JP3745172B2 - 生ごみ処理機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭の台所及び飲食店の厨房などのシンク排水口に取り付け、生ごみを下水などへ排水処理する生ごみ処理機に関し、特に、加水分解酵素の触媒作用を利用した生ごみ処理機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から家庭の台所及び飲食店の厨房などのシンク排水口に取り付けられた生ごみ処理機が使用されている。
図5は、この生ごみ処理機の従来例を示す。図5において、水道管43の蛇口44がバルブ45で開閉されるように形成され、家庭の台所や飲食店の厨房のシンク41が蛇口44から給水される。排水口42がシンク41の底部に形成されている。
生ごみ処理機60の主要部は、分離槽61及び破砕機68である。破砕機68の入口は排水口42に接続され、破砕機68の出口はパイプP11を介して分離槽61の入口に接続されている。
分離槽61内には、フィルター62が前記入口の下側に配設され、加圧板64が前記入口の上側に配設されている。加圧軸63が加圧板64の上側に固定され、モーター65が加圧軸63を上下に動かすように配設されている。
制御回路66が電源51に接続され、モーター65及び破砕機68を制御するように接続されている。スイッチ67は制御回路66のオン・オフ用である。
分離槽61の下部排出口は、パイプP12を介して排出口46に接続されている。
【0003】
このため、シンク41内の生ごみは、水とともに破砕機68内に流し込まれ、破砕機68により細かく破砕される。破砕生ごみ並びに水溶性物質及び微細に破砕した不水溶性の物質を含み混濁した破砕水は、パイプP11を経て分離槽61内に送られる。分離槽61内では、破砕生ごみがフィルター62と加圧板64との間で加圧される。
フィルター62は、前記破砕水を透過し、該破砕生ごみの透過を阻止する。該破砕水は、分離槽61の排出口から排出管P12を経て排出口46に排出される。このため、分離槽61内には該破砕生ごみのみが残渣として残る。
破砕機68に取り付けた破砕刃による切断による破砕であるため、排出した破砕水には、細かくなった生ごみの破砕面及び該破砕面近傍に含まれていた水分と水溶性物質及び微細に破砕した生ごみが含まれることになる。
このため、生ごみの体積及び重量の減量は、該水分と該水溶性物質及び微細に破砕した生ごみの和となる。即ち、該残渣の体積及び重量は、生ごみの体積及び重量より前記和を減じた値となる。これより、生ごみの体積及び重量の減量は、破砕面を多くすること、即ち、破砕機68での生ごみの破砕をより細かくすることに比例することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、破砕機68での生ごみの破砕は機械的であり、破砕の細かさには限界があった。したがって、この破砕の細かさの限界は、生ごみの体積及び重量の減量を制限していた。
したがって、本発明の目的は、上述の従来例の欠点をなくし、生ごみの体積及び重量を上記従来例よりも著しく減量することができる生ごみ処理機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の第1の発明の構成は、分解槽と、薬注槽と、エアコンプレッサーとを有し、前記薬注槽内に収納されている加水分解酵素が前記エアコンプレッサーの圧縮空気により前記分解槽内に送られ、前記エアコンプレッサーの圧縮空気が前記分解槽内にて噴出し、前記分解槽内にてこの圧縮空気により生ごみ、前記加水分解酵素及び水が攪拌されて、前記生ごみが分解処理されることを特徴とする生ごみ処理機である。
上記第1の発明の構成により、前記エアコンプレッサーの圧縮空気により、前記薬注槽内の加水分解酵素が前記分解槽内に送られるとともに、前記分解槽内において、前記生ごみ、加水分解酵素及び水が前記圧縮空気の噴出により攪拌されるので、前記生ごみ、加水分解酵素及び水が均一に混合する。このため、前記加水分解酵素の触媒作用により生ごみの加水分解処理が促進される。
【0007】
更に、第2の発明の構成は、上記第1の発明の構成において、前記分解槽を所定温度に保つ加熱手段が配設され、前記加熱手段および前記エアコンプレッサーを制御する制御回路が設けられていることである。
