JP3744779B2 - パルス発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はCD−R,CD−RW等の光ディスク記録装置の書き込みパルスなどの発生に使用されるパルス発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
書き換え可能型光ディスク媒体の一つとしてCD−RWがある。CD−RWは、CDフォーマットで3T〜11Tのマーク長をレーザー光の照射により記録するもので、レーザーの照射方法として図6に示すような一つのマーク長に対して複数のパルス光を一定間隔で照射することにより一つのマーク長を書き込むというものである。しかも、CD−RWでは形成しようとするマーク長に対するパルスの全体の幅は余熱の影響を考慮してマーク長より幾分か小さくする設定の必要があり、さらに、自己マーク長の長さ、前書き込みからの距離、時間によっても余熱の影響が違うため細かい設定が必要である。また、パルスの発生回路にノイズが乗ることもあるが、一時的なもので特に問題はおきない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスクに情報を記録する場合、高倍速での書き込みが必須条件となりつつある。しかも、この高倍速での書き込みではそれぞれのパルス幅をより細かい精度で調整する必要があり、この高倍速での書き込みを実現するためのパルス発生装置として非同期クロックを用いた図3に示すような回路が考えられる。
【0004】
図3,図4を用いて動作を説明する。
図4(a)は書き込みたいマーク長EFM、図4(b)はマーク長に対するレーザー出力であって、このレーザー出力は図4(c)(e)(h)に示す第1,第2,第3の入力信号としての第1,第2,第3のクロックACK,BCK,CCKに基づいて次のように生成されている。
【0005】
初期状態の出力がL出力であるDフリップフロップ12のクロック入力に、図4(c)に示すようにマーク長の書き込みに適するように調整された第1のクロックACKを入力すると、この第1のクロックACKの立ち上がりエッジのタイミングで、Dフリップフロップ12の出力をインバータ17で反転したものをデータ入力としているDフリップフロップ12の出力は、図4(d)に示すようになる。
【0006】
初期状態の出力がL出力であるDフリップフロップ13のクロック入力に、図4(e)に示すようにマーク長の書き込みに適するように調整された第2のクロックBCKを入力すると、この第2のクロックBCKの立ち上がりエッジのタイミングで、Dフリップフロップ13の出力をインバータ18で反転したものをデータ入力としているDフリップフロップ13の出力は、図4(f)に示すようになる。
【0007】
図4(d)と図4(f)を入力とするEx−OR15の出力は図4(g)に示すようになる。
さらに、初期状態の出力がL出力であるDフリップフロップ14のクロック入力に、図4(h)に示すようにマーク長の書き込みに適するように調整された第3のクロックCCKを入力すると、この第3のクロックCCKの立ち上がりエッジのタイミングで、Dフリップフロップ14の出力をインバータ19で反転したものをデータ入力としているDフリップフロップ14の出力は、図4(i)に示すようになる。
【0008】
図4(i)と図4(g)を入力とするEx−OR16の出力が書き込みパルスとなる。
しかしながらこの回路では、ノイズがクロックラインに入った時、波形崩れを起こして自己復帰しない問題がある。図3と図5を用いて説明する。
【0009】
初期状態の出力がL出力であるDフリップフロップ12に、マーク長の書き込みに適するように調整されてはいるが不意にノイズの乗ってしまった第1のクロックACKが入力されると、その立ち上がりエッジのタイミングでDフリップフロップ12の出力の反転を入力とするDフリップフロップ12の出力は図5(d)となる。また、次に初期状態の出力がL出力であるDフリップフロップ13にマーク長の書き込みに適するように調整された第2のクロックBCKを入力するとDフリップフロップ14の出力の反転を入力とするDフリップフロップの出力は図5(f)となる。図5(d)と図5(f)を入力とするEx−OR15の出力は図5(g)に示すようになる。
【0010】
