JP3744262B2 - 画像記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年ではDesk Top Publishing等の普及により、スキャナから入力した画像を、CPU上で画像編集、ページ面付けする作業が一般化し、フルデジタルでの編集も珍しくなくなってきている。このような工程では、さらなる効率化を目指して、フィルムにページ編集済みの画像データを直接出力するイメージセッター出力や、印刷版に直接画像記録を行うCTP(Computer to Plate)出力、さらには印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行うCTC(Computer to Cylinder)が行われる。この場合、校正確認の為だけに一端フィルム出力や印刷版出力を行い、印刷校正や、その他の校正材料による校正を行うことは、フィルム、印刷版のムダや余計な作業が多くなる問題がある。その為、特に、このようなCPUによるフルデジタルの画像作成、編集を行う工程では、DDCP(Direct Digital Color Proof、ないしはDCP(Digital Color Proof))と呼ばれる直接カラー画像出力を行うシステムが求められている。
【0003】
このようなDDCPは、コンピュータ上で加工されたデジタル画像データからイメージセッタなどで製版用フィルム上に記録したり、CTP(コンピュータtoプレート)で直接印刷版を作成する最終的な印刷作業を行なったり、CTCで印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行ったりなどする前に、コンピュータ上で加工されたデジタル画像が示す出力対象を再現するカラープルーフを作成し、その絵柄、色調、文章文字等の確認を行なうものである。
【0004】
また、このような印刷工程における校正のプロセスでは、1)作業現場内部のミスの確認、すなわち内校と、2)発注主、デザイナーへの仕上がり確認用に提出される外校、さらには3)印刷機の機長に対して、最終印刷物の見本として提供される印刷見本の、主として3つの用途にプルーフが作成、使用される。この際、内部の確認用、及び一部の外校用途においては、納期短縮、コスト削減等のニーズから、網点画像再現ができない校正材料、すなわち、昇華転写方式による校正や、インクジェット、電子写真などの出力物を主として体裁確認用の校正として使用するケースがあるが、ハイライト部の再現性や、細かいディティールの確認、印刷時のモアレと呼ばれる網画像の不適切な干渉縞の確認等の為には、やはり印刷網点を忠実に再現するプルーフが強く望まれているのが実状である。
【0005】
このようなニーズに対し、近年ハイパワーヒートモードレーザーを用いて、昇華転写記録材料や、感熱記録材料に画像露光を行い、印刷本紙に転写するタイプのDDCPが普及し始めているが、これらのシステムはレーザーヘッドのコストが高く、機器が高価で、かつ材料も多数の色画像形成シートを利用する為に高価であること、また画像露光→転写というプロセスが色数分だけ必要で長時間を要すことが問題となっており、すべての業務に適用したり、従来の印刷校正のように多数枚複製を作成することが、コスト、時間の点から難しいという問題を有している。
【0006】
そこで、このようなカラープルーフを作成する装置として、外周面から内部に貫通する孔が複数設けられたドラムと、前記ドラムを回転させる回転駆動機構と、を有し、前記ドラム上に前記感光材料を保持しながら、前記回転駆動機構により前記ドラムを回転させながら、デジタル画像信号に応じて露光し、網点画像を形成する画像形成装置が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、提案されてきた装置では、感光材料に濃度ムラやハレーションなどが生じ、良好な画像を記録させることが難かしかった。
【0008】
本発明の目的は、このような問題に鑑みてなされたものであって、感光材料に濃度ムラやハレーションなどが生じることを抑制し、良好な画像を記録させることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1) ドラムと、
前記ドラムを回転させる主走査機構と、
感光材料のロールを感光面を外側にしてセットするロールセット部と、
前記ロールセット部から送られた感光材料を切断し、シート状にするカッタと、
前記カッタによりシート状に切断された感光材料をドラムに密着させるスクイズローラと、
感光材料の先端位置を検出する先端位置センサと、
前記ドラムの外周面上に保持された感光材料を露光する光学部と、
前記光学部を前記ドラムの回転軸方向に移動させる副走査機構と、
前記光学部の発光を制御する制御部と、
を有し、
前記ドラムを回転させながら、前記スクイズローラで感光材料を前記ドラムに密着させて巻き回した後、
前記ドラム上に前記感光材料を保持し、前記主走査機構により前記ドラムを回転させながら、前記副走査機構により前記光学部を前記ドラムの回転軸方向に移動させつつ、デジタル画像信号に応じて前記光学部を駆動させて露光し、前記ドラム上に保持された感光材料に網点画像を記録する画像記録装置であって、
前記制御部は、
前記先端位置センサからの感光材料の先端位置の情報に応じて、
網点画像が記録される感光材料が前記ドラム上に保持されている間で、前記光学部からの光を感光材料上に照射させる位置に感光材料がないと判断した時、
前記光学部の発光を行わないように制御する、
ことを特徴とする画像記録装置。
(2) 前記画像記録時のドラムの周速が3m/秒以上である(1)に記載の画像記録装置。
(3) 前記画像記録時のドラムの回転速度が300rpm以上4000rpm以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の画像記録装置。
(4) 前記ドラムが金属製であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の画像記録装置。
(5) 前記ドラムの感光材料を保持する領域には、外周面から内部に貫通する吸引孔が設けられたものであり、吸引孔からの空気吸引により感光材料を前記ドラムの外周面上に保持するものであり、ドラムの表面の保持領域中に吸引孔が占める面積の割合が30%以下である(1)〜(4)のいずれか1項に記載の画像記録装置。
(6) 3以上の異なる波長の光源で露光する(1)〜(5)のいずれか1項に記載の画像記録装置。
(7) 前記光学部の同時に露光される隣接する露光点の中心間距離は、1μm以上1000μm以下である(1)〜(6)のいずれか1項に記載の画像記録装置。
(8) 前記光学部の光源の駆動周波数が1MHz以上100MHz以下である(1)〜(7)のいずれか1項に記載の画像記録装置。
(9) 露光される感光材料のサイズが0.06平方m以上である(1)〜(8)のいずれか1項に記載の画像記録装置。
(10) 前記光学部のチャンネル数が100以下である(1)〜(9)のいずれか1項に記載の画像記録装置。
(11) 前記光学部の1チャンネル当たりの光源数(個)が0.01個以上100個以下である(10)に記載の画像記録装置。
(12) 前記光学部の1秒当たりの記録画素数が300万画素/秒以上である(1)〜(11)のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は以下に説明される実施の形態に限られるものではない。また、以下の説明で用語の意義を説明している記載があるが、あくまで実施の形態における用語の意義を説明するものであり、本発明の用語の意義はこの記載に限られない。
実施形態
本実施形態の画像形成装置は、印刷物の仕上がりを事前に確認する校正物を得るためのカラープルーフをデジタル画像信号から得る装置である。具体的には、カラー印刷物を作成するに当たって、デジタル画像信号から印刷版を作成する前に、デジタル画像信号からこのデジタル画像信号から作成された印刷版で印刷されて得られる画像をシミュレーションするカラープルーフを作成し、デジタル画像信号が示す画像にレイアウト、色、文字等の誤りがあるか否かなどの誤りの有無を検査し、印刷物の仕上がりを事前に確認するために、カラープルーフを作成する装置である。
【0011】
また、本実施形態の画像形成装置では、感光材料としてロール状のハロゲン化銀カラー写真感光材料をセットして、露光部で、シート状に切断した後、前述のデジタル画像信号に応じてレーザ光で露光し、その後、現像処理部で現像処理して、カラープルーフを作成する。
【0012】
図1は画像形成装置の斜視図であり、図2は(給紙)カバーを開いた状態の画像形成装置の斜視図である。画像形成装置1は、感光材料上に画像を露光するための露光部3と、露光された感光材料を現像処理するための処理部4とを有する。
【0013】
露光部3は、外部に、開閉可能な上面パネル5および前面パネル6を有し、メンテナンスは、それらパネルを開いて行う。
【0014】
ロールセット部7は、ロール状の+感光材料Pのロール(図3参照)を収納したマガジン8を装填する部分であり、装置本体の上部に設けてある。また、マガジンの装填は、給紙カバー9を開閉して行う。本実施形態のロールセット部7は、感光材料Pのロール(図3参照)を収納したマガジン8を装填する部分であるが、感光材料のロールを直接セットできるものであってもよい。
【0015】
そして、ロールセット部7にセットされるマガジン8は、感光材料Pの感光面を外側にして巻いているロールを収容したマガジンである。なお、ロールセット部7が、感光材料のロールを直接セットできるものである場合、感光材料Pの感光面を外側にして巻いているロールをセットするものであることが好ましい。
【0016】
また、装置1の外面にタッチパネル12と液晶パネル11が設けられている。タッチパネル12は液晶パネル11の上面に重ねて設けられている。タッチパネル12と液晶パネル11はロールセット部7の手前側に設けられている。液晶パネル11は、制御部100の制御により、操作者に入力を求める入力指示情報や装置の状態を示す装置状態情報などの各種情報を表示する表示手段である。そして、タッチパネル12は、操作者が各種情報を入力する入力手段であり、液晶パネル11に表示されている入力指示画面に応じてタッチパネル12から入力される。
【0017】
なお、表示手段は、液晶パネルに限られず、例えば、LED等からなる表示手段、入力キー等からなる入力手段であってもよい。また、入力手段もタッチパネルに限られず、キーボード、マウス、操作スティック、ポインタなどであってもよい。そして、タッチパネル12から操作者が入力することにより、後述するRAM102に入力に応じた情報が記憶されるよう構成されている。
【0018】
現像処理部4は、外部に、開閉可能な上面パネル13および補給パネル14を有し、通常のメンテナンスは上面パネルを開いて行い、処理液の補充等は補給パネルを開いて行う。
【0019】
排紙部15は、現像処理が終了した感光材料をストックする。
【0020】
図3は画像形成装置の内部構成を示す概略図である。露光部3の内部は、概略、下記構成を備える。感光材料Pを収納するマガジンのロールセット部7の鉛直下方に、ローラ21a、21bからなるローラ対21および所定長に感光材料を切断するためのカッタ22とが設けられている。ローラ対21の一方のローラ21aは回転軸の位置が固定されており、他方のローラ21bは回転軸の位置が移動可能に設けられている。また、ローラ対21は、マガジンが装填された時、装填されたマガジン8の引き出し口80に近接する位置に配設してある。
【0021】
スクイズローラ23は、ローラ対21の鉛直下方に設けられており、主走査部30に設けてあるドラム31に対して接離可能である。マガジン8の引き出し口80からスクイズローラ23に至るまでの感光材料の搬送路は、略垂直下方に延びている。主走査部30にあるドラム31は、回転可能であり、感光材料Pを外周面上に吸着して、記録時に感光材料Pを主走査するように、外周面上に保持しながら高速回転する。そして、スクイズローラ23は、カッタ22によりシート状に切断された感光材料Pをドラム31に供給する際に、ドラム31へ押圧され、供給された感光材料Pをドラム31の外周面に密着させる。
【0022】
光学部32は、ドラム31に対向して配置されており、副走査部40の副走査機構によりドラム31の軸と平行に移動する。また、光学部32は、デジタル信号を受けてドラム31上の感光材料にレーザビームによる画像の書き込みを行う。
【0023】
そして、ドラム31を回転させながら、スクイズローラ23で感光材料Pをドラム31の外周面上に密着させて巻き回した後、ドラム31の外周面上に感光材料Pを保持しながら、回転駆動機構によりドラム31を、密着動作時の回転速度より高い回転速度で回転させながら、デジタル画像信号に応じて露光し、網点画像の潜像を感光材料Pに形成する。
【0024】
排紙部50は、位置可変の剥離ガイド51を有し、画像書き込みが終了した感光材料Pをドラム31から剥離して現像処理部4側に送り込む。アキュムレータ部60は、露光部30と排紙部50との間にあり、露光部30内での感光材料の搬送速度を現像処理部4内での搬送速度より速くして、速やかに露光部30から感光材料Pを退避させて次ぎの感光材料Pの露光を開始できるようにしつつ、露光部30内での感光材料の搬送速度が現像処理部4内での搬送速度より速いための不都合が生じないようにするために、感光材料Pを一時的に蓄積するための場所である。
【0025】
また、現像処理部4は、発色現像処理部42、漂白定着処理部43、安定化処理部44および乾燥部45を備える。化学カブリ型ダイレクトポジ感光材料を用いる場合、発色現像処理、漂白定着処理、安定化処理、乾燥の順に処理をする。
【0026】
また、露光部3側から送り込まれてくる画像書き込み終了後の感光材料に一様な露光を行う第2露光部41が設けられており、内部潜像型ダイレクトポジ感光材料を用いる場合、第2露光部41は発色現像処理液中に感光材料Pがある状態で露光するものであり、図3における第2露光部41および発色現像処理部42は実質1つの処理槽からなっていて、その内の浅い処理糟の部分を第2露光部41としている。
【0027】
ロールセット部7から排紙部50までを示す側面図である図4に基づいて、各部を説明する。
【0028】
前述したように、装置本体の上部に設けたロールセット部7にはカバー9が開閉可能に設けてあり、当該カバーを開いた状態で装填口70にマガジン8をセットする。この時、マガジン8内から感光材料を適宜の量引き出し、ローラ対21a、21bで挟持しうるように事前準備しておく。ローラ21bは、表面にゴム等の高摩擦材料を有し、一方、感光材料の乳剤面側に位置するローラ21aの表面は、滑面であるベークライト等の低摩擦材料で構成してある。
【0029】
マガジン8をセットした状態でカバー9を閉じ、ロック機構71でロックする。ロック機構71は、カバーロックモータM1により作動する。
【0030】
カバー9にはマガジン有無検出センサS1を設けてあり、装填口70にはカバー閉検出センサS2およびカバーロック検出センサS3を設けてある。
【0031】
ローラ対21とマガジン8との間の搬送路上に透過型のエンド検出センサS4を配設してあり、当該エンド検出センサS4によりマガジン8にロール状に収容されていた感光材料Pの終端を検出する。透過型センサは、感光材料の位置自由度が大きいロールセット部7であっても感光材料の終端を確実に検知する事ができる利便性を有する。換言すると、反射型センサやマイクロスイッチなどの検出手段では、センサと感光材料との距離に変動が生ずると誤動作する場合があるが、透過型の検知手段だとそのような不都合は生じない。
【0032】
エンド検出センサS4を、感光材料の搬送方向から見てローラ対21よりも上流側に置くことにより、従来装置の如く、寸足らずの感光材料を適宜の空間部に落下せずともよく(搬送手段が感光材料を挟持している状態で、当該搬送手段を停止出来るので)、従って、専用の取り出し口も設ける必要がなく、操作性、コンパクト化の点で有利である。
【0033】
上記構成においては、ロールセット部7に設けられる感光材料セット用(挿入用)の開口が寸足らずの感光材料の取り出し口を兼ねる事になる。
【0034】
ローラ対の内の一方のローラ(以下、搬送ローラと言う)21aは位置固定であり、他方のローラ(以下、搬送ローラと言う)21bはローラ移動機構24により位置移動できるようになっており、感光材料の搬送動作中以外はローラ圧着によるシワ発生防止のため、搬送ローラ21bを待機位置(二点鎖線で示してある)に待機させておく。
【0035】
ローラ移動機構24は、搬送手段(搬送ローラ)圧着解除モータM2により作動する。
【0036】
搬送ローラ21bの位置検出は、搬送ローラ圧着位置検出センサS5と、搬送ローラ解除位置検出センサS6とで行う。
【0037】
尚、ローラ対の駆動は、搬送ローラ21aを介しての搬送モータM3により行う。
【0038】
また、ローラ対による感光材料搬送中であって、エンド検出センサS4が感光材料の終端を検知したとき、その情報に基づいて、少なくとも、ローラ対の駆動を停止するようになっている。
【0039】
この時、ローラ対が感光材料を挟持した状態となるよう、センサとローラ間隔、搬送速度等を定めてある。
【0040】
同時に、感光材料Pが無くなった事や、寸足らずの感光材料Pがローラ対21に挟持されているので、その処理を促す表示を液晶パネル11で行うようになっている。
【0041】
上記構成において、ローラ対の駆動を停止させるに止まらず、停止後、所定時間だけローラ対を逆回転させて、感光材料を、図における上方に戻すように構成してもよく、または、カバー9を開けた後、マニュアル操作手段を介して、ローラ対の逆回転および/または圧着の解除を行えるように構成しても、また両者の組み合わせでもよく、構成の自由度は広い。
【0042】
カッタ22は、ディスクカッタで、通常は感光材料Pの搬送路の一側縁側であって退避した初期位置にある。そして、カッタ22はカッタモータM20により、感光材料Pの幅方向(図4において紙面と直交する方向)に往復動出来るようになっている。
【0043】
エンコーダローラ25およびガイド26がカッタ22とスクイズローラ23との間に設けられており、エンコーダローラ25は、搬送される感光材料Pにより従動回転し、感光材料の送り長さを計測する。
【0044】
スクイズローラ23の表面基体は、本実施形態の装置では、ゴム製であるがこれに限られず、ドラム31への感光材料Pの密着性の観点から弾性体であることが好ましい。これにより、スクイズローラ23の表面基体の弾性変形により、感光材料Pがドラムに十分に密着する。
【0045】
そして、スクイズローラ23は、ローラ移動機構27により(図4で実線で示す)圧着位置と(図4で破線で示す)圧着解除位置とに移動可能になっており、ドラム給排紙モータM4により回転駆動される。スクイズローラ圧着位置検出センサS7およびスクイズローラ解除位置検出センサS8が、スクイズローラ23の位置を検出する。ローラ移動機構27は、スクイズローラ圧着解除モータM5により作動する。
【0046】
