JP2003166633A - 変速機を備えたハイブリッド車駆動構造の運転方法 - Google Patents

変速機を備えたハイブリッド車駆動構造の運転方法

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JP2003166633A
JP2003166633A JP2001362148A JP2001362148A JP2003166633A JP 2003166633 A JP2003166633 A JP 2003166633A JP 2001362148 A JP2001362148 A JP 2001362148A JP 2001362148 A JP2001362148 A JP 2001362148A JP 2003166633 A JP2003166633 A JP 2003166633A
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internal combustion
combustion engine
vehicle
speed
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Masakiyo Kojima
正清 小島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速機付きハイブリッド車駆動構造による車
輌運転に於いて、変速機により車輪駆動から切り離され
た内燃機関を車輪駆動に再投入するときの変速機の作動
を合理化する。 【解決手段】 内燃機関1の出力軸が動力分配機構3を
経て第一の電動発電機8と車輪駆動軸11とに連結さ
れ、車輪駆動軸に第二の電動発電機12が連結され、車
輪駆動軸の途中の第二の電動発電機の連結部より内燃機
関の側に変速機100を備えたハイブリッド車駆動構造
の運転に於いて、変速機により車輪駆動軸から切り離さ
れた内燃機関を車輪駆動軸に再連結する際、変速機を車
速や要求車軸トルクに応じて異なる最適変速段から始ま
って作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関と電動機
の組合せにより車輪を駆動するハイブリッド車駆動構造
の運転方法に係る。
【0002】
【従来の技術】近年、ますます高まりつつある大気環境
保全と燃料資源の節約の重要性の認識の下に、内燃機関
と電動機の組合せにより車輪が駆動されるハイブリッド
車が脚光を浴びてきている。多様な回転数と駆動トルク
の組合せが求められる自動車の車輪を内燃機関と電動機
により駆動する場合に、その駆動態様をどのようにする
かについては、種々の態様が可能であろうが、自動車は
元来専ら内燃機関のみによって駆動されてきたものであ
り、また自動車の分野に於けるハイブリッド車は、従来
の内燃機関のみによる駆動の一部を状況が許す限り電動
駆動にて置き換えることから出発しているので、ハイブ
リッド車といえども、内燃機関のみによる駆動が可能と
なっていることは当然と考えられている。特開平11−
198669には、内燃機関のクランク軸に第一の電動
発電機を直列に接続して内燃機関または電動機のいずれ
か一方または両方により駆動される動力軸を構成し、か
かる動力軸と第二の電動発電機の出力軸とをそれぞれ遊
星歯車機構のリングギヤとサンギヤとに接続して組み合
わせ、遊星歯車機構のキャリアを出力軸として、これに
変速機を接続してなるハイブリッド車駆動構造が示され
ている。かかるハイブリッド車駆動構造によれば、内燃
機関のみを原動機として働かせても、変速機の変速機能
を得て、従来の内燃機関車と同様に自動車に求められる
多様な運行態様に対応できる。これは上記の如きハイブ
リッド車の由来を反映する一つの典型であると思われ
る。
【0003】しかし、一方、自動車の原動機として内燃
機関と電動機とを組み合わせる機会に、車輪に求められ
る回転数対駆動トルクと内燃機関より得られる回転数対
駆動トルクの間の乖離に起因する内燃機関出力軸と車軸
の間の回転数の差を電動機により差動的に吸収し、内燃
機関出力軸と車軸の間に従来から必要とされていた変速
機を無くすことが本件出願人と同一人により提案され
た。添付の図1は、そのようなハイブリッド車の駆動構
造を示す概略図である。
【0004】図1に於いて、1は内燃機関であり、図に
