JP3742614B2 - 給紙カセット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタや複写機、ファクシミリ等に設けられる給紙装置が備える給紙カセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近来、プリンタや複写機、ファクシミリ等が小型化され、装置本体の長さが、給紙される用紙の長さよりも短いものがある。そのような装置に設けられる給紙装置には、用紙が短い場合には給紙カセットを装置本体に入れ込んだ状態で使用し、用紙が長い場合のみ装置本体から給紙カセットを突出させて使用できるように、伸縮可能な給紙カセットが備えられたものがある。
【0003】
伸縮可能な給紙カセットの例としては、実開平7−12346号公報記載の用紙カセットがある。この用紙カセットは、用紙の前端側を支持する前フレームと後端側を支持する後フレームとにより構成されている。また、後フレームは、前フレームに対して用紙の長さ方向に移動自在であり、一方のフレームに形成されたバネ性を有する係合爪と他方のフレームに形成された係合孔との係合により前フレームに対して位置決めされる。このような構造によって、用紙カセットは用紙の長さに応じて伸縮可能となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実開平7−12346号公報記載の用紙カセットには、決定した長さでロックする機構が備えられていないので、不測の事象により前フレームと後フレームとが位置ズレしてしまう可能性があり、場合によっては前フレームから後フレームが外れて落下するという不都合も考えられる。
【0005】
したがって、伸縮自在な給紙カセットには、メインカセットとスライドカセットとを所定の長さでロックする機構が備えられていることが望ましい。
【0006】
ロック機構を備える伸縮可能な給紙カセットとしては、特開平9−110191号公報記載の給紙カセットがあり、この給紙カセットが備えるロック機構は、ロックレバーと係止用ボスとにより構成されている。しかし、このロック機構は、操作方法を外観から直感的に判断することが困難であり、このため不慣れなユーザは、操作の際に説明書き等を参照しなければならない。
【0007】
本発明は、伸縮自在であって所定長さでロックする機構を有し、且つ、ロック機構の操作方法が判り易い給紙カセットを得ることを目的とする。
【0008】
また本発明は、ロック機構の存在を一目で確認できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の給紙カセットの発明は、積載される用紙の前端部を支持するメインカセットと、用紙の後端部を支持し、積載される用紙の長さ方向に沿って前記メインカセットに対してスライド自在であるスライドカセットと、前記メインカセットと前記スライドカセットとが重なりあう部分で設定された複数箇所のロック位置と、前記スライドカセットにおけるロック位置に形成された溝と、ピン状部材を前記溝に嵌合させることにより前記メインカセットと前記スライドカセットとをロック位置で固定するロック機構と、を備え、前記ロック機構は、前記溝と前記ピン状部材とを前記メインカセット及び前記スライドカセットの上面に位置付ける。
【0010】
したがって、ロック機構は、溝にピン状部材を嵌合させる簡易なロック機構であるため、外見から操作方法が容易に判断される。また、ロック機構の所在の確認が容易である。
【0011】
請求項2記載の発明は、積載される用紙の前端部を支持するメインカセットと、用紙の後端部を支持し、積載される用紙の長さ方向に沿って前記メインカセットに対してスライド自在であるスライドカセットと、前記メインカセットと前記スライドカセットとが重なりあう部分で設定された複数箇所のロック位置と、前記スライドカセットにおけるロック位置に形成された溝と、ピン状部材を前記溝に嵌合させることにより前記メインカセットと前記スライドカセットとをロック位置で固定するロック機構と、を備え、前記メインカセットの外側で前記スライドカセットがスライドし、前記ピン状部材が前記メインカセット側に設けられている。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の給紙カセットにおいて、前記ロック機構は、手動操作によって前記ピン状部材を前記溝に嵌合させる構造を有する。
【0014】
