JP3746264B2 - シートの衝撃吸収構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車輌の衝撃(急ブレーキ等のブレーキ、衝突等の際の衝撃)を吸収し、人等の生物に対する前後等の衝撃、ショック、又は生命に係る損傷回避を図ることを意図したシートの衝撃吸収構造に関する。そして、望ましくは、図1に示すシートにシートベルトを固定した構造のシートの衝撃吸収構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシートの衝撃吸収構造としては、特別な配慮がなく、ボディ全体で衝撃を吸収する機構である。通常、モノコックボディと称されている。この機構はそれなりの働きがあることから、評価されている。しかし、昨今の安全性、乗り心地等(衝撃吸収)の向上を図るには、必ずしも十分でなく、その改良が望まれる状況となった。
【0003】
このような状況よりして、この改良を意図した文献も数件挙げられるので、その概要を説明する。(1)は特開平7−61274号の自動車用衝撃吸収シートであり(文献(1)とする)、この発明は、底パネルのシートに移動可能にシート台座を設け、このシート台座に繊維強化プラスチック製エネルギー吸収部材を設けた構成であり、シートの前方への衝撃に対して、当該シートを後方に移動して衝撃を吸収することを特徴とする。また(2)は特開平10−6894号の自動車の衝撃吸収構造であり(文献(2)とする)、この発明は、底パネルに設けた固定側の支持具と、この支持具に対峙してシート台座に設けた可動側のスライド板と、この固定側板とスライド板とを弾性材で連繋した構成であり、車体に対する全て方向に衝撃エネルギーや振動を吸収可能としたことを特徴とする。
【0004】
尚、シートにシートベルトを固定した構造としては、(3)として特開2001−97097の自動車のシート装着における補強構造がある(参考文献(3)とする)。この発明は、シートのレッグを衝撃時に変形しないようにした構造である。しかし、シートの衝撃吸収構造を備えた機構ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
文献(1)は前後動の衝撃に限られる。従って、略全方向による衝撃が発生する車輌には適さないと考えられる。また文献(2)では、バネ等の弾性材で衝撃を吸収する構成である。従って、弾性疲労の問題による耐久性、咄嗟の時の衝撃吸収不可等の発生する蓋然性が高いこと、又は走行中の予期せぬ揺れ等の問題があり、乗り心地の低下、また車酔いの発生、等の問題がある。
【0006】
そして、文献(1)、(2)で共通する課題は、部品点数が多くなり、コストの上昇と、車体重量及び/又はCO2の増加と、又は環境破壊等の発生の可能性も考えられる。また車輌の製造時に、略完成した車輌にシートを取付ける場合の取付けの容易化、又はシートを窓枠より挿入する際の寸法的制限をクリアーするには、必ずしも十分でないこと、等の課題がある。
【0007】
そして、一層のシートの衝撃吸収を図るには、図1に示すシートにシートベルトを固定した構造(一例として、参考文献(3))のシートの衝撃吸収構造が望まれているが、これに関する技術は公開されていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車輌に対する略全方向の衝撃を吸収すること、また弾性疲労の問題を略解消して耐久性の向上と、咄嗟の時の衝撃吸収等を図ること、又は走行中の予期せぬ揺れ等の問題を無くすこと、また乗り心地の低下、車酔い発生回避を図ること、等を意図する。そして、また部品点数の減少化を利用して、コストの低減、又は車体重量及び/又はCO2の減少を図ること、また環境破壊等の発生を回避すること、等を意図する。そして、望ましくは、シートにシートベルトを固定した構造に、採用できるシートの衝撃吸収構造を提供する。
【0009】
請求項1は、取付孔を備えた平板部と、この平板部より膨出部を有する全体の断面形状が略山形帽子型を呈する衝撃吸収体であって、
