JP3749264B2 - イムノアッセイのためのリポソーム試薬 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、患者サンプル中での被検体の検出を容易にするために、リポソームに会合した又はそれに組み込まれたリガンドを有する新規リポソーム試薬を利用するイムノアッセイに関する。一実施形態において、本発明は、サンプル中の標的被検体に結合することができる会合したリガンドと共にリポソームを用いる患者サンプル内の種々の被検体の検出に関する。本発明の他の実施形態において、そのアッセイは、支持体の少くとも一部分がリガンドと会合し、そのリガンドが患者サンプル中の標的被検体に結合するのを許容する形状である可溶性マトリックス支持体としてリポソームを用いる。
発明の背景
本発明は、患者サンプル中で被検体を検出するためのアッセイにおいて新規リポソーム試薬を用いる新規アッセイ形態を詳述する。本発明の一実施形態において、脂質は、サンプル内の被検体を検出するために標的リガンドを組み込むリポソーム内に調剤される。しばしば、特定の自己免疫疾患に関連するもののような被検体の検出は、患者サンプル中の被検体の濃度が極めて低いため、困難である。リポソーム内でリガンドを支持するためのリン脂質の使用は、そのアッセイにおけるリガンド結合能を増加させる。リガンド又は被検体を固相に直接結合させるマイクロプレート形態のアッセイにおいては、分子の相互作用は立体的に妨害される。対照的に、本発明のアッセイ形態においては、リガンドは実質的に立体的なフレキシビリティーを許容し得るより流動性のゲル型マトリックスにはさみ込まれる。更に、リポソーム試薬を用いるアッセイは、リガンドが直接表面に結合し、しばしば構造的に変化する固相アッセイにおけるよりネイティブコンホメーションにおける被検体の検出又はそれとの相互作用のためのリガンドを供する利点を有し得る。
被検体を検出するために同種イムノアッセイにおける試薬としてのリン脂質から構成されるリポソームの使用が開示されている。これらのアッセイは、リポーター分子を被包するためにリポソームを用いる。H. Rutnerらの米国特許第5,248,590号は、“イムノアッセイに用いる場合、リポソームは一般に、染料又は酵素のようなリポーター分子を被包し、リガンド、通常抗原又は抗体と複合体を形成する”と記す。これらのアッセイの例は、米国特許4,193,983(Ullmanら)、4,483,929(Szoka), 4,783,400(Canova-Davisら)、4,874,710(Piran)及び4,668,638(Janoffら)に記載される。これらのアッセイにおいて、リポソームは、親水性二層内への親水性分子又はその分子の一部とのインターカレーションを通して共有結合的又は非共有結合的のいずれかでリガンドと複合体を形成し得る。リガンドは、通常、サンプル内で検出されるべき被検体に特異的に結合する抗体又は抗原である。言及される例において、リポソームと会合したリガンドが患者のサンプルと接触した時、サンプル中の被検体はリガンドと複合体を形成し、典型的には補体媒介性溶解により、リポソームを溶解する。その水溶液中に遊離されたリポーター分子の量が決定され、この量は検出される被検体の濃度に関係づけられる。
これらのリポーター被包イムノアッセイに関連する大きな問題がある。第1に、溶解を必要とするリポソームベースのアッセイは、テストサンプル中に存在する内因性の補体により、又はリポソームからのリポーター分子の漏出を導くリポソームデグラデーションによる非特異的溶解に影響されやすい。それゆえ、リポソームの一体性を維持することがリポーター被包アッセイの感度及び特異性に本質的である。溶解媒介性リポソーム検出システムの第2の欠点は、患者サンプル中の特定の被検体の濃度が低い場合、より濃密なテストサンプルの使用は、そのテストサンプルを内因性補体等と除去するよう予め処理しない限り、その内因性補体の存在により、非特異的リポソーム溶解を生じ得る。しかしながら、サンプルプレ処理はいずれかのアッセイに時間及びコストを加算する。更に、プレ処理剤は、サンプル中に存在する被検体がその剤により変性又はデグラデーションされず、リポソームの一体性が影響を受けないように注意深く選択されなければならない。
先に開示されるような使用における現在のリポソームベースのアッセイの利点の多くを維持しながら、本発明のアッセイは、リポソーム被包リポーターアッセイアプローチの利用性を限定する欠点を克服することにより先行技術のアッセイデザインの適用性を広げる。例えば、本発明は、被包されたリポーターに依存しない。リポソームの一体性を維持することは本発明の機能性のために要求されない。更に、大きな利点は、結合能の増加及びフレキシビリティーの増加によりマイクロプレートELISA形態より大きな利点が見られ得る。
マイクロプレートELISA型アッセイにおいては被検体の検出に関連する制限もある。マイクロプレートELISA型アッセイは、固相への直接のリガンドの物理的結合を要求する。先に議論したように、直接的カップリングは、リガンド、被検体、又はそれら両方の分子が有効に反応するのを防ぎ得るこれら分子上にある立体障害のため、これらのアッセイにおいて感度を減少させる危険性を増加させ得る。
対照的に、本発明は、立体障害に関連する問題を削減させることができるリポソーム試薬の使用により固相に被検体を結合させる手段を提供する。それは、リガンド及び被検体認識の効能をより最大化し、固相の総合的リガンド結合能力を増加させる。本発明は、これらの特徴を組み合わせ、組成物及び十分に自動化されたシステムに直ちに適用できる方法も供する。
発明の概要
本発明は、テストサンプル中の被検体の存在又は量を決定するための方法であって、リポソーム、前記被検体に特異的に結合するように選択されリポソーム膜と会合するリガンド、及びリポソームの膜と会合するハプテン化構成物であってアッセイの固相上のレセプター又はアッセイに用いられるシグナル検出システムの構成物に特異的に結合するよう選択されたものを含むリポソーム試薬を、テストサンプル及び固定化されたハプテンに対するレセプターを有する固相と、前記サンプル中の被検体がリポソーム試薬中のリガンドに結合し前記リポソーム試薬が前記固相のレセプターに結合するのに十分な時間及び条件下で、同時に又は連続的に接触させ;そして前記固相に結合した被検体の反応又は量を検出することを含む方法を提供する。好ましくは、この方法は、更に、テストサンプル中の被検体が結合する固相を、該被検体に特異的に結合するであろう標識された所定量の試薬と接触させ、前記標識を検出することにより被検体の量又は存在を決定するステップを含む。
好ましい標識は、酵素、ラジオアイソトープ、安定なフリーラジカル、化学発光化合物、生物発光化合物、色素、蛍光化合物、染料及び酵素基質からなる群から選択される。好ましくは、標識は酵素であり、その酵素にアルカリホスファターゼ及びセイヨウワサビペルオキシダーゼからなる群から選択される。好ましくは、その固相は、マイクロタイタープレート、ポリスチレンビーズ、磁気粒子、ニトロセルロースストリップ、膜、ラテックスマイクロ粒子、並びにポリスチレン及びポリプロピレンを含む炭化水素ポリマーから調製された粒子、ガラス、金属並びにゲルからなる群から選択される、より好ましくはその固相は懸濁可能な粒子である。特に好ましい本発明の実施形態において、固相は常磁性粒子である。
本発明のなお更なる態様において、被検体を含むテストサンプル中で被検体を検出するためのアッセイにおける使用のためのリポソーム試薬であって、リポソーム;前記被検体に特異的に結合するよう選択され前記リポソーム膜と会合するリガンド;並びに前記リポソーム膜と会合するハプテン化構成物であって固相上のレセプター又はアッセイに用いられるシグナル検出システムの構成物に特異的に結合するよう選択されたものを含み、ここで前記リガンド及びハプテン化構成物に固体相とリガンドとの間の結合を維持するように二層の部分に会合し続けていることを特徴とするリポソーム試薬を開示する。好ましくは、リガンドは、タンパク質、ポリペプチド又はペプチドフラグメントを含み、そして好ましくは、リガンドは、タンパク質に結合することができる抗体フラグメントを含む。
本発明のこの態様の一実施形態において、リガンドは核酸であり、本発明のこの態様の他の実施形態において、非検体は患者サンプル中に存在する抗体である。一実施形態において、リガンドはリポソームと共有結合し、他の実施形態において、リガンドはリポソームと共有結合する。好ましい実施形態において、リガンドはRoであり、また、好ましくは、リガンドはLaである。
本発明は、テストサンプル中の自己免疫決定基に対する抗体の存在又は量を決定するための方法であって、リポソーム、該リポソーム膜に会合する自己免疫決定基に対する抗体に特異的に結合するように選択されたリガンド及び前記リポソーム膜と会合するハプテン化構成物であって、アッセイの固相上のレセプターに特異的に結合するよう選択されたものを含むリポソーム試薬を、テストサンプル及び前記固定化されたハプテンに対するレセプターを有する固相に、前記サンプル中に存在する自己免疫決定基に対する抗体がリポソーム試薬中でリガンドに結合し、前記リポソーム試薬が前記固相上のレセプターに結合するために十分な時間及び条件下で、同時に又は連続的に接触させ、そして前記固相に結合した自己免疫決定基に対する抗体の存在又は量を検出することを含む方法にも関する。この方法の1つの好ましい実施形態のおいて、リガンドはRoである。この発明の他の好ましい実施形態においてリガンドはLaである。好ましくは、ハプテン化構成物は、ハプテン化リン脂質であり、なお更に好ましくは、ハプテン化されたリン脂質は、カルジオリピン、ホスファピジルイノシトール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン及びホスファチジン酸からなる群から選択される。この発明の特に好ましい実施形態において、ハプテン化リン脂質はハプテン化ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミンである。
本発明の他の実施形態において、リポソーム試薬を含む、テストサンプル中に存在する被検体の存在又は量を決定するためにアッセイにおいて用いるためのキットであって、前記リポソーム試薬が、リポソーム、前記被検体に特異的に結合するよう選択され該リポソーム膜と会合するリガンド、前記リポソーム膜に会合するハプテン化構成物を含み、ここで該ハプテンが、固相上のレセプターに特異的に結合するように選択され、そして前記リポソームが、アッセイの間、前記リガンド及びハプテン化構成物が固相とリガンドとの間の結合を維持するように二層の部分と会合したままてあるように調製されることを特徴とするキットを開示する。該キットは、被検体のためのレセプター及び標識されたディテクターと共に固相も含む。
本発明の他の態様において、テストサンプル中の抗体と検出するためのアッセイに用いるためのリポソーム試薬であって、リポソーム;前記抗体に特異的に結合するよう選択され、リポソーム膜と会合するリン脂質及び前記リポソーム膜と会合するハプテン化構成物を含み、ここで前記ハプテンは、アッセイに用いる固相上のレセプターに特異的に結合するように選択され、そして前記リポソームは、アッセイの間、前記リガンド及びハプテン化構成物が前記固相とリン脂質リガンドとの間の結合を維持するように二層の部分に会合し続けているように調製されることを特徴とするリポソーム試薬を開示する。