したがって、手動操作によりピン状部材を溝に容易に嵌合させ得る。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の給紙カセットの実施の一形態について、図1〜図5に基づいて説明する。まず、図1は、本実施の形態の給紙カセット1を備える給紙部2が設けられた画像形成装置3を示す縦断左側面図である。したがって、図1における右側が画像形成装置3及び給紙カセット1の正面側である。
【0016】
画像形成装置3は、装置本体4内に感光体5を備え、この感光体5の周囲に、現像部6やクリーニング部7を有している。また、装置本体4内後方には、感光体5に静電潜像を書き込む光学装置8が備えられており、光学装置8の上方には、電源9やコントローラ基板10が配置されている。
【0017】
給紙部2は、装置本体4の下に配置されて引き出し自在な給紙カセット1と、装置本体4の下方前端部に設けられたピックアップローラ11とからなる。給紙カセット1の前端部には、ピックアップローラ11に圧接する分離パッド12が設けられている。また、給紙カセット1内には、用紙の前端部をピックアップローラ11に押し付ける回転上昇板13が設けられている。
【0018】
給紙カセット1を図2〜図5に示す。ここで、図2及び図3では、図1で示した回転上昇板13を省略している。本実施の形態の給紙カセット1は、用紙のサイズによって長短二種類の長さに調節できるものであって、図1で示した給紙カセット1は長い用紙が収納された状態である。
【0019】
図2は、長い用紙を収納できる長さに伸ばされた給紙カセット1を示す斜視図であり、図3は、比較的小サイズの用紙を収納する場合の長さに縮められた給紙カセット1を示す斜視図である。ここで、給紙カセット1は、図2に示すような伸ばされた状態では、図1に示すように画像形成装置3の後端から突き出るが、図3に示すような縮められた状態では画像形成装置3の設置面積内に収まる。
【0020】
給紙カセット1は、装置本体4から引き出す際につかむ把手14が前端に形成されたメインカセット15と、このメインカセット15に対して積載される用紙の長さ方向に沿ってスライド自在なスライドカセット16とを有する。
【0021】
スライドカセット16の両側壁の前端側及び後端側には、溝17a及び17bが形成された鉤形状18a及び18bが設けられている。ここで、前端側の溝17a及び鉤形状18aと、後端側の溝17b及び鉤形状18bとは、形状は同じであるが、説明の便宜上、前述のように別々の符号を付けた。
【0022】
図4に、メインカセット15にスライドカセット16の鉤形状18a又は18bが引っ掛けられた部分の給紙カセット1の縦断正面図を示す。
【0023】
メインカセット15の両側壁の後端近傍には、溝19及びロック部材20が設けられている。このロック部材20を図5に示す。ロック部材20は、溝17a又は17bと溝19とに嵌合するピン状部材21を有し、これらのロック部材20を構成する各部材はメインカセット15及びスライドカセット16と色が異なる。ピン状部材21は、所定の機構により、台22上を用紙の幅方向に移動自在に設けられている。また、ピン状部材21には、ユーザが移動させる際につまむツマミ23が設けられている。
【0024】
このような構成において、本実施の形態の給紙カセット1は、長い用紙を収納する場合には、溝17aと溝19とを合わせてピン状部材21を差し込んでロックする。比較的小サイズの用紙を収納する場合には、溝17bと溝19とを合わせてピン状部材21を差し込んでロックする。
【0025】
例えば、短い状態から伸ばす場合には、スライドカセット16を図5の矢印▲1▼に示すメインカセット15に対して後方へとスライドさせ、溝17aと溝19とを合わせ、ツマミ23を矢印▲2▼に示すメインカセット15の側壁に近接させる方向へと移動させてピン状部材21を溝17a及び溝19に差し込む。
【0026】
このように、本実施の形態の給紙カセット1は、溝17a,17bが形成された鉤形状18a,18bと、溝19と、ロック部材20とからなるロック機構が備えられており、また、このロック機構は、メインカセット15の溝19にスライドカセット16の溝17a又は17bを合わせてピン状部材21を差し込むという簡易な構成であるので、ユーザはロック機構の外観からその操作方法を容易に判断できる。さらに、ロック機構は給紙カセット1の用紙積載面側に設けられているので、例えば給紙カセット1の外周面にロック機構が設けられている場合などと比較してユーザがロック機構の存在に気がつき易く、ロック機構を探す手間が省ける。またさらに、ロック部材20は周囲と色が異なるので、周囲から目立ち、ユーザの目に止まりやすい。
【0027】
なお、本実施の形態ではロック位置を二箇所としているが、実施にあたっては複数箇所にロック位置が設けられていればよい。
