JP3748668B2 - 蒸留方法及び蒸留装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸留方法及び蒸留装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の成分を含有する原液を蒸留して各成分を分離させる蒸留装置においては、複数の蒸留塔を組み合わせるようになっている。例えば、三つの成分A〜Cを含有する原液において、成分Aが成分Bより、該成分Bが成分Cより沸点が低い場合、次のような蒸留装置によって原液が蒸留され、各成分A〜Cが分離させられる。
【0003】
図2は従来の第1の蒸留装置の概念図である。
図において、11は第1の蒸留塔、12は第2の蒸留塔、201、203は蒸発器、202、204は凝縮器である。前記第1の蒸留塔11は、塔頂から塔底に向けて第1セクション211〜第5セクション215から成り、そのうち、第2セクション212及び第4セクション214は図示しない充填物エレメントによって形成される。また、前記第2の蒸留塔12は、塔頂から塔底に向けて第1セクション216〜第5セクション220から成り、そのうち、第2セクション217及び第4セクション219は図示しない充填物エレメントによって形成される。
【0004】
そして、三つの成分A〜Cを含有する原液を蒸留しようとする場合、第1の蒸留塔11の適宜位置、例えば、第3セクション213に原液が供給されると、成分Aに富んだ蒸気が第1の蒸留塔11の塔頂から排出され、凝縮器202によって凝縮され、成分Aに富んだ液体、すなわち、留出液になる。また、該留出液の一部が還流液として第1の蒸留塔11内に還流されるとともに、前記留出液の残りが外部に排出される。
【0005】
一方、成分B、Cに富んだ液体は第1の蒸留塔11の塔底から缶出液として排出される。そして、該缶出液の一部は、蒸発器201によって加熱されて成分B、Cに富んだ蒸気になり、第1の蒸留塔11に循環させられ、前記缶出液の残りは、第2の蒸留塔に供給される。
前記第1の蒸留塔11から排出された缶出液が前記第2の蒸留塔12の第3セクション218に供給されると、成分Bに富んだ蒸気が第2の蒸留塔12の塔頂から排出され、凝縮器204によって凝縮され、成分Bに富んだ液体、すなわち、留出液になる。また、該留出液の一部が還流液として第2の蒸留塔12内に還流されるとともに、前記留出液の残りが外部に排出される。
【0006】
一方、成分Cに富んだ液体は第2の蒸留塔12の塔底から缶出液として排出される。そして、該缶出液の一部は、蒸発器203によって加熱されて成分Cに富んだ蒸気になり、第2の蒸留塔12に循環させられ、前記缶出液の残りは、外部に排出される。
次に、最低共沸混合物を形成する二つの成分A、Bを含有する原液に、抽出剤として成分Cを加え、抽出蒸留によって蒸留して各成分A、Bを分離する蒸留装置について説明する。
【0007】
図3は従来の第2の蒸留装置の概念図である。
図において、11は第1の蒸留塔、12は第2の蒸留塔、301、303は蒸発器、302、304は凝縮器、305は冷却器である。前記第1の蒸留塔11は、塔頂から塔底に向けて第1セクション311〜第7セクション317から成り、そのうち、第2セクション312、第4セクション314及び第6セクション316は図示しない充填物エレメントによって形成される。また、前記第2の蒸留塔12は、塔頂から塔底に向けて第1セクション321〜第5セクション325から成り、そのうち、第2セクション322及び第4セクション324は図示しない充填物エレメントによって形成される。
【0008】
前記最低共沸混合物を形成する二つの成分A、Bを含有する原液に、抽出剤として成分Cを加え、抽出蒸留によって蒸留しようとする場合、第1の蒸留塔11の適宜位置、例えば、第5セクション315に原液が、第5セクション315より上方の第3セクション313に成分Cが供給されると、第1の蒸留塔11内において、成分Bが成分Cの中に抽出され、成分Aから成る蒸気は塔頂から排出されて凝縮器302によって凝縮され、成分Aから成る液体、すなわち、留出液になる。そして、該留出液の一部が還流液として第1の蒸留塔11内に還流されるとともに、前記留出液の残りが外部に排出される。
【0009】
一方、第1の蒸留塔11内の成分B、Cから成る液体は、第1の蒸留塔11の塔底から缶出液として排出される。そして、該缶出液の一部が蒸発器301によって加熱されて成分B、Cから成る蒸気になり、第1の蒸留塔11に循環させられるとともに、前記缶出液の残りが第2の蒸留塔12の第3セクション323に供給される。
【0010】
また、前記第1の蒸留塔11から排出された缶出液が前記第2の蒸留塔12の第3セクション323に供給されると、成分Bから成る蒸気が第2の蒸留塔12の塔頂から排出され、凝縮器304によって凝縮され、成分Bから成る液体、すなわち、留出液になる。そして、該留出液の一部が還流液として第2の蒸留塔12内に還流されるとともに、前記留出液の残りが外部に排出される。
【0011】
一方、成分Cから成る液体は、第2の蒸留塔12の塔底から缶出液として排出される。そして、該缶出液の一部が蒸発器303によって加熱されて成分Cから成る蒸気になり、第2の蒸留塔12に循環させられるとともに、前記缶出液の残りは、冷却器305に送られ適切な温度に冷却された後、再び第1の蒸留塔11の第3セクション313に供給される。
【0012】
なお、最低共沸混合物を形成する二つの成分A、Bとして、アセトン及びメタノールを使用した場合、成分Cとして水が使用される。
次に、成分Aから成る原液に、第1の反応剤、すなわち、縮合触媒として成分Eを加え、第1の反応としての縮合反応を起こさせることによって、生成物として成分Bを生成し、該成分Bに、第2の反応剤、すなわち、中和剤として成分Fを加え、第2の反応としての脱水反応を起こさせることによって、生成物として成分Cを、副生成物として成分D(水)をそれぞれ生成するとともに蒸留して、前記各成分C、Dを分離する蒸留装置について説明する。
【0013】
図4は従来の第3の蒸留装置の概念図である。
図において、11は第1の蒸留塔、12は第2の蒸留塔、401、403は蒸発器、402、404は凝縮器、431は分液槽である。前記第1の蒸留塔11は、塔頂から塔底に向けて第1セクション411〜第8セクション418から成り、そのうち、第3セクション413、第5セクション415及び第7セクション417は図示しない棚段によって形成される。また、前記第2の蒸留塔12は、塔頂から塔底に向けて第1セクション421〜第5セクション425から成り、そのうち、第2セクション422及び第4セクション424は前記棚段によって形成される。
【0014】
この場合、成分Aから成る原液に、第1の反応剤、すなわち、縮合触媒として成分Eを加え、第1の反応としての縮合反応を起こさせることによって、生成物として成分Bが生成される。そして、該成分Bに、第2の反応剤、すなわち、中和剤として成分Fを加え、第2の反応としての脱水反応を起こさせることによって、生成物として成分Cが、副生成物として成分Dがそれぞれ生成されるとともに蒸留される。したがって、各成分C、Dを分離することができる。
【0015】
そのために、第1の蒸留塔11の適宜位置、例えば、第4セクション414に成分Aから成る原液が、第4セクション414より上方の第2セクション412に縮合触媒として成分Eが供給されると、第1の蒸留塔11内において原液に縮合反応が起こされて成分Aが成分Bになるとともに、蒸留が行われ、未反応の成分Aを含有する蒸気が塔頂から排出される。
【0016】
