JP3748654B2 - 分布帰還形半導体レーザ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信、光応用計測、ホログラム等の光源として用いられる分布帰還形半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
分布帰還形半導体レーザは、従来の劈開面反射構造のファブリペロー型レーザと異なり、光導波路の共振器長方向に回折格子を成す周期的な凹凸部を設け、これら回折格子によるBragg散乱を利用して光のフィードバックを行うレーザ発振素子(装置)である。発振波長は、これら回折格子の波長選択性により単一の縦モードに安定に固定することができる。従って、より高いコヒーレンシーが求められる動的単一モード動作において有用である。この分布帰還形半導体レーザは、光通信、光応用計測、ホログラム等の種々の分野に応用されることが有望視されているが、近年では、石英系光ファイバの分散のある波長帯域での長距離無中継通信を実現するために、InGaAsP/InP系の半導体レーザにこの分布帰還形構造を採用している。
【0003】
分布帰還形半導体レーザでは、上述したBragg散乱を生じさせるために、微細な回折格子を形成する必要がある。従来は、活性層(光導波路を兼ねる)内に周期構造を形成した構造の分布帰還形半導体レーザが案出されているが、この構造では、活性層にダメージを与え内部量子効率が減少する等の問題がある。このため、活性層内に回折格子を形成するのではなく、活性層の上部に形成されたクラッド層に回折格子を形成して、活性層における共振器長手方向の実効屈折率を周期的に変化させることによって回折格子を形成した構造の分布帰還形レーザが案出されている。例えば、同出願人により特開平8−167759号公報に開示された技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報に開示された分布帰還形レーザに形成される回折格子は、深さが0.5〜1μm程度、幅が0.1μm程度の平面長方形状の複数の凹部を共振器長手方向に多数形成して実現される。
分布型半導体レーザの発光効率を向上させるためには、上記回折格子を活性層の近傍に形成しなければならない。なぜならば、回折格子が活性層に近いほど共振器長手方向の屈折率分布の差が大きくなり、活性層中を伝搬する前進波と後進波との結合係数が大きくなるためである。つまり、必然的に上記凹部の形状を高アスペクト比(凹部の高さと幅との比)を有するよう形成する必要がある。
【0005】
回折格子は塩素系又はメタン系の反応成ガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching)等のドライエッチング又は組成がHCl:CH3COOH=1:4であるエッチング溶液を用いたウェットエッチングによって形成される。通常、ドライエッチングは加工箇所に対するダメージが大きいため、加工する箇所への加工変質ダメージが低いウェットエッチングによって回折格子が形成される。
【0006】
しかしながら、ウェットエッチングでは、使用する基板材料やエッチング溶液の種類によって基板が異方的にエッチングされる。つまり、基板材料にあわせて適切なエッチング溶液を選択しないと凹部の断面形状が台形状に又は逆台形状に形成されてしまう。凹部の形状が台形状に又は逆台形状に形成されたものがあると、回折格子による結合係数のばらつきが生ずる。尚、ここでいう結合係数は、前述した結合係数と同じ意味であり、活性層中を伝搬する前進波と後進波とが回折格子によって結合される割合の程度を示すものである。
【0007】
図8は回折格子の形状と結合係数との関係を示す説明図である。図8(a)に示されたように、凹部20の幅をB、凸部21の幅をAとすると、図8(b)に示されたように幅Aと幅Bとの比を変化させると結合係数が変化する。尚、図8(b)は横軸を幅Aと幅Bとの比に設定し、縦軸をA:B=1:1としたときの結合係数を基準として規格化した結合係数に設定している。
【0008】
図8(b)に示されたように、凹部20の幅Bと凸部21の幅Aとが等しい場合に結合係数が最大となり、幅Bに対する幅Aの値が小さくなるにつれ結合係数が小さくなる。
上記結合係数が大きいと、活性層内を伝搬する前進波と後進波との結合が大きくなって共振器内に単位時間に蓄えられる光パワーが増加するため、レーザ発振に必要な閾電流の値が小さくなるため、低電力化には、結合係数が大きいほうが好ましい。
【0009】
ところで、回折格子の形状が変化すると結合係数が変化し、その結果、活性層中で帰還される光パワーが変化するためにレーザ発振閾値が変化する問題があった。つまり、各分布帰還形半導体レーザに形成される回折格子の形状を正確に制御できないと、個々の分布帰還形半導体レーザ毎に閾電流の値が変化してしまい、発振特性が一定な分布帰還形半導体レーザを作成できないという問題があった。
さらに、凸部21が逆台形状となった場合、凹部20の底部の幅が広くなって凸部21の底部の幅が狭くなるため、形成された凸部21が倒れやすくなって回折格子が壊れやくすなり、その結果として製造歩留まりが低下するという問題があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、レーザ発振の閾電流値を一定とする形状であって、かつ壊れにくい回折格子が形成された分布帰還形半導体レーザを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、半導体基板上に、第1のクラッド層と、活性層と、第2のクラッド層と、コンタクト層と、電流通路を成すストライプ溝を有する電流ストップ層と、電極層とを順次積層し、前記電極層から前記第2のクラッド層にわたって断面が台形状である複数の凹部をそれぞれ一定間隔あけて前記ストライプ溝方向に並設した分布帰還形半導体レーザであって、前記凹部を成す第2のクラッド層における凹部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl1に対する隣合う前記凹部の間に位置する凸部を成す第2のクラッド層における凸部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3の割合が0.7以上、2以下であり、前記第2のクラッド層における前記凸部部分の底面部での前記ストライプ溝方向幅の長さl3に対する該凸部部分の頂部での前記ストライプ溝方向幅の長さl4の割合が1を越えて2.2以下であり、前記第2のクラッド層における前記凹部部分の底面部での前記ストライプ溝方向幅の長さl1に対する該凹部部分開口端での前記ストライプ溝方向幅の長さl2の割合が0.5以上、1未満であることを特徴とする。
本発明は前記凹部部分開口端での前記ストライプ溝方向幅の長さl2に対する凸部部分の頂部での前記ストライプ溝方向幅の長さl4の割合が1〜7の範囲であることを特徴とする。
本発明は、前記クラッド層を構成する材料がInPであり、前記溝部長手方向と[110]方向のなす角が±1.5度以内で0を除く値とされたことを特徴とする。
本発明は、前記凹部を成す第2のクラッド層における凹部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl1と、前記第2のクラッド層における前記凸部部分の底面部での前記ストライプ溝方向幅の長さl3との割合を1とした場合に、第2のクラッド層における凹部の深さが0.1〜0.5μmの範囲であり、前記凹部部分開口端での前記ストライプ溝方向幅の長さl2に対する凸部部分の頂部での前記ストライプ溝方向幅の長さl4の割合が1を越えて7以下の範囲であることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、凹部の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl1に対して、隣合う凹部の間に位置する凸部の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3の割合を0.7以上、2以下とし、凸部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3に対する凸部部分の頂部でのストライプ溝方向幅の長さl4の割合を1を越えて2.2以下の範囲とし、長さl1に対する第2のクラッド層の頂部における凹部のストライプ溝方向幅の長さl2の割合は0.5以上、1未満の範囲としたので、活性層内を伝搬する前進波と後進波との結合係数を低下させることがなく、かつレーザ発振の閾電流値が一定なレーザを提供することができるという効果がある。
