電が停止されている状態で、ロースタヒータ28への通電が停止された時、ロースタ壁面の温度が90℃より低い場合は、加熱コイル25への通電停止と同時に、冷却ファンモータ30を停止する。上記で、ロースタ壁面の温度が調理後の余熱で90℃以上の場合は、ロースタヒータ28への通電を停止してから、ロースタ壁面温度が90℃を下回るまで、もしくは10分間経過しても90℃を下回らない場合には、その時点で冷却ファンモータ30の動作を停止するので、冷却ファンモータ30が長時間動作し続け耳障りな感じを与える時間を短くするとともに使用者に不安感を与えるのを防止し、冷却ファンモータ30の動作機会を減らし、寿命が短くなるのを防止できる。
【0032】
更に上記において、10分経過後もロースタ壁面温度が150℃以上の高温であれば、さらに冷却ファンモータ30を60分継続動作させるようにしている。ロースタ壁面の温度が被加熱物の燃焼等が起こって高温になっていても、その間に被加熱物の燃焼は終息し、制御部品等の温度も十分低下させることができる。
【0033】
従って、冷却ファンモータ30の加熱動作停止に伴い、加熱庫の余熱や、調理物の燃焼により機器内の制御部品あるいは樹脂部品の温度が上昇して信頼性が低下したり、劣化・変形するのを防止し、逆に冷却ファンモータ30が不必要に長時間動作して前記のような不都合な状況が生じるのを避けることができる。
【0034】
更に、熱発生検知手段40は、冷却ファンモータ30の駆動を停止すると同時に電源回路32の入力をオフし制御電源を遮断するので、待機電力を抑制することができる。
【0035】
なお、上記実施例において、熱発生検知手段40が、第1タイマ44のタイムアップ信号を入力したとき、冷却ファンモータ30の駆動を一時停止する信号をファン駆動手段41に出力し、冷却ファンモータ30が停止している間に、温度検知手段38の出力する検知温度の温度あるいは温度変化(傾き等)の状況を観測して、加熱庫内部で被加熱物や受け皿等に溜まっている油等が燃焼して、ロースタヒータの発生する熱以外の熱発生が認められた場合には再度、冷却ファンモータ30を駆動する様にしても良い。この構成にすれば、冷却ファンモータ30を停止する機会を多くすることができるので冷却ファンモータ30の寿命を長くすることができる。
【0036】
また、上記実施例では熱発生検知手段40はサーミスタ47と温度検知手段38により測定するロースタの壁面温度の検知結果から、ロースタ内の被加熱物等の燃焼を検知するような構成としたが、測定場所や温度検知素子等はこれに限定されることなく、サーモスタットや他の温度センサーを使用したり、ロースタヒータ28あるいはロースタ壁面の温度により変化する場所で測定すればよく新たな熱発生検知手段として、加熱庫内で被加熱物等の燃焼が発生する赤外線や二酸化炭素等を検出して構成するようにしても良い。
【0037】
(実施例2)
図3は請求項3に記載の発明に対応する実施例2における加熱調理器の要部の回路ブロック図である。この実施例の発明は、図1の第2タイマの機能が除かれ、かつ熱発生検知手段の機能が実施例1の発明と異なるだけなので、それ以外の同一構成および作用効果を奏する部分には同じ符号を付して詳細な説明を省き、異なる点を中心に説明する。
【0038】
熱発生検知手段50は、第1タイマ44からタイムアップ信号を入力すると温度検知手段38から入力する温度情報にのみ基づき、駆動停止信号をファン駆動手段41に出力するタイミングを決定するようにしてある。
【0039】
上記実施例において、ロースタ駆動手段49が駆動状態から駆動停止状態になると、余熱検知手段39に駆動停止を示す信号を出力する。余熱検知手段39は、この信号を入力すると、温度検知手段38から入力する検知温度が90℃を下回るときには、ファン駆動手段41に駆動停止信号を出力する。検知温度が90℃以上の時には、第1タイマ44に計時開始命令を出力する。第1タイマ44は計時時間が10分に到達するとタイムアップ信号を熱発生検知手段50に出力する。熱発生検知手段50がタイムアップ信号を入力すると、その時点での温度検知手段38から入力する検知温度が150℃を下回る場合には、ロースタ内部の被加熱物の燃焼がないと判断してファン駆動手段41に駆動停止信号を出力する。検知温度が150℃以上であれば、被加熱物の燃焼が継続あるいはその影響が残っていると判断して熱発生検知手段50は前記検知温度が90℃以下となるまで駆動停止信号の出力を遅延して、冷却ファン10による冷却を行い迅速に前記検知温度を低下させる。
【0040】
