JP3749363B2 - 排煙の除害方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は排煙の除害方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ゴミ焼却場等から排出される排煙中には種々の有害物質が含有されており、このような排煙中に含有される有害物質を除去するために種々の処理方法が採用されている。しかしながら、近年、ゴミ焼却場等から排出される排煙中に、ダイオキシン類(PCDDS、PCDFS等)のような極めて毒性の強い塩素化物が高濃度で含有されている場合があり、大きな社会問題となっている。
【0003】
ゴミ焼却場における廃棄物の焼却処理は、通常、ゴミの焼却工程、焼却工程で生じた排煙を、更に高温に加熱して排煙中に残存する未燃焼物(例えば一酸化炭素、低分子量炭化水素類等)を更に燃焼させる二次燃焼工程、二次燃焼工程において高温となった排煙から熱を回収したり排煙温度を低下させるための熱回収工程や冷却工程、排煙中の煤塵を除去する集塵工程、排煙中の有害物質を除去する除害化処理工程、除害化処理工程で処理された排煙を煙突から排出する工程等を経て行われている。これらの各工程のなかでも、廃ガス中に含有されるダイオキシン類が多く生成するのは、主として排煙の温度が低下する熱回収工程や冷却工程以降であると言われている。
【0004】
排煙中の塩素化物濃度を低下させるためには、通常、排煙中の塩化水素を除去するために行われている、排煙への水酸化カルシウム水溶液の噴霧も、ある程度は有効であると言われているが、必ずしも充分なものとは言えない。このため更に効果的に排煙中の塩素化物の濃度を低下させる方法が採用されており、例えば廃ガスを活性炭や活性コークス等の吸着剤と接触させて、排煙中の塩素化物を吸着除去する方法は、塩素化物の除去方法としては簡易で効果的な方法であるため、多くのゴミ焼却場等において採用されている。しかしながら、この方法では塩素化物を吸着した廃活性炭の処理が必要であり、廃活性炭を高温で燃焼処理するための工程増加による作業コストや、燃焼処理のための設備コストがかかるという問題があった。
【0005】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、排煙中におけるダイオキシン等の生成を効率良く低減化できるとともに、集塵工程において集塵された煤塵中に含まれる金属を容易に溶出し得ないようにすることのできる、排煙の除害方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の排煙の除害方法は、焼却時に発生する排煙を、亜リン酸類、次亜リン酸類、金属水素錯化合物類より選ばれた1種又は2種以上の還元剤と接触させることを特徴とする。本発明方法において、排煙温度が500℃以下となる工程において、排煙と還元剤とを接触させることが好ましい。本発明方法において、排煙と還元剤とを接触させた後、排煙中の煤塵を集塵設備において集塵するようにすると、煤塵中に含まれているイオン性の金属が還元剤によって還元される結果、煤塵中から溶出し難い状態になるため好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において還元剤として用いる亜リン酸類としては、亜リン酸、亜リン酸カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸水素アンモニウム等が挙げられる。次亜リン酸類としては次亜リン酸、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム等が挙げられる。
【0008】
金属水素錯化合物類としては、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム等の金属の水素化ホウ素金属塩類(例えばトリメトキシ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛等)、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム等の金属のアルキル水素化ホウ素金属塩類、水素化アルミニウム金属塩類、アルキル水素化アルミニウム金属塩類等が挙げられる。
【0009】
上記還元剤は、種類が同一で異なる化合物同士や異なる種類の化合物同士等、任意に2種以上を組合わせて用いることができる。一般に排煙中には塩化水素が含まれており、この塩化水素を除去するために、通常、排煙に水酸化カルシウム粉末やスラリー等を噴霧しているが、排煙と上記還元剤とを接触させると、ダイオキシン類の生成を抑制できるとともに、排煙中に含まれている塩化水素を同時に除去する効果もある。
【0010】