上記第2の発明の構成により、上記第1の発明の構成による作用とともに、制御回路が前記加熱手段及び前記エアコンプレッサーを制御することにより、分解槽内の温度が生ごみの加水分解に適した温度(加水分解酵素活性の最適温度)に保たれるので、前記生ごみの加水分解が一層促進される。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本願発明の第1の実施の形態を示す。図1において、上述の従来例と同様に水道管43の蛇口44はバルブ45により開閉され、家庭の台所や飲食店の厨房等のシンク41は蛇口44から給水される。生ごみ処理機1はシンク41の排水口42に接続されている。
生ごみ処理機1の主要部は、破砕機3、薬注槽4、分解槽5及びエアコンプレッサー9である。
【0010】
破砕機3の入口(投入口を含む)はシンク41の排水口42に接続され、破砕機3の出口はパイプP1により分解槽5の入口に接続されている。破砕機3は後述する制御回路35により制御される。
分解槽5内には、上部フィルター6及び下部フィルター8が配設され、更に、散気管7が下部フィルター8の上側に配設されている。
エアコンプレッサー9は、制御回路35により制御され、電磁開閉バルブ11及びパイプP2を介して薬注槽4内に圧縮空気を送り、電磁開閉バルブ12及びパイプP2を介して散気管8に圧縮空気を送るように配設されている。なお、電磁開閉バルブ11、12及び後述する電磁開閉バルブ13〜15は後述する制御回路35により制御される。
なお、エアフィルター10は、エアコンプレッサー9に吸い込まれる空気のごみ等を除去するものである。
薬注槽4内に収容されている加水分解酵素は、前記圧縮空気により電磁バルブ14及びパイプP3により分解槽5の上部フィルター6と下部フィルター8との間に送り込まれるようになっている。
【0011】
分解槽5内のうち上部フィルター6より上の部分は、パイプP4により台所や厨房の排水口46に接続され、分解槽5内のうち下部フィルター8より下の部分は、ドレイン開閉用電磁開閉バルブ(ドレイン電磁バルブ)13及びパイプP5、P4により排水口46に接続されている。
制御回路35は、電源51に接続され、スイッチ36、37によりオン・オフされる。
【0012】
以上の構成により、図3に示すように動作する。即ち、図3は、上記第1の実施の形態及び後述する第2の実施の形態の動作を説明するタイミングチャートである。
図3に示すように、制御回路35が、破砕器3、エアコンプレッサー9、温度調節回路32及び電磁開閉バルブ11〜15(電磁開閉バルブ15は図2に記載されている。)を制御して、生ごみ処理機1及び後述する生ごみ処理機2が所定の手順にしたがって動作するようにする。
スイッチ36をオンとし、時間t1後に破砕機3が動作する。この時間t1の間に、水道のバルブ45を開とし、蛇口44より水道水を出す。該水道水はシンク41内に置かれた生ごみを排水口42を通し破砕機3に流し込む。そして、生ごみが破砕機3により破砕され、破砕生ごみとなる。
また、流し込んだ水道水は破砕生ごみの水溶性物質及び不水溶性物質を含み混濁した破砕水となる。生ごみが破砕した後、スイッチ36をオフにする。
【0013】
該生ごみと該破砕水はともに、パイプP1を通り、分解槽5内の上部フィルター6と下部フィルター8との間に流し込まれる。上部フィルター6は該破砕生ごみを阻止し、分解に不要な該破砕水を透過する。この破砕水は、上部フィルター6の上部でパイプP4を通り排水口46に排出される。
エアコンプレッサー9は、エアフィルター10でごみを濾過した空気を圧縮する。
該破砕生ごみと該破砕水との混合水が分解槽5の上部フィルター6と下部フィルター8との間に流し込まれた後、電磁開閉バルブ12を閉とし、電磁開閉バルブ11を開として、圧縮空気を薬注槽4におくり、薬注槽4内の加水分解酵素を押し出す圧力をかける。
電磁開閉バルブ11を開とし、薬注槽4の加水分解酵素を押し出す圧力が十分かかる時間t4を経過した後に、電磁開閉バルブ14を時間t6の間だけ開とする。該加水分解酵素はこの時間t6の間、電磁開閉バルブ14を通り、分解槽5の底部近傍に注入される。この注入が行われた後に、時間t5を経過し、電磁開閉バルブ11を閉とし、その後、電磁開閉バルブ12を開とする。
【0014】
これにより、圧縮空気は電磁開閉バルブ12を通り散気管7へ送られ、散気管7から分解槽5内に噴出(吹き出る意味を含む)する。散気管7から噴出した圧縮空気は、泡状となり、前記破砕生ごみと前記破砕水及び注入された前記加水分解酵素を攪拌して均一に混合して反応水とする。破砕生ごみと加水分解酵素は、反応水中で一様に分布する。加水分解酵素の触媒作用が破砕生ごみと破砕水との加水分解を促進する。この状態を保持することにより、破砕生ごみの加水分解が促進される。