また、本発明によれば、壊れにくい回折格子を有する半導体レーザを提供することができるという効果がある。従って、製造プロセスにおいて、容易に回折格子が壊れることがないため、製造歩留まりを向上させることができるという効果がある。
さらにまた、前記第2のクラッド層における凹部の深さが0.1〜0.5μmの範囲であり、前記長さl2に対する長さl4の割合を1を越えて7以下の範囲とすることで、エッチングにより望ましい深さの凹部を形成する場合に長さl2に対する長さl4の割合とすることができ、活性層内を伝搬する前進波と後進波との結合係数を低下させることがなく、かつレーザ発振の閾電流値が一定であり、外部からの衝撃に対して壊れにくい回折格子を有する分布帰還形半導体レーザを提供することができる効果がある。特にこの効果は前記長さl1に対する長さl3の割合を1とした場合に確実となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図2は本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザの上方斜視図であり、図1は図2中a−a線の断面図である。まず、図1及び図2を参照してこの半導体レーザの全体的な構造について説明する。
この半導体レーザは、基板12の下面に電極層11が形成されている。基板12の上には、下部クラッド層13、活性層14、上部クラッド層15が積層され、上部クラッド層15の上面全域にコンタクト層16が形成されている。上記上部クラッド層15は下部側の第1の上部クラッド層15Aと上部側の第2の上部クラッド層15Bとからなり、第1の上部クラッド層15Aと第2の上部クラッド層15Bとの間にエッチングストップ層10が介挿されている。
【0014】
更に、コンタクト層16の上には絶縁層17が形成されており、絶縁層17の中央には所定幅寸法の絶縁層のストライプ溝19が開口されている。また、絶縁層17の上面および絶縁層17のストライプ溝19内のコンタクト層16の上面には電極層18が形成されている。電極層18から電流を注入した場合、この絶縁層17のストライプ溝19の幅寸法内の上記活性層14において、レーザ発振が行われる。
【0015】
上記の構造において基板12は、この例ではn型InPからなり、下部クラッド層13はn型InPからなり、活性層14はInGaAsPからなり、上部クラッド層15はp型のInPからなり、コンタクト層16はInGaAsもしくはInGaAsPから構成されている。従って、この構成の半導体レーザは、クラッド層をInPから形成し、活性層をInGaAsPから形成しているので、基本的には発振波長が赤外波長帯となるが、発振波長が可視赤外帯の場合は、クラッド層をInGaAlPから、活性層をInGaPから形成することになる。また、エッチングストップ層10は、InGaAsもしくはInGaAsPからなる。
【0016】
上記各層からなる半導体エピタキシャル基板は、MOCVD装置を用いるなどしたエピタキシャル結晶成長により後述の如く製作される。
この半導体エピタキシャル基板において、コンタクト層16からクラッド層15にかけて規則的な凹部20・・・が形成されている。凹部20・・・の中間は相対的な凸部21となり、凹部20・・・と凸部21・・・により、回折格子が形成されている。この回折格子は、絶縁層のストライプ溝19が形成されていない部分で、かつ、活性層14の近傍に形成されるものであり、図1,2の形態では、絶縁層のストライプ溝19の両側部に回折格子が2列に形成されている。なお、本発明構造において回折格子が絶縁層のストライプ溝19の一方の側部に1列のみ形成されていてもよいのは勿論である。
また、上記各凹部20の各底部はエッチングストップ層10に到達されてエッチングストップ層10で止められており、各凹部20の底部は均一な深さにされているとともに、各凹部20の底部にも絶縁層22が設けられている。
【0017】
また、図1,2に示す形態では、凹部20・・・がコンタクト層16と上部クラッド層15とに形成され、各凹部20の底部が活性層14から離れているが、各凹部20の底部が活性層14内まで延びていても良い。また、凹部20…は、積層が完了したエピタキシャル基板に対し、ドライエッチングとウエットエッチングとの組み合せにより後述の如く加工される。
【0018】
以上、本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザの全体構成について説明したが、次に前述した凹部20・・・と凸部21・・・により形成される回折格子について詳述する。尚、以下の説明においては、凹部20・・・及び凸部21の断面がが矩形状に形成された場合に凹部20のストライプ溝19方向の長さと凸部21のストライプ溝19方向の長さとが等しいことを前提に説明する。
図1に示されたように、本実施形態においては、凹部20,…の断面形状は逆台形状であり、凸部21,…の断面形状は台形状である。前述したように、回折格子はウェットエッチングによって形成されるが、基板材料やエッチング溶液の種類によって異方的にエッチングされる。
【0019】
また、凹部20長手方向と基板の[110]結晶方位とのなす角θによっても凹部20の断面形状が異なる。ここで、凸部21の斜面21aが、他の斜面21bを介して凹部20の底面となす角をメサ角γと定義する。凹部20長手方向と基板の[110]結晶方位とのなす角θが0度のときにメサ角γが最も90度に近接するようにエッチングされ、角θが0度からずれるに従ってメサ角γは90度以上になるようエッチングされる。
【0020】
前述したように、上部クラッド層15は材料としてInPを用いているためウェットエッチングを行う際に凸部21を垂直に形成することは困難である。通常、クラッド層15をエッチングした場合、上記メサ角度γは95度以上になってしまう。従って、所望のメサ角γを有する凸部21を形成する際には、凹部20の長手方向と、[110]結晶方向のなす角を正確に調整する必要がある。実際に半導体レーザを製造する場合には、製造装置の分解能等によって調整のための精度に限界があるが、メサ角γを95度以内とするためには、角θがおよそ±1.5度以内であればよい。
【0021】
図3は、本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザの回折格子の詳細構造を示す断面図であり、図1及び図2に示された部分と同一の部分に対しては同一の符号が付してある。図3に示されたように、凹部20は電極層18から絶縁層17、コンタクト層16を、第2の上部クラッド層15Bに至るにつれその幅が除々に広くなり、逆に凸部21はその幅が狭くなる。
【0022】
図3に示されたように、凹部20の底面におけるストライプ溝方向幅の長さをl1、第2の上部クラッド層15Bの頂部における凹部20のストライプ溝方向幅の長さをl2と定義する。また、凸部21の底面部におけるストライプ溝方向幅の長さをl3、第2の上部クラッド層15Bの頂部における凸部21のストライプ溝方向幅の長さをl4と定義する。
【0023】
図3に示された本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザは、ストライプ溝方向幅の長さl1に対するストライプ溝方向幅の長さl3の割合が1に設定されているが、この割合を0.7以上に変更することは任意であり、さらにこの割合を1〜2に限定してもよい。