は示されていない車体に取り付けられている。2はその
出力軸(クランク軸)である。3は遊星歯車装置であ
り、4はそのサンギヤ、5はリングギヤ、6はプラネタ
リピニオン、7はキャリアである。クランク軸2はキャ
リア7に連結されている。8は第一の電動発電機(MG
1)であり、コイル9と回転子10と有し、回転子10
はサンギヤ4と連結されている。コイル9は車体より支
持されている。リングギヤ5にはプロペラ軸11の一端
が連結されている。かくして、遊星歯車装置3は、内燃
機関の出力軸2に現れる内燃機関の出力を第一の電動発
電機3と車輪駆動軸をなすプロペラ軸11とに分配する
動力分配機構を構成している。プロペラ軸11の途中に
は第二の電動発電機(MG2)12が連結されている。
第二の電動発電機12はコイル13と回転子14と有
し、コイル13は車体より支持されている。プロペラ軸
11に対する回転子14の連結は任意の構造であってよ
いが、図示の例では、プロペラ軸11に設けられた歯車
15に回転子14により支持されて回転する歯車16が
噛み合う構造とされている。プロペラ軸11の他端はデ
ィファレンシャル装置17を介して一対の車軸18に連
結されている。車軸18の各々には車輪19が取り付け
られている。
【0005】図示の駆動構造に於いて、クランク軸2の
回転とキャリア7の回転とは同じであり、今この回転数
をNcで表すものとする。また第一の電動発電機8の回
転とサンギヤ4の回転とは同じであり、今この回転数を
Nsで表すものとする。一方、リングギヤ5の回転と第
二の電動発電機12の回転と車輪19の回転とは互いに
対応し、最終的には車速に対応するものであるが、それ
ぞれの回転数は歯車15と16の間の歯数の比、ディフ
ァレンシャル装置17に於ける減速比、およびタイヤ径
によって異なる。しかし、今ここでは便宜上これらの部
分の回転数をリングギヤ5の回転数にて代表するものと
し、それをNrとする。そうすると、内燃機関と二つの
電動発電機とを遊星歯車装置にて図示の如く組み合わせ
たハイブリッド車駆動構造に於ける内燃機関と二つの電
動発電機MG1、MG2の回転数Nc、Ns、Nrの間
の関係は、遊星歯車装置の原理に基づき、図2に示す線
図により表される。図にてρはリングギヤの歯数に対す
るサンギヤの歯数である(ρ<1)。Ncは機関回転数
により定まり、Nrは車速により定まるので、Nsは機
関回転数と車速の如何により Ns=(1+1/ρ)Nc−(1/ρ)Nr として定まる。
【0006】一方、キャリアとサンギヤとリングギヤの
トルクをTc、Ts、Trとすると、これらは Ts:Tc:Tr=ρ/(1+ρ):1:1/(1+
ρ) の比にて互いに平衡し、従ってまた、これら3要素のい
ずれかがトルクを発生しあるいは吸収するときには、上
記の平衡が成り立つまで相互間にトルクのやりとりが行
なわれる。
【0007】以上の如き駆動構造を備えたハイブリッド
車に於いて、内燃機関、MG1、MG2の作動は、図に
は示されていない車輌運転制御装置により、運転者から
の運転指令と車輌の運行状態とに基づいて制御される。
即ち、車輌運転制御装置はマイクロコンピュータを備
え、運転者からの運転指令と種々のセンサにより検出さ
れる車輌の運行状態とに基づいて目標車速および目標車
輪駆動トルクを計算すると共に、蓄電装置の充電状態に
基づいて蓄電装置に許される電流出力あるいは蓄電装置
の充電のために必要な発電量を計算し、これらの計算結
果に基づいて、内燃機関を休止を含む如何なる運転状態
にて運転すべきか、またMG1およびMG2をいかなる
電動状態あるいは発電状態にて運転すべきかを計算し、
その計算結果に基づいて内燃機関、MG1、MG2の作
動を制御する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】課題に関する関連出願
以上の如く内燃機関の出力軸が動力分配機構を経て第一
の電動発電機と車輪駆動軸とに連結され、該車輪駆動軸
に第二の電動発電機が連結されたハイブリッド車駆動構
造によれば、図2より理解される通り、内燃機関出力軸
の回転数Ncと車速に対応する回転数Nrの各々の値お
よびその間の相対関係は、その変化を第一の電動発電機
の回転数Nsにて吸収することにより大幅に変えること
ができるので、かかるハイブリッド車駆動構造に於いて
