JP2003212005A - 変速機付きハイブリッド車駆動構造の運転方法 - Google Patents

変速機付きハイブリッド車駆動構造の運転方法

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JP2003212005A
JP2003212005A JP2002016433A JP2002016433A JP2003212005A JP 2003212005 A JP2003212005 A JP 2003212005A JP 2002016433 A JP2002016433 A JP 2002016433A JP 2002016433 A JP2002016433 A JP 2002016433A JP 2003212005 A JP2003212005 A JP 2003212005A
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torque
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drive structure
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Toshibumi Takaoka
俊文 高岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速機の変速段を切り換える際にクラッチや
ブレーキの如き摩擦係合装置の開放や新たな係合に起因
するトルクの急変や切換えの合間に生ずるトルクの一時
落ち込みを、特に内燃機関の出力軸が変速機を経て車輪
駆動軸に連結され、該車輪駆動軸に電動発電機が連結さ
れたハイブリッド車駆動構造の場合に、その構造上の特
性を生かして緩和する。 【解決手段】 変速機の変速段を切り換える際に生ずる
変速機出力トルクの急変や一時落ち込みを車輪駆動軸に
連結され電動機の出力トルクの変更により緩和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関と電動機
の組合せにより車輪を駆動するハイブリッド車の駆動構
造の運転方法に係る。
【0002】
【従来の技術】近年、ますます高まりつつある大気環境
保全と燃料資源の節約の重要性の認識の下に、内燃機関
と電動機の組合せにより車輪が駆動されるハイブリッド
車が脚光を浴びてきている。多様な回転数と駆動トルク
の組合せが求められる自動車の車輪を内燃機関と電動機
により駆動する場合に、その駆動態様をどのようにする
かについては、種々の態様が可能であろうが、自動車は
元来専ら内燃機関のみによって駆動されてきたものであ
り、また自動車の分野に於けるハイブリッド車は、従来
の内燃機関のみによる駆動の一部を状況が許す限り電動
駆動にて置き換えることから出発しているので、ハイブ
リッド車といえども、内燃機関のみによる駆動が可能と
なっていることは当然と考えられている。
【0003】特開平11−198669には、内燃機関
のクランク軸に第一の電動発電機を直列に接続して内燃
機関または電動機のいずれか一方または両方により駆動
される動力軸を構成し、かかる動力軸と第二の電動発電
機の出力軸とをそれぞれ遊星歯車機構のリングギヤとサ
ンギヤとに接続して組み合わせ、遊星歯車機構のキャリ
アを出力軸として、これに変速機を接続してなるハイブ
リッド車駆動構造が示されている。かかるハイブリッド
車駆動構造によれば、内燃機関のみを原動機として働か
せても、変速機の変速機能を得て、従来の内燃機関車と
同様に自動車に求められる多様な運行態様に対応でき
る。これは上記の如きハイブリッド車の由来を反映する
一つの典型であると思われる。
【0004】しかし、一方、自動車の原動機として内燃
機関と電動機とを組み合わせる機会に、車輪に求められ
る回転数対駆動トルクと内燃機関より得られる回転数対
駆動トルクの間の乖離に起因する内燃機関出力軸と車軸
の間の回転数の差を電動機により差動的に吸収し、内燃
機関出力軸と車軸の間に従来から必要とされていた変速
機を無くすことが本件出願人と同一人により提案され
た。添付の図1は、そのようなハイブリッド車の駆動構
造を示す概略図である。
【0005】図1に於いて、1は内燃機関であり、図に
は示されていない車体に取り付けられている。2はその
出力軸(クランク軸)である。3は遊星歯車装置であ
り、4はそのサンギヤ、5はリングギヤ、6はプラネタ
リピニオン、7はキャリアである。クランク軸2はキャ
リア7に連結されている。8は第一の電動発電機(MG
1)であり、コイル9と回転子10とを有し、回転子1
0はサンギヤ4と連結されている。コイル9は車体より
支持されている。リングギヤ5にはプロペラ軸11の一
端が連結されている。かくして、遊星歯車装置3は、内
燃機関の出力軸2に現れる内燃機関の出力を第一の電動
発電機3と車輪駆動軸をなすプロペラ軸11とに分配す
る動力分配機構を構成している。
【0006】プロペラ軸11の途中には第二の電動発電
機(MG2)12が連結されている。第二の電動発電機
12はコイル13と回転子14と有し、コイル13は車
体より支持されている。プロペラ軸11に対する回転子
14の連結は任意の構造であってよいが、図示の例で
は、プロペラ軸11に設けられた歯車15に回転子14