また、凸部21の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3に対する第2の上部クラッド層15Bの頂部における凸部21のストライプ溝方向幅の長さl4の割合は1〜2.2の範囲内で任意に変更可能である。
さらに、凹部20の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl1に対する第2の上部クラッド層15Bの頂部における凹部20のストライプ溝方向幅の長さl2の割合は0.5〜1の範囲内で任意に変更可能である。
【0024】
このように、上部クラッド層15をエッチングする際には、メサ角γが90度以上になり、凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 は、頂部におけるストライプ溝19方向の長さl 4 に比べて短くなり、外部からの衝撃に対して回折格子が壊れやすくなる。回折格子の破壊を防止するためには、凸部21の底部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 と、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 とをほぼ等しくする必要がある。
【0025】
凸部21の底部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 と、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 とをほぼ等しくするためには、凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さl 4 と、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さl 2 とを等しくしても、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 は、凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 に比べて当然ながら長くなる。
【0026】
つまり、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 と、凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 との割合は、凹部20を形成する前に決定しなければならない。即ち、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 と、凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 とを所望の割合にするためには、コンタクト層16及び上部クラッド層15の上に形成され、エッチングの際に用いられるマスクの形状が重要となる。
【0027】
図4は凹部20を形成する際の簡略化したプロセスを示す図であり、(a)はコンタクト層16及び上部クラッド層15の上にマスクを形成する工程を示し、(b)はマスクの所定箇所に金属膜を斜方蒸着する工程を示し、(c)はコンタクト層16及び上部クラッド層15をエッチングする工程を示す。尚、図4においては、図1及び図2の各部に対応する箇所には同一の符号を付してある。次に、本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザの製造手順について説明する。
【0028】
まず、基板上に、下部クラッド層13、活性層14、第1の上部クラッド層15A、エッチングストップ層10、第2の上部クラッド層15B、及びコンタクト層16を順にMOCVD等によってエピタキシャル成長する。次に、コンタクト層16の上にレジストを塗布してスピンコータでレジスト膜を形成し、二光束干渉露光装置によってレジスト膜を露光する。二光束干渉露光装置によってレジスト膜を露光する際には、、二光束干渉光の長手方向と、基板の結晶方位[110]とのなす角をおよそ±1.5度以内に調整する必要がある。
【0029】
二光束干渉露光装置によって露光された膜は、図4(a)に示されたように、波形形状に現像される。次に、現像後のレジスト30に金属膜を形成する工程が行われる。この金属膜は、第2の上部クラッド層15B及びコンタクト層16をエッチングする際のマスクとなるものであり、前述した形状の回折格子を形成するためには、斜方蒸着による金属膜の形成が極めて重要である。つまり、上記レジスト30の凹凸の長手方向と基板の結晶方位[110]とは二光束干渉露光装置による露光時に決定されており、前述した凸部21のメサ角γの値は、この関係が決定されると後に変更が不可となるためである。
【0030】
従って、凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 と凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 との割合を所望の割合にするためには、メサ角γを考慮して上記金属膜が付加された箇所と付加されない箇所とを設計する必要がある。図4(b)に示されるように、斜方蒸着は、エッチングストップ層10と第2の上部クラッド層15Bとの接合面や第2の上部クラッド層15Bとコンタクト層16との接合面に対して、所定の角φをもって、基板斜め上方から金属が蒸着される。蒸着する金属はNi又はCr、或いはこれらの合金が用いられ、真空蒸着装置等によって蒸着される。
【0031】
図5は、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 と凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 との割合を1にする場合に、エッチング深さと、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さl 2 に対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さl 4 の割合(マーク/スペース比)との関係を示す図である。図示されたように、形成するエッチング深さが大きくなるに従って開口端におけるストライプ溝19方向の長さl 2 に対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さl 4 の割合が大きくなる。つまり、この図は、凸部21がメサ角γを有するために、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 と凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 との割合を1にするためには、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さl 2 に対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さl 4 の割合を大きくしなければならないことを示している。
【0032】
第2の上部クラッド層15Bにおける凹部20の深さは約0.5μm程度必要である。図5に示されたように、0.5μmの深さを有する凹部20を形成するためには、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さl 2 に対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さl 4 の割合が約1〜7である必要があるが、この割合が7の場合が最も好適である。
【0033】
図6は斜方蒸着時の様子を示す図である。この図に示されたように、レジスト30は波形形状を有するため、斜方蒸着を行うと金属が蒸着されてなる金属レジスト30aとレジスト30の波形形状のために蒸着されない箇所30bとが現れる。角φが90度である場合には、金属が図中真上から蒸着されることになって、レジスト30の陰になる部分はないが、角φが小さくなるに従い、蒸着されない面積が増加する。
【0034】
