JP3747842B2 - 変速機を備えたハイブリッド車駆動構造の運転方法 - Google Patents

変速機を備えたハイブリッド車駆動構造の運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関と電動機の組合せにより車輪を駆動するハイブリッド車駆動構造の運転方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
近年、ますます高まりつつある大気環境保全と燃料資源の節約の重要性の認識の下に、内燃機関と電動機の組合せにより車輪が駆動されるハイブリッド車が脚光を浴びてきている。多様な回転数と駆動トルクの組合せが求められる自動車の車輪を内燃機関と電動機により駆動する場合に、その駆動態様をどのようにするかについては、種々の態様が可能であろうが、自動車は元来専ら内燃機関のみによって駆動されてきたものであり、また自動車の分野に於けるハイブリッド車は、従来の内燃機関のみによる駆動の一部を状況が許す限り電動駆動にて置き換えることから出発しているので、ハイブリッド車といえども、内燃機関のみによる駆動が可能となっていることは当然と考えられている。特開平11−198669には、内燃機関のクランク軸に第一の電動発電機を直列に接続して内燃機関または電動機のいずれか一方または両方により駆動される動力軸を構成し、かかる動力軸と第二の電動発電機の出力軸とをそれぞれ遊星歯車機構のリングギヤとサンギヤとに接続して組み合わせ、遊星歯車機構のキャリアを出力軸として、これに変速機を接続してなるハイブリッド車駆動構造が示されている。かかるハイブリッド車駆動構造によれば、内燃機関のみを原動機として働かせても、変速機の変速機能を得て、従来の内燃機関車と同様に自動車に求められる多様な運行態様に対応できる。これは上記の如きハイブリッド車の由来を反映する一つの典型であると思われる。
【0003】
しかし、一方、自動車の原動機として内燃機関と電動機とを組み合わせる機会に、車輪に求められる回転数対駆動トルクと内燃機関より得られる回転数対駆動トルクの間の乖離に起因する内燃機関出力軸と車軸の間の回転数の差を電動機により差動的に吸収し、内燃機関出力軸と車軸の間に従来から必要とされていた変速機を無くすことが本件出願人と同一人により提案された。添付の図1は、そのようなハイブリッド車の駆動構造を示す概略図である。
【0004】
図1に於いて、1は内燃機関であり、図には示されていない車体に取り付けられている。2はその出力軸(クランク軸)である。3は遊星歯車装置であり、4はそのサンギヤ、5はリングギヤ、6はプラネタリピニオン、7はキャリアである。クランク軸2はキャリア7に連結されている。8は第一の電動発電機(MG1)であり、コイル9と回転子10と有し、回転子10はサンギヤ4と連結されている。コイル9は車体より支持されている。リングギヤ5にはプロペラ軸11の一端が連結されている。かくして、遊星歯車装置3は、内燃機関の出力軸2に現れる内燃機関の出力を第一の電動発電機3と車輪駆動軸をなすプロペラ軸11とに分配する動力分配機構を構成している。プロペラ軸11の途中には第二の電動発電機(MG2)12が連結されている。第二の電動発電機12はコイル13と回転子14と有し、コイル13は車体より支持されている。プロペラ軸11に対する回転子14の連結は任意の構造であってよいが、図示の例では、プロペラ軸11に設けられた歯車15に回転子14により支持されて回転する歯車16が噛み合う構造とされている。プロペラ軸11の他端はディファレンシャル装置17を介して一対の車軸18に連結されている。車軸18の各々には車輪19が取り付けられている。
【0005】