該未反応の成分Aを含有する蒸気は、凝縮器402によって凝縮され、未反応の成分Aを含有する液体、すなわち、留出液になる。そして、該留出液の一部が還流液として第1の蒸留塔11内に還流されるとともに、留出液の残りが第4セクション414に循環させられる。
また、前記第4セクション414より下方の第6セクション416に中和剤として成分Fが供給されると、第1の蒸留塔11内の縮合反応が停止させられ、成分E、Fによって塩、すなわち、成分Gが生成される。該成分Gは、脱水反応の触媒として第1の蒸留塔11の塔底から成分Bと共に缶出液として排出され、第2の蒸留塔12の第3セクション423に供給される。
【0017】
そして、前記第1の蒸留塔11から排出された缶出液が第2の蒸留塔12の第3セクション423に供給されると、前記缶出液に脱水反応が起きて生成物として成分Cが、副生成物として成分Dがそれぞれ生成され、缶出液は成分C、Dに富んだ液体になる。また、第2の蒸留塔12内において蒸留が行われ、成分Cに富んだ蒸気が塔頂から排出され、凝縮器404によって凝縮されて成分Cに富んだ液体、すなわち、留出液になる。このとき、未反応の成分Aを含有する蒸気は、気相の状態(分縮)のまま第1の蒸留塔11の凝縮器402に循環させられる。そして、前記留出液の一部は還流液として第2の蒸留塔12内に還流されるとともに、前記留出液の残りは分液槽431に供給される。
【0018】
さらに、該分液槽431において、前記留出液は成分Cから成る液体と成分Dから成る液体とに分離させられ、成分Cから成る液体及び成分Dから成る液体はそれぞれ外部に排出される。
一方、第2の蒸留塔12内の成分Dに富んだ液体は、成分Gを含有した状態で、塔底から缶出液として排出される。そして、該缶出液の一部は、蒸発器403によって加熱されて成分Cに富んだ蒸気になり、第2の蒸留塔12に循環させられ、前記缶出液の残りは外部に排出される。
【0019】
また、前記分液槽431から排出された成分Cから成る液体及び成分Dから成る液体は、図示しない回収塔において処理され、成分C、Dに富んだ液体にされて分液槽431に供給されるようにしている。
なお、成分Aとしてアセトアルデヒドを使用した場合、成分Aから成る原液に縮合反応を起こさせることによって、生成物として成分B、すなわち、アセトアルドールが生成される。そして、該成分Bに、縮合触媒として成分E、すなわち、苛(か)性ソーダを、中和剤として成分F、すなわち、酢酸をそれぞれ加え、脱水反応を起こさせると、生成物として成分C、すなわち、クロトンアルデヒドが、副生成物として成分D、すなわち、水(H2 O)がそれぞれ生成される。また、成分Gとして酢酸ソーダが生成される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の蒸留装置においては、いずれも第1、第2の蒸留塔11、12が必要になるので、大型化してしまう。また、蒸発器201、203、301、303、401、403、凝縮器202、204、302、304、402、404、図示しないポンプ、計装品等がそれぞれ2系列分必要になるので、蒸留装置の占有面積が大きくなるだけでなく、コストが高くなってしまう。
【0021】
本発明は、前記従来の蒸留装置の問題点を解決して、小型化することができ、占有面積を小さくし、コストを低くすることができる蒸留方法及び蒸留装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の蒸留方法においては、塔頂から下方に延びる第1カラム、上端が塔頂において缶体に取り付けられた中仕切を介して前記第1カラムと隣接させて配設された第2カラム、並びに塔底から上方に延び、前記第1カラム及び第2カラムと連通する第3カラムを備えるとともに、前記第1カラムに原液を供給するためのフィードノズルが配設され、該フィードノズルより上方に濃縮部が、前記フィードノズルより下方に回収部が形成された蒸留装置を使用する。
【0023】
本発明の他の蒸留方法においては、さらに、複数の成分を含有する原液を前記第1カラム内に供給し、塔底から排出された液体を缶出液として外部に排出し、該缶出液の一部を蒸気にして第3カラムに循環させる。
また、前記第1カラム及び第2カラムにおける各塔頂からそれぞれ蒸気を排出し、各蒸気を凝縮して液体にし、該各液体をそれぞれ留出液として外部に排出し、各留出液の一部をそれぞれ前記第1カラム及び第2カラムに還流する。
【0024】
本発明の更に他の蒸留方法においては、さらに、最低共沸混合物を形成する二つの成分を含有する原液を前記第1カラム内に供給し、前記原液の蒸気に抽出剤を加え、最低共沸混合物を形成する二つの成分のうちの一方の揮発度を高くし、前記第1カラム及び第2カラムにおける塔頂から排出された各蒸気をそれぞれ凝縮して液体にし、該各液体を留出液として外部に排出する。
【0025】
また、前記抽出剤に富んだ液体を塔底から缶出液として排出し、該缶出液の一部を蒸気にして第3カラムに、残りを冷却して第1カラムにそれぞれ循環させる。
本発明の更に他の蒸留方法においては、さらに、原液を前記第1カラム内に供給し、該原液に第1の反応剤を加えて第1の反応を起こさせ、該第1の反応の生成物に第2の反応剤を加えて第2の反応を起こさせ、該第2の反応の生成物を塔底から缶出液として排出し、該缶出液の一部を蒸気にして第3カラムに、前記缶出液の一部を第2カラムにそれぞれ循環させる。
【0026】
また、前記第1カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮して液体にし、該液体を留出液として第1カラムに循環させ、前記第2カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮して液体にし、該液体を留出液として分液槽に供給し、前記留出液の一部を前記第2カラムに還流し、前記分液槽において分離させられた各液体を外部に排出する。
【0027】
本発明の蒸留装置においては、塔頂から下方に延びる第1カラムと、上端が塔頂において缶体に取り付けられた中仕切を介して前記第1カラムと隣接させて配設された第2カラムと、塔底から上方に延び、前記第1カラム及び第2カラムと連通する第3カラムとを有する。
そして、前記第1カラムに原液を供給するためのフィードノズルが配設される。また、該フィードノズルより上方に濃縮部が、前記フィードノズルより下方に回収部が形成される。
本発明の他の蒸留装置においては、さらに、前記第1カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮する凝縮器と、前記第2カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮する凝縮器と、前記第3カラムにおける塔底から排出された缶出液を蒸発させる蒸発器とを有する。
【0028】
本発明の更に他の蒸留装置においては、さらに、前記第1カラムと第2カラムとは平板状の中仕切を介して隣接させられる。
本発明の更に他の蒸留装置においては、さらに、前記第1カラムと第2カラムとは円筒状の中仕切を介して隣接させられる。
本発明の更に他の蒸留装置においては、さらに、前記第2カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮する凝縮器から排出された液体を分離させる分液槽を有する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における蒸留装置の概念図である。