この衝撃吸収体の膨出部の上面に開放部を形成し、この開放部の下側に間隔を介してスペーサ板材を敷設し、このスペーサ板材と膨出部の上面との間にシート取付用のボルトを配し、また膨出部と前記平板部とで形成される少なくとも一方の側面部に第二吸収手段を形成した構成のシートの衝撃吸収構造である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の目的を達成し、また現実に即した構造のスペーサ板材を提供すること、等を意図する。
【0011】
請求項2は、請求項1に記載のスペーサ板材を、衝撃吸収部材で構成したシートの衝撃吸収構造である。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1の目的を達成し、また現実に即した構造、例えば、リンク片群の多様な形態を利用して、一段〜は数段に亙って衝撃を吸収すること、等を意図する。
【0013】
請求項3は、請求項1に記載のスペーサ板材に、略環状の連結リンク片、及び棒状の連結リンク片とでなるリンク片群と、このリンク片群間に設けた隙間との組合せでなる吸収手段付きスペーサ板材を設け、この吸収手段付きスペーサ板材のリンク片群の変形を利用して衝撃を吸収することを特徴としたシートの衝撃吸収構造である。
【0014】
請求項4の発明は、車輌に対する略全方向の衝撃を吸収すること、また弾性疲労の問題を解消して耐久性の向上と、咄嗟の時の衝撃吸収等を図ること、又は走行中の予期せぬ揺れ等の問題を無くすこと、また乗り心地の低下、車酔い発生回避を図ること、等を意図する。そして、また部品点数を少なくして、コストの低減、又は車体重量及び/又はCO2の減少を図ること、また環境破壊等の発生を回避すること、等を意図する。
【0015】
請求項4は、取付孔を備えた平板部と、この平板部より膨出部を有する全体の断面形状が略山形帽子型を呈する衝撃吸収体であって、
この衝撃吸収体の膨出部の上面に第一吸収手段を形成し、また膨出部と前記平板部とで形成される少なくとも二方向の側面部に第二吸収手段を形成し、前記第一吸収手段にボルト挿通孔を形成した構成のシートの衝撃吸収構造である。
【0016】
請求項5・6の発明は、請求項1又は請求項4の目的を達成し、また現実に即した構造、例えば、リンク片群の多様な形態を利用して、一段〜は数段に亙って衝撃を吸収すること、等を意図する。
【0017】
請求項5は、請求項1又は請求項4に記載の側面部を、略環状の連結リンク片、及び棒状の連結リンク片とでなるリンク片群と、このリンク片群間に設けた隙間との組合せでなる第二吸収手段を設け、この第二吸収手段のリンク片群の変形を利用して衝撃を吸収することを特徴としたシートの衝撃吸収構造である。
【0018】
また請求項6は、請求項4に記載の膨出部に、略環状の連結リンク片、及び棒状の連結リンク片とでなるリンク片群と、このリンク片群間に設けた隙間との組合せでなる第一吸収手段を設け、この第一吸収手段のリンク片群の変形を利用して衝撃を吸収することを特徴としたシートの衝撃吸収構造である。
【0019】
請求項7の発明は、請求項4の目的を達成し、また膨出部の破壊を回避して、略全ての衝撃を確実に吸収し、人的被害を回避すること、等を意図する。
【0020】
請求項7は、請求項4に記載の膨出部の下側に間隔を介してスペーサ板材を敷設し、この板材と、膨出部の上面との間にシート取付用のボルトを配する構成としたシートの衝撃吸収構造である。
【0021】
請求項8の発明は、請求項1又は請求項4の目的を達成し、また現実に即した材料を提供すること、等を意図する。
【0022】
請求項8は、請求項1又は請求項4に記載の衝撃吸収体を、バネ鋼材で構成したシートの衝撃吸収構造である。
【0023】
【0024】
【0025】
請求項9の発明は、請求項1又は請求項4の目的を達成し、また現実に即した材料、軽量化を提供すること、等を意図する。尚、軽量化による意図は、前述の例と同じ意図である。
【0026】