【0028】
また、本実施の形態では、メインカセットの外面とスライドカセットの内面とが摺動するが、実施にあたっては、メインカセットの内面とスライドカセットの外面とが摺動するのであってもよい。その場合には、ロック部材はスライドカセットの前端近傍に設けられる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1記載の給紙カセットの発明は、積載される用紙の前端部を支持するメインカセットと、用紙の後端部を支持し、積載される用紙の長さ方向に沿って前記メインカセットに対してスライド自在であるスライドカセットと、前記メインカセットと前記スライドカセットとが重なりあう部分で設定された複数箇所のロック位置と、前記スライドカセットにおけるロック位置に形成された溝と、ピン状部材を前記溝に嵌合させることにより前記メインカセットと前記スライドカセットとをロック位置で固定するロック機構と、を備え、前記ロック機構は、前記溝と前記ピン状部材とを前記メインカセット及び前記スライドカセットの上面に位置付けるので、ロック機構は、溝にピン状部材を嵌合させる簡易なロック機構であるため、外見から操作方法が容易に判断される。また、ロック機構の所在の確認が容易である。
【0030】
請求項2記載の発明は、積載される用紙の前端部を支持するメインカセットと、用紙の後端部を支持し、積載される用紙の長さ方向に沿って前記メインカセットに対してスライド自在であるスライドカセットと、前記メインカセットと前記スライドカセットとが重なりあう部分で設定された複数箇所のロック位置と、前記スライドカセットにおけるロック位置に形成された溝と、ピン状部材を前記溝に嵌合させることにより前記メインカセットと前記スライドカセットとをロック位置で固定するロック機構と、を備え、前記メインカセットの外側で前記スライドカセットがスライドし、前記ピン状部材が前記メインカセット側に設けられている。
【0031】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の給紙カセットにおいて、前記ロック機構は、手動操作によって前記ピン状部材を前記溝に嵌合させる構造を有するので、手動操作によりピン状部材を溝に容易に嵌合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給紙カセットを備える給紙部が設けられた画像形成装置を示す縦断左側面図である。
【図2】長い用紙を収納できる長さに伸ばされた状態の給紙カセットを示す斜視図である。
【図3】比較的小サイズの用紙を収納する場合の長さに縮められた状態の給紙カセットを示す斜視図である。
【図4】メインカセットと鉤形状との位置関係を示す給紙カセットの縦断正面図である。
【図5】ロック機構の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 給紙カセット
15 メインカセット
16 スライドカセット
17a,17b 溝
21 ピン状部材
Claims (3)
- 積載される用紙の前端部を支持するメインカセットと、
用紙の後端部を支持し、積載される用紙の長さ方向に沿って前記メインカセットに対してスライド自在であるスライドカセットと、
前記メインカセットと前記スライドカセットとが重なりあう部分で設定された複数箇所のロック位置と、
前記スライドカセットにおけるロック位置に形成された溝と、
ピン状部材を前記溝に嵌合させることにより前記メインカセットと前記スライドカセットとをロック位置で固定するロック機構と、
を備え、前記ロック機構は、前記溝と前記ピン状部材とを前記メインカセット及び前記スライドカセットの上面に位置付ける給紙カセット。 - 積載される用紙の前端部を支持するメインカセットと、
用紙の後端部を支持し、積載される用紙の長さ方向に沿って前記メインカセットに対してスライド自在であるスライドカセットと、
前記メインカセットと前記スライドカセットとが重なりあう部分で設定された複数箇所のロック位置と、
前記スライドカセットにおけるロック位置に形成された溝と、
ピン状部材を前記溝に嵌合させることにより前記メインカセットと前記スライドカセットとをロック位置で固定するロック機構と、
を備え、前記メインカセットの外側で前記スライドカセットがスライドし、前記ピン状部材が前記メインカセット側に設けられている給紙カセット。 - 前記ロック機構は、手動操作によって前記ピン状部材を前記溝に嵌合させる構造を有する請求項1または2記載の給紙カセット。
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