図において、21は下方部が一体構造を有し、上方部が分割構造を有する蒸留塔である。該蒸留塔21は、塔頂及び塔底が半球形状を有し、胴部が円筒形状を有する缶体22を備え、該缶体22によって包囲された断面が円形である空間の中央に、缶体22の塔頂から下方部の所定位置に向けて平板状の中仕切23が配設され、該中仕切23によって、断面が半円形であり、それぞれ塔頂から下方に延びる第1カラム71及び第2カラム72が形成される。また、前記缶体22の下方には、塔底から上方に延び、前記第1カラム71及び第2カラム72と連通する第3カラム73が形成される。なお、本実施の形態においては、前記中仕切23は缶体22の中央に配設されるが、必ずしも中央に配設する必要はない。
【0030】
そして、前記第1カラム71は、塔頂から下方に向けて積層させて形成された第1セクション51、第2セクション52、第3セクション53及び第4セクション54から成る。また、前記第2カラム72は、塔頂から下方に向けて積層させて形成された第5セクション61、第6セクション62、第7セクション63及び第8セクション64から成る。さらに、第3カラム73は、第1カラム71及び第2カラム72の下端から塔底に向けて積層させて形成された第9セクション41、第10セクション42及び第11セクション43から成る。
【0031】
前記第2セクション52、第4セクション54、第6セクション62、第8セクション64及び第10セクション42は、いずれも、規則型充填材、不規則型充填材等から成る図示しない充填物エレメントによって形成される。なお、前記第2セクション52、第4セクション54、第6セクション62、第8セクション64及び第10セクション42を棚段によって形成してもよい。
【0032】
前記構成の蒸留塔21においては、複数の成分、例えば、三つの成分A〜Cを含有する原液において、成分Aが成分Bより、該成分Bが成分Cより沸点が低い場合、次のような蒸留方法によって原液が蒸留され、各成分A〜Cが分離させられる。
すなわち、前記第3セクション53に臨ませて前記缶体22にフィードノズル25が配設され、原液は、図示しない供給源からラインL11及びフィードノズル25を介して第3セクション53に供給される。なお、前記フィードノズル25を配設する位置は、原液の成分の性状等によって変更される。
【0033】
そして、前記第1カラム71における第3セクション53より上方に形成された第2セクション52によって濃縮部が、第3セクション53より下方に形成された第4セクション54によって回収部がそれぞれ構成される。また、前記第2カラム72における第5セクション61より下方に形成された第6セクション62及び第8セクション64によって濃縮部が、前記第3カラム73における第9セクション41より下方に形成された第10セクション42によって回収部がそれぞれ構成される。なお、第2カラム72において、第6セクション62、第8セクション64の総段数が多すぎる場合は、第6セクション62、第8セクション64のいずれかを除去することができる。
【0034】
ところで、前記第1カラム71においては、フィードノズル25を介して第3セクション53に供給された原液は、第4セクション54内を下降するが、そのとき、原液と第4セクション54内を上昇する成分Bに富んだ蒸気とが熱交換し、成分Aに富んだ蒸気を発生させる。該成分Aに富んだ蒸気は、前記第2セクション52に送られ、塔頂からラインL12に排出され、凝縮器31によって凝縮され、成分Aに富んだ液体、すなわち、留出液になる。
【0035】
そして、該留出液の一部は、ラインL13、L15を介して第1カラム71の第1セクション51に還流液として還流され、第2セクション52内を上昇する成分Aに富んだ蒸気と熱交換し、下段になるに従って成分Bに富んだ液体になる。
一方、前記留出液の残りはラインL14に排出される。
【0036】
また、第3カラム73においては、成分B、Cに富んだ液体は第10セクション42内を下降し、下段になるに従って成分Cに富んだ液体になり、塔底から成分Cに富んだ液体が缶出液としてラインL20に排出される。
そして、該缶出液の一部は、蒸発器33に送られ、該蒸発器33によって加熱され、成分Cに富んだ蒸気になり、ラインL22を介して第11セクション43に循環させられる。その後、成分Cに富んだ蒸気は、第10セクション42内を上昇する間に成分B、Cに富んだ液体と熱交換する。その結果、成分B、Cに富んだ液体から成分Bに富んだ蒸気が発生させられ、該成分Bに富んだ蒸気は第10セクション42内を上昇し、第9セクション41の上端から第4セクション54と第8セクション64とにほぼ均等に振り分けられる。
【0037】
一方、前記缶出液の残りはラインL21に排出される。
なお、第3カラム73から第4セクション54と第8セクション64とに振り分けられる蒸気の流量比は、前記第1カラム71及び第2カラム72における塔頂の各圧力、並びに第1カラム71及び第2カラム72を流れる液体の流量に基づいて決定され、不要なエネルギーを消費することがないようにしている。
【0038】
そして、第2カラム72において、第8セクション64及び第6セクション62内を上昇する成分Bに富んだ蒸気は、塔頂からラインL16に排出され、凝縮器32によって凝縮され、成分Bに富んだ液体、すなわち、留出液になる。
また、該留出液の一部は、ラインL17、L19を介して第2カラム72の第5セクション61に還流液として還流され、第6セクション62内を上昇する成分Bに富んだ蒸気と熱交換し、下段になるに従って成分Cに富んだ液体になる。
【0039】
一方、前記留出液の残りはラインL18に排出される。
このように、1個の蒸留塔21だけが必要になるので、蒸留装置を小型化することができる。また、蒸発器33、図示しないポンプ、計装品等がそれぞれ1系列分だけあればよいので、蒸留装置の占有面積を小さくすることができるだけでなく、コストを低くすることができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図5は本発明の第2の実施の形態における蒸留装置の概念図である。なお、第1の実施の形態と同じ構造の部分については、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
図において、21は下方部が一体構造を有し、上方部が分割構造を有する蒸留塔である。該蒸留塔21は、塔頂及び塔底が半球形状を有し、胴部が円筒形状を有する缶体22を備え、該缶体22によって包囲された断面が円形である空間の中央に、缶体22の塔頂から下方部の所定位置に向けて円筒状の中仕切28が配設され、該中仕切28の外側に、塔頂から下方に延びる環状の第1カラム77が、前記中仕切28の内側に、塔頂から下方に延びる円柱状の第2カラム78がそれぞれ形成される。また、前記缶体22の下方には、塔底から上方に延び、前記第1カラム77及び第2カラム78と連通する第3カラム73が形成される。なお、本実施の形態においては、前記中仕切28は缶体22と同心状に配設されるが、必ずしも同心状に配設する必要はない。
【0041】
そして、前記第1カラム77は、塔頂から下方に向けて積層させて形成された第1セクション51、第2セクション52、第3セクション53及び第4セクション54から成る。また、前記第2カラム78は、塔頂から下方に向けて積層させて形成された第5セクション61、第6セクション62、第7セクション63及び第8セクション64から成る。さらに、第3カラム73は、第1カラム77及び第2カラム78の下端から塔底に向けて積層させて形成された第9セクション41、第10セクション42及び第11セクション43から成る。
【0042】
次に、最低共沸混合物を形成する二つの成分A、Bを含有する原液に、抽出剤として成分Cを加え、抽出蒸留によって蒸留して各成分A、Bを分離する蒸留装置について説明する。
図6は本発明の第3の実施の形態における蒸留装置の概念図である。