は、これまで変速機は不要とされていた。即ち、動力分
配機構の調節次第で、NcとNrの間の関係を自由に変
えることができ、また停車中(Nr=0)であっても機
関運転(Nc>0)すること、逆に、前進中(Nr>
0)であっても機関停止(Nc=0)すること、あるい
は機関の運転または停止(Nc≧0)にかかわらず後進
(Nr<0)することができる。
【0009】しかし、MG2の回転数は車速の如何によ
って左右され、蓄電装置の充電度は車速とは一応無関係
であるため、MG2が蓄電装置の充電のための発電機と
して作動するには大きな制約がある。そこで蓄電装置の
充電は専らMG1に頼ることとなり、逆に車輪の電動駆
動は専らMG2に頼ることとなる。そのため変速機を備
えない上記の如きハイブリッド車駆動構造に於いて、低
車速領域にても必要に応じて高い車輪駆動トルクを得る
ことができる車輌運転性能を確保しておくためには、畢
竟MG2は大型化せざるを得ない。
【0010】このことを車軸トルクの要求値の大きさを
車速に対比させた車速対車軸トルクの座標系で示せば、
図3の通りである。即ち、今、車輌の内燃機関を広い車
速域に亙って高燃費にて運転し、しかも車輌の車速対車
軸トルク性能として望まれる限界性能として線Aにて示
す如き性能を車輌に持たせようとすれば、高燃費を得る
内燃機関の車速対車軸トルク性能は領域Bの如くほぼ平
らになるので、残りを専らMG2にて補わなければなら
ず、その車速対車軸トルク性能は領域Cを賄うものでな
ければなない。そのためMG2は低回転速度にて高トル
クを発生することができるよう、それ相当の大型のもの
とされなければならない。
【0011】しかし、図3を吟味すれば、領域Cの深さ
は領域Bの深さに対比して些か深すぎるのではないかと
の疑問がもたれる。これは、観点を変えれば、内燃機関
と第一および第二の電動発電機なる三つの原動装置の大
きさの相対的釣合い、特に内燃機関と第二の電動発電機
の大きさの釣合いの問題である。かかる疑問に端を発
し、この点に関し上記の如きハイブリッド車輌駆動構造
を更に改良するものとして、本件出願人と同一人は、別
途出願に係わる特願2001−323578にて内燃機
関の出力軸が動力分配機構を経て第一の電動発電機と車
輪駆動軸とに連結され、該車輪駆動軸に第二の電動発電
機が連結されたハイブリッド車駆動構造に於いて、車輪
駆動軸の途中または車輪駆動軸への第二の電動発電機の
連結の途中の少なくとも一方に変速機を設けたことを特
徴とするハイブリッド車駆動構造を提案した。
【0012】本願発明の課題上記特願2001−323
578に於いて、内燃機関の出力軸が動力分配機構を経
て第一の電動発電機と車輪駆動軸とに連結され、該車輪
駆動軸に第二の電動発電機が連結されたハイブリッド車
駆動構造に、変速機を組み入れたのは、上に図3に関連
して説明した通り、中車速域あるいは低車速域に於いて
大きな車軸トルクが要求されたとき、その負担をMG2
に大きく頼ることを止め、内燃機関の運転を高燃費に保
つためその回転数をこれら中車速や低車速に直接的に対
応する回転数に落すことはせず、変速機により機関の回
転を減速して車輪駆動に関与させることにより、車軸ト
ルク要求の増大分のより多くを内燃機関に分担させよう
とするものである。従って、この場合、中車速域あるい
は低車速域に於いても、要求される車軸トルクの値が小
さいときには、変速機は敢えて従来の車輌用変速機の既
成概念に則って、低車速域では低速段に、また中車速域
では中速段に設定されなければならないものではない。
【0013】また、一方、上記特願2001−3235
78にて提案された変速機付きハイブリッド車駆動構造
のうち、特に、変速機が車輪駆動軸の途中であって車輪
駆動軸に対する第二の電動発電機の連結部より内燃機関
の側に位置する構造に於いては、内燃機関の停止中に変
速機がその入出力軸間のトルク伝達を断絶するようにな
っていれば、車輌の走行中に内燃機関を作動させて車輪
駆動に組み入れるとき、変速機はいかなる状態から作動
開始すべきかについて特に制約を受けない。
【0014】本発明は、上記特願2001−32357
8にて新たに提案された変速機付きハイブリッド車駆動
構造には、上記の如き特異な局面があることに鑑み、こ
れらを有効に生かすその運転方法を提供すること課題と