さらに、初期状態の出力がL出力であるDフリップフロップ14に微調整されたクロックhを入力するとDフリップフロップ14の出力の反転を入力とするDフリップフロップ14の出力は図5(i)となる。
【0011】
波形からわかるようにDフリップフロップ12の出力の波形はノイズの立ち上がりのタイミングで反転しているため、Ex−OR16の出力は図5(j)に示すように本来必要とする書き込みパルスと比べて、ノイズが入った瞬間から反転している。
【0012】
このため、この図3の回路では動作途中のノイズで書き込みパルスが反転するため正常にディスクに書き込めない問題がある。また初期状態で正常な値に確定していない場合でも同様の問題がある。
【0013】
本発明は上記の問題点である書き込みパルスの反転状態を本来の状態に戻すことができるパルス発生装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のパルス発生装置は、図3に示した回路の第1〜第3のDフリップフロップ12,13,14のデータ入力に、個々のDフリップフロップの出力を反転した信号と目的の出力パルス発生するEx−ORの出力との排他的論理和を検出するEx−ORまたはEx−NORをそれぞれ設けたことを特徴とし、各Dフリップフロップの初期状態の違いや各Dフリップフロップのクロック信号線に乗ったノイズのために発生した書き込みパルスの反転状態を本来の書き込みパルスの状態に戻すことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のパルス発生装置は、第1,第2,第3の入力信号に基づいて目的の出力パルス信号を得るパルス発生装置であって、第1の入力信号の立ち上がりで入力に対して出力をする第1のDフリップフロップと、第2の入力信号の立ち上がりで入力に対して出力をする第2のDフリップフロップと、第3の入力信号の立ち上がりで入力に対して出力をする第3のDフリップフロップと、第1,第2のDフリップフロップの出力を入力とする第1のEx−ORと、第3のDフリップフロップの出力と第1のEx−ORの出力を入力とする第2のEx−ORと、第1のDフリップフロップの出力の反転信号と第2のEx−ORの出力とを入力とし出力を第1のDフリップフリップの入力とする第3のEx−ORと、第2のDフリップフロップの出力の反転信号と第2のEx−ORの出力とを入力とし出力を第2のDフリップフリップの入力とする第1のEx−NORと、第3のDフリップフロップの出力の反転信号と第2のEx−ORの出力とを入力とし出力を第3のDフリップフリップの入力とする第4のEx−ORとを備え、第2のEx−ORの出力から目的の出力パルス信号を得ることを特徴とする。
【0016】
以下、本発明の実施の形態のパルス発生装置を図1と図2に基づいて説明する。
図1に示す本発明のパルス発生装置は、第1の入力信号としての第1のクロックACKの立ち上がりで入力に対して出力をする第1のDフリップフロップ1と、第2の入力信号としての第2のクロックBCKの立ち上がりで入力に対して出力をする第2のDフリップフロップ2と、第3の入力信号としての第3のクロックCCKの立ち上がりで入力に対して出力をする第3のDフリップフロップ3と、第1,第2のDフリップフロップ1,2の出力を入力とする第1のEx−OR4と、第3のDフリップフロップ3の出力と第1のEx−OR4の出力を入力とする第2のEx−OR5と、第1のDフリップフロップ1の出力をインバータ9で反転した反転信号と第2のEx−OR5の出力とを入力とし出力を第1のDフリップフリップ1のデータ入力とする第3のEx−OR6と、第2のDフリップフロップ2の出力をインバータ10で反転したの反転信号と第2のEx−OR5の出力とを入力とし出力を第2のDフリップフリップ2のデータ入力とする第1のEx−NOR7と、第3のDフリップフロップの出力をインバータ11で反転した反転信号と第2のEx−OR5の出力とを入力とし出力を第3のDフリップフリップ3のデータ入力とする第4のEx−OR8とで構成されている。
【0017】
図2は図1の要部の波形図を示しており、(a)は書き込みたいマーク長EFM、(b)はマーク長に対するレーザー出力、(c)は第1のクロックACK、(d)は第1のDフリップフロップ1の出力、(e)は第2のクロックBCK、(f)は第2のDフリップフロップ2の出力、(g)はEx−OR4の出力、(h)は第3のクロックCCK、(i)は第3のDフリップフロップ3の出力、(j)はEx−OR5の出力である。
