JP3745543B2 - ベルト式駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータを駆動し、その駆動力を無端ベルトによって負荷に伝達するベルト式駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルト式駆動装置は様々な分野で利用されているが、負荷の駆動量を精緻に管理する必要のある分野では駆動系の振動を抑制することが重要である。例えば、光学系を支持したキャリッジを原稿の画像面に沿って走査することにより、原稿画像を読み取るスキャナにおいて、ステッピングモータの回転を無端ベルトを介して駆動軸に伝達し、この駆動軸の回転を直線運動に変換してキャリッジに伝達するようにしたベルト式駆動装置がこの例に該当する。 ステッピングモータを用いる駆動系の振動を抑える方法としては、従来から下記の方法が知られている。
(1)特開平8−275588号公報、特開平9−65695号公報、特許公報、第2637455号等に記載されているように、ステッピングモータに流す電流を切り替える方法。
(2)特開平5−300796号公報等に記載されているように、細かいステップでステッピングモータを駆動するマイクロステップ駆動方法。
(3)特開平5−328797号公報等に記載されているように、ステッピングモータを始動させるときのスローアップの速度パターンを変えることにより、駆動装置系を含めた振動を防止する方法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ベルト式駆動装置は無端ベルトが振動する。この振動は駆動する負荷の速度に影響する。負荷として光学系が搭載されたキャリッジを走査方向に駆動する画像読取装置を例にすれば、振動は画像の読取速度が変動する原因となり、読取画像の精度に大きく影響する。
【0004】
ここで、ステッピングモータ(図1のステッピングモータ4に相当)の回転をタイミングベルト(図1のタイミングベルト9に相当)を介して駆動軸(図1の駆動軸6に相当)に伝達し、この駆動軸の回転によりキャリッジ(図1の第一、第二のキャリッジ1,2に相当)を往復駆動させるスキャナにおいて、前述の(1)(2)(3)の方法を採用した場合、振動がどの程度に抑えられるものかを実験により確認した。
【0005】
この実験は、駆動軸にエンコーダ(図1のエンコーダ18に相当)を取り付け、このエンコーダの出力パルス、すなわち信号周波数を時系列的に測定し、その信号周波数を電圧に変換して調べることにより行った。その実験結果を図14ないし図17に示す。図14ないし図17において、縦軸は変換した電圧で、これは駆動軸の回転速度、キャリッジの走査速度に対応する。横軸はステッピングモータを始動したときからの経過時間である。なお、等倍で原稿画像を読み取る場合、スローアップ開始から原稿の先端を読み取るまでの経過時間は略0.1秒であるので、この時点で振動が抑制されていなければならない。
【0006】
まず、(1)の電流を切り替える方法を採用した場合の実験結果を図14及び図15に示す。図14はステッピングモータに流す電流を多くした場合の結果、図15はステッピングモータに流す電流を少なくした場合の結果である。図14,15はそれぞれ経過時間によって(a)(b)に分けて示すが、(a)はステッピングモータが立ち上るときの結果、(b)はステッピングモータの回転速度が一定になったときの結果である。
【0007】
図14(a)と図15(a)との比較により明らかなように、振動が発生し易い経過時間では、ステッピングモータに流す電流を少なくしても、スローアップ時の速度変動は殆ど変化せず、タイミングベルトの1周期分の周波数(図14(b)に示すf=47Hz)もそれ程減少しない。これは、電流を切り替えても、線画像等で目に見える色ずれが生ずる原因となる。
【0008】
また、図14(b)と図15(b)との比較により明らかなように、ステッピングモータの回転速度が一定になったときは、ステッピングモータに流す電流を少なくすることにより、ステッピングモータの駆動周波数の1/5の周波数332Hzは減少する結果が得られたが、タイミングベルトの1周期分の周波数47Hzはそれ程減少しない。なお、ステッピングモータの駆動周波数の1/5の周波数の値は、ハーフトーンの一様な画像で目に見える色ずれ(縞模様)を生ずる原因となる。