している。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するも
のとして、本発明は、内燃機関の出力軸が動力分配機構
を経て第一の電動発電機と車輪駆動軸とに連結され、該
車輪駆動軸に第二の電動発電機が連結され、該車輪駆動
軸の途中の前記第二の電動発電機の連結部より前記内燃
機関の側に入出力軸間のトルク伝達が断絶可能な変速機
を備えたハイブリッド車駆動構造の運転方法にして、前
記内燃機関の停止中には前記変速機の入出力軸間のトル
ク伝達を断絶し、車輌の走行中に前記内燃機関を作動さ
せて車輪駆動に組み入れるとき、車速が所定の高速値以
上であるときには、前記変速機を所定の高速段から始ま
って作動させることを特徴とするハイブリッド車駆動構
造運転方法を提案するものである。
【0016】尚、電動発電機なる語は、電動機および発
電機の両機能を有する手段を指すが、本願発明は、内燃
機関の出力軸が動力分配機構を経て第一の電動発電機と
車輪駆動軸とに連結され、該車輪駆動軸に第二の電動発
電機が連結されたハイブリッド車駆動構造の、短期的車
輌駆動性能に関するものであり、換言すれば、車輌のハ
イブリッド駆動に於ける内燃機関駆動と、電動駆動と、
蓄電装置に対する自己充電作用の相互関係が関与する長
期的車輌駆動性能に関するものではないので、本願発明
の作用および効果に関する限り、第一および第二の電動
発電機は、いずれも単なる電動機であってよいものであ
る。確かに、実働する車輌駆動装置としては、既に記し
た通り、第二の電動発電機は専ら電動機として作動せざ
るを得ず(しかし発電機として作動することも可能)、
従って長期的に作動可能な車輌駆動装置を構成するため
には、第一の電動発電機は発電機能を有している必要が
あるが、この必要性は本願発明の技術的思想とは関係な
いことである。従って、本発明の構成に於いて、電動発
電機と記載された手段は、発電機能を有しない電動機を
その均等物として含むものとする。
【0017】更に、上記の如きハイブリッド車駆動構造
運転方法に於いて、車輌の走行中に内燃機関を作動させ
て車輪駆動に組み入れるとき、車速が前記所定の高速値
以下であり且つ要求される車軸トルクが所定の中トルク
値以上であるとき、変速機を所定の中速段から始まって
作動させるようにしてよい。
【0018】更にまた、上記の如きハイブリッド車駆動
構造運転方法に於いて、車輌の走行中に内燃機関を作動
させて車輪駆動に組み入れるとき、車速が前記所定の高
速値より低い所定の中速値以下であり且つ要求される車
軸トルクが所定の高トルク値以上であるとき、変速機を
所定の低速段から始まって作動させるようにしてよい。
【0019】
【発明の作用及び効果】上記特願2001−32357
8にて提案された変速機付きハイブリッド車駆動構造の
うち、特に変速機が車輪駆動軸の途中に第二の電動発電
機の連結部より内燃機関の側に設けられている構造に於
いては、内燃機関を停止させ、第二の電動発電機によっ
て車輪を駆動する場合には、その間、変速機の部分に
て、内燃機関を車輪駆動より完全に切り離すことができ
る。従って、この場合、車輌の走行中に再び内燃機関を
作動させ、変速機を経てこれを車輪駆動に組み入れると
き、変速機をどの変速段より始まって作動させるかは自
由である。従って、そのとき、車速が所定の高速値以上
であれば、どうせ機関連結後は、変速機は高速段にて運
転されてよいので、変速機を作動させて内燃機関を車輪
駆動に組み入れる当初から変速機を高速段から始まって
作動させるのが、その後に変速を要せず、有利である。
しかも、この場合、車輌はそれまで第二の電動発電機の
みによって駆動されていたので、稀な特別の場合を除
き、新たに車輪駆動に加わる内燃機関が最初から高いト
ルクを出さなければならない事情はない。従って、変速
機を例えば直結段に準備しておき、内燃機関を空転させ
てその回転数をそのときの車輪駆動軸の回転数に対応す
る回転数まで上げ、そこで変速機を直結段にて始動させ
れば、車輪駆動軸の側にも内燃機関の側にも何らのトル
ク衝撃を与えることなく内燃機関の実働を開始させるこ
とができる。
【0020】しかしまた、車輌の走行中に内燃機関を作
動させて車輪駆動に組み入れるとき、車速が前記所定の
高速値以下であり且つ要求される車軸トルクが所定の中
トルク値以上であるときには、回転数の点からもまたト