本発明は、テストサンプル中で被検体を検出するためのアッセイに用いるためのリポソーム試薬であって、リポソーム;前記被検体に特異的に結合するように選択され前記リポソーム膜と会合するリガンド;前記リポソーム膜と会合するハプテン化構成物であって、固相上のレセプターに特異的に結合するよう選択されたもの;並びに前記リポソーム膜と会合するシグナル検出システムの要素である標識化合物を含むリポソーム試薬にも関する。好ましくは、標識化合物は酵素であり、本発明の特定の実施形態において、その標識化合物はアルカリホスファターゼである。
本発明は、テストサンプル中の被検体の存在又は量を決定する方法であって、リポソーム試薬を、テストサンプル及び結合する被検体のためのレセプターを有する固相と、サンプル中の被検体がリポソーム試薬内でリガンドに結合するのに十分な時間及び条件下で接触させるステップであって前記リポソーム試薬は、リポソーム;前記被検体に特異的に結合するよう選択され、前記リポソーム膜と会合するリガンド;及びリポソーム膜に会合するシグナル検出システムの要素である標識化合物を含むステップと;前記固相に結合した被検体の量を測定するステップと、を含む方法にも関する。
本発明の他の態様において、本発明は、テストサンプル中の被検体を検出するためのアッセイに用いるためのリポソーム可溶性支持体マトリックスであって、テストサンプル中で被検体に特異的に結合するよう選択されたリガンドを有するリポソームを含む第1のリポソーム試薬であって、前記リガンドがリポソーム膜と会合している第1のリポソーム試薬;前記リポソーム膜と会合したハプテン化構成物であって、前記ハプテンがレセプターに特異的に結合するよう選択されているハプテン化構成物;並びに前記レセプターを有するリポソームを含む第2のリポソーム試薬であって、アッセイの間、前記第1のリポソーム試薬上のハプテン化構成物が前記第2のリポソーム試薬上のレセプターと結合して前記可溶性支持体マトリックスを形成する第2のリポソーム試薬を含むリポソーム可溶性支持体マトリックスに関する。好ましくは、リガンドは、タンパク質ポリペプチド、又はペプチドフラグメントを含み、そしてより好ましくは、リガンドはタンパク質に結合することができる抗体フラグメントを含む。特に好ましい実施形態において、ハプテン化構成物のハプテン部分はビオチンである。
本発明のなお更なる態様において、テストサンプル中の被検体を検出するためのアッセイに用いるためのリポソーム可溶性支持体マトリックスであって、リポソーム、前記被検体に特異的に結合するよう選択されリポソーム膜と会合するリガンド、リポソーム膜と会合するハプテン化構成物を含み、ここで前記ハプテンはレセプターに特異的に結合するよう選択され、そしてアッセイの間、レセプターは前記ハプテン化構成物に結合するよう添加され、そして可溶性支持体マトリックスを形成することを特徴とするリポソーム可溶性支持体マトリックスを開示する。好ましくは、リガンドは、タンパク質、ポリペプチド又はペプチドを含み、そして好ましくは、ハプテン化構成物はビオチンである。特に好ましい実施形態において、レセプターはニュートラビジンである。
本発明は、可溶性リポソーム支持体マトリックスを用いてテストサンプル中の被検体の存在又は量を決定するための方法であって、ハプテン化リポソーム試薬を有するリガンドを、テストサンプル、レセプター、及び固相を有するレセプターと、サンプル中に存在する被検体がリポソーム試薬中のレセプターに結合し、レセプターがリポソーム試薬に結合してマトリックスを形成し、そしてリポソーム試薬が固相上のレセプターに結合するのに十分な時間及び条件下で接触させるステップであって、前記リガンドを有するリポソーム試薬がリポソーム、テストサンプル中で被検体と特異的に結合するよう選択されたハプテン化構成物、及びリポソームの二層と会合するハプテン化構成物を含み、ここでハプテンはレセプター及び固相を有するレセプターに特異的に結合するよう選択されるステップと、固相に結合したリポソーム試薬に結合した被検体の存在又は量を検出するステップと、を含む方法にも関する。好ましくは、リポソーム試薬のハプテンはビオチンであり、リポソームは、ニュートラビジン、ストレプトアビジン、アビジン、又はビオチンに特異的に結合することができる抗体からなる群から選択される。
本発明の他の態様において、テストサンプル中のアレルゲンに対する抗体の存在又は量を決定するための方法であって、リポソーム、アレルゲンに対する抗体と特異的に結合するよう選択されリポソーム膜と会合するリガンド、及びリポソームの二層と会合するハプテン化構成物を含むリポソーム試薬であって、前記ハプテンがアッセイの固相上のレセプターに特異的に結合するよう選択されたリポソーム試薬を、テストサンプル及び固定化されたハプテンに対するレセプターを有する固相に、サンプル中に存在するアレルゲンに対する抗体がリポソーム試薬中のリガンドに結合し、リポソーム試薬が固相上のレセプターに結合するのに十分な時間及び条件下で、同時に又は連続的に接触させ、そして固相上に結合したアレルゲンに対する抗体の存在又は量を検出することを含む方法を開示する。好ましくは、リガンドはアレルゲンである。
本発明の他の好ましい実施形態において、テストサンプル中に存在する被検体の存在又は量を決定するためのアッセイに用いるためのキットであって、複数の、テストサンプル中に存在する被検体に結合することができるリガンドを有するハプテン化リポソーム試薬、該ハプテン化リポソーム試薬上でハプテンに結合することができるレセプター、固相を有するレセプター及び被検体検出のための標識されたディテクターを含むキットを提供する。
発明の詳細な記載
本開示は、診断アッセイにおて被検体に結合することができるリガンドを支持するのに適したリポソーム試薬組成物を、この試薬を用いるための方法をあわせて開示する。その試薬は、好ましくは、リポソームを形成するためにリン脂質を用い、意図した使用により、インターカレートされ、被包され、又はリン脂質二重層と会合した種々の分子を含む。診断アッセイにおける種々の被検体のための支持体又はマトリックスとしての脂質試薬の使用に関するこのアッセイのための種々の適用が考慮される。
以下の定義を本明細書を通して用いる。
“抗リン脂質抗体”とは、負に荷電したリン脂質、例えばカルジオリピン(ジホスファチジルグリセロール)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール及びホスファチジん酸に一般に結合する抗体をいう。
“被検体”は、好ましくは患者サンプルから、測定されるべき化合物又は組成物をいうとして本明細書に用いられる。被検体は、好ましくは、特異的に結合する対の一つのメンバーであり、好ましくはその結合対の他方のメンバーはリガンドである。本発明のアッセイに役立つ被検体は、リガンド又はリガンドが結合する被検体レセプターについて特定の結合アフィニティーを有するタンパク質、例えば抗体、抗原、核酸、ステロイドホルモン等を含む。
“リガンド”は、その他方のメンバーが被検体又は被検体が結合するレセプターである特定の結合対のメンバーである化合物、分子又は分子の一部をいうとして本明細書に用いられる。リガンドは、アッセイの間にリガンド又は被検体レセプターに結合した被検体の量がテストサンプル中に存在する被検体の量に関連するように、被検体又は被検体レセプターに特異的に結合するように選択される。リガンドは、被検体又は被検体のためのレセプターに特異的に結合する分子の部分が、化学的、酵素的又は分子操作によりネイティブ分子から除去され、他の分子に結合し、又は会合するようにリガンド分子が改変されているリガンドアナログも含む。リガンドは、一般に、特異的結合対の2つの構成物のうち小さい方であるが、これは必ずしも必要でない。リガンドは1又は複数のエピトープを有し、抗原性であり又はハプテン化され得、そして少くとも1のエピトープ部位を共有する組成物の1つ又はグループであり得る。典型的なリガンドは、自己抗原、アレルゲン、アニオン性リン脂質、腫瘍マーカーに対する抗体等を含む。本発明のリガンドは、本発明のリポソームと“会合する”とも呼ばれる。用語“会合する”とは、共有結合又は非共有結合により本発明のリガンドと本発明のリポソームとの間の安定な相互作用をいう。
“ハプテン”又は“ハプテン化”は、その他のハンバーが被検体又はリガンドでないレセプターである単独又は他の化合物又は分子に結合した特異的に結合する対の一員をいう。ハプテンは、一般に、通常、担体にコンジュゲートした時に研究動物中で免疫応答を誘発することができる低分子量化合物である。ハプテンの例は、ビオチン、ジニトロフェニルグループ(DNP)、フルオレセイン又はその誘導体、例えばフルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ジゴキシゲニン等を含む。用語“リポソームの膜に関連したハプテン化構成物”とは、共有結合又は非共有結合により本発明のハプテン化構成物と本発明のリポソームとの間の安定な相互作用をいう。
“レセプター”は、ハプテンもしくはハプテン化化合物、リガンド又は被検体に特異的に結合するいずれかの化合物又は組成物をいうとして本明細書で用いられる。本発明のアッセイに役立つレセプターは、抗体、例えば抗ビオチン及び抗ジゴキシゲニン抗体、抗被検体抗体並びに他の結合物質、例えばアビジン、ストレプトアビジン、レクチン、酵素、内在性因子、葉酸結合タンパク質等を含む。
“標識”又は“標識された”とは、シグナル検出システムの一部として検出可能なシグナルの生産と直接的又は間接的に関連し、サンプル中の被検体の量に関連する量でアッセイの構成物の1又は複数の分子に直接結合する化合物をいうとして本明細書で用いられる。標識は、被検体もしくはリガンドに特異的に結合する担体にコンジュゲートすることができ、又は、リポソーム試薬の膜内に組み込みもしくはそれと会合させることができる。標識の典型例は、当該技術で周知のいずれかのもの、例えば酵素、フルオロホア、ラジオアイソトープ、安定なフリーラジカル、発光体、例えば化学発光体、生物発光体等、染料、色素、酵素基質及び当該技術で周知の他の標識を含む。用語“ディテクター”とは、標識と会合するいずれかの化合物をいう。好ましいシグナル検出システムにおいて、標識は酵素であり、検出可能なシグナルは、標識された試薬を特定の基質に露出し、そして色、蛍光又は発光展開のためにインキュベートすることにより形成することができる。
“リポソーム”は、水性環境中で基本的な構造の一体性を維持することができる小さな分離した粒子をいうとして本明細書で用いられる。リポソームは、周囲の水性媒体に露出された親水性表面及び内部の水性空間に露出された疎水性表面を有する両親媒性分子が形成される。リポソームのメンバーは、“膜二重層”、“二重層”、“二層”又は“膜”として交換可能に呼ばれ、膜は2つの水性環境の間の遷移ゾーンを形成する。本発明に用いるリポソームには、多重層の脂質から構成されるMLVs(MultiLamellar Vesicles)を含む。
“キット”は、必要な緩衝液、塩、及び安定剤で通常、製剤された試薬の組合せをいい、ここでそれら試薬は、アッセイ感度を少くとも実質的に最適化するように予め測定される。
用語“タンパク質”は、タンパク質構成物、ポリペプチド及び10以下の長さのペプチドフラグメントの分子を含むとして本明細書で用いられる。
用語“アレルゲン”は、アレルギーを出現させるいずれかの物質をいう。それはタンパク質であってもそうでなくてもよい。一般的なアレルゲンには、吸入物、例えばダスト、ふけ、花粉、真菌、煙粒子、香水;食物、例えばコムギ、卵、ミルク、チョコレート、シーフード等;薬剤、例えばアスピリン、抗生物質、血清、及び広範囲の化学的化合物;感染性の因子、例えばバクテリア、ウイルス、真菌、動物寄生虫;接触物、例えば化学品、動物、植物、金属等がある。