図示の駆動構造に於いて、クランク軸2の回転とキャリア7の回転とは同じであり、今この回転数をNcで表すものとする。また第一の電動発電機8の回転とサンギヤ4の回転とは同じであり、今この回転数をNsで表すものとする。一方、リングギヤ5の回転と第二の電動発電機12の回転と車輪19の回転とは互いに対応し、最終的には車速に対応するものであるが、それぞれの回転数は歯車15と16の間の歯数の比、ディファレンシャル装置17に於ける減速比、およびタイヤ径によって異なる。しかし、今ここでは便宜上これらの部分の回転数をリングギヤ5の回転数にて代表するものとし、それをNrとする。そうすると、内燃機関と二つの電動発電機とを遊星歯車装置にて図示の如く組み合わせたハイブリッド車駆動構造に於ける内燃機関と二つの電動発電機MG1、MG2の回転数Nc、Ns、Nrの間の関係は、遊星歯車装置の原理に基づき、図2に示す線図により表される。図にてρはリングギヤの歯数に対するサンギヤの歯数である(ρ<1)。Ncは機関回転数により定まり、Nrは車速により定まるので、Nsは機関回転数と車速の如何により
Ns=(1+1/ρ)Nc−(1/ρ)Nr
として定まる。
【0006】
一方、キャリアとサンギヤとリングギヤのトルクをTc、Ts、Trとすると、これらは
Ts:Tc:Tr=ρ/(1+ρ):1:1/(1+ρ)
の比にて互いに平衡し、従ってまた、これら3要素のいずれかがトルクを発生しあるいは吸収するときには、上記の平衡が成り立つまで相互間にトルクのやりとりが行なわれる。
【0007】
以上の如き駆動構造を備えたハイブリッド車に於いて、内燃機関、MG1、MG2の作動は、図には示されていない車輌運転制御装置により、運転者からの運転指令と車輌の運行状態とに基づいて制御される。即ち、車輌運転制御装置はマイクロコンピュータを備え、運転者からの運転指令と種々のセンサにより検出される車輌の運行状態とに基づいて目標車速および目標車輪駆動トルクを計算すると共に、蓄電装置の充電状態に基づいて蓄電装置に許される電流出力あるいは蓄電装置の充電のために必要な発電量を計算し、これらの計算結果に基づいて、内燃機関を休止を含む如何なる運転状態にて運転すべきか、またMG1およびMG2を如何なる電動状態あるいは発電状態にて運転すべきかを計算し、その計算結果に基づいて内燃機関、MG1、MG2の作動を制御する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
課題に関する関連出願
以上の如く内燃機関の出力軸が動力分配機構を経て第一の電動発電機と車輪駆動軸とに連結され、該車輪駆動軸に第二の電動発電機が連結されたハイブリッド車駆動構造によれば、図2より理解される通り、内燃機関出力軸の回転数Ncと車速に対応する回転数Nrの各々の値およびその間の相対関係は、その変化を第一の電動発電機の回転数Nsにて吸収することにより大幅に変えることができるので、かかるハイブリッド車駆動構造に於いては、これまで変速機は不要とされていた。即ち、動力分配機構の調節次第で、NcとNrの間の関係を自由に変えることができ、また停車中(Nr=0)であっても機関運転(Nc>0)すること、逆に、前進中(Nr>0)であっても機関停止(Nc=0)すること、あるいは機関の運転または停止(Nc≧0)にかかわらず後進(Nr<0)することができる。
【0009】
しかし、MG2の回転数は車速の如何によって左右され、蓄電装置の充電度は車速とは一応無関係であるため、MG2が蓄電装置の充電のための発電機として作動するには大きな制約がある。そこで蓄電装置の充電は専らMG1に頼ることとなり、逆に車輪の電動駆動は専らMG2に頼ることとなる。そのため変速機を備えない上記の如きハイブリッド車駆動構造に於いて、低車速領域にても必要に応じて高い車輪駆動トルクを得ることができる車輌運転性能を確保しておくためには、畢竟MG2は大型化せざるを得ない。
【0010】
このことを車軸トルクの要求値の大きさを車速に対比させた車速対車軸トルクの座標系で示せば、図3の通りである。即ち、今、車輌の内燃機関を広い車速域に亙って高燃費にて運転し、しかも車輌の車速対車軸トルク性能として望まれる限界性能として線Aにて示す如き性能を車輌に持たせようとすれば、高燃費を得る内燃機関の車速対車軸トルク性能は領域Bの如くほぼ平らになるので、残りを専らMG2にて補わなければならず、その車速対車軸トルク性能は領域Cを賄うものでなければなない。そのためMG2は低回転速度にて高トルクを発生することができるよう、それ相当の大型のものとされなければならない。
【0011】
