JP3742382B2 - 光ファイバアレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信等で使用される光スイッチ,アイソレータ,光コネクション装置の入出力部、半導体レーザ,フォトダイオードと光ファイバとの光結合部品,あるいは多芯光コネクタを構成する光ファイバアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
基幹ネットワークは、データトラヒックの急激な増大に伴い、大容量化が強く求められている。この基幹ネットワークにおいて、伝送路部分には、WDM(wavelength division multiplexing)技術を利用した大容量光ネットワークが既に導入されている。しかしながら、ノード部分は、光信号を電気信号に一旦変換し、従来の電気回路を利用したスイッチで方路の切り替えを行った後、光信号に再び変換して伝送路部分に戻す方式となっている。
【0003】
このような光信号と電気信号とを変換する装置は、信号帯域の向上に伴って、コストや消費電力が大幅に上昇することが指摘されている(非特許文献1参照)。このため、光信号をそのままの状態でスイッチングする光スイッチを利用することが検討されている。特に、光スイッチ内の配線に光導波媒体を用いることなく、光ビームをスイッチ内部の結線(光接続)やスイッチ間の結線に利用するフリースペース型の光スイッチは、小型化が可能であるため、大規模ルータのスイッチ部への実用化が検討されている。
【0004】
このようなフリースペース型の従来の光スイッチ(非特許文献2参照)の概略構成を図7に示す。
図7に示す光スイッチ110は、光ファイバアレイ111,マイクロレンズアレイ112,マイクロ可動ミラーアレイ113,固定ミラー114から構成されたものである。光ファイバアレイ111は、ファイバ整列用部材を用いることで、光ファイバがある一定の間隔をあけて二次元的,あるいは一次元的に整列配置されたものである。マイクロレンズアレイ112は,マイクロレンズが空間光ビーム接続装置と同様にある一定の間隔をあけて二次元的,あるいは一次元的に整列配置されたものである
【0005】
また、マイクロ可動ミラーアレイ113は、マイクロマシン技術を用いて半導体基板上に形成された能動素子であるマイクロ可動ミラーが、一次元的あるいは二次元的に複数配列されたものであり、ミラー面の傾き角度θが動的に各々変化可能とされている。なお、図7において、各部分は、煩雑化を避けるために、一次元の配列として各々記載している。
【0006】
このようなフリースペース型の従来の光スイッチ110では、光ファイバアレイ111の各光ファイバから出射した光信号100は、マイクロレンズアレイ112の各マイクロレンズで平行光に変換されてから、マイクロ可動ミラーアレイ113の各マイクロ可動ミラーで反射された後、固定ミラー114で反射され、マイクロ可動ミラーアレイ113のマイクロ可動ミラーで再度反射されて、マイクロレンズアレイ112のマイクロレンズを介して光ファイバアレイ111の光ファイバへ最終的に集光される。
【0007】
このように構成された光スイッチ110では、マイクロ可動ミラーアレイ113のマイクロ可動ミラーの傾き角度θを調整することにより、光信号100の進行方向を切り替え、光信号100を光ファイバアレイ111の目的とする光ファイバへ案内している。ここで示した光ファイバとマイクロレンズとから構成される光ファイバと光ビームとの変換、あるいは結合に用いられる光学系は、一般に光コリメータとよばれる。
【0008】
上記光スイッチ110においては、入出力光ファイバ間の接続損失は、各光学部品と空隙との間に生じる屈折率境界面における反射損失に加え、光コリメータを構成する光ファイバとマイクロレンズとの光軸ずれにより生じた光ビームの光軸傾きに起因する光ビームと出力光ファイバとの結合損失、レンズ開口からのケラレ損失、及び屈折率境界面における反射損失が支配的である。さらに、上記光軸ずれにより光軸傾きを引き起こした光ビームは、隣接チャンネルに対してクロストークを発生させ、光通話路品質の劣化を引き起こす。
【0009】