つまり、角φを変化させることによってマスクの形状を変化させることができる。エッチングを行った際には、金属が蒸着される箇所は凸部21が形成され、金属が蒸着されない箇所は凹部20が形成される。従って、レジスト30に形成された波形形状1周期d1に対して金属が蒸着される箇所の長さd2を調整することによって、前述したように凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さに対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さの割合を7に設定することができる。
【0035】
図7は斜方蒸着時の角度と、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さに対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さの割合を示す図である。図示されたように、斜方蒸着を行う角φが大きくなるに従って、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さに対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さの割合が大きくなる。これは、角φが大きくなると金属が蒸着されてなる金属レジスト(図6中の30a)の面積が大きくなるためである。前述したように、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さに対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さの割合は7であることが好ましいが、図7からこの割合を7とする為には斜方蒸着を行う角φが約65度であることが必要である。
【0036】
従って、図4(b)に示された斜め方向蒸着を行う工程で、角φを約65度に設定して斜方蒸着を行うとエッチングの工程が行われる。
レジスト、絶縁層(図示省略)、及びコンタクト層16は、ECR(Electron Cycrotron Resonance)を用いたRIE(Reactive Ion Etching)やRIBE(Reactive Ion Beam Etching)等によってドライエッチングを行う。ドライエッチングによってコンタクト層16までエッチングが終了すると、HCl:CH3COOH=1:4であるエッチング溶液を用いたウェットエッチングによって第2の上部クラッド層15Bのエッチングを行う。
【0037】
このエッチング溶液は、第2の上部クラッド層15Bの材料であるInPに適合したエッチング溶液であるため、InGaAsPで形成されたエッチングストップ層10はエッチングされにくく、このエッチングストップ層10でエッチングが止まる。以上の工程が終了すると、図4(c)に示したような回折格子が形成される。 エッチング工程を終えると回折格子を保護する絶縁膜を形成し、この絶縁膜に電流を注入するためにエッチングによってストライプ窓を形成して電極層18(図1,2参照)を蒸着する。次に、基板12の裏面を研磨して裏面に電極層を蒸着し、劈開を行うと図1に示された分布帰還形半導体レーザが形成される。
【0038】
以上、本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザについて説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されず本発明の範囲内で変更が任意である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、凹部を成す第2のクラッド層における凹部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl1に対する隣合う凹部の間に位置する凸部を成す第2のクラッド層における凸部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3の割合を0.7以上、2以下とし、凸部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3に対する凸部部分の頂部でのストライプ溝方向幅の長さl4の割合を1を越えて2.2以下の範囲とし、さらに、長さl1に対する第2のクラッド層の頂部における凹部のストライプ溝方向幅の長さl2の割合を0.5以上、1未満の範囲としたので、活性層内を伝搬する前進波と後進波との結合係数を低下させることがなく、かつレーザ発振の閾電流値が一定なレーザを提供することができるという効果がある。また、本発明によれば、壊れにくい回折格子を有する分布帰還形半導体レーザを提供することができるという効果がある。従って、製造プロセスにおいて、容易に回折格子が壊れることがないため、製造歩留まりを向上させることができるという効果がある。
さらにまた、前記第2のクラッド層における凹部の深さが0.1〜0.5μmの範囲であり、前記長さl2に対する長さl4の割合を1を越えて7以下の範囲とすることで、エッチングにより望ましい深さの凹部を形成する場合に長さl2に対する長さl4の割合とすることができ、活性層内を伝搬する前進波と後進波との結合係数を低下させることがなく、かつレーザ発振の閾電流値が一定であり、外部からの衝撃に対して壊れにくい回折格子を有する分布帰還形半導体レーザを提供することができる効果がある。特にこの効果は前記長さl1に対する長さl3の割合を1とした場合に確実となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザの断面図である。
【図2】 同実施形態による分布帰還形半導体レーザの上方斜視図である。
【図3】 同実施形態による分布帰還形半導体レーザの回折格子の詳細な構造を示す断面図である。
【図4】 凹部20を形成する際の簡略化したプロセスを示す図である。
【図5】 エッチング深さと、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さに対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さの割合との関係を示す図である。
【図6】 斜方蒸着時の様子を示す図である。
【図7】 斜方蒸着時の角度と、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さに対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さの割合を示す図である。
【図8】 回折格子の形状と結合係数との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
12 基板(半導体基板)
13 下部クラッド層(第1のクラッド層)
14 活性層
15 上部クラッド層(第2のクラッド層)
16 コンタクト層
17 絶縁層(電流ストップ層)
18 電極層
19 ストライプ溝
20 凹部
21 凸部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信、光応用計測、ホログラム等の光源として用いられる分布帰還形半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
分布帰還形半導体レーザは、従来の劈開面反射構造のファブリペロー型レーザと異なり、光導波路の共振器長方向に回折格子を成す周期的な凹凸部を設け、これら回折格子によるBragg散乱を利用して光のフィードバックを行うレーザ発振素子(装置)である。発振波長は、これら回折格子の波長選択性により単一の縦モードに安定に固定することができる。従って、より高いコヒーレンシーが求められる動的単一モード動作において有用である。この分布帰還形半導体レーザは、光通信、光応用計測、ホログラム等の種々の分野に応用されることが有望視されているが、近年では、石英系光ファイバの分散のある波長帯域での長距離無中継通信を実現するために、InGaAsP/InP系の半導体レーザにこの分布帰還形構造を採用している。
【0003】