しかし、図3を吟味すれば、領域Cの深さは領域Bの深さに対比して些か深すぎるのではないかとの疑問がもたれる。これは、観点を変えれば、内燃機関と第一および第二の電動発電機なる三つの原動装置の大きさの相対的釣合い、特に内燃機関と第二の電動発電機の大きさの釣合いの問題である。かかる疑問に端を発し、この点に関し上記の如きハイブリッド車輌駆動構造を更に改良するものとして、本件出願人と同一人は、別途出願に係わる特願2001−323578号にて内燃機関の出力軸が動力分配機構を経て第一の電動発電機と車輪駆動軸とに連結され、該車輪駆動軸に第二の電動発電機が連結されたハイブリッド車駆動構造に於いて、車輪駆動軸の途中または車輪駆動軸への第二の電動発電機の連結の途中の少なくとも一方に変速機を設けたことを特徴とするハイブリッド車駆動構造を提案した。
【0012】
本願発明の課題
図1に示す、内燃機関の出力軸が動力分配機構を経て第一の電動発電機と車輪駆動軸とに連結され、該車輪駆動軸に第二の電動発電機が連結されたハイブリッド車駆動構造であって、上記特願2001−323578による変速機を備えない本来のハイブリッド車駆動構造に於いては、車輌運転中に内燃機関の作動を停止させることは、動力分配機構により内燃機関と第一の電動発電機と第二の電動発電機の間の回転数の相互関係を変更する一種の無段変速に於ける一つの変速態様であった。即ち、図2に於いてみれば、車輌の走行中に内燃機関を停止させることは、車速に対応するMG2の回転数Nrを尊重しつつ,平衡線がNc線を横切る位置を0位置もたらすよう、MG1の回転数Nsを調節することであり、これは微妙なタイミング調節を伴う制御である。しかし、上記特願2001−323578に於ける如く変速機が設けられれば、ハイブリッド運転制御の都合により車輌運転中に内燃機関を停止しようとするとき、図2上でNcが0にならなくても、変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶し(即ち変速機を所謂ニュートラルに切り換え)、その後で内燃機関の燃料供給を遮断してこれを停止させればよいことになり、車輌走行中に内燃機関を停止させることに関し、動力分配機構の制御が簡単になるという利点が得られる。
【0013】
また、この点に関し、更に、変速機がニュートラルに切り換えられるとき、変速機を通ってかなりの大きさのトルクが伝達されつつあると、変速機の入出力軸間のトルク伝達が遮断された瞬間に車輪駆動トルクに急変が生ずることや急な負荷解除により内燃機関に振動が生ずることにより、車輌の乗り心地が損なわれる恐れがある点にも配慮されることが好ましい。
【0014】
本発明は、上記特願2001−323578にて新たに提案された変速機付きハイブリッド車駆動構造を上記の問題が生じないように運転する方法を提供すること課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するものとして、本発明は、内燃機関の出力軸が動力分配機構により第一の電動発電機と車輪駆動軸との各々に分岐して連結され、該車輪駆動軸に第二の電動発電機が連結され、前記車輪駆動軸の回転を停止することなく前記内燃機関の出力軸の回転を停止することができるハイブリッド車駆動構造にして、更に、該車輪駆動軸の途中の前記第二の電動発電機の連結部より前記内燃機関の側に入出力軸間のトルク伝達を入出力軸の回転の双方向について断絶可能な変速機が備えられたハイブリッド車駆動構造の運転方法にして、前記内燃機関を停止させるとき、それに先立って前記変速機の入出力軸間の双方向のトルク伝達を断絶することを特徴とするハイブリッド車駆動構造運転方法を提案するものである。
【0016】
尚、電動発電機なる語は、電動機および発電機の両機能を有する手段を指すが、本願発明は、内燃機関の出力軸が動力分配機構を経て第一の電動発電機と車輪駆動軸とに連結され、該車輪駆動軸に第二の電動発電機が連結されたハイブリッド車駆動構造の、短期的車輌駆動性能に関するものであり、換言すれば、車輌のハイブリッド駆動に於ける内燃機関駆動と、電動駆動と、蓄電装置に対する自己充電作用の相互関係が関与する長期的車輌駆動性能に関するものではないので、本願発明の作用および効果に関する限り、第一および第二の電動発電機は、いずれも単なる電動機であってよいものである。確かに、実働する車輌駆動装置としては、既に記した通り、第二の電動発電機は専ら電動機として作動せざるを得ず(しかし発電機として作動することも可能)、従って長期的に作動可能な車輌駆動装置を構成するためには、第一の電動発電機は発電機能を有している必要があるが、この必要性は本願発明の技術的思想とは関係ないことである。従って、本発明の構成に於いて、電動発電機と記載された手段は、発電機能を有しない電動機をその均等物として含むものとする。