により支持されて回転する歯車16が噛み合う構造とさ
れている。プロペラ軸11の他端はディファレンシャル
装置17を介して一対の車軸18に連結されている。車
軸18の各々には車輪19が取り付けられている。
【0007】図示の駆動構造に於いて、クランク軸2の
回転とキャリア7の回転とは同じであり、今この回転数
をNcで表すものとする。また第一の電動発電機8の回
転とサンギヤ4の回転とは同じであり、今この回転数を
Nsで表すものとする。一方、リングギヤ5の回転と第
二の電動発電機12の回転と車輪19の回転とは互いに
対応し、最終的には車速に対応するものであるが、それ
ぞれの回転数は歯車15と16の間の歯数の比、ディフ
ァレンシャル装置17に於ける減速比、およびタイヤ径
によって異なる。しかし、今ここでは便宜上これらの部
分の回転数をリングギヤ5の回転数にて代表するものと
し、それをNrとする。
【0008】そうすると、内燃機関と二つの電動発電機
とを遊星歯車装置にて図示の如く組み合わせたハイブリ
ッド車駆動構造に於ける内燃機関と二つの電動発電機M
G1、MG2の回転数Nc、Ns、Nrの間の関係は、
遊星歯車装置の原理に基づき、図2に示す線図により表
される。図にてρはリングギヤの歯数に対するサンギヤ
の歯数である(ρ<1)。Ncは機関回転数により定ま
り、Nrは車速により定まるので、Nsは機関回転数と
車速の如何により Ns=(1+1/ρ)Nc−(1/ρ)Nr として定まる。
【0009】一方、キャリアとサンギヤとリングギヤの
トルクをTc、Ts、Trとすると、これらは Ts:Tc:Tr=ρ/(1+ρ):1:1/(1+
ρ) の比にて互いに平衡し、従ってまた、これら3要素のい
ずれかがトルクを発生しあるいは吸収するときには、上
記の平衡が成り立つまで相互間にトルクのやりとりが行
なわれる。
【0010】以上の如き駆動構造を備えたハイブリッド
車に於いて、内燃機関、MG1、MG2の作動は、図に
は示されていない車輌運転制御装置により、運転者から
の運転指令と車輌の運行状態とに基づいて制御される。
即ち、車輌運転制御装置はマイクロコンピュータを備
え、運転者からの運転指令と種々のセンサにより検出さ
れる車輌の運行状態とに基づいて目標車速および目標車
輪駆動トルクを計算すると共に、蓄電装置の充電状態に
基づいて蓄電装置に許される電流出力あるいは蓄電装置
の充電のために必要な発電量を計算し、これらの計算結
果に基づいて、内燃機関を休止を含む如何なる運転状態
にて運転すべきか、またMG1およびMG2を如何なる
電動状態あるいは発電状態にて運転すべきかを計算し、
その計算結果に基づいて内燃機関、MG1、MG2の作
動を制御する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】課題に関する関連出願 以上の如く内燃機関の出力軸が動力分配機構を経て第一
の電動発電機と車輪駆動軸とに連結され、該車輪駆動軸
に第二の電動発電機が連結されたハイブリッド車駆動構
造によれば、図2より理解される通り、内燃機関出力軸
の回転数Ncと車速に対応する回転数Nrの各々の値お
よびその間の相対関係は、その変化を第一の電動発電機
の回転数Nsにて吸収することにより大幅に変えること
ができるので、かかるハイブリッド車駆動構造に於いて
は、これまで変速機は不要とされていた。即ち、動力分
配機構の調節次第で、NcとNrの間の関係を自由に変
えることができ、また停車中(Nr=0)であっても機
関運転(Nc>0)すること、逆に、前進中(Nr>
0)であっても機関停止(Nc=0)すること、あるい
は機関の運転または停止(Nc≧0)にかかわらず後進
(Nr<0)することができる。
【0012】しかし、MG2の回転数は車速の如何によ
って左右され、蓄電装置の充電度は車速とは一応無関係
であるため、MG2が蓄電装置の充電のための発電機と
して作動するには大きな制約がある。そこで蓄電装置の
充電は専らMG1に頼ることとなり、逆に車輪の電動駆
動は専らMG2に頼ることとなる。そのため変速機を備
えない上記の如きハイブリッド車駆動構造に於いて、低
車速領域にても必要に応じて高い車輪駆動トルクを得る
ことができる車輌運転性能を確保しておくためには、畢
竟MG2は大型化せざるを得ない。
【0013】このことを車軸トルクの要求値の大きさを
車速に対比させた車速対車軸トルクの座標系で示せば、
図3の通りである。即ち、今、車輌の内燃機関を広い車
速域に亙って高燃費にて運転し、しかも車輌の車速対車
軸トルク性能として望まれる限界性能として線Aにて示
す如き性能を車輌に持たせようとすれば、高燃費を得る
内燃機関の車速対車軸トルク性能は領域Bの如くほぼ平
らになるので、残りを専らMG2にて補わなければなら
ず、その車速対車軸トルク性能は領域Cを賄うものでな
ければなない。そのためMG2は低回転速度にて高トル
クを発生することができるよう、それ相当の大型のもの
とされなければならない。
【0014】しかし、図3を吟味すれば、領域Cの深さ
は領域Bの深さに対比して些か深すぎるのではないかと
の疑問がもたれる。これは、観点を変えれば、内燃機関
と第一および第二の電動発電機なる三つの原動装置の大
きさの相対的釣合い、特に内燃機関と第二の電動発電機
の大きさの釣合いの問題である。
