JP3749680B2 - 洗米装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗米装置に係り、より具体的には、貯米庫(米袋を含む)内の米を洗米槽に空気搬送する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
米を貯留する貯米庫と、該貯米庫から投入された米を洗う洗米槽とを備えた洗米装置は公知である。
この種の洗米装置は、洗米槽の上部に貯米庫を備えたタイプと、下部に貯米庫を備えたタイプとに大別される。
前者のタイプでは、貯米庫内の米を計量してから落下させることで洗米槽に投入できるため、この投入のために特別な手段を備える必要がないという利点を有するが、貯米庫が高い位置に配設されるが故に、米の補給や庫内の清掃等が困難となり、使用者の負担が増大するものであった。
【0003】
一方、後者のタイプでは、下部の貯米庫から上部の洗米槽へと米を供給する手段が必要となるものの、貯米庫を可及的に低く配置できることから米の補給や清掃等が容易となり、使用者にとっては非常に有益である。
したがって、使用者の使い勝手を重視すれば後者タイプが適切な選択となるが、この場合、米の供給手段を備えることにより構造の複雑化や大型化、コスト増を余儀なくされ、米の供給時間によりロスが生じるため、これらを極力抑制して使い勝手の良さを損なわないようにすることが極めて肝要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる米の供給手段としては、従来よりエレベータやリフトによって計量した米を上方に搬送する方式(例えば、特開平6−269368号公報等)や、洗米槽内をブロアによって負圧とし、貯米庫から供給管を経て洗米槽に米を吸引する方式(例えば、特開平10−263422号公報等)が採用されていた。
エレベータ式の場合、搬送ベルトや多数の持上棚等を設ける必要があるため、小型化やコスト低減の面で不利であり、また、供給に時間がかかるため効率が悪化し、上述の観点からは適切ではない。
【0005】
これに対して吸引式の場合は、リフト式に比べれば効率よく短時間で米を供給できる点で有利である。
しかし、この吸引式の場合、洗米槽に供給口を排気口(吸引口)とを形成し、供給口を介して空気搬送により米を洗米槽内に投入するようにしていたため、次のような課題があった。
a;空気の流れにより一部排気側に米が出てしまい、米のロスが生じる。
b;洗米槽内に乱流となった空気の流れが発生し、米が槽内壁に当たって砕け、所謂くず米となって炊飯性能を低下させる(炊き上り米の品質劣化)。
c;同じく乱流となった空気に米が乗って洗米槽の天上(天板)や側面に米とともに糠が付着し、カビの要因となる。
d;連続運転の場合、洗米槽に付着していた水滴が排気側に入りカビの要因となる。
e;前記a、dを防ぐため、フィルタを装着すると、吸引能力が低下するし、フィルタの清掃を忘れると、糠が付着しているのでカビの要因となる。
【0006】
本発明は、前述したa〜eの課題を解決した吸引式搬送手段を有する洗米装置を提供するものであり、特に、洗米槽の外部に負圧ケースを設けてこの負圧ケース内において空気と米を分離するようにした洗米装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸引装置により洗米槽内の空気を吸引して負圧とすることで貯米庫内の米を供給口を介して洗米槽内に供給し、この洗米槽内で米を水洗いするようにした洗米装置において、前述の目的を達成するために、次の技術的手段を講じている。
すなわち請求項1に係る洗米装置は、前記供給口を取囲んで洗米槽の外部に負圧ケースを設け、この負圧ケース内に、空気と米を分離する手段を備え、この分離手段によって分離された米を供給口から洗米槽内に供給するように構成していることを特徴とするものである。
【0008】
このように洗米槽の外部に負圧ケースを設けて空気と米を分離しているので、洗米槽内は乱流現象を起生することはなく、所謂くず米の発生が抑制されるし、洗米槽内に糠等が付着し難くカビの要因は少なくなる。なお、負圧ケース内に糠が付着しても、この糠は洗米槽に侵入することはなくなる。