【0018】
図1において初期状態の出力がLであるDフリップフロップ1に、マーク長の書き込みに適するように調整されてはいるが図2(c)に示すようにノイズを含んだ第1のクロックACKか供給された場合には、Dフリップフロップ1の出力が図2(d)に示すようにクロックラインに乗ったノイズの瞬間に本来の出力から反転した出力となる。また、このとき図2(j)に示すように目的の出力パルスも反転する。
【0019】
次に、マーク長の書き込みに適するように調整された第2のクロックBCKによってDフリップフロップ2はデータ入力に供給されるデータをラッチする。この時の入力はEx−OR5の出力である(j)とDフリップフロップ2の出力の反転信号を入力にもつEx−NOR7の出力である。
【0020】
Ex−NOR7の出力は、Dフリップフロップ2の出力とは本来反転した関係になるはずであるがノイズによる影響により同じ信号になる。このため、クロック(e)による書き込みパルスの反転は起こらず、以降は正常に書き込みパルスが出力される。
【0021】
なお、図2で(e)(h)に示す第2,第3のクロックBCK,CCKにノイズが乗った場合でも上述と同様の動作により書き込みパルスは正常に戻る。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明のパルス発生装置によれば、第1〜第3のDフリップフロップのデータ入力に、個々のDフリップフロップの出力を反転した信号と目的の出力パルス発生するEx−ORの出力との排他的論理和を検出するEx−ORまたはEx−NORをそれぞれ設けることによって、書き込みパルスがノイズ等の影響により波形の異常を起こしたとしても、再び正常な状態への復帰が図れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のパルス発生装置の構成図
【図2】同実施の形態の第1の入力信号にノイズが乗ったときの各部の波形図
【図3】一般的に考えられるパルス発生装置の構成図
【図4】図3において正常な書き込みのときの波形図
【図5】図3においてノイズによる異常波形図
【図6】トラック上に書き込む信号の説明図
【符号の説明】
1 第1のDフリップフロップ
2 第2のDフリップフロップ
3 第3のDフリップフロップ
4 第1のEx−OR
5 第2のEx−OR
6 第3のEx−OR
7 第1のEx−NOR
8 第4のEx−OR
9 インバータ
10 インバータ
11 インバータ
ACK 第1のクロック(第1の入力信号)
BCK 第2のクロック(第2の入力信号)
CCK 第3のクロック(第3の入力信号)

Claims (2)

  1. 第1,第2,第3の入力信号に基づいて目的の出力パルス信号を得るパルス発生装置であって、
    第1の入力信号の立ち上がりで入力に対して出力をする第1のDフリップフロップと、
    第2の入力信号の立ち上がりで入力に対して出力をする第2のDフリップフロップと、
    第3の入力信号の立ち上がりで入力に対して出力をする第3のDフリップフロップと、
    第1,第2のDフリップフロップの出力を入力とする第1のEx−ORと、
    第3のDフリップフロップの出力と第1のEx−ORの出力を入力とする第2のEx−ORと、
    第1のDフリップフロップの出力の反転信号と第2のEx−ORの出力とを入力とし出力を第1のDフリップフリップの入力とする第3のEx−ORと、
    第2のDフリップフロップの出力の反転信号と第2のEx−ORの出力とを入力とし出力を第2のDフリップフリップの入力とする第1のEx−NORと、
    第3のDフリップフロップの出力の反転信号と第2のEx−ORの出力とを入力とし出力を第3のDフリップフリップの入力とする第4のEx−ORと
    を備え、第2のEx−ORの出力から目的の出力パルス信号を得る
    パルス発生装置。
  2. 第1,第2,第3の入力信号が、光ディスク記録装置の書き込みマーク長に適するように調整されたクロック信号である請求項1記載のパルス発生装置。
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