【0017】
上記の如きハイブリッド車駆動構造運転方法に於いて、更に、変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶するに先立って、変速機を所定の高速段にする制御が行われてよい。
【0018】
更にまた、上記の如きハイブリッド車駆動構造運転方法に於いて、変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶するに先立って、変速機を通る伝達トルクを所定値以下とするよう、内燃機関と第一の電動発電機と第二の電動発電機の間の出力の配分を制御することが行われてよい。
【0019】
更にまた、上記の如きハイブリッド車駆動構造運転方法に於いて、変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶した後、内燃機関の回転を制動することが行われてよい。この場合、特に動力分配機構がサンギヤと、リングギヤと、プラネタリピニオンと、キャリアとを有する遊星歯車機構であり、内燃機関の出力軸はキャリアに連結され、第一の電動発電機はサンギヤに連結され、車輪駆動軸はリングギヤに連結されているときには、内燃機関の回転の制動はリングギヤの回転を制動することにより行なわれでよい。
【0020】
【発明の作用及び効果】
上記特願2001−323578にて提案された、内燃機関の出力軸が動力分配機構を経て第一の電動発電機と車輪駆動軸とに連結され、車輪駆動軸に第二の電動発電機が連結されたハイブリッド車駆動構造に於いて、車輪駆動軸の途中または該車輪駆動軸への第二の電動発電機の連結の途中の少なくとも一方に変速機が設けられた構造のうち、特に変速機が車輪駆動軸の途中に第二の電動発電機の連結部より内燃機関の側に設けられている場合には、変速機を介さずに第二の電動発電機によって車輪を駆動することが可能であり、しかも内燃機関を車輪より変速機の部分にて完全に切り離すことができるので、第二の電動発電機により車輌の駆動性能を確保する制御さえ行っておけば、内燃機関の回転を停止させるタイミングには大きな自由度が得られ、また機関停止タイミングの誤りにより車輪にトルクに急変を来たしたり、あるいはその反力により内燃機関が振動してその振動が車体に伝わるような好ましからざる現象が生ずることを容易に回避することができる。
【0021】
更に、変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶するに先立って、変速機を所定の高速段にしておけば、車輪の側から変速機を介して見た内燃機関の回転慣性は可及的に小さくされるので、変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶する瞬間に変速機を通ってトルクが伝達されつつあっても、該トルク伝達を遮断することにより生ずる衝撃を可及的に小さくすることをことができる。
【0022】
更にまた、変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶するに先立って、変速機を通る伝達トルクを所定値以下とするよう、内燃機関と第一の電動発電機と第二の電動発電機の間の出力の配分を制御しておけば、変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶する際に生ずる衝撃を更に小さくすることをことができる。
【0023】