前記の分離手段としては、搬送管(供給管)と吸引管(排気口)とを負圧ケースの上下に隔離して形成したり、両口(両管)の間の負圧ケース内に邪魔板等を付設すること等で構成することも可能であるが、負圧ケースをサイクロンとすることが推奨される(請求項2)。
【0009】
このサイクロンの負圧ケースのとき、その下部を先細状の円錐形(漏斗形)とすることも可能であるが、前記負圧ケースは円筒形であり、そのケースの天板部に吸引装置に連通する吸引管が負圧ケースに内挿されており、該負圧ケースの円筒内面に対して空気と米の搬送管が接線方向に連通されていることが推奨される(請求項3)。
これによれば、負圧ケースを洗米槽の天井部に立設したとしても該負圧ケースの高さが差程高くなることもないのである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図3及び図4は、本発明の実施形態にかかる洗米装置の全体を正面図と側面図で示しており、該洗米装置1は、メインフレーム2の上部に設けた洗米部3と、下部に設けた貯米部4と、この貯米部4から洗米部3へ米を供給する供給手段5とを有する。
メインフレーム2は、下部ベース6の後部両側に一対の支柱7を立設し、該支柱7の上部に矩形箱形の上部ケース8を備えている。
【0011】
洗米部3は、上部ケース8の下面に取り付けられた洗米槽10を備え、該洗米槽10は、上部が円筒形とされ、下部が下方先細り状(倒立円錐筒形)の漏斗部とされている。また、この洗米槽10は、止め金具62によって上部ケース8に着脱自在に装着されるようになっていて、該槽10に米を供給(搬送)するときは、内部は密封室とされる。。
洗米槽10の下部には排水ジャケット11が設けられ、この排水ジャケット11内には、図1に示す如く、糠分や水を通過させるが米を通過させない網やパンチングメタル等の濾体12が設けられ、更に、排水ジャケット11には、下部排水管13を介して集水ボックス(合流部)14が接続されている。この集水ボックス14には、機外へ開放された放水管15が接続されている。
【0012】
洗米槽10内の水は、濾体12を通過して排水ジャケット11から下部排水管13、集水ボックス14を経て機外へ排出可能であり、集水ボックス14内には下部排水管13を開閉する開閉弁16が内蔵されている。
洗米槽10の下部には排米口17が形成され、該排米口17は排米弁18によって開閉自在とされている。
この排米弁18は円錐形状を呈し、洗米槽10の中心位置に上下方向に配設された弁軸19の下端に取り付けられており、この弁軸10の上端は洗米槽10から突出して上部ケース8内に至り、カム、クランク機構、モータ等を有する弁駆動部20(図2参照)に接続されている。
【0013】
そして、この弁駆動部20の作動によって弁軸19及び排米弁18が上下に昇降し、排米弁18が下降したとき排米口17を開き、上昇したときに排米口17を閉じて米や水、空気が漏れ出ない構成となっている。
図1に示すように、洗米槽10には、米を攪拌する攪拌手段21と、槽10内に給水する給水手段22とが設けられている。
攪拌手段21は、洗米槽10の上部(上部ケース8の下面)に上下軸心回りに回転自在に支持された回転軸23と、該回転軸23に取りつけられた攪拌体24とを有する。
【0014】
回転軸23は筒形状に形成されていて、筒内部に前記弁軸19を上下摺動自在で相対回転自在に挿通している。また、回転軸23の上端は、図2に示す如く、上部ケース8内のベベルギヤ機構、モータ等を有する攪拌駆動部25に接続され、該攪拌駆動部25によって軸心回りに回転する。
攪拌体24は、中実又は中空の棒材によって形成され、回転軸23に対して放射状に設けられている。
前記給水手段22は、図1及び図2に示すように、洗米槽10の上部に設けられたノズル、シャワー等の給水器27を備え、該給水器27は、給水管28を介して水道、貯水タンク等の圧力水源に接続されている。給水管28には電磁弁等の開閉弁が適宜設けられるようになっている。
【0015】