破砕生ごみは、加水分解により低分子化した水溶性及び不水溶性の生成物、分解できなかった物質及び生ごみの各ごみが含んだ水分とに分解される。
該加水分解が十分促進された後に、スイッチ37をオンとする。このスイッチ37のオンにより、エアコンプレッサー9の圧縮動作を停止し、電磁開閉バルブ12を閉とし、そして、電磁開閉バルブ13を開とする。
これにより、分解槽5の下部フィルター8を透過した、分解された前記水分と前記水溶性及び不水溶性の生成物とは該破砕水とともに、電磁開閉バルブ13とパイプP4、P5とを通り排水口46に排出される。
【0015】
この結果、分解槽5の上部フィルター6と下部フィルター8との間には分解できなかった物質のみが残渣として残る。
生ごみの各ごみに含まれる水分は、最小90パーセント(重量比)である。したがって、該残渣は、分解による生ごみの水分と水溶性及び不水溶性の生成物との和に比し微量となる。これにより、生ごみの体積及び重量から分解された水分と水溶性及び不水溶性の生成物の体積及び重量との和を減じた体積及び重量は微量となる。この結果、生ごみの体積及び重量を従来例より減量することが実現できる。
この残渣は、破砕する前の生ごみ略1,000グラムに対し略10グラムから略15グラムとなる。したがって、減量は略990グラムから略985グラムとなる。これより、残量率は略1.0〜1.5パーセントとなる。
従来の生ごみ処理機60による残渣は生ごみ略1,000グラムに対し略100〜300グラムである。したがって、減量は略700〜900グラムとなる。これより、残量率は略10〜30パーセントとなる。この結果、本発明の生ごみ処理機1は、従来の生ごみ処理機60に比し、更に残渣を略9〜29パーセント減量したことになる。
【0016】
図2は、本願発明の第2の実施の形態を示す。図2において、図1と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
貯留槽20がシンク41と破砕機3との間に配設されている。即ち、貯留槽20の入口はシンク41の排水口42に接続され、貯留槽20の出口は破砕機3の入口に接続されている。貯留槽20はパイプP6によりパイプP4に接続されている。なおフィルター21がパイプP6の入口を被うように貯留槽20内に配設されている。更に、蓋22が破砕機3の入口を被うように貯留槽20内に配置されている。
水道管43はパイプP7及び電磁開閉バルブ15により破砕機3に接続されている。
熱電対等の温度検出器31が、分解槽5内の上部フィルター6と下部フィルター8との間に配置され、温度調節回路32に接続されている。加熱手段としての電気抵抗体34が、分解槽5の外側の周囲に分解槽5に接して(但し、電気抵抗体34は分解槽5と電気的に絶縁されている。)取り付けられ、分解槽5を加熱するようになっている。
【0017】
設定器33が電気抵抗体34の発熱量を調節して、分解槽5内の温度を所定値に保つようにするように温度調節回路32に接続されている。温度調節回路32は、設定器33の信号(基準信号)と温度検出回路31の信号と比較演算し、分解槽5内の温度が設定器33で設定した温度になるように、電気抵抗体34の発熱量を調節する。更に、温度調節回路32は、制御回路35及び電源51に接続され、制御回路35により制御され、スイッチ36がオフとなってからスイッチ37がオンとなるまで動作する(図3参照)。
設定器33で設定する温度は、加水分解酵素活性の最適温度(35℃±5℃)である。分解槽5内の温度が加水分解酵素活性の最適温度となると、加水分解酵素の触媒作用が活発となり、加水分解速度が速くなる。この結果、生ごみの分解処理時間が短くなる。
なお、前記加熱手段としては、電気抵抗体34に限定されず、温風又は熱風の送風手段等の分解槽5を加熱できるものであればよい。
【0018】
以上の構成により、先ず、破砕機3の入口に蓋22を取り付け、生ごみを貯留槽20にため、水切りをする。このとき、貯留槽20内にてフィルター21が生ごみの透過を阻止し、水道水や洗浄水などがフィルター21を透過してパイプP6、P4を経て排水口46に排出される。