【0009】
このように、ステッピングモータに流す電流を切り替える(1)の方法は、負荷トルクに対してステッピングモータの出力トルクが大きいとステッピングモータ自体の振動となってしまうために、そのステッピングモータ自体の振動を防止することはできるが、負荷系の特にバネ性等を含めた振動(タイミングベルトの波打ち等による振動)を防止することは難しい。
【0010】
次に、(2)のマイクロステップ駆動方法を採用した場合の実験結果を図16及び図17に示す。図16は、前述のようにステッピングモータに流す電流を少なくしステッピングモータ自体の振動を抑え、ステッピングモータをハーフステップ駆動方法で駆動した場合の結果、図17は図16に示す駆動ステップをさらに1/4に細分化したマイクロステップ駆動方法でステッピングモータを駆動した場合の結果である。図16、図17は経過時間によって(a)(b)に分けて示すが、(a)はステッピングモータが立ち上るときの結果、(b)はステッピングモータの回転速度が一定になったときの結果である。図16と図17との比較により明らかなように、スローアップ時の速度変動はマスクロステップ駆動方法で駆動しても、大きく改善されていないことが分かる。
【0011】
次に、(3)のスローアップの速度パターンを変更する方法を採用した場合について説明する。この方法は、ステッピングモータ以外の駆動装置系の振動を抑えることができると考えられる。この場合、速度パターンをサインカーブのようにするのも有効であるが、ステッピングモータを0.1〜0.2秒の時間で立ち上げたい場合等は、サインカーブのようなスローアップでは時間を短縮できないという問題がある。スローアップの段階で負荷側の振動が減衰する間一定速で駆動し、振動が減衰したら再度スローアップすることも振動を抑える上で有効であるが、スローアップの速度パターンが直線にならないため、始動から所望の速度に安定するまでに時間がさらに掛ってしまう。これにより、高速複写機やカラー複写機のようにスキャン間隔を短縮する要求の高いスキャナには利用することができない。さらに、スローアップのパターンを変更する方法は、変倍可能なスキャナの場合に走査速度が変倍率により異なるため、変倍率に合わせてスローアップの速度パターンを切り替えなければならない。しかし、この方法はソフト制御が複雑化するという問題がある。
【0012】
本発明は、急速な立ち上りを可能にするとともに、無端ベルトの振動を有効に抑えることができ、さらに、温度変化による影響を防止することができるベルト式駆動装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
【0018】
発明は、ステッピングモータの回転力を無端ベルトにより駆動軸に伝達し、この駆動軸の回転力により原稿読み取りのための光学系を保持して移動自在に支持されたキャリッジを駆動するベルト式駆動装置において、前記無端ベルトに当接されてこの無端ベルトの振動を抑える振動防止部材を具備し、前記振動防止部材は、原稿読み取り以外のために前記キャリッジを移動させる過程では無端ベルトから離反されるように設けられている。
したがって、原稿読み取り後にキャリッジをホームポジションに戻す等、キャリッジを原稿読み取り以外のために移動させる過程等では、ステッピングモータに掛かる負荷を極めて小さくすることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の第一の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。本実施の形態は、スキャナに用いるベルト式駆動装置を例とするが、本発明は、例えば、電子写真方式の画像形成装置において、感光体の周囲に配設されたカラー画像現像器の位置を切り替える現像切替装置、現像画像を転写する転写紙或いはコピー時の原稿を給紙する給紙装置、さらには他の分野に利用されるベルト式駆動装置にも適用されるものである。図1はベルト式駆動装置の斜視図、図2はステッピングモータと駆動軸との動力伝達関係を示す側面図、図3はステッピングモータの駆動過程を示すタイムチャートである。
【0024】