以上のように本実施例によれば、加熱庫における調理終了後、余熱を検知した場合には計時手段により冷却ファンモータ30の動作時間の上限を定めて通常の冷却作用を得ることができるとともに、熱発生検知手段50が、被加熱物の燃焼の継続を検知すると、計時手段に依存せず温度検知手段38の入力する温度情報にのみに基き加熱庫の壁面の温度が90℃以下となるまで冷却ファンモータ30を駆動するので、確実に燃焼が終息したのを判断して冷却ファンモータ30を停止することができ、加熱庫の周囲に配置された樹脂や電子部品を変形させたり、信頼性を低下させるのを確実に防止できるものである。
【0041】
また、熱発生検知手段50が調理停止後新たな熱発生を検知した場合には、十分加熱庫の温度が低下したのを確認するまで報知するので、使用者に迅速に熱を発生している被加熱物を除去させるようにでき、かつ冷却ファンモータが継続して動作している原因を知らしめ不安感をなくすことができる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1記載の発明によれば、調理終了後、冷却ファンを必要に応じて継続動作させて加熱庫の余熱、あるいは調理物の燃焼等の新たな熱の発生が生起もしくは継続により、機器内の電子部品あるいは樹脂部品の温度が上昇して信頼性が低下したり、劣化・変形するのを防止できるとともに、逆に冷却ファンが不必要に長時間動作して使用者の耳障りになるのを避けることができる。
【0043】
また請求項2記載の発明によれば、温度検知手段により、被加熱物が燃焼により新たな熱を発生しているかどうかを精度良く判定できるとともに、マイクロコンピュータ等を利用し、庫内温度あるいは周波数変換装置の部品温度が高くなりすぎないようにする温度過昇防止回路や調理物を自動調理するための温度調整手段として使用する温度検知手段からの温度情報を利用した場合には、安価で安全な加熱調理器を提供することもできる。
【0044】
また請求項3記載の発明によれば、請求項1と同様の効果が得られるとともに冷却ファンの動作機会を減らし、消費電力を抑制するとともに冷却ファンの寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における加熱調理器の回路ブロック図
【図2】 同加熱調理器の要部を切欠いた斜視図
【図3】 本発明の実施例2における加熱調理器の電気回路の要部ブロック図
【符号の説明】
10 冷却ファン
13 ロースタ(加熱庫)
14、25 加熱コイル(加熱手段)
24 インバータ回路(周波数変換装置)
28 ロースタヒータ(庫内加熱手段)
30 冷却ファンモータ
38 温度検知手段
40、50 熱発生検知手段
41 ファン駆動手段
44 第1タイマ(計時手段)
45 第2タイマ(計時手段)
Claims (3)
- 加熱庫内の被調理物を加熱する庫内加熱手段あるいは前記庫内加熱手段と加熱コイルに高周波電流を供給する周波数変換装置と、前記庫内加熱手段あるいは前記加熱庫の温度又は温度変化の状況を観測可能な温度検知手段と、少なくとも前記周波数変換装置の部品を冷却する冷却ファンと、前記温度検知手段の検知結果と前記庫内加熱手段の加熱動作停止のタイミングあるいは前記庫内加熱手段と前記周波数変換装置の加熱動作がともに停止されるタイミングで計時動作を開始する計時手段の計時結果に基づき、前記周波数変換装置あるいは他の加熱手段の加熱動作の停止後も前記冷却ファンを動作時間の上限を定めて駆動可能とするファン駆動手段を備え、前記温度検知手段の検知した温度若しくは温度変化の状況に基づき又は前記加熱庫内で前記被加熱物の燃焼により発生する赤外線や二酸化炭素を検出して前記庫内加熱手段が発生する熱以外で、かつ前記加熱庫内での前記被加熱物や受け皿等に溜まっている油等が燃焼して発生する新たな熱発生の有無を検知する熱発生検知手段を設け、前記熱発生検知手段の検知結果により、前記新たな熱発生が認められた場合には前記計時手段の計時結果による前記冷却ファンの駆動終了タイミングを遅延するか又は前記駆動終了タイミングで一時停止していた前記冷却ファンを再度駆動するようにした加熱調理器。
- 熱発生検知手段は、庫内加熱手段の加熱動作停止のタイミングあるいは庫内加熱手段と周波数変換装置の動作がともに停止されるタイミング以降の温度検知手段の検知結果により、新たな熱発生が認められた場合には計時手段の計時結果に依存する冷却ファンの駆動終了タイミングを遅延するようにした請求項1記載の加熱調理器。
- 熱発生検知手段は、庫内加熱手段の加熱動作停止のタイミングあるいは庫内加熱手段と周波数変換装置の加熱動作がともに停止されるタイミング以降において、冷却ファンを所定のタイミングで停止し、その後の温度検知手段の検知結果に基づき、新たな熱発生が認められた場合には前記冷却ファンの再駆動信号を出力するようにした請求項1記載の加熱調理器。
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