請求項9は、請求項1又は請求項4に記載の衝撃吸収体を、樹脂材で構成したシートの衝撃吸収構造である。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の使用の一例を説明する。図1〜図6の例を説明すると、この例における衝撃吸収体を、ボディの底部とシートの間に設ける。この例では、衝撃吸収体の開口部を隠蔽するスペーサ板材(衝撃吸収材又は吸収手段付きスペーサ板)及び/又は第二吸収手段を介して当該衝撃吸収体とシートとの間を連繋する。従って、車体(車輌)に衝撃があった際、モノコックボディの場合には、このモノコックボディによる衝撃吸収と、衝撃吸収材自体の変形及び/又は衝撃吸収体の膨出部と衝撃吸収材との隙間の変化等により、前後方向及び/又は左右方向の衝撃を吸収する。また必要な場合には、衝撃吸収体の上下方向の変形を利用し、この上下方向の衝撃を吸収する。例えば、衝撃吸収体のバネ力等の弾性を介して上下方向の衝撃を吸収する構造が考えられる。勿論、個別的な変形を介して少なくとも一方向の衝撃を吸収すること、又は総合的な変形を介して全方向の衝撃を吸収すること、等は可能である。この衝撃吸収は、リンク片群を構成する略環状の連結リンク片と、棒状の連結リンク片との変形(塑性及び/又は形態の変形)及び/又はバネ鋼材の特性による総合的な吸収が可能である。殊に、望ましくは、シートにシートベルトを固定した構造に、採用できるシートの衝撃吸収構造を提供する(シート自体の安全確保と、使用の簡便化等を図る)。またこの衝撃吸収体の構造及び/又は弾性を利用することで、フロアー及び/又はシート構造の歪を吸収して、シートを正確かつ所定の位置に設置できること、及びこれらの機能維持、又はこれらの調整を介して従来使用不能であったフロアー及び/又はシート、各種の部品等の使用も可能となり、不良品の発生をなくし、また取付けの容易化、スピード化、省力化(省人化)、又は低コスト化、資源の有効利用、環境維持等に役立つ実益がある。尚、他の基材、例えば、リクライニング、シートの移動等の機能維持と、前述と同様に、従来使用不能であったリクライニング、各種の部品等の使用も可能となり、不良品の発生をなくし、また取付けの容易化、スピード化、省力化(省人化)、又は低コスト化、資源の有効利用、環境維持等に役立つ実益がある。
【0028】
そして、衝撃吸収材及び/又は第二吸収手段に設けた略環状の連結リンク片の曲面形状による分散型衝撃吸収及び/又は棒状の連結リンク片の方向性による略直線方向型衝撃吸収と、リンク片群間に形成されたスペース(隙間)との組合せとを介して当該衝撃を緩衝的で、かつ確実に吸収できる。従って、人に優しい吸収と、障害者、病人等の弱者にも役立つ吸収が可能となる。尚、これらのこの変形と特性の個別の関係もあり得る。
【0029】
また衝撃吸収構造を、シートにボルト及びナットで取付ける場合に、車種又は取付け状況等を考慮して、衝撃吸収材又はシートのいずれの方向からの緊締可能とする。また、例えば、衝撃吸収構造をシートに取付けた状態でも、窓枠より挿入可能として、組付けの容易化、簡略化、又はコストの低減化等を図る。尚、衝撃吸収材が破損した場合には、底部からシートを取外した後、ボルト及び/又はナットの取外し、交換する。その後は、前述の通りである。尚、衝撃吸収体の開口部の周辺に外周枠を形成したことで、スペーサ板材及び/又は衝撃吸収体の強度の向上と、このスペーサ板材等の上方への衝撃に耐え得ること、又はこのスペーサ板材等の形状の安定性、シートに対する荷重に耐え得ること、等の実益がある。
【0030】
本発明の使用の他の一例を説明する。図7〜図11の例を説明すると、この例における衝撃吸収体を、ボディの底部とシートの間に設ける。この例では、衝撃吸収体に設けた第一吸収手段の下側にスペーサ板材(及び/又は衝撃吸収材)及び/又は第二吸収手段を介して当該衝撃吸収体とシートとの間を連繋する。従って、車体(車輌)に衝撃があった場合には、モノコックボディの場合には、これとともに第一吸収手段と、第二吸収手段自体の変形及び/又は衝撃吸収体の膨出部と衝撃吸収材との隙間の変化等により、前後方向及び/又は左右方向の衝撃を吸収する。また必要な場合には、スペーサ板材・第一吸収手段及び/又は衝撃吸収体の上下方向の変形を利用し、この上下方向の衝撃を吸収する。勿論、個別的な変形を介して少なくとも一方向の衝撃を吸収すること、又は総合的な変形を介して全方向の衝撃を吸収すること、等は可能である。この衝撃吸収は、リンク片群を構成する略環状の連結リンク片と、棒状の連結リンク片との塑性(及び/又は形態)変形及び/又はバネ鋼材の特性による総合的な吸収が可能である。
