JP3743606B2 - 写真処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光のための光源を備えた写真処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真処理装置は、写真フィルムの画像を感光材料に焼き付けて露光を行なうための光源を有している。この露光処理を行なうために用いられる光源は、露光処理のために所定値以上の光量が必要であるため、例えばハロゲンランプが採用されている。
【0003】
また、この露光処理を行なうために用いられる光源は、上述したような所定値以上の光量と共に、高い熱量をも有することとなるので、この熱量によって、光源自身の温度が高くなって光源の寿命が短くなったり、光源の周囲に位置する他の要素の温度を上昇させる等の影響を及ぼすことがある。
【0004】
そこで、光源と光学レンズとの組合せにより写真フィルムの画像を光学的に焼き付けるという、いわゆるアナログ露光方式を採用した従来の写真処理装置では、光源を収めたランプハウスを装置本体外に配置し、ランプハウスに設けられたファン等を用いて光源を強制冷却するような構成にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年のデジタル技術およびこれに付随するデジタル用デバイスの発達に伴うデジタル露光方式の採用により一つの問題が生じてきた。
【0006】
それは、デジタル露光方式を採用した写真処理装置は、デジタル用デバイスと光源とが一体的にユニット化されて装置本体内に配置される構成であるため、構造上、従来のアナログ露光方式のような冷却方法を採用できないという問題である。
【0007】
この問題の対策としては、光源に接続されるダクトを設け、このダクトの吸い込み口を装置本体の外装カバーに形成された通気孔に接続し、装置本体外の空気をダクトを介して吸い込み、この吸い込んだ空気により光源を冷却する構成が考えられるが、かかる場合、光源の光路上に外部からの光が侵入して感光材料が不要に感光するのを防止すべく、装置本体の外装カバーに遮光を施す必要が生じ、特に、外装カバーが扉である場合は、構造が複雑となるばかりでなく、製造コストが悪化する。
【0008】
そこで、本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、光源を装置本体内に配置した場合において、光源の冷却に係る構成を簡素化すると共に、光源の光路上への外部からの光の侵入して、感光材料が不要に感光するのを防止することができる写真処理装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明に係る写真処理装置は、デジタル露光のためのデジタル用デバイスと光源155とが一体的にユニット化されて装置本体1内に配置される写真処理装置であって、該ユニット14は、光源155を収めるランプハウス156を備えると共に、該ランプハウス156の一部に、装置本体1内に面する開口部が形成され、さらに、該開口部から装置本体1内の空気をランプハウス156内に吸い込むための吸気手段が設けられ、前記吸気手段が、前記開口部とは異なるランプハウス156の位置に形成された開口部に一端が接続されるダクト161と、該ダクト161の他端に接続される排気ファン162とからなり、前記ダクト161は、前記排気ファン162と分離可能に構成され、前記ユニット14は、装置本体1から引き出し可能に構成されてなることを特徴とする。
【0010】
上記構成からなる写真処理装置によれば、吸気手段が作動することで、装置本体1内の空気が開口部を介してランプハウス156内に吸い込まれ、この吸い込まれた空気が内部の光源を冷却するのである。また、かかる構成からなる写真処理装置によれば、排気ファン162が作動することで、装置本体1内の空気が、開口部からランプハウス156内に吸い込まれ、光源を冷却した後、異なる位置にある開口部からダクト161を通って排気されるものである。
【0011】
また、本発明に係る写真処理装置は、請求項2記載の如く、前記開口部からランプハウス156内に不要な光が侵入するのを防止すべく、該ランプハウス156内に、遮光機構が設けられてなる構成を採用するのがより好ましい。
かかる構成からなる写真処理装置によれば、装置本体1の扉を開けた場合であっても、外光が開口部を介してランプハウス156内に侵入することはなくなり、従って、光源の光路上への外部からの光の侵入して、感光材料が不要に感光するのを防止することができる。
【0012】
さらに、本発明に係る写真処理装置は、請求項3記載の如く、前記遮光機構が、交互に位相が異なるように連設された少なくとも二以上の遮光板180,…からなるラビリンス構成を採用することができる。
