JP3746641B2 - 透過型電子顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過型電子顕微鏡に係り、特に、高分解能での分析、微小領域の分析は勿論として、良好な暗視野像あるいは高コントラスト像の観察も可能な透過型電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
透過型電子顕微鏡(以下、TEMと称す)においては、高分解能での観察、微小領域の分析、暗視野像の観察、高コントラストでの観察等種々の像観察、あるいは分析ができることが要求されるが、近年では特に高分解能、微小領域の分析を目的として対物レンズ(以下、OLと称す)はコンデンサ・オブジェクティブ(condenser objective )状態で使用されている。
【0003】
しかし、OLをコンデンサ・オブジェクティブ状態で使用した場合、良好な暗視野像や、高コントラストの画像を得ることは難しいものであった。
【0004】
その理由は次のようである。良好な暗視野像や、高コントラストの像を得るためには、対物絞りをOLの後焦点面の位置に正確に配置する必要がある。即ち、図4(a)に示すように、試料21はOLのポールピース20のギャップ間の略中央位置に配置されており、電子銃(図示せず)からの電子ビームは試料21を透過して、図4(b)に示すようにOLの後方磁場31のレンズ作用によって、図中Aで示す後焦点面の位置に収束される。なお、図4(b)において、30はOLの前方磁場を示している。
【0005】
従って、対物絞りを後焦点面の位置に配置すれば、良好な暗視野像が得られ、また高コントラストの像を得ることができる。なお、ここでは電子ビームの進行方向、即ち光軸をZ軸としている。以下、同様である。
【0006】
しかし、OLをコンデンサ・オブジェクティブ状態で使用した場合、OLは強励磁となされるので、OLの焦点距離は短く、そのために試料21と、図のAで示す後焦点面の位置との距離も短い。この距離は通常 2〜 3mm程度である。そして、試料21を保持している試料ホルダ(図4には図示せず)には厚みがあり、しかも試料21を傾斜させる場合もあることを考慮すると、試料21の近傍にはある程度の空間的余裕が必要である。
【0007】
そのため、対物絞りを後焦点面の位置Aに正しく配置することができず、図5のBで示すように後焦点面の位置Aからずれたところに配置しているのが現状であり、このことによって、回折像の回り込みが生じたり、視野がカットされてしまい、良好な暗視野像や、高コントラストの画像を得ることは難しいものであった。なお、図4(a)と図4(b)のZ軸方向のスケールは異なっている。図5(a)と図5(b)についても同様である。
【0008】
そこで、本発明は、高分解能での分析、微小領域の分析ができ、しかも、良好な暗視野像あるいは高コントラスト像の観察も可能な透過型電子顕微鏡を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の透過型電子顕微鏡は、ゴニオメータの光軸方向の高さ位置として、第1の高さ位置、及び第1の高さ位置とは異なる第2の高さ位置が定められてなり、ゴニオメータを前記第1の高さ位置または前記第2の高さ位置に光軸方向に移動させる移動機構と、ゴニオメータが前記第1の高さ位置にある場合と、第2の高さ位置にある場合とで対物レンズの励磁を異ならせる手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ発明の実施の形態について説明する。
図1、図2は本発明に係る透過型電子顕微鏡の一実施形態を示す断面図であり、図1、図2では本発明に関する部分のみを示している。図1、図2において、1は試料室壁、2は試料ステージ、3は試料ホルダ、4はZ軸移動機構、5はOLのポールピースとヨーク、6は真空封止用のOリング、7は対物絞り、8はOLコイル、9はOL励磁電源、10は制御装置、11は操作部を示す。
【0011】
図1、図2において、試料ステージ2と試料ホルダ3とでゴニオメータが構成されており、ゴニオメータはZ軸移動機構4により、Z軸方向、即ち光軸方向に、上下に移動可能となされている。Z軸移動機構4は、ゴニオメータを上下に移動可能な構造であればどのようなものであってもよい。また、Z軸移動機構4は、ゴニオメータを手動により移動するものであってもよく、モータ等の適宜な駆動手段によって移動可能とし、制御装置10により自動的に移動の制御をできるようにしたものでもよい。
【0012】
OL励磁電源9は、OLコイル8に励磁電流を供給するためのものであり、後述するようにOLコイル8に出力する励磁電流は制御装置10によって制御される。
【0013】
操作部11は像観察モードを設定するためのものである。ここでは、像観察モードとしては、高分解能分析あるいは微小領域分析を行うためのモード(以下、高分解能モードと称す)と、暗視野像あるいは高コントラスト像を得るためのモード(以下、暗視野モードと称す)の二つの像観察モードを少なくとも備えている。この操作部11は適宜な手段で構成することができる。例えば、各像観察モードに対応したボタンを備えるボタン装置で構成することも可能であり、あるいは制御装置10と、操作部11をパーソナルコンピュータシステムで構成し、モニタに像観察モードの選択メニューを表示して、マウスによってクリックすることによって所望の像観察モードを選択するようにすることも可能である。
【0014】