【0031】
そして、この例では、図9、図10に示すように衝撃吸収体の上面とスペーサ板材、又はボルトとナットとの組合せ構造が可能となり、前述の各組合せとを利用して最適な構造(適合構造)の衝撃吸収構造が完成する。図9は衝撃吸収構造を、シートにボルト及びナットで取付ける場合の一例であり、(イ)は衝撃吸収構造にボルトを固止した例を、また(ロ)はシートにボルトを固止した例を示している。また図10は衝撃吸収構造を、衝撃吸収体とスペーサ板材との関係で説明した一例であり、(イ)は衝撃吸収体にボルトを介してスペーサ板材を添接支持(固止)した例を、また(ロ)は衝撃吸収体にボルトを介してスペーサ板材を添接支持し、衝撃吸収体とスペーサ板材との間に隙間を設けた例を、(ハ)は衝撃吸収体にボルトを介してスペーサ板材を湾曲支持した例を、また(ニ)は衝撃吸収体にボルトを介してスペーサ板材を逆湾曲支持した例を、(ホ)は前記(ロ)の他の例を示している。これらの各例は、図12、図13に示した適合構造の一環であり、製造業者の製造面(製造の容易化、簡略化、低コスト化、能率化等)又は購買者の使用面(乗り心地、安全性、クッション性、衝撃吸収性)等を考慮して決定する。他の構造、取扱い、衝撃時の動き又は吸収等は前述の例に準ずる。
【0032】
尚、図14〜図17では、一次衝撃吸収(一次ダンパ)〜三次衝撃吸収(三次ダンパ)の動きを説明する。一例では、一次衝撃吸収は、上面のリンク片群(第一次吸収手段)の変形により達成する。この変件は、想像線で示す(以下同じ)。また二次衝撃吸収は、膨出部の変形により達成する。さらに三次衝撃吸収は、側面部のリンク片群(第二次吸収手段)の変形により達成する。そして、膨出部の変形は、停止手段を介してストッパー等の変形形状の保持を図ることが安全である。そして、この衝撃吸収は、変形距離(撓み長さ)とバネ常数が相関関係となり、例えば、撓み長さ(L)が大であれば、バネ常数は小さくて十分衝撃吸収は可能である。そして、前記一次衝撃吸収〜三次衝撃吸収及び/又はスペーサ板材のシフト等の組合せを利用して、車輌又は使用に適した機構を採用する(図13参照)。尚、図17は荷重と撓みとの関係を示しており、前記一次衝撃吸収〜三次衝撃吸収を一例として示した。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の一例を説明する。
【0034】
図1〜図6の例を説明すると、1は断面形状が略山形帽子型を呈する金属製、又は樹脂製、複合材料等でなる衝撃吸収体で、この衝撃吸収体1は取付孔2を備えた略方形状の平板部100と、この平板部100より膨出した膨出部101と、この膨出部101の上面101aに外周枠101a−1を設けて開口部102を形成する。この膨出部101の下面101bにスペーサ板材3を設け、開口部102を覆う構成とする。また必要により、この膨出部101の下面101bには、一辺及び/又は周辺に間隔103を介して金属製、又は樹脂製、複合材料等でなるスペーサ板材3を設け、この間隔103をスペーサ板材3がシフトして衝撃を吸収することも可能である。尚、スペーサ板材3の衝撃を吸収するたの他の手段(前記シフトの併用も可能である。以下、同じ)としては、図5(イ)の衝撃吸収部材で、ゴム弾性、バネ弾性等の物性を利用した平板形状の構成、又は図5(ロ)の吸収手段付きスペーサ板材3(後述する)で、リンク片群の変形を利用した構成、等がある。
【0035】
尚、この例のスペーサ板材3には、後述するスペーサ部材と衝撃吸収体1との各態様が採用できる。そして、この衝撃吸収体1の側面には、略環状の連結リンク片400aと、棒状の連結リンク片400bと、この連結リンク片400aと棒状の連結リンク片400b間に設けた隙間400cとの組合わせでなる第二吸収手段400と、枠板401とで構成した側面部1−1を設ける。そして、図示の如く、鋼製の場合には、成形、又は複数部品では、枠板401と衝撃吸収体1の下面101bとをプレスによる数個の押潰し部5、嵌め込み等の手段を利用して一体化する。また樹脂製の場合には、成形、又は複数部品では、接着、嵌め込み、挾持等の手段を利用して一体化する。図中6はスペーサ板材3に設けた取付け用ボルト7の孔である。このボルト7は、シートC1の固定板C1−1と、衝撃吸収体1とを固定する。その固定方法は、シートC1側でも、衝撃吸収体1側でも自由である。
