JP3746859B2 - 油圧システムの冷温オイル保護回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、一般的にクーラ、あるいは油圧システム内の流体の温度を制御するための別の流体調節機構を備えた流体システムを有する油圧システムに関する。より詳細には、本発明は、システム内の流体が冷えた状態のときにシステムを保護するための回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷えた状態の環境において流体システムを作動させるとき、または機械のエンジンを最初に始動させるとき、流体は冷たく、粘性は相当に高い。これらの状況のもとで、1つか2つ以上のアクチュエータが作動される場合には、システムを通って流れる流体の容積は大きい。流体の粘性が高いので、流体をクーラ、またはフィルターのような様々なシステムの部品を通して流すことは極めて困難である。公知のシステムにおいて、システムに流体を流そうと試みてきたが、流れ抵抗による高流体圧のためにいくつかのシステムの部品を傷つけたり破壊することになった。流体の流体温度が所定のレベル以下の時には、システムを通る流体の流れを減少させることが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
様々な試みが上述の問題を補うのに用いられてきた。戻り流体の圧力が所定の圧力レベルを越えるときには、クーラ、あるいは別の部品のまわりにバイパスを設けるという試みがなされた。流体の温度をより短時間で高くするように流体の温度に応答してクーラのファンの速度を低減させる別の試みもなされた。他の試みでは、流体の温度が所定のレベル以下である場合に、ポンプからリザーバまでの流体の流れをバイパスさせるようにバイパスバルブが設けられていた。ポンプのバイパスされた流体流れは、所定の通路を通ってリザーバに戻らなければならず、流体の容積が相当に大きい場合には、クーラ、フィルターまたは別の部品に対する損傷が依然として生じる可能性がある。
【0004】
本発明は上述の問題の1つか2つ以上を解決する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の1態様において、リザーバから流体を受け取り、方向付けバルブ機構を介してアクチュエータに加圧流体を給送する加圧流体源、入力コマンドの大きさに比例して方向付けバルブ機構の動きを制御する電気油圧式比例バルブ機構、およびシステム内の流体を調節するように作動する流体調節機構を有する油圧システムに用いるように冷流体保護回路が設けられている。冷流体保護回路は、リザーバと組み合わされており、リザーバ内の流体の温度を表す信号を作り出すように作動する温度センサーと、入力コマンドを受信および処理し、この入力コマンドに比例する電気油圧比例バルブに電気コマンドを出力するように作動するコントローラと、を備える。コントローラは、リザーバ内の流体の温度を表す温度センサーから信号を受信し、電気油圧式比例バルブ機構への電気コマンドを修正し、流体温度が所定のレベル以下のときには、方向付けバルブ機構を横切る流れと流体調節機構を通る流れとを比例的に減少させる。
【0006】
【実施例】
図1を参照すると、油圧システム10が示されており、可変容積形ポンプ14のような加圧流体源12、リザーバ16、第1および第2アクチュエータ18、20、第1および第2方向付けバルブ機構22、24、および各第1および第2電気比例バルブ機構26、28を含む。第1および第2電気油圧比例バルブ機構26、28のそれぞれは、第1および第2の電気付勢式比例バルブ30、32を有する。
流体調節機構36は、油圧システム10内に配置されており、流体を調節するようになっている。流体調節機構36は、アクチュエータ18、20からリザーバ16までの途中に配置されており、流体クーラ装置38と流体フィルター装置40とを含む。公知のように、流体クーラ装置38は、冷却ファン、バイパスバルブまたは本発明の原則から逸脱することなく公知の別の部品を含む。同様に、フィルター装置40は、平行、すなわち並列に配置されたいくつかのフィルターを含む。
【0007】
