JP3746346B2 - スロットルバルブ駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関への吸入空気量を調節するスロットルバルブの制御方法に関し、特に内燃機関停止時におけるスロットルバルブの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の内燃機関のスロットルバルブは、運転者のアクセル操作量に応じ、モータや電磁クラッチなどを含むアクチュエータによって駆動されることにより、その開度制御が行われている。図4は、このような電子制御スロットル10を模式的に示している。図4に示すように、モータの非通電時においては、スロットルバルブ21はスプリング23によって開側に付勢され、スロットルオープナストッパ25によって規定されるオープナ位置にまで開かれる(図4において実線で示される通電カット位置)。又、アイドリング回転数制御中は、モータが通電され、スロットルバルブ21は、モータの駆動によってオープナ位置より閉側の所定開度に保持されるように制御される(図4において破線で示されるアイドリング位置あるいは全閉位置)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のスロットル制御においては、以下のような問題が発生する恐れがある。すなわち、従来のスロットル制御においては、アイドリング回転制御中にイグニッション(IG)スイッチをオフすると、エンジンへの動力供給が停止すると同時にアクチュエータへの通電も遮断される。従って、モータによるスロットルバルブ駆動がなくなるため、スロットルバルブ21は、スプリング23の付勢によってオープナ開度にまで開かれる。このとき、エンジンは慣性によって回転し続けており、スロットルバルブ21がオープナ開度に復帰することによりエンジンに吸い込まれる空気通路が急に広がるため、この吸気の気流音が発生する恐れがあった。
【0004】
また、モータによる駆動が遮断されると、スロットルバルブ21はスプリング23の付勢によりスロットルオープナストッパ25に衝突して停止するため、その干渉音が発生する恐れがあった。同時に、エンジンを停止するたびにスロットルオープナストッパ25には衝撃が加えられるため、スロットルオープナストッパの耐久性が要求される。また、繰り返される衝撃により、ストッパ位置の狂いなどが生じるという恐れもある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジン停止時における吸気気流音及びスロットルバルブとスロットルオープナストッパとの干渉音を防止することができ、また、スロットルオープナストッパへの衝撃を緩和することのできるスロットルバルブの駆動方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明による電子制御スロットルの駆動方法は、モータ非通電時において、ストッパ位置によって規定される第1開度にスロットルバルブを保持するステップと、アイドリング時において、該第1開度よりも閉側の第2開度に該スロットルバルブを保持するステップと、を含む駆動方法であって、内燃機関のスイッチがオフされた後に、モータの通電によって該スロットルバルブを該第2開度から該第1開度にまで時間あたり一定の開度増加量で戻すステップをさらに含んでおり、このことにより上記目的が達成される。
【0007】
また、請求項2記載の発明による電子制御スロットルの駆動方法は、モータ非通電時において、ストッパ位置によって規定される第1開度にスロットルバルブを保持するステップと、アイドリング時において、該第1開度よりも閉側の第2開度に該スロットルバルブを保持するステップと、を含む駆動方法であって、内燃機関のスイッチがオフされた後に内燃機関が実質的に停止したかどうかを判断するステップと、内燃機関が実質的に停止していないと判断されるときは前記第2開度に前記スロットルバルブを維持し、同内燃機関が実質的に停止したと判断された後はモータの通電によって該スロットルバルブを該第2開度から該第1開度にまで時間あたり一定の開度増加量で戻すステップをさらに含んでおり、そのことにより上記目的が達成される。
また、請求項3記載の発明による電子制御スロットルの駆動方法は、請求項2に記載の駆動方法において、エンジン回転数が所定値より小さくなったあと所定時間経過したときに内燃機関が実質的に停止したと判断することにより上記目的が達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