【0015】かかる疑問に端を発し、この点に関し上記
の如きハイブリッド車輌駆動構造を更に改良するものと
して、本件出願人と同一人は、別途出願に係わる特願2
001−323578号にて内燃機関の出力軸が動力分
配機構を経て第一の電動発電機と車輪駆動軸とに連結さ
れ、該車輪駆動軸に第二の電動発電機が連結されたハイ
ブリッド車駆動構造に於いて、前記車輪駆動軸の途中ま
たは該車輪駆動軸への前記第二の電動発電機の連結の途
中の少なくとも一方に変速機を設けたことを特徴とする
ハイブリッド車駆動構造を提案した。
【0016】上記別件特願2001−323578号に
よる変速機付きハイブリッド車駆動構造の一つは、図4
に示す如く変速機が車輪駆動軸の途中にあって第二の電
動発電機の連結部より内燃機関の側に設けられている構
造である。この場合、変速機100は2段ないし3段の
ものであってよく、更に後進段を含むものであってよ
い。そのような変速機は既に公知の技術により種々の態
様にて得られるが、前進3段と後進段を有するものにつ
いてその一例を解図的に示せば、図5の通りである。
【0017】図5に於いて、20、22、24、26は
一つの遊星歯車機構を構成するサンギヤ、リングギヤ、
プラネタリピニオン、キャリアであり、また21、2
3、25、27は他の一つの遊星歯車機構を構成するサ
ンギヤ、リングギヤ、プラネタリピニオン、キャリアで
あり、28(C1)、29(C2)はクラッチであり、
30(B1)、31(B2)はブレーキであり、32
(F1)はワンウェイクラッチである。
【0018】そしてこれらの回転要素が、33を入力軸
とし、34を出力軸として、その間に図示の如く組み合
わされていると、クラッチC1が係合されることにより
ワンウェイクラッチF1の係合を伴って減速比が最も大
きい第1速段が達成され、クラッチC1とブレーキB1
とが係合されることにより減速比が中程の第2速段が達
成され、クラッチC1とC2とが係合されることにより
減速比が最も小さい(減速比=1)第3速段が達成さ
れ、クラッチC2とブレーキB2とが係合されることに
より後進段が達成される。
【0019】かかる変速機が図4に示す如く車輪駆動軸
の途中に設けられることにより、図3に示したような車
速に対する車軸トルクの要求は、内燃機関を全車速域に
わたって最高燃費にて運転しても、図6に示す如く低車
速域にてはそのより多くが変速機を介して内燃機関によ
り分担され、第二の電動機に対するトルク負荷は大きく
て低減される。即ち、図6に於いて、領域B1、B2、
B3はそれぞれ変速機が低速用の第1速段、中速用の第
2速段、高速用の第3速段に切り換えられることにより
内燃機関が分担することができる車軸トルクの大きさを
示し、輪郭線Aにて示されている如き車軸トルク性能を
得るためには、第二の電動発電機は車速に応じて領域C
にて示されている大きさの車軸トルクを分担すればよい
ことになる。
【0020】但し、同出願にて内燃機関の出力軸が動力
分配機構を経て第一の電動発電機と車輪駆動軸とに連結
され、該車輪駆動軸に第二の電動発電機が連結されたハ
イブリッド車駆動構造に変速機を組み込むことを提案し
たのは、低車速域にて特に高い車軸トルクが要求された
場合に対する第二の電動発電機の必要容量を小さくする
ためである。かかる変速機付きハイブリッド車駆動構造
は、内燃機関の回転数Ncと車輪の回転数Nrとの間の
関係が第一の電動発電機の回転数Nsを変えることによ
り大幅に変更でき、一般の平地に於ける自動車の運行に
於いては、車輌発進時であってもさほど高い車軸トルク
が要求されるわけではない。
【0021】そこで、特別に高い車軸トルクが要求され
る場合を除き、通常の車輌運行に於いては、変速機が設
けられていてもこれを作動させないこと、即ち変速機の
変速切り換え作動を省略し、変速機の変速切り換えに伴
う時間遅れや衝撃あるいは騒音の発生を回避することが
有利であると考えられることに鑑み、本件出願人と同一
人は、更に別途出願に係わる特願2001−32393
1号にて、かかるハイブリッド車駆動構造の運転方法と
して、変速機を所定の高速段に設定し、内燃機関を高燃
費にて運転して車軸トルク要求値に対応できる限り、車
速の変化に拘わらず該高速段を保持して運転することを
提案した。
【0022】本願発明の課題 以上により理解される通り、図1に示すハイブリッド駆
動構造に図4に示す如く変速機を組み込むことにより、
図3に輪郭線Aにて示す如き車速に対する車軸トルクの
要求を、図6に示す如く内燃機関と第二の電動発電機と
の間に割り振ることができ、これによって第二の電動発
電機を図6に領域Cにて示されている如く全車速域にわ
たってほぼ一様な比較的小さいトルクを発生することが
できればよい電動発電機とすることができる。
【0023】本発明は、図6に見られる如く変速機を経
て幾段かに切り換えられて出力される内燃機関による車
軸駆動トルクと電動発電機による車軸駆動トルクとが加
算的に組み合わされて車軸が駆動される構成に於いて
は、内燃機関に基づくトルクは変速機の変速段切り換え
により不可避的に不連続変化を生ずるが、電動トルクは
連続的可変性に富むものであることに着目し、これら両
者の組合せよりなる車輌の駆動装置を更に改良すること
を課題としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するも