用語“同時”とは、アッセイの構成物、例えばリポソーム試薬、テストサンプル又は固定化されたレセプターを有する固相が、全ての構成物が反応混合物中で組み合わされるように、同時に、又は他方の直後に反応容器に各々添加されることを意味する。
本明細書に用いる用語“連続的”とは、アッセイの1つの構成物、例えばリポソーム試薬が、テストサンプル及び/又は固相のようなアッセイの他の構成物と、他の構成物がその反応混合物に添加される前に反応がおこるのに十分な時間、接触されることを意味する。
本発明の第1の実施形態において、リガンドはリポソームと会合してリポソーム試薬を形成する。リポソームはリン脂質又は改良されたリン脂質、ハプテン化成分及びリガンド、例えば1又は複数の不活性又は負に荷電したリン脂質の混合物として調製される。好ましくは、リン脂質はカルジオリピンであり、なお更に好ましくは、カルジオリピンは他のリン脂質と組み合わされてリポソーム試薬を形成する。本発明に用いられ得る他のリン脂質は、これらに限られないが、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン(他のリン脂質と組み合わせて用いられる)、ホスファチジルコリン、ホスファチジン酸;スフィンゴミエリン等を含む。種々の組合せでのこれらの脂質は本発明のリポソームを形成する。
リポソーム及びリガンドを形成する脂質に加えて、本発明のリポソームは、ハプテン化成分、例えばハプテン化脂質又はハプテン化タンパク質も含む。本発明の好ましい実施形態において、ハプテン化成分はハプテン化リン脂質であり、なお更に好ましくは、そのハプテン化リン脂質はビオチニル化ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)である。ハプテン化リン脂質に、親水性部分に結合したハプテンを有するリポソームを形成するのに適した脂質をいう。これらのハプテン化脂質は、ビオチン、アビジン、フルオレセイン又はその誘導体、例えばフルオレセインイソチオシアネート(FITC)ジゴキシゲニン等に共有結合した脂質をいう。ハプテンは、必要に応じて、脂質に直ちに結合することができる低分子量化合物、例えばビオチンである。本発明に役立つハプテン化リン脂質は市販されており、例えばビオチニル化ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)はPierce Chemical, Rockford, Ill.から利用でき、又はハプテン化脂質は、Rivnayらにより開示される方法を用いて製造することができる(“Use of Avidin-Biotin Technology for Liposome Targeting,” in Methods in Enzymology, Vol. 149, pgs. 119-123, 1987を参照のこと)。
要約すると、リン脂質をビオチニルN−ヒドロキシスクシニミドエステル(BNHS)を含むクロロホルム−メタノールの溶液に溶かし、次に15%(v/v)トリエチルアミンを含むクロロホルム溶液を加える。その反応を室温で約2時間、行い、次にその混合物を約−70℃に保存する。勾配高性能液体クロマトグラフィーを用いて精製を行う。そのカラムを最初に、安定したベースラインが確立されるまでn−ヘキサン/2−プロパノール/水(60:80:14、v/v/v)を含む溶媒混合物で洗い、次に第1のベースライン上約0.07光学密度(OD)ユニットの新しいベースラインが確立されるまでn−ヘキサン/2−プロパノール/水(60:80:7、v/v/v)を含む異なる溶媒混合物を導入する。次に、脂質サンプルを適用し、そしてその溶出を、M-441不連続波長紫外ディテクター(214nm)でモニターする。次にカラムを上述の溶媒溶液で溶出する。即ち、第2の溶液で5分、次に第1の溶媒溶液0〜100%の直線勾配で20分溶出する。次に、45〜70分の第1の溶液での更なる溶出を行い、安定なベースラインを作り出す、それらのピークを収集し、その溶出された材料をプールし、そしてその溶媒を窒素の流れの下でエバポレートする。
本発明の好ましい実施形態において、非修飾の負に荷電したリン脂質は、カルジオリピンを含み、そしてハプテン化リン脂質は、ビオチン化DPPEを含む。他の考えられる組合せは、ビオチン化DPPEとホスファチジルセリン、又はビオチン化DPPEとホスファチジルイノシトールを含む。しかしながら、種々の脂質の組合せのいずれか、例えば、アニオン性リン脂質の、中性又は両性イオン性リン脂質との組合せも考えられる。
リガンドは、種々のソースから得ることができ、患者サンプル中で被検体に結合する能力に基づいて選択することができる。これにより、リガンドは、抗原、即ち、患者サンプル中で抗体に結合することができるいずれかの分子又は化合物を含むか、又はリガンドは、患者サンプル内で抗原を認識することができる抗体を含み得る。リガンドは、タンパク質、タンパク質フラグメント、核酸、又は患者サンプル中で被検体に結合することができる他の分子を含み得、ここで被検体の存在は医療条件、病気の存在、感染を示し、特定の医学的結果の診断である。更に、リガンドは、被検体に結合しないが、被検体と競合して被検体のためのレセプターに結合するステロイド等を含み得、サンプル中の被検体を測定し又は検出するのに用いられる。
適切なリガンドがリポソーム二重層と及びハプテン化成分と会合した後、リポソームは被検体を検出するのに用いることができる。患者サンプル中に存在する被検体は、リポソームと会合するリガンドに結合し、ハプテン化脂質により固相により捕獲される。本発明の好ましい、実施形態において、抗ビオチン抗体にコンジュゲートした磁気的に引くことができる粒子を用いて標的リガンドと会合したビオチニル化リン脂質を捕獲することができる。
本発明の好ましい実施形態はリポソームとの自己抗原の会合による自己抗原の診断に関するが、種々のリガンドが本発明のリポソームと会合して診断アッセイに用いるのに適したリポソーム試薬を形成することができる。特に好ましい実施形態において、患者サンプル中の被検体に結合することができるリガンドで試薬は調製され、ここで抗体の存在は自己免疫病に関連する。自己免疫疾患に関連する典型的な抗体は、リボヌクレオプロテインRo, La, Sm(Smith抗原)又はRNP(リボヌクレオプロテイン)上の決定基を認識する抗核抗体を含む。
Sm抗原−抗体システムは、SLE及び混合型結合組織病の患者においてキャラクタライズされる。Steitzら(Lernerら、Proc. Natl. Acad. Sci. (USA)76:5495-5497, 1979)は、Sm抗体は核内で小さなリボヌクレオプロテイン粒子を免疫沈降させること、及びその粒子が、いくつかの核タンパク質と複合体形成するURNAと呼ばれる小さな核のRNAのクラスからなることを証明した。臨床的な明示Smは、U1, U2及びU4−U6 snRNAスプライセオソーム構成物と複合した29, 28, 16及び13キロダルトンの分子量のタンパク質をいう(Tan, E. M. Adv. in Immunol. 44:93-151, 1989)。
リボヌクレオプロテイン(RNP)抗原−抗体システムは、全身性スリトマドデス(SLE)及び混合型結合組織病(MCTD)の患者においてキャラクタライズされた。リボヌクレオプロテイン粒子は、mRNAのスプライシングに関連することが示されている。核RNPに対する抗体は、U1 snRNAスプライセオソーム構成物と複合した70, 33、及び22キロダルトンの分子量のタンパク質に結合する。
抗体がSm又はリボヌクレオプロテインのいずれかに対するものである両方の場合において、抗原決定基はタンパク質構成物中に見い出され、RNA構成物中では見い出されない。核のRNPの対照的に、リポソームRNPは、リポソームと会合する38, 16及び15キロダルトン分子量を有するホスホプロテインに相当する。
SS-A又はRo及びSS-B又はLaに対して生じた自己抗体は、シェーグレン症候群及びSLEの患者において同定された。Ro及びLa自己抗体は、RNAポリメラーゼIII機能の制御に関連し得る細胞内タンパク質を標的とすることが示されている。RoはY1〜Y5 RNAと複合化した60及び52キロダルトンのタンパク質に相当する。La抗原は、発生期のRNAポリメラーゼIII転写物と複合化した48キロダルトンのホスホプロテインに相当する。
Ro抗原は、SLE患者からの血清中の抗体との免疫拡散沈降反応においてヒト脾臓の抽出物から最初に単離された。La抗原もSLE血清で、ヒト脾臓抽出物において同定された。両抗原のもとは不明である。Laはいくつかの小さなRNA種と相互作用することができる。その抗体は、U1 RNAと及び水泡体口内炎ウイルスリーダーRNAと結合することも報告されている。
本発明の好ましい実施形態はリポソームへの上述の抗原の直接の会合による自己抗体の診断に関するが、種々の臨床的又はプレ臨床的条件を同定するために共有又は非共有的会合のいずれかによりリポソームと種々のリガンドを会合させることが可能であることが当業者に理解されるであろう。
本発明のリポソーム試薬は、当該技術で周知である種々の方法により形成することができる。例えば、本方法は、それらの技術が引用により本明細書に組み込まれるSzokaら、(Ann. Rev. Biophys. Bioeng. 9:467-508, 1980)及びPlantら(Analyt. Biochem. 126:420-426 (1989)により記載記載される方法の改良型を用いる。本明細書の実施例1に更に示されるようなリポソームを形成するための好ましい方法は、D. Paphadjopoulos及びF. Szoka, Jr.(米国特許第4,235,871号)により記載される方法の改良型である。要約すると、この方法は、3つのステップ:有機溶媒中に析出するべき脂質の溶液の調製及び混合;(b)ガラス容器上のリン脂質の薄いフィルムを作り出すための窒素の固体流を用いる乾燥するまでの溶液のエバポレーション;及び適切な緩衝液中でのボルテキシング(又は他の機械的手段)によるリポソームの水和及び形成を含む。生じた膜二重層の構造は、脂質の疎水性(非極性)尾が内側に向き、親水性の頭が外側及び被包された空間内の両方に存在する水性相に向く。リポソーム調製物は、更に、Loughreyら(J. Immun. Meth., 132:25-35, 1990)に記載されるようなカラムクロマトグラフィー、遠心及び/又は透析により、必要に応じて分離することができる。
特定のタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、核酸、ステロイド又は他の分子がリポソームと共有結合で又は非共有結合で会合するであろうかどうかは、その特定の分子の化学的性質によるであろう。例えば、実施例4に開示される方法を用いてRo及びLaでリポソームを調製することが可能である。Ro及びLaの両方は非共有結合でリポソームと会合されている。タンパク質がリポソームと会合するリガンドとして機能することができる否かを決定するために、タンパク質は実施例4に記載されるように、種々のモル比で脂質と混合される。ここで、リポソーム試薬を、調製物をリポソームと会合すべきリガンド10〜100μgを含む緩衝液で水和したことを除いて、実施例2に記載されるように調製した。
特定の例において、リガンドは、患者サンプル中の被検体の検出を許容する形態でリポソームと会合しないであろうし、又はリポソーム内に有効に組み込まれないであろう。これらの場合、リン脂質は、リガンド、例えばタンパク質、タンパク質フラグメント、ポリペプチド、ペプチド、核酸等をリン脂質成分に結合させるために共有結合で改良することができる。タンパク質等をリン脂質に共有結合させるための方法は当該技術で周知であり、例えば、Martinら(J. Biol. Chem. 257:286, 1982)及びIshimori. Yら(J. Immunol. Methods 75:351, 1984)により開示される方法を含む。