本実施形態では、図4に示す構成を有する電子制御スロットル10を制御する場合について説明する。上述のように、電子制御スロットル10において、モータの非通電時には、スロットルバルブ21がスロットルオープナストッパ25によって規定される第1の開度(以下、オープナ位置とする)に保持される。アイドリング時においては、スロットルバルブ21は、第1開度よりも閉側の第2開度(以下、アイドリング位置とする)に保持される。
【0010】
本発明によるスロットルバルブの駆動方法においては、イグニションスイッチ(すなわち、エンジンスイッチ)がオフされた後、すぐにモータの通電を遮断せず、モータの駆動によってスロットルバルブ21をアイドリング位置からオープナ位置にまで駆動する。この際、スロットルバルブ21は、所定の速度でオープナ位置にまで戻される。このオープナ位置を、エンジン停止時におけるモータの通電カット位置としている。
【0011】
また、エンジン(内燃機関)回転数からみた場合、イグニションスイッチのオフ後、エンジンの慣性による回転が実質的に停止した後に、スロットルバルブ21をアイドリング位置からオープナ位置にまで戻す。
【0012】
上述のようなスロットル制御は、例えば、図1に模式的に示すような制御システムによって行うことができる。図1に示されるように、コンピュータ(ECU)11には、イグニションスイッチのオン・オフを示す信号(IGS/W)およびエンジン回転数を示す信号(NE)が入力される。さらに、ECU11には、スロットル開度センサ31から、スロットルバルブの開度を示すスロットル開度センサ電圧信号(TAAD)が入力される。ECU11は、以下に説明するように、これらの入力信号に基づいて、アクチュエータ(モータ)12を駆動する駆動信号を出力する。アクチュエータ12により、スロットルバルブ21が以下に示すように駆動される。
【0013】
以下、図2のフローチャートを参照しながら、本発明によるスロットルバルブの駆動方法をより詳細に説明する。図2は、本実施形態によるスロットルバルブの制御ルーチンを示すフローチャートである。この制御ルーチンは、エンジン停止時におけるスロットルバルブ駆動を制御するためのルーチンであり、例えば、8ms毎に実行される。
【0014】
まず、エンジン始動直前であるかどうかを、イグニションスイッチの状態がオフからオンに変化するタイミングであるかによって判定する(ステップ100)。イグニションスイッチがオフからオンに変化した場合、エンジン始動直前であると判断し、このときのスロットル開度センサ31の出力値(TAAD)を、スロットル開度センサ電圧学習値(GTAI)として記憶する(ステップ110)。この電圧学習値(GTAI)は、モータ通電前において、スロットルバルブ21がスロットルオープナストッパ位置にある場合のスロットルバルブ開度を示しており、スロットルバルブをオープナ位置に復帰させるときの基準値として用いる。
【0015】
ステップ100において、エンジン始動直前ではないと判断された場合、次に、エンジン運転中であるかどうかを判定する(ステップ120)。ステップ120では、イグニションスイッチの状態がオフとされたかどうかを判定する。イグニションスイッチのオン状態が継続していれば、現在エンジン運転中であると判断し、当制御を実行せずにルーチンを終了する。
【0016】
ステップ120において、イグニションスイッチの状態がオンからオフにされたと判定された場合には、イグニションスイッチがオフされた後、エンジン回転数(NE)が400rpm未満になったかどうかを判定する(ステップ130)。エンジン回転数が400rpm以上の場合、カウンタ(CSLTOPN)をクリアして(ステップ140)当ルーチンを終了する。このカウンタはエンジン回転数が400rpm未満になってからの経過時間を判定するためのものである。
【0017】
ステップ130においてエンジン回転数が400rpm未満であると判定された場合、更にカウンタ値(CSLTOPN)が所定時間(T1)を越えたかどうかを判定する(ステップ150)。カウンタの値(CSLTOPN)が所定時間(T1)を越えていない場合、このルーチンを終了する。
【0018】
カウンタ値(CSLTOPN)が所定時間(T1)を越えている場合、エンジンは実質的に停止したと判断することができる。イグニションスイッチオフ後、エンジンはその慣性によって回転を続けるため、摩擦などの抵抗によって所定時間後にエンジンは停止すると考えられるからである。所定時間T1は、エンジン回転数が0rpmになるのに十分な時間とすればよい。
【0019】
カウンタの値(CSLTOPN)が所定時間(T1)を越えた場合、スロットルバルブ21をオープナ開度(ストッパ位置)へ向けて駆動すべき目標開度(STEPT)を、現在のスロットル開度(SETPC)に所定値(KOFFUP)を加えた値として(ステップ160)、スロットルバルブ21を駆動する。この所定値KOFFUPは、1ルーチンにおけるスロットルバルブ開度の制御幅である。
【0020】