尚、ローラ対21、カッタ22、エンコーダローラ25のそれぞれの間には適宜のガイド部材を設ける事が出来、更に、エンコーダローラと圧着して感光材料を挟持搬送するための他のローラ、および、ガイド26に対向して他のガイドを設ける事が出来る。
【0047】
次に、主走査部30および副走査部40を示す平面図である図5に基づいて、主走査部30および副走査部40を説明する。
【0048】
主走査部30のドラム31には、その回転軸の両端に軸部31a、31bが設けられており、ドラム31の軸部31a、31bは、軸受け33a、33bを介して支持台34a、34bに回転可能に軸支してある。ドラム31を回転軸を中心に回転させる回転駆動機構は、ドラム31の一方の軸部31aに設けられた駆動プーリ35aと、駆動プーリ35aとベルト36を介して動力的に連結されている出力プーリ35bと、出力プーリを回転させるドラム回転モータM6と、ベルト36とを具備し、ドラム回転モータM6が出力プーリ35bを回転させる駆動力をベルト36を介して駆動プーリ35aに伝達してドラム31を回転駆動している。また、ドラム回転モータM6は励磁を解除できるモータである。なお、モータは通常励磁されているため、他の機構によりモータ軸を回転させようとすると抵抗がある。しかし、ドラム回転モータM6は、励磁を解除することにより、他の機構によりドラム31を回転させる際に抵抗にならないようにできる。
【0049】
ドラム31の一方の軸上であって、プーリを配設して有る位置よりも更に外側には、ロータリーエンコーダ37を付設してあり、これから出力される回転パルスを、ドラム回転に同期した画素クロック制御に用いる。そして、ドラムの他方の軸部31bは、吸引ブロワ371に連結してある。
【0050】
ドラム31は、アルミニウム製の中空体で形成してあり、かつ、ドラム31の外周面から内部に貫通する多数の吸引孔31cを有する構成にあるので、吸引ブロワ371の作動によりドラム内部が減圧され、感光材料Pをその表面上に吸着保持できる。ドラム31の軸部31a、31bは、ステンレス鋼製で、焼き嵌めでアルミニウム製の中空体と一体化されている。
【0051】
ドラム31の直径は、本実施形態の装置では29cmであるがこれに限られず、作成されるカラープルーフの有用性・カールや露光精度などの観点から10cm以上であることが好ましく、装置コスト・装置サイズ・必要な露光精度を得るための製造性・熱膨張の悪影響の少なさなどの観点から1m以下(特に50cm以下、更に40cm以下)が好ましい。
【0052】
また、ドラム31の幅(感光材料Pを保持できるドラム31の外周面の回転軸方向の長さ)は、本実施形態の装置では約60cmであるがこれに限られず、作成されるカラープルーフの有用性などの観点から30cm以上(特に50cm以上)であることが好ましく、装置コスト・装置サイズ・必要な露光精度を得るための製造性などの観点から2m以下(特に1.5m以下、さらに1m以下)が好ましい。これにより、特別な機械強度にしなくても良いので、低コストになり、また、機械重量が大きくなく、設置場所が特別に限定されないので、利便性の高い位置に設置できる。
【0053】
また、露光される感光材料Pのシート幅(ドラム31の回転軸方向の感光材料Pの長さ)及びシート長さ(ドラム31の回転方向の感光材料Pの長さ)は、本実施形態の装置では、57cm×35cm、57cm×70cm、57cm×85cmのサイズに対応し、57cm×35cmのサイズの場合は、画像が形成されるべき領域である有効画像領域が55.5cm×33.7cmでA3サイズの画像を再現でき、57cm×70cmの場合は、有効画像領域が55.5cm×67.4cmでA2サイズの画像を再現でき、57cm×85cmのサイズの場合は、有効画像領域が55.5cm×82.8cmでB2サイズの画像を再現できるが、サイズは様々な変更・選択が可能である。
【0054】
だが、露光される感光材料Pのシート幅は、これに限られず、装置コスト・装置サイズ・必要な露光精度を得るための製造性などの観点から最大2m以下(特に1.5m以下)であることが好ましく、これにより、ドラム軸方向のサイズが小さくて済み、ドラム自体、ドラム取り付け部、光学走査部に必要な構造精度・強度を得るための重量が小さくでき、設置場所を選ばなくて済む程度にできる。また、作成されるカラープルーフの有用性などの観点から最小25cm以上(特に50cm以上)であることが好ましい。
【0055】
また、露光される感光材料Pのシート長さは、装置コスト・装置サイズ・必要な露光精度を得るための製造性などの観点から最大2.5m以下(特に2m以下、更に1.5m以下)であることが好ましく、これにより、ドラム半径方向のサイズが小さくて済み、ドラムの熱膨張の影響が小さく、加工精度を出しやすく、必要な構造精度・強度を得るための重量が小さくでき、設置場所を選ばなくて済む程度にできる。また、作成されるカラープルーフの有用性などの観点から最小25cm以上であることが好ましい。
【0056】
そして、露光される感光材料Pのシートサイズは、作成されるカラープルーフの有用性などの観点から0.06平方m以上(特に0.12平方m以上)が好ましい。また、3平方m以下(特に2平方m以下)が好ましく、これにより、装置サイズが小さくて済み、必要な構造強度を得るための重量が設置場所を選ばなくて済む程度にできる。
【0057】
また、ドラム31の偏芯度は、ドラム31の円筒面の中心軸と回転軸とのズレであるが、露光される画像の解像度や鮮鋭性や濃度変動の抑制やドラム31の振動防止や耐久性などの観点から、100μm以下(特に30μm以下)が好ましく、これにより、回転偏芯ムラを抑制でき、高速回転が可能となり、高精細な露光でも光学部32から射出されるビームのビーム径の変動を少なくでき、高精細な露光が可能になる。そして、更に、ドラム31の偏芯度を10μm以下にすると、高精細な露光を実現しやすくなる。本実施形態の装置のドラム31の偏芯度は、約5μmである。
【0058】
ドラム31の線膨張率R(/K)はドラムの直径Dcmと以下の式を満たすことが好ましい。これにより、温度変化によって露光される画像の解像度や鮮鋭性や濃度などが変動することを抑制できる。
【0059】
R×D≦0.01
そして、特に以下の式を満たすことが好ましい。
【0060】
R×D≦0.001
本実施形態の装置のドラム31は、アルミニウムでできており、約0.00002/Kの線膨張率であり、ドラムの直径が約29cmであるので、R×Dは約0.0006である。
【0061】
次に、図14によりドラム31に設けられた多数の吸引孔31cの配置について説明する。図14は、ドラム31の周面の展開図である。ドラム31の外周面上に保持されている感光材料Pの先端のドラム31上の位置は常に一定の位置である。そして、感光材料のサイズに関係なく、ドラム31の外周面上に保持された感光材料Pの先端部が位置する回転軸方向に延びた線状の領域AA上に吸引孔37c(図14では図の右側に拡大表示されたものも記載されている。)が他の領域より多く設けられている。これにより、ドラム31の高速回転により剥がれやすい感光材料Pの先端が剥がれにくく、安定して露光することができる。
【0062】
また、ドラム31の吸引孔37cは、複数の異なるサイズの感光材料の各々の後端に対応する位置にも多く設けられており、ドラム31の外周面上に保持された際のA3サイズの後端部に対応する回転軸方向に延びた線状の領域BB,ドラム31の外周面上に保持された際のA2サイズの後端部に対応する回転軸方向に延びた線状の領域CC,ドラム31の外周面上に保持された際のB2サイズの後端部に対応する回転軸方向に延びた線状の領域DDに、複数のサイズの感光材料に共通するドラム31の外周面上に保持された際の先端部に対応する回転軸方向に延びた線状の領域AAと同様に、より多く設けられている。更に、回転軸方向に延びる複数の溝Yと回転方向(周方向)に延びる複数の溝Xの交点に吸引孔31cが設けられている。このような吸引孔31c及び吸引用の溝の配置分布により、サイズが変わっても各感光材料をよく密着できる。
【0063】
また、図15に示すように、図14の太線で示された回転方向(周方向)に全周に渡って複数の剥離溝Zが設けられている。この剥離溝Zは、後述の図6に示す感光材料の剥離のための爪部51aがはまり込むように、空気吸引用の溝Xと比較して幅広かつ深くに形成されている。
【0064】
さて、以下の説明のためにドラム31の表面でいずれかのサイズの感光材料を保持しうる範囲内を保持領域と定義する。そして、この保持領域中に吸引孔が占める面積の割合は、0.01%以上(特に0.02%以上)であることが、吸引圧力のロスが少なく、吸引による保持性が良くなり、一部のエリアが浮き上がることを防止でき好ましい。また、ドラム31の表面の保持領域中に吸引孔が占める面積の割合は、5%以下(特に1%以下)であることが、ドラムの剛性に悪影響が少なく、吸引による保持性が十分であり、特に、マルチサイズの場合、小さいサイズのシート以外の領域からの空気の抜けが少なく、小さいサイズのシートで高速回転させても十分に保持でき、好ましい。そして、本実施形態の装置では、ドラム31の表面の保持領域中には直径約1.4mmの吸引孔が約300個設けられている。従って、本実施形態の装置でのドラム31の表面の保持領域中に吸引孔が占める面積の割合は、約0.03%である。
【0065】
ドラム31の表面の保持領域中の吸引孔密度は、ドラム31の表面の保持領域中の単位面積当たりの吸引孔の個数のことであるが、感光材料Pの吸引の安定性や均一な吸引などの観点から、50個/平方m以上(特に100個/平方m以上)であることが好ましく、また、ドラム31の製造コストや吸引孔1個当たりの吸引力などの観点から10万個/平方m以下(特に1万個/平方m以下)であることが好ましい。本実施形態の装置では、ドラム31の表面の保持領域中の吸引孔密度は、約200個/平方mである。
【0066】
また、ドラム31は、軸31a側の面が塞がった円筒形状であり、他方の円筒内面が円板状の保持板31dにより回転自在に保持されていて、周面から内部に貫通する孔を除いて、ドラム31内部に外気が漏れないような構造になっている。そして、この保持板31dに設けられた孔から、ドラム31の内部を減圧する減圧ポンプとしての吸引ブロワ371が管を介して接続されている。そして、吸引ブロワ371が作動することにより、ドラム31内部が減圧される。また、保持板31dには、図5に示すように、圧力検出計31eが設けられており、圧力検出計31eがドラム31内部の圧力を検出する。
【0067】
さらに、圧力検出計31eが、ドラム31に感光材料を巻き回す前と後のドラム31内部の圧力を検出する。そして、制御部100が、検出した両方の圧力に基づき、感光材料の供給時に感光材料のジャムが発生したか否かを判定し、液晶パネル11にジャム発生の表示を行なわせる。
【0068】
光学部32は、青色レーザ光源(LD)320、赤色レーザ光源(LD)321、赤外レーザ光源(LD)322を有する。具体的には、青色レーザ光源(LD)320、赤色レーザ光源(LD)321、赤外レーザ光源(LD)322の各光源は、波長400nmの青Bレーザビーム,波長650nmの赤Rレーザビーム,波長780nmの赤外IRレーザビームの3色のレーザビームをそれぞれ発生して、それぞれ感光材料Pのシアン発色層(C層)、マゼンタ発色層(M層)、イエロー発色層(Y層)を感光させる構成としてある。なお、光学部32の色数は、3に限らず、例えば、青色レーザダイオード、赤色レーザダイオード、第1の赤外レーザダイオード(発振波長760〜880nm)、第2の遠赤外レーザダイオード(発振波長900nm以上)の4色などであってもよい。また、感応材料の感光層を感光させるのに好ましく対応した発振波長を有するものであれば、レーザーダイオードに限らず、その他の種類の光源、例えばLEDなどを用いてもよい。さらに、光量変調の方式もここで説明される直接変調に限らず、AOM等の素子を用いて間接的に変調するようにしてもよい。
【0069】
青色レーザ光源320、赤色レーザ光源321,赤外レーザ光源322は変調信号に応じた直接変調により光量変調されるようになっている。
【0070】
なお、レーザ光源がレーザダイオード(LD)である場合、レーザ光照射位置に感光材料Pの画像記録領域がある期間、常にバイアス(バイアス電流又はバイアス電圧)をかけたり、常にレーザダイオードが発光するデータ値を入力したりするなどして、常にレーザダイオードを発光させていることが、信号応答性が良くなり、微細な点や細線の再現性が良くなるので好ましい。また、これにより、微細な色地の抜き文字が再現されなかったり、色が付いたりすることも抑えることができる。なお、常にレーザダイオードを発光させていることが、信号応答性が良くなる理由は、発光していないレーザダイオードに急に電圧又は電流を印加しても、LED発光状態から所望のレーザ発光状態に遷移するまでに時間がかかるためである。
【0071】
また、逆に、レーザ光照射位置に感光材料Pが無い期間は、光学部32から光がドラム31に照射されないようにすることが、ドラム31での反射光による擬画像の露光を防止でき好ましい。そして、レーザ光照射位置に感光材料Pが無い期間は、レーザ光源が発光しないことが、シャッタなどの特別な部材を設ける必要が無くなるので、好ましい。
【0072】
そして、レーザ光源がレーザダイオードの場合、後述する構成により、レーザ光照射位置に感光材料Pの画像記録領域がある期間か否かでバイアスの印加・非印加を切り替えることにより、上述の2つのメリットを享受している。
【0073】
そして、光学部32の光学系の一部を示す図16に基づいて、光学部32の光学系を説明する。
【0074】
赤色レーザ光源(LD)321には10個の赤色レーザダイオード351〜360をその出射面が円弧上に並べて設けられている。そして、各赤色レーザダイオード351〜360は、画像信号に応じて光量変調されたレーザビームをそれぞれ放射する。そして、放射されたレーザビームは、レンズ群361と、2つのシリンドリカルレンズからなるシリンドリカルレンズ群362を具備する入射光学系324に入射し、レンズ群361が、10本のビームを、互いに平行になるようにし、シリンドリカルレンズ群362が、レンズ群361で互いに平行になった10本のビームのそれぞれのビーム形状を整え、ダイクロイック反射ミラー326へ射出する。すなわち、半導体レーザ(LD)からのレーザビームのビーム形状は楕円形であるため、楕円形のレーザビームを、シリンドリカルレンズ群362が、レーザビームのビーム形状を真円に整形させる。
【0075】
青色レーザ光源320及び赤外レーザ光源322には、赤色レーザ光源321と同様の構造で、赤色レーザ光源321の入射光学系324と同様の入射光学系323、327が設けられている。そして、それぞれの入射光学系323、327から射出された10本の青色レーザ及び10本の赤外レーザは、それぞれ反射ミラー325、328で反射される。
【0076】
ダイクロイック反射ミラー326は、青色光を透過し、赤色光を反射するミラーで、反射ミラー325で反射した10本の青色レーザを透過し、入射光学系324から出射した10本の赤色レーザを反射し、ダイクロイック反射ミラー330へ導く。
【0077】
ダイクロイック反射ミラー330は、青色光及び赤色光を透過し、赤外光を反射するミラーで、ダイクロイック反射ミラー326からの10本の青色レーザ及び10本の赤色レーザを透過し、反射ミラー328で反射した入射光学系327から出射した10本の赤外レーザを反射し、縮小光学系331へ導く。
【0078】
縮小光学系331は、各10本の青色レーザ、赤色レーザ及び赤外レーザのビーム間隔を縮小し、結像レンズ334に導く、結像レンズ334は、縮小光学系331でビーム間隔を縮小されたが、ビーム径が広がった各10本の青色レーザ、赤色レーザ及び赤外レーザをドラム31の外周面上に密着した感光材料の感光面に略結像させる。
【0079】
このような結像レンズ334を用いることにより、結像レンズ334と感光材料Pの感光面との距離がドラム31の振れなどによって変化しても、感光材料Pに露光されるレーザビームの径が変化することを抑えられる。
【0080】
この感光材料Pに露光されるレーザビームは、感光材料Pの感光面に対し±30μmの範囲内にわたって、感光材料Pの感光面のビーム径に対するビーム径の変動が±50%以内であることが好ましい。本実施形態の装置では、±30%以内に抑えられている。なお、このビーム径は、半値幅である。
【0081】
結像レンズ334は、同一のビーム間隔に揃えられた各波長毎のレーザビームを一括して同時に同一のビーム間隔に縮小し、それぞれのレーザビームを平行ビームとして感光材料Pの感光面に投影させる。
【0082】
感光材料Pの感光面上に投影される各波長毎のレーザビームを示すの配置及び形状を示す図17に基づいて、このようにして、感光材料Pの感光面上に投影される各波長毎のレーザビームを示すの配置及び形状を説明する。3波長のレーザビームは、感光材料Pの感光面上に各々10本投影される。
【0083】
そして、各色毎に、感光材料P上に互いに異なる位置に投影される光で、各々独立に発光制御するものをチャンネルと呼ぶと、本実施形態の装置は、青色、赤色、赤外の3色の各々について、10個の互いに独立に発光制御されるレーザダイオードが設けられ、10個のレーザダイオードから照射されたレーザ光が感光材料P上に互いに異なる位置に投影されるので、本実施形態の装置は各色10チャンネルである。
【0084】
このチャンネルの概念を、本実施形態の露光光学系の変形例に基づいてさらに説明する。第一の変形例は、図18に示すように、1本のレーザ光L1を発光するHe−Neレーザなどの気体レーザ901と、気体レーザ901で発光したレーザ光L1を5本のレーザ光L10,L20,L30,L40,L50に分割するビームスピリッタ902と、レーザビームスピリッタ902で分割された5本のレーザ光L10,L20,L30,L40,L50を、各々対応する入力信号S1,S2,S3,S4,S5でそれぞれの強度を調整し、強度を調整されたレーザ光L11,L21,L31,L41,L51を出す音響光学素子などの光学変調素子903と、強度を調整されたレーザ光L11,L21,L31,L41,L51をドラム31に保持された感光材料Pに縮小・結像させるレンズ光学系904とを有する露光光学系である。この第一の変形例では、互いに独立に発光制御される5本のレーザ光が感光材料P上に互いに異なる位置に投影されるので、5チャンネルである。
【0085】
第二の変形例は、図19、図20に示すように、1本のレーザ光を発光するレーザダイオード911,912,913,921,922,923,931,932,933と、レーザダイオード911,912,913で発光したレーザ光を合波させるハーフミラー914,915と、レーザダイオード921,922,923で発光したレーザ光を合波させるハーフミラー924,925と、レーザダイオード931,932,933で発光したレーザ光を合波させるハーフミラー934,935と、合波された3本のレーザ光L15,L25,L35をドラム31に保持された感光材料Pに縮小・結像させるレンズ光学系909と、入力信号S1によりレーザダイオード911,912,913を発光制御する第一発光制御部910と、入力信号S2によりレーザダイオード921,922,923を発光制御する第二発光制御部920と、入力信号S3によりレーザダイオード931,932,933を発光制御する第三発光制御部930と、を有する露光光学系である。この第二の変形例では、互いに独立に発光制御される3本のレーザ光が感光材料P上に互いに異なる位置に投影されるので、3チャンネルである。