リポソーム形成のために用いることができる他の方法は、Batzri及びKorn(Biochim. Biophys. Acta, 281:1015, 1993)のものを含むリポソーム形成のために用いることができる。改良された安定性を有するリポソームを生産するための方法は、非凝集性リガンド連結リポソームを生産するための米国特許第5,094,785号においてLawらにより記載される方法を含む。アッセイ結果及び製造の再現性を改良するために一貫したリポソームサイズを有するリポソームを生産するための方法が米国特許第5,017,501号に記載される。
本発明の診断方法の実施において種々のリン脂質由来リポソームを用いることができることが更に考えられる。例えば、種々のリポソーム構造のいずれか、例えば(単一膜二重層を有する)ユニラメラー又は(多重膜の二重層を特徴とするマルチラメラー構造であり得る。
自己抗体種の検出のためのスクリーンとして、アッセイにおいて本発明のリポソーム試薬を用いることが可能である。ここで、リポソームは、負に荷電したリン脂質、例えばカルジオリピン等で調製され、更に、自己抗体、例えばRo, La、及びSmに結合することができる種々のリガンドを組み込む。単独で又はスクリーンと組合せて用いるために考慮される他のリガンド決定基は、RNP, Scl-70(Scleroderma-70)、(ヒスチジル−tRNAシンセターゼ)、及びDNA等を含む自己抗体により認識される他のリガンドを含む。抗リン脂質抗体の診断が要求されない場合、リポソームは、不活性リン脂質、例えばWong(米国特許第5,017,501号)により開示されるスフィンゴミエリン及びコレステロールの等モル比から調製したリン脂質、又はLawら(米国特許第4,933,121号)により記載されるようなジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、コレステロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)リポソーム等から調製することができる。
自己抗体スクリーニングのための道具として役立つリポソーム試薬は、実施例4に開示される方法を用いて、リポソームと会合する単一リガンド種で調製することができ、各々異なるリガンド種を有するリポソーム試薬の2又はそれ超の溶液を混合してリポソーム試薬のスクリーニング混合物を形成することができる。あるいは、2又はそれ超のリガンドの混合物を、再び実施例4の方法を用いて、又は当該技術で周知の他の方法を用いてリポソームフィルム調製物に加えて、リポソーム膜と会合した異なるリガンドの混合物を有するリポソーム試薬を形成することができる。これらのリポソーム試薬は、種々の被検体のいずれかの存在を検出するために診断アッセイにおいてスクリーニング目的のために用いることができる。そのアッセイにおける陽性シグナルは、サンプル中の自己抗体の存在を示し、自己免疫病又は自己免疫病の素因の存在を示すことができる。
リポソームは、核酸に対する抗体についてスクリーニングするために診断アッセイにおいてリポソーム試薬として用いるために核酸と会合させることもできる。抗核抗体テストは、間接的免疫蛍光又はELISAマイクロプレートスクリーニングアッセイを用いて最もしばしば行われる。例えば、コラーゲンに基づく疾患に関連する抗核抗体は、ELISAマイクロプレートスクリーンを用いて現在同定される。間接的免疫蛍光アッセイは労力がかかり、主観的であり、そして免疫蛍光アッセイ試薬における不定性により悪影響を受ける。核酸に対する抗体を検出するためのリポソーム試薬アッセイの使用は、本明細書を通して議論されるように、マイクロプレート法に優るリポソームベースのアッセイの利点の全てを有する。核酸フラグメントを脂質に共有結合させることが可能であり、これらのリポソームは患者サンプル中の核酸に対する抗体を検出するために実施例2及び4に記載されるものと同様のアッセイにおいて用いることができる(例えば、リン脂質オリゴヌクレオチド分子を調製するための方法を記載するSheaら、Nucl. Acid Res. 18:3777-3783, 1990を参照のこと)。
本発明のアッセイの一実施形態において、リガンド、例えばRo又はLa及びハプテン化成分、例えばビオチニル化DPPEを組み込むリポソーム試薬は、ハプテンのための固定化レセプターを含む固相を有する異種アッセイにおいて用いられる。被検体を含むと予想されるサンプルは、リポソーム試薬及び固相と、サンプル中に存在する被検体がリポソーム膜と会合したリガンドと複合体形成し、そのリポソーム試薬−被検体複合体がハプテン/レセプター相互作用により固相に結合するのに十分な時間及び条件下で接触される。次に結合した被検体を有する固相はサンプルから分離され、洗浄され、そして次に、標識されたレセプターがその結合した被検体と結合するのを許容するために適した時間及び条件下で被検体のための標識されたレセプターと接触される。次に結合した標識の量が測定され、その結合した標識の量はサンプル中に存在する被検体の量に関連する。一般に、サンプル中で検出された標識の量は、周知の濃度の被検体を含むサンプルで得られたシグナルを、患者サンプルで得られたシグナルと比較することによりサンプル中の被検体の量に関係づけられる。
本発明の他の実施形態において、固相がサンプルと接触する前にハプテン/レセプター相互作用によりレセプターが結合する固相と複合体形成し得る。好ましいアッセイ形態において、そのアッセイは、ハプテン化連結を通してリポソーム試薬に結合するために磁気的に吸引可能な粒子、例えばリポソームと会合したビオチニル化リン脂質、好ましくはビオチニル化DPPEを用いる。
なお更なる実施形態において、リポソーム試薬を用いてリガンド結合部位と異なる特異的結合部位、好ましくは立体障害を最小にするためにリガンド結合部位から物理的に十分に離れた部位において固相にそれ自体結合する被検体を同定し又は標識することができる。一実施形態において、Roはリガンドであり、検出されるべき被検体は抗Ro抗体である。(抗Ro抗体のFc部分に結合できる)抗ヒト抗体は固相上に固定化される。抗Ro抗体を含むと予想される患者サンプルは、固相に、サンプル中に存在する抗体が固相及びリポソーム試薬に結合するのを許容するのに適した時間及び条件下でリポソーム試薬と同時又は連続的に接触される。結合したリポソーム試薬がサンプル中の結合していない材料から分離された後、ハプテンのための所定量の標識化レセプターを含む溶液は固相と接触され、そして洗浄して結合していない材料を除去した後、結合した標識化レセプターの量が決定される。この量はサンプル中の被検体の量に関係づけられる。
本発明の更に他の実施形態において、リポソーム試薬は、更に、標識化合物、例えば酵素、及び好ましくはアルカリホスファターゼを含み、ここで標識化合物はリポソーム膜に組み込まれ、又はリポソーム膜と会合する。この実施形態において、リポソーム試薬に、被検体を含むと予想されるテストサンプルと同時に、又は、ハプテンレセプターを有する固相と連続的に混合される。上述の通り、被検体が、次にハプテン/ハプテンレセプター相互作用により固相に結合するリポソーム試薬のリガンドに結合した後、結合した被検体はサンプル中の結合していない材料から分離され、そして標識の量が検出される。
本発明のアッセイの更に他の実施形態において、小さな分子、例えばステロイド等(即ちビタミンB12、フェルリチン等)は、競合アッセイ形態に用いるためのリポソーム試薬のリポソーム膜と会合したリガンドであり得る、典型的には、被検体誘導体(例えば標識−ステロイド分子コンジュゲート)は、被検体を含むと予想されるテストサンプルと、及び被検体と被検体誘導体との両方と結合することができるレセプターを有する固相と組み合わせられる。小さな分子、例えばステロイド分子の、酵素又は他のタンパク質標識での直接的標識化は、被検体レセプターに被検体と競合して結合する標識化ステロイド分子(被検体誘導体)の能力で妨害することができる。
本発明のこの実施形態において、被検体誘導体は、リポソーム、リポソーム膜と会合した被検体(即ちステロイド分子)と部分的にレセプターに結合するよう選択されたリガンド及びリポソーム膜と会合したハプテン化構成物を含むリポソーム試薬を含むように形成することができる。このアッセイにおいて、リポソーム試薬はテストサンプルと及びサンプル中の被検体がリポソーム試薬のリガンドと競合的にそれに結合するレセプターを有する固相と、被検体又はリポソーム試薬が固相上のレセプターに結合するのを許容するのに適した時間及び条件下で組み合わせられる。次に、結合していない材料は結合した材料から分離され、洗浄されて、所定量の標識化抗ハプテンコンジュゲートが固相と組み合わされ、結合した試薬の量が決定される。テストサンプル中に存在する被検体の量は、“被検体のない”対照サンプル中の固相に結合したリポソーム試薬の量を、テストサンプルと比較することにより決定することができる。あるいは、リポソーム試薬は、ハプテン化成分の場所のリポソーム膜と会合したシグナル検出システムの要素である標識化合物を含み得るであろう。結合したリポソーム試薬の量の減少(シグナル発生量の減少)は、テストサンプル中の被検体の量に関連づけられるであろう。競合アッセイの更に他の実施形態において、固相は、ハプテンのためのレセプターを有し、そして競合的に結合したリポソーム試薬は標識化合物にコンジュゲートされ得るであろう。
本発明に役立つ固相は公知であり、用語“固相”とは、アッセイの1つの構成物が結合し得る不溶性材料をいう。用語“固相”は、テストチューブの壁又はマイクロタイタープレートのウェハ、ポリスチレンビーズ、磁気的吸引性粒子(例えば常磁性粒子)、ニトロセルロースストリップ、膜、ラテックスマイクロ粒子等を含み得、そして炭化水素ポリマー、例えばポリスチレン及びポリプロピレン、ガラス、金属、ゲル又は他の材料から作ることができる。“固相”は重大ではなく、当業者により選択することができる。必要に応じて、固相は反応の間に懸濁され得る粒子を有する粒状固相である。分離を容易にするために固相として粒子を用いる利点は公知であり、それら利点のいくつかは米国特許第4,554,088号に記載される。好ましくは、本発明のアッセイに用いられる固相粒子は磁気吸引粒子、例えば米国特許第4,554,088号に記載されるものである。この特許は、アッセイにおける固相としての磁気吸引粒子の使用により供される利点をも記載する。磁気吸引粒子は、分離ステップが磁気的分離により行われ、これにより溶液から粒子を沈殿させるための遠心又は待つことの必要性を回避する。
本発明の文脈において、用語“結合”又は“固定化”には、アッセイを行う間に、抗体又はタンパク質が固相と会合し続けるように、固相に直接的又は間接的に抗体及びタンパク質、例えば本発明のハプテン/レセプター対のレセプターに結合するための全てのメカニズムを包含する。これらのメカニズムは、共有結合、非共有結合、化学的カップリング、親水性/疎水性による吸着、静電的親水性/疎水性又はイオン性相互作用等を含む。好ましい実施形態において、ハプテンレセプターは、固相上に吸着したロバ抗ヤギ抗体により固相に間接的に結合したヤギ抗ビオチン抗体を含む。