かかる構成からなる写真処理装置によれば、開口部を介してランプハウス156内に侵入しようとする光は、何れかの遮光板180に当たって、内部への侵入が規制される一方、光源155を冷却するために吸い込まれた空気は、遮光板180間を通って、内部への流通が許容されるのである。また、遮光機構をこのような構成とすることで、安価且つ簡潔な構成にすることができる。
【0013】
また、本発明に係る写真処理装置は、請求項4記載の如く、前記開口部に、エアフィルタ168が配されてなる構成を採用することが好ましい。
かかる構成からなる写真処理装置によれば、ランプハウス156内に空気が吸い込まれる際に、空気に含まれる塵、埃、紙粉等が捕捉され、光路上にこれらが浮遊して陰影が感光材料上に写ることによるプリント品質の低下を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る写真処理装置の一実施形態を図面を参酌しつつ説明するが、これに先立ち、本実施形態に係る写真処理装置の概略構成を説明する。
【0016】
図1に示す如く、装置本体1の上面の一端側には、感光材料Pをロール状にして収容し、感光材料Pを装置本体1内に供給するための二つのマガジン3(3a,3b)が載置されている。それぞれのマガジン3は、二分割されて開閉自在な略立方形状(箱型)をなし、その角部近傍には、感光材料Pの送り出しのための排出口4(4a,4b)が形成されている。
【0017】
一方、二つのマガジン3a,3bが載置される装置本体1の上面は、段差状に形成され、第一のマガジン3aは、排出口4aを装置本体1の上面と対向させて上段面に載置され、第二のマガジン3bは、排出口4bを段差部の壁面と対向させて下段面に載置されている。上段面と壁面とが略直交し、壁面と下段面とが略直交しているため、第二のマガジン3bは、第一のマガジン3aに対して90度回転し、それぞれの感光材料Pの排出方向は、互いに略直交した関係にある。
【0018】
また、装置本体1の上面であって、それぞれのマガジン3の排出口4に対応する位置には、マガジン3の排出口4から外部に送り出された感光材料Pを装置本体1内に受け入れるための受入口5(5a,5b)が形成されている。
【0019】
そして、装置本体1内には、二つの受入口5(5a,5b)に臨み、それぞれのマガジン3から受け取った感光材料Pを下方向に搬送する縦長の第一搬送ユニット7が配置されている。第一搬送ユニット7は、二つの感光材料P,Pの何れか一方を選択して下流側に送り出すための選択機構8と、選択された一方の感光材料Pを所定長さに切断するカッター機構9と、該カッター機構9より下流側に間隔を有して複数配置されたローラー10,…とを備えている。
【0020】
また、第一搬送ユニット7の下流位置には、該第一搬送ユニット7から受け取った感光材料Pを露光処理する露光処理ユニット11が配置されている。露光処理ユニット11は、第一搬送ユニット7から受け取った感光材料Pを所定速度で搬送させ、あるいは所定位置に位置決めさせるための露光台13と、デジタル化された写真フィルムの画像データに基づいて露光台13上の感光材料Pに走査光を照射する走査露光ユニット(単に、露光ユニットともいう)14とを備えている。
【0021】
さらに、露光台13の下流位置には、該露光台13から受け取った感光材料Pを装置本体1の下方位置から搬送方向を上方に転換して搬送するための搬送ユニットが配置されている。この搬送ユニットは、搬送経路の上流側から順番に、第二搬送ユニット16、第三搬送ユニット17、第四搬送ユニット18で構成されている。
【0022】
第二搬送ユニット16は、露光台13から下方に送り出された感光材料Pを装置本体1の下部近傍に沿って水平方向に搬送した後、搬送方向を転換して上方に搬送するためのものであり、第三搬送ユニット17は、第二搬送ユニット16から上方に送り出された感光材料Pを左右に振り分けて上方に搬送するためのものであり、第四搬送ユニット18は、第三搬送ユニット17から上方に送り出された感光材料Pを上方に搬送した後、搬送方向を転換して水平方向に搬送するためのものであり、それぞれ搬送のための複数のローラーを備えている。
【0023】
ここで、装置本体1は、長手方向(横方向)の略中央部位にて立設された平板状の仕切りフレーム1bにより、上流側のプリンタ部(露光処理部)Aと、下流側のプロセッサ部(現像処理部)Bとに分けられており、第二搬送ユニット16は、プリンタ部Aの下部フレーム1cに沿って配置され、第三搬送ユニット17および第四搬送ユニット18は、仕切りフレーム1bに沿って配置された態様となっている。
【0024】