ルクの点からも、内燃機関を車輪駆動に新たに参加させ
るには、変速機を中速段にし、内燃機関に程ほどの減速
を施して車輪駆動に組み入れるのが有利である。
【0021】更にまた、車輌の走行中に内燃機関を作動
させて車輪駆動に組み入れるとき、車速が前記所定の高
速値より低い所定の中速値以下であり且つ要求される車
軸トルクが所定の高トルク値以上であるときには、同様
に回転数の点からもまたトルクの点からも、内燃機関を
車輪駆動に新たに参加させるには、変速機を低速段に
し、内燃機関に十分な減速を施して車輪駆動に組み入れ
るのが有利である。尚、ここでいう所定の高トルク値と
は、上記の所定の中トルク値を考慮に入れた場合、該所
定の中トルク値より高い値である。
【0022】
【発明の実施の形態】図4は、図1に示す如く内燃機関
の出力軸が動力分配機構を経て第一の電動発電機と車輪
駆動軸とに連結され、該車輪駆動軸に第二の電動発電機
が連結されたハイブリッド車駆動構造に、上記特願20
01−323578にて提案された要領により、その車
輪駆動軸の途中の、第二の電動機が連結されている箇所
より内燃機関の側に変速機が組み込まれた実施例を示す
図1と同様の概略図である。図4に於いて、図1に示す
部分に対応する部分は対応する符号により示されてい
る。
【0023】この変速機100は、図1についての説明
の文言でいえば、車輪駆動軸の一部をなすプロペラ軸1
1の一部であってMG2の連結部をなす歯車15よりも
内燃機関の側に設けられている。変速機100は2段な
いし3段のものであってよく、更に後進段を含むもので
あってよく、またこの種の車輌用変速機に於いては当然
とされていることではあるが、その入出力軸間のトルク
伝達が断絶される、通常ニュートラルと称される作動状
態をとりうるようになっている。そのような変速機は既
に公知の技術により種々の態様にて得られるが、前進3
段と後進段を有するものについてその一例を解図的に示
せば、図5の通りである。
【0024】図5に於いて、20、22、24、26は
一つの遊星歯車機構を構成するサンギヤ、リングギヤ、
プラネタリピニオン、キャリアであり、また21、2
3、25、27は他の一つの遊星歯車機構を構成するサ
ンギヤ、リングギヤ、プラネタリピニオン、キャリアで
あり、28(C1)、29(C2)はクラッチであり、
30(B1)、31(B2)はブレーキであり、32
(F1)はワンウェイクラッチである。そしてこれらの
回転要素が、33を入力軸とし、34を出力軸として、
その間に図示の如く組み合わされていると、クラッチC
1が係合されることにより減速比が最も大きい第1速段
が達成され、クラッチC1とブレーキB1とが係合され
ることにより減速比が中程の第2速段が達成され、クラ
ッチC1とC2とが係合されることにより減速比が最も
小さい(減速比=1)第3速段が達成され、クラッチC
2とブレーキB2とが係合されることにより後進段が達
成される。そしてクラッチC1とクラッチC2のいずれ
も係合されない状態が、入力軸33と出力軸34の間の
トルク伝達が断絶されたニュートラルの状態である。
【0025】図6は、図4に示す如き変速機付きハイブ
リッド車駆動構造を本発明の方法により運転する要領の
一つの実施例を示すフローチャートである。
【0026】車輌の運転が開始されると、図には示され
ていないが車輌自動運転制御の分野に於いては既に種々
の態様にて公知のマイクロコンピュータを備えた車輌運
転制御装置により、数10〜数100マイクロセカンド
の周期にて、ステップ10として示す如く、それまで停
止させていた内燃機関の運転を再開すべき条件が成立し
ているか否かが判断される。これは車輌運転制御装置に
より別途なされるハイブリッド運転制御に於ける判断で
ある。答がノーである限り、制御は元に戻り、同様の判
断が繰り返し続けられる。そして、内燃機関を運転すべ
き条件が成立し、ステップ10の答がイエスになると、
制御はステップ20へ進む。
【0027】ステップ20に於いては、車速Vが或る所
定の高速値V2以上であるか否かが判断される。V2は
車輌が通常の走行状態に入るときの下限値のような車速
値であってよい。答がイエスであると、制御はそのまま
ステップ30へ進み、それまで変数機により車輪駆動軸
より切り離されていた内燃機関を車輪駆動に連結するこ