分布帰還形半導体レーザでは、上述したBragg散乱を生じさせるために、微細な回折格子を形成する必要がある。従来は、活性層(光導波路を兼ねる)内に周期構造を形成した構造の分布帰還形半導体レーザが案出されているが、この構造では、活性層にダメージを与え内部量子効率が減少する等の問題がある。このため、活性層内に回折格子を形成するのではなく、活性層の上部に形成されたクラッド層に回折格子を形成して、活性層における共振器長手方向の実効屈折率を周期的に変化させることによって回折格子を形成した構造の分布帰還形レーザが案出されている。例えば、同出願人により特開平8−167759号公報に開示された技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報に開示された分布帰還形レーザに形成される回折格子は、深さが0.5〜1μm程度、幅が0.1μm程度の平面長方形状の複数の凹部を共振器長手方向に多数形成して実現される。
分布型半導体レーザの発光効率を向上させるためには、上記回折格子を活性層の近傍に形成しなければならない。なぜならば、回折格子が活性層に近いほど共振器長手方向の屈折率分布の差が大きくなり、活性層中を伝搬する前進波と後進波との結合係数が大きくなるためである。つまり、必然的に上記凹部の形状を高アスペクト比(凹部の高さと幅との比)を有するよう形成する必要がある。
【0005】
回折格子は塩素系又はメタン系の反応成ガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching)等のドライエッチング又は組成がHCl:CH3COOH=1:4であるエッチング溶液を用いたウェットエッチングによって形成される。通常、ドライエッチングは加工箇所に対するダメージが大きいため、加工する箇所への加工変質ダメージが低いウェットエッチングによって回折格子が形成される。
【0006】
しかしながら、ウェットエッチングでは、使用する基板材料やエッチング溶液の種類によって基板が異方的にエッチングされる。つまり、基板材料にあわせて適切なエッチング溶液を選択しないと凹部の断面形状が台形状に又は逆台形状に形成されてしまう。凹部の形状が台形状に又は逆台形状に形成されたものがあると、回折格子による結合係数のばらつきが生ずる。尚、ここでいう結合係数は、前述した結合係数と同じ意味であり、活性層中を伝搬する前進波と後進波とが回折格子によって結合される割合の程度を示すものである。
【0007】
図8は回折格子の形状と結合係数との関係を示す説明図である。図8(a)に示されたように、凹部20の幅をB、凸部21の幅をAとすると、図8(b)に示されたように幅Aと幅Bとの比を変化させると結合係数が変化する。尚、図8(b)は横軸を幅Aと幅Bとの比に設定し、縦軸をA:B=1:1としたときの結合係数を基準として規格化した結合係数に設定している。
【0008】
図8(b)に示されたように、凹部20の幅Bと凸部21の幅Aとが等しい場合に結合係数が最大となり、幅Bに対する幅Aの値が小さくなるにつれ結合係数が小さくなる。
上記結合係数が大きいと、活性層内を伝搬する前進波と後進波との結合が大きくなって共振器内に単位時間に蓄えられる光パワーが増加するため、レーザ発振に必要な閾電流の値が小さくなるため、低電力化には、結合係数が大きいほうが好ましい。
【0009】
ところで、回折格子の形状が変化すると結合係数が変化し、その結果、活性層中で帰還される光パワーが変化するためにレーザ発振閾値が変化する問題があった。つまり、各分布帰還形半導体レーザに形成される回折格子の形状を正確に制御できないと、個々の分布帰還形半導体レーザ毎に閾電流の値が変化してしまい、発振特性が一定な分布帰還形半導体レーザを作成できないという問題があった。
さらに、凸部21が逆台形状となった場合、凹部20の底部の幅が広くなって凸部21の底部の幅が狭くなるため、形成された凸部21が倒れやすくなって回折格子が壊れやくすなり、その結果として製造歩留まりが低下するという問題があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、レーザ発振の閾電流値を一定とする形状であって、かつ壊れにくい回折格子が形成された分布帰還形半導体レーザを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、半導体基板上に、第1のクラッド層と、活性層と、第2のクラッド層と、コンタクト層と、電流通路を成すストライプ溝を有する電流ストップ層と、電極層とを順次積層し、前記電極層から前記第2のクラッド層にわたって断面が台形状である複数の凹部をそれぞれ一定間隔あけて前記ストライプ溝方向に並設した分布帰還形半導体レーザであって、前記凹部を成す第2のクラッド層における凹部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl1に対する隣合う前記凹部の間に位置する凸部を成す第2のクラッド層における凸部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3の割合が0.7以上、2以下であり、前記第2のクラッド層における前記凸部部分の底面部での前記ストライプ溝方向幅の長さl3に対する該凸部部分の頂部での前記ストライプ溝方向幅の長さl4の割合が1を越えて2.2以下であり、前記第2のクラッド層における前記凹部部分の底面部での前記ストライプ溝方向幅の長さl1に対する該凹部部分開口端での前記ストライプ溝方向幅の長さl2の割合が0.5以上、1未満であることを特徴とする。
本発明は前記凹部部分開口端での前記ストライプ溝方向幅の長さl2に対する凸部部分の頂部での前記ストライプ溝方向幅の長さl4の割合が1〜7の範囲であることを特徴とする。
本発明は、前記クラッド層を構成する材料がInPであり、前記溝部長手方向と[110]方向のなす角が±1.5度以内で0を除く値とされたことを特徴とする。
本発明は、前記凹部を成す第2のクラッド層における凹部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl1と、前記第2のクラッド層における前記凸部部分の底面部での前記ストライプ溝方向幅の長さl3との割合を1とした場合に、第2のクラッド層における凹部の深さが0.1〜0.5μmの範囲であり、前記凹部部分開口端での前記ストライプ溝方向幅の長さl2に対する凸部部分の頂部での前記ストライプ溝方向幅の長さl4の割合が1を越えて7以下の範囲であることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、凹部の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl1に対して、隣合う凹部の間に位置する凸部の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3の割合を0.7以上、2以下とし、凸部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3に対する凸部部分の頂部でのストライプ溝方向幅の長さl4の割合を1を越えて2.2以下の範囲とし、長さl1に対する第2のクラッド層の頂部における凹部のストライプ溝方向幅の長さl2の割合は0.5以上、1未満の範囲としたので、活性層内を伝搬する前進波と後進波との結合係数を低下させることがなく、かつレーザ発振の閾電流値が一定なレーザを提供することができるという効果がある。
また、本発明によれば、壊れにくい回折格子を有する半導体レーザを提供することができるという効果がある。従って、製造プロセスにおいて、容易に回折格子が壊れることがないため、製造歩留まりを向上させることができるという効果がある。