次に、装置本体1のプロセッサ部B内には、第四搬送ユニット18から送り出された感光材料Pの現像処理を行なう現像処理ユニット20が配置されている。現像処理ユニット20は、発色液、定着液、安定液等の現像処理に必要な処理液を蓄えた複数の処理タンク21, …と、それぞれの処理タンク21に挿入され、上下方向に配置された複数の送りローラー22(図中は一部のみの図示)を備えた液中ラック(図示せず)と、隣同士の処理タンク21,21の上方開口部を跨ぐように配置された送りローラー23を備えたオーバーラック(図示せず)とで構成されている。
【0025】
そして、プロセッサ部Bの下流側には、現像処理を終えた感光材料Pに付着した余分な処理液を飛ばして感光材料Pを乾燥処理する乾燥ユニット25が配置されている。乾燥ユニット25は、搬送経路上の感光材料Pに熱風を送給するヒーター(図示せず)と、乾燥された感光材料Pを外部に排出する排出ローラー26とを備えている。
【0026】
本実施形態に係る写真処理装置の概略構成は以上の如くであり、次に、本発明の特徴部分である露光処理ユニット11について詳細に説明する。
【0027】
本実施形態に係る露光処理ユニット11は、DMDを用いて走査露光を行なうデジタル露光手段である。露光処理ユニット11は、上述の如く、走査露光に係る感光材料Pの搬送を行なう露光台13と、露光台13上の感光材料Pに対して走査光を照射する走査露光ユニット14とを備えている。そして、これらは、装置本体1の下部フレーム1c上に配置された支持体12に取付けられている。
【0028】
支持体12は、図2及び図3に示す如く、装置本体1の下部フレーム1cの上方に配置された平板状の第一基台120と、該第一基台120の上方に配置された平板状の第二基台121と、該第二基台121の上方に配置され、露光台13および走査露光ユニット14を取付けるための取付台122とからなる。また、取付台122は、第二基台121の上方に配置された平板状の基準取付台123と、該基準取付台123の上面に立設された露光台取付台124とからなる。これらの第一基台120、第二基台121、基準取付台123は、互いに所定間隔を有し、且つ、装置本体1の下部フレーム1c(水平面)と略平行になるように設定されている。
【0029】
第一基台120は、方形状の鋼板の四辺を下方に約90度折り曲げて形成した偏平箱状の鈑金物で、平行配置された二本のスライドレール125,125によって装置本体1から感光材料Pの搬送経路の幅方向に引き出し可能に構成されている。すなわち、装置本体1の下部フレーム1cには、長手方向を搬送経路の幅方向に一致させて二本の長尺な第一固定レール126,126が固着して取付けられる一方、第一基台120の側面には、第一固定レール126,126の形状および設置位置に対応した二本の長尺な第二固定レール128,128が固着して取付けられ、さらに、第一固定レール126の内面と第二固定レール128の内面とに沿うように長尺な中間レール127が嵌装されており、第一固定レール126に沿って中間レール127および第二固定レール128をスライドさせることにより、第一基台120が装置本体1の内外にスライドし得るように構成されている。
【0030】
第二基台121は、方形状の鋼板の四辺を下方に約90度折り曲げて形成した偏平箱状の鈑金物で、第一基台120の四隅から上方に突出するボルト130およびこれに螺着される二つのナット131,131によって、第一基台120に間隔を有して固定されている。具体的には、第二基台121の所定位置には、ボルト130を挿通可能な孔が形成されており、ボルト130に螺着された二つのナット131,131を第二基台121を挟み込むように締結することで、第二基台121は第一基台120に固定される。
【0031】
また、それぞれのボルト130に対するナット131,131の締結位置を調整することで、装置本体1の下部フレーム1cに対する第二基台121の傾きを調整でき、且つ、第二基台121に形成されたボルト挿通用の孔は、ボルト130の径よりも大きな径をもって形成されており、第二基台121を水平方向(特に、感光材料Pの搬送経路の幅方向)に微小移動させることができる。
【0032】
基準取付台123は、撓み変形のない程度の厚みを有する鋼板からなり、第二基台121の上面に取付られた、例えば硬質ゴムからなる防振材134上に載置されている。この防振材134は、第二基台121の上面の適宜位置、例えば第二基台121の四隅位置に配置されており、基準取付台123と第二基台121との間に防振材134を介装することによって、基準取付台123は、第二基台121と間隔を有して平行に配置される。
【0033】
また、基準取付台123の上面には、偏平円柱状に形成された金属性のパッド(図示しない)が、間隔を有して適宜位置に複数配設されており、これらの複数のパッドの上面が、一つの平面(第一基準面)を形成している。しかも、基準取付台123の上面には、パッドの上面(第一基準面)よりも上方に突出する円柱状の位置決めピン135が、感光材料Pの搬送方向の幅方向に二箇所設けられている。