【0036】
また側面部1−1(衝撃吸収体1)に開口部1−100を形成し、この開口部1−100に第二吸収手段400を設けた構成もある。尚、衝撃吸収体1と側面部1−1との連繋及び/又は寸法調整は適宜変更する。
【0037】
図7〜図11の例を説明する。尚、同じ部品等は説明を省略する。また同じ符号、名称を使用する。この例では、衝撃吸収体1の上面101aに第一吸収手段8を設ける。この第一吸収手段8は、略環状の連結リンク片8aと、棒状の連結リンク片8bと、この連結リンク片8aと棒状の連結リンク片8b間に設けた隙間8cとの組合わせでなる。尚、連結リンク片8aの自由端は、連結リンク片8aのストッパーとして役立ち、ここで衝撃を吸収できる(以下同じ)。また衝撃吸収体1の側面部1−1に設けられる第二吸収手段400は前述の例に準ずる。図8は衝撃吸収構造を、車輌CのシートC1に、ワッシャ−9、スプリングワッシャー90を介してボルト7及びナット70で取付ける場合の一例である。また図9は衝撃吸収構造を、衝撃吸収体1と金属製、又は樹脂製、複合材料等でなるスペーサ板材300との関係で説明した一例であり、この例では、鋼製、又はプラスチック等の硬性とし、下面101bに添ってシフトして衝撃を吸収する。勿論、間隔103等の構成も採用できる。尚、衝撃吸収体1とスペーサ板材300との間に、クリアランス10を設け、シフトの容易化、緩衝・衝撃吸収効果、抜止め防止、高さ調整等に役立てる。またスペーサ板材300の湾曲形態は、シフトの容易化、緩衝・衝撃吸収効果、抜止め防止、間隔調整等に役立てる。尚、ワッシャー9は各例に共通する。
【0038】
尚、略環状の連結リンク片8a、棒状の連結リンク片8b等はリブを設けて、強度の向上と、プレス加工の容易化、簡便化等に役立つ実益がある。
【0039】
図中20は衝撃吸収構造の取付けボルト、21は車輌Cのハンドルを示す。
【0040】
また図示しないが、衝撃吸収体1の膨出部101及び/又は平板部100の材質、寸法、形態を、一定の厚み、又は平坦形状とする他に、厚みの変化、又は波形形状、他の形状等として、衝撃吸収に役立てることも可能である。またスペーサ板材3、300等の材質、寸法、形態を、一定の厚み、又は平坦形状とする他に、厚みの変化、又は波形形状、他の形状等として、衝撃吸収に役立てることも可能である。
【0041】
図中30は膨出部101の変形(撓み)を規制するストッパー、凸部等の停止手段を示す。
【0042】
【発明の効果】
請求項1の発明は、取付孔を備えた平板部と、平板部より膨出部を有する全体の断面形状が略山形帽子型を呈する衝撃吸収体であって、衝撃吸収体の膨出部の上面に開放部を形成し、開放部の下側に間隔を介してスペーサ板材を敷設し、スペーサ板材と膨出部の上面との間にシート取付用のボルトを配し、また膨出部と平板部とで形成される少なくとも一方の側面部に第二吸収手段を形成した構成のシートの衝撃吸収構造である。従って、車輌に対する略全方向の衝撃を吸収できること、また弾性疲労の問題を略解消して耐久性の向上と、咄嗟の時の衝撃吸収等が図れること、又は走行中の予期せぬ揺れ等の問題を無くし得ること、また乗り心地の低下、車酔い発生回避が図れること、等の特徴がある。そして、また部品点数の減少化を利用して、コストの低減、又は車体重量及び/又はCO2の減少、また環境破壊等の発生回避が図れる実益がある。
【0043】
請求項2の発明は、請求項1に記載のスペーサ板材を、衝撃吸収部材で構成したシートの衝撃吸収構造である。従って、請求項1の目的を達成し、また現実に即した構造のスペーサ板材を提供できること、等の実益がある。
【0044】