のとして、本発明は、内燃機関の出力軸が変速機を経て
車輪駆動軸に連結され、該車輪駆動軸に電動発電機が連
結されたハイブリッド車駆動構造の運転方法にして、前
記変速機の変速段を切り換える際に該変速機の出力トル
クに現れる急変を前記電動機の出力の変更により緩和す
ることを特徴とするハイブリッド車駆動構造運転方法を
提案するのである。
【0025】尚、電動発電機なる語は、電動機および発
電機の両機能を有する手段を指すが、発電機能は蓄電装
置を自己充電するという本願発明の作用および効果に直
接関係しない機能であり、本願明細書の記載に於いて電
動発電機と記載された手段は、特に断る場合を除き、本
願発明に関する限り発電機能を有しない電動機をその均
等物として含むものとする。
【0026】上記のハイブリッド車駆動構造運転方法に
於いて、前記変速機の出力トルクの急変を緩和する前記
電動発電機の出力トルクの変更は、前記車輪駆動軸に与
えるべきトルクと前記変速機の出力トルクの実測値の差
に基づいて制御されてよい。
【0027】或はまた、上記のハイブリッド車駆動構造
運転方法に於いて、前記変速機の出力トルクの急変を緩
和する前記電動発電機の出力トルクの変更は、各変速段
の切換えに対し予め設定された時間対トルクのマップに
従って制御されてよい。
【0028】上記のハイブリッド車駆動構造運転方法を
適用するハイブリッド車駆動構造は、特に前記内燃機関
の出力軸が動力分配機構を経て第一の電動発電機と前記
車輪駆動軸とに連結され、該車輪駆動軸に第二の電動発
電機が連結された構造を有し、前記変速機の出力トルク
に現れる急変を出力トルクの変更により緩和する前記電
動発電機は前記第二の電動発電機であるものであってよ
い。
【0029】また、上記のハイブリッド車駆動構造運転
方法を適用するハイブリッド車駆動構造に於ける前記変
速機は、複数の摩擦係合装置を備え、その内の一つの係
合を解除し、他の一つを新たに係合させることにより切
り換えられる二つの変速段を含んでいる構造のものであ
ってよいが、或いはまた、噛合いが切り換えられる変速
歯車機構であり、単一の摩擦係合装置により該変速歯車
機構が全体として一時的に前記内燃機関の出力軸とのト
ルク伝達接続より切り離されるようになっている構造の
ものであってもよい。
【0030】
【発明の作用及び効果】従来、車輌の変速機に関する最
も重要な課題の一つは、変速段の切換え時に如何にして
変速機出力トルクの変動をなくすかということであり、
そのため変速段の切換えを行うクラッチやブレーキの如
き摩擦係合装置の係合の解除や新たな係合を如何に滑ら
かに且つ繊細なタイミングにて行うかが問題であった。
【0031】即ち、変速機の変速段を切り換えるには、
歯車列内を通る動力の伝達経路を切り換える必要があ
り、そのためにはそれまでの動力伝達経路を一旦開放し
たり、変速比が異なる新たな動力伝達経路を立ち上げる
必要がある。そのため変速段の切換えに際しては、変速
機出力トルクはステップ状に急上昇または急降下したり
あるいは一時的に落ち込んだりする。
【0032】かかる変速機出力トルクの急変を可及的に
小さくして変速ショックや変速時の違和感を和らげるた
めには、変速段の切換えにあたって係合を解除されある
いは新たに係合される摩擦係合装置の開放あるいは係合
は、ある緩やかな変化率にて滑らかに行われる必要があ
り、またある一つの摩擦係合装置が係合を解除される一
方で他の一つの摩擦係合装置が新たに係合されるときに
は、両者の開放と係合の間には相互にある所定のタイミ
ングが保たれることが重要であった。
【0033】この点に関し、上記の如く車輪駆動軸が、
変速機出力トルクと電動トルクの加算により駆動される
ようになっているとき、変速機出力トルクに生ずる変速
時の急変に対応して電動発電機への電力の供給を変更す
る制御が行われれば、変速機出力トルクの急変を緩和す
ることができ、摩擦係合装置の係合あるいは開放がさほ
ど繊細に行われなくても、またそれを補うトルクコンバ
ータが設けられていなくても、変速機の変速に伴い車軸
駆動トルクをより滑らかに変化させることができる。
【0034】電動機の出力トルクは電動機への電力の供
給を制御することにより極めて迅速に変化させることが
できるので、変速機の出力トルクの急変がトルクセンサ
等により検出されさえすれば、急変する変速機出力トル
クを車輪駆動軸に与えるべき滑らかに変化するトルクに
対比させてその差に対応して電動機の出力トルクを急変
させ、変速機の出力トルクに生ずる急変を的確に緩和す
ることができる。
【0035】或はまた、変速段の切り換え時に於ける変
速機出力トルクの急変は、各変速機の各変速段について
そのパターンがおよそ決まっているので、時間に対する
トルクの急変の大きさを表した制御用マップを予め作成
しておき、変速機の変速時には該マップ従って電動機の
出力トルクを制御することによっても、変速機出力トル
クの急変を緩和し、変速時にも滑らかに変化するトルク
にて車輪駆動軸を駆動することができる。
【0036】本発明によるハイブリッド車駆動構造運転
方法は、図4に示したように内燃機関の出力軸が動力分
配機構を経て第一の電動発電機と車輪駆動軸とに連結さ
れ、該車輪駆動軸に第二の電動発電機が連結されたハイ
ブリッド車駆動構造に於いては、該第二の電動発電機を