この給水手段22により洗米槽10内に給水しながら、前記攪拌手段21にて米をかき混ぜることで、洗米が行われるようになっている。そして、洗米後、ザル上げ工程等を経て給水手段22からの給水で水加減がなされ、排米弁18を開くことにより、その下方にセットした受け容器34(図3、図4参照)内に米や水加減水を排出するようになっている。
なお、本実施形態では攪拌方式にて洗米するものとなっているが、ジェット水流等にて米及び水を循環させながら洗米する方式等に置換可能である。
【0016】
貯米部4は、図3及び図4に示すように、米を収納する貯米庫30と、該貯米庫30内の米を計量する計量器31とを有する。
貯米庫30は、上部が矩形状の筒部に形成され、これに続く下部が下方先細り状の漏斗部に形成されており、該漏斗部の下端に計量器31を配設している。計量器31は、円筒形の計量ドラムとこれを回転するモータとで構成され、貯米庫30内の米を所望量だけ計量して下方へ排出する。
計量器31の下方には、排出した米を受け入れる略箱形の受部材32が設けられている。
【0017】
貯米庫30の上部開口は開閉自在な蓋体33によって閉鎖されており、この蓋体33は、前記受け容器34用の載置台としても利用されている。この受け容器34としては、炊飯器の内釜をはじめ、バケツ、桶等を利用できる。
前記メインフレーム2の支柱7は長さ調整自在に備えられている。具体的には、支柱7は上下中途部で分断され、下部支柱7Aに対して上部支柱7Bが上下動自在に嵌合されており、所望の支柱長さでボルト、ナット等の締結具により上部支柱7Bが下部支柱7Aに固定されるようになっている。これによって上部支柱7Bに取り付けた上部ケース8及び洗米槽10の高さを調整できるようになっている。
【0018】
したがって、受け容器34として、背丈の低い内釜等を載せた場合と、背丈の高いバケツ等を載せた場合とに応じて、洗米槽10を適正な位置に設定可能である。
また、上部ケース8と上部支柱7B側との間には、載置台33から受け容器34を取り出すときに、該受け容器34が洗米槽10の下端部に当接しないように案内するガイド部材35が設けられている。
このガイド部材35は、図3に示すように、洗米槽10の左右両側に一対設けられ、上部ケース8の前側から下方及び後方へ弯曲しながら伸び、後端が上部支柱7B側に支持された構成となっている。このガイド部材35の下部は円弧状に湾曲し、その最下端が排米弁18の左右側方でやや下側に配設されている。
【0019】
このガイド部材35も洗米槽10の高さ調整に伴って高さ調整される。
下部支柱7A側には、受け容器34の有無を検出する検出手段36が設けられている。この検出手段36は、リミットスイッチ等のセンサー37と、受け容器34をセットしたときに接触する検出子38とを有している。
かかる検出手段36は、下部支柱7A側に設けることにより、洗米槽10の高さ調整に関わらず、載置台33とともに一定位置に配設される。
図3及び図4に示すように、載置台33の左右側部には、側面視コ字状の把手39が立設されており、この把手39を介して載置台(蓋体)33を持上げることで貯米庫30の上部開口を開き、貯米庫30内への米の補給や清掃等が行えるようになっている。
【0020】
更に、前記把手39は、載置台33上の受け容器34が左右側方へ落下しないように位置規制する規制部材としての機能をも有している。
なお、上記載置台33には、内釜等に代えて炊飯器を搭載するようにしてもよく、この場合、米の計量から洗米、炊飯を連続して行う自動洗米炊飯装置を構成することが可能である。
貯米庫30から洗米槽10へ米を供給する前記供給手段5は、メインフレーム2の下部ベース6上に設置されたブロア等の吸引装置41と、この吸引装置41と洗米槽10とを接続する供給管(搬送管)42及び吸引管43とを有する。
【0021】
この吸引装置41の吐出口は前記受け部材32の一側に接続されており、該受け部材32の他側に供給管42の下端が接続されている。この供給管42は、左右一方の支柱7内を通って上方に延伸し、上部ケース8内で洗米槽10の上部に形成した供給口44(図1参照)に負圧ケース26を介して接続されている。