冷流体保護回路42は、油圧システム10内における、リザーバ16内の流体の温度に基づいて流れ調節機構36を通る流体流量を制御するように設けられている。冷流体保護回路42は、マイクロプロセサのようなコントローラ44を含んでおり、一対のジョイスティック制御50の第1および第2レバー46、48から電気信号“I1 、I 2”の形態で入力コマンド“I”を受信し、処理するように作動する。
コントローラ44は、電気コマンド信号“C”を作り出し、電気油圧比例バルブ機構26、28に送信する。コマンド“C”は、第1電気油圧比例バルブ機構26の各第1および第2電気付勢式比例バルブ30、32のそれぞれに送信される第1および第2電気信号“C1 、C 2”を含む。またコマンド“C”は、第2電気油圧比例バルブ機構28の各第1および第2電気付勢式比例バルブ30、32のそれぞれに送信される第3および第4電気信号“C3 、C 4”を含む。
【0008】
冷流体保護回路42は、リザーバ16内の流体の温度を検出し、検出された温度を表す電気信号“T”をコントローラ44に送信するように作動する温度センサー54を含む。温度センサー54はリザーバ16に取りつけられて示されているが、この温度センサーをリザーバ16とポンプ14との間の入口ラインに接続できる。
2つのアクチュエータ18、20とこれらに関連するバルブのみが示されて記載されているが、本発明の油圧システム10は、本発明の本質から逸脱することなく別のアクチュエータとそれに関連するバルブを用いることができる。コントローラ44は、本実施例に記載したのと同じ方法で、別のアクチュエータとこれに関連するバルブを制御する。同様に、ジョイスティック制御50が示されているが、別の種類のパイロット制御を用いることができる。
【0009】
油圧システム10の作動において、オペレータは、コントロールレバー46、48の1つか、双方に入力を行ない、各アクチュエータ18、20の制御を行なう。アクチュエータ18、20の各々は、入力からコントロールレバー44、46のいずれかまで基本的に同じ方法で制御されるので、アクチュエータ18、20の1つの制御された作動のみを詳細に記載する。
レバー46の動きは、アクチュエータ18の動きの方向を表す電気信号“I1 ”を作り出し、電気信号“I1 ”は、制御レバー46の動きの程度に比例する。コントローラ44は、入力電気信号“I1 ”を処理し、電気信号“C1 ”または“C2 ”を第1電気油圧比例バルブ機構26の第1および第2電気付勢式比例バルブ30、32のひとつに送信する。制御レバー46の動きがアクチュエータ18の伸び量を表す場合には、コントローラ44は、電気信号“C1 ”を作り出して、第1の電気油圧比例バルブ機構26の第1の電気付勢式比例バルブ30に送信する。第1電気付勢式比例バルブ30は、方向付けバルブ機構を付勢位置に動かしてアクチュエータ18を伸ばす。
【0010】
アクチュエータ18を収縮させることが望ましい場合には、制御レバー46は反対方向に動かされ、コントローラ44は、制御レバー46の動きの程度に比例する電気信号“C2 ”を作り出し、第2の電気付勢式比例バルブ32に送信する。第2電気付勢式比例バルブ32は比例力を作り出し、方向付けバルブ機構22を付勢位置に動かしてアクチュエータ18を収縮させる。
アクチュエータ18、20のいずれかまたは双方が伸びたり縮む間、アクチュエータからの排気流体がクーラ装置38およびフィルター装置40を通ってリザーバ16に戻る。
流体の温度が変わると、流体の粘性が変わることはよく知られている。油圧システムにおいて、オイルが冷えた状態のとき、油圧オイルはより粘性がある。従って、アクチュエータ18、20から戻ってくるオイルの量によって決まるような、より高速度でシステムの部品にオイルを流すことは困難である。冷温オイルがより大きな流量でクーラ装置38またはフィルター装置40を通って流される場合には、これらを通る流れ抵抗のために高圧が発生することになる。従って、システムの部品は、高圧によって損傷を受ける可能性がある。
【0011】