【0086】
しかし、各色のチャンネル数は、これらに限らず、画像記録速度(露光速度)の観点から2チャンネル以上(特に5チャンネル以上)が好ましく、製造コスト、調整の容易性・簡素性、製造適性及び露光制御の簡素性・安定性などの観点から各色100チャンネル以下(特に40チャンネル以下、さらに32チャンネル以下)が好ましい。
【0087】
また、露光光の色数も、本実施形態の装置の3つに限らず、カラープルーフの作成の観点から3つ以上であることが好ましく、また、特色などを考慮に入れても装置コストや制御の簡素化などの観点から、10以下(特に4以下)であることが好ましい。そして、露光光の色数が4つである場合、印刷版のY版、M版、C版、墨版にそれぞれ対応することが特に好ましい。
【0088】
また、本実施形態の装置は、1チャンネル当たりの光源数は、1個であるが、これに限られず、1個の光源からの光をビームスプリッタで複数個に分割しそれぞれ制御するなど、複数チャンネルで1つの光源を共有するものでも良いし、逆に、1チャンネルを複数のLEDからの光で照射するなど1チャンネルが複数の光源を有するものであってもよいが、分光光学系の簡素性、露光速度及び露光制御などの容易性の観点から0.01個以上(特に0.1個以上)が好ましく、合波光学系の簡素性、製造性などの観点から100個以下(特に10個以下)であることが好ましい。
【0089】
そして、本実施形態の装置では、ビームの中心位置は3つの波長全てに関してほぼ一致している。この場合、波長によるビームの中心位置のずれは、隣接するチャンネルのビーム中心間隔の0.2倍以下で、特に良好な画像記録のためには、0.1倍以下であることが好ましい。
【0090】
そして、感光材料上で同時に露光される隣接するチャンネルの照射光の中心間距離は、1μm以上(特に5μm以上)であることが好ましい。これにより、光学系・機構系・駆動回路を低コスト化でき、簡素な構成で、高速に画像記録できる。また、1mm以下(特に100μm以下、更に20μm以下)であることが好ましい。これにより、高精細・高速な画像記録が可能になる。なお、本実施形態の装置では、ドラム31を巻いている感光材料の感光面上の各色毎のレーザビームの照射像は、ドラム31の回転軸と平行な方向に並んでおり、そのビームの中心間距離は、10.6μmである。(図17参照)
光学部32の基盤の線膨張率R2(/K)は光学基盤のサイズ(全隅の組み合わせの中で最も長い隅から隅までの距離)Lcmと以下の式を満たすことが好ましい。
【0091】
R2×L≦0.01
特に以下の式を満たすことが好ましい。
【0092】
R2×L≦0.001
これにより、温度変化によって露光される画像の解像度や鮮鋭性が劣化することや、露光量が変動することを抑制できる。
【0093】
本実施形態の装置では、光学部32の基盤はアルミニウムでできており、光学部32の基盤の熱膨張率は約0.0002/Kであり、光学基盤のサイズ(全隅の組み合わせの中で最も長い隅から隅までの距離)が約40cmであるが、R2×Lは約0.008である。
【0094】
また、各光源1個当たりの最大消費電力は、10W以下(特に3W以下、さらに1W以下)であることが好ましい。これにより、最大消費電力を低くしやすく、発熱量が低く、各光源の温度を一定化しやすく、発光波長や発光光量を一定化しやすい。また、発熱量が低いので、光源の発熱による各光学素子の配置関係の変動による感光材料への照射位置や照射光量やビーム形状や焦点位置などの変動を抑えられ、像のぼけや露光量の変動などを抑制でき、また、光源の温度変動による発光波長や発光強度の変動を抑えられる。また、光源1個当たりの最大消費電力は、10μW以上(特に20μW以上)であることが好ましい。これにより、十分な露光量が得られる。本実施形態の装置での光源1個当たりの最大消費電力は、100mWである。
【0095】
また、各光源1個当たりの最大定格光出力は、150mW以下(特に50mW以下、更に5mW以下)であることが好ましい。これにより、最大消費電力を小さくできる。特に50mW以下では、安全性が高く好ましい。また、光源1個当たりの最大定格光出力は、1μW以上(特に0.5mW以上)であることが好ましい。これにより、感光材料を露光する光量を十分にしやすい。なお、本実施形態の装置での光源1個当たりの最大定格光出力は、3mWである。
【0096】
また、各光源の駆動周波数(MHz)は、露光速度などの観点から、0.5MHz以上(特に1MHz以上)であることが好ましく、露光駆動回路の安定性・発熱などによる露光光量や露光位置などの安定性や回路コストなどの観点から100MHz以下(特に50MHz以下、さらに20MHz以下)が好ましい。本実施形態の装置では2.8MHzである。
【0097】
また、露光光の各色の1秒当たりの記録画素数は、300万画素/秒以上(特に1000万画素/秒以上)であることが好ましい。これにより、高速画像記録と高精細な画像記録を両立させることができる。また、露光光の各色の1秒当たりの記録画素数は、40億画素以下(特に5億画素以下)が好ましい。これにより、駆動回路が安定し、画像記録が安定し、露光強度や露光位置が安定し、低コストで、調整が容易にしやすい。本実施形態の装置の露光光の各色の1秒当たりの記録画素数では約3000万画素/秒である。尚、前述のように、ここでは光源としてレーザーダイオードを用いている。
【0098】
次に、光学部32を移動させる手段について図5により説明する。光学部32は、金属ベルト340に固定してあり、ドラム31の回転軸と平行に設けられた一対のガイドレール341、342に案内されてドラム31の回転軸と平行に移動出来る。金属ベルト340は一対のプーリ343、344に掛け渡され、一方のプーリ344は駆動モータM7の回転軸345に直結されている。駆動モータM7が回転軸345を回転させると、回転軸345に固定されたプーリ344が回転し、プーリ343とプーリ344とに掛け渡された金属ベルト340が回動する。そして、金属ベルト340に光源部32がドラム31の回転軸と平行に移動する。
【0099】
この金属ベルト340は金属製の平ベルトであり、材質としては例えば、301ステンレス鋼、302ステンレス鋼、チタン、ベリリウムカッパー等が好ましい。また、金属ベルトの板厚は0.025mmから0.5mm程度が好ましい。また素材の耐力は20kg/平方mm以上(特に50kg/平方mm以上)であることが、撓みやすくできつつ塑性変形しにくいようにでき好ましい。なお、本実施形態の装置の金属ベルト340は、耐力が180kg/平方mmであるステンレス鋼(SUS301HY)である。金属ベルトは軽量であり、薄いので、高精度の位置決め制御が容易に出来る。金属ベルトによる駆動方式はネジ駆動方式に比較して、摺動部分を持たないので長期間に渡り初期寸法を維持でき、また潤滑油を必要とせず、また清潔である。更に金属ベルトは歯車駆動でないので回転ムラを起こさず精度の良い直進案内ができる。
【0100】
また、光学部32は、装置本体に固定された円筒形状の金属製の案内軸341、342により支持されており、案内軸341、342上を摺動する。
【0101】
また、駆動モータM7は、光学部32を往動させる時に、感光材料Pを露光するためにゆっくりと回転駆動し、光学部32を復動させる時に、往動時より回転速度を速くすることにより往動時より早い移動速度で復帰させるために、高速回転駆動する。
【0102】
また、光学部32のドラム軸方向には、副走査基準位置検出センサS11、副走査書き込み位置検出センサS12および副走査オーバラン位置検出センサS13を設けてある。
【0103】
光学部32は副走査基準位置検出センサS11の検出位置で停止しており、ここから副走査を開始し、画像サイズに対応した移動量で副走査が終了すると、副走査基準位置に復帰する。
【0104】
また、図5に示すように、ドラム31の回転軸90と同軸上にドラム31の回転位置を検出するエンコーダ37を取り付けている。エンコーダ37は、基準相、A相、B相を有し、それぞれの相からパルス信号が出力され、これらは制御部100に送られる。制御部100には、また感光材料Pの先端位置を検出する先端位置センサS9から感光材料Pの先端位置情報が入力され、制御部100では、先端位置センサS9とエンコーダ37からの情報に基づき、主走査部30及び副走査部40の書き込み制御及びドラム回転モータM6の回転制御を行う。ドラム回転モータM6は、サーボモータを用いドラム31を高速回転する。
【0105】
制御部100では、感光材料Pの先端位置にエンコーダ37の基準相(基準となる回転角度)を設定する。具体的には、制御部100は、先端位置センサS9からの先端位置検出信号を基準にして、エンコーダ37が一定の回転角度毎に出力するパルス信号をカウントし、感光材料Pの先端位置にエンコーダ37の基準相を設定する。
【0106】
また、制御部100は、エンコーダ37の基準相を起点にドラム回転方向に送り量を検出し、この送り量に基づき画像書き込み位置を制御している。エンコーダ37の基準相を起点にドラム回転方向にパルス信号を検出し、規定のパルスカウントにて画像書き込み位置を決めて、画像を書き込んでいる。
【0107】
また、制御部100は、エンコーダ37の基準相を起点にカウントするパルス信号数に基づき感光材料Pの長さを検出し、カッターモータM20を駆動することで、カッター22により所望の長さに感光材料Pを切断する。
【0108】
そして、感光材料Pに記録される画像の画像記録密度は、網点画像による階調の再現性などの観点から主走査方向及び副走査方向共に600dpi以上(特に1000dpi以上、更に1200dpi以上)が好ましく、また、網点画像による階調の再現性の飽和や画像記録速度や装置コストなどの観点から主走査方向及び副走査方向共に1万dpi以下(特に5000dpi以下)が好ましい。本実施形態の装置でこのようにして感光材料に記録される画像の画像記録密度は主走査方向及び副走査方向共に2000dpiである。なお、言うまでもないことであるが、主走査方向及び副走査方向の画像記録密度は、主走査方向又は副走査方向1インチの長さの中に、画像記録される画素が幾つ並んでいるかを示すdpiという単位で示される。
【0109】
また、1つの網点は、100以上(特に200以上)の画素から形成されていることが、実際の印刷の網点に近い再現になり好ましい。また、1つの網点は、5000以下(特に2000以下)の画素から形成されていることが画像データの取り扱いが容易で、高速に画像データを処理でき好ましい。
【0110】
次に、排紙部50およびアキュムレータ部60を示す側面図である図6に基づいて、排紙部50およびアキュムレータ部60を説明する。排紙部50は、搬出モータM8により駆動される搬送ローラ対52、同様に駆動される搬送ローラ対53と、剥離ガイド上下モータM9の回転軸から偏芯して設けられた偏芯軸513に一端が回動自在に軸支されたクランク512の他端を回動自在に支持するクランク軸514を有し、モータM9の回動により支軸511を中心に上下に回動される剥離ガイド51と、一対のガイド板G1、G2からなる搬送ガイド54および出口シャッタモータM10で駆動される出口シャッタ55とを備えてなる。
【0111】
剥離ガイド51は、(図6で実線で示す)上位置と(図6で破線で示す)下位置との間で回動移動可能に設けられており、上位置では剥離ガイド51の先端の爪部51aがドラム上の感光材料を剥離し、下位置ではアキューム部60を開き、感光材料Pの後半部を収容させることができる。
【0112】
剥離ガイド開検出センサS14は、剥離ガイド51の開を検出し、剥離ガイド閉検出センサS15は、剥離ガイド51の閉を検出する。
【0113】
搬送ガイド54は、剥離ガイド51によりドラム31上から剥離され、剥離ガイドの中央部に設けてあるガイド部(図には現れていない)に沿って移動する感光材料を挟持し、更に前方に搬送せしめるための搬送ローラ対52と、ローラ対52の回転により送られてくる感光材料を挟持し、同様に搬送せしめるローラ対53との間に配設してある。
【0114】
また、搬送ガイド54は、搬送ローラ対52に対向する部分から略垂直上方に延び、湾曲部を介して水平方向に方向転換を行う、全体が略L字状の搬送路を形成している。搬送ガイド54を構成するガイド板G1,G2はステンレス鋼からできており、搬送路に供される面は滑面としてある。
【0115】
なお、剥離ガイド51からローラ対52に入る部分も湾曲した搬送路となっているが、感光材料からすると、水平方向に搬送ガイドされた後、急激に垂直上方に搬送方向を転換され、更に、急激に水平方向に方向転換されるきつい搬送路となっている。
【0116】
これは、装置の小型化を達成するためであり、その必要が無ければもっと緩やかな形状の搬送路とする事が出来る。
【0117】
ガイド板G1は、図において上方一部を支点として所定角度回動可能(位置移動可能)としてあり、また、ローラ対52側においてフォトダイオードからなる受光素子S500を一体的に有している。
【0118】
また、ガイド板G2は、両ガイド板が図示の如く正規の位置で対向している状態において、受光素子S500と対向する位置に、感光材料Pが感光しない波長の赤外発光するLEDからなる発光素子501を一体的に有している。
【0119】
発光素子501および受光素子500とで搬送状態検出センサS50が構成される。
【0120】
搬送状態検出センサS50は、例えば、露光部3における一連の画像記録操作時間内の所定時間に、当該感光材料がその場所を通過したか否かを検出(検知)する事、即ち、感光材料の搬送状態を検出する事と、感光材料が搬送される前(一連の画像記録操作の開始前)の時間帯において、両ガイド板G1、G2が正規の位置にあるか否か(開閉位置)を検出(検知)する役割を有している。
【0121】
そして、その出力情報は、別途設けられるタイマの計時情報とともに記録紙のジャム発生が生じたか否かの判断に使用される。
【0122】
ジャム発生とCPU(図7参照)が判断した時、ドラム回転モータM6の励磁を解除し、搬出モータM8を含む露光部3側の駆動系の駆動を停止させ、かつ、警告表示を液晶パネル11で行うようになっている。また、両ガイド部材G1,G2が正規位置にないと判断した場合も、同様の警告表示等を行う。
【0123】
また、出口シャッタ55の開閉は、出口シャッタ開検出センサS16が検出する。出口シャッタ55は感光材料を現像処理部4側へ送り込むタイミングを決定する。出口センサS31は、感光材料が現像処理部4へ送り込まれる事を検出する。
【0124】
アキュムレータ部60は排紙部50の下方位置に設けてあり、剥離ガイド51の下方移動により、感光材料の垂れ下がりを許容する空間部を提供する。
【0125】
尚、それぞれのガイド板(ガイド手段)と一体的に設けた発光素子および受光素子の組み合わせはこれと逆でもよく、また、両ガイドとも位置移動可能に構成する事もでき、かつ、位置固定のガイド板に発光素子もしくは受光素子を設けず、装置側の他の部材を利用する事もできる。更に、位置移動の形態は、回動である必然性はなく、水平方向の移動でもよい。
【0126】
電気的構成を示すブロック図である図7に示すように、制御部100はCPU101、RAM102およびROM103を有し、I/Oポート104、105を介してセンサ類およびアクチュエータ群に接続しており、センサ類からの情報に基づいてアクチュエータ群を制御する。
【0127】
センサ類としては、マガジン有無検出センサS1、カバー閉検出センサS2、カバーロック検出センサS3、エンド検出センサS4、搬送ローラ圧着位置検出センサS5、搬送ローラ解除位置検出センサS6、スクイズローラ圧着位置検出センサS7、スクイズローラ解除位置検出センサS8、感光材料P先端位置センサS9、送り量検出センサS10、ロータリーエンコーダ37、副走査基準位置検出センサS11、副走査書き込み位置検出センサS12、副走査オーバラン位置検出センサS13、剥離ガイド開検出センサS14、剥離ガイド閉検出センサS15、出口シャッタ開検出センサS16、剥離ジャム検出センサS30、感光材料P搬送状態検出センサS50、および、この図には現れない出口センサS31が接続している。
【0128】
また、アクチュエータ群としては、カバーロックモータM1、搬送ローラ圧着解除モータM2、搬送モータM3、カッタモータM20、ドラム給排紙モータM4、スクイズローラ圧着解除モータM5、ドラム回転モータM6、副走査モータM7、露光シャッタソレノイド333、搬出モータM8、剥離ガイド上下モータM9、出口シャッタモータM10が接続しており、これらは、ドライバD1〜D11およびD333を介して駆動する。
【0129】
また、操作部10については、液晶パネル11をドライバD20により制御し、画像形成装置の運転状態等を表示する。
【0130】
また、タッチパネル12の操作による指令は、A/D変換部120によりデジタル情報としてCPU101に送り込む。
【0131】
本装置1の外部に設けられ、本装置1に接続されているRIP200で、電子製版の元になる電子製版用画像データからラスターイメージフォーマットのY,M,C,Kのデジタル網点画像データを生成する。
【0132】
そして、電子製版用画像データから印刷物と同じスクリーン線数の網点の集合によって再現し、画素ゲイン量を印刷物のそれと近似させて再現することが好ましい。これにより、印刷網点画像を忠実に再現すできるだけでなく、電子製版用画像データのトラブルとしてありがちなトーンジャンプ、モアレ、画像の欠陥を正確に再現でき、校正できるメリットがある。もちろん、概略の校正には、そこまでの忠実な再現は不要で、網点画像であれば、概略の校正は可能である。
【0133】
そして、RIP200は、生成されたデジタル網点画像データを画像データI/F部201に送る。画像データI/F部201は、RIP200により作成された各色(Y、M、C、BK)のラスターイメージフォーマットの網点画像データを各色10本の走査線毎(各色10のチャンネル毎)の露光用フォーマットに変換し、データバッファ204に蓄積する。この画像データのフォーマットの変換は、同時に各色10本の走査線を走査する場合、ラスターイメージフォーマットのビットマップデータの画像データを並べ替え、10ライン並列に読み出すことにより行う。
【0134】
そして、データバッファ204に1枚分のデジタル網点画像データを蓄積した後、以下のようにして、全色同時露光を行う。
【0135】
画素クロック生成部203が、ロータリーエンコーダ37からの感光材料送り情報に基づくPLL202の出力に同期させて画素クロックを生成する。そして、画素クロック生成部203が生成した画素クロックでデータバッファ204からデジタル網点画像データをLUT部205に送る。
【0136】