このTEMでは、試料高さ位置として、図1に示す第1の高さ位置Za と、図2に示す第2の高さ位置Zd が定められている。図1に示す第1の高さ位置Za は高分解能モード時の試料高さ位置であり、このときには試料はポールピースの上極と下極の間の略中央位置に配置される。図2に示す第2の高さ位置Zd は暗視野モード時の試料高さ位置であり、このときには、試料は第1の位置Za より電子銃側に配置される。なお、ここでは、第1、第2の試料高さ位置Za 、Zd は、図1、図2に示すように、ポールピースの下極の表面から試料ホルダ3の先端部までの距離で定義している。
【0015】
高分解能モード時の動作について説明すると次のようである。
この場合には、操作部11によって高分解能モードを設定すると共に、Z軸移動機構4によりゴニオメータを移動して、図1に示すように試料の高さ位置を第1の高さ位置Za に設定する。
【0016】
操作部11によって高分解能モードが設定されると、制御装置10は、予め高分解能モード時の励磁条件として登録されている設定データに基づいて、OL励磁電源9、及び図示しないその他のレンズの励磁電源に励磁電流値を指示する。これによって、OL励磁電源9は指示された値の励磁電流を生成してOLコイル8に供給する。このときOLコイル8に供給される励磁電流は、OLが強励磁となされ、コンデンサ・オブジェクティブ状態となる励磁電流である。
【0017】
また、図示しないその他のレンズの励磁電源も指示された値の励磁電流を生成して、レンズのコイルに供給する。このとき各レンズのコイルに供給される励磁電流は、コンデンサ・オブジェクティブ状態に対応した電流であることは当然である。
【0018】
この場合の状態は、上述した従来の状態と同じであり、これによって高分解能の分析、微小領域の分析を良好に行うことができる。
【0019】
次に、暗視野モード時の動作について説明すると次のようである。
この場合には、操作部11によって暗視野モードを設定すると共に、Z軸移動機構4によりゴニオメータを移動して、図2に示すように試料の高さ位置を第2の高さ位置Zd に設定する。
【0020】
操作部11によって暗視野モードが設定されると、制御装置10は、予め暗視野モード時の励磁条件として登録されている設定データに基づいて、OL励磁電源9、及び図示しないその他のレンズの励磁電源に励磁電流値を指示する。これによって、OL励磁電源9は指示された値の励磁電流を生成してOLコイル8に供給する。このときOLコイル8に供給される励磁電流は、高分解能モード時に比較して弱励磁となる値である。
【0021】
また、図示しないその他のレンズの励磁電源も指示された値の励磁電流を生成して、レンズのコイルに供給する。このとき各レンズのコイルに供給される励磁電流は、暗視野モード時に適した電流であることは当然である。このような励磁電流値は経験的あるいは実験的に定めることが可能である。
【0022】
このように、この場合には、OLは高分解能モード時に比較して弱励磁となされるので、OLの焦点距離は図1に示す場合に比較して長くなるので、図3に示すように、対物絞り7を後焦点面の位置Aに正しく配置することが可能となる。そして、このことによって、良好な暗視野像を得ることができ、また高コントラストの像を得ることができる。なお、図3において、21は試料、30はOLの前方磁場、31はOLの後方磁場を示し、破線は第1の高さ位置Za を示している。なお、図3(a)と図3(b)のZ軸方向のスケールは異なっている。
【0023】
以上のようであるので、一つのOL、あるいは1台のTEMで、高分解能での分析、微小領域の分析ができ、しかも、良好な暗視野像あるいは高コントラスト像の観察も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る透過型電子顕微鏡の一実施形態を示す図であり、高分解能モード時が設定された場合の状態を示す図である。
【図2】 本発明に係る透過型電子顕微鏡の一実施形態を示す図であり、暗視野モードが設定された場合の状態を示す図である。
【図3】 試料高さが第2の高さ位置Zd に設定された状態における動作を説明するための図である。
【図4】 発明が解決しようとする課題を説明するための図である。
【図5】 発明が解決しようとする課題を説明するための図である。
【符号の説明】
1…試料室壁、2…試料ステージ、3…試料ホルダ、4…Z軸移動機構、5…OLのポールピース、6…Oリング、7…対物絞り、8…OLコイル、9…OL励磁電源、10…制御装置、11…操作部。
Claims (1)
- ゴニオメータの光軸方向の高さ位置として、第1の高さ位置、及び第1の高さ位置とは異なる第2の高さ位置が定められてなり、
ゴニオメータを前記第1の高さ位置または前記第2の高さ位置に光軸方向に移動させる移動機構と、
ゴニオメータが前記第1の高さ位置にある場合と、第2の高さ位置にある場合とで対物レンズの励磁を異ならせる手段と
を備えることを特徴とする透過型電子顕微鏡。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24083399A JP3746641B2 (ja) | 1999-08-27 | 1999-08-27 | 透過型電子顕微鏡 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24083399A Expired - Fee Related JP3746641B2 (ja) | 1999-08-27 | 1999-08-27 | 透過型電子顕微鏡 |
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Country | Link |
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