ハプテン化リン脂質に対するリン脂質の特定の比率は、診断イムノアッセイにおけるものより優れて機能し得る。最適な比率を決定する方法は当該技術で周知である。ビオチニル化DPPE及びカルジオリピンを用いる場合、1:2.5〜1:100のモル比(ビオチニル化DPPE:カルジオリピン)が考えられる。カルジオリピン含有リポソームを用いる好ましい実施形態において、1:5〜1:20のモル比が用いられ、1:5〜1:10の特に好ましいモル比が用いられた。実施例3は、ハプテン化リン脂質に対する標的リガンドの種々の比が本発明において機能するであろうことを証明するために供される。この実施例は、最適な脂質比を同定することにより特定のアッセイを最適化するのに役立つテスト形態も供する。これらのアッセイにカルジオリピン及びビオチニル化DPPEの組合せに関するが、脂質化学の当業者は、他の脂質の他の比率が過度の実験なしに最適な活性について同様にテストされ得るであろうことを直ちに認めるであろう。更に、種々のリガンド:リン脂質比も実施例3及び4でテストした。それゆえ、最適な脂質比は、最適なリガンド対リン脂質比でも最大化されるはずである。当業者は、実施例4が、リガンド及びリン脂質の比を最適化するための典型的なアッセイとしての案内を供することを認めるであろう。
リガンド含有リポソームが調製された後、リガンドがテスト被検体に特異的であることを確実にするためにリポソームをテストすることが役立つ。テスト被検体に特異的なリガンドは、いくつかの方法において決定することができる。本明細書の実施例3は、テスト被検体のためのリポソームリガンドの特異性を確認するための1つの方法を詳述する。実施例3に示すように、リガンドの濃度の増加を用いて、種々のリポソーム調製物を調製することができる。この実施例においてはカルジオリピンが用いられるが、実施例4においては種々の濃度のタンパク質リガンドが用いられる。当業者は、実施例4の混合したリポソーム、即ち、他の分子、例えばタンパク質、ステロイド、核酸等と組み合わせてリン脂質を含むリポソームが実施例3に開示される方法を用いてテストすることができることを認めるであろう。
これらのアッセイにおいて、リポソームと会合したリガンドと反応する被検体を含むことが知られているテスト血清が各々のリポソーム調製物でテストされる。次に反応性の量はリポソーム調製物中に用いられるリガンド濃度の関数としてプロットされる。リガンドの量の増加との投与量の直線性は、リガンド特異性を評価するために用いられる。
あるいは、リガンド結合の特異性を証明するために用いることができる。これらのアッセイにおいて、抗リガンド抗体を含むことが知られているサンプルは、非ハプテン化リガンドが組み込まれ又はリガンドと会合したリポソーム及びハプテン化リガンドが組み込まれ又はリガンドが会合したリポソームと接触される。リガンドが被検体と特異的に結合するなら、非ハプテン化及びハプテン化リポソームは被検体上の同じ部位に結合することについて競合し、結合した被検体の量を定量した時に検出されるシグナルを減少させるであろう。
本発明のアッセイは、手動の又は自動のアッセイ形態のいずれかに用いることができる。実施例において、国際公開番号WO(3/22686)として出版されたPCT出願PCT/US93/04209に一般に記載される自動分析機を用いた。この分析機は商標ACCESS下でSanofi Diagnostics Pasteur, Inc. USAから市販されている。いずれの操作の詳細も以下に示さないが、この市販の分析機及び/又はその関連マニュアルから直ちに確認することができる。
低濃度で血清又はテストサンプル中に存在する被検体を検出するためにリポソーム試薬を用いることに大きな利益がある。例えば、リポソームは多重の結合部位を有するので、そのアッセイにおいて被検体を認識するための大きな能力がある。
更に、本発明のリポソーム試薬は、ステロイドのような小分子の場合に用いられるような現在のマイクロプレート形態又は直接標識した被検体よりネイティブのリガンド構造を供する可能性がある。更に、そのエピトープはより抗体にアクセス可能であり、固相アッセイにおいて見られるような特定のコンホメーションにリガンドが固定されるアッセイと比べてアッセイ感度を増加させるであろう。
先に記載されるリポソームに基づくアッセイ形態では長時間にわたるリポソーム調製物の不安定性が問題となり得る。この形態の利点はその改良された安定性である。我々は、本発明のリポソームは、16ケ月超、4℃で窒素下に保存した場合に本発明のアッセイに用いるために機能し続けることを見い出し、このことはこれらの調製物をアッセイキットにおける使用に特に適したものにする。
この実施形態の他の態様において、アッセイがアレルゲンをリポソームに組み込み得るであろうことが考えられる。この発明は、自動化アレルギースクリーンを、いずれかの数のアレルゲン、例えばこれらに限られないが、食物アレルゲン、例えばシーフード、ミルク、卵又は卵白及び他のアレルゲン、例えばカビ、フケ、花粉、ダスト、ダニ等のために調製することができることが想像される。これらのアッセイにおいて、リガンドは、患者サンプル中に存在するイムノグロブリンにより結合される。患者サンプル中のIgEは、抗ヒトIgEアルカリホスファターゼコンジュゲート、例えば種々の供給元から利用できるヤギ、ロバ、又はマウス抗IgEコンジュゲートの使用により直ちに検出される。
本発明の他の実施形態において、リガンドはリポソーム二重層と会合され、そしてそのリポソームはリポソームのリポソーム二重層と会合した遊離分子又は分子のいずれかとして反応混合物中に存在するハプテンレセプターにより脂質二重層と会合したハプテン化分子の非共有結合の架橋により可溶性マトリックス支持体を形成する。この実施形態の1つの態様において、ハプテンレセプター分子、例えば抗ビオチン抗体は、リガンド及びハプテン化成分、例えばビオチン化リン脂質を含むリポソーム試薬のリポソーム二重層に組み込まれ、又はそれと会合される。これらのリポソーム試薬はビオチン/抗ビオチン相互作用により溶液中のマトリックス内に形成される。その可溶性リポソーム支持体マトリックスは、それを患者サンプルに接触させる間又はその前に形成することができる。その例において、レセプター自体は多価(即ちハプテンレセプター当り1超のハプテン分子に結合することができる)であるが、他の実施形態において、リポソームはそれと会合し、ハプテン結合に利用できる1超のハプテンレセプターを有する。この実施形態において、リポソーム二重層と会合するリガンドを有するリポソームを有効に架橋することにより、いくつかのシステムにおいて利点であるリポソーム試薬結合を増加させるために固相を改良することなく、個々のリポソーム試薬が固相に結合したアッセイ形態におけるより更に大きな結合能力が達成される。
マトリックスに被検体検出を容易にすることが示されている。例えば、El Shamiの欧州特許出願0 245 926号は、患者サンプル中のテスト被検体と対応する抗体との間に免疫複合体が形成されるアッセイを開示する。免疫複合体が形成された後、その複合体は対応する抗体を認識する抗体を用いて液体可溶性支持体上に固定化される。本発明と異なり、El Shamiにより開示される液体可溶性支持体はデキストラン及びアミノ酸コポリマーを含む。
診断アッセイにおいては可溶性マトリックス支持体のいくつかの利点がある。例えば、欧州特許出願0 245 926号に開示されるように、液体可溶性マトリックスの使用は固体支持体上に固定化され得る免疫複合体の潜在的な数を増加させる。更に、可溶性マトリックスの使用は固相に直接会合する固定化リガンドを有するアッセイと対照的に、リガンドと被検体との間の可溶性の速度論的相互作用を容易にする。
欧州特許出願0 245 926号と対照的に、本発明可溶性マトリックスを形成するためにリポソームを用いる、本発明の好ましい実施形態において、そのマトリックスは、リガンドと会合し、リポソーム膜と会合したハプテン化構成物を有するリポソーム及びそのハプテンと結合することができるレセプターを有するリポソームを含む。この実施形態において、少くとも2つの異なるリポソーム集団:1つはマトリックス種及び1つはリガンド種がある。例えば、1つの集団はハプテン化構成物に結合することができるレセプターを含み、リポソームの他方の集団はハプテン化構成物及びリポソーム上に一緒のリガンドを含む。本発明の他の態様において、リガンド及びハプテン化構成物を有する単一リポソーム集団があり、リガンドを有するリポソームのマトリックスを形成するためにハプテン化構成物に結合することができるレセプターが添加される。
他の実施形態において、リガンド含有ハプテン化リポソームは、その複合体が固相により捕獲されるのに十分に利用できるハプテンを有するように、レセプター濃度を限定して、非リポソーム抗ハプテンレセプターと会合される。本発明の他の実施形態に関して議論されるように、リガンドを支持するためのリポソームの使用はリガンドの安定性を増加させ、溶液中のリガンドのネイティブコンホメーションを促進することができる。
可溶性マトリックス支持体の実施形態のために用いられるリポソームは、先に議論した実施例1〜3に供される方法を用いて調製することができる。ハプテン化構成物及びタンパク質リガンドを含むリポソームが実施例中に開示される。レセプターを含むリポソームも実施例4及びリポソーム内へのタンパク質リガンドの組込みに関する先の議論の方法を用いて調製することができる。
マトリックスアッセイ形態に用いるために本発明で考慮される他のリポソームコンホメーションは、サンプル中で被検体を認識することができる抗体を含むハプテン化リポソームを含む。リガンドをリポソームと会合させるための種々の方法は当該技術で周知である。例えば、Loughneyらは、タンパク質をリポソームにカップリングするための最適化された手順を開示し(J. Imm. Methods, 132:25-35, 1990)、Heathらは、タンパク質−リポソームコンジュゲーション技術の発展及び適用を開示する(Chemistry and Physics of Lipids, 40:347-358, 1986を参照のこと)。
リガンドを組み込むリポソームを調製するために、リガンドは、それがテストサンプル中の被検体に特異的に結合するように選択される。好ましくは、このリポソーム試薬は、リポソーム内にインターカレートし又はその中に会合したハプテン化構成物も含む。ハプテンはレセプターに特異的に結合するように選択され、そのレセプターは多価である。ハプテン化構成物及びリガンドの両方を含むリポソーム試薬が調製される。
リポソーム試薬は、患者サンプルを含むテストサンプル及びレセプターと混合される。レセプターは、リポソーム試薬のハプテン化構成物とのその会合によりマトリックスを形成するのに十分な濃度で添加される。固相を用いる好ましい実施形態において、レセプターに対するリポソーム試薬の比率は、固相による捕獲を容易にするのに十分にハプテン化された構成物があるようにアッセイを最適化する時に調節される。
好ましくは、リポソーム試薬に結合することができる固相が、リポソーム試薬、レセプター及びテストサンプルの混合物に添加される。固相はマトリックスを捕獲するために用いられ、マトリックス形成は、プレインキュベーションステップにより容易化され得る。インキュベーション期間の後、結合した被検体を有する固相はサンプルから分離され、洗浄され、標識化バインダーがその結合した被検体に結合するのを許容するのに適した時間及び条件下で被検体のための標識化された特異的バインダーに接触される。次に結合した標識の量が測定され、この量はサンプル中に存在する被検体の量に関係づけられる。上述の通り、サンプル中の検出された標識の量は、周知の濃度の被検体を含むサンプルを患者サンプルで得られたシグナルと比較した場合に得られるシグナルを比較することによりサンプル中の被検体の量に関係づけられる。