さらにまた、前記第2のクラッド層における凹部の深さが0.1〜0.5μmの範囲であり、前記長さl2に対する長さl4の割合を1を越えて7以下の範囲とすることで、エッチングにより望ましい深さの凹部を形成する場合に長さl2に対する長さl4の割合とすることができ、活性層内を伝搬する前進波と後進波との結合係数を低下させることがなく、かつレーザ発振の閾電流値が一定であり、外部からの衝撃に対して壊れにくい回折格子を有する分布帰還形半導体レーザを提供することができる効果がある。特にこの効果は前記長さl1に対する長さl3の割合を1とした場合に確実となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図2は本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザの上方斜視図であり、図1は図2中a−a線の断面図である。まず、図1及び図2を参照してこの半導体レーザの全体的な構造について説明する。
この半導体レーザは、基板12の下面に電極層11が形成されている。基板12の上には、下部クラッド層13、活性層14、上部クラッド層15が積層され、上部クラッド層15の上面全域にコンタクト層16が形成されている。上記上部クラッド層15は下部側の第1の上部クラッド層15Aと上部側の第2の上部クラッド層15Bとからなり、第1の上部クラッド層15Aと第2の上部クラッド層15Bとの間にエッチングストップ層10が介挿されている。
【0014】
更に、コンタクト層16の上には絶縁層17が形成されており、絶縁層17の中央には所定幅寸法の絶縁層のストライプ溝19が開口されている。また、絶縁層17の上面および絶縁層17のストライプ溝19内のコンタクト層16の上面には電極層18が形成されている。電極層18から電流を注入した場合、この絶縁層17のストライプ溝19の幅寸法内の上記活性層14において、レーザ発振が行われる。
【0015】
上記の構造において基板12は、この例ではn型InPからなり、下部クラッド層13はn型InPからなり、活性層14はInGaAsPからなり、上部クラッド層15はp型のInPからなり、コンタクト層16はInGaAsもしくはInGaAsPから構成されている。従って、この構成の半導体レーザは、クラッド層をInPから形成し、活性層をInGaAsPから形成しているので、基本的には発振波長が赤外波長帯となるが、発振波長が可視赤外帯の場合は、クラッド層をInGaAlPから、活性層をInGaPから形成することになる。また、エッチングストップ層10は、InGaAsもしくはInGaAsPからなる。
【0016】
上記各層からなる半導体エピタキシャル基板は、MOCVD装置を用いるなどしたエピタキシャル結晶成長により後述の如く製作される。
この半導体エピタキシャル基板において、コンタクト層16からクラッド層15にかけて規則的な凹部20・・・が形成されている。凹部20・・・の中間は相対的な凸部21となり、凹部20・・・と凸部21・・・により、回折格子が形成されている。この回折格子は、絶縁層のストライプ溝19が形成されていない部分で、かつ、活性層14の近傍に形成されるものであり、図1,2の形態では、絶縁層のストライプ溝19の両側部に回折格子が2列に形成されている。なお、本発明構造において回折格子が絶縁層のストライプ溝19の一方の側部に1列のみ形成されていてもよいのは勿論である。
また、上記各凹部20の各底部はエッチングストップ層10に到達されてエッチングストップ層10で止められており、各凹部20の底部は均一な深さにされているとともに、各凹部20の底部にも絶縁層22が設けられている。
【0017】
また、図1,2に示す形態では、凹部20・・・がコンタクト層16と上部クラッド層15とに形成され、各凹部20の底部が活性層14から離れているが、各凹部20の底部が活性層14内まで延びていても良い。また、凹部20…は、積層が完了したエピタキシャル基板に対し、ドライエッチングとウエットエッチングとの組み合せにより後述の如く加工される。
【0018】
以上、本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザの全体構成について説明したが、次に前述した凹部20・・・と凸部21・・・により形成される回折格子について詳述する。尚、以下の説明においては、凹部20・・・及び凸部21の断面がが矩形状に形成された場合に凹部20のストライプ溝19方向の長さと凸部21のストライプ溝19方向の長さとが等しいことを前提に説明する。
図1に示されたように、本実施形態においては、凹部20,…の断面形状は逆台形状であり、凸部21,…の断面形状は台形状である。前述したように、回折格子はウェットエッチングによって形成されるが、基板材料やエッチング溶液の種類によって異方的にエッチングされる。
【0019】
また、凹部20長手方向と基板の[110]結晶方位とのなす角θによっても凹部20の断面形状が異なる。ここで、凸部21の斜面21aが、他の斜面21bを介して凹部20の底面となす角をメサ角γと定義する。凹部20長手方向と基板の[110]結晶方位とのなす角θが0度のときにメサ角γが最も90度に近接するようにエッチングされ、角θが0度からずれるに従ってメサ角γは90度以上になるようエッチングされる。
【0020】
前述したように、上部クラッド層15は材料としてInPを用いているためウェットエッチングを行う際に凸部21を垂直に形成することは困難である。通常、クラッド層15をエッチングした場合、上記メサ角度γは95度以上になってしまう。従って、所望のメサ角γを有する凸部21を形成する際には、凹部20の長手方向と、[110]結晶方向のなす角を正確に調整する必要がある。実際に半導体レーザを製造する場合には、製造装置の分解能等によって調整のための精度に限界があるが、メサ角γを95度以内とするためには、角θがおよそ±1.5度以内であればよい。
【0021】
図3は、本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザの回折格子の詳細構造を示す断面図であり、図1及び図2に示された部分と同一の部分に対しては同一の符号が付してある。図3に示されたように、凹部20は電極層18から絶縁層17、コンタクト層16を、第2の上部クラッド層15Bに至るにつれその幅が除々に広くなり、逆に凸部21はその幅が狭くなる。
【0022】
図3に示されたように、凹部20の底面におけるストライプ溝方向幅の長さをl1、第2の上部クラッド層15Bの頂部における凹部20のストライプ溝方向幅の長さをl2と定義する。また、凸部21の底面部におけるストライプ溝方向幅の長さをl3、第2の上部クラッド層15Bの頂部における凸部21のストライプ溝方向幅の長さをl4と定義する。
【0023】
図3に示された本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザは、ストライプ溝方向幅の長さl1に対するストライプ溝方向幅の長さl3の割合が1に設定されているが、この割合を0.7以上に変更することは任意であり、さらにこの割合を1〜2に限定してもよい。
また、凸部21の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3に対する第2の上部クラッド層15Bの頂部における凸部21のストライプ溝方向幅の長さl4の割合は1〜2.2の範囲内で任意に変更可能である。
さらに、凹部20の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl1に対する第2の上部クラッド層15Bの頂部における凹部20のストライプ溝方向幅の長さl2の割合は0.5〜1の範囲内で任意に変更可能である。
【0024】
このように、上部クラッド層15をエッチングする際には、メサ角γが90度以上になり、凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 は、頂部におけるストライプ溝19方向の長さl 4 に比べて短くなり、外部からの衝撃に対して回折格子が壊れやすくなる。回折格子の破壊を防止するためには、凸部21の底部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 と、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 とをほぼ等しくする必要がある。
【0025】