図において、21は下方部が一体構造を有し、上方部が分割構造を有する蒸留塔である。該蒸留塔21は、塔頂及び塔底が半球形状を有し、胴部が円筒形状を有する缶体22を備え、該缶体22によって包囲された断面が円形である空間の中央に、缶体22の塔頂から下方部の所定位置に向けて平板状の中仕切23が配設され、該中仕切23によって、断面が半円形であり、それぞれ塔頂から下方に延びる第1カラム71及び第2カラム72が形成される。また、前記缶体22の下方には、塔底から上方に延び、前記第1カラム71及び第2カラム72と連通する第3カラム73が形成される。なお、本実施の形態においては、前記中仕切23は缶体22の中央に配設されるが、必ずしも中央に配設する必要はない。
【0043】
そして、前記第1カラム71は、塔頂から下方に向けて積層させて形成された第1セクション51、第2セクション52、第3セクション53、第4セクション54、第5セクション55及び第6セクション56から成る。また、前記第2カラム72は、塔頂から下方に向けて積層させて形成された第7セクション61、第8セクション62、第9セクション63、第10セクション64、第11セクション65及び第12セクション66から成る。さらに、第3カラム73は、第1カラム71及び第2カラム72の下端から塔底に向けて積層させて形成された第13セクション41、第14セクション42及び第15セクション43から成る。
【0044】
前記第2セクション52、第4セクション54、第6セクション56、第8セクション62、第10セクション64、第12セクション66及び第14セクション42は、いずれも、規則型充填材、不規則型充填材等から成る図示しない充填物エレメントによって形成される。なお、前記第2セクション52、第4セクション54、第6セクション56、第8セクション62、第10セクション64、第12セクション66及び第14セクション42を棚段によって形成してもよい。
【0045】
この場合、最低共沸混合物を形成する二つの成分A、Bを含有する原液に、抽出剤として成分Cを加え、抽出蒸留によって蒸留して各成分A、Bを分離することができる。
そのために、前記第5セクション55に臨ませて前記缶体22にフィードノズル25が配設され、原液は、図示しない供給源からラインL11及びフィードノズル25を介して第5セクション55に供給される。なお、前記フィードノズル25を配設する位置は、原液の成分の性状等によって変更される。
【0046】
また、前記第3セクション53に臨ませて前記缶体22にフィードノズル26が配設され、成分Cは、図示しない供給源からラインL23及びフィードノズル26を介して第3セクション53に供給される。
そして、第1カラム71においては、第3セクション53の上方に配設された第2セクション52によって溶剤回収部が、第5セクション55の上方に配設された第4セクション54によって濃縮部が、第5セクション55の下方に配設された第6セクション56によって回収部がそれぞれ構成される。また、第2カラム72においては、第8セクション62、第10セクション64及び第12セクション66によって濃縮部が構成される。なお、第2カラム72において、第8セクション62、第10セクション64及び第12セクション66の総段数が多すぎる場合は、第8セクション62、第10セクション64及び第12セクション66のいずれかを除去することができる。さらに、第3カラム73において、第14セクション42によって回収部が構成される。
【0047】
ところで、前述のように、最低共沸混合物を形成する二つの成分A、Bを含有する原液に、抽出剤として成分Cを加え、抽出蒸留によって蒸留して各成分A、Bを分離しようとする場合、成分Cがフィードノズル26を介して第1カラム71の第3セクション53に供給され、第4セクション54内を下降するが、そのとき、第4セクション54内を上昇する成分A、Bに富んだ蒸気と接触し、成分Bの揮発度を低く、かつ、成分Aの揮発度を高くする。その結果、成分Aに富んだ蒸気が第2セクション52内を上昇し、成分B、Cに富んだ液体が第6セクション56内を下降する。
【0048】
そして、第2セクション52内を上昇した成分Aに富んだ蒸気は、塔頂からラインL12に排出され、凝縮器31によって凝縮され、成分Aに富んだ液体、すなわち、留出液になる。
また、該留出液の一部は、ラインL13及びラインL15を介して第1セクション51に還流液として還流され、第2セクション52内を上昇する成分Aに富んだ蒸気と熱交換し、下段になるに従って成分Cに富んだ液体になる。
【0049】
一方、前記留出液の残りはラインL14に排出される。
また、第3カラム73においては、成分B、Cに富んだ液体が下降し、第14セクション42の上部で成分Bに富んだ蒸気を発生させる。そして、成分Cに富んだ液体が第14セクション42内を下降し、塔底から成分Cに富んだ液体が缶出液としてラインL20に排出される。
【0050】
続いて、該缶出液の一部は、蒸発器33に送られ、該蒸発器33によって加熱され、成分Cに富んだ蒸気になり、ラインL22を介して第15セクション43に循環させられる。その後、成分Cに富んだ蒸気は、第14セクション42内を上昇する間に成分B、Cに富んだ液体と熱交換する。その結果、該成分B、Cに富んだ液体から成分Bに富んだ蒸気が発生させられ、成分Bに富んだ蒸気は第14セクション42内を上昇し、第13セクション41の上端から第6セクション56と第12セクション66とにほぼ均等に振り分けられる。
【0051】
一方、前記缶出液の残りはラインL21を介して冷却器35に送られ、適切な温度に冷却された後、ラインL24及びラインL23を介して第3セクション53に循環させられる。
なお、第13セクション41から第6セクション56と第12セクション66とに振り分けられる蒸気の流量比は、前記第1カラム71及び第2カラム72における塔頂の各圧力、並びに第1カラム71及び第2カラム72を流れる液体の流量に基づいて決定され、不要なエネルギーを消費することがないようにしている。
【0052】
そして、第2カラム72においては、成分Bに富んだ蒸気が第12セクション66、第10セクション64及び第8セクション62内を順次上昇し、塔頂からラインL16に排出され、凝縮器32によって凝縮され、成分Bに富んだ液体、すなわち、留出液になる。
また、該留出液の一部は、ラインL17及びラインL19を介して第7セクション61に還流液として還流され、第8セクション62内を上昇する成分Bに富んだ蒸気と熱交換し、下段になるに従って成分Cに富んだ液体になる。
【0053】
一方、前記留出液の残りはラインL18に排出される。
なお、最低共沸混合物を形成する二つの成分A、Bとして、アセトン及びメタノールを使用したとき、成分Cとして水が使用される。
このように、1個の蒸留塔21だけが必要になるので、蒸留装置を小型化することができる。また、蒸発器33、図示しないポンプ、計装品等がそれぞれ1系列分だけあればよいので、蒸留装置の占有面積を小さくすることができるだけでなく、コストを低くすることができる。
【0054】
なお、本実施の形態においては、塔頂から第3カラム73の上端までの空間に平板状の中仕切23が配設され、該中仕切23によって、断面が半円形の第1カラム71及び第2カラム72が形成されるようになっているが、塔頂から第3カラム73の上端までの空間に円筒状の中仕切28(図5)を配設し、該中仕切28によって、環状の第1カラム77及び円柱状の第2カラム78を形成することもできる。
【0055】