排煙中にダイオキシン類の前駆体が含まれていても、排煙温度が高い間は、当該前駆体からダイオキシン類が生成する虞れはないが、排煙温度が低下すると前駆体からダイオキン類が生成されてくる。このため排煙温度が、前駆体からダイオキシン類が生成し易い温度、即ち、廃棄物の焼却過程において排煙温度が500℃以下となる工程、特に450〜150℃となる工程において、排煙と上記還元剤とを接触させることが好ましい。例えば、排煙の熱を回収する熱回収工程や、排煙に冷却水を吹きかけて排煙の温度を低下させる冷却工程や、これらの工程を経た後に(但し、集塵工程の前に)、排煙と還元剤とを接触させることが好ましい。排煙と還元剤とを接触させる方法としては、排煙に還元剤の水溶液やスラリーを噴霧したり、還元剤の粉末を噴霧する等の方法が挙げられる。還元剤の使用量は亜リン酸類や次亜リン酸類の場合、排煙量に対して0.01〜5g/m3 が、金属水素錯化合物の場合、排煙量に対して0.001〜3g/m3が好ましい。また種類の異なる還元剤を2種以上混合して用いる場合の添加量は、還元剤の混合割合等に応じて上記したそれぞれの還元剤の好ましい添加量の範囲内で適宜調節することが好ましい。
【0011】
本発明方法において排煙と還元剤とを接触させた後、排煙中に含まれる煤塵を集塵装置によって集塵除去することが好ましい。集塵装置としては、電気集塵器、濾過式集塵装置、遠心力集塵装置、重力集塵装置、慣性力集塵装置等公知の集塵装置を用いることができる。本発明方法では排煙と還元剤とを接触させるため、排煙に含まれる煤塵中の金属(イオン性金属)は金属状態にまで還元され、このため煤塵中に含まれている金属は容易に溶出し難くなる。従って、還元剤と接触させた後に排煙中の煤塵を集塵除去した場合には、煤塵中に含まれる金属が溶出して二次汚染を生じ難くすることができる。しかしながら、必要に応じて排煙や煤塵中に含まれる金属を捕集したり固定化するための金属捕集剤による処理を併用することもできる。また排煙中に含まれる塩化水素を除去するための水酸化カルシウムによる処理を併用することもできる。金属捕集剤や水酸化カルシウム等と還元剤とは、それぞれ別々に排煙と接触させても良く、また同時に接触させても良い。更に、排煙から分離除去した煤塵は、セメント等によって固化して処理しても良い。
【0012】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜4、比較例1
ゴミ焼却装置でゴミを焼却して発生した廃ガス(ガス量16,000m3 /h−wet)を排出する煙路途中に、亜リン酸類及び/又は次亜リン酸類の噴霧手段を設け、該噴霧手段より亜リン酸類及び/又は次亜リン酸類を噴霧している間(300分間)と、噴霧していない間(300分間)とで、BF出口の廃ガス中に含まれるダイオキシンの濃度の変化を測定した。その結果を表1に示す。また亜リン酸類及び/又は次亜リン酸類の供給は、煙道中に設けられた熱回収ボイラーによって、廃ガスから熱回収した後に行った。供給した亜リン酸類及び/又は次亜リン酸類の種類、噴霧形態、噴霧量、噴霧時の廃ガス温度を表1にあわせて示す。また還元剤の噴霧工程を経た後の排煙を電気集塵装置を通して排煙中の煤塵を集塵し、この煤塵中からの水銀の溶出試験を、環境庁告示13号試験法に準じて行った。結果を表2に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
実施例5〜6、比較例2
ゴミ焼却装置でゴミを焼却して発生した排煙(ガス量7800m3 /h−wet)の煙路中に、還元剤の噴霧手段を設け、該噴霧手段より還元剤を噴霧している間(300分間)と、噴霧していない間(300分間)とで、BF出口の廃ガス中に含まれるダイオキシンの濃度の変化を測定した。結果を、供給した還元剤の種類、噴霧形態、噴霧量、噴霧時の排煙温度とともに表3に示す。また還元剤の噴霧工程を経た後の排煙を電気集塵装置を通して排煙中の煤塵を集塵し、この煤塵中からの鉛の溶出試験を、環境庁告示13号試験法に準じて行った。結果を表4に示す。
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明方法は、廃棄物等の物質を焼却処理する過程において、排煙と亜リン酸類、次亜リン酸類、金属水素錯化合物類より選ばれた1種又は2種以上の還元剤とを接触させるようにしたため、排煙中におけるダイオキシ類等の生成を効果的に抑制することができる。また生成したダイオキシン等を活性炭等の吸着剤によって吸着除去する方法のように、廃吸着剤処理のための特別な設備や工程が不要であり、低コストで廃ガス中の塩素化物濃度の低減化に貢献できる。また排煙と還元剤とを接触させた後、排煙中の煤塵を集塵して除去するようにすると、煤塵中に含まれるイオン性の金属は中性の金属状態にまで還元されているため、煤塵からの金属の溶出を効果的に防止できる等の効果がある。
Claims (3)
- 焼却時に発生する排煙を、亜リン酸類、次亜リン酸類、金属水素錯化合物類より選ばれた1種又は2種以上の還元剤と接触させることを特徴とする排煙の除害方法。
- 排煙温度が500℃以下となる工程において、排煙と還元剤とを接触させることを特徴とする請求項1記載の排煙の除害方法。
- 排煙と還元剤とを接触させた後、排煙中の煤塵を集塵設備において集塵することを特徴とする請求項1又は2記載の排煙の除害方法。
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