請求項3の発明は、請求項1に記載のスペーサ板材に、略環状の連結リンク片、及び棒状の連結リンク片とでなるリンク片群と、このリンク片群間に設けた隙間との組合せでなる吸収手段付きスペーサ板材を設け、この吸収手段付きスペーサ板材のリンク片群の変形を利用して衝撃を吸収することを特徴としたシートの衝撃吸収構造である。従って、請求項1の目的を達成し、また現実に即した構造、例えば、リンク片群の多様な形態を利用して、一段〜は数段に亙って衝撃吸収ができること、等の実益がある。
【0045】
請求項4の発明は、取付孔を備えた平板部と、平板部より膨出部を有する全体の断面形状が略山形帽子型を呈する衝撃吸収体であって、衝撃吸収体の膨出部の上面に第一吸収手段を形成し、また膨出部と平板部とで形成される少なくとも二方向の側面部に第二吸収手段を形成し、第一吸収手段にボルト挿通孔を形成した構成のシートの衝撃吸収構造である。従って、車輌に対する略全方向の衝撃を吸収すること、また弾性疲労の問題を解消して耐久性の向上と、咄嗟の時の衝撃吸収等が図れること、又は走行中の予期せぬ揺れ等の問題を無くし得ること、また乗り心地の低下、車酔い発生回避が図れること、等の特徴がある。そして、また部品点数の減少化を利用して、コストの低減、又は車体重量及び/又はCO2の減少、また環境破壊等の発生回避が図れる実益がある。
【0046】
請求項5の発明は、請求項1又は請求項4に記載の側面部を、略環状の連結リンク片、及び棒状の連結リンク片とでなるリンク片群と、リンク片群間に設けた隙間との組合せでなる第二吸収手段を設け、第二吸収手段のリンク片群の変形を利用して衝撃を吸収することを特徴としたシートの衝撃吸収構造である。従って、請求項1又は請求項4の目的を達成し、また現実に即した構造、例えば、リンク片群の多様な形態を利用して、一段〜は数段に亙って衝撃を吸収できること、等の実益がある。
【0047】
また請求項6の発明は、請求項4に記載の膨出部に、略環状の連結リンク片、及び棒状の連結リンク片とでなるリンク片群と、リンク片群間に設けた隙間との組合せでなる第一吸収手段を設け、第一吸収手段のリンク片群の変形を利用して衝撃を吸収することを特徴としたシートの衝撃吸収構造である。従って、請求項4の目的を達成し、また現実に即した構造、例えば、リンク片群の多様な形態を利用して、一段〜は数段に亙って衝撃を吸収できること、等の実益がある。
【0048】
請求項7の発明は、請求項4に記載の膨出部の下側に間隔を介してスペーサ板材を敷設し、この板材と、膨出部の上面との間にシート取付用のボルトを配する構成としたシートの衝撃吸収構造である。従って、請求項4の目的を達成し、また膨出部の破壊を回避して、略全ての衝撃を確実に吸収し、人的被害を回避できること、等の特徴がある。
【0049】
請求項8の発明は、請求項1又は請求項4に記載の衝撃吸収体を、バネ鋼材で構成したシートの衝撃吸収構造である。従って、請求項1又は請求項4の目的を達成し、また現実に即した材料を提供できること、等の実益がある。
【0050】
【0051】
請求項9の発明は、請求項1又は請求項4に記載の衝撃吸収体を、樹脂材で構成したシートの衝撃吸収構造である。従って、請求項1又は請求項4の目的を達成し、また現実に即した材料、軽量化を提供できること、等の特徴がある。尚、軽量化による意図は、前述の例と同じ実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一・第二の実施例を車輌に設置した一例を示す縮尺模式図
【図2】 図1の使用の一例を示した模式図
【図3】 本発明の第一の実施例とシートとの関係の一例を示す側面視した模式図
【図4】 図3の例の平面図
【図5】 (イ)は図3の例のA−A断面図、(ロ)は図3の例のB−B断面図、(ハ)は図3の例のX−X断面図
【図6】 (イ)は図3の例のスペーサ板材平面図、(ロ)は図3の他の例のスペーサ板材平面図
【図7】 本発明の第二の実施例の平面図
【図8】 (イ)は図7の例のC−C断面図、(ロ)は図7の例のD−D断面図、(ハ)は図7の例のY−Y断面図
【図9】 図7の例のボルトの取付け方向を示しており、(イ)は衝撃吸収構造側に設けた例を、(ロ)はシート側に設けた例を、それぞれ示す断面図