図1に示すように、第一のキャリッジ1と第二のキャリッジ2とがガイド(図示せず)により往復動自在に設けられている。第一のキャリッジ1及び第二のキャリッジ2には、その上に設けられたコンタクトガラス(図示せず)上の原稿の画像を読み取るための光学系(図示せず)が設けられている。第一のキャリッジ1に支持された光学系は、原稿を照明する光源(図示せず)、その光源からの反射光を第二のキャリッジ2方向に反射する第一のミラーである。第二のキャリッジ2に支持された光学系は、第一のミラーからの反射光を反射する第二のミラー、この第二のミラーからの反射光を集光レンズ(図示せず)を介してCCD(図示せず)に向けて反射する第三のミラーである。
【0025】
次に、ベルト式駆動装置3の構成について説明する。ステッピングモータ4の出力軸5(図2参照)と平行に駆動軸6が回転自在に設けられている。出力軸5と駆動軸6の端部に固定的に嵌合したプーリ7,8には無端ベルトであるタイミングベルト9が巻回されている。駆動軸6は第一、第二のキャリッジ1,2を含む負荷に連結されている。すなわち、駆動軸6の回転運動を直前運動に変換して第一、第二のキャリッジ1,2に伝達する動力伝達機構10が設けられている。
【0026】
この動力伝達機構10は、駆動軸6の両端付近に固定的に嵌合された伝動プーリ11と、第一、第二のキャリッジ1,2の走査方向の両端側の定位置に回転自在に支持された伝動プーリ12,13と、第二のキャリッジ2の両端部に回転自在に支持された伝動プーリ14と、これらの伝動プーリ11〜14に巻回されたワイヤ15とよりなる。伝動プーリ12,13は、相対向する側板(図示せず)等により支持されている。ワイヤ15の両端15a,15bは支持部材(図示せず)により固定されている。また、ワイヤ15は第一のキャリッジ1の両側に止着部材16により止着されている。
【0027】
すなわち、ステッピングモータ4の回転はタイミングベルト9を介して駆動軸6に伝達され、ステッピングモータ4を時計方向に駆動して駆動軸6を時計方向に回転させた場合は第一、第二のキャリッジ1,2が原稿の画像を読み取る方向(図1における矢印A方向)に走査され、ステッピングモータ4を反時計方向に駆動し、駆動軸6を反時計方向に回転させた場合は第一、第二のキャリッジ1,2がホームポジションに向けて(図1における矢印B方向)に戻されるように構成されている。
【0028】
そして、タイミングベルト9に当接する振動防止部材17が設けられている。この振動防止部材17は、回転自在のローラにより形成されているとともに、所定の圧力をもってタイミングベルト9の外側の面を内側に向けて押圧するように支持されている。また、この振動防止部材17は、図2に示すように、ステッピングモータ4の出力軸5と駆動軸6とを結ぶ線分の垂直二等分線より駆動軸6側に寄せた位置でタイミングベルト9に当接されている。
【0029】
このような構成において、1枚の原稿の画像を読み取るときのステッピングモータ4の駆動過程を図3に基づいて説明する。ステッピングモータ4を正転方向(時計方向)に回転させると、直線の傾斜線で示すスローアップの期間があり、その後一定の回転速度で回転する。始動開始からt1時間を経た時点は原稿の先端を読み取るときである。その後は原稿の画像を読み取る期間で、原稿の読み取った後はスローダウンの期間があり、t2の時間を経過したときに、ステッピングモータ4を逆転して第一、第二のキャリッジ1,2を戻し、t3の経過時間を経たときに、ステッピングモータ4を停止させて2枚目の原稿の画像を読み取るために待機させる。
【0030】
この場合、タイミングベルト9に振動防止部材17が所定の圧力をもって当接しているため、ステッピングモータ4の始動時に負荷によるタイミングベルト9の振動を急速に減衰させることができる。
【0031】
本実施の形態では、振動防止部材17を、ステッピングモータ4の出力軸5と駆動軸6とを結ぶ線分の垂直二等分線より駆動軸6側に寄せた位置でタイミングベルト9に当接させているので、負荷に連結された駆動軸6と振動防止部材17との距離よりも、振動防止部材17とステッピングモータ4との距離の方が長くなる。これにより、ステッピングモータ4に掛かる負荷を小さくしてタイミングベルト9の振動を減衰することができる。
【0032】