【0034】
露光台取付台124は、装置本体1の奥側(搬送される感光材料Pの一側端縁側)に位置する左側プレート136と、装置本体1の手前側(搬送される感光材料Pの他側端縁側)に位置する右側プレート137とを備えている。
【0035】
左側プレート136は、所定の厚みを有するアルミ板を略直角三角形状に加工したもので、その板面を基準取付台123の奥側端縁に沿わせた状態で、短辺に係る端面136aを基準取付台123の上面に固定することにより、端面136aと直交する端面136bは、第一基準面と直交するようになっている。
【0036】
右側プレート137は、所定の厚みを有するアルミ板を略長方形状に加工したもので、その板面を基準取付台123の奥側端縁に平行、即ち左側プレート136の板面と平行にした状態で、短辺に係る端面137aを基準取付台123の上面に固定することにより、端面137aと直交する端面137bは、左側プレート136の端面136bと同一平面状にあり、且つ、第一基準面と直交するようになっている。
【0037】
従って、左側プレート136の端面136bと右側プレート137の端面137bとが、第一基準面と直交する一つの面(第二基準面)を形成している。
【0038】
露光台13は、複数のローラーを備え、第一搬送ユニット7と第二搬送ユニット16との間に介装される搬送ユニットである。この露光台13は、横長の箱型形状を有しており、露光台13の四隅箇所に挿通された四本のボルト141,…を左側プレート136の端面136b若しくは右側プレート137の端面137bに穿設された雌ネジにそれぞれ締結することで、露光台取付台124に固定されている。この時、露光台13の平面長方形状を有する取付面140は、左側プレート136の端面136bおよび右側プレート137の端面137bに当接した状態となっている。
【0039】
また、左側プレート136の端面136bの中央部位には、円柱状の支持ピン143が、一部を端面136bから臨出させて嵌入される一方、露光台13の取付面140の対応位置には、支持ピン143を嵌入可能な円孔が穿設されている。従って、露光台13は、この支持ピン143を中心として露光台取付台124の第二基準面に沿って回転可能となっている。
【0040】
しかも、右側プレート137の端面137bの下方部位には、係止体として、端面137bに沿って回転可能な円柱状の偏心カム144が設けられ、この偏心カム144の周面が露光台13の取付面140の下端(外縁)に接触するようになっているので、偏心カム144を回転調整したならば、支持ピン143を中心として露光台13を微小回転させることができる。尚、本実施形態では、係止体として偏芯カム144を用いたが、ネジ等を用いて高さを調整する通常の機構を採用しても同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、露光台13内に設けられたローラーは、所定間隔を有して上下方向に配置され且つ互いの軸芯を通る面が取付面140と平行に配置された一対のアドバンスローラー146,146と、それぞれのアドバンスローラー146に圧着される二本の圧着ローラー147,147とからなる。従って、第一搬送ユニット7から送り出されて露光台13内に送り込まれた感光材料Pは、まず、上方のアドバンスローラー146とこれに圧着される二本の圧着ローラー147,147に保持され、しかる後、下方のアドバンスローラー146とこれに圧着される二本の圧着ローラー147,147にも保持された状態で搬送される。
【0042】
尚、第一搬送ユニット7から露光台13への感光材料Pの先端の移行、あるいは露光台13から第二搬送ユニット16への感光材料Pの先端の移行を円滑且つ確実にすべく、第一搬送ユニット7の出口部、露光台13の入口部および出口部、そして第二搬送ユニット16の入口部には、二枚の板体が対向配置されて先端側がテーパ状に拡開されたガイド体149が配置されている。
【0043】
ここで、走査露光ユニット14からの走査光Qは、二つのアドバンスローラー146,146間に照射されるように設定されており、二つのアドバンスローラー146,146間に位置する横長のスリット状領域が走査露光領域となる。また、走査露光中における感光材料Pの紙面直交方向での浮き上がりによってプリント品質が低下するのを防止すべく、二つのアドバンスローラー146,146間には、搬送経路に沿って多孔の背面板150が配置されており、背面板150の裏面側から多孔を介して表面側の空気を吸引することで、感光材料Pを背面板150に吸着させながら搬送させるようにしている。
【0044】