とが、変速機を第3速段にした状態にて行なわれる。こ
れは、変速機が図5に例示した構造であれば、例えば、
先ずクラッチC2を素早く係合させておき、その後、タ
イミングをとりながら、クラッチC1を徐々に係合させ
る要領にて行われてよい。
【0028】ステップ20に於ける答がノーであるとき
には、制御はステップ40へ進み、車速Vが或る所定の
中速値V1以上であるが否かが判断される。V1は車輌
が変速機を第2速段にして走行するに適した車速の下限
値のような車速であってよい。答がイエスのときには、
制御はステップ50へ進み、車輌に要求されている車軸
トルクTが、車輌の通常の走行時に要求される値の上限
値であるような或る所定の中トルク値T1以上であるか
否かが判断される。答がイエスのときには、制御はステ
ップ60へ進み、それまで変数機により車輪駆動軸より
切り離されていた内燃機関を車輪駆動軸に連結すること
が、変速機を第2速段にした状態にて行なわれる。これ
は、変速機が図5に例示した構造であれば、例えば、先
ずブレーキB1を素早く係合させておき、その後、タイ
ミングをとりながら、クラッチC1を徐々に係合させる
要領にて行われてよい。
【0029】ステップ50の答がノーのときには、そも
そもかかるハイブリッド車駆動構造に変速機を組み入れ
たのは、上に図3に関連して説明した通り、中車速域あ
るいは低車速域に於いて大きな車軸トルクが要求された
とき、その負担をMG2に大きく頼ることを止めるため
であり、車軸トルクの要求値が高くなければ、変速機な
しでもこのハイブリッド車駆動構造は正常に運転できる
ので、この場合、内燃機関の車輪駆動への投入は、変速
機を第3速段にした状態にて行なっておけば、その後の
運転においても変速機は第3速段にて運転されるので好
都合である。
【0030】ステップ40の答がノーのときには、制御
はステップ70へ進み、要求されている車軸トルクTが
上記の中トルク値T1以上であるか否かが判断される。
答がノーのときには、ステップ50の答がノーであると
きの対処と同様の理由により、制御をステップ30へ進
め、内燃機関の車輪駆動への投入を、変速機が第3速段
とされた状態にて行なうのが有利である。
【0031】ステップ70の答がイエスのときには、制
御はステップ80へ進み、要求されている車軸トルクT
が急な登坂時等に於けるそれお如く或る所定の高トルク
値T2以上であるが否かが判断される。そして答がイエ
スのときには、制御はステップ90へ進み、車輪駆動へ
の内燃機関の投入が、変速機を第1速段にした状態にて
行なわれる。これは、変速機が図5に例示した構造であ
れば、単にタイミングを計ってクラッチC1を滑らかに
係合させるだけでよい。
【0032】ステップ80の答がノーのときには、車軸
に要求されている回転数とトルクの関係に内燃機関をよ
りよく適合させるよう、制御をステップ60へ進め、第
2速段よる車輪駆動への内燃機関の投入を行ってよい。
【0033】以上のような図6の実施例による車輪駆動
への内燃機関の投入に於ける変速機の変速段を、車速と
車軸トルクの座標系に於いて示せば、図7の通りであ
る。図7にて、二点鎖線により示されている輪郭が、車
輌に於いて一般に車速に対応して要求される車軸トルク
の最大値である。図にて、右下がり影線にて示されてい
る領域が、変速機を第3速段にして内燃機関を車輪駆動
軸に連結する領域であり、左下がり影線にて示されてい
る領域が、変速機第2速段にして内燃機関を車輪駆動軸
に連結する領域であり、垂直影線にて示されている領域
が、変速機第1速段にして内燃機関を車輪駆動軸に連結
する領域である。
【0034】以上に於いては本発明を一つの実施例につ
いて詳細に説明したが、本発明がかかる実施例にのみ限
られるものではなく、本発明の範囲内にて他に種々の実
施例が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるハイブリッド車駆動構造運転方法
の対象となるハイブリッド車駆動構造の基となるハイブ
リッド車駆動構造を示す概略図。
【図2】図1に示すハイブリッド車駆動構造に於ける内
燃機関と二つの電動発電機MG1、MG2の回転数N
c、Ns、Nrの間の関係を示す線図。
【図3】図1に示すハイブリッド車駆動構造に於いて内
燃機関および電動発電機MG2の各々により分担される
べき車軸トルクを車速に対し示す線図。