また、変速機が車輪駆動軸の途中に第二の電動発電機の連結部より内燃機関の側に設けられている場合には、内燃機関を車輪より変速機の部分にて完全に切り離すことができるので、変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶した後は、内燃機関の回転は自由であり、内燃機関の回転は可能ならば直ちに止められてもよいものである。従って、変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶した後、内燃機関の回転を制動し、その回転を早く停止させれば、機関空転により排気触媒へ送られる酸素の量が抑えられ、次回の機関始動時に於けるNOxの排出が抑制される。
【0024】
上記の機関空転の制動に当たっては、動力分配機構が、サンギヤと、リングギヤと、プラネタリピニオンと、キャリアとを有する遊星歯車機構であり、内燃機関の出力軸がキャリアに連結され、第一の電動発電機がサンギヤに連結され、車輪駆動軸がリングギヤに連結された構造であるときには、内燃機関の回転の制動がリングギヤの回転を制動することにより行なわれれば、図2の線図からもう理解される通り、内燃機関の回転は第一の電動発電機のロータの回転慣性にて柔軟に緩衝された状態となり、内燃機関の回転の押さえ込みが高い緩衝性をもって行われ、機関停止が滑らかに達成される。
【0025】
【発明の実施の形態】
図4は、図1に示す如く内燃機関の出力軸が動力分配機構を経て第一の電動発電機と車輪駆動軸とに連結され、該車輪駆動軸に第二の電動発電機が連結されたハイブリッド車駆動構造に、上記特願2001−323578にて提案された要領により、その車輪駆動軸の途中であって、第二の電動機が連結されている箇所より内燃機関の側に変速機が組み込まれた実施例を示す図1と同様の概略図である。図4に於いて、図1に示す部分に対応する部分は対応する符号により示されている。
【0026】
この変速機100は、図1についての説明の文言でいえば、車輪駆動軸の一部をなすプロペラ軸11の一部であってMG2の連結部をなす歯車15よりも内燃機関の側に設けられている。変速機100は2段ないし3段のものであってよく、更に後進段を含むものであってよく、またこの種の車輌用変速機に於いては当然とされていることではあるが、その入出力軸間のトルク伝達が断絶される、通常ニュートラルと称される作動状態をとりうるようになっている。そのような変速機は既に公知の技術により種々の態様にて得られるが、前進3段と後進段を有するものについてその一例を解図的に示せば、図5の通りである。
【0027】
図5に於いて、20、22、24、26は一つの遊星歯車機構を構成するサンギヤ、リングギヤ、プラネタリピニオン、キャリアであり、また21、23、25、27は他の一つの遊星歯車機構を構成するサンギヤ、リングギヤ、プラネタリピニオン、キャリアであり、28(C1)、29(C2)はクラッチであり、30(B1)、31(B2)はブレーキであり、32(F1)はワンウェイクラッチである。そしてこれらの回転要素が、33を入力軸とし、34を出力軸として、その間に図示の如く組み合わされていると、クラッチC1が係合されることにより減速比が最も大きい第1速段が達成され、クラッチC1とブレーキB1とが係合されることにより減速比が中程の第2速段が達成され、クラッチC1とC2とが係合されることにより減速比が最も小さい(減速比=1)第3速段が達成され、クラッチC2とブレーキB2とが係合されることにより後進段が達成される。そしてクラッチC1とクラッチC2のいずれも係合されない状態が、入力軸33と出力軸34の間のトルク伝達が断絶されたニュートラルの状態である。
【0028】
図6は、図4に示す如き変速機付きハイブリッド車駆動構造を本発明の方法により運転する要領の一つの実施例を示すフローチャートである。
【0029】
車輌の運転が開始されると、図には示されていないが車輌自動運転制御の分野に於いては既に種々の態様にて公知のマイクロコンピュータを備えた車輌運転制御装置により、数10〜数100マイクロセカンドの周期にて、ステップ10として示す如く機関の運転を停止すべき条件が成立しているか否かが判断される。これは車輌運転制御装置により別途なされるハイブリッド運転制御に於ける判断である。答がノーである限り、制御は元に戻り、同様の判断が繰り返し続けられる。そして、内燃機関を停止すべき条件が成立し、ステップ10の答がイエスになると、制御はステップ20へ進む。