吸引装置41の吸込口には吸引箱45が接続され、該吸引箱45に吸引管43が接続されている。吸引箱45は、吸引管43の径よりも大きな外形を有し、吸引装置41との接続部にフィルターを備えている。また、吸引箱45は、2重箱構造に形成され、外箱から内箱を着脱自在に装着しており、吸引管43から入り込んだ米粒等をフィルターにより遮蔽して吸引装置41に吸い込まないようにするとともに、吸引箱45内に入り込んだ米粒等を内箱を取り外すことによって容易に除去できるように構成している。
【0022】
図1及び図3、4に示すように、前記吸引管43は第1〜第3の管体43A,43B,43Cにより構成されている。
第3の管体43Cは下端が吸引箱45に接続され、左右他方(供給管42が通されたものの反対側)の支柱7内を通って上方に延伸し、上部ケース8内に設けた継手46に接続されている。
この継手46には洗米槽10の側方で上下方向に配設された第1の管体43Aの上端が接続され、この第1の管体43Aの上下中途部であって下寄りに、第2の管体43Bの下端が接続されている。
【0023】
第2の管体43Bの上端は、洗米槽10の上部側面に形成した洗米槽10における洗浄水のオーバーフロー口となる吸引口(開口)47に接続されている。
上記構成により開閉弁16、排米弁18および後述する遊動弁61等で洗米槽10を密封空間とした上で吸引装置41を作動すると、図1に示す如く第3の管体43C、第1の管体43A及び第2の管体43Bにより形成された吸引経路Bを介して吸引口47から洗米槽10内の空気が吸引され、これによって洗米槽10内が負圧となり、受け部材32内の米は、供給管42により形成された供給経路Cを流れて供給口44から洗米槽10内へ供給されるようになっている。
【0024】
したがって、供給管42、吸引管43及び吸引装置41によって、閉じた経路で空気が循環し、供給管42によって米と空気の混合流により米を搬送する構成となっている。
空気の吸引口として洗米槽10に形成した開口47は、洗米の際等に余剰水を槽外へ排出するための溢流口を兼ねるようになっており、この際、この溢流口47に接続された第2の管体43B、及び第1の管体43Aは、排水管を兼ねるようになっている。
【0025】
すなわち、排水管としての第1の管体43Aは、その下端部が前記集水ボックス(合流部)14に接続されており、溢流口47から排出された水は、第2の管体43B及び第1の管体43Aによって形成された排水経路Dを経て集水ボックス14に流入し、該集水ボックス14から放出管15を介して機外へ排出される。
したがって、空気の吸引経路Bと排水経路Dとは第2の管体43Bで重複し、第1の管体43Aでは、第2の管体43Bの接続部分を境として上側が吸引経路Bに、下側が排水経路Dに分岐するようになっている。
【0026】
かかる構成により、洗米槽10に対して吸引口と排水口との両方を個別に形成する必要はなく、また、吸引管及び排水管をそれぞれ個別に設ける必要がないため、構造の簡素化、小型化、コスト減が図られるようになっている。
なお、前記第2の管体43Bは、フレキシブルホース等の可撓管によって構成され、上部ケース8から洗米槽10を着脱する際に、該洗米槽10に容易に取り付け、取り外しができるようになっており、下部排水管13についても、ビニルホース等の可撓管にて構成されている。
【0027】
図5(a)(b)に示すように、集水ボックス14内に設けた下部排水管13の開閉弁16は、集水ボックス14に対する下部排水管13の接続口14Aを開閉する弁体50と、該弁体50を一端に取り付けた水平方向の弁棒51とを有し、該弁棒51が集水ボックス14に軸受52を介して軸心方向摺動自在に支持されている。
また、弁棒51には、圧縮コイルバネよりなる付勢部材53が套嵌され、該付勢部材53は、弁棒51の他端に設けた受け具54と軸受52との間で圧縮されている。これにより、前記弁体50には下部排水管13を開放する方向の付勢力が付与されるようになっている。
【0028】
上記開閉弁16は、開閉機構55によって開閉操作されるようになっている。