次に、成分Aから成る原液に、第1の反応剤、すなわち、縮合触媒として成分Eを加え、第1の反応としての縮合反応を起こさせることによって、生成物として成分Bを生成し、該成分Bに、第2の反応剤、すなわち、中和剤として成分Fを加え、第2の反応としての脱水反応を起こさせることによって、生成物として成分Cを、副生成物として成分D(水)をそれぞれ生成するとともに蒸留して、前記各成分C、Dを分離するようにした本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0056】
図7は本発明の第4の実施の形態における蒸留装置の概念図である。
図において、21は下方部が一体構造を有し、上方部が分割構造を有する蒸留塔である。該蒸留塔21は、塔頂及び塔底が半球形状を有し、胴部が円筒形状を有する缶体22を備え、該缶体22によって包囲された断面が円形である空間の中央に、缶体22の塔頂から下方部の所定位置に向けて平板状の中仕切23が配設され、該中仕切23によって、断面が半円形であり、それぞれ塔頂から下方に延びる第1カラム71及び第2カラム72が形成される。また、前記缶体22の下方には、塔底から上方に延び、前記第1カラム71及び第2カラム72と連通する第3カラム73が形成される。なお、本実施の形態においては、前記中仕切23は缶体22の中央に配設されるが、必ずしも中央に配設する必要はない。
【0057】
そして、前記第1カラム71は、塔頂から下方に向けて積層させて形成された第1セクション51、第2セクション52、第3セクション53、第4セクション54、第5セクション55及び第6セクション56から成る。また、前記第2カラム72は、塔頂から下方に向けて積層させて形成された第7セクション61、第8セクション62、第9セクション63及び第10セクション64から成る。さらに、第3カラム73は、第1カラム71及び第2カラム72の下端から塔底に向けて積層させて形成された第11セクション41、第12セクション42及び第13セクション43から成る。
【0058】
前記第4セクション54、第6セクション56、第8セクション62、第10セクション64及び第12セクション42は、いずれも、図示しない棚段によって形成される。なお、前記第4セクション54、第6セクション56、第8セクション62、第10セクション64及び第12セクション42を図示しない充填物エレメントによって形成してもよい。
【0059】
この場合、成分Aから成る原液に、第1の反応剤、すなわち、縮合触媒として成分Eを加え、第1の反応としての縮合反応を起こさせることによって、生成物として成分Bが生成される。そして、該成分Bに、第2の反応剤、すなわち、中和剤として成分Fを加え、第2の反応としての脱水反応を起こさせることによって、生成物として成分Cが、副生成物として成分Dがそれぞれ生成されるとともに蒸留される。したがって、各成分C、Dを分離することができる。
【0060】
そのために、前記第5セクション55に臨ませて前記缶体22にフィードノズル25が配設され、原液は、図示しない供給源からラインL11及びフィードノズル25を介して第5セクション55に供給される。なお、前記フィードノズル25を配設する位置は、原液の成分の性状等によって変更される。
また、前記第3セクション53に臨ませて前記缶体22にフィードノズル26が配設され、成分Eは、図示しない供給源からラインL23及びフィードノズル26を介して第3セクション53に供給される。
【0061】
さらに、前記第11セクション41に臨ませて前記缶体22にフィードノズル27が配設され、成分Fは、図示しない供給源からラインL24及びフィードノズル27を介して第11セクション41に供給される。
そして、第1カラム71においては、第5セクション55より上方の第4セクション54、及び第5セクション55より下方の第6セクション56によって縮合反応部が構成される。また、第3カラム73においては第12セクション42によって、第2カラム72においては第8セクション62及び第10セクション64によってそれぞれ脱水反応部が構成される。
【0062】
ところで、前述したように、成分Aから成る原液に、第1の反応剤、すなわち、縮合触媒として成分Eを加え、第1の反応としての縮合反応を起こさせることによって、生成物として成分Bを生成し、該成分Bに、第2の反応剤、すなわち、中和剤として成分Fを加え、第2の反応としての脱水反応を起こさせることによって、生成物として成分Cを、副生成物として成分Dをそれぞれ生成するとともに蒸留して、前記各成分C、Dを分離する場合、第3セクション53に供給された成分Eが第1カラム71の第4セクション54内を下降し、第4セクション54内を上昇する成分Aに富んだ蒸気と接触する。その結果、成分Eによって成分Aに縮合反応が起こり、成分Bが生成され、該成分Bが液体になる。
【0063】
また、未反応の成分Aは蒸気の状態で前記第2セクション52内を上昇し、塔頂からラインL12に排出され、凝縮器31によって凝縮され、成分Aに富んだ液体、すなわち、留出液になる。
そして、該留出液の一部は、ラインL13及びラインL15を介して第1セクション51に還流液として還流され、第2セクション52内を上昇する成分Aに富んだ蒸気と熱交換し、下段になるに従って成分Bに富んだ液体になる。
【0064】
一方、前記留出液の残りはラインL14及びラインL11を介して第5セクション55に循環させられる。
そして、前記第6セクション56においては、成分Aの縮合反応が更に進み、成分Bに富んだ液体が下降する。
また、第3カラム73においては、第11セクション41に供給された成分Fが、第12セクション42内を下降し、前記成分Eと反応して塩、すなわち、成分Gが生成される。該成分Gは、脱水反応触媒として作用し、成分Aの縮合反応を停止させるとともに、成分Bに脱水反応を起こし、生成物として成分Cを、副生成物として成分Dをそれぞれ生成する。したがって、第13セクション43内を、第12セクション42から下降してきた成分B、C、Dに富んだ液体、及び成分Gが下降し、成分C、Dに富んだ蒸気を発生させる。
【0065】
一方、塔底から成分Gを含有する成分Dに富んだ液体がラインL20に缶出液として排出される。
そして、該缶出液の一部は、蒸発器33に送られ、該蒸発器33によって加熱され、成分Dに富んだ蒸気になり、ラインL22を介して第13セクション43に循環させられる。その後、成分Dに富んだ蒸気は、第12セクション42内を上昇する間に成分Gを含有する成分B、C、Dに富んだ液体と熱交換する。その結果、成分Gを含有する成分B、C、Dに富んだ液体から成分C、Dに富んだ蒸気が発生させられ、該成分C、Dに富んだ蒸気は第12セクション42内を上昇し、第11セクション41の上端から第6セクション56と第10セクション64とにほぼ均等に振り分けられる。
【0066】
一方、前記缶出液の更に一部は、ラインL21及びラインL28を介して第9セクション63に循環させられ、前記缶出液の残りは、ラインL27に排出される。
なお、第3カラム73から第6セクション56と第10セクション64とに振り分けられる蒸気の流量比は、前記第1カラム71及び第2カラム72における塔頂の各圧力、並びに第1カラム71及び第2カラム72を流れる液体の流量に基づいて決定され、不要なエネルギーを消費することがないようにしている。
【0067】
また、第2カラム72においては、第10セクション64内を成分C、Dに富んだ蒸気が上昇し、第9セクション63において、成分C、Dに富んだ蒸気と、ラインL28を介して循環させられた缶出液に含有される成分Gとが接触する。このとき、前記成分C、Dに富んだ蒸気内に残留している成分Bに脱水反応が起こされ、成分C、Dが生成される。
【0068】
その結果、成分C、Dに富んだ蒸気において成分C、Dが濃縮され、成分C、Dに富んだ蒸気は第8セクション62内を上昇し、塔頂からラインL16に排出され、凝縮器32によって凝縮され、成分C、Dに富んだ液体、すなわち、留出液になる。このとき、脱水反応の際に同伴された未反応成分Aは、気相の状態(分縮)のままラインL29を介して凝縮器31に循環させられる。