凸部21の底部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 と、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 とをほぼ等しくするためには、凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さl 4 と、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さl 2 とを等しくしても、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 は、凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 に比べて当然ながら長くなる。
【0026】
つまり、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 と、凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 との割合は、凹部20を形成する前に決定しなければならない。即ち、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 と、凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 とを所望の割合にするためには、コンタクト層16及び上部クラッド層15の上に形成され、エッチングの際に用いられるマスクの形状が重要となる。
【0027】
図4は凹部20を形成する際の簡略化したプロセスを示す図であり、(a)はコンタクト層16及び上部クラッド層15の上にマスクを形成する工程を示し、(b)はマスクの所定箇所に金属膜を斜方蒸着する工程を示し、(c)はコンタクト層16及び上部クラッド層15をエッチングする工程を示す。尚、図4においては、図1及び図2の各部に対応する箇所には同一の符号を付してある。次に、本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザの製造手順について説明する。
【0028】
まず、基板上に、下部クラッド層13、活性層14、第1の上部クラッド層15A、エッチングストップ層10、第2の上部クラッド層15B、及びコンタクト層16を順にMOCVD等によってエピタキシャル成長する。次に、コンタクト層16の上にレジストを塗布してスピンコータでレジスト膜を形成し、二光束干渉露光装置によってレジスト膜を露光する。二光束干渉露光装置によってレジスト膜を露光する際には、、二光束干渉光の長手方向と、基板の結晶方位[110]とのなす角をおよそ±1.5度以内に調整する必要がある。
【0029】
二光束干渉露光装置によって露光された膜は、図4(a)に示されたように、波形形状に現像される。次に、現像後のレジスト30に金属膜を形成する工程が行われる。この金属膜は、第2の上部クラッド層15B及びコンタクト層16をエッチングする際のマスクとなるものであり、前述した形状の回折格子を形成するためには、斜方蒸着による金属膜の形成が極めて重要である。つまり、上記レジスト30の凹凸の長手方向と基板の結晶方位[110]とは二光束干渉露光装置による露光時に決定されており、前述した凸部21のメサ角γの値は、この関係が決定されると後に変更が不可となるためである。
【0030】
従って、凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 と凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 との割合を所望の割合にするためには、メサ角γを考慮して上記金属膜が付加された箇所と付加されない箇所とを設計する必要がある。図4(b)に示されるように、斜方蒸着は、エッチングストップ層10と第2の上部クラッド層15Bとの接合面や第2の上部クラッド層15Bとコンタクト層16との接合面に対して、所定の角φをもって、基板斜め上方から金属が蒸着される。蒸着する金属はNi又はCr、或いはこれらの合金が用いられ、真空蒸着装置等によって蒸着される。
【0031】
図5は、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 と凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 3 との割合を1にする場合に、エッチング深さと、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さl 2 に対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さl 4 の割合(マーク/スペース比)との関係を示す図である。図示されたように、形成するエッチング深さが大きくなるに従って開口端におけるストライプ溝19方向の長さl 2 に対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さl 4 の割合が大きくなる。つまり、この図は、凸部21がメサ角γを有するために、凹部20の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 と凸部21の底面部におけるストライプ溝19方向の長さl 1 との割合を1にするためには、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さl 2 に対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さl 4 の割合を大きくしなければならないことを示している。
【0032】
第2の上部クラッド層15Bにおける凹部20の深さは約0.5μm程度必要である。図5に示されたように、0.5μmの深さを有する凹部20を形成するためには、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さl 2 に対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さl 4 の割合が約1〜7である必要があるが、この割合が7の場合が最も好適である。
【0033】
図6は斜方蒸着時の様子を示す図である。この図に示されたように、レジスト30は波形形状を有するため、斜方蒸着を行うと金属が蒸着されてなる金属レジスト30aとレジスト30の波形形状のために蒸着されない箇所30bとが現れる。角φが90度である場合には、金属が図中真上から蒸着されることになって、レジスト30の陰になる部分はないが、角φが小さくなるに従い、蒸着されない面積が増加する。
【0034】
つまり、角φを変化させることによってマスクの形状を変化させることができる。エッチングを行った際には、金属が蒸着される箇所は凸部21が形成され、金属が蒸着されない箇所は凹部20が形成される。従って、レジスト30に形成された波形形状1周期d1に対して金属が蒸着される箇所の長さd2を調整することによって、前述したように凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さに対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さの割合を7に設定することができる。
【0035】
図7は斜方蒸着時の角度と、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さに対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さの割合を示す図である。図示されたように、斜方蒸着を行う角φが大きくなるに従って、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さに対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さの割合が大きくなる。これは、角φが大きくなると金属が蒸着されてなる金属レジスト(図6中の30a)の面積が大きくなるためである。前述したように、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さに対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さの割合は7であることが好ましいが、図7からこの割合を7とする為には斜方蒸着を行う角φが約65度であることが必要である。