特に、二次元光コリメータアレイにおいては、各光ファイバとレンズとの光軸ずれ量は、光ファイバアレイにおけるファイバ配列誤差により大きく影響される。このため、二次元光コリメータアレイでは、アレイ作製精度の向上が強く求められている。なお、ここに示した光コリメータアレイが用いられる装置は、光スイッチに限定されず、同様に光ビームを結線に用いる光アイソレータや光インタコネクション装置に適用されている。また、半導体レーザやフォトダイオードと光ファイバとの結合部にも適用されている。
【0010】
ここで、フリースペース型の光スイッチに用いられる二次元の光ファイバアレイの従来の一例の概略構造を図8に示す。
図8に示すように、二次元光ファイバアレイ120は、光ファイバ121がV溝基板122のV字溝部にそれぞれ挿入されて整列され、ファイバ抑え板123でそれぞれ仮固定されると共に、これら部品の間に生じる空隙に充填された接着剤で固定され、V溝基板122を複数積層されて接着されたものである。V溝基板122には、セラミック,ガラス、シリコンなどの基板に、精密加工技術を用いてV字形の溝部を形成されたものが広く使われており、基板面に対して水平方向の光ファイバ配列誤差を1μm以下に抑えることが可能とされている。
【0011】
また、二次元の光ファイバアレイの従来の他の例(MT型の光コネクタのフェルール)の概略構造を図9に示す。
図9に示すように、二次元の光ファイバアレイ130は、光ファイバ131がフェルール132の整列用のガイド孔132a内に各々挿入され、接着剤の充填用孔132bから注入された接着剤で固定されている。上記フェルール132は、熱収縮時や成型後に生じる変形量が小さいポリマ系熱可塑性材料(熱可塑性樹脂)が使用され、加熱された当該材料を金型内に押し出して冷却して成型する「トランスファ成型法」により作製されている。一般に、トランスファ成型法に代表されるプラスチック成形技術は、大量生産に適しており、高精度な光ファイバアレイを低コストに作成することを可能としている。
【0012】
【非特許文献1】
A.S.Morris III,"In search of transparent networks",IEEE Spectrum,pp47-51(Oct.2001)
【非特許文献2】
D. T. Neilson, et. al., “Fully provisioned 112x112 micro-mechanical optical cross connect with 35.8Tb/s demonstrated capacity", OFC2000. paper-PD12-1, (2000)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図8に示したような二次元の光ファイバアレイ120においては、以下のような問題があった。
(1)まず、V溝基板122を積層する場合、同基板間を基板に対して水平方向に位置合わせした後に接着するため、接着材による収縮の影響を考慮する必要があり、この収縮による位置の制御は困難である。このため、光ファイバアレイ120では、基板の積層方向(基板面に対して垂直方向)に対する光ファイバ121の配列精度の向上に限界がある。
【0014】
(2)また、規模の拡大に伴って、光ファイバ121の数をV溝基板122と平行な方向に増やすと、V溝基板122の反りによって光ファイバ121の配列誤差が生じやすくなり、また、V溝基板122の積層数を増やすと、V溝基板122の厚さや接着剤の厚さのバラツキに起因して光ファイバ121の配列誤差が生じやすくなってしまう。V溝基板122を、高い寸法精度で形成したとしても、接着剤の厚さバラツキにより、全体の配列誤差が大きくなってします。
【0015】
(3)一般に、V溝基板122は、半導体やガラスやセラミックス等の基板に精密機械加工やエッチングプロセスでV字形の溝部を形成することにより作製されるが、このような高精度な機械加工やプロセスを伴う製造方法は、大量生産に適さず、製造コストの低減を図ることが困難である。
(4)また、光ファイバの外径は125μmと非常に細いため、光ファイバの取り扱いは比較的難しい。このように取り扱いの難しい光ファイバを用いるため、図8に示す光ファイバアレイ120の組み立てコストの削減は難しい。
【0016】
他方、図9に示したような二次元の光ファイバアレイ130においては、以下のような問題があった。