走査露光ユニット14は、光源としてのハロゲンランプ155を収容するランプハウス156と、ハロゲンランプ155の照射光を露光台13の走査露光領域に導くための光学系を収容する光学ボックス157とを備えている。
【0045】
光学ボックス157は、平面視にて基準取付台123と略同一形状の箱型に形成され、その下面が基準取付台123の第一基準面と当接して、基準取付台123上に載置されている。しかも、光学ボックス157の下面には、基準取付台123の上面に突設された二本の位置決めピン135,135が嵌入し得る孔が穿設されており、ピン135を孔の中に嵌入させて光学ボックス157を基準取付台123に取付けることで、光学ボックス157は、基準取付台123の正規位置に位置決め固定される。
【0046】
また、光学ボックス157の内部であって、ハロゲンランプ155から照射される光の光軸上には、反射ミラー、レンズ、DMD等の光学部品が配置されており、光学ボックス157の側面であって露光台13との対向位置には、走査光を外部に投光させるためのスリットが横長に形成されている。
【0047】
さらに、ランプハウス156には、ハロゲンランプ155の熱損傷を防止すべく、冷却装置が設けられている。この冷却装置は、感光材料Pの搬送経路の幅方向に沿って基準取付台123上に配設された角パイプ状のダクト161と、正面フレーム1dの開口部1eに連通し、該正面フレーム1dの裏面側に配置される排気手段としての排気ファン162とを備えている。そして、ダクト161は、ランプハウス156の側面に形成された方形状の開口部160に一端が接続されると共に、支持体12を装置本体1内に収容した際に、装置本体1の奥側に位置する正面フレーム1dに形成された方形状の開口部1eに他端が接続される。
【0048】
従って、走査露光ユニット14が搭載された支持体12を装置本体1内に収容した状態にあっては、ダクト161の両端がランプハウス156の開口部160と正面フレーム1dの開口部1eとに接続され、ランプハウス156の内部と排気ファン162とがダクト161を介して連通状態となるので、排気ファン162を運転させることで、ランプハウス156内の空気(ハロゲンランプ155の放熱により温められた空気)を排出することができる。
【0049】
ここで、ランプハウス156は、光学ボックス157内への迷光の侵入を防止すると共に、収容されたハロゲンランプ155の強制冷却を行なうためのものであり、図4に示す如く、光学ボックス157の側面に設けられたハロゲンランプ装着体165と、該ハロゲンランプ装着体165に着脱自在に取付けられる略直方体形状の通風ガイド体166と、該通風ガイド体166に着脱自在に取付けられる略直方体形状の遮光体167と、該遮光体167の開放端に挿着されるエアフィルタ168と、該エアフィルタ168を挿入した状態で遮光体167の開放端に被せられるカバー体169とからなる。
【0050】
ハロゲンランプ装着体165には、ハロゲン球(図示せず)を光学ボックス157内に挿入させた状態でリフレクタ170が取付けられており、ハロゲンランプ装着体165から外側には、リフレクタ170およびハロゲンランプ155の封止部171が臨出した格好となる。
【0051】
通風ガイド体166は、ハロゲンランプ155を囲うようにしてハロゲンランプ装着体165に取付けられる箱体であり、一の側面(装置本体1の奥側の側面)の下方位置には、ダクト161の一端が接続される開口部160が形成されると共に、遮光体167と対向する面の上方位置にも開口部173が形成されている。また、通風ガイド体166内には、二枚のガイド板174,174が対向配置されており、この二枚のガイド板174,174等によって開口部173から開口部160を結ぶ一つの流路が形成されている。具体的には、通風ガイド体166のうちの遮光体167と対向する面の裏面側に、二枚のガイド板174,174が裏面と直交するように固着されており、遮光体167と対向する面および二枚のガイド板174,174によって断面視略コの字状の流路が形成される。この流路の開放端は、ハロゲンランプ装着体165に通風ガイド体166を取付けた状態にて、ハロゲンランプ装着体165の通風ガイド体166と対向する面にて閉塞される。従って、流路は外周が囲まれたダクト状となる。
【0052】
二枚のガイド板174,174の先端部は、図5に示す如く、リフレクタ170の基端部および封止部171を挟み込む配置となっており(流路を構成するダクトの吹き出し側開口端に、リフレクタ170の基端部および封止部171を配置するようになっており)、二枚のガイド板174,174間を流通する空気をリフレクタ170の基端部および封止部171に吹き付けるようにしている。
【0053】