【図4】本発明によるハイブリッド車駆動構造運転方法
の対象となるハイブリッド車駆動構造を示す概略図。
【図5】入出力軸間のトルク伝達が断絶可能で三つの変
速段と後進段とを提供する変速機の一例を示す概略図。
【図6】本発明によるハイブリッド車駆動構造運転方法
を一つの実施例について示すフローチャート。
【図7】図6に示すフローチャートに変速機が作動され
るときの変速段を車速対車軸トルクの座標系に於いて示
す線図。
【符号の説明】
1…内燃機関 2…内燃機関の出力軸 3…遊星歯車装置 4…サンギヤ 5…リングギヤ 6…プラネタリピニオン 7…キャリア 8…第一の電動発電機(MG1) 9…コイル 10…回転子 11…プロペラ軸 12…第二の電動発電機(MG2) 13…コイル 14…回転子 15,16…歯車 17…ディファレンシャル装置 18…車軸 19…車輪 20…サンギヤ 22…リングギヤ 24…プラネタリピニオン 26…キャリア 21…サンギヤ 23…リングギヤ 25…プラネタリピニオン 27…キャリア 28,29…クラッチ 28,29…ブレーキ 32…ワンウェイクラッチ 100…変速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:14 F16H 59:44 59:44 B60K 9/00 E Fターム(参考) 3D039 AA04 AB27 AC39 AC74 3J552 MA02 NA01 NB01 NB05 NB08 PA02 PA59 RB06 RB07 SA13 SA15 SB02 UA07 VA02Z VA74W VB01W VB08W VC01Z 5H115 PA11 PC06 PG04 PI13 PI21 PI22 PO06 PU01 QE05 QE09 QN03 RB11 RE03 SE08 SE09 SJ11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の出力軸が動力分配機構を経て第
    一の電動発電機と車輪駆動軸とに連結され、該車輪駆動
    軸に第二の電動発電機が連結され、該車輪駆動軸の途中
    の前記第二の電動発電機の連結部より前記内燃機関の側
    に入出力軸間のトルク伝達が断絶可能な変速機を備えた
    ハイブリッド車駆動構造の運転方法にして、前記内燃機
    関の停止中には前記変速機の入出力軸間のトルク伝達を
    断絶し、車輌の走行中に前記内燃機関を作動させて車輪
    駆動に組み入れるとき、車速が所定の高速値以上である
    ときには、前記変速機を所定の高速段から始まって作動
    させることを特徴とするハイブリッド車駆動構造運転方
    法。
  2. 【請求項2】車輌の走行中に前記内燃機関を作動させて
    車輪駆動に組み入れるとき、車速が前記所定の高速値以
    下であり且つ要求される車軸トルクが所定の中トルク値
    以上であるとき、前記変速機を所定の中速段から始まっ
    て作動させることを特徴とする請求項1に記載のハイブ
    リッド車駆動構造運転方法。
  3. 【請求項3】車輌の走行中に前記内燃機関を作動させて
    車輪駆動に組み入れるとき、車速が前記所定の高速値よ
    り低い所定の中速値以下であり且つ要求される車軸トル
    クが所定の高トルク値以上であるとき、前記変速機を所
    定の低速段から始まって作動させることを特徴とする請
    求項1または2に記載のハイブリッド車駆動構造運転方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012039066A1 (ja) * 2010-09-24 2012-03-29 トヨタ自動車株式会社 車両のエンジン始動制御装置
JP2013103654A (ja) * 2011-11-15 2013-05-30 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両の駆動装置
JP2013224589A (ja) * 2012-04-19 2013-10-31 Toyota Motor Corp 変速機を備えたターボプロップ/ファン型ジェットエンジン

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