次に、蓋22を破砕機3の入口より外し、貯留槽20に貯留した生ごみを破砕機3に入れ、破砕機3の入口に蓋22を取り付ける。この後、スイッチ36をオンにする。スイッチ36のオンにより電磁開閉バルブ15が開となり水道水が破砕機3に流れ込む。この結果、生ごみの破砕時に破砕機3の入口は閉じており、人の手が誤って破砕時の破砕機3に入ることによる該人の手の裂傷などの事故を防止することができる。
更に、前記加熱手段により分解槽5内の温度が加水分解反応に適した温度(35℃±5℃)に保たれるので、生ごみの加水分解が一層促進される。
【0019】
図4(a)、(b)は生ごみ処理機2の性能を従来例と比較した結果を示す。図4(a)は、生ごみ処理機2の分解処理後の生ごみの重さと分解処理前の生ごみの重さと減量分を示す。図4(b)は、生ごみ処理機2の残存率の測定結果と従来の生ごみ処理機の残量率との比較を示す。
家庭の台所から出る生ごみを無作為に1kg抽出し、本発明の生ごみ処理機2で分解処理を実行した。サンプル数は3回とした。また、計測は、バネ式のフルスケール1kgの秤で計量し、分解処理前の生ごみの重さと、分解処理後の生ごみの重さ、即ち、残渣の重さを測定した。その測定結果を図4(a)に示し、測定結果による分解処理後の生ごみの重さを分解処理前の生ごみの重さで除し100を乗じ、単位をパーセントをした残量率と、図5に示す従来の生ごみ処理機60の残量率から測定結果に基づく残量率を減じた改善率を図4(b)に示す。
なお、従来の生ごみ処理機60の残量率は市販された製品のカタログを参考として記載した。
【0020】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本願の第1の発明によれば、生ごみの加水分解が促進されるため、生ごみの処理作業が著しく改善される。このため、加水分解処理後の生ごみの体積及び重量を従来例よりも著しく減量することができる。
更に、第2の発明によれば、上記第1の発明の効果とともに、生ごみの加水分解が一層進むので、生ごみの処理が一層改善され、加水分解処理後の生ごみの体積及び重量を一層減量することができる。このため、生ごみの処理後にて生ごみの残存率を著しく低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態の説明図である。
【図2】本願発明の第2の実施の形態の説明図である。
【図3】前記各実施の形態の動作説明図である。
【図4】前記第2の実施の形態の特性の説明図である。
【図5】従来例の説明図である。
【符号の説明】
1、2 生ごみ処理機
3 破砕機
4 薬注槽
5 分解槽
9 エアコンプレッサー
15 電磁開閉バルブ
20 貯留槽
22 蓋
31 温度検出器
32 温度調節回路
33 設定器
34 電気抵抗体
35 制御回路
P7 パイプ
Claims (2)
- 分解槽と、薬注槽と、エアコンプレッサーとを有し、
前記薬注槽内に収納されている加水分解酵素が前記エアコンプレッサーの圧縮空気により前記分解槽内に送られ、
前記エアコンプレッサーの圧縮空気が前記分解槽内にて噴出し、前記分解槽内にてこの圧縮空気により生ごみ、前記加水分解酵素及び水が攪拌されて、前記生ごみが分解処理されることを特徴とする生ごみ処理機。 - 請求項1記載の生ごみ処理機であって、
前記分解槽を所定温度に保つ加熱手段が配設され、
前記加熱手段および前記エアコンプレッサーを制御する制御回路が設けられていることを特徴とする生ごみ処理機。
Priority Applications (1)
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JP23857099A JP3745172B2 (ja) | 1999-08-25 | 1999-08-25 | 生ごみ処理機 |
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JP23857099A JP3745172B2 (ja) | 1999-08-25 | 1999-08-25 | 生ごみ処理機 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23857099A Expired - Lifetime JP3745172B2 (ja) | 1999-08-25 | 1999-08-25 | 生ごみ処理機 |
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1999
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