尚、二枚のガイド板174,174は、該二枚のガイド板174,174から吹き出される空気を下流側の開口部160側に誘導すべく、それぞれの先端部が開口部160側に屈曲されており、また、二枚のガイド板174,174とリフレクタ170の外周曲面との干渉を防止すべく、それぞれの先端部の該当箇所がリフレクタ170の外周曲面に沿って(本実施形態では斜め)角取りされている。
【0054】
遮光体167は、通風ガイド体166に形成された開口部173を囲うようにして該通風ガイド体166に取付けられる筒状の箱体であり、遮光体167の他端から侵入した光が通風ガイド体166に形成された開口部173を介して光学ボックス157内に侵入しないよう、遮光体167内には、遮光機構としての複数の遮光板180,…が配置されている。本実施形態においては、外側から通風ガイド体166にかけて、上方が開口された第一の遮光板180a、下方が開口された第二の遮光板180bの二枚の遮光板180が順番に並んで配置されている。また、それぞれ遮光板180の先端は、隣の遮光板180の先端を越して基端側に進入する長さに形成されており、遮光体167内を光が直進できない(遮光体167内を光が進めない)ようになっている。
【0055】
尚、遮光体167の通風ガイド体166側の開放端は、板体によって閉塞されており、この板体には、通風ガイド体166に遮光板167を取付けた状態で、開口部173と連通する開口部181が形成されている。
【0056】
エアフィルタ168は、遮光体167の断面形状と一致する直方体形状に形成されており、遮光体167の外側の開放端(開口部)から遮光板167内に挿入して遮光体167内に挿着される。そして、遮光体167に挿着されたエアフィルタ168は、遮光体167の外側の開放端に外嵌されたカバー体169によって抜け防止がなされる。
【0057】
本実施形態に係る露光処理ユニット11の詳細構成は以上の如くであり、次に、露光処理ユニット11の調整方法について図3を参酌しつつ説明する。尚、露光処理ユニット11の調整は、露光台13上の走査露光領域の適正位置に走査光を照射させると共に、他の搬送ユニット(特に、第一搬送ユニット7)と露光台13の感光材料の搬送方向を一致させることを目的としている。
【0058】
まず、光学ボックス157の下面と該光学ボックス157から照射される走査光の照射方向とが平行となっていることを前提として、基準取付台123のピン135,135を光学ボックス157の下面に形成された二つの孔に嵌入させるように凹凸嵌合させて、光学ボックス157を基準取付台123上に載置する。この時、光学ボックス157の下面と基準取付台123の第一基準面とが当接しているので、光学ボックス157からの走査光の照射方向は、第一基準面と平行となる。
【0059】
次に、左側プレート136の端面136bから突設されたピン143を露光台13の取付面140の一端側中央部に穿設された円孔に嵌入させるように凹凸嵌合させて、取付面140の一端側を左側プレート136の端面136bに当接させると共に、取付面140の他端側を右側プレート137の端面137bに当接させてから、露光台13の四箇所位置に挿通されているボルト141,…をそれぞれプレート136,137の端面136b,137bに刻設された雌ネジに螺入させて、露光台13を露光台取付台124に軽く固定する。
【0060】
そして、かかる状態から、偏心カム144を回転調整して、露光台13の傾き調整を行ない、走査光の走査方向とローラーの軸長方向とを平行、すなわち、走査光の走査方向と露光台における感光材料Pの搬送方向とを直交させた後、四本のボルト141,…を締結して、露光台13を露光台取付台124にしっかりと固定する。
【0061】
以上より、基準取付台123の上面(第一基準面)に光学ボックス157(走査露光ユニット14を載置すると共に、露光台取付台124の端面136b,137b(第二基準面)に露光台13を取付けて、偏芯カム144を用いて露光台13の傾き調整を行なうのみで、走査露光ユニット14と露光台13との適正な位置関係を出すことができ、従って、露光台13の走査露光領域に適正な走査光が照射されることとなる。
【0062】
次に、ボルト130に締結されたナット131を緩めた後、ボルト130に対するナット131の螺着位置を変更すると共に、基準取付台123を水平方向に微小移動させ、露光台13のローラーの軸長方向と第一搬送ユニット7のローラーの軸長方向とを平行にして、第一搬送ユニット7における感光材料Pの搬送方向と露光台13における感光材料の搬送方向を一致させた後、ナット131,…を締結して、基準取付台123(第二基台121)を第一基台120に固定する。
【0063】