さらに、振動防止部材17はタイミングベルト9を外側から内側に押圧するように設けられているので、ステッピングモータ4側のプーリ7及び駆動軸6側のプーリ8に対するタイミングベルト9の接触長さ及び接触圧が増すことになり、タイミングベルト9に伝達される振動を有効に抑えることができる。さらに、振動防止部材17は、回転自在に支持されたローラにより形成されているので、タイミングベルト9が振動防止部材17から受ける抵抗が軽減されるため、ステッピングモータ4に掛かる負荷が低減される。
【0033】
ここで、振動防止部材17により振動がどの程度に抑えられるものかを実験により確認した。この実験は、駆動軸6にエンコーダ18(図1参照)を取り付け、このエンコーダ18の出力パルス、すなわち信号周波数を時系列的に測定し、その信号周波数を電圧に変換して調べることにより行った。その実験結果を図4ないし図7に示す。図4ないし図7において、縦軸は変換した電圧で、これは駆動軸6の回転速度、第一、第二のキャリッジ1,2の走査速度に対応する。横軸はステッピングモータ4を始動したときからの経過時間である。
【0034】
図4は、原稿画像を等倍で読み取った場合の実験結果である。この結果、スローアップ開始から原稿の先端を読み取るまでの0.1秒の時間に、振動が殆ど無くなっていることが確認された。
【0035】
図5は、原稿画像を拡大(141%)して読み取った場合の実験結果、図6は原稿画像を縮小(61%)して読み取った場合の実験結果である。この結果は、図4の結果より僅かに振動の変動があるが、振動防止部材17を具備しない場合(図8ないし図11により後で説明する)より格段に振動が減衰されていることが確認された。
【0036】
図7は、振動防止部材17を、ステッピングモータ4の出力軸5と駆動軸6とを結ぶ線分の垂直二等分線よりステッピングモータ4側に寄せた位置でタイミングベルト9に当接させた場合の実験結果である。この実験結果によれば、振動防止部材17を具備しない場合の図11に示す結果よりも振動を減衰することができる。しかし、図4に示す結果と比較すると十分に振動を減衰させていないことが分かる。これは、負荷に連結された駆動軸6側でタイミングベルト9を押え込んでいないため、駆動軸6上のプーリ8と振動防止部材17との距離が長くなり、タイミングベルト9の振動が発生し易くなることによるものである。
【0037】
図4ないし図6に示す結果によれば、振動防止部材17を駆動軸6側に寄せて設けた場合には、振動を抑える効果についてある程度満足できる結果を得ることができることが分かる。したがって、振動防止部材17を駆動軸6側に寄せて設ける条件を満たし、さらに、タイミングベルト9の二箇所以上の部位に振動防止部材17を配設した場合には、タイミングベルト9の振動をさらに有効に減衰させることができるといえる。例えば、図2に仮想線で示す位置にも、振動防止部材17を配置すれば、タイミングベルト9をその両外側から振動防止部材17により挾み込んでタイミングベルト9の振動を極めて有効に減衰させることができる。
【0038】
さらに、原稿読み取り以外のために第一、第二のキャリッジ1,2を移動させる場合(図1において矢印B方向に移動させる場合等)には、タイミングベルト9から振動防止部材17を離反するように構成することで、画像読み取り後に第一、第二のキャリッジ1,2をホームポジションに戻す過程では、ステッピングモータ4に掛かる負荷を極めて小さくすることができる。
【0039】
さらに、振動防止部材17を具備した本発明の効果を再確認するために、振動防止部材17を具備しない場合の実験結果を図8ないし図11に示す。この実験は、前述した実験条件と同様である。図8ないし図11において、縦軸は変換した電圧で、これは駆動軸6の回転速度、第一、第二のキャリッジ1,2の走査速度に対応する。横軸はステッピングモータ4を始動したときからの経過時間である。
【0040】
図8は、単にタイミングベルト9を引っ張った状態でプーリ7,8に巻回した状態で、原稿画像を等倍で読み取った場合の実験結果である。この結果、スローアップ開始から原稿の先端を読み取るまでの0.1秒の時間を経過しても、振動が減衰していないことが分かる。
【0041】
図9は、等倍読み取り時にタイミングベルト9に振動が発生しないように、その走査速度に対応させてタイミングベルト9の張りを調整したときの結果である。これによれば、タイミングベルト9に振動が発生していないことが確認された。
【0042】
図10は、等倍読み取り時にタイミングベルト9に振動が発生しないように、その走査速度に対応させてタイミングベルト9の張りを調整した状態で、原稿画像を拡大(141%)して読み取った場合の実験結果、図11は、同じ状態で原稿画像を縮小(61%)して読み取った場合の実験結果である。