変速機の出力トルクに現れる急変を出力トルクの変更に
より緩和する電動発電機として作動させることにより直
ちに実施することができる。
【0037】また本発明によれば、図7のBおよびCに
示す如く、変速機の変速段切換え際して変速機出力トル
クに一時的な落ち込みが生ずる場合にも、これを補完し
て車輪を駆動するトルクを滑らかに変化させることがで
きるので、変速機が複数の摩擦係合装置を備え、その内
の一つの係合を解除し、他の一つを新たに係合させるこ
とにより切り換えられる二つの変速段を含んでいるもの
である場合にも、また、噛合いが切り換えられる変速歯
車機構であり、単一の摩擦係合装置により変速時には該
変速歯車機構が全体として一時的に前記内燃機関の出力
軸とのトルク伝達接続より切り離されるようになってい
る場合にも、変速機に車輪駆動トルクの一時的落ち込み
を生ずることのない車輪駆動を達成することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に本発明によるハイブリッド
車駆動構造運転方法を、図4に示す如き変速機付きハイ
ブリッド車駆動構造であって、変速機100が図5示す
如きものである場合について、これに適用した例につい
て説明する。
【0039】上記の通り、図5に示されている変速機
は、33を入力軸とされ、34を出力軸とされたとき、
クラッチC1が係合されることによりワンウェイクラッ
チF1の係合を伴って減速比が最も大きい第1速段が達
成され、クラッチC1とブレーキB1とが係合されるこ
とにより減速比が中程の第2速段が達成され、クラッチ
C1とC2とが係合されることにより減速比が最も小さ
い(減速比=1)第3速段が達成される。
【0040】この場合に、変速段の切換えに当たって、
クラッチC1,C2およびブレーキB1の係合あるいは
開放がやや無造作に行われると、第1速段から第2速段
へのアップシフト、第2速段から第3速段へのアップシ
フト、第3速段から第2速段へのダウンシフト、第2速
段から第1速段へのタウンシフトに際して、変速機出力
トルクはそれぞれ図7のA、B、C、Dに於いて実線に
て示す如く変化する。
【0041】しかし、現在一般の車輌では、かかる変速
機出力トルクの急変を図中破線にて示す如く和らげるべ
く、かかる変速機にトルクコンバータを直列に設け、ま
たクラッチあるいはブレーキの係合あるいは開放を半ク
ラッチ状態を経て緩やかに行い、更に第2速段と第3速
段の間の切換えに於ける如くブレーキとクラッチの相反
的開放と係合が行われることによりその間にトルクの一
時的落ち込みが生ずる場合には、両者の開放と係合のタ
イミングを計って一部を時間的に重合をさせることによ
り、トルクの一時的落ち込みを可及的に少なくすること
が図られている。
【0042】これに対し、本発明は、図7にて実線によ
り示されている如き変速機出力トルクの変化をそれに応
じた電動発電機の出力トルクの変更により図中破線にて
示す如く補完して滑らかに変化させようとするものであ
る。図8はその方法の一つの実施例を示すフローチャー
トである。
【0043】図8に示すフローチャートによる制御は、
図には示されていないコンピュータを備えた車輌運転制
御装置により車輌の運行開始と同時に開始される。先ず
ステップ1に於いて、第1速段より第2速段へのアップ
シフトを行うべきときか否かが判断される。答がイエス
であれば、制御はステップ2へ進み、以下に説明する係
数Cが1−2アップシフト用の係数C12とされる。C12
は図7のAに於ける破線の下り勾配に対応する負の値で
ある。
【0044】ステップ1の答がノーであれば、制御はス
テップ3へ進み、第2速段より第3速段へのアップシフ
トを行うべきときか否かが判断される。答がイエスであ
れば、制御はステップ4へ進み、係数Cが2−3アップ
シフト用の係数C23とされる。C23は図7のBに於ける
破線の下り勾配に対応する負の値である。
【0045】ステップ3の答がノーであれば、制御はス
テップ5へ進み、第3速段より第2速段へのダウンシフ
トを行うべきときか否かが判断される。答がイエスであ
れば、制御はステップ6へ進み、係数Cが3−2ダウン
シフト用の係数C32とされ、またフラグFが1にセット
される。C32は図7のCに於ける破線の上り勾配に対応
する正の値である。フラグFの作用については後述す
る。
【0046】ステップ5の答がノーであれば、制御はス
テップ7へ進み、第2速段より第1速段へのダウンシフ
トを行うべきときか否かが判断される。答がイエスであ
れば、制御はステップ8へ進み、係数Cが2−1ダウン
シフト用の係数C21とされる。
【0047】ステップ7の答がノーであれば、制御はそ
のままステップ1の前に戻り、ステップ1、3、5、7
を巡りつつ何れかのアップシフトまたはダウンシフトを
行うべき時期が来ることの監視を続ける。(このフロー
チャートは変速機の変速を制御するものではないので、
後進段は対象外である。)
【0048】制御がステップ2、4、6または8のいず
れかを通ったときは、制御はステップ9に至り、ここで
そのときの変速機出力トルクTにある小さなトル値δT
を加えた値が変速機出力トルクの初期値Toとされる。
δTは後述のステップ13に於けるsより大きい値とさ
れる。
【0049】次いで制御はステップ10へ進み、車輌運