【0036】
従って、図4(b)に示された斜め方向蒸着を行う工程で、角φを約65度に設定して斜方蒸着を行うとエッチングの工程が行われる。
レジスト、絶縁層(図示省略)、及びコンタクト層16は、ECR(Electron Cycrotron Resonance)を用いたRIE(Reactive Ion Etching)やRIBE(Reactive Ion Beam Etching)等によってドライエッチングを行う。ドライエッチングによってコンタクト層16までエッチングが終了すると、HCl:CH3COOH=1:4であるエッチング溶液を用いたウェットエッチングによって第2の上部クラッド層15Bのエッチングを行う。
【0037】
このエッチング溶液は、第2の上部クラッド層15Bの材料であるInPに適合したエッチング溶液であるため、InGaAsPで形成されたエッチングストップ層10はエッチングされにくく、このエッチングストップ層10でエッチングが止まる。以上の工程が終了すると、図4(c)に示したような回折格子が形成される。 エッチング工程を終えると回折格子を保護する絶縁膜を形成し、この絶縁膜に電流を注入するためにエッチングによってストライプ窓を形成して電極層18(図1,2参照)を蒸着する。次に、基板12の裏面を研磨して裏面に電極層を蒸着し、劈開を行うと図1に示された分布帰還形半導体レーザが形成される。
【0038】
以上、本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザについて説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されず本発明の範囲内で変更が任意である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、凹部を成す第2のクラッド層における凹部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl1に対する隣合う凹部の間に位置する凸部を成す第2のクラッド層における凸部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3の割合を0.7以上、2以下とし、凸部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3に対する凸部部分の頂部でのストライプ溝方向幅の長さl4の割合を1を越えて2.2以下の範囲とし、さらに、長さl1に対する第2のクラッド層の頂部における凹部のストライプ溝方向幅の長さl2の割合を0.5以上、1未満の範囲としたので、活性層内を伝搬する前進波と後進波との結合係数を低下させることがなく、かつレーザ発振の閾電流値が一定なレーザを提供することができるという効果がある。また、本発明によれば、壊れにくい回折格子を有する分布帰還形半導体レーザを提供することができるという効果がある。従って、製造プロセスにおいて、容易に回折格子が壊れることがないため、製造歩留まりを向上させることができるという効果がある。
さらにまた、前記第2のクラッド層における凹部の深さが0.1〜0.5μmの範囲であり、前記長さl2に対する長さl4の割合を1を越えて7以下の範囲とすることで、エッチングにより望ましい深さの凹部を形成する場合に長さl2に対する長さl4の割合とすることができ、活性層内を伝搬する前進波と後進波との結合係数を低下させることがなく、かつレーザ発振の閾電流値が一定であり、外部からの衝撃に対して壊れにくい回折格子を有する分布帰還形半導体レーザを提供することができる効果がある。特にこの効果は前記長さl1に対する長さl3の割合を1とした場合に確実となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による分布帰還形半導体レーザの断面図である。
【図2】 同実施形態による分布帰還形半導体レーザの上方斜視図である。
【図3】 同実施形態による分布帰還形半導体レーザの回折格子の詳細な構造を示す断面図である。
【図4】 凹部20を形成する際の簡略化したプロセスを示す図である。
【図5】 エッチング深さと、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さに対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さの割合との関係を示す図である。
【図6】 斜方蒸着時の様子を示す図である。
【図7】 斜方蒸着時の角度と、凹部20の開口端におけるストライプ溝19方向の長さに対する凸部21の頂部におけるストライプ溝19方向の長さの割合を示す図である。
【図8】 回折格子の形状と結合係数との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
12 基板(半導体基板)
13 下部クラッド層(第1のクラッド層)
14 活性層
15 上部クラッド層(第2のクラッド層)
16 コンタクト層
17 絶縁層(電流ストップ層)
18 電極層
19 ストライプ溝
20 凹部
21 凸部
Claims (4)
- 半導体基板上に、第1のクラッド層と、活性層と、第2のクラッド層と、コンタクト層と、電流通路を成すストライプ溝を有する電流ストップ層と、電極層とを順次積層し、前記電極層から前記第2のクラッド層にわたって断面が台形状である複数の凹部をそれぞれ一定間隔あけて前記ストライプ溝方向に並設した分布帰還形半導体レーザであって、前記凹部を成す第2のクラッド層における凹部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl1に対する隣合う前記凹部の間に位置する凸部を成す第2のクラッド層における凸部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl3の割合が0.7以上、2以下であり、
前記第2のクラッド層における前記凸部部分の底面部での前記ストライプ溝方向幅の長さl3に対する該凸部部分の頂部での前記ストライプ溝方向幅の長さl4の割合が1を越えて2.2以下であり、
前記第2のクラッド層における前記凹部部分の底面部での前記ストライプ溝方向幅の長さl1に対する該凹部部分開口端での前記ストライプ溝方向幅の長さl2の割合が0.5以上、1未満であることを特徴とする分布帰還形半導体レーザ。 - 前記凹部部分開口端での前記ストライプ溝方向幅の長さl2に対する凸部部分の頂部での前記ストライプ溝方向幅の長さl4の割合が1〜7の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の分布帰還型半導体レーザ。
- 前記クラッド層を構成する材料がInPであり、前記溝部長手方向と[110]方向のなす角が±1.5度以内で0を除く値とされたことを特徴とする請求項1又は2に記載の分布帰還型半導体レーザ。
- 前記凹部を成す第2のクラッド層における凹部部分の底面部でのストライプ溝方向幅の長さl1と、前記第2のクラッド層における前記凸部部分の底面部での前記ストライプ溝方向幅の長さl3との割合を1とした場合に、第2のクラッド層における凹部の深さが0.1〜0.5μmの範囲であり、前記凹部部分開口端での前記ストライプ溝方向幅の長さl2に対する凸部部分の頂部での前記ストライプ溝方向幅の長さl4の割合が1を越えて7以下の範囲であることを特徴とする請求項1又は3に記載の分布帰還型半導体レーザ。
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