一般に、光コリメータを構成する光ファイバ及びレンズと空気との屈折率境界面には、反射の影響を避けるため、誘電体多層膜から構成される無反射コート膜を形成するようにしている。この無反射コート膜の形成には、多くの場合、蒸着法が用いられるが、蒸着法では、膜の形成過程において、形成対象が数百℃以上の高温環境下に晒されることになる。
【0017】
図9に示すフェルール132を用いる場合、複数の光ファイバ131が各々ガイド孔132a内に挿入され、各光ファイバ131がフェルール132により保持された状態で、各光ファイバ131の光入出射端面の研磨や、研磨した光入出射端面に対する無反射コート膜の形成を行う。ところが、フェルール132を構成する熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が180〜200℃近辺にあり、フェルール132とともに蒸着法を用いて無反射コート膜を形成するとは、技術的に困難である。
【0018】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、配列誤差の極めて小さい二次元の光ファイバアレイを、低コストで提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバアレイは、二次元的に配列されて貫通する複数のガイド孔を備えた配列基板と、各々のガイド孔に同一方向に差し込まれて中央部に貫通孔を備えた円筒形状の複数のフェルールと、これら各々のフェルールの貫通孔に嵌入されて保持された複数の光ファイバとを備えたものであり、整列基板は、熱可塑性樹脂から構成され、ガイド孔は、フェルールの外径に略等しい内径を備えた円筒形状に形成され、光ファイバは、光入出射端面がフェルールの一方の端面に露出してかつ光入出射端面に形成された無反射コート膜を備え、フェルールは、光ファイバの光入出射端面が露出する側の端面に無反射コート膜を備えている。
この光ファイバアレイは、整列基板に配列されたガイド孔の配置精度と、フェルールの寸法精度とにより、光ファイバの配列精度が決定される。
【0020】
上記光ファイバアレイにおいて、フェルールは、耐熱性を有する材料から構成することで、光ファイバをフェルールに嵌入した状態で、光ファイバの光入出射端面に、例えば蒸着法により無反射コート膜を形成することが可能となる。
【0021】
また、上記光ファイバアレイにおいて、整列基板のガイド孔の内径とフェルールの外径との寸法誤差を緩衝する緩衝手段を設けるようにしてもよい。この緩衝手段は、例えば、整列基板のガイド孔の周囲に当該ガイド孔の周縁に沿って形成された円弧状をなす緩衝溝から構成すればよい。また、緩衝手段は、整列基板の縁端近傍にガイド孔の配列に沿って形成された緩衝孔と、整列基板の隣り合うガイド孔の間及び緩衝孔とガイド孔との間を各々連通して形成された緩衝溝とから構成すればよい。
【0022】
上記光ファイバアレイにおいて、整列基板は、熱可塑性樹脂から構成されていればよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の第1の実施の形態における光ファイバアレイについて説明する。図1は、本実施の形態における光ファイバアレイ10の構成を示す斜視図である。光ファイバアレイ10は、光ファイバ11の先端部分に設けられた円筒形状のフェルール12を、整列基板14に配列されて設けられた貫通孔に差し込むことで、複数の光ファイバ11を配列させたものである。光ファイバ11は、フェルール12の中央部を貫通する貫通孔に嵌入され、光ファイバ11の光入出射端面11dは、フェルール12の端面12a側に露出している。
【0024】
図2に示すように、フェルール12には、光ファイバ11の先端部の外皮11cが取り除かれて、コア11aとクラッド11bとからなる導波路の露出した部分が嵌入している。また、フェルール12の光ファイバが挿入される側には、フェルール12から光ファイバ11に掛けてこれらを保護する円筒状のチューブ13が設けられている。チューブ13には、太い部分と細い部分とから構成され、太い部分にフェルール12の一部が嵌入され、細い部分に光ファイバ11が嵌入されている。
【0025】
フェルール12は、光ファイバの保持部品であり、現在一般に市販されている。この一般に市販されているフェルールは、内径の中心と外径の中心とのずれ量である偏芯量が数μm以下と、非常に高い精度を持っている。