LUT部205は、印刷の基準色すなわちY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及BK(ブラック)と、それら基準色を感光材料に露光する光源の光すなわちB(ブルー)、R(レッド)、IR(赤外)の強度組成との対応を規定するLUT(ルックアップテーブル)データを記憶している。そして、送られた露光用フォーマットのY,M,C,Kのデジタル網点画像データを、B、R、IRの露光強度データに変換する。
【0137】
その際、画素毎に、印刷物のY,M,C,BKの網点画像データを、B、R、IR(赤外)のレーザ強度の組み合わせに変換する
また、制御部100のCPU101が、先端位置センサS9からの感光材料Pの先端位置の情報及びロータリエンコーダ37からのパルス信号のカウントに基づいて、光学ユニット32から射出されるレーザ光の照射位置に感光材料Pの画像記録領域が存在するか否か判断する。そして、制御部100は、この判断に基づき、レーザ光の照射位置に感光材料Pの画像記録領域が存在する期間は、LUT部205に、レーザダイオードのレーザ光源320,321,322を駆動するドライバD320,D321,D322に入力される露光強度データは、常にレーザダイオードを発光させるに足る露光強度データ値以上の露光強度データ値に変換するLUTデータが設定されるように制御している。これにより、レーザ光照射位置に感光材料Pの画像記録領域がある期間、レーザ光源320,321,322のレーザダイオードは、常に発光し、良好な応答性になる。
【0138】
また、制御部100のCPU101が、先端位置センサS9からの感光材料Pの先端位置の情報に応じて、レーザ光照射位置に感光材料Pが無い期間は、LUT部205に、レーザ光源320,321,322全てについて、それらを駆動するドライバD320,D321,D322に入力される露光強度データを、常に、レーザ光源320,321,322を全く発光させない露光強度データ値を出力するように制御している。これにより、レーザ光照射位置に感光材料Pが無い期間、レーザ光源320,321,322が発光しないので、レーザ光がドラム31に当たることによる迷光による感光材料Pの擬画像の露光を防止できる。なお、常に、レーザ光源320,321,322を全く発光させない露光強度データ値を出力するように制御する代わりに、通常の発光レベルより低い発光レベルになる露光強度データ値にするだけでも擬画像の露光を減らす効果がある。この場合、実質的に、感光材料が被らない程度の露光量になる露光強度データ値にすることが好ましい。
【0139】
そして、LUT部205は、B、R、IR各々の露光強度データを各々D/A変換部206〜208に送り、D/A変換部206〜208がアナログ変換して、ドライバD320、ドライバD321、ドライバD322に与え、これらのドライバにより、各レーザ光源320〜322をそれぞれ駆動する。
【0140】
以上のようにして、網点画像が記録される感光材料がドラム31上に保持されている間、光学部32は感光材料が保持されていないドラム31上の領域に光が実質的には照射されないことになる。
なお、本実施形態では、制御部100のCPU101が、先端位置センサS9からの感光材料Pの先端位置の情報に応じて、LUT部205を制御するが、その代わりに、ドライバD320、AOMドライバD321、ドライバD322を制御するようにしてもよい。
【0141】
RAM102は、タッチパネル12から入力された各種情報や、プログラムなどを記憶する手段であり、例えば、不揮発性のメモリ等で構成される。このRAM102に記憶される情報としては、吸引ブロワ371が所定の能力を発揮していれば圧力計31eで得られるはずのブロア基準圧力値Vbと、ドラム31が回転していないときに感光材料Pがドラム31の周面に密着していれば圧力計31eで得られるはずの第1基準圧力値Vb1(換言すると、ドラム31が回転していないときに感光材料Pがドラム31の周面に密着しているか否かを判断するための基準値である)と、ドラム31が回転しているときに感光材料Pがドラム31の周面に密着していれば圧力計31eで得られるはずの第2基準圧力値Vb2(換言すると、ドラム31が回転しているときに感光材料Pがドラム31の周面に密着しているか否かを判断するための基準値である)が挙げられる。これらブロア基準圧力値Vb、第1基準圧力値Vb1及び第2基準圧力値Vb2は、タッチパネル12から設定変更可能になっている。また、第1基準圧力値Vb1は、第2基準圧力値Vb2より圧力値が高く(すなわち、より大気圧に近い)なるように設定されている。なお、この第1基準圧力値Vb1及び第2基準圧力値Vb2は、感光材料Pのサイズ毎に設定されており、画像記録する感光材料Pのサイズに応じた第1基準圧力値Vb1及び第2基準圧力値Vb2がRAM102に記憶されていることが好ましい。
【0142】
次ぎに、図13、図9乃至図11等を用いて画像形成装置の作動につき説明する。
【0143】
図13は画像形成装置の作動のメインフローチャート、図8は給紙処理のフローチャート、図9はプリント処理のフローチャート、図10は排紙処理のフローチャート、図11は排出処理のフローチャートである。
【0144】
最初に画像形成装置の作動のメインフローについて説明する。図13において、ステップa1でメインスイッチがONされると、ステップb1で装置の電気的なデバイスのイニシャル処理が行われる。ここでは、RAM102へのプログラムとデータのロード等が実行される。そして、ステップb1のイニシャル処理が終了すると、ステップc1で、ロック機構29により前面パネル6がロックされる。そして、ロック機構29のロックが確認されると、ステップd1で各機構部のイニシャル処理が行われる。ステップd1のイニシャル処理では、ドラム31の初期位置への復帰や、光学部32を副走査基準位置に戻したり、処理部4の各処理液の蒸発補水を行い、処理温度まで加熱したりすることなどが行われる。ステップd1での各機構部のイニシャル処理でエラー(err1)が発生すると機能を停止させる。
【0145】
イニシャル処理d1が終了すると、後述するステップe1で装置1のアイドリング運転が行われる。尚、このアイドリング運転中に、RIPからの出力画像が受信される。
【0146】
また、ステップe1のアイドリング運転中に、操作者により操作部8のタッチパネル12のメニューキーを操作されると、ステップf1で、操作者のタッチパネル12のメニューキーの操作に応じて条件設定される。
【0147】
次に、ステップe1のアイドリング運転に続く、書き込み動作について説明する。書き込み動作は、給紙処理(ステップh1)、プリント処理(ステップi1)、排紙処理(ステップj1)をこの順に順次行う。この書き込み処理が終了すると、ステップk1で、次の感光材料を給送するか否か選択し、次の感光材料を給送すると選択した場合、給紙処理(ステップh1)に戻り、給紙しないと選択した場合は、操作部8のタッチパネル12の停止ボタンの操作を受け付ける状態になる。そして、停止ボタンの操作を受け付ける状態で、次のプリントの命令を受けると、給紙処理(ステップh1)に戻る。また、停止ボタンの操作を受け付ける状態で、停止ボタンを操作されると、ステップm1の各機構部の動作を終了する。
【0148】
ステップm1の各機構部の動作の終了では、給紙部20、主走査部30、副走査部40、第1排紙部50、アキューム部60、給送経路80、現像部42、定着部43、安定部44、乾燥部45、第2排紙部15の各機構部の動作を終了し、次に、ステップn1で主電源を落とし、ステップo1で前面パネルロックソレノイド29a(後述)の動作によりロック機構29のロックが解除される。
【0149】
次に、図13に示す作動のメインフローにおけるステップe1のアイドル運転のメインフローを、アイドル運転のメインフローチャート図である図12に基づいて、詳細に説明する。先ず、圧力計38からドラム31内部の圧力(真空度)を読み取る(S4)。すなわち、ブロア371をOFF(駆動していない)状態での圧力を読み取り、その読み取った圧力値V1をRAM102に記憶する。次いで、ブロア371をON(駆動)し(S5)、ブロア371の駆動が安定する所定時間経過するのを待った(S6)後、圧力計38からドラム31内部の圧力(真空度)を読み取る(S7)。すなわち、ブロア371をON(駆動している)状態での圧力を読み取り、その読み取った圧力値V2をRAM103に記憶する。
【0150】
そして、S8で、読み取った圧力値V1とV2とを比較し、圧力値に変化があったか否か(詳細には、圧力値V2の方が圧力値V1よりも小さい(真空に近い)か否か)を判断するとともに、読み取った圧力値V2とRAM102に記憶されているブロア基準圧力値Vbとを比較し、所定の真空度になっているか否か(詳細には、圧力値V2の方がブロア基準圧力値Vbよりも小さいか否か)を判断する。すなわち、圧力値V1とV2とを比較し、ブロア371を駆動した状態と駆動していない状態とで圧力値V1とV2に変化がなければ、ブロア371によりドラム31の吸引孔31cから空気を吸引する空気吸引手段に異常が発生していることを検出することができる。
【0151】
このような空気吸引手段の異常としては、例えば、ブロア371の故障やホースの詰まりやねじれや、特に、本実施の形態では、ブロア371は、装置1とは別に設けられているので、ブロア371の電源が装置1の電源とは別系統で設けられているので、ブロア371の電源の入れ忘れなども挙げられる。
【0152】
また、圧力値V2とブロア基準圧力値Vbとを比較し、ブロア371が所望の能力を発揮していれば、所定の値(ブロア基準圧力値Vb)になることを利用し、ブロア371を駆動した状態の真空度V2がブロア基準圧力値Vbに達していなければ、ブロア371が所望の能力を発揮していないとして、ブロア371によりドラム31の吸引孔31cから空気を吸引する空気吸引手段の異常を検出することができる。
【0153】
そして、S8で、この空気吸引手段に異常がないと判断すると、S9に進み、ブロア371をOFFする。一方、S8で、この空気吸引手段に異常があると判断すると、S10に進み、液晶パネル11に、空気吸引手段の異常である旨の表示を行う。
【0154】
そして、S9でブロアをOFFした後、S12で、タッチパネル12或いはRIP200から記録開始の指示を受けたか否か判断する。そして、S12で記録開始の指示を受けると、このアイドリング処理(ステップe1)が終了する。そして、アイドリング処理(ステップe1)が終了すると、給紙処理(ステップh1)に移行する。
【0155】
次に、図13に示す作動のメインフローにおけるステップh1の画像形成装置の給紙処理について、先ず、給紙処理のフローチャートである図8に基づいて、詳細に説明する。給紙処理のフローに入ると、ステップa2でマガジン8の有無の判断を行い、マガジン8がない場合には、ステップb2でエラー処理を行い、マガジン8がある場合には、ステップc2で、感光材料Pエンドの検出(有無の検出)を行う。感光材料が引き出された状態でマガジンは装填されるので、正しく装填されていれば、エンド検出センサS4で感光材料の存在が確認されることになる。
【0156】
ステップc2で、エンド検出センサS4により、感光材料がないことが検出されると、ステップb2でエラー処理を行い、、感光材料が無くなった事を表示警告する。ステップc2で、エンド検出センサS4により、感光材料があることが検出されると、ステップd2で給紙カバー9のロックを行う。
【0157】
ステップd2で、給紙カバー9のロックを行われると、ステップe2で給紙ローラー21bを圧着させて、さらに、ステップf2でスクイズローラー23を圧着させる。そして、ステップg2でドラム回転モーターM6の励磁をOFFにしてドラム31を回転可能にし、ステップa3で吸引ブロワ371をONして、ステップb3で吸引ブロワ371の安定を待つ。吸引ブロワ371が安定するまで待つ形態としては、通常安定するまでかかる時間以上の所定時間経過するまで待つ形態が簡単であるが、その他に、吸引ブロワ371による真空度が所定値に達するまで待つ形態や、吸引ブロワ371が発する騒音レベルが所定値以下になるまで待つ形態などが挙げられる。そして、吸引ブロワ371が安定すると、ステップh2で給紙モーターM3を回転させて給紙ローラー21a,21bにより感光材料を送るとともに、真空度計測手段711により測定された圧力データと比較する基準圧力データ値をセットする。
【0158】
そして、ステップi2で感光材料の先端を先端位置センサS9により検出し、感光材料の先端を検出すると、ステップc3でドラム給排紙モータM4をONすると同時に、搬送ローラ21bの圧着を解除し、またステップd3で検出された感光材料の先端を基準にしてエンコーダーローラ37の出力パルスにより感光材料の長さの計測を開始する。これにより、ドラム31の外周面上に感光材料Pを吸引しながら密着させつつ巻き付ける。
【0159】
給紙時、つまり感光材料を巻き付けている時のドラム31の周速は、2m/秒以下(特に1m/秒以下)が好ましい。これにより、安定してドラム31へ給送でき、ドラム31への密着性が高くなり、吸引による保持性が良くなる。また、給紙時のドラム31の周速は、2cm/秒以上(特に5cm/秒以上)が好ましい。これにより、給送時間を短縮化でき、画像記録時間、画像記録時間間隔を短縮できる。また、2cm/秒未満では、ドラムへの密着性の効果が飽和する。本実施形態の装置では、0.1m/秒である。
【0160】
そして、ステップe3で、エンコーダーローラ37の出力パルスのカウントから感光材料の長さをカウントした結果、所定長さの感光材料を引き出した状態になると、ステップf3で給紙モーターM3とドラム給排紙モータM4をOFFして、ドラム31の回転を停止する。
【0161】
ステップg3で搬送ローラ21bを圧着し、ステップh3で、感光材料を所定長さでカットする。このペーパカットは、初期位置にあるカッタ22をカッタモータM20により回転駆動させるとともに、感光材料の幅方向に往動走行させて、感光材料を一方の側縁から切断し、切断終了後、動力伝達を遮断することにより、カッタの回転及び走行を停止させる。
【0162】
そして、もしそのままカッタ22を復動させると、切断された搬送方向上流側の感光材料のカット面とカッタ22とが接触し、これにより僅かながらも切り屑の発生が起こる。このような傾向は、ギロチンカッタなど他の種類のカッタでも見受けられる。そこで、次に、ステップi3でドラム給排紙モータM4をONするとともに、切断終了後の所定時間、ローラ対21を回転方向と逆方向に回転させ、これにより、当該搬送手段に挟持されている感光材料Pの自由端側を所定量だけ収納容器のある側に戻す。この時、ペーパの端部は搬送ローラ21a、21bにより挟持されている。そして、カッタモータM20により、カッタ22を回転停止させた状態で感光材料の幅方向に復動させ、カッタ22の初期位置に戻す。しかる後、ローラ対21を再度正回転させ、感光材料を所定量搬送方向に送り出す。
【0163】
これにより、カッタ22の往動時に、感光材料に対するカッタ22の最適な接触角により、感光材料を安定的に良好に切断しつつ、感光材料切断後、そのまま、カッタ22の回転を停止した状態で初期位置に復帰させても、カッタ22の復動時に感光材料のカット面から切り屑が発生する事を防止できる。
【0164】
なお、感光材料の戻し或いは再搬送方向への送り出しに関係した所定量は、ここで計測の開始を行う態様ではないので、同量でも異なってもよいが、シワ等の発生を考慮すると、戻しの量に対して等量もしくはそれ以上の量の再搬送が好ましい。上述の戻し量については、カッタの再接触を防ぐだけでよいので、1mm以上であることが好ましく、シワ等の発生を考慮すると、10mm以下であることが好ましい。
【0165】
そして、ステップj3で搬送ローラ21a、21bの圧着を解除する。ステップk3でドラムへの巻き付け完了すると、ステップl3でドラム給排紙モータM4をOFFし、ステップm3でスクイズローラの圧着を解除する。
【0166】
なお、本実施形態の装置では、感光材料Pのドラム31との接触開始からドラム31へ巻き付けが完了する全接触までの時間は、感光材料の長さLP(単位は、m。ドラム周方向での巻き付けられる感光材料の長さ。)に対して10×LP秒であり、例えば、最大のシート長さの感光材料(シート長さが約0.96m)で約9.6秒程度であるが、感光材料Pのドラム31との接触開始からドラム31へ巻き付けが完了する全接触までの時間は、これに限らず、感光材料Pのドラム31への密着性などの観点から、感光材料の長さLP(m)に対して0.5×LP秒以上(特に2×LP秒以上)であることが好ましく、給紙の効率などの観点から、感光材料の長さLP(m)に対して50×LP秒以下であることが好ましい。
【0167】
そして、ステップn3で、圧力計38からドラム31内部の圧力(真空度)を読み取り、その読み取った圧力値V3をRAM103に記憶する。そして、ステップo3で、読み取った圧力値V3とRAM102に記憶されている第1基準圧力値Vb1とを比較し、圧力値V3が第1基準圧力値Vb1に達しているか否かを判断する。
【0168】
そして、ステップp3で所定時間経過したか否か判断し、所定時間経過するまでステップo3に戻り、所定時間経過すると、ステップq3に進み、所定時間経過しても圧力値V3が第1基準圧力値Vb1に達していないので、感光材料Pがドラム31上に密着していない密着エラーとして、液晶パネル11に密着エラーである旨の表示を行い、感光材料Pを排出する密着エラー処理を行う。なぜなら、このような場合、所定時間経過後においても、その都度読み取った圧力値V3が第1基準圧力値Vb1に達しないので、何らかの原因で、密着を阻害する状態にあると推定できるからである。
【0169】
また、ステップo3で、読み取った圧力値V3が第1基準圧力値Vb1に達していた場合は、感光材料Pがドラム31上に密着しているとして、給紙処理を終了し、次のプリント処理工程へと移行する。
【0170】
次に、プリント処理について、プリント処理のフローチャートである図9に基づいて詳細に説明する。ステップa4でドラム回転モータM6をONして、ステップb4でドラム31の回転が安定するのを待つ。ドラム31の回転が安定するまで待つ形態としては、通常安定するまでにかかる時間以上の所定時間経過するまで待つ形態が簡単であるが、その他に、ドラム31の回転速度を計測し、計測された回転速度の変動が所定値以下になるまで待つ形態などが挙げられる。そして、圧力検出計32が、ドラム31に感光材料を巻き回した際のドラム31内部の圧力を検出する。
【0171】
そして、所定の回転数に達すると、ドラム31が回転していても感光材料Pが確実に密着しているか否かの判断を行う。そのために、先ず、圧力計38からドラム31内部の圧力(真空度)を読み取り、その読み取った圧力値V4をRAM103に記憶する。そして、読み取った圧力値V4とRAM102に記憶されている第2基準圧力値Vb2とを比較し、圧力値V4が第2基準圧力値Vb2に達しているか(小さいか)否かを判断する。そして、所定時間経過後においても、その都度読み取った圧力値V4が第2基準圧力値Vb2に達しない場合は、感光材料Pがドラム31上に密着していない密着エラーとして、エラー処理を行う。すなわち、ドラム回転モータM6をOFFしてブロア371をOFFして感光材料Pの密着を解除する。この動作により、ドラム31の回転を停止させるのみならず、ブロア371の駆動をも停止させるので、慣性で回転しているドラム31には、感光材料Pが保持されないことになり、周囲の部材の損害を抑え、さらに、復帰作業を容易にすることができる。さらに、リリース弁39を開放し、ドラム31内部を大気圧下にまで復帰させるので、ドラム31に保持されている感光材料Pを素早く、その保持状態を解除することができる。そして、液晶パネル11に密着エラーである旨の表示を行う。