好ましい例において、ビオチニル化DPPE及びリガンドを有するリポソームは遊離ニュートラビジンと組み合わされる。ビオチニル化DPPE/カルジオリピンリポソームを含むリガンドはニュートラビジンにより機能的に架橋されてマトリックスを形成する。患者サンプル中でテスト被検体を検出するためのマトリックス形態の能力は、リン脂質に対する抗体を含む患者血清サンプルを用いて証明され、リガンドに対する抗体を含むサンプルを用いても証明された。1つの方法において、リガンド、リン脂質及びニュートラビジンを含むリポソームフィルムを再度水和してマトリックスが形成される。他の方法において、リポソーム及びリガンドを含むリポソームフィルムは再度水和され、リポソーム形成の後にニュートラビジンが添加される。好ましい実施形態において、血清サンプル及びリポソームはマトリックス及び抗ハプテン抗体を磁気粒子に組み合わせた。その反応混合物を混合して洗浄する前に37℃で30分、インキュベートした。その反応混合物を標識化抗体(例えばモノクローナル抗ヒトFc−ALP抗体)とインキュベートし、結合した試薬を有する固相を結合していない材料から分離して、洗浄し、基質を加え、上述のようにシグナルを検出した。
本明細書に議論される引用文献は本明細書に引用により組み込まれる。本発明の特定の実施形態が以下に詳細に議論されるであろう。そしてこの文献全体を通して本発明の範囲内で可能なバリエーションがある。過度な実験を行うことなくクレームされる発明を上手に実施することを同様に許容するであろう当業者に利用できる種々の他の技術及び手順が存在する。
実施例1
リポソームの調製
本実施例において、リポソームはリン脂質、カルジオリピン(これらの実施例におけるリガンドも)及びビオチニル化ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(bt-DPPE, Pierce Chemicals, Rockford, Ill)の混合物を用いて調製した。
リポソームの保存調製物を調製するために、モル比約1:20(bt-DPPE:CL)(ボルテキシングにより混合)で1μモル(Total)のリン脂質を含むエタノールの0.2ml〜0.5ml容量を、窒素又はアルゴンガスの流れの下で12×75mmガラスチューブ上で、好ましくは見える溶媒のエバポレーションを超える30分間、乾燥させた。全てのリン脂質溶液がチューブの底を覆うのに十分でなかった(0.3ml又はそれ未満)なら、乾燥する前に更にエタノールを加えた。乾燥したリン脂質フィルムをデシケーター内に周囲温度でアルゴンもしくは窒素下で、又は真空下で数週間までの期間、フィルムが水和してリポソームを形成するまで保存した。これらの条件下で保存された脂質フィルムはリポソーム試薬の機能性において観察できる減少は示さなかった。
リポソームを調製するために、上述のように調製した脂質フィルムを、リン酸緩衝塩類溶液(PBS, PH7.2−7.4)を適切な水和容量まで加え、約1分、激しくボルテキシングすることにより水和した。この水和ステップに用いた他の緩衝液は、トリス緩衝塩類溶液(TBS, pH7.4)及びウシ血清アルブミン(BSA)又はヒト血清アルブミン(HSA)のいずれかの1%タンパク質を含むPBSを含む。水和溶液中のリン脂質の濃度は十分に高く(例えば入力脂質固体から1mg/ml)、その溶液は、サンプルをボルテキシングすると雲って見えた。
リポソーム調製物をボルテキシングした後、それを、リポソーム収率を増加させるために軌道型シェーカー内で振とうすることにより30〜60分、インキュベートした。このステップは、調製物内により均一な大きさのリポソームを作ることもできる。
これらの方法を用いてリポソーム調製物から組み込まれていない分子を分離した。これらの例において、リポソーム調製物を約13,000×gでマイクロ遠心し、PBSで洗って、そのペレット画分を使用のために単離した。
リポソームから組み込まれていない分子を分離するための他の方法は、Sephacry 1300カラム(Pharmacia)でのクロマトグラフィー及びPBSでの平衡化を含む。この方法において、リポソームはカラム容量内及び/又は最初のいくつかの画分内であるはずである。これらの画分を更なる研究のために用いた。更に第3の方法において、水和したリポソーム調製物を、50,000ダルトン相対分子量カットオフのチューブを用いてPBS内で透析した。
リポソーム調製物を遠心した時、抗リガンド抗体(即ち抗リン脂質抗体)でのサンプルに対する反応性が、上清及びリポソームのペレットの両方において見い出され、このことは、リガンド(即ちカルジオリピン)が組み込まれたリポソーム又はそのフラグメントが両方に存在することを示した。そのペレットはリポソームのみを含むと仮定し、それゆえ、上清と注記する場合を除いて実施例においてペレット画分を用いた。
本実施例に記載されるように調製したリポソームは、マイクロフュージ又はスクリューキャッププラスチックチューブ内に保存した場合、16ケ月超、4℃で窒素下で、(抗リン脂質抗体とサンプルとの反応性の保持に関して)安定であった。
実施例2
リポソーム試薬のキャラクタリゼーション
A.リガンド脂質に対するハプテン化リン脂質のモル比の変化の効果
ビオチニル化構成物の組込みへのカルジオリピンに対するbt-DPPEのモル比を変えることの効果を検査するために、出発リン脂質比の40倍の変化を研究した。カルジオリピン含有リポソームを、カルジオリピンの溶液(エタノール中5mg/mlのカルジオリピン、Sigma, St. Louis, Missouri USA)を、bt-DPPE(メタノールに対するクロロホルムの2:1混合物中1又は5mg/ml、Rievce, Rockford, Illinois, Cat No. 22010からのbt-DPPEのLC形態)と混合することにより調製した。一定量のカルジオリピン(100μg)を、0μg〜40μgの種々の量のbt-DPPEと混合することにより、次のbt-DPPE:CL比:1:100, 1:50, 1:25, 1:10, 1:5及び1:2.5を有するリポソーム調製物を作った。各々の調製物に全部で200μlの容量までエタノールを加え、その調製物をボルテキシングして、次に実施例1に記載されるようにフィルム中のチューブ上で乾燥させた。脂質フィルムを上述のように水和し、組み込まれていない分子を遠心により除去した。次にリポソーム含有ペレットを全リン脂質の40μg/mlの濃度までPBS中に再度懸濁した。
リポソーム中のカルジオリピンに対するbt-DPPEの比の変化が固相(この例においては抗ビオチン常磁性粒子)に結合すべきリポソーム試薬の能力に影響を与えるか否かを決定するために、抗ビオチン抗体−ビオチン相互作用による固相へのリポソーム内に組み込まれたbt-DPPEに結合したアビジン−アルカリホスファターゼコンジュゲート(アビジン−ALPコンジュゲート)を用いてアッセイを行った。
そのアッセイ構成物は、種々の比のbt-DPPE並びにカルジオリピンのみのリポソームの1つの調製物、抗ビオチン常磁性粒子、希釈緩衝液中のアビジン−ALPコンジュゲート、洗浄緩衝液及び化学発光基質を含んでいた。
これらのアッセイに用いた常磁性粒子は、Rhone Poulenc(Paris, France)から得る、以下に記載のようにヤギ抗ビオチン抗体でコートした。その抗ビオチン抗体は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)−ビオチン免疫源をヤギに注入し、次にビオチン化BSAカラムを用いて要求される抗体とアフィニティー精製することにより得られたポリクローナル抗体であった。それらの粒子を脱イオン水及び2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液で洗い、N−ヒドロキシスルホスクシニミド(スルホ−NHS)及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドヒドロクロライド(EDL)の溶液で約30分、それらをインキュベートすることにより活性化した。その活性化した粒子を、磁場を適用することにより未反応の構成物から分離し、MES緩衝液に再度懸濁した。ロバ抗ヤギ抗体を、約2時間、粒子及び抗ヤギ抗血清(Pel-Freez, Inc., Rogers, Arkansasから得たもの、及びヤギIgGでアフィニティー精製したもの)の混合物をインキュベートすることにより粒子上に吸着させた。
次にそれら粒子を緩衝液(1Mグリシン、pH6.0)で洗い、次に一連の洗浄液、即ち最初にTris緩衝液(pH8)、次にグリシン緩衝液(pH2.5)そして次にTris緩衝液(pH8)で再び洗った。次にその粒子を保存緩衝液(0.1% BSA、防腐剤及び塩を含むTris緩衝液)中に再度懸濁した。結合した抗ヤギ抗体を有する粒子を、15μg/mlの濃度で、上述のように得られたヤギ抗ビオチン抗血清と組み合わせ、周囲温度で一晩、インキュベートした。
Cal Biochem/Behring Diagnostics(La Jolla, California, Cat. # 189732)からアビジン−ALPコンジュゲートを得て、希釈緩衝液(pH7.7)中0.25μg/mlに希釈した。これらの例に用いた希釈緩衝液は、0.1M Tris、0.1% BSA、0.25mg/mlマウスIgG、1.0mM MgCl2、0.1mM ZnCl2、0.15M NaCl、0.2% Tween 20、0.1% ProClin(Rohm及びHaasにより製造された防腐剤)、0.1% NaN3、及び7%(v/V)熱で不活性化した正常なウシ血清(NES)を含んでいた。
これらの例に用いた洗浄緩衝液は、20mM Tris、0.15M NaCl、0.05%(活性固体)FC 100(フルオロアルキルスルホネート界面活性剤、ナトリウム塩、イオン性界面活性剤、3M, St. Pawl, MNから市販)、及び0.1% ProClinを含む。
これらのアッセイに用いた化学発光基質は、検出可能な化学発光シグナルを作り出すためにアルカリホスファターゼと反応する組成物であるLumiPhos▲R▼ブランドのジオキセタン化学発光基質(LumiPhos▲R▼530はLumigen, Inc, Detroit, Michigan USAから市販される)であった。
この実験において、各々のリポソーム調製物(20μg/ml)25μlを、1mg/mlの抗ビオチン常磁性粒子50μlと混合し、その反応混合物の容量を洗浄緩衝液で約250μlにし、そしてその混合物を37℃で約30分、インキュベートした。次に結合したリポソーム試薬を一連の3回の分離及び洗浄ステップにより未結合の反応構成物から分離した。ここでそのステップにおいては、常磁性粒子を含む反応容器を磁場内におき、粒子を容器の側面に吸引し(磁気分離ステップ)、その容器から溶液を吸引し、次に粒子を洗浄緩衝液中に再度懸濁した。第3の洗浄及び吸引ステップの後、粒子を、100μlのアビジン−ALPコンジュゲート及び250μlの洗浄緩衝液を含む溶液に再度懸濁した。その混合物を37℃で約30分、インキュベートし、次に未結合のコンジュゲートを、上述の磁気分離及び洗浄により粒子に結合したコンジュゲートから分離した。次に粒子を250μlのLumiPhos▲R▼530基質と混合し、約5分、インキュベートして、その混合物の発光を、ルミノメーターを用いて測定し、相対ルミノメーターユニット(RLUS)として表した。