【0043】
図10、図11の結果によれば、スルーアップから原稿の先端を読み取る0.1秒の時間が経過してもタイミングベルト9が振動していることを示す。図9は、変倍率に合わせてタイミングベルト9の張りを調整すれば振動の発生をなくすことができることを示しているが、変倍率に合わせてタイミングベルト9の張りを調整することは、至難で実用性に乏しい。
【0044】
以上により、従来の(1)(2)(3)の方法、変倍率に合わせてタイミングベルト9の張りを調整する方法は、変倍可能で画像の読み取りを高速で行うスキャナには不向きである。
【0045】
次に、本発明の実施の第二の形態を図12に基づいて説明する。前記実施の形態と同一部分は同一符合を用い説明も省略する。本実施の形態は、環境温度の変化を検知する温度検知手段(図示せず)と、この温度検知手段の検知結果によりタイミングベルト9に対する振動防止部材17の押圧力を変更する押圧力変更手段19とを具備する。
【0046】
温度検知手段は、ステッピングモータ4のモータケース4aに直接設けられた温度センサ20の出力を基に温度をマイクロコンピュータにより認識する機能である。
【0047】
押圧力変更手段19は、振動防止部材17を押圧する偏心カム21と、この偏心カム21を駆動するモータ(図示せず)と、このモータを上記の温度検知手段の検知結果に基づいて所定角度回転させる制御回路(図示せず)とにより形成されている。この場合、偏心カム21は一定の軸線上で回転可能に支持され、振動防止部材17は偏心カム21の回転中心を通る鉛直線上で上下方向に移動可能及び回転可能に支持されている。
【0048】
したがって、温度変化によって変化するタイミングベルト9の伸びに対応して、偏心カム21を所定角度回転させることにより、タイミングベルト9に対する振動防止部材17の押圧力を変更することができる。すなわち、低温時にはタイミングベルト9は伸びがないため、振動防止部材17を強く押しつけると振動が現れるので押圧力を小さくして振動を抑えることができる。また、高温時にはタイミングベルト9が伸びるため、タイミングベルト9に対する振動防止部材17の押圧力を強くしてタイミングベルト9の弛みを防止することができる。これにより、プーリ7,8に対してタイミングベルト9が歯飛びを起こす等、動力伝達上の影響をなくすことができる。
【0049】
この場合、上記温度検知手段は、タイミングベルト9に熱を与える熱源としてのステッピングモータ4の温度を直接検知するため、タイミングベルト9に対する振動防止部材17の押圧力の変更を正確に行うことができる。
【0050】
次に、本発明の実施の第三の形態を図13に基づいて説明する。前記実施の形態と同一部分は同一符合を用い説明も省略する。本実施の形態において、振動防止部材17は形状記憶合金22により回転可能に支持されている。この形状記憶合金22は一端がステッピングモータ4のモータケース4aに熱的に接続された状態でそのモータケース4aに固定的に支持されている。
【0051】
したがって、モータケース4aの温度がある温度を境に変化すると形状記憶合金22が変形するため、タイミングベルト9に対する振動防止部材17の押圧力を変更することができる。すなわち、低温時にはタイミングベルト9は伸びがないため、振動防止部材17を強く押しつけると振動が現れるので、形状記憶合金22を変形させない状態に維持し、タイミングベルト9に対する振動防止部材17の押圧力を小さくして振動を抑えることができる。また、高温時にはタイミングベルト9が伸びるため、ステッピングモータ4の熱により形状記憶合金22を上方に変形させ、タイミングベルト9に対する振動防止部材17の押圧力を強くしてタイミングベルト9の弛みを防止することができる。
【0052】
このように、振動防止部材17を支持する形状記憶合金22は、ステッピングモータ4の温度を検知する温度検知手段と、温度検知の結果によって変形してタイミングベルト9に対する振動防止部材17の押圧力を変更する押圧力変更手段との機能を具備するため、温度検知手段として温度センサを含む複雑な構成を必要とすることがなく、また、押圧力変更手段として駆動源を含む複雑な機構を用いる必要がない。
【0053】