【0172】
一方、読み取った圧力値V4が第2基準圧力値Vb2に達していた場合は、感光材料Pがドラム31上に確実に密着しているとして、次の記録工程へと移行する。
【0173】
次に、ステップc4で副走査モータM7をONし、ステップd4で露光シャッタ332をON(閉じられた状態)し、光学部32がドラム軸と平行な方向(副走査方向)の移動を開始する。そして、ステップe4で副走査書き込み位置を検出すると、ステップf4で、露光シャッタ332をOFF(開かれた状態)し、画像データの露光出力を行う。
【0174】
この時、赤色レーザ光源320、青色レーザ光源321、赤外レーザ光源322が、設定されたチャンネルのLUTのデータに基づいて発光し、印刷時のインクの色および/または印刷用紙の色に対応した色を持つ画像を露光する。
【0175】
また、この画像記録時のドラム31の回転速度は、300rpm以上(特に700rpm以上、更に1200rpm以上)であることが好ましい。これにより、高速に画像を記録できる。また、5000rpm以下(特に、4000rpm以下)が好ましい。これにより、ドラム31の回転が安定し、回転速度が安定化までの時間を短くでき、装置コストを低くでき、安全性も高く、特別な機械強度にしなくても良く、低コストにでき、機械重量を抑えることができ、設置場所が特別に限定されないようにして、利便性のある位置に設置できる。本実施形態の装置の、画像記録時のドラム31の回転速度は、2000rpmである。
【0176】
また、画像記録時のドラム31の周速は、3m/秒以上(特に5m/秒以上、更に10m/秒以上)であることが好ましい。これにより、画像記録時間を短縮化できる。また、画像記録時のドラム31の周速は、70m/秒以下(特に50m/秒以下)であることが好ましい。これにより、ドラム31の周速が安定し、周速の安定化までの時間が短くなり、装置コストが低くなり、安全になる。なお、本実施形態の装置では、画像記録時のドラム31の周速は、約30(m/秒)である。
【0177】
ステップg4で画像データの書き込みが完了すると、ステップh4でドラム回転モータM6をOFFするとともに、露光シャッタ332がONされ、ステップi4で副走査モータM7をOFFし、ステップj4で光学部32をホームポジションに移動させる。
【0178】
そして、本実施形態の装置では、ドラム31の回転駆動を解除してからドラム31の回転が停止するまでの時間は2秒〜15秒であるが、ドラムの回転駆動を解除してからドラムの回転が停止するまでの時間は、これに限らず、ドラム31の安定した減速や感光材料Pの剥がれの抑制などの観点から1秒以上であることが好ましく、また、剥離の効率などの観点から1分以下(特に30秒以下)であることが好ましい。
【0179】
そして、ステップk4でスクイズローラ23をドラム31に圧着させて、ステップl4でドラム回転モータM7の励磁をOFFし、スクイズローラ23の回転により、ステップm4でドラム31をホームポジションに移動させる。
【0180】
次に、排紙処理について、排紙処理のフローチャートである図10に基づいて、詳細に説明する。ステップa5で剥離ガイド51を閉じて剥離位置にセットし、ステップb5で現像処理部4への出口シャッタ55を開く。
【0181】
そして、ステップd5でドラム給排紙モータM4をONしてスクイズローラ23を回転させ、ドラム31を回転させながら剥離ガイド51により感光材料Pを剥離し、剥離ガイド51に沿って剥離された感光材料Pを案内する。ステップe5で、搬出モータM8をオンして搬送ローラ対52に感光材料Pをスクイズローラ23とほぼ同じ周速で高速搬送させる。
【0182】
そして、センサS31が感光材料Pの先端を検出すると、搬出モータM8を感光材料Pの先端が搬送ローラ53に挟持された状態で停止する。そして、剥離ガイド51を開いて、感光材料Pがアキューム部に収容されるようにする。
【0183】
ステップf5で剥離ジャム検出センサS30により感光材料がジャムを起こしているか否かを判断し、ジャムを起こしていない場合は、ステップg5で吸引ブロワ371の駆動を停止して感光材料の吸引を解除する。
【0184】
ステップh5で出口センサS31により感光材料の排出を検出し、搬出モータM8を低速に切り替えて現像処理部4での処理に合わせる。
【0185】
そして、ステップj5でドラム31を1回転させるとともに、ステップk5で剥離ガイド51を開放する。
【0186】
ステップl5でドラム給排紙モータM4をOFFし、ステップm5でドラム回転モータM6の励磁を行ってドラム31が自由に回転しないようにし、ステップn5でスクイズローラ23の圧着を解除して排紙処理を終了する。
【0187】
このように感光材料Pを剥離し始めてからドラム31から完全に剥離するまでの時間は、安定した剥離やジャム発生の抑制などの観点から、感光材料の長さLP(m)に対して0.5×LP秒以上(特に2×LP秒以上)であることが好ましく、また、剥離の効率などの観点から100×LP秒以下(特に50×LP秒以下)であることが好ましい。本実施形態の装置では、感光材料Pを剥離し始めてからドラム31から完全に剥離するまでの時間は、感光材料の長さLP(m)に対して約15〜20×LP秒で、最大のシート長さの感光材料(シート長さ0.96(m))では約15秒である。
【0188】
また、感光材料をドラム31から剥離するときのドラム31の周速度は、安定した剥離や感光材料先端の折れの防止の観点から、2m/秒以下であることが好ましく、また、剥離の効率の観点から、0.01m/秒以上であることが好ましい。本実施形態の装置では、感光材料をドラム31から剥離するときのドラム31の周速度は、約0.05〜0.1m/秒である。
【0189】
次に排出処理について、排出処理のフローチャートである図11に基づいて詳細に説明する。ステップa6で出口センサS31により感光材料の排出を検出し、感光材料の後端の検出が行われると、ステップb6で所定時間、感光材料の排出完了を待ち、ステップc6で搬出モータM8をOFFして、ステップd6で現像処理部4への出口シャッタ55を閉じ、ステップe6でカバー9のロックを解除して感光材料の排出処理を終了する。
【0190】
なお、感光材料の搬送方向に見てローラ対21の上流側のみならず、下流側であって、搬送手段に近接した位置に、例えば、エンド検出センサS4と同様の透過型センサを配設し、その両方のセンサが感光材料のない事を検知した時、その情報に基づいて自動的に搬送手段の圧着を解除するように構成する事が出来る。
【0191】
その場合、終端検知後の感光材料が確実に取り除かれた事を検出した事になり、不用意に圧着解除を行って感光材料片を搬送路中に落としてしまう様な誤操作を確実に防止でき、また、新しい感光材料の装填を容易とする等、操作性の向上が期待出来る。
【0192】
次に、本装置に用いられる感光材料について説明する。本発明に用いられる感光材料としては、ハロゲン化銀写真感光材料が好ましいが、本発明はこれに限られない。
【0193】
このようなハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン化銀乳剤としては、画像露光により表面に潜像を形成する表面潜像型ハロゲン化銀乳剤であってもよいし、粒子表面が予めかぶらされていない内部潜像型ハロゲン化銀乳剤を用い、画像露光後カブリ処理(造核処理)を施し、次いで表面現像を行うか、又は画像露光後、カブリ処理を施しながら表面現像を行うことにより直接ポジ画像を得ることができる内部潜像型ハロゲン化銀乳剤であってもよい。なお、該内部潜像型ハロゲン化銀乳剤とは、ハロゲン化銀結晶粒子の主として内部に感光核を有し、露光によって粒子内部に潜像が形成されるようなハロゲン化銀粒子含有の乳剤をいう。
【0194】
また、ハロゲン化銀感光材料の好ましい一つの形態は、ネガ型ハロゲン化銀乳剤であり、特に90モル%以上が塩化銀からなるハロゲン化銀乳剤が好ましく用いられる。これを満足するものであれば塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等任意のハロゲン組成を有するものであってもよいが、塩化銀を95モル%以上含有する塩臭化銀、中でも臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤が好ましく用いられ、また、表面近傍に沃化銀を0.05〜0.5モル%含有する塩沃化銀も好ましく用いられる。臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤の、高濃度に臭化銀を含有する部分は、いわゆるコア・シェル乳剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域が存在するだけのいわゆるエピタキシー接合した領域を形成していてもよい。臭化銀が高濃度に存在する部分は、ハロゲン化銀粒子の表面の結晶粒子の頂点に形成される事が特に好ましい。また、組成は連続的に変化してもよいし不連続に変化してもよい。
【0195】
また、好ましく用いられる90%以上が塩化銀からなるネガ型ハロゲン化銀乳剤には重金属イオンを含有させるのが有利である。これによっていわゆる相反則不軌が改良され、高照度露光での減感が防止されたりシャドー側での軟調化が防止されることが期待される。このような目的に用いることの出来る重金属イオンとしては、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第12族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、ガリウム、クロムの各イオンを挙げることができる。中でも鉄、イリジウム、白金、ルテニウム、ガリウム、オスミウムの金属イオンが好ましい。これらの金属イオンは、塩や、錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することが出来る。前記重金属イオンが錯体を形成する場合には、その配位子としてシアン化物イオン、チオシアン酸イオン、シアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、カルボニル、アンモニア等を挙げることができる。中でも、シアン化物イオン、チオシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン等が好ましい。ハロゲン化銀乳剤に重金属イオンを含有させるためには、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すればよい。前述の条件を満たすハロゲン化銀乳剤を得るには、重金属化合物をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたって連続的に添加する事ができる。また、あらかじめこれらの重金属化合物を含有するハロゲン化銀微粒子を形成しておいて、これを添加することによって調製する事もできる。前記重金属イオンをハロゲン化銀乳剤中に添加するときの量はハロゲン化銀1モル当り1×10-9モル以上、1×10-2モル以下がより好ましく、特に1×10-8モル以上5×10-5モル以下が好ましい。
【0196】
また、ハロゲン化銀乳剤の好ましい一つの形態は、予めかぶらされていない内部潜像型ハロゲン化銀乳剤であり、この内部潜像型ハロゲン化銀粒子は、感光核の大部分を粒子の内部に有するハロゲン化銀粒子であって粒子の内部に主として潜像を形成することを特徴とする。ハロゲン化銀粒子の組成としては、任意のハロゲン化銀、例えば臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等が包含される。
【0197】
特に好ましくは、塗布銀量が約1〜3.5g/m2の範囲になるように透明な支持体に塗布した試料の一部を約0.1秒から約1秒迄のある定められた時間に亘って光強度スケールに露光し、実質的にハロゲン化銀溶剤を含有しない粒子の表面像のみを現像する下記の表面現像液Aを用いて20℃で4分現像した場合に、同一の乳剤試料の別の一部を同じく露光し、粒子の内部の像を現像する下記の内部現像液Bで20℃で4分間現像した場合に得られる最大濃度の1/5より大きくない最大濃度を示す乳剤である。更に好ましくは、表面現像液Aを用いて得られた最大濃度は内部現像液Bで得られる最大濃度の1/10より大きくないものである。
(表面現像液A)
メトール 2.5g
L-アスコルビン酸 10.0g
メタ硼酸ナトリウム(4水塩) 35.0g
臭化カリウム 1.0g
水を加えて 1000cc
(内部現像液B)
メトール 2.0g
亜硫酸ナトリウム(無水) 90.0g
ハイドロキノン 8.0g
炭酸ナトリウム(1水塩) 52.5g
臭化カリウム 5.0g
沃化カリウム 0.5g
水を加えて 1000cc
又、好ましく用いられる内部潜像型ハロゲン化銀乳剤は、種々の方法で調製されるものが含まれる。例えば米国特許2,592,250号に記載されているコンバージョン型ハロゲン化銀乳剤、又は米国特許3,206,316号、同3,317,322号及び同3,367,778号に記載されている内部化学増感されたハロゲン化銀粒子を有するハロゲン化銀乳剤、又は米国特許3,271,157号に記載されている多価金属イオンを内蔵しているハロゲン化銀粒子を有する乳剤、又は米国特許3,761,276号に記載されているドープ剤を含有するハロゲン化銀粒子の粒子表面を弱く化学増感したハロゲン化銀乳剤、又は特開昭50-8524号、同50ー38525号及び同53-2408号等に記載されている積層構造を有する粒子から成るハロゲン化銀乳剤、その他特開昭52ー156614号及び同55-127549号に記載されているハロゲン化銀乳剤などである。
【0198】
このような予めかぶらされていない内部潜像型ハロゲン化銀乳剤は、表面カブリ処理を行うことにより反転処理を行うことなくポジ画像を与えるが、該カブリ処理は、全面露光を与えることでもよいし、カブリ剤を用いて化学的に行うのでもよいし、又、強力な現像液を用いてもよく、更に熱処理等によってもよい。
【0199】
該全面露光は画像露光した感光材料を現像液もしくはその他の水溶液に浸漬するか、又は湿潤させた後、全面的に均一露光することによって行れる。ここで使用する光源としては、上記写真感光材料の感光波長領域の光を有するものであればどの様な光源でもよく、又、フラッシュ光の如き高照度光を短時間当てることもできるし、弱い光を長時間当ててもよい。又、該全面露光の時間は上記写真感光材料、現像処理条件、使用する光源の種類等により、最終的に最良のポジ画像が得られるよう広範囲に変えることができる。又、該全面露光の露光量は、感光材料との組合せにおいて、ある決まった範囲の露光量を与えることが最も好ましい。通常、過度に露光量を与えると最小濃度の上昇や減感を起こし、画質が低下する傾向がある。
【0200】
また、ハロゲン化銀写真感光材料に用いることのできるカブリ剤の技術としては特開平6-95283号18ページ右欄39行〜19ページ左欄41行に記載の内容の技術を使用する事が好ましい。
【0201】
また、ハロゲン化銀粒子の形状は任意のものを用いることが出来る。好ましい一つの例は、(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、米国特許4183756号、同4225666号、特開昭55-26589号、特公昭55-42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21、39(1973)等の文献に記載された方法等により、八面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子をつくり、これを用いることもできる。さらに、双晶面を有する粒子を用いてもよい。
【0202】
また、ハロゲン化銀粒子は、単一の形状からなる粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳剤を二種以上同一層に添加する事が特に好ましい。
【0203】
また、ハロゲン化銀粒子の粒径は特に制限はないが、迅速処理性及び、感度など、他の写真性能などを考慮すると好ましくは、0.1〜1.2μm、更に好ましくは、0.2〜1.0μm の範囲である。
【0204】
この粒径は、粒子の投影面積か直径近似値を使ってこれを測定することができる。粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分布は直径か投影面積としてかなり正確にこれを表すことができる。
【0205】
ハロゲン化銀粒子の粒径の分布は、好ましくは変動係数が 0.22 以下、更に好ましくは 0.15 以下の単分散ハロゲン化銀粒子であり、特に好ましくは変動係数0.15以下の単分散乳剤を2種以上同一層に添加する事である。ここで変動係数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
【0206】
変動係数=S/R
(ここに、S は粒径分布の標準偏差、R は平均粒径を表す。)
ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法としては、当業界において公知の種々の方法を用いることができる。
【0207】
ハロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該粒子は一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を作った後で成長させてもよい。種粒子を作る方法と成長させる方法は同じであっても、異なってもよい。
【0208】
また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式として特開昭54-48521号等に記載されているpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
【0209】
また、特開昭57-92523号、同57-92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ドイツ公開特許2921164号等に記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化して添加する装置、特公昭56-501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行なう装置などを用いてもよい。
【0210】
更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有する化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のような化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形成終了の後に添加して用いてもよい。