転制御装置を構成するコンピュータの一部に設けられた
カウンタのカウント値nが制御開始時にリセットされた
0より始まって1ずつ増分される。
【0050】次いで制御はステップ11へ進み、上に求
められた係数Cと、変速機出力トルク初期値Toと、カ
ウント値nと、その時点に於ける変速機出力トルクTに
基づき、その時点に於けるトルク偏差ΔTが ΔT=To+n・C−T として計算される。
【0051】この計算式より理解される通り、係数Cを
なす上記のC12、C23、C32、C21は、それぞれ、制御
がこのフローチャートのステップ10〜13を巡って循
環する経過時間に相当する上記のカウン値nと掛け合わ
されるとき、図7のA、B、C、Dのそれぞれに於い
て、トルク値を初期値Toから始まって破線にて示す如
く変化せしめる値とされる。従ってまた、上の式から計
算されるΔTは、図7のA、B、C、Dのそれぞれで見
て、トルク変化の各時点に於いて、破線にて表されたト
ルク値が実線にて表されたトルク値に対してなす偏差で
ある。
【0052】そこで、次のステップ12に於いては、電
動発電機MG2の出力トルクをΔTだけ変化させ(即
ち、ΔTが正のときには増大させ、ΔTが負のときには
減小させ)、変速機出力軸に現れる実線にて示す如きト
ルクの急変を電動トルクにて緩和し、車輪に伝達される
駆動トルクを図7のA,B,C,Dにて破線により示さ
れている如く変化させる。尚、ΔTが正のときには、電
動発電機MG2は勿論電動機として作動して変速機出力
トルクを補わなければならないが、ΔTが負のときに
は、電動発電機MG2は車輪駆動軸に対し変速機出力ト
ルクの回転方向とは逆の回転方向のトルクを生ずる電動
機として作動されるか、あるいは変速機出力トルクの対
応する一部を吸収する発電機として作動されてよい。
【0053】その後、制御はステップ13へ進み、ΔT
の絶対値がある所定の小さい値s以下に収束したか否か
が判断される。答がノーである間、制御はステップ10
の前に戻り、時を追って変化するΔTを計算しつつそれ
に応じた電動機MG2によるトルク補完を続ける。
【0054】そして、図7のA、B、Dに於いては実線
による変速機出力トルクの変動が破線による目標トルク
に収束し、図7のCに於いては変速機出力トルクが破線
を横切る状態となって、ステップ13の答がイエスに転
ずると、制御はステップ14へ進み、フラグFが1であ
るか否かが判断される。変速が第3速段から第2速段へ
のダウンシフト以外ときには、フラグFは0にリセット
されているので、答はノーであり、ここで1回の制御は
終了し、制御は次回の制御に備える。
【0055】しかし変速が第3速段から第2速段へのダ
ウンシフトであるときには、フラグFは1になっている
ので、制御はステップ15へ進み、ここである短時間δ
tの時間遅れがとられる。この時間遅れは、図7のCに
於ける実線による実際のトルク経過線と破線による目標
トルク経過線との交差部をやり過ごすための時間であ
る。この遅れ時間δtをやり過ごした後、制御はステッ
プ16へ進み、フラグFを0にリセットし、再度ステッ
プ10の前に戻る。そして図7のCに於いて実線による
実際のトルク経過線が破線による目標トルク経過線を上
回る部分についての電動発電機MG2によるトルク補完
が終了し、ステップ13に於ける答が再びイエスになる
と、制御はステップ14へ進み、このときフラグFは0
にリセットされているので、ここで1回の制御は終了す
る。
【0056】図9は、図8と同様に、図7にて実線によ
り示されている如き変速機出力トルクの変化をそれに応
じた電動発電機の出力トルクの変更により図中破線にて
示す如く修正して滑らかに変化させようとする本発明方
法の他の一つの実施例を示すフローチャートである。
【0057】図9に示すフローチャートによる制御も、
図には示されていないコンピュータを備えた車輌運転制
御装置により車輌の運行開始と同時に開始される。先ず
ステップ101に於いて、第1速段より第2速段へのア
ップシフトを行うべきときか否かが判断される。答がイ
エスであれば、制御はステップ102へ進み、1−2ア
ップシフト用のマップ12が選択される。マップ12は
図7のAに於ける変速開始時点からの破線と実線の間の
トルクの差を変速開始時点からの時間に対し変速開始時
の変速機出力トルクToに対する比として示すマップで
あり、予め変速機の機種と変速段とに対し設定されてい
るものである。
【0058】ステップ101の答がノーであれば、制御
はステップ103へ進み、第2速段より第3速段へのア
ップシフトを行うべきときか否かが判断される。答がイ
エスであれば、制御はステップ104へ進み、2−3ア
ップシフト用のマップ23が選択される。マップ23は
図7のBに於ける変速開始時点からの破線と実線の間の
トルクの差を変速開始時点からの時間に対し変速開始時
の変速機出力トルクToに対する比として示すマップで
あり、同様に予め変速機の機種と変速段とに対し設定さ
れているものである。
【0059】ステップ103の答がノーであれば、制御
はステップ105へ進み、第3速段より第2速段へのダ
ウンシフトを行うべきときか否かが判断される。答がイ
エスであれば、制御はステップ106へ進み、3−2ダ
ウンシフト用のマップ32が選択される。マップ32は
図7のCに於ける変速開始時点からの破線と実線の間の