この開閉機構55は、集水ボックス14内に配設された略L字状のクランク体56と、このクランク体56を操作する操作具57と、該操作具57を駆動する駆動部58(図1参照)とを有している。
クランク体56は、弁棒51の受け具54に当接された上下方向の押動部材56Aと、該押動部材56Aの上端から水平方向に屈曲する被操作部材56Bとを有し、該被操作部材56Bと押動部材56Aとの結合部が、集水ボックス14内に支軸59を介して揺動自在に支持されている。
【0029】
操作具57は、ワイヤーや細いロッド等にて構成されており、その下端部が被操作部材56Bの先端に連結されている。
前記駆動部58は、カムやモータ、又はソレノイド等によって構成され、図1及び図2に示すように、上部ケース8内であって第1の管体43Aの上方の継手46上にブラケット等を介して支持されている。
そして、操作具57は第1の管体43A内に挿入されて上下方向に延伸し、その上端が継手46から突出して前記駆動部58に接続され、該駆動部58によって上下に往復運動するようになっている。
【0030】
この操作具57の上下運動によってクランク体56が揺動し、前記開閉弁16を開閉操作するようになっている。
集水ボックス14内には、第1の管体43Aを開閉する弁装置60が設けられている。
この弁装置60は、図5(a)(b)に示すように、合成樹脂材等の軽い板材にて形成された遊動弁61を有し、該遊動弁61は、集水ボックス14に対する第1の管体43Aの接続口14Bを開閉する。
【0031】
また、この遊動弁61は、接続口14Bよりも大きな面積での平面長方形状に形成されており、前記クランク体56における被操作部材56Bの上側に載せられている。
そして、この遊動弁61には前記操作具57が上下に貫通され、この操作具57をガイドとして上下動するようになっている。
貯米庫30内の米を洗米槽10に吸引する場合、洗米槽10内を密閉するために、図5(b)に示す如く下部排水管13を開閉弁16によって閉鎖する。そして、前記吸引装置41の作動により吸引管43を介して洗米槽10内の空気を吸引すると、前記遊動弁61が吸い上げられて集水ボックス14の上面に吸い付き、第1の管体43Aの下端(接続口14B)を閉鎖するようになっている。
【0032】
この際、遊動弁61は操作具57によってガイドされるために接続口14Bからズレることなく確実に閉鎖することができるようになっている。
また、遊動弁61のガイドとして操作具57を利用することにより、別途ガイドを設ける必要もなく構造の簡素化が図られるものとなる。
洗米作業中には、図5(a)に示すように開閉弁16を開いた状態にして洗米槽10下部からの排水を可能とし、このとき遊動弁61は、自重により接続口14Bから離れた状態で被操作部材56B上に載置され、溢流口47から集水ボックス14への水を流入を許容する。
【0033】
また、洗米作業の終わりに、開閉弁16を閉じた状態で給水手段22から給水し、洗米槽10の水嵩を増すことにより水面に浮かんだ糠等を溢流口47から排出するオーバーフロー動作を行う場合には、図5(b)に2点鎖線で示すように、遊動弁61は被操作部材56B上に載ったままで接続口14Bを閉鎖しないため、溢流口47から集水ボックス14への水の流入が許容される。
なお、遊動弁61としては、接続口14Bよりも大きな面積を有する限りにおいて、平面円形状、4角形以外の多角形状等に形成することができる。
【0034】
第1の管体43Aは、その下部の短い範囲が排水経路Dとして利用され、上部の大部分は吸引経路Bとして利用されるため、この第1の管体43Aに対して操作具57を挿入することで、該操作具57が水に触れる範囲が少なくなり、錆等によって腐食するのを防止できるようになっている。
吸引用兼排水用の開口47は洗米槽10の側面に形成されているため、図2に示すように、洗米槽10の上方範囲スペースを侵食することがなく、弁駆動部20や攪拌駆動部25、給水管28の配設スペースを広く確保できるようになっている。
【0035】