本装置において、コントローラ44は、リザーバ16のオイルの温度を連続して検出し、流体調節機構36を通ってリザーバ16に戻される計算された流量と検出された温度を比較する。検出された温度によって求められるように、流体流れの戻り流量が流体の粘性に対して大きい場合には、コントローラ44は、各方向付けバルブ機構22、24を動かすことによって各アクチュエータバルブ18、20から各アクチュエータバルブ18、20までの流れを比例的に減少させ、バルブ機構22、24を通る流体の流れを制限する。これは、電気信号“C1 、C2 、C3 、C4 ”が励磁されることに従って各電気信号“C1 、C2 、C3 、C4 ”を変更することによって達成される。流体の温度が、流体調整機構36を横切って油圧システム10を通る流体の流れをより大きくできるのに十分高くなると、コントローラ44は、各制御レバー46、48の元の位置によって形成されたレベルに各電気信号“C1 、C2 、C3 、C4 ”をリセットする。
【0012】
前述したように、本発明は、クーラ、またはフィルター等のような部品が、これらの部品に高粘性流体を通すことによる損傷から保護できることを確実にする冷流体保護回路42を提供する。これは、リザーバ16内のオイル(流体)の温度が所定のレベル以下であるときに、方向付けバルブ機構22、24を通る流体の流れの容積を減少させることによって達成される。
本発明の別の態様、目的および利点は、図面、発明の開示および請求の範囲から得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を組み入れる油圧システムの概略図である。
【符号】
10 油圧システム
12 加圧流体源
14 可変容積形ポンプ
16 リザーバ
18 第1アクチュエータ
20 第2アクチュエータ
22 第1方向付けバルブ機構
24 第2方向付けバルブ機構
26 第1電気油圧比例バルブ機構
28 第2電気油圧比例バルブ機構
30 第1電気付勢式比例バルブ
32 第2電気付勢式比例バルブ
36 流体調節機構
38 流体クーラ装置
40 流体フィルター装置
42 冷流体保護回路
44 コントローラ
46 第1レバー
48 第2レバー
54 温度センサー

Claims (7)

  1. リザーバから流体を受け取り、方向付けバルブ機構を通ってアクチュエータに加圧流体を給送する加圧流体源と、入力コマンドの大きさに比例して前記方向付けバルブ機構の動きを制御する電気油圧比例バルブ機構と、流体の状態を調節するように作動する流体調節機構と、を有する油圧システムの冷流体保護回路において、該保護回路は、
    リザーバ内の流体に作動的に対応し、前記リザーバ内の流体の温度を表す信号を発信するように作動する温度センサーと、
    入力コマンドを受信して処理し、該入力コマンドに比例する電気油圧式比例バルブ機構に電気コマンドを出力するように作動するコントローラと、を備えており、該コントローラは、前記リザーバ内の流体温度を表す前記温度センサーから前記信号を受信して、前記電気油圧比例バルブ機構への前記電気コマンドを修正し、流体の温度が所定レベル以下のときに、前記方向付けバルブ機構を通る流れと前記流体調節機構を通る流れとを比例的に減少させるようになっている冷流体保護回路。
  2. 前記電気油圧比例バルブ機構は、前記方向付けバルブ機構の両端部にそれぞれ接続されている第1および第2電気付勢式比例バルブを含んでおり、前記電気コマンドは、前記第1および第2比例バルブに接続されている第1および第2電気信号を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の冷流体保護回路。
  3. 前記入力コマンドは、制御レバーの動きによって作られた電気信号であることを特徴とする請求項1に記載の冷流体保護回路。
  4. 前記油圧システムは、2つ以上のアクチュエータを有し、前記コントローラからの各電気コマンドで電気油圧比例制御式方向付けバルブ機構と組み合わされており、前記コントローラは、前記流体の温度が前記所定レベル以下であるときに前記方向付けバルブ機構のそれぞれを通る流体を比例的に減少させるように作動することを特徴とする請求項3に記載の冷流体保護回路。
  5. 前記コントローラはマイクロプロセサであることを特徴とする請求項4に記載の冷流体保護回路。
  6. 前記流体調節機構は流体クーラ装置を含むことを特徴とする請求項5に記載の冷流体保護回路。
  7. 前記流体調節回路は、フィルター装置を含むことを特徴とする請求項6に記載の冷流体保護回路。
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