【0069】
そして、前記留出液の一部は、ラインL17及びラインL19を介して第7セクション61に還流液として還流され、第8セクション62内を上昇する成分C、Dに富んだ蒸気と熱交換し、下段になるに従って成分Dに富んだ液体になる。
一方、前記留出液の残りはラインL17及びラインL18を介して分液槽34に排出され、該分液槽34において、成分Cに富んだ液体と成分Dに富んだ液体とに分離させられ、成分Dに富んだ液体はラインL25に、成分Cに富んだ液体はラインL26にそれぞれ排出される。
【0070】
また、ラインL25に排出された成分Dに富んだ液体には、成分Cが含有される。そこで、成分Dに富んだ液体をラインL25に排出した後、図示しない回収塔において処理し、成分C、Dに富んだ液体にしてラインL30及びラインL18を介して分液槽34に供給するようにしている。
なお、成分Aとしてアセトアルデヒドを使用した場合、成分Aから成る原液に、縮合触媒として成分E、すなわち、苛性ソーダを加え、縮合反応を起こさせることによって、生成物として成分B、すなわち、アセトアルドールが生成される。そして、該成分Bに、中和剤として成分F、すなわち、酢酸を加え、脱水反応を起こさせると、生成物として成分C、すなわち、クロトンアルデヒドが、副生成物として成分D、すなわち、水(H2 O)がそれぞれ生成される。また、成分Gとして酢酸ソーダが生成される。
【0071】
このように、1個の蒸留塔21だけが必要になるので、蒸留装置を小型化することができる。また、蒸発器33、図示しないポンプ、計装品等がそれぞれ1系列分だけあればよいので、蒸留装置の占有面積を小さくすることができるだけでなく、コストを低くすることができる。
なお、本実施の形態においては、塔頂から第3カラム73の上端までの空間に平板状の中仕切23が配設され、該中仕切23によって、断面が半円形の第1カラム71及び第2カラム72が形成されるようになっているが、塔頂から第3カラム73の上端までの空間に円筒状の中仕切28(図5)を配設し、該中仕切28によって、環状の第1カラム77及び円柱状の第2カラム78を形成することもできる。
【0072】
次に、シミュレーションによる蒸留計算を行った結果を示す。実際のプラントの運転結果とシミュレーションによる蒸留計算の結果とが一致する実績は多く、例えば、「ASPENPLUS」(「ASPEN TEC」社製)等の市販のプロセスシミュレータを使用することができる。
また、ここで使用する化学成分の略号は以下のとおりである。
【0073】
MeOH メタノール
EtOH エタノール
PrOH 1−プロパノール
ACT アセトン
H2 O 水
AcH アセトアルデヒド
Aldol アセトアルドール
CrHO クロトンアルデヒド
NaOH 苛性ソーダ
HAc 酢酸
NaOAc 酢酸ソーダ
シミュレーション(1)
図1に示す蒸留塔21において、MeOH、EtOH及びPrOHの三つの成分を等量ずつ含有する原液を連続的に蒸留した。
【0074】
まず、30〔℃〕の原液を999〔kg/hr〕の速度で第3セクション53に供給すると、留出液としてMeOHに富んだ液体がラインL14に、留出液としてEtOHに富んだ液体がラインL18に、缶出液としてPrOHに富んだ液体がラインL21にそれぞれ排出された。
そして、MeOHに富んだ液体及びEtOHに富んだ液体の一部は、いずれも3330〔kg/hr〕の速度で還流液として還流され、MeOHに富んだ液体及びEtOHに富んだ液体の残りは、いずれも、333〔kg/hr〕の速度で留出液として外部に排出された。
【0075】
また、前記塔頂の圧力を、還流液の還流比が10(還流量を10としたとき、残りの量が1)になるように調整し、第1カラム71側の塔頂の圧力を常圧の760〔Torr〕にし、第2カラム72側の塔頂の圧力を765〔Torr〕にした。このようにすると、蒸発器33に供給される熱量を、次の比較例(1)における第1の蒸留塔11(図2参照)及び第2の蒸留塔12に供給される各熱量の和と等しくすることができた。
【0076】
図1の蒸留装置による蒸留結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
なお、前記蒸留塔21の塔径を1.2〔m〕とし、中仕切23は缶体22によって包囲された空間を二等分するように配設した。また、第10セクション42の理論段数は10段相当であり、第2セクション52、第4セクション54、第6セクション62及び第8セクション64の各理論段数は15段相当である。
このように、蒸留塔21において原液を三つの成分に分離させることができ、次に示す比較例(1)と比較しても分離性能に問題はなかった。
【0079】
比較例(1)
図2に示す従来の蒸留装置を使用して、シミュレーション(1)と同様の組成及び流量の原液を蒸留した。その結果、第1の蒸留塔11の塔頂からMeOHに富んだ液体が留出液として排出された。また、第1の蒸留塔11の塔頂における留出液の還流比は10(還流量を10としたとき、残りの量が1)である。
【0080】
そして、第1の蒸留塔11の缶出液は第2の蒸留塔12に供給され、凝縮器204からEtOHに富んだ液体が留出液として排出され、第2の蒸留塔12の塔底からPrOHに富んだ液体が缶出液として排出された。また、第2の蒸留塔12の塔頂における留出液の還流比も10である。第2セクション212、第4セクション214、第2セクション217及び第4セクション219の各理論段数は、いずれも15段相当である。なお、第1の蒸留塔11及び第2の蒸留塔12の各塔径をいずれも0.85〔m〕とした。
【0081】
図2の従来の蒸留装置による蒸留結果を表2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】
シミュレーション(2)
図6に示す蒸留塔21において、最低共沸混合物を形成するACT及びMeOHを含有する原液を、抽出剤としてH2 Oを使用し、抽出蒸留によって蒸留した。この場合、蒸留塔21はシミュレーション(1)と同様の塔径及び理論段数を有する。
【0084】
まず、ACT及びMeOHをそれぞれ50〔wt%〕含有する30〔℃〕の原液を、1000〔kg/hr〕の速度で第5セクション55に供給した。塔底においてH2 Oが濃縮し、ラインL21に排出されたH2 Oを冷却器35によって冷却した後、ラインL24及びラインL23を介して第3セクション53に補給水として補給した。
【0085】
その結果、ACTに富んだ液体はラインL14に、MeOHに富んだ液体はラインL18に、いずれも500〔kg/hr〕程度の速度で留出液として排出された。各留出液の還流比はいずれも10である。
図6の蒸留塔21による蒸留結果を表3に示す。
【0086】
【表3】
【0087】
このように、蒸留塔21において最低共沸混合物を形成する二つの成分を含有する原液を抽出蒸留して二つの成分を分離させることができ、次に示す比較例(2)と比較しても分離性能に問題はなかった。
比較例(2)
図3に示す従来の蒸留装置を使用して、シミュレーション(2)と同様の組成及び流量の原液を蒸留した。その結果、第1の蒸留塔11の塔頂からACTが、第2の蒸留塔12の塔頂からMeOHがそれぞれ排出された。
【0088】
第1の蒸留塔11及び第2の蒸留塔12の塔頂における還流比はいずれも10である。また、第2セクション312、第4セクション314、第6セクション316、第2セクション322及び第4セクション324の各理論段数は15段相当であり、第1の蒸留塔11の総段数は45段相当、第2の蒸留塔12の総段数は30段相当である。なお、第1の蒸留塔11及び第2の蒸留塔12の各塔径をいずれも0.85〔m〕とした。