トルクの差を変速開始時点からの時間に対し変速開始時
の変速機出力トルクToに対する比として示すマップで
あり、同様に予め変速機の機種と変速段とに対し設定さ
れているものである。またここではフラグFが1にセッ
トされる。
【0060】ステップ105の答がノーであれば、制御
はステップ107へ進み、第2速段より第1速段へのダ
ウンシフトを行うべきときか否かが判断される。答がイ
エスであれば、制御はステップ108へ進み、2−1ダ
ウンシフト用のマップ21が選択される。マップ21は
図7のDに於ける変速開始時点からの破線と実線の間の
トルクの差を変速開始時点からの時間に対し変速開始時
の変速機出力トルクToに対する比として示すマップで
あり、同様に予め変速機の機種と変速段とに対し設定さ
れているものである。
【0061】ステップ107の答がノーであれば、制御
はそのままステップ101の前に戻り、ステップ10
1、103、105、107を巡りつつ何れかのアップ
シフトまたはダウンシフトを行うべき時期が来ることの
監視を続ける。(このフローチャートもまた変速機の変
速を制御するものではないので、後進段は対象外であ
る。)
【0062】制御がステップ102、104、106ま
たは108のいずれかを通ったときは、制御はステップ
109に至り、ここでそのときの変速機出力トルクTの
値が変速機出力トルクの初期値Toとされる。
【0063】次いで制御はステップ110へ進み、車輌
運転制御装置を構成するコンピュータの一部に設けられ
たカウンタのカウント値nが制御開始時にリセットされ
た0より始まって1ずつ増分される。
【0064】次いで制御はステップ111へ進み、その
ときのカウント値nに基づいて上に選択されたマップを
参照し、電動機により補完すべきトルクΔTの大きさの
Toに対する比Kmap(n)を読み取り、 ΔT=To・Kmap(n) としてΔTが計算される。
【0065】この計算式より理解される通り、上記のマ
ップ12、23、32、21は、それぞれ、制御がこの
フローチャートのステップ110〜113を巡って循環
する各時点にて変速開始時の変速機出力トルクの初期値
Toと掛け合わされるとき、図7のA、B、C、Dのそ
れぞれに於いて破線にて示す如きトルク変化と実線によ
り示す如き予想される実際のトルク変化の間の差を与え
る係数を、カウント値nの関数Kmap(n)として提供する
ものである。
【0066】かくして得られたΔTに基づいて電動発電
機MG2を作動させる要領は、図8に示す実施例に於け
るものと同様である。図9に於いては、図8に於けるス
テップに対応するものは、対応するステップ番号を10
0番台に変えたステップ番号にて示し、更なる詳細な説
明は記載の冗長化を避けるため省略する。
【0067】以上に於いては、変速機として自動変速機
に多く用いられている図5に示す如き構造の変速機を例
にとって本発明を説明したが、本発明によるハイブリッ
ド車運転制御方法によれば、図7のBおよびCの如く変
速に際して変速機出力トルクが一旦谷状に落ち込む場合
に対しても、車軸へ伝達される駆動トルクを同図中破線
にて示したように滑らかに変化させることができる。こ
のことは、本発明によれば、変速機が旧来の手動変速機
の構造であっても同様に適用でき、また同様の作用及び
効果が得られることを示している。
【0068】即ち、旧来の手動変速機は、変速歯車機構
のみを備えており、その変速にあたっては、内燃機関出
力軸と変速機との間に設けられた唯一のクラッチが変速
の度に一時係合を解除され、その間に歯車の噛合いの切
換えが行われるようになっている。従って、この場合、
変速機出力トルクは、何の変速段より何の変速段への変
速が行われるときにも、変速の度に一旦谷状に落ち込
む。かかる変速に伴う変速機出力トルクの落ち込みに対
して、本発明は、上記の図8または図9のいずれに示し
たような実施例によってもこれを補完し、変速に伴う車
軸駆動トルクの変化を滑らかに行わせることができる。
【0069】図5に例示した如き自動変速用の用の変速
機は、運転中常時数個のクラッチやブレーキの如き摩擦
係合装置により動力伝達を行っており、摩擦係合による
動力伝達はそれなりのエネルギ損失をきたし、伝達効率
の低下を余儀なくさせるものである。かかる運転中のエ
ネルギ損失の点に於いて、単一のクラッチにて作動する
旧来の手動変速機はそれより優れている。そこで、ハイ
ブリッド車に変速機を組み込むに当たって、本発明が適
用されれば、変速機を旧来の手動用の変速機とし、それ
を変速に際して単一のクラッチにより一時内燃機関出力
軸より切り離すようにすることもでき、これによってハ
イブリッド車に変速機を組み込む場合のエネルギ損失を
抑制し、燃費について有利な効果を得ることができる。
【0070】尚、手動変速機の構造は既に古くから当技
術分野に於いては種々の構成に於いて公知であり、その
うち本発明の適用の対象となり得るものが特に限られる
という事情はなく、また変速歯車機構を特定しなくても
本発明に係るその作用効果は明らかであり、手動変速機
の構造の例について図示を伴う説明を行うことは明細書
および図面を徒に冗長化するので省略する。
【0071】以上に於いては本発明をいくつかの実施例
について詳細に説明したが、本発明がこれらの実施例に
のみ限られるものではなく、本発明の範囲内にて他に種