また、上部ケース8内において、吸引管43(第3の管体43C)及び供給管42は交差した状態で配管されている。すなわち、供給管42は、左側の支柱7内を通って洗米槽10の右側に配設された供給口44に負圧ケース26を介して接続され、他方、第3の管体43Cは右側の支柱7内を通って洗米槽10の左側に配設された第1の管体43Aに継手46を介して接続されている。
これによって、第3の管体43C及び供給管42が上部ケース8内で急激に屈曲することがないようにし、空気の吸引抵抗及び米の供給抵抗を低減するとともに、管43C、42の亀裂損傷を防止している。
【0036】
なお、供給口44と第1の管体43Aの左右配置や、供給管42及び第3の管体43Cの左右配置は、上記と逆にすることができる。
図1および図2で示すように上部ケース8の底板8Aには、供給口44を取囲んで負圧ケース26が洗米槽10の外部に設けられており、この負圧ケース26は上部が閉塞され下部開口の円筒形であって、このケース26の上部一側に供給管42の一端(供給端)が接線方向として連通接続されており、ここに、図2の矢示Xのように空気と米の混合流が供給管42から負圧ケース26に導入されると、その混合流は渦流となり、その過程で米はその比重差によって徐々に下方に流下され、これによって空気と米を分離し分離された米は供給口44を通じて洗米槽10の上部からその内部に供給(投入)されるのである。
【0037】
すなわち、供給管42を底板8Aに直接接合して洗米槽10内に米を投入すると、その投入勢いが強すぎて洗米槽10内で乱流となり、これが開口47等を介して吸引されたり、くず米になったりするのを、負圧ケース26を設けて空気(圧力)を一旦当該ケース26で緩衝することによって洗米槽10内での乱流を防止してるのである。
なお、図1および図2の実施の形態では供給管42を負圧ケース26に対して下向傾斜状とすることが渦流を下方(供給口44側)に指向できて有利となる。
【0038】
図6〜図9は本発明の他の実施形態であり、空気と米との分離手段を異にするものである。
図6および図7は最も好ましい実施形態であって前記分離手段が遠心力分離方式のひとつであるサイクロンとされたものである。
すなわち、図6および図7において、洗米槽10の天板(上部ケース8の底板8Aに相当する)に形成した供給口44を取囲んで上端閉塞で下端開放の円筒形(サイクロン外筒)で例示する負圧ケース26が前記天板に備えられ、ここに、洗米槽10の外部に負圧ケース26が設けられている。
【0039】
空気と米の混合流を気送する供給管42が負圧ケース26の上部において該ケース26に対して偏心、好ましくは負圧ケース26の内周面に対して接線方向として連通接続されており、負圧ケース26の筒軸心にはその上端閉塞部に挿通された吸引管(サイクロンの内筒)43が備えられ、供給管42の軸心と吸引管43の吸引端とが段差(間隔)Hを有している。
なお、供給管42は貯米庫(米袋を含む)にその他端が連通されており、吸引管43はブロア等の吸引装置に接続され、供給管42と吸引管43は吸引装置を介して図1で示したように閉通路(閉回路)とされていても良いが、勿論開回路とされていても良い。
【0040】
この図6、図7で示した実施形態では、洗米槽10を密封空間とした上で吸引装置を起動すると、供給管42を介して空気と米の混合流が気送され、負圧ケース26に対して矢示Xのように圧送され、空気と米は遠心力によって分離され、渦流となって下方に流下する過程において米はその比重によって流下し、一方、空気は糠等とともに吸引管43を通じて負圧ケース26外に排出される。
ここに、分離された米は供給口44を介して洗米槽10の上部から投入されるのであり、このときも負圧ケース26が空気(圧力)緩衝槽として機能し、負圧ケース26の内面に衝突する米の衝突力は抑制され、くず米となるのを防止するのである。
【0041】
なお、通常、サイクロンは下部に漏斗部を形成しているが、この漏斗部を形成すると負圧ケース26の高さが嵩高となって好ましくない。
そこで、負圧ケース26に供給口44に向って螺旋状の案内板26Aを形成することで、漏斗部を形成しなくとも分離された米を供給口44に向って円滑に流下でき、ここに、負圧ケース26を円筒形に形成しても遠心分離機能は充分となってその高さを抑制できるようになっている。