【0211】
好ましく用いられる90%以上が塩化銀からなるネガ型ハロゲン化銀乳剤は、金化合物を用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を組み合わせて用いることが出来る。カルコゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤などを用いることが出来るが、イオウ増感剤が好ましい。イオウ増感剤としてはチオ硫酸塩、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、p-トルエンチオスルホン酸塩、ローダニン、無機イオウ等が挙げられる。
【0212】
イオウ増感剤の添加量としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより変える事が好ましいが、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モルの範囲、好ましくは5×10-8〜3×10-5モルの範囲が好ましい。
金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の他各種の金錯体として添加することができる。用いられる配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシアン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などによって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1モル当たり 1×10-4 モル〜1×10-8 モルであることが好ましい。更に好ましくは 1×10-5 モル〜1×10-8 モルである。
【0213】
好ましく用いられる90%以上が塩化銀からなるネガ型ハロゲン化銀乳剤の化学増感法としては、還元増感法を用いてもよい。
【0214】
ハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、安定剤を用いることが出来る。こうした目的に用いることのできる好ましい化合物の例として、特開平2-146036号7ページ下欄に記載された一般式(II)で表される化合物を挙げることができ、さらに好ましい具体的な化合物としては、同公報の8ページに記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、1-(3-メトキシフェニル)-5-メルカプトテトラゾール、1-(4-エトキシフェニル)-5-メルカプトテトラゾール、1-(3-フェニルアセトアミドフェニル)-5-メルカプトテトラゾール等の化合物を挙げることができる。また、臭化銀含量の高い乳剤では、テトラザインデン系の化合物が好ましく用いられる。これらの化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加される。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-5モル〜5×10-4モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜1×10-2モルがより好ましい。またハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布被膜中の量が、1m2当り1×10-9モル〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
【0215】
ハロゲン化銀写真感光材料には、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。この目的で、公知の化合物をいずれも用いることが出来るが、特に、可視域に吸収を有する染料としては、特開平3-251840号308ページに記載のAI−1〜11の染料および特開平6-3770号記載の染料が好ましく用いられる。赤外線吸収染料としては、特開平1-280750号2ページ左下欄に記載の一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物が好ましい分光特性を有し、ハロゲン化銀写真乳剤の写真特性への影響もなく、また残色による汚染もなく好ましい。好ましい化合物の具体例として、同公報3ページ左下欄〜5ページ左下欄に挙げられた例示化合物(1)〜(45)を挙げることができる。
【0216】
無機化合物としては、コロイド銀、コロイドマンガン等が好適であるが、コロイド銀が特に好ましい。これらコロイド状金属は処理液中で脱色するため本発明に用いられるハロゲン化銀感光材料にも有効である。用いられるコロイド銀の量は、銀の形状や目的によっても異なるが、0.01〜0.3g/m2の量が好ましく、0.02〜0.1g/m2の量がより好ましく用いられる。塗布量が多すぎると白地が黄色味になる問題点があり、白さの再現の観点からは、黄色及び黒色コロイド銀の使用量は少ない方が好ましく、使用しないことが好ましい。
【0217】
上記のコロイド銀、例えば灰色コロイド銀は、硝酸銀をゼラチン中でハイドロキノン、フェニドン、アスコルビン酸、ピロガロールまたはデキストリンのような還元剤の存在下にアルカリ性を保って還元し、その後、中和、冷却してゼラチンをゲル化させてから、ヌードル水洗法によって還元剤や不要な塩類を除去することによって得られる。アルカリ性で還元する際、アザインデン化合物、メルカプト化合物の存在下で反応を行うと、均一な粒子のコロイド銀分散液を得ることができる。
【0218】
ハロゲン化銀写真感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層のうち最も支持体に近いハロゲン化銀乳剤層より支持体に近い側に少なくとも1層の着色された親水性コロイド層を有することが好ましく、該層に白色顔料を含有していてもよい。例えばルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、硫酸バリウム、ステアリン酸バリウム、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、カオリン等を用いることができるが、種々の理由から、中でも二酸化チタンが好ましい。白色顔料は処理液が浸透できるような例えばゼラチン等の親水性コロイドの水溶液バインダー中に分散される。白色顔料の塗布付量は好ましくは0.1g/m2〜50g/m2の範囲であり、更に好ましくは0.2g/m2〜5g/m2の範囲である。
【0219】
白色顔料の平均一次粒径は0.30μm以上3.0μm以下であることが好ましい。更に好ましくは0.32μm以上1.0μm以下である。ここで平均1次粒径とは、白色顔料の粒子群を電子顕微鏡で観察し、粒子体積とその頻度の積が最大となる粒子体積の立方根をここでは平均粒径とする。
【0220】
この白色顔料は、単独で用いてもよいし複数の異なる白色顔料を混合して用いることもできる。複数の平均粒径のことなる白色顔料を併用した場合には混合された白色顔料の平均1次粒径が0.30μm以上であればよいし、または混合する前のいずれかの白色顔料の平均1次粒径が0.30μm以上であればよい。白色顔料を有する親水性コロイド層には、例えばコロイド銀や水溶性の染料、染料の固体分散物等のような支持体や白色顔料によるハレーションを防止する機能を有する光吸収物質を含有させることが鮮鋭性向上の観点から好ましい。
【0221】
支持体と、支持体から最も近いハロゲン化銀乳剤層との間には、白色顔料含有層の他に必要に応じて下塗り層、あるいは任意の位置に中間層等の非感光性親水性コロイド層を設けることができる。
ハロゲン化銀写真感光材料中に、蛍光増白剤を添加する事で白地性をより改良でき好ましい。蛍光増白剤は、紫外線を吸収して可視光の蛍光を発する事のできる化合物であれば特に制限はないが、好ましい一つの形態は、分子中に少なくとも1個以上のスルホン酸基を有する化合物であり、他の好ましい一つの形態は、蛍光増白効果を有する固体微粒子化合物である。
【0222】
分子中にスルホン酸基を有する化合物のうち好ましい化合物として、1分子中に4個以上のスルホン酸基を有するジアミノスチルベン系蛍光増白剤、特開平4-1633号公報5ページ右上欄に記載の一般式IIで示される化合物を挙げることができる。このような蛍光増白剤の具体例としては、特開平4-1633号公報5ページ右下欄〜7ページ左上欄に記載の化合物1〜23を挙げることができる。このような蛍光増白剤はハロゲン化銀乳剤層、非感光性層などのいずれの層に添加してもよいが、非感光性層に添加するのがより好ましい。蛍光増白剤の添加量としては、0.01〜2g/m2が好ましく、0.02〜1g/m2がより好ましい。
【0223】
蛍光増白効果を有する固体微粒子化合物は、実質的に水に不溶性の蛍光増白効果を有する化合物であり、実質的に水に不要で常温で蛍光増白効果を有する化合物ならば、どのタイプの化合物の用いることができる。ここで水に実質的に不溶とは、25℃において、純水100gに対する溶解度が1.0g以下であることを表す。
【0224】
実質的に水不溶の蛍光増白効果を有する化合物としては、一般的な水不溶性の蛍光増白剤を用いることができる。
【0225】
ハロゲン化銀写真感光材料は、ハロゲン化銀を種々の波長の光に感光させるため種々の公知の増感色素が用いられる。このような目的で用いられる青感光性増感色素としては、特開平3-251840号公報28ページに記載のBS−1〜8を単独でまたは組み合わせて好ましく用いることができる。緑感光性増感色素としては、同公報28ページに記載のGS−1〜5が好ましく用いられる。赤感光性増感色素としては同公報29ページに記載のRS−1〜8が好ましく用いられる。また、半導体レーザーを用いるなどして赤外光により画像露光を行う場合には、赤外感光性増感色素を用いる必要があるが、赤外感光性増感色素としては、特開平4-285950号公報6〜8ページに記載のIRS−1〜11の色素が好ましく用いられる。また、これらの赤外、赤、緑、青感光性増感色素に特開平4-285950号公報8〜9ページに記載の強色増感剤SS−1〜SS−9や特開平5-66515号公報15〜17ページに記載の化合物S−1〜S−17を組み合わせて用いるのが好ましい。
【0226】
これらの増感色素の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期でよい。
【0227】
増感色素の添加方法としては、メタノール、エタノール、フッ素化アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水混和性有機溶媒や水に溶解して溶液として添加してもよいし、固体分散物として添加してもよい。
【0228】
ハロゲン化銀乳剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて含有してもよい。
【0229】
ハロゲン化銀写真感光材料に用いられるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカップリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極大波長を有するカップリング生成物を形成し得るいかなる化合物をも用いることが出来るが、特に代表的な物としては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を有するイエロー色素形成カプラー、波長域500〜600nmに分光吸収極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラー、波長域600〜750nmに分光吸収極大波長を有するシアン色素形成カプラーとして知られているものが代表的である。
【0230】
ハロゲン化銀写真感光材料に用いられるマゼンタカプラーとしては特開平6-95283号公報7ページ右欄記載の一般式[M−1]で示される化合物が発色色素の分光吸収特性がよく好ましい。好ましい化合物の具体例としては、同号公報8ページ〜11ページに記載の化合物M−1〜M−19を挙げる事ができる。更に他の具体例としては欧州公開特許0273712号6〜21頁に記載されている化合物M−1〜M−61及び同0235913号36〜92頁に記載されている化合物1〜223の中の上述の代表的具体例以外のものがある。
【0231】
該マゼンタカプラーは他の種類のマゼンタカプラーと併用することもでき、通常ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3モル〜1モル、好ましくは1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
ハロゲン化銀写真感光材料において形成されるマゼンタ画像の分光吸収のλmaxは530〜560nmであることが好ましく、またλL0.2は、580〜635nmであることが好ましい。
【0232】
ここで、ハロゲン化銀写真感光材料により形成されるマゼンタ画像の分光吸収のλL0.2及びλmaxは次の方法で測定される量である。
(λL0.2及びλmaxの測定方法)
ハロゲン化銀写真感光材料にポジ型乳剤を用いている場合、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を、シアン画像の最低濃度が得られる最小限の光量の赤色光で均一に露光し、かつ黄色画像の最低濃度が得られる最小限の光量の青色光で均一に露光した後、NDフィルターを通して白色光を当てた後現像処理した時に、分光光度計に積分球を取り付け、酸化マグネシウムの標準白板でゼロ補正して500〜700nmの分光吸収を測定した時の吸光度の最大値が1.0となるようにNDフィルターの濃度を調節してマゼンタ画像を作製する。また該感光材料にネガ型乳剤を用いている場合、NDフィルターを通して緑色光を当て現像処理しマゼンタ画像を形成した時、上記のポジと同様の最大吸光度が得られるようにNDフィルターの濃度を調節する。λL0.2とは、このマゼンタ画像を分光吸光度曲線上において、最大吸光度が1.0を示す波長よりも長波で、吸光度が0.2を示す波長をいう。
【0233】
ハロゲン化銀写真感光材料のマゼンタ画像形成層には、マゼンタカプラーに加えてイエローカプラーが含有される事が好ましい。これらのカプラーのpKaの差は2以内であることが好ましく、更に好ましくは1.5以内である。本発明のマゼンタ画像形成性層に含有させる好ましいイエローカプラーは特開平6ー95283号公報12ページ右欄に記載の一般記載一般式[Y−1a]で表されるカプラーである。同公報の一般式[Y−1]で表されるカプラーのうち特に好ましいものは、一般式[M−1]で表されるマゼンタカプラーと組み合わせる場合、組み合わせる[M−1]で表されるカプラーのpKaより3以上低くないpKa値より3以上低くないpKa値を有するカプラーである。
【0234】
該イエローカプラーとして具体的な化合物例は、特開平6-95283号公報12〜13ページ記載の化合物Y−1及びY−2の他、特開平2-139542号の13ページから17ページ記載の化合物(Y−1)〜(Y−58)を好ましく使用することができるがもちろんこれらに限定されることはない。
ハロゲン化銀写真感光材料においてシアン画像形成層中に含有されるシアンカプラーとしては、公知のフェノール系、ナフトール系又はイミダゾール系カプラーを用いることができる。例えば、アルキル基、アシルアミノ基、或いはウレイド基などを置換したフェノール系カプラー、5-アミノナフトール骨格から形成されるナフトール系カプラー、離脱基として酸素原子を導入した2等量型ナフトール系カプラーなどが代表される。このうち好ましい化合物としては特開平6ー95283号公報13ページ記載の一般式[C−I][C−II]が挙げられる。
【0235】
該シアンカプラーは通常ハロゲン化銀乳剤層において、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
【0236】
本発明に係る感光材料においてイエロー画像形成層中に含有されるイエローカプラーとしては、公知のアシルアセトアニリド系カプラー等を好ましく用いることができる。
【0237】
該イエローカプラーの具体例としては、例えば特開平3-241345号の5頁〜9頁に記載の化合物、Y−I−1〜Y−I−55で示される化合物、もしくは特開平3-209466号の11〜14頁に記載の化合物、Y−1〜Y−30で示される化合物も好ましく使用することができる。更に特開平6-95283号公報21ページ記載の一般式〔Y−I〕で表されるカプラー等も挙げることができる。
【0238】
ハロゲン化銀写真感光材料により形成されるイエロー画像の分光吸収のλmaxは425nm以上であることが好ましく、λL0.2は515nm以下であることが好ましい。
【0239】
該イエロー色画像の分光吸収のλL0.2とは、特開平6-95283号公報21ページ右欄1行〜24行に記載の内容で定義される値であり、イエロー色素画像の分光吸収特性で長波側の不要吸収の大きさを表す。
【0240】
該イエローカプラーは通常ハロゲン化銀乳剤層において、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
【0241】
該マゼンタ色画像、シアン色画像、及びイエロー色画像の分光吸収特性を調整するために、色調調整作用を有する化合物を添加する事が好ましい。このための化合物としては、特開平6-95283号公報22ページ記載の一般式[HBS−I]および[HBS−II]で示される化合物が好ましく、より好ましくは同号公報22ページ記載の一般式[HBS−II]で示される化合物である。
【0242】
ハロゲン化銀写真感光材料においてハロゲン化銀乳剤層は支持体上に積層塗布されるが支持体からの順番はどのような順番でもよい。この他に必要に応じ中間層、フィルター層、保護層等を配置することができる。
【0243】
前記マゼンタ、シアン、イエローの各カプラーには、形成された色素画像の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤を併用することができる。好ましい化合物としては、特開平2-66541号公報3ページ記載の一般式IおよびIIで示されるフェニルエーテル系化合物、特開平3-174150号公報記載の一般式IIIBで示されるフェノール系化合物、特開平64-90445号公報記載の一般式Aで示されるアミン系化合物、特開昭62-182741号公報記載の一般式XII、XIII、XIV、XVで示される金属錯体が特にマゼンタ色素用として好ましい。また特開平1-196049号公報記載の一般式1’で示される化合物および特開平5-11417号公報記載の一般式IIで示される化合物が特にイエロー、シアン色素用として好ましい。
【0244】