さらに、本発明の実施の第四の形態について説明する。本実施の形態では、図示しないが、温度検知手段としてステッピングモータ4の一部に取り付けられたサーモスタットが用いられている。また、図示しないが、押圧力変更手段は、電源供給回路に上記前記サーモスタットが接続された駆動源を備える。この駆動源は電源供給時に一定のストロークをもって作動し、電源遮断時に基の位置に復帰する性質をもつものものであればよい。具体的にはソレノイドが挙げられる。この場合、ソレノイドは振動防止部材17を支持する部材に連結される。
【0054】
したがって、温度の変化によりサーモスタットがオンオフするので、この動作によりソレノイドを作動させてタイミングベルト9に対する振動防止部材の17の押圧力を変更することができる。これにより、温度検知のための構成及び温度検知後のタイミングベルト9に対する振動防止部材17の押圧力の変更制御が容易となる。
【0055】
【発明の効果】
【0060】
発明は、ステッピングモータの回転力を無端ベルトにより駆動軸に伝達し、この駆動軸の回転力により原稿読み取りのための光学系を保持して移動自在に支持されたキャリッジを駆動するベルト式駆動装置において、前記無端ベルトに当接されてこの無端ベルトの振動を抑える振動防止部材を具備し、振動防止部材は、原稿読み取り以外のために前記キャリッジを移動させる過程では無端ベルトから離反されるように設けられているので、キャリッジを画像読み取り後にホームポジションに戻す等、原稿読み取り以外のために移動させる過程では、ステッピングモータに掛かる負荷を極めて小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態におけるベルト式駆動装置の斜視図である。
【図2】ステッピングモータと駆動軸との動力伝達関係を示す側面図である。
【図3】ステッピングモータの駆動過程を示すタイムチャートである。
【図4】振動防止部材を備えた場合における振動発生状態の実験結果を示すグラフである。
【図5】振動防止部材を備えた場合における振動発生状態の実験結果を示すグラフである。
【図6】振動防止部材を備えた場合における振動発生状態の実験結果を示すグラフである。
【図7】振動防止部材を備えた場合における振動発生状態の実験結果を示すグラフである。
【図8】振動防止部材を備えていない場合における振動発生状態の実験結果を示すグラフである。
【図9】振動防止部材を備えていない場合における振動発生状態の実験結果を示すグラフである。
【図10】振動防止部材を備えていない場合における振動発生状態の実験結果を示すグラフである。
【図11】振動防止部材を備えていない場合における振動発生状態の実験結果を示すグラフである。
【図12】本発明の実施の第二の形態におけるステッピングモータと駆動軸との動力伝達関係を示す側面図である。
【図13】本発明の実施の第三の形態におけるステッピングモータと駆動軸との動力伝達関係を示す側面図である。
【図14】ステッピングモータに流す電流を変えて振動を抑制する方法における振動発生状態の実験結果を示すグラフである。
【図15】ステッピングモータに流す電流を変えて振動を抑制する方法における振動発生状態の実験結果を示すグラフである。
【図16】ステッピングモータをハーフステップ駆動する方法における振動発生状態の実験結果を示すグラフである。
【図17】ステッピングモータをマイクロステップ駆動する方法における振動発生状態の実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2 負荷、キャリッジ
4 ステッピングモータ
5 出力軸
6 駆動軸
9 無端ベルト
17 振動防止部材
19 押圧力変更手段
22 形状記憶合金

Claims (1)

  1. ステッピングモータの回転力を無端ベルトにより駆動軸に伝達し、この駆動軸の回転力により原稿読み取りのための光学系を保持して移動自在に支持されたキャリッジを駆動するベルト式駆動装置において、
    前記無端ベルトに当接されてこの無端ベルトの振動を抑える振動防止部材を具備し、
    前記振動防止部材は、原稿読み取り以外のために前記キャリッジを移動させる過程では無端ベルトから離反されるように設けられているベルト式駆動装置。
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