【0089】
図3の従来の蒸留装置による蒸留結果を表4に示す。
【0090】
【表4】
【0091】
シミュレーション(3)
図7に示す蒸留装置において、2分子のAcHにアルドール縮合の縮合反応を起こさせてAldolを生成し、該Aldolに脱水反応を起こさせてCrHO及びH2 Oを生成し、CrHO及びH2 Oを蒸留して分離させた。
この場合、AcHから成る原液を1000〔kg/hr〕の速度で第5セクション55に、縮合触媒として25〔%〕のNaOH水溶液を8〔kg/hr〕の速度で第3セクション53に、中和剤としてHAcを3〔kg/hr〕の速度で第9セクション41にそれぞれ供給した。
【0092】
その結果、NaOAcを含有するH2 Oに富んだ液体の一部を、100〔kg/hr〕の速度で缶出液としてラインL27に排出し、NaOAcを含有するH2 Oに富んだ液体の残り一部を、脱水反応触媒として100〔kg/hr〕の速度で第9セクション63に循環させた。そして、未反応のAcHを第1カラム71における塔頂から排出し、凝縮器32から凝縮されないまま循環させられたAcHと共に凝縮させて留出液とした。また、該留出液の一部を50〔kg/hr〕の速度で還流液としてラインL15に還流し、留出液の残りを1500〔kg/hr〕の速度で第5セクション55に循環させた。この場合、缶体22内におけるAcHの反応率は約40〔%〕になった。
【0093】
一方、CrHO及びH2 Oに富んだ液体を、第2カラム72における塔頂から留出液として1000〔kg/hr〕の速度で排出し、分液槽34においてCrHOに富んだ液体とH2 Oに富んだ液体とを分離させ、CrHOに富んだ液体(軽液)を874.0〔kg/hr〕の速度でラインL26に、H2 Oに富んだ液体(重液)を136.5〔kg/hr〕の速度でラインL25にそれぞれ排出した。
【0094】
そして、ラインL25に排出されたH2 Oに富んだ液体から回収されたCrHOを100.4〔kg/hr〕の速度でラインL30を介して分液槽34に循環させた。
また、第4セクション54、第6セクション56、第8セクション62、第10セクション64及び第12セクション42の各理論段数は15段相当であり、第1カラム71の総段数は45段相当、第2カラム72の総段数は30段相当である。
【0095】
図7の蒸留塔21による蒸留結果を表5に示す。
【0096】
【表5】
【0097】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0098】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、蒸留方法においては、塔頂から下方に延びる第1カラム、上端が塔頂において缶体に取り付けられた中仕切を介して前記第1カラムと隣接させて配設された第2カラム、並びに塔底から上方に延び、前記第1カラム及び第2カラムと連通する第3カラムを備えるとともに、前記第1カラムに原液を供給するためのフィードノズルが配設され、該フィードノズルより上方に濃縮部が、前記フィードノズルより下方に回収部が形成された蒸留装置を使用する。
【0099】
この場合、複数の成分を含有する原液を前記第1カラム内に供給すると、塔頂において二つの留出液を、塔底において缶出液をそれぞれ得ることができる。
したがって、前記原液を蒸留するために1個の蒸留塔だけが必要になるので、蒸留装置を小型化することができる。
本発明の他の蒸留方法においては、さらに、複数の成分を含有する原液を前記第1カラム内に供給し、塔底から排出された液体を缶出液として外部に排出し、該缶出液の一部を蒸気にして第3カラムに循環させる。
【0100】
また、前記第1カラム及び第2カラムにおける各塔頂からそれぞれ蒸気を排出し、各蒸気を凝縮して液体にし、該各液体をそれぞれ留出液として外部に排出し、各留出液の一部をそれぞれ前記第1カラム及び第2カラムに還流する。
この場合、複数の成分を含有する原液を前記第1カラム内に供給すると、塔頂において二つの留出液を、塔底において缶出液をそれぞれ得ることができる。
【0101】
したがって、前記原液を蒸留するために1個の蒸留塔だけが必要になるので、蒸留装置を小型化することができる。
また、蒸発器、図示しないポンプ、計装品等がそれぞれ1系列分だけあればよいので、蒸留装置の占有面積を小さくすることができるだけでなく、コストを低くすることができる。
【0102】
本発明の更に他の蒸留方法においては、さらに、最低共沸混合物を形成する二つの成分を含有する原液を前記第1カラム内に供給し、前記原液の蒸気に抽出剤を加え、最低共沸混合物を形成する二つの成分のうちの一方の揮発度を高くし、前記第1カラム及び第2カラムにおける塔頂から排出された各蒸気をそれぞれ凝縮して液体にし、該各液体を留出液として外部に排出する。
【0103】
また、前記抽出剤に富んだ液体を塔底から缶出液として排出し、該缶出液の一部を蒸気にして第3カラムに、残りを冷却して第1カラムにそれぞれ循環させる。
この場合、最低共沸混合物を形成する二つの成分を含有する原液を前記第1カラム内に供給すると、第1カラム及び第2カラムの各塔頂において二つの留出液をそれぞれ得ることができる。
【0104】
したがって、前記原液を抽出蒸留によって蒸留するために1個の蒸留塔だけが必要になるので、蒸留装置を小型化することができる。
また、蒸発器、図示しないポンプ、計装品等がそれぞれ1系列分だけあればよいので、蒸留装置の占有面積を小さくすることができるだけでなく、コストを低くすることができる。
【0105】
本発明の更に他の蒸留方法においては、さらに、原液を前記第1カラム内に供給し、該原液に第1の反応剤を加えて第1の反応を起こさせ、該第1の反応の生成物に第2の反応剤を加えて第2の反応を起こさせ、該第2の反応の生成物を塔底から缶出液として排出し、該缶出液の一部を蒸気にして第3カラムに、缶出液の一部を第2カラムにそれぞれ循環させる。
【0106】
また、前記第1カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮して液体にし、該液体を留出液として第1カラムに循環させ、前記第2カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮して液体にし、該液体を留出液として分液槽に供給し、前記留出液の一部を第2カラムに還流し、前記分液槽において分離させられた各液体を外部に排出する。
【0107】
この場合、原液を前記第1カラム内に供給すると、前記原液に第1の反応を起こさせることができ、該第1の反応の生成物に第2の反応を起こさせることができる。そして、該第2の反応の生成物を第2カラムにおける塔頂から留出液として排出し、該留出液を分液槽に供給し、該分液槽において分離させられた各液体を外部に排出する。
【0108】
したがって、前記原液に反応を起こさせて蒸留を行うために1個の蒸留塔だけが必要になるので、蒸留装置を小型化することができる。
また、蒸発器、図示しないポンプ、計装品等がそれぞれ1系列分だけあればよいので、蒸留装置の占有面積を小さくすることができるだけでなく、コストを低くすることができる。
【0109】
本発明の蒸留装置においては、塔頂から下方に延びる第1カラムと、上端が塔頂において缶体に取り付けられた中仕切を介して前記第1カラムと隣接させて配設された第2カラムと、塔底から上方に延び、前記第1カラム及び第2カラムと連通する第3カラムとを有する。
そして、前記第1カラムに原液を供給するためのフィードノズルが配設される。また、該フィードノズルより上方に濃縮部が、前記フィードノズルより下方に回収部が形成される。