そして、スロットル開度センサ31により、現在のスロットル開度センサー電圧(TAAD)が、ステップ110で学習したスロットルオープナ位置の電圧学習値(GTAI)以上になるまでスロットルバルブ21が駆動されたかどうかを判定し(ステップ170)、電圧学習値(GTAI)未達時には一但制御ルーチンを終了する。ステップ170において電圧学習値(GTAI)に達したと判定された後、モータへの通電を遮断して(ステップ180)、当制御を終了する。
【0021】
上述のように、本実施形態においては、図3に示すように、エンジンが実質的に停止するまでの間、すなわち、エンジン回転数が所定回転数(例えば400rmp)より小さくなった後にエンジン回転数が0rmpになるのに充分な時間(T1)、スロットルバルブ開度をそのままの状態に維持する(アイドリング位置)。時間T1経過後、モータの通電によりスロットルバルブを駆動し、オープナ位置に向けて1ルーチンに所定開度づつスロットル開度を増加する。このとき、スロットル開度センサからのセンサ電圧値をモニターし、エンジン始動前に学習したオープナ位置におけるスロットル開度センサ電圧学習値(GTAI)と比較することにより、モータの通電カットをすべきスロットル開度を判定して、通電カットを行う。
【0022】
従って、エンジンの回転が実質的に停止してから、すなわち、エンジン回転による空気流が実質的に停止してからスロットルバルブをオープナ位置にまで開くことにより、吸気気流音を解消することができる。また、モータ通電によってスロットルバルブを所定速度でオープナ位置に戻すため、スロットルバルブのオープナストッパへの急激な衝突を回避し、オープナストッパへの衝撃を緩和し、さらにスロットルバルブとオープナストッパとの干渉音を解消することができる。
【0023】
【発明の効果】
上述のように、本発明によるスロットルバルブの駆動方法によれば、エンジン停止時における吸気気流音及びスロットルバルブとスロットルオープナストッパとの干渉音を防止することができ、また、スロットルオープナストッパへの衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態によるスロットルバルブの制御システムを模式的に示す図である。
【図2】本発明の1実施形態によるスロットルバルブの制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】本発明の1実施形態による、エンジン停止時におけるスロットルバルブの制御を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の1実施形態を適用する電子制御スロットルの構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10 電子制御スロットル
11 コンピュータ(ECU)
12 アクチュエータ
21 スロットルバルブ
23 スプリング
25 スロットルオープナストッパ
31 スロットル開度センサ
Claims (3)
- モータ非通電時において、ストッパ位置によって規定される第1開度にスロットルバルブを保持するステップと、
アイドリング時において、該第1開度よりも閉側の第2開度に該スロットルバルブを保持するステップと、
を含む電子制御スロットルの駆動方法であって、
内燃機関のスイッチがオフされた後に、モータの通電によって該スロットルバルブを該第2開度から該第1開度にまで時間あたり一定の開度増加量で戻すステップをさらに含む、
駆動方法。 - モータ非通電時において、ストッパ位置によって規定される第1開度にスロットルバルブを保持するステップと、
アイドリング時において、該第1開度よりも閉側の第2開度に該スロットルバルブを保持するステップと、
を含む電子制御スロットルの駆動方法であって、
内燃機関のスイッチがオフされた後に内燃機関が実質的に停止したかどうかを判断するステップと、
内燃機関が実質的に停止していないと判断されるときは前記第2開度に前記スロットルバルブを維持し、同内燃機関が実質的に停止したと判断された後はモータの通電によって該スロットルバルブを該第2開度から該第1開度にまで時間あたり一定の開度増加量で戻すステップをさらに含む、
駆動方法。 - エンジン回転数が所定値より小さくなったあと所定時間経過したときに内燃機関が実質的に停止したと判断する
請求項2記載の駆動方法。
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1997
- 1997-01-10 JP JP00334797A patent/JP3746346B2/ja not_active Expired - Fee Related
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