表1に示すように、1:2.5〜1:100の範囲のリガンド(この例においてカルジオリピン)に対するハプテン化リン脂質のモル比を有するリポソームはバックグラウンドより大きい検出可能な化学発光シグナルを形成するのに十分な量で固相に結合することができ、より多くのbt-DPPEをリポソームに組み込むとS/N比も増加した。表1において、S/Nはシグナル対ノイズ比を示す。これらの例におけるS/Nは、対照調製物(カルジオリピンのみのリポソーム、ビオチンは存在しない)で得たRLU値を、アッセイに用いたリポソーム試薬調製物中で得たRLU値から引き、そしてその結果の値を、対照調製物値で割る〔(bt-DPPE:CL RLU値−対照RLU値)/対照RLU値〕ことにより決定した。これらのアッセイにおいて、5より大きいS/N比は陽性(P)又はバックグラウンドよりかなり大きいと考えられ、2〜5のS/N比は中間又はボーダーライン(B)と考えられ、そして2未満のS/N比は陰性(N)であると考えた。
Figure 0003749264
B.水和の間の全リン脂質濃度を変えることの効果
本発明のリポソーム試薬を、水和の間の脂質濃度が固相へのリポソーム試薬の結合の効能に影響を与えるか否かを決定するために、固定量の全リン脂質及び1:10のbt-DPPE:カルジオリピンのモル比を用いるが、異なる再懸濁容量を用いて更に検査した。この例に用いるリポソーム試薬調製物を、各々1% HSA(ヒト血清アルブミン)と共に種々の量のPBS:400μl(20μg/mlの全リン脂質)、200μl(40μg/mlの全リン脂質)、80μl(100μg/mlの全リン脂質)、又は40μl(200μg/mlの全リン脂質)において水和したことを除いて上述の通り調製した。カルジオリピンのみの対照は、40μg/mlの濃度まで1% HSAを含む200μlのPBS中で水和した。各々のリポソーム試薬調製物を上述のようにアッセイした。表2に示すように、テストした全リン脂質濃度の範囲において、このアッセイにおいて、水和容量はリポソーム試薬の機能性のために重大でなかった。
Figure 0003749264
C.テストサンプルにおける抗リン脂質抗体による認識へのリポソーム試薬の能力へのリガンドリン脂質に対するハプテン化リン脂質のモル比の変化の効果
リポソーム内でカルジオリピンに対するbt-DPPEの比を変えることが血清サンプル中の抗リン脂質抗体と反応するリポソーム試薬の能力に影響を与えるか否かを決定するために、種々の比のbt-DPPEのリポソーム試薬調製物及びカルジオリピンのみのリポソームの1つの調製物を用いてアッセイを行った。リポソーム調製物を、抗リン脂質抗体を含む血清(Diastat Anti-Cardiolipin Kit(Shield Diagnostics Ltd., The Technology Park, Dundee DD1 1SW, UK)及びKallestad Anti-Cardiolipin Microplate EIA kit(Sanofi Diagnostics Pasteur, Inc., Chaska, MN 55318)を用いて決定)、上述の抗ビオチン常磁性粒子、モノクローナル抗ヒトIgGのアルカリホスファターゼ標識化コンジュゲート(Binding Site, San Diego, CAから得た抗ヒトIgG-ALP, Fc特異的)と組み合わせ、希釈緩衝液、洗浄緩衝液、及び化学発光基質中で0.1μg/mlに希釈した。
2μlの等量の血清、100μlの抗ビオチン常磁性粒子、及びアッセイの第1のステップで組み合わせたリポソーム試薬調製物で上述の通りアッセイを行った。また、上述のアッセイで用いたアビジン−ALPコンジュゲートのかわりに抗ヒトIgG-ALPコンジュゲートを用いた。
表3に示すように、1:2.5〜1:100(bt-DPPE:CL)の範囲のリガンド(この例においてカルジオリピン)に対するハプテン化リン脂質のモル比を有するリポソームは、バックグラウンドより大きい検出可能な化学発光シグナルを作り出すのに十分な量で血清サンプル中の抗リン脂質抗体に結合することができた。更に、リポソームの調製に用いたbr-DPPEの種々の量において、S/N比の変化はほとんど観察されず、このことは、1:100の比における十分な捕獲能力を示す。
Figure 0003749264
D.抗リン脂質抗体による結合するリポソーム試薬の能力への水和の間の全リン脂質濃度の変化の効果
本発明のリポソーム試薬を、容量の変化が抗リン脂質抗体を検出することにおけるリポソーム試薬の有用性に影響を与えるか否かを決定するために、固定量の全リン脂質及び1:10のカルジオリピンに対するbt-DPPEの1つのモル比を用いるが、異なる再懸濁容量を用いることにより更に検査した。この例で用いたリポソーム試薬調製物は、各々1% HSAを含む種々の量のPBS:400μl(20μg/ml)、200μl(40μg/ml)、80μl(100μg/ml)、及び40μl(200μg/ml)で水和したことを除いて上述の通り調製した。カルジオリピンのみの対照は1% HSAを含む200μlのPBS中で水和した。
各々のリポソーム試薬調製物を、100μl(2μl等量)の希釈したヒト血清サンプル及び抗ヒトIgG-ALPコンジュゲートを用いて上述のようにアッセイした。表4に示すように、テストした全リン脂質濃度の範囲内で、その結果は出発リン脂質濃度による抗リン脂質抗体による認識において大きな変化はないことを示した。
Figure 0003749264
当業者は、テストアッセイの有効性への脂質比及び濃度の効果を決定するためにこれらの方法を用いて、アッセイを直ちに最適化することができる。
実施例3
アッセイにおけるリガンド濃度を増加させる効果
リポソーム試薬調製物を、上述の実施例1に本質的に記載されるように調製した。この場合、5:1の比の5mg/mlのリガンド溶液(カルジオリピン溶液300μl(1.5mg)及び1mg/mlのbt-DPPE 300μl(300μg)をチューブ上に乾燥させた。各々の調製物の保存溶液を、1.8mlのPBSの全量で水和することにより得た。0〜1μg/テストのリガンド濃度を、1以下のように、自動化分析機においてカルジオリピン陽性対照血清で分析した。100μlのリポソーム試薬調製物、100μlの希釈血清サンプル(血清サンプルは、抗リン脂質抗体又は正常なヒト血清を含むことが知られている血清であった)、50μlの1μg/mlの常磁性粒子及び100μlのウマ抗ヒトIgG-ALPコンジュゲート(ヒト血清アルブミンを含むPBS中0.6μg/ml)を、順々に、(同時に)30分のインキュベーションの後に反応容器に加え、次に実施例2に記載されるように3回、洗った。LumiPhos▲R▼ブランドの530ジオキサン化学発光基質(250μl)を加え、そしてサンプルの発光を測定した。表5に見られるように、リガンド濃度の増加に伴う血清中の抗リン脂質抗体の結合の増加が観察された。
Figure 0003749264
実施例4
Ro及びLaでのリポソーム試薬の調製並びにサンプル中の抗−Ro/La抗体を検出するためのアッセイ
この場合、20μlのカルジオリピン溶液(100μg)20μlのbt-DPPE(100μg)、及び160mlのエタノールを実施例1に記載されるようにチューブ上に乾燥させた。混合したリポソーム試薬調製物に、上述のように調製したフィルムを組込まれるべき抗原10〜100μgを含む150mM NaClと共に全量500μlの20mMリン酸緩衝液pH7.2−7.4で水和して670:1〜67:1のリン脂質:抗原のおおよそのモル比を有するリポソーム調製物を作った。ボルテキシングの後、その調製物を更に30分、振とうし、13,000×gでマイクロセントリフュージを用いて2回、洗った。
この例において、水和ステップに用いた抗原調製物は、10, 50及び100μgのアフィニティー精製La抗原(Immunovision, Little Rock Arkansasから得たLa SSB-3000)を含む調製物、55μgのアフィニティー精製したRo抗原(Ro SSA-3000, Immunovision, Little Rock, Arkansas)を含む1つの調製物、及び50μgのLa及び50μgのSm抗原(Immunovision, Little Rock, Arkansas)の混合物を含む1つの調製物であった。
生じたリポソーム調製物を、(市販のマイクロプレートELISAキットを用いて決定した)自己抗原に対する抗体を有することが知られているサンプルを用いて、実施例に記載されるようなアッセイでテストした。1つのサンプルはカルジオリピンに対する抗体を含んであり、他方のサンプルはRo/Laに対する抗体を含んでおり、また対照として正常な血清サンプルを用いた。要約すると、25μlのリポソーム試薬を100μlの希釈した血清サンプル、75μl洗浄緩衝液及び50μlの抗ビオチン抗体コート常磁性粒子と組みあわせ、そしてその混合物を37℃で30分、インキュベートした。一連の洗浄及び分離ステップの後、100μlの抗ヒトIgG-ALPコンジュゲート及び250μlの洗浄緩衝液を粒子を含む反応容器に加えた。この混合物を37℃で30分、インキュベートし、一連の洗浄及び分離ステップの後、基質を加え、上述のようにシグナルを検出した。
表6は、1人の患者での種々の希釈率での各々のリポソーム試薬調製物(Ro及びLaに対する抗体を含むヒト血清サンプル)、抗カルジオリピン抗体を含む患者血清サンプル、正常なヒト血清サンプル(nhs)及び血清を加えない対照(ブランク又はbl)で得た結果を示す。
Figure 0003749264
これらの結果は、リポソーム膜と会合したRo及び/又はLaを有するリポソーム試薬を用いて抗Ro/La抗体のような自己免疫抗体を検出することが可能であることを示す。膜と会合したRo抗原を有するリポソーム試薬で特に優れたシグナルが得られた。更に、それらの結果は、水和ステップの間に加えたLa抗原の量を増加させることが抗La抗体の結合を増加させることを示す。この形態のアッセイに役立つリポソーム試薬と会合した抗原の量の最適化は、自己抗体結合の量の更なる増加が観察されなくなるまで、水和ステップの間、抗原の量を増加して加えることにより行うことができた。
100μgのカルジオリピン、100μgのビオチニル化DPPE及び10, 50、又は100μgのLa抗原又は50μgのLa及び50μgのSmの混合物を含むリポソーム調製物のペレット中で見い出されたリポソームをテストすることに加えて、これらの調製物の上清も、抗原が遠心ステップの間にペレット化しなかったより小さいと予想されるリポソームにインターカレート(又はそれと会合するか否かを決定するためにテストした。これらのアッセイの結果も表6に示し、“上清”で示す。これらの結果は、Ro, La及びSm抗原が組み込まれ、リポソーム試薬の上清内のリポソームと、及びペレットを形成するこれらのリポソームと会合したことを示した。
実施例5
マイクロプレートELISA形態におけるハプテン化リポソームとリガンドの使用
カルジオリピン及びbt-DPPEを組み込むリポソームを、本質的に実施例1のように調製した。この場合、ハプテン化リポソーム試薬を、マイクロプレートのウェル上に固定化した(被検体抗体のFc部分に結合する)抗ヒト抗体により捕獲された被検体により結合された。この場合、被検体/リポソーム試薬複合体を、ハプテンのためのレセプター及びアルカリホスファターゼ標識を含むコンジュゲートを用いて検出した。マイクロプレート(Nunc, Denmark #4-41653)を脱イオン水で洗い、以下に記載のように、ヤギ抗ヒト抗体(ヤギ抗ヒト、抗IgG、抗IgM、Jackson Laboratories, Cat #109005127)でコートした:抗体を0.05Mグリシン10.1M NaCl、pH3中1mg/mlに希釈し、室温で15分、インキュベートした。そのpHを、20μg/mlの抗体の最終濃度のため50倍過剰の0.1Mリン酸カリウムpH7.4中にその抗体溶液を希釈することにより中和した。100μlの中和した抗体溶液を洗ったプレートの各々のウェルに加え、4℃で一晩、インキュベートした。次にそのプレートをPBSで3回洗って結合していない抗体を除去し、次に37℃で60分、PBS/1% BSA(Fraction U, Sigma Chemicals)とインキュベートした。