【0030】
ステップ20に於いては、変速機100が直結段になっているが否かが判断される。但し、この「直結段」は一つの実施例であり、概念としては、減速比の小さい高速段である。答がイエスのときには、制御はそのままステップ30へ進むが、答がノーのときには、制御はステップ40へ進み、変速機を直結段へ変速した後、ステップ30へ進む。ここで変速機を直結段等の高速段とするのは、変速機の出口側から見た変速機入口側の回転慣性をできるだけ小さくしておくためである。
【0031】
ステップ30にては、変速機を通って伝達されつつあるトルクTtの大きさが所定の或る小さいしきい値Ts以下であるか否かが判断される。多くの場合、答は当初はノーであり、制御はステップ50へ進む。ステップ50に於いては、フラグFが1であるか否かが判断される。制御が初めてこのステップに至ったときには、答はノーであり、制御はステップ60へ進み、その瞬間に於ける内燃機関の出力トルクTeがその制御初期値Teoとして記憶され、また同時に第二の電動発電機MG2の出力トルクTmがその制御初期値Tmoとして記憶される。そして制御はステップ70へ進み、フラグFが1にセットされる。次いで制御はステップ80へ進み、カウント値nが当初にリセットされた0より始まって1ずつ増分される。尚、フラグFの作用から明らかな通り、制御は最初に一度ステップ60を通った後は、ステップ60をバイパスする。
【0032】
ステップ90に於いては、制御がこのステップに至る度に、上に記憶されたTeoおよびTmoと、そのときのカウント値nと、その瞬間に於ける車輌自動運転装置により算出された車輌駆動トルクの目標値Ttagと、或る微小なトルク偏差ΔTとに基づき、内燃機関が賄うべきトルクTeとMG2が賄うべきトルクTmの値が、例えば以下の通り計算される。
【0033】
Te=Ttag×(Teo − nΔT)/(Teo + Tmo)
Tm=Ttag×(Tmo + nΔT)/(Teo +Tmo)
【0034】
次いでステップ100にて、上に計算されたTeおよびTmに基づいて、内燃機関およびMG2が、それぞれその出力トルクをTeおよびTmとするように制御される。
【0035】
その後、制御はステップ30へ戻り、再度、変速機を通って伝達されるトルクTtの大きさがしきい値Ts以下に下がったか否かが判断される。上記のステップ90および100による制御が何度か繰り返し行なわれると、やがてステップ30に於ける答はイエスに転ずる筈である。こうしてステップ90および100による制御が何度か繰り返えされた後、ステップ30の答がイエスになると、制御はステップ110へ進み、変速機をニュートラルへ切り換えること、即ち、変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶することが行なわれ、この時点で内燃機関は車輪駆動から切り離される。車輪駆動からの内燃機関の切り離しがこのように変速機に於いて行われれば、変速機を含まない図1のハイブリッド車駆動構造の場合の如く、内燃機関を停止させるとき、図2でNcの大きさを0の位置にもたらす制御が達成されなくてもよくなり、かかるハイブリッド車駆動構造の制御がその点に於いて簡単化される。この場合、変速機により車輪駆動から変速機を切り離すとき、たとえ内燃機関の回転数がかなり高い状態であったとしても、変速機を通って伝達されるトルクTtが小さい値に設定されたしきい値Ts以下に下がっていれば、内燃機関の切り離しにより、変速機の両側にあるいずれの駆動系にもトルク急変による衝撃は生じない。
【0036】
この後、図示の実施例では、制御は更にステップ120へ進み、排気触媒への酸素の持ち込みを抑制すべく、内燃機関の回転を可及的速やかに停止させるよう、機関制動が行なわれる。この場合、機関の制動は、図4には示されていないが適当な制動装置により、リングギヤ5と変速機100との間にある回転部にて行われてよく、それによってピストン機関が制動に対し呈するトルク変動はサンギヤ4およびそれに連なるMG1のロータの回転慣性により緩衝的に吸収され、機関制動による振動の発生をよりよく抑制することができる。
【0037】