ハロゲン化銀写真感光材料に用いられるカプラーやその他の有機化合物を添加するのに水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いることができる。分散後、または、分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。カプラー等を溶解して分散するために用いることの出来る高沸点有機溶媒としては、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル類、トリオクチルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類が好ましく用いられる。また高沸点有機溶媒の誘電率としては3.5〜7.0である事が好ましい。また二種以上の高沸点有機溶媒を併用することもできる。
ハロゲン化銀写真感光材料に用いられる写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体的には特開昭64-26854号公報記載のA−1〜A−11が挙げられる。またアルキル基に弗素原子を置換した界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は通常ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、分散後塗布液に添加されるまでの時間、および塗布液に添加後塗布までの時間は短いほうがよく各々10時間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
ハロゲン化銀写真感光材料には、現像主薬酸化体と反応する化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色濁りを防止したりまたハロゲン化銀乳剤層に添加してカブリ等を改良する事が好ましい。このための化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、さらに好ましくは2、5ージーt-オクチルハイドロキノンのようなジアルキルハイドロキノンである。特に好ましい化合物は特開平4-133056号公報記載の一般式IIで示される化合物であり、同号公報13〜14ページ記載の化合物IIー1〜IIー14および17ページ記載の化合物1が挙げられる。
ハロゲン化銀写真感光材料中には紫外線吸収剤を添加してスタチックカブリを防止したり色素画像の耐光性を改良することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物としては特開平1-250944号公報記載の一般式III-3で示される化合物、特開昭64-66646号公報記載の一般式IIIで示される化合物、特開昭63-187240号公報記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4-1633号公報記載の一般式Iで示される化合物、特開平5-165144号公報記載の一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
ハロゲン化銀写真感光材料には、油溶性染料や顔料を含有すると白地性が改良され好ましい。油溶性染料の代表的具体例は、特開平2-842号公報8ページ〜9ページに記載の化合物1〜27があげられる。
【0245】
ハロゲン化銀写真感光材料には、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
これらバインダーの硬膜剤としてはビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用する事が好ましい。特開昭61ー249054号、同61-245153号公報記載の化合物を使用する事が好ましい。また写真性能や画像保存性に悪影響するカビや細菌の繁殖を防ぐためコロイド層中に特開平3-157646号公報記載のような防腐剤および抗カビ剤を添加する事が好ましい。また感光材料または処理後の試料の表面の物性を改良するため保護層に特開平6-118543号公報や特開平2-73250号公報記載の滑り剤やマット剤を添加する事が好ましい。
【0246】
感光材料に用いる支持体としては、どのような材質を用いてもよく、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙などを用いることができる。なかでも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体が好ましい。耐水性樹脂としてはポリエチレンやポリエチレンテレフタレートまたはそれらのコポリマーが好ましい。
【0247】
紙の表面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体は、通常、50〜300g/m2の重量を有する表面の平滑なものが用いられるが、プルーフ画像を得る目的に対しては、取り扱いの感覚を印刷用紙に近づけるため、130g/m2以下の原紙が好ましく用いられ、さらに70〜120g/m2の原紙が好ましく用いられる。
感光材料に使用されている紙の表面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体はテーバー剛度(Taber Stiffness)が0.8から4.0であることが好ましい。テーバー剛度の測定は、剛度測定器V−5モデル150B Taber V−5 Stiffness tester(TABER INSTRUMENT−A TELEDYNE COMPANY)を用いて測定できる。尚、支持体は縦方向と横方向で剛度値が異なるのが一般的であるが、少なくとも片方がこの範囲に入っていればよい。テーバー剛度が0.8より小さいと、連続処理時に、自現機中で搬送不良を起こす等実用上問題がある。
【0248】
感光材料に用いられる支持体としては、ランダムな凹凸を有するものであっても平滑なものであっても好ましく用いることができる。平滑なものであれば、支持体の表面の凹凸を連続的に測定し、その測定信号を高速フーリエ変換により周波数解析して得られた空間周波数ごとのパワースペクトルを1〜12.5mmの周波数区間で積分値したものの平方根(PY値)が2.9μm以下であることが好ましい。より好ましくは1.8μm以下、更に好ましくは1.15μm以下のPY値である。下限は0である。
【0249】
表面の凹凸の測定はフィルム厚み連続測定機(例えばアンリツ社製)を用いて測定することができる。得られた測定信号は周波数解析機(例えば、日立電子社製:VC−2403)を用いて周波数解析することができる。
【0250】
支持体に用いられる白色顔料としては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることができ、好ましくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリウム、酸化チタンである。
支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有される白色顔料の量は、鮮鋭性を改良するうえで13重量%以上が好ましく、さらには15重量%が好ましい。
【0251】
紙支持体の耐水性樹脂層中の白色顔料の分散度は、特開平2-28640号に記載の方法で測定することができる。この方法で測定したときに、白色顔料の分散度が前記公報に記載の変動係数として0.20以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。
【0252】
感光材料に用いられる両面に耐水性樹脂層を有する紙支持体の樹脂層は、1層であってもよいし、複数層からなってもよい。複数層とし、乳剤層と接する方に白色顔料を高濃度で含有させると鮮鋭性の向上が大きく、プルーフ用画像を形成するのに好ましい。
【0253】
また支持体の中心面平均粗さ(SRa)の値が0.15μm以下、さらには0.12μm以下であるほうが光沢性がよいという効果が得られより好ましい。
【0254】
感光材料は、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接または下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/またはその他の特性を向上するための1または2以上の下塗層)を介して塗布されていてもよい。
【0255】
ハロゲン化銀写真写真感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いてもよい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布することの出来るエクストルージョンコーティング及びカーテンコーティングが特に有用である。
【0256】
ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理においては、発色現像、漂白定着、水洗又は安定化処理の各工程を順次行うものや、発色現像、漂白、定着、水洗又は安定化処理の各工程を順次行うものが好ましいが、これらに限られず、他の処理方法であってもよい。
【0257】
そして、このような発色現像において用いられる芳香族一級アミン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができる。これらの化合物の例として下記の化合物を上げることができる。
CD-1) N,N-ジエチルーp-フェニレンジアミン
CD-2) 2-アミノ-5-ジエチルアミノトルエン
CD-3) 2-アミノー5ー(N-エチル-N-ラウリルアミノ)トルエン
CD-4) 4-(N-エチル-N-(βーヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD-5) 2-メチル-4-(N-エチル-N-(βーヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD-6) 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-(メタンスルホンアミド)エチル) ーアニリン
CD-7) N-(2ーアミノ-5-ジエチルアミノフェニルエチル)メタンスルホンアミドCD-8) N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン
CD-9) 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-メトキシエチルアニリン
CD-10) 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-エトキシエチル)アニリン
CD-11) 4ーアミノ-3-メチル-N-エチル-N-(γーヒドロキシプロピル)アニリン
上記発色現像液を任意のpH域で使用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲で用いられる。
【0258】
発色現像の処理温度は、35℃以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほど短時間の処理が可能であり好ましいが、処理液の安定性からはあまり高くない方が好ましく、37℃以上60℃以下で処理することが好ましい。
【0259】
発色現像時間は、従来一般には3分30秒程度で行われているが、本発明では40秒以内が好ましく、さらに25秒以内の範囲で行うことがさらに好ましい。
【0260】
発色現像液には、前記の発色現像主薬に加えて、既知の現像液成分化合物を添加することが出来る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イオン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、キレート剤などが用いられる。
【0261】
ハロゲン化銀写真感光材料は、発色現像後、漂白処理及び定着処理を施されることが好ましい。漂白処理は定着処理と同時に行なってもよい。定着処理の後は、通常は水洗処理が行なわれる。また、水洗処理の代替として、安定化処理を行なってもよい。本発明のハロゲン化銀写真感光材料の現像処理に用いる現像処理装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさんで搬送するローラートトランスポートタイプであっても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式なども用いることができる。大量に処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理されるのが、通常だがこの際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであり、公開技報94-16935に記載の方法が最も好ましい。
【0262】
【実施例】
実施形態に示す装置を用いて以下の実施例の感光材料で実験した。但し、B感光性層ではなく、G感光性層なので、10個の青色レーザダイオードの代わりに、1個のHe−Neレーザ光源と、このHe−Neレーザ光源からのレーザ光を10本のレーザビームに分割するビームスピリッタと、ビームスピリッタで10本に分割されたレーザビームの各々のレーザ強度を調整するAOM(音響光学素子)との組み合わせを代わりに設けて実験した。
〈実施例1〉
予めカブらされていない内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀感光材料を作製した。
《乳剤EM−P1の調製》
オセインゼラチンを含む水溶液を40℃に制御しながら、アンモニア及び硝酸銀を含む水溶液と、臭化カリウム及び塩化ナトリウム(モル比でKBr:NaCl=95:5)を含む水溶液とをコントロールダブルジェット法で同時に添加して、粒径0.30μmの立方体塩臭化銀コア乳剤を得た。その際、粒子形状として立方体が得られるようにpH及びpAgを制御した。
【0263】
得られたコア乳剤に更にアンモニア及び硝酸銀を含む水溶液と、臭化カリウム及び塩化ナトリウム(モル比でKBr:NaCl=40:60)を含む水溶液とをコントロールダブルジェット法で同時に添加して、平均粒径0.42μmとなるまでシェルを形成した。その際、粒子形状として立方体が得られるようにpH及びpAgを制御した。
【0264】
水洗を行い水溶性塩を除去した後、ゼラチンを加えてEM−P1を得た。この乳剤EM−P1の粒径分布の広さは8%であった。
《乳剤EM−P2の調製》
オセインゼラチンを含む水溶液を40℃に制御しながら、アンモニア及び硝酸銀を含む水溶液と、臭化カリウム及び塩化ナトリウム(モル比でKBr:NaCl=95:5)を含む水溶液とをコントロールダブルジェット法で同時に添加して、粒径0.18μmの立方体塩臭化銀コア乳剤を得た。その際、粒子形状として立方体が得られるようにpH及びpAgを制御した。
【0265】
得られたコア乳剤に更にアンモニア及び硝酸銀を含む水溶液と、臭化カリウム及び塩化ナトリウム(モル比でKBr:NaCl=40:60)を含む水溶液とをコントロールダブルジェット法で同時に添加して、平均粒径0.25μmとなるまでシェルを形成した。その際、粒子形状として立方体が得られるようにpH及びpAgを制御した。
【0266】
水洗を行い水溶性塩を除去した後、ゼラチンを加えてEM−P2を得た。この乳剤EM−2の粒径分布の広さは8%であった。
【0267】
乳剤EM−P1、EM−P2を塗布銀量が銀として2g/m2になるように透明な三酢酸セルロース支持体に塗布した試料の一部を、0.5秒光楔露光し、前記表面現像液Aを用いて20℃で4分現像し、他の試料の一部を同様に露光後、内部現像液Bで20℃で4分間現像した。表面現像の最大濃度は、内部現像の最大濃度の約1/12であった。EM−P1、EM−P2はともに内部潜像型のハロゲン化銀乳剤であることが確かめられた。
《緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製》
乳剤EM−P1に増感色素GS−1を加えて最適に色増感した後、T−1(4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン)を銀1モル当たり600mg添加して緑感性乳剤Em−G1を作製した。
《赤感性ハロゲン化銀の調製》
乳剤EM−P2に増感色素RS−1及びRS−2を加えて最適に色増感した他は緑感性乳剤Em−G1と同様にして赤感性乳剤Em−R1を作製した。
《赤外感光性ハロゲン化銀乳剤の調製》
乳剤EM−P2に増感色素IRS−1及びIRS−2を加えて最適に色増感した他は緑感性乳剤Em−G1と同様にして赤外感光性乳剤Em−IFR1を作成した。
【0268】
【化1】
Figure 0003744262
【0269】
《多層ハロゲン化銀感光材料試料の作製》
片面に高密度ポリエチレンを、もう一方の面にアナターゼ型酸化チタンを15重量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチレンをラミネートした、平米当たりの重量が115gのポリエチレンラミネート紙反射支持体(テーバー剛度=3.5、PY値=2.7μm)上に、上記Em−G1、Em−R1、Em−IFR1の各乳剤を用い、下記表1に示す層構成の各層を酸化チタンを含有するポリエチレン層の側に塗設し、更に裏面側にはゼラチン6.00g/m2、シリカマット剤0.65g/m2を塗設した多層ハロゲン化銀感光材料試料No.101を作製した。尚硬膜剤として、H−1、H−2を添加した。塗布助剤及び分散用助剤としては界面活性剤SU−1、SU−2、SU−3を添加し、調製した。
【0270】
SU−1:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル・ナトリウム
SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)エステル・ナトリウム
SU−3:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
H−1:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム
H−2:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン
【0271】
【表1】
Figure 0003744262
【0272】
【表2】
Figure 0003744262
【0273】
【化2】
Figure 0003744262
【0274】
SO−1:トリオクチルホスフィンオキサイド
SO−2:ジ(i-デシル)フタレート
HQ−1:2,5-ジ(t-ブチル)ハイドロキノン
HQ−2:2,5-ジ((1,1-ジメチル-4-ヘキシルオキシカルボニル)ブチル)ハイドロキノン
HQ−3:2,5-ジ-sec-ドデシルハイドロキノンと2,5-ジ-secテトラデシルハイド ロキノンと2-sec-ドデシル-5-sec-テトラデシルハイドロキノンの重量比1:1:2の混合物
T−2:1-(3-アセトアミドフェニル)-5-メルカプトテトラゾール
T−3:N-ベンジルアデニン
《処理工程》
処理工程 温度 時間
浸漬(現像液) 37℃ 12秒
カブリ露光 − 12秒
現像 37℃ 95秒
漂白定着 35℃ 45秒