【図10】 衝撃吸収構造を、衝撃吸収体とスペーサ板材との関係で説明した一例であり、(イ)は衝撃吸収体にボルトを介してスペーサ板材を添接支持(固止)した例を、また(ロ)は衝撃吸収体にボルトを介してスペーサ板材を添接支持し、衝撃吸収体とスペーサ板材との間に隙間を設けた例を、(ハ)は衝撃吸収体にボルトを介してスペーサ板材を湾曲支持した例を、また(ニ)は衝撃吸収体にボルトを介してスペーサ板材を逆湾曲支持した例を、(ホ)は前記(ロ)の他の例を、それぞれ示した模式図
【図11】 本発明の第二の実施例の変形の一例を示した平面模式図
【図12】 本発明の適合構造を説明した図表
【図13】 本発明の一次衝撃吸収〜三次衝撃吸収を説明した図表
【図14】 本発明の膨出部の変形の一例を示した模式図
【図15】 本発明の膨出部及び一次衝撃吸収〜三次衝撃吸収の変形の一例を示した模 式図
【図16】 (イ)、(ロ)は、本発明の他の部位の変形の一例をそれぞれ示した模式図
【図17】 本発明の荷重と撓みとの関係を示した図表
【符号の説明】
1 衝撃吸収体
1−1 側面部
1−100 開口部
100 平板部
101 膨出部
101a 上面
101a−1 外周枠
101b 下面
102 開口部
103 間隔
2 取付孔
3 スペーサ板材
300 スペーサ板材
400 第二吸収手段
400a 連結リンク片
400b 連結リンク片
400c 隙間
401 枠板
5 押潰し部
6 孔
7 ボルト
70 ナット
8 第一吸収手段
8a 連結リンク片
8b 連結リンク片
8c 隙間
9 ワッシャー
90 スプリングワッシャー
10 クリアランス
20 ボルト
21 ハンドル
30 停止手段
C 車輌
C1 シート
C1−1 固定板
Claims (9)
- 取付孔を備えた平板部と、この平板部より膨出部を有する全体の断面形状が略山形帽子型を呈する衝撃吸収体であって、
この衝撃吸収体の膨出部の上面に開放部を形成し、この開放部の下側に間隔を介してスペーサ板材を敷設し、このスペーサ板材と膨出部の上面との間にシート取付用のボルトを配し、また膨出部と前記平板部とで形成される少なくとも一方の側面部に第二吸収手段を形成した構成のシートの衝撃吸収構造。 - 請求項1に記載のスペーサ板材を、衝撃吸収部材で構成したシートの衝撃吸収構造。
- 請求項1に記載のスペーサ板材に、略環状の連結リンク片、及び棒状の連結リンク片とでなるリンク片群と、このリンク片群間に設けた隙間との組合せでなる吸収手段付きスペーサ板材を設け、この吸収手段付きスペーサ板材のリンク片群の変形を利用して衝撃を吸収することを特徴としたシートの衝撃吸収構造。
- 取付孔を備えた平板部と、この平板部より膨出部を有する全体の断面形状が略山形帽子型を呈する衝撃吸収体であって、
この衝撃吸収体の膨出部の上面に第一吸収手段を形成し、また膨出部と前記平板部とで形成される少なくとも二方向の側面部に第二吸収手段を形成し、前記第一吸収手段にボルト挿通孔を形成した構成のシートの衝撃吸収構造。 - 請求項1又は請求項4に記載の側面部に、略環状の連結リンク片、及び棒状の連結リンク片とでなるリンク片群と、このリンク片群間に設けた隙間との組合せでなる第二吸収手段を設け、この第二吸収手段のリンク片群の変形を利用して衝撃を吸収することを特徴としたシートの衝撃吸収構造。
- 請求項4に記載の膨出部に、略環状の連結リンク片、及び棒状の連結リンク片とでなるリンク片群と、このリンク片群間に設けた隙間との組合せでなる第一吸収手段を設け、この第一吸収手段のリンク片群の変形を利用して衝撃を吸収することを特徴としたシートの衝撃吸収構造。
- 請求項4に記載の膨出部の下側に間隔を介してスペーサ板材を敷設し、この板材と、膨出部の上面との間にシート取付用のボルトを配する構成としたシートの衝撃吸収構造。
- 請求項1又は請求項4に記載の衝撃吸収体を、バネ鋼材で構成したシートの衝撃吸収構造。
- 請求項1又は請求項4に記載の衝撃吸収体を、樹脂材で構成したシートの衝撃吸収構造。
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