この場合、複数の成分を含有する原液を前記第1カラム内に供給し、第1カラム及び第2カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮器によってそれぞれ凝縮して液体にすると、該各液体を留出液として得ることができる。
【0110】
そして、該各留出液の一部を前記第1カラム及び第2カラムにそれぞれ還流すると、前記第3カラムにおける塔底から液体を缶出液として得ることができる。
したがって、前記原液を蒸留するために1個の蒸留塔だけが必要になるので、蒸留装置を小型化することができる。
本発明の他の蒸留装置においては、さらに、前記第1カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮する凝縮器と、前記第2カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮する凝縮器と、前記第3カラムにおける塔底から排出された缶出液を蒸発させる蒸発器とを有する。
【0111】
この場合、複数の成分を含有する原液を前記第1カラム内に供給し、第1カラム及び第2カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮器によってそれぞれ凝縮して液体にすると、該各液体を留出液として得ることができる。
そして、該各留出液の一部を前記第1カラム及び第2カラムにそれぞれ還流すると、前記第3カラムにおける塔底から液体を缶出液として得ることができる。
【0112】
したがって、前記原液を蒸留するために1個の蒸留塔だけが必要になるので、蒸留装置を小型化することができる。
また、蒸発器、図示しないポンプ、計装品等がそれぞれ1系列分だけあればよいので、蒸留装置の占有面積を小さくすることができるだけでなく、コストを低くすることができる。
【0113】
本発明の更に他の蒸留装置においては、さらに、前記第2カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮する凝縮器から排出された液体を分離させる分液槽を有する。
この場合、原液を前記第1カラム内に供給し、第1カラム及び第2カラムにおける塔頂からそれぞれ排出された各蒸気を凝縮して液体にし、該液体を留出液として排出するとともに、前記第2カラム側に排出された留出液を分液槽に供給する。
【0114】
そして、該分液槽において二つの成分を分離させることができる。
したがって、前記原液を蒸留するために1個の蒸留塔だけが必要になるので、蒸留装置を小型化することができる。
また、蒸発器、図示しないポンプ、計装品等がそれぞれ1系列分だけあればよいので、蒸留装置の占有面積を小さくすることができるだけでなく、コストを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における蒸留装置の概念図である。
【図2】従来の第1の蒸留装置の概念図である。
【図3】従来の第2の蒸留装置の概念図である。
【図4】従来の第3の蒸留装置の概念図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における蒸留装置の概念図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における蒸留装置の概念図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態における蒸留装置の概念図である。
【符号の説明】
21 蒸留塔
23、28 中仕切
31、32 凝縮器
33 蒸発器
34 分液槽
71、77 第1カラム
72、78 第2カラム
73 第3カラム
Claims (9)
- 塔頂から下方に延びる第1カラム、上端が塔頂において缶体に取り付けられた中仕切を介して前記第1カラムと隣接させて配設された第2カラム、並びに塔底から上方に延び、前記第1カラム及び第2カラムと連通する第3カラムを備えるとともに、前記第1カラムに原液を供給するためのフィードノズルが配設され、該フィードノズルより上方に濃縮部が、前記フィードノズルより下方に回収部が形成された蒸留装置を使用することを特徴とする蒸留方法。
- (a)複数の成分を含有する原液を前記第1カラム内に供給し、
(b)塔底から排出された液体を缶出液として外部に排出し、
(c)該缶出液の一部を蒸気にして第3カラムに循環させ、
(d)前記第1カラム及び第2カラムにおける各塔頂からそれぞれ蒸気を排出し、各蒸気を凝縮して液体にし、該各液体をそれぞれ留出液として外部に排出し、
(e)各留出液の一部をそれぞれ前記第1カラム及び第2カラムに還流する請求項1に記載の蒸留方法。 - (a)最低共沸混合物を形成する二つの成分を含有する原液を前記第1カラム内に供給し、
(b)前記原液の蒸気に抽出剤を加え、最低共沸混合物を形成する二つの成分のうちの一方の揮発度を高くし、
(c)前記第1カラム及び第2カラムにおける塔頂から排出された各蒸気をそれぞれ凝縮して液体にし、該各液体を留出液として外部に排出し、
(d)前記抽出剤に富んだ液体を塔底から缶出液として排出し、
(e)該缶出液の一部を蒸気にして第3カラムに、残りを冷却して第1カラムにそれぞれ循環させる請求項1に記載の蒸留方法。 - (a)原液を前記第1カラム内に供給し、
(b)該原液に第1の反応剤を加えて第1の反応を起こさせ、
(c)該第1の反応の生成物に第2の反応剤を加えて第2の反応を起こさせ、
(d)該第2の反応の生成物を塔底から缶出液として排出し、
(e)該缶出液の一部を蒸気にして第3カラムに、缶出液の一部を第2カラムにそれぞれ循環させ、
(f)前記第1カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮して液体にし、該液体を留出液として第1カラムに循環させ、
(g)前記第2カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮して液体にし、該液体を留出液として分液槽に供給し、
(h)前記留出液の一部を前記第2カラムに還流し、
(i)前記分液槽において分離させられた各液体を外部に排出する請求項1に記載の蒸留方法。 - (a)塔頂から下方に延びる第1カラムと、
(b)上端が塔頂において缶体に取り付けられた中仕切を介して前記第1カラムと隣接させて配設された第2カラムと、
(c)塔底から上方に延び、前記第1カラム及び第2カラムと連通する第3カラムとを有するとともに、
(d)前記第1カラムに原液を供給するためのフィードノズルが配設され、
(e)該フィードノズルより上方に濃縮部が、前記フィードノズルより下方に回収部が形成されることを特徴とする蒸留装置。 - (a)前記第1カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮する凝縮器と、
(b)前記第2カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮する凝縮器と、
(c)前記第3カラムにおける塔底から排出された缶出液を蒸発させる蒸発器とを有する請求項5に記載の蒸留装置。 - 前記第1カラムと第2カラムとは平板状の中仕切を介して隣接させられる請求項5又は6に記載の蒸留装置。
- 前記第1カラムと第2カラムとは円筒状の中仕切を介して隣接させられる請求項5又は6に記載の蒸留装置。
- 前記第2カラムにおける塔頂から排出された蒸気を凝縮する凝縮器から排出された液体を分離させる分液槽を有する請求項5又は6に記載の蒸留装置。
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