図8および図9は本発明の他の実施形態であり、まず、図8では円筒形の負圧ケース26の下部に供給管42を連通接続し、上部に吸引管43を連通接続して両管42、43に段差Hを形成し、負圧ケース26内には、供給口44に向う下向傾斜の案内板26Aを設けたものであり、供給管42から負圧ケース26に導入された空気と米の混合流は負圧ケース26の緩衝作用を受けて分離され、空気と糠等は吸引管43よりケース外に排出され、分離された米は案内板26Aを介して供給口44を通じて洗米槽10内に投入される。
【0042】
この図8の実施形態において、供給管42はこれを負圧ケース26の円筒内面に対して接線方向に接続することが望ましく、供給管42の出口と吸引管43の入口とは負圧ケース26に対して位相をずらす(両口を直交配置)ことが有利となる。
一方、図9に示した実施形態では、図8の実施形態において、負荷ケース26内に邪魔板(風向変更体)26Bを設けて、この風向変更体26Bによって空気と米を分離し、米は案内板26Aを介して供給口44から洗米槽10に投入可能である。
【0043】
なお、図8、9において供給管42は貯米庫に接続連通され、吸引管43はブロア等の吸引装置に接続連通されている。
図10は洗米槽10の上部に形成したオーバーフロー口(溢流開口)47に、集水箱(集水ボックス)14を連通して設け、この集水箱14に図5(a)(b)で示した開閉弁16、開閉機構55等の同等部材を付帯させ、上・下クランク体56を操作具57によって連動連結したものであり、これによれば、洗米槽10を負圧にするとき、下部排水管13と溢流口47とをともに連動させて開閉できて有利となる。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば洗米槽に米を気流搬送するとき、砕米となるのを防止しながら、糠等とは確実に分離した状態で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す概略正面図である。
【図2】本発明の実施形態の要部を示す平面図である。
【図3】洗米装置の全体正面図である。
【図4】洗米装置の全体側面図である。
【図5】集水ボックスの内部を示し、(a)は洗米槽を大気開放した図、(b)は洗米槽を負圧にするときの図である。
【図6】本発明の実施形態の要部立面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】本発明の他の実施形態を示す要部立面図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示す要部立面図である。
【図10】洗米槽の溢流口、排水口のそれぞれに開閉弁を有する集水ボックスを備えた概略正面図である。
【符号の説明】
10 洗米槽
26 負圧ケース
30 貯米庫
41 吸引装置
42 供給管
43 吸引管
44 供給口
Claims (3)
- 吸引装置により洗米槽内の空気を吸引して負圧とすることで貯米庫内の米を供給口を介して洗米槽内に供給し、この洗米槽内で米を水洗いするようにした洗米装置において、
前記供給口を取囲んで洗米槽の外部に空気とともに米が供給される負圧ケースを設け、この負圧ケース内に、空気と米を分離して、分離した米を供給口から洗米槽内に供給しかつ分離した空気を吸引装置に戻す手段を備えており、この米から分離した空気と前記吸引装置が洗米槽内から吸引する空気とは、前記貯米庫を経て洗米槽内に米を供給するために流動循環していることを特徴とする洗米装置。 - 前記分離手段がサイクロンであることを特徴とする請求項1に記載の洗米装置。
- 前記負圧ケースは円筒形であり、そのケースの天板部に吸引装置に連通する吸引管が負圧ケースに内挿されており、該負圧ケースの円筒内面に対して空気と米の供給管が接線方向に連通され、前記吸引管の吸引端が供給管より低く配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗米装置。
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