以上により、基準取付台123の傾き調整および水平方向における位置調整を行なうのみで、走査露光ユニット14と装置本体1(他の搬送ユニット)との関係、および、露光台13と装置本体1(他の搬送ユニット)との関係を同時に出すことができ、従って、露光台13上の感光材料に走査露光された複数の点像がきれいに重なった、正しいプリント画像を得ることができる。
【0064】
本実施形態に係る露光処理ユニット11の調整方法は以上の如くであり、本実施形態に係る露光処理ユニット11によれば、走査露光ユニット14は、基準取付台123に載置するだけで基準取付台123に位置決めされ、露光台13は、露光台取付台124に取り付けて偏芯カム144を回転調整するだけで露光台取付台124に位置決めされるので、走査露光ユニット14および露光台13の何れかを一旦取り外した後、再度取付けるような場合であっても、偏芯カム144を触らない限り、両者の関係は維持されたままなので、再度の調整作業は不要である。
【0065】
また、走査露光ユニット14および露光台13は、一つの部材(基準取付台123および露光台取付台124からなる取付台122)に一体的に取り付けられているので、走査露光ユニット14および露光台13の相対関係を維持しつつ、装置本体1(他の搬送ユニット)に対する調整作業を行なうことができる。しかも、走査露光ユニット14および露光台13の何れかを修理、補修、交換等で一旦取り外した後、再度取付けるような場合であっても、ナット131,…および偏芯カム144を触らない限り、両者と装置本体1(他の搬送ユニット)との関係は維持されたままなので、両者と装置本体1との再度の調整作業は不要である。
【0066】
次に、ハロゲンランプ155を強制冷却するための冷却装置の動作態様について図4を参酌しつつ説明する。
【0067】
露光処理ユニット11が装置本体1内に収容された状態では、排気ファン162とランプハウス156とがダクト161を介して連通しており、排気ファン162を運転することで、ランプハウス156内は負圧状態となる。
【0068】
すると、装置本体1内の空気は、エアフィルタ168を介してランプハウス156内に吸い込まれる。吸い込まれた空気は、エアフィルタ168にて塵、埃、紙粉等が除去され、まず、遮光体167内の遮光板180,…間を曲折しながら流通する。
【0069】
そして、遮光体167の開口部181を出た空気は、開口部173から通風ガイド体166内に流通する。そこで、空気は、二枚のガイド板174,174間を通って通風ガイド体166の側面下方位置に形成された開口部160に導かれる。この時、流路上に介在するリフレクタ170の基端部および封止部171は、流通する空気に晒されて強制冷却されることとなる。しかる後、ハロゲンランプ155を冷却した空気は、ダクト161内を流通してから装置本体1の外部に排気されることとなる。
【0070】
以上、ランプハウス156内における空気の流通により、ハロゲンランプ155全体が冷却されるのはもちろん、特に熱損傷を受けやすい封止部171が好適に冷却されて、ハロゲンランプ155の長寿命化を図ることができる。
【0071】
しかも、ランプハウス156内に、複数の遮光板180,…からなるラビリンス構造を採用することで、ハロゲンランプ155の冷却用空気の流通を阻害することなく、光の侵入を規制することができるため、光学ボックス157内へ侵入した迷光によって感光材料Pが不用意に感光するのを防止することができる。
【0072】
尚、本発明に係る写真処理装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
【0073】
例えば、本発明は、上記実施形態の如く、DMDをデジタル用デバイスに採用するものに限られず、また、従来技術で列挙したものに限られず、公知となっているデジタル用デバイス全てを含むものである。
【0074】
また、露光方式としては、走査露光方式に限定されず、また、走査露光方式であったとしても、感光材料Pが停止している状態で走査露光を行なう方式、露光ユニット側が移動して走査露光を行なう方式であってもよい。
【0075】
さらに、デジタル露光に係るデジタル画像データは、写真フィルムの画像から採取する場合にのみ限定されるものではなく、例えばコンピューター上にて作成した画像であってもよく、デジタルカメラで撮影した画像であってもよく、スキャナー装置にて読込可能な印刷物の画像であってもよい。
【0076】
また、取付台の位置調整(特に、傾き調整)を行なう構成、露光台の傾き調整を行なう構成は、上記実施形態に限定されず、露光ユニットおよび露光台を位置決めする構成も、上記実施形態に限定されない。
【0077】