々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかで
あろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるハイブリッド車駆動構造運転方法
の対象となるハイブリッド車駆動構造の原型を示す概略
図。
【図2】図1に示すハイブリッド車駆動構造に於ける内
燃機関と二つの電動発電機MG1、MG2の回転数N
c、Ns、Nrの間の関係を示す線図。
【図3】図1に示すハイブリッド車駆動構造に於いて内
燃機関および電動発電機MG2の各々により分担される
べき車軸トルクの大きさを車速に対し示す線図。
【図4】本発明の対象となるハイブリッド車駆動構造の
一つの実施例を図1に倣って示す概略図。
【図5】三つの変速段と後進段とを提供する変速機の一
例を示す概略図。
【図6】図4に示すハイブリッド車駆動構造に於いて、
変速機の作動により内燃機関および電動発電機MG2の
各々により分担されるべき車軸トルクの大きさを車速に
対し示す線図。
【図7】図5に示す変速機の変速段切換え時に変速機出
力軸に生ずるトルク変動とそれを均して滑らかな変化と
する要領を示す線図。
【図8】本発明によるハイブリッド車駆動構造運転方法
の一つの実施例を示すフローチャート。
【図9】本発明によるハイブリッド車駆動構造運転方法
の他の一つの実施例を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関 2…内燃機関の出力軸 3…遊星歯車装置 4…サンギヤ 5…リングギヤ 6…プラネタリピニオン 7…キャリア 8…第一の電動発電機(MG1) 9…コイル 10…回転子 11…プロペラ軸 12…第二の電動発電機(MG2) 13…コイル 14…回転子 15,16…歯車 17…ディファレンシャル装置 18…車軸 19…車輪 20…サンギヤ 22…リングギヤ 24…プラネタリピニオン 26…キャリア 21…サンギヤ 23…リングギヤ 25…プラネタリピニオン 27…キャリア 28,29…クラッチ 28,29…ブレーキ 32…ワンウェイクラッチ 100…変速機
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60K 41/00 301 B60K 41/00 301B 301D B60L 11/14 B60L 11/14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の出力軸が変速機を経て車輪駆動
    軸に連結され、該車輪駆動軸に電動発電機が連結された
    ハイブリッド車駆動構造の運転方法にして、前記変速機
    の変速段を切り換える際に該変速機の出力トルクに現れ
    る急変を前記電動発電機の出力トルクの変更により緩和
    することを特徴とするハイブリッド車駆動構造運転方
    法。
  2. 【請求項2】前記変速機の出力トルクの急変を緩和する
    前記電動発電機の出力トルクの変更は、前記車輪駆動軸
    に与えるべきトルクと前記変速機の出力トルクの実測値
    の差に基づいて制御されることを特徴とする請求項1に
    記載のハイブリッド車駆動構造運転方法。
  3. 【請求項3】前記変速機の出力トルクの急変を緩和する
    前記電動発電機の出力トルクの変更は、各変速段の切換
    えに対し予め設定された時間対トルクのマップに従って
    制御されることを特徴とする請求項1に記載のハイブリ
    ッド車駆動構造運転方法。
  4. 【請求項4】前記ハイブリッド車駆動構造は前記内燃機
    関の出力軸が動力分配機構を経て第一の電動発電機と前
    記車輪駆動軸とに連結され、該車輪駆動軸に第二の電動
    発電機が連結された構造を有し、前記変速機の出力トル
    クに現れる急変を出力トルクの変更により緩和する前記
    電動発電機は前記第二の電動発電機であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッド車駆
    動構造運転方法。
  5. 【請求項5】前記変速機は複数の摩擦係合装置を備え、
    その内の一つの係合を解除し、他の一つを新たに係合さ
    せることにより切り換えられる二つの変速段を含んでい
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハ
    イブリッド車駆動構造運転方法。
  6. 【請求項6】前記変速機は噛合いが切り換えられる変速
    歯車機構であり、単一の摩擦係合装置により該変速歯車
    機構が全体として一時的に前記内燃機関の出力軸とのト
    ルク伝達接続より切り離されるようになっていることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハイブリッ
    ド車駆動構造運転方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101484213B1 (ko) 2012-12-28 2015-01-16 현대자동차 주식회사 모터 토크 제어장치 및 제어방법

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