以上に於いては本発明を一つの実施例について詳細に説明したが、本発明がかかる実施例にのみ限られるものではなく、本発明の範囲内にて他に種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるハイブリッド車駆動構造運転方法の対象となるハイブリッド車駆動構造の基となるハイブリッド車駆動構造を示す概略図。
【図2】図1に示すハイブリッド車駆動構造に於ける内燃機関と二つの電動発電機MG1、MG2の回転数Nc、Ns、Nrの間の関係を示す線図。
【図3】図1に示すハイブリッド車駆動構造に於いて内燃機関および電動発電機MG2の各々により分担されるべき車軸トルクを車速に対し示す線図。
【図4】本発明によるハイブリッド車駆動構造運転方法の対象となるハイブリッド車駆動構造を示す概略図。
【図5】入出力軸間のトルク伝達が断絶可能で三つの変速段と後進段とを提供する変速機の一例を示す概略図。
【図6】本発明によるハイブリッド車駆動構造運転方法を一つの実施例について示すフローチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関
2…内燃機関の出力軸
3…遊星歯車装置
4…サンギヤ
5…リングギヤ
6…プラネタリピニオン
7…キャリア
8…第一の電動発電機(MG1)
9…コイル
10…回転子
11…プロペラ軸
12…第二の電動発電機(MG2)
13…コイル
14…回転子
15,16…歯車
17…ディファレンシャル装置
18…車軸
19…車輪
20…サンギヤ
22…リングギヤ
24…プラネタリピニオン
26…キャリア
21…サンギヤ
23…リングギヤ
25…プラネタリピニオン
27…キャリア
28,29…クラッチ
28,29…ブレーキ
32…ワンウェイクラッチ
100…変速機

Claims (5)

  1. 内燃機関の出力軸が動力分配機構により第一の電動発電機と車輪駆動軸との各々に分岐して連結され、該車輪駆動軸に第二の電動発電機が連結され、前記車輪駆動軸の回転を停止することなく前記内燃機関の出力軸の回転を停止することができるハイブリッド車駆動構造にして、更に、該車輪駆動軸の途中の前記第二の電動発電機の連結部より前記内燃機関の側に入出力軸間のトルク伝達を入出力軸の回転の双方向について断絶可能な変速機が備えられたハイブリッド車駆動構造の運転方法にして、前記内燃機関を停止させるとき、それに先立って前記変速機の入出力軸間の双方向のトルク伝達を断絶することを特徴とするハイブリッド車駆動構造運転方法。
  2. 前記変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶するに先立って、該変速機を所定の高速段にすることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車駆動構造運転方法。
  3. 前記変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶するに先立って、該変速機を通る伝達トルクを所定値以下とするよう、前記内燃機関と前記第一の電動発電機と前記第二の電動発電機の間の出力の配分を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車駆動構造運転方法。
  4. 前記変速機の入出力軸間のトルク伝達を断絶した後、前記内燃機関の回転を制動することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッド車駆動構造運転方法。
  5. 前記動力分配機構はサンギヤと、リングギヤと、プラネタリピニオンと、キャリアとを有する遊星歯車機構であり、前記内燃機関の出力軸は前記キャリアに連結され、前記第一の電動発電機は前記サンギヤに連結され、前記車輪駆動軸は前記リングギヤに連結されており、前記内燃機関の回転の制動は前記リングギヤの回転を制動することにより行なわれることを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド車駆動構造運転方法。
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