そのプレートを洗い、100μlの患者サンプル(0.1% BSAを含むPBS中1:25希釈)を適切なウェルに加え、37℃で2時間、インキュベートした。正常なヒト血清対照及び抗リン脂質抗体血清は陰性及び陽性対照として含まれる。
約2時間のインキュベーションの後、そのプレートをPBSで3回洗った。リポソーム試薬調製物を、CL:bt-DPPE比5:1〜20:1及びbt-DPPEなしのCL対照を用いた他は実施例2のように調製した。100μlの各々のリポソーム調製物(もとの保存1μg/mlリポソーム試薬調製物の1:25及び1:100希釈物)及び陰性対照(リガンドなし)を適切なウェルに加え、室温で90分、インキュベートした。
そのプレートを3回洗って過剰なリポソーム試薬を除去し、ストレプトアビジン−アルカリホスファターゼコンジュゲート(Jackson #16050084, PBS/0.1% BSA中1/10,000希釈)を加え、室温で60分、プレートをインキュベートした。次にそのプレートを洗い、100μlのp−ニトロフェニルホスフェート(PNPP)基質を加えた。30分のインキュベーションの後、その反応を停止させ、形成されたシグナルの量を405nmにおいて分光光度計により測定した。
それらの結果は、リポソーム試薬がテストサンプル中の抗リン脂質抗体により捕獲されたことを示した。
実施例6
膜と会合した標識でのリポソームリガンド
この例において、ハプテン化リン脂質及びタンパク質、この場合、標識化合物、アルカリホスファターゼと共にリポソーム膜に組み込んだリン脂質リガンドを有するリポソームを調製した。
5つの異なるリポソーム調製物を、実施例1に全般的に記載されるように作った。実施例1に記載される方法の最初の乾燥ステップにおいて、20μlのカルジオリピン保存溶液(5mg/ml)をチューブ1においてbt-DPPEなし及び#180μlのエタノールと組み合わせた。チューブ2〜5において、20μlのカルジオリピン保存溶液を5μlのbt-DPPE保存溶液(5mg/ml)及び175μlのエタノールと組み合わせた。水和ステップにおいて、アルカリホスファターゼ溶液(Boehringer, West Germany, Cat. #556602)、アルカリホスファターゼ、緩衝液(酵素のないアルカリホスファターゼ溶液に用いたのと同じ緩衝液、3M NaCl、1mM MgCl2、0.1mM ZnCl2、30mMトリエタノールアミン、pH7.6)及びリン酸緩衝液(50mM、pH7.2)を乾燥させたリン脂質フィルムを有するチューブ1〜5に種々の量で加えた。110μlのALP溶液及び890μlのリン酸緩衝液をチューブ1に加えた。110μlのALP緩衝液、及び890μlのリン酸緩衝液をチューブ2に加えた。22μlのALP溶液、88μlのALP緩衝液、及び890μlのリン酸緩衝液をチューブ3に加えた。55μlのALP溶液、55μlのALP緩衝液、及び890μlのリン酸緩衝液をチューブ4に加えた。110μlのALP溶液及び890μlのリン酸緩衝液をチューブ5に加えた。
それらチューブをボルテキシングして、実施例1に記載されるようにインキュベートした。次にそのチューブを洗って組み込まれていないALPを除去した。次に1mlのPBSを各々の調製物に加え、混合し、マイクロフュージ中で遠心して上清を除去した。この洗浄ステップを更に2回くり返し、次にリポソームペレットを500μlのPBS中に再度懸濁した。アルカリホスファターゼがリポソーム試薬に組み込まれ/会合するか否かを決定するために、25μlの各々のリポソーム調製物を50μlの抗ビオチン常磁性粒子と混合し、その反応混合物の容量を洗浄緩衝液で約250μlにし、その混合物を37℃で約30分、インキュベートした。次に結合したリポソーム試薬を実施例2に記載される一連の分離及び洗浄ステップにより結合していない反応構成物から分離した。次にその粒子を250μlのLumiPhos▲R▼530基質と混合し、約5分、インキュベートし、その混合物の発光を、ルミノメーターを用いて測定し、相対ルミノメーターユニット(RLUs)として表した。シグナルの発光はリポソーム内へ又はそれとのALPの会合を示した。
Figure 0003749264
表8に示すように、それら結果は、ALPがリポソーム試薬に会合/インターカレートされ、リポソーム試薬は組み込まれていないALPを除去するために遠心することによる基本的分離の後、リポソームは機能的であることを示した。S/N比はリポソーム調製ステップに用いたALPの最も高い濃度においてなお増加することは、必要に応じてS/N比を増加させるために更なるALPを添加することができることを示す。この例において、S/N比は次のように決定した:〔(リポソーム試薬で得た平均値−チューブ1中の同じ希釈率のリポソーム試薬で得た平均値)/チューブ1の平均値〕。
本発明の特定の実施形態が詳細に記載されているが、これらの実施形態は例であって、限定するものではなく、本発明の本当の範囲は添付の請求の範囲において定義されるものであることが当業者に明らかであろう。

Claims (26)

  1. リポソーム
    被検体に特異的に結合するよう選択され、前記リポソームの膜と会合するリガンド;及び
    前記リポソームの膜と会合するハプテン化構成物
    を含むテストサンプル中被検体を検出するために用いるためのリポソーム試薬であって、前記ハプテンが固相上のレセプターに特異的に結合するように選択され、そして前記リポソームが、アッセイの間に前記リガンド及びハプテン化構成物が前記固相とリガンドとの間の結合を維持するように二重層の一部分と会合し続けているように調製される、前記リポソーム試薬。
  2. 前記リガンドが、タンパク質、ポリペプチド又はペプチドフラグメントを含む請求項1に記載の試薬。
  3. 前記リガンドが、タンパク質に結合することができる抗体フラグメントを含む請求項2に記載の試薬。
  4. 前記リガンドが核酸である請求項1に記載の試薬。
  5. 前記被検体が、患者サンプル中に存在する抗体である請求項1に記載の試薬。
  6. 前記リガンドが、前記リポソームと非共有結合で会合する請求項1に記載の試薬。
  7. 前記リガンドが、前記リポソームと共有結合で会合する請求項1に記載の試薬。
  8. 前記リガンドがRo又はLaである請求項6に記載の試薬。
  9. 前記リガンドがSm又はRNPである請求項6に記載の試薬。
  10. テストサンプル中の被検体の存在又は量を決定するための方法であって、
    請求項1〜9のいずれか1項記載のリポソーム試薬を、テストサンプル及び固定化されたハプテンに対するレセプターを有する固相に、前記サンプル中の被検体が前記リポソーム試薬中のリガンドに結合しそして前記リポソーム試薬が前記固相上のレセプターに結合するのに十分な時間及び条件下で、同時に又は連続的に接触させるステップ;及び
    前記固相に結合した被検体の存在又は量を検出するステップ
    を含む、前記方法。
  11. 前記テストサンプル中の被検体が結合した固相を、前記被検体に特異的に結合するであろう標識された所定量の試薬と接触させ、そして前記標識を検出することにより被検体の量又は存在を決定することを更に含む請求項10に記載の方法。
  12. 前記標識が、酵素、色素、ラジオアイソトープ、安定なフリーラジカル、化学発光化合物、生物発光化合物、蛍光化合物、染料及び酵素基質からなる群から選択されることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 前記標識が酵素であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記標識が、アルカリホスファターゼ及びセイヨウワサビペルオキシダーゼからなる群から選択される酵素であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記固相が、マイクロタイタープレート、ポリスチレンビーズ、磁気粒子、ニトロセルロースストリップ、膜、ラテックス、マイクロパーティクル、並びにポリスチレン及びポリプロピレンを含む炭化水素ポリマー、ガラス、金属及びゲルから調製された粒子からなる群から選択されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  16. 前記固相が懸濁可能な粒子であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記固相が常磁性粒子であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. テストサンプル中で自己免疫決定基に対する抗体の存在又は量を決定するための方法であって、
    リポソームと、該リポソームの膜と会合する前記自己免疫決定基に対する抗体に特異的に結合するよう選択されたリガンドと、前記リポソームの二重層と会合するハプテン化構成物であってアッセイの固相上のレセプターに特異的に結合するよう選択されたハプテン化構成物と、を含むリポソーム試薬を、テストサンプル及び固定化されたハプテンに対する前記レセプターを有する固相と、同時に又は連続的に、前記サンプル中に存在する自己免疫決定基に対する抗体が前記リポソーム試薬中でリガンドに結合し前記リポソーム試薬が前記固相上のレセプターに結合するのに十分な時間及び条件下で接触させるステップ;及び
    前記固相に結合した自己免疫決定基に対する抗体の存在又は量を決定するステップ
    を含む、前記方法。
  19. 前記リガンドがRoであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記リガンドがLaであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  21. 前記リガンドがSm又はRNPである、請求項18に記載の方法。
  22. 前記ハプテン化構成物がハプテン化リン脂質であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  23. 前記ハプテン化されたリン脂質が、カルジオリピン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン及びホスファチジン酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 前記ハプテン化リン脂質がハプテン化ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミンであることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. テストサンプル中に存在する被検体の存在又は量を決定するためのアッセイに用いるためのキットであって、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載のリポソーム試薬;
    ハプテンリセプターを有する固相;及び
    被検体検出のための標識されたディテクター
    を含む、前記キット。
  26. 前記リガンドが、Ro、La、Sm及びRNPからなる群より選ばれる、請求項25に記載のキット。
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