そして、排気手段としての排気ファン162をランプハウス156に直接設けると、排気ファン162の振動が、走査露光ユニット14や露光台13に伝わるおそれがあるので、上記実施形態のようにすればよい。すなわち、上記実施形態では、振動発生源となり得る排気ファン162を支持台12(取付台122)から離間せしめ、この排気ファン162とダクト161との間に防振材を介装すると共に、ダクト161とランプハウス156との間にも防振材を介装して、排気ファン162の振動をランプハウス156に伝えないようにしているのである。
【0078】
また、上記実施形態においては、二枚の遮光板180a,180bを、遮光体167の通気方向に対して位相をずらして配置しているが、要は、通気を可能にして且つ遮光を可能にするようになっていれば、本発明の意図するところであり、従って、遮光板180を三枚以上設ける場合でもよい。
【0079】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係る写真処理装置は、装置本体内に配された光源を収めるランプハウスが設けられると共に、ランプハウスの一部に、装置本体内に面する開口部が形成され、さらに、該開口部から装置本体内の空気をランプハウス内に吸い込むための吸気手段が設けられているため、光源の冷却に係る構成を簡素化することができ、製造コストを低減することができる。しかも、ランプハウスは、装置本体とは直接に接続されていないので、ランプハウスの取外し、ひいては光源の取外し作業を簡潔に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す写真処理装置の概略側面図。
【図2】同実施形態の露光処理ユニットの外観斜視図。
【図3】同実施形態の露光処理ユニット近傍の側面図。
【図4】同実施形態のランプハウスの分解斜視図。
【図5】同実施形態のランプハウスの通風ガイド体を示し、(イ)は、要部側面図、(ロ)は、(イ)のA矢視図。
【符号の説明】
1…装置本体、3…マガジン、7…第一搬送ユニット、11…露光処理ユニット、13…露光台、14…走査露光ユニット、20…現像処理ユニット、122…取付台、123…基準取付台、124…露光台取付台、130…ボルト、131…ナット、134…防振材、135…位置決めピン、136…左側プレート、136b…端面、137…右側プレート、137b…端面、143…支持ピン、144…偏心カム、146…アドバンスローラー、155…ハロゲンランプ、156…ランプハウス、157…光学ボックス、165…ハロゲンランプ装着体、166…通風ガイド体、167…遮光体、168…エアフィルタ、169…カバー体、P…感光材料
Claims (4)
- デジタル露光のためのデジタル用デバイスと光源(155)とが一体的にユニット化されて装置本体(1)内に配置される写真処理装置であって、該ユニット(14)は、光源(155)を収めるランプハウス(156)を備えると共に、該ランプハウス(156)の一部に、装置本体(1)内に面する開口部が形成され、さらに、該開口部から装置本体(1)内の空気をランプハウス(156)内に吸い込むための吸気手段が設けられ、前記吸気手段が、前記開口部とは異なるランプハウス(156)の位置に形成された開口部に一端が接続されるダクト(161)と、該ダクト(161)の他端に接続される排気ファン(162)とからなり、前記ダクト(161)は、前記排気ファン(162)と分離可能に構成され、前記ユニット(14)は、装置本体(1)から引き出し可能に構成されてなることを特徴とする写真処理装置。
- 前記開口部からランプハウス(156)内に不要な光が侵入するのを防止すべく、該ランプハウス(156)内に、遮光機構が設けられてなる請求項1記載の写真処理装置。
- 前記遮光機構が、交互に位相が異なるように連設された少なくとも二以上の遮光板(180,…)からなる請求項2記載の写真処理装置。
- 前記開口部に、エアフィルタ(168)が配されてなる請求項1乃至3の何れかに記載の写真処理装置。
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Family Applications (1)
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JP30544299A Expired - Lifetime JP3743606B2 (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | 写真処理装置 |
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-
1999
- 1999-10-27 JP JP30544299A patent/JP3743606B2/ja not_active Expired - Lifetime
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