安定化処理 25〜35℃ 90秒
乾燥 50〜85℃ 40秒
<発色現像液組成>
ベンジルアルコール 15.0ml
エチレングリコール 8.0ml
ジエチレングリコール 15.0ml
亜硫酸カリウム 2.5g
臭化カリウム 1.0g
炭酸カリウム 25.0g
T−1 0.1g
ヒドロキシルアミン硫酸塩 5.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム 2.0g
4−アミノ−N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩 4.5g
蛍光増白剤(4,4’−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体)1.0g
水酸化カリウム 2.0g
水を加えて全量を1000mlとし、pH10.15に調整する。
<漂白定着液組成>
ジエチレントリアミン五酢酸第2鉄アンモニウム 90.0g
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 180.0ml
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール 0.15g
炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH7.1に調整し、水を加えて全量を1000mlとする。
<安定化液組成>
o−フェニルフェノール 0.1g
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 4.0g
ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g
水酸化アンモニウム(28%水溶液) 0.7g
蛍光増白剤(4,4’−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体)1.0g
水を加えて全量を1000mlとし、水酸化アンモニウムまたは硫酸でpH7.5に調整する。
【0275】
なお、安定化処理は3槽構成の向流方式にした。
【0276】
以下にランニング処理を行う際の補充液の処方を示す。
<発色現像液補充液組成>
ベンジルアルコール 18.5ml
エチレングリコール 10.0ml
ジエチレングリコール 18.0ml
亜硫酸カリウム 2.5g
臭化カリウム 0.2g
炭酸カリウム 25.0g
T−1 0.1g
ヒドロキシルアミン硫酸塩 5.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム 2.0g
4−アミノ−N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩 5.4g
蛍光増白剤(4,4’−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体)1.0g
水酸化カリウム 2.0g
水を加えて全量を1リットルとしpH10.35に調整する。
<漂白定着補充液組成>
前記漂白定着液に同じ。
<安定液補充液組成>
前記安定液に同じ。
【0277】
尚補充量は、現像液、漂白定着液、安定液共に、感光材料1m2当たり320mlとした。
【0278】
【0279】
〈実施例2〉
次に塩化銀を高濃度に含有するネガ型ハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀感光材料を作製した。
(赤外感光性ハロゲン化銀乳剤の調製)
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ同時添加した。この時、pAgの制御は特開昭59-45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
(A液)
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて 200ml
(B液)
硝酸銀 10g
水を加えて 200ml
(C液)
塩化ナトリウム 102.7g
ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 4×10-8モル
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 2×10-5モル
臭化カリウム 1.0g
水を加えて 600ml
(D液)
硝酸銀 300g
水を加えて 600ml
添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.40μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤を得た。
【0280】
上記EMP-201に対し、下記化合物を用い55℃にて最適に化学増感を行い、赤外感光性ハロゲン化銀乳剤(Em-IR201)を得た。
【0281】
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モル AgX
塩化金酸 1.0mg/モル AgX
安定剤 T-2 3×10-4モル/モル AgX
安定剤 T-4 3×10-4モル/モル AgX
安定剤 T-5 3×10-4モル/モル AgX
増感色素 IRS-2 0.5×10-4モル/モル AgX
増感色素 IRS-3 0.5×10-4モル/モル AgX
強色増感剤 SS 2.0×10-3モル/モル AgX
T-4:1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール
T-5:1-(4-エトキシフェニル)-5-メルカプトテトラゾール
(緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
前記EMP-201に対し、下記化合物を用い55℃にて最適に化学増感を行い、緑感光性ハロゲン化銀乳剤(Em-G2101)を得た。
【0282】
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モル AgX
塩化金酸 1.0mg/モル AgX
安定剤 T-2 3×10-4モル/モル AgX
安定剤 T-4 3×10-4モル/モル AgX
安定剤 T-5 3×10-4モル/モル AgX
増感色素 GS-1 4×10-4モル/モル AgX
(赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)
前記EMP-201に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、赤感光性ハロゲン化銀乳剤(Em-R201)を得た。
【0283】
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モル AgX
塩化金酸 2.0mg/モル AgX
安定剤 T-2 3×10-4モル/モル AgX
安定剤 T-4 3×10-4モル/モル AgX
安定剤 T-5 3×10-4モル/モル AgX
増感色素 RS-3 1×10-4モル/モル AgX
増感色素 RS-4 1×10-4モル/モル AgX
強色増感剤 SS 2.0×10-3モル/モル AgX
このようにして作製したハロゲン化銀乳剤を用いて表4、5に示す構成にてハロゲン化銀感光材料No.201を作製した。
【0284】
【表3】
Figure 0003744262
【0285】
【表4】
Figure 0003744262
【0286】
【化3】
Figure 0003744262
【0287】
【化4】
Figure 0003744262
【0288】
ネガ型のハロゲン化銀乳剤を用いたため、現像処理は下記のように変更した。
【0289】
処理工程 処 理 温 度 時間 補充量
発色現像 38.0±0.3℃ 45秒 80ml
漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 120ml
安 定 化 30〜34℃ 60秒 150ml
乾 燥 60〜80℃ 30秒
現像処理液の組成を下記に示す。
発色現像液タンク液及び補充液 タンク液 補充液
純水 800ml 800ml
トリエチレンジアミン 2g 3g
ジエチレングリコール 10g 10g
臭化カリウム 0.01g −
塩化カリウム 3.5g −
亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g
N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)
-4-アミノアニリン硫酸塩 2.9g 4.8g
N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 6.8g 6.0g
トリエタノールアミン 10.0g 10.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g
蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベン
ジスルホン酸誘導体) 2.0g 2.5g
炭酸カリウム 30g 30g
水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=10.0に、補充液はpH=10. 6に調整する。
漂白定着液タンク液及び補充液
ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g
ジエチレントリアミン五酢酸 3g
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml
2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール 2.0g
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH=5.0に調整す る。
安定化液タンク液及び補充液
o-フェニルフェノール 1.0g
5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.02g
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.02g
ジエチレングリコール 1.0g
蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g
1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 1.8g
塩化ビスマス(45%水溶液) 0.65g
硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g
PVP(ポリビニルピロリドン) 1.0g
アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g
ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア水でpH=7.5に調整する。
【0290】
上記、2つの実施例で、一般に平網と呼ばれる一定の網パターンデータを、A3サイズ、A2サイズ、B2サイズそれぞれの感光材料Pの画像記録領域全域に対して、50%平網で露光して濃度ムラ、ハレーション、網ムラ及び筋ムラを確認した。
【0291】
なお、ドラム31の表面に密着させた感光材料Pの微少な浮きや密着不良、ないし光源の位置精度や垂直度等の不良や歪み等があると、平網は、その部分の網点が微妙に小さく再現されたり、かすれたり、また逆にゆがんで大きく再現されたりする為に、部分的な濃度ムラとして認識されるようになる。その為、多くの場合は濃度測定等の機器的計測を行わなくとも、目視で濃度ムラとして確認が可能な、濃度の不均一や白ヌケとして再現される。その精度は高く、数ミクロン程度の浮きがあっても、確認可能なムラとして観察できる。特にグレーの平網は、ある色のビームだけがユガミを生ずると、その色が無彩色のグレーからある色味に部分的にシフトしたり、ある色だけがスポット状に抜けたりしたように観察されるため、ひじょうに厳密に均一性を評価することが可能である。
【0292】
また、このような網点再現の不均一は、感光材料の塗布製造時の欠陥や、現像処理の際のローラー汚れ等による現像の不均一、汚染によっても発生しうるが、これらの不良は、通常、ある一定の方向性をもっており、筋状の欠損や、ムラとして確認される為、上記の露光、及び露光準備段階で発生するトラブルによる、いわゆる網ムラとは分離可能である。
Figure 0003744262
評価
濃度ムラ・網ムラ・筋ムラ
◎:ムラが発見されなかった。
○:ムラが発見されたが、何とか実用できる。
△:実用に適さない程度のムラが発生することがある。
×:実用に適さない程度のムラがある。
××:ムラが目立ち全く実用に適さない。
ハレーション
◎:ハレーションが発見されなかった。
○:ハレーションが発見されたが、何とか実用できる。
△:実用に適さない程度のハレーションが発生することがある。
×:実用に適さない程度のハレーションがある。
××:ハレーションが目立ち全く実用に適さない。
【0293】
【発明の効果】
本発明によれば、感光材料に濃度ハレーションやハレーションなどが生じることを抑制し、良好な画像を記録できる画像記録装置を提供できる。。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の斜視図である。
【図2】カバーを開いた状態の画像形成装置の斜視図である。
【図3】画像形成装置の内部構成を示す概略図である。
【図4】ロールセット部7、給紙部を示す側面図である。
【図5】主走査部、副走査部を示す平面図である。
【図6】排紙部およびアキュムレータ部を示す側面図である。
【図7】電気的構成を示すブロック図である。
【図8】給紙処理のフローチャートである。
【図9】プリント処理のフローチャートである。
【図10】排紙処理のフローチャートである。
【図11】排出処理のフローチャートである。
【図12】アイドリング運転のメインフローチャートである。
【図13】画像形成装置の作動のメインフローチャートである。
【図14】図5に示すドラム31に設けた吸引孔の配置分布を示すドラム31の周面の展開図である。
【図15】図5に示すドラム31に設けた、感光材料剥離用爪部の入り込む孔部、シール部及び吸引孔を示すドラム31の長手方向断面図である。
【図16】光学部32の光学系の一部を示す図
【図17】同時に露光されるチャンネルの照射光の中心間距離を示す図
【図18】露光光学系の第一の変形例を示す図。
【図19】露光光学系の第二の変形例を示す図。
【図20】図19の露光光学系のレーザダイオードの駆動回路を示すブロック図。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 本体
3 露光部
4 現像処理部
5 上面パネル
7 ロールセット部7
8 収納容器
9 カバー
11 液晶パネル
12 タッチパネル
20 給紙部
21 搬送手段
30 主走査部
31 ドラム
40 副走査部
50 排紙部
60 アキュムレータ部

Claims (12)

  1. ドラムと、
    前記ドラムを回転させる主走査機構と、
    感光材料のロールを感光面を外側にしてセットするロールセット部と、
    前記ロールセット部から送られた感光材料を切断し、シート状にするカッタと、
    前記カッタによりシート状に切断された感光材料をドラムに密着させるスクイズローラと、
    感光材料の先端位置を検出する先端位置センサと、
    前記ドラムの外周面上に保持された感光材料を露光する光学部と、
    前記光学部を前記ドラムの回転軸方向に移動させる副走査機構と、
    前記光学部の発光を制御する制御部と、
    を有し、
    前記ドラムを回転させながら、前記スクイズローラで感光材料を前記ドラムに密着させて巻き回した後、
    前記ドラム上に前記感光材料を保持し、前記主走査機構により前記ドラムを回転させながら、前記副走査機構により前記光学部を前記ドラムの回転軸方向に移動させつつ、デジタル画像信号に応じて前記光学部を駆動させて露光し、前記ドラム上に保持された感光材料に網点画像を記録する画像記録装置であって、
    前記制御部は、
    前記先端位置センサからの感光材料の先端位置の情報に応じて、
    網点画像が記録される感光材料が前記ドラム上に保持されている間で、前記光学部からの光を感光材料上に照射させる位置に感光材料がないと判断した時、
    前記光学部の発光を行わないように制御する、
    ことを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記画像記録時のドラムの周速が3m/秒以上である請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記画像記録時のドラムの回転速度が300rpm以上4000rpm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像記録装置。
  4. 前記ドラムが金属製であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  5. 前記ドラムの感光材料を保持する領域には、外周面から内部に貫通する吸引孔が設けられたものであり、吸引孔からの空気吸引により感光材料を前記ドラムの外周面上に保持するものであり、ドラムの表面の保持領域中に吸引孔が占める面積の割合が30%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  6. 3以上の異なる波長の光源で露光する請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  7. 前記光学部の同時に露光される隣接する露光点の中心間距離は、1μm以上1000μm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  8. 前記光学部の光源の駆動周波数が1MHz以上100MHz以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  9. 露光される感光材料のサイズが0.06平方m以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  10. 前記光学部のチャンネル数が100以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  11. 前記光学部の1チャンネル当たりの光源数(個)が0.01個以上100個以下である請求項10に記載の画像記録装置。
  12. 前記光学部の1秒当たりの記録画素数が300万画素/秒以上である請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像記録装置。
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