なお、図示していないが、フェルール12に嵌入している光ファイバ11の光入出射端面11dは、鏡面研磨されて無反射コート膜が形成されている。また、光入出射端面11dは、フェルール12の端面12aと同一平面を形成する状態となっている。
【0026】
ここで、本実施の形態では、耐熱性の高い材料よりフェルール12を構成しているので、上述したようにフェルール12により保持された状態で、光ファイバ11の光入出射端面11dに、蒸着法により無反射コート膜を形成することが可能となる。なお、この場合、光入出射端面11dとともに、フェルール12の端面12aにも、無反射コート膜が形成される。このように、フェルール12の先端部にも無反射コート膜が形成されていれば、光ファイバアレイ10を、光通信等で使用される光スイッチの入出力部や光コネクタ等に適用することができる。
【0027】
整列基板14は、例えば、ポリマ系熱可塑性材料(熱可塑性樹脂)から構成されたものであり、図3に示すように、複数のガイド孔14aが、配列して形成されている。ガイド孔14aの内径は、フェルール12の外径に対応し、フェルール12の外径に略等しいものとなっている。整列基板14は、熱可塑性樹脂から構成する場合、例えば、トランスファ成型法により作製することが可能である。なお、整列基板14は、金属やセラミック、また、ガラスから構成してもよい。
【0028】
以上に説明した本実施の形態における光ファイバアレイ10では、例えば、ガイド孔14aの位置など整列基板14を高い精度で形成し、また、フェルール12を高い寸法精度で形成すれば、フェルール12を介して整列基板14に固定される複数の光ファイバ11が、誤差の極めて小さい状態で二次元に配列されるようになる。このように、本実施の形態によれば、高い精度で形成されたフェルール12及び整列基板14(ガイド孔14a)を用いることで、配列誤差の極めて小さい状態となる二次元の光ファイバアレイを得ることが可能となる。
【0029】
つぎに、上述した本実施の形態における光ファイバアレイ10における、フェルール12と整列基板14との組み付け手順を、図4を用いて説明する。
まず、図4(a)に示すように、基準盤(オプティカルフラット)1aとスペーサ1bとを重ねたブロック1の上に、整列基板14を仮固定する。整列基板14の仮固定は、例えば、接着力の弱い接着剤により行うようにすればよい。
【0030】
つぎに、図4(b)に示すように、フェルール12の先端をブロック1の基準盤1aの上面に当接させるように、フェルール12を整列基板14のガイド孔14aに圧力を加えながら各々差し込む。
続いて、図4(c)に示すように、フェルール12と整列基板14との接合部に接着剤15を塗布し、整列基板14にフェルール12を各々固定する。この後、ブロック1から整列基板14を取り外す。これにより、光ファイバアレイ10を作製することができる。作製された光ファイバアレイ10は、各々のフェルール12の端面12a、すなわち、各々の光ファイバ11の光入出射端面11dにより、同一平面が形成された状態となる。
【0031】
このように、本実施の形態の光ファイバアレイ10は、容易に作製することが可能である。従って、本実施の形態によれば、高い寸法精度で形成されたフェルール12及び整列基板14(ガイド孔14a)を用いることで、配列誤差の極めて小さい状態となる二次元の光ファイバアレイを、低コストで得ることが可能となる。
【0032】
ところで、本実施の形態では、基準盤1aとスペーサ1bとを重ねたブロック1を用いることにより、整列基板14からフェルール12の先端を突き出させた光ファイバアレイ10を作製するようにしたが、これに限るものではない。例えば、スペーサ1bを省き、基準盤1aのみを使用すれば、フェルール12の先端が、整列基板14の表面に配置された、言い換えると、フェルール12の端面12aと整列基板14の表面とが同一の平面を形成した状態の光ファイバアレイを作製することができる。なお、各光ファイバ11の出射端面11dが、同一の平面を形成している必要はない。
【0033】
[実施の形態2]
つぎに、本発明の第2の実施の形態における光ファイバアレイについて説明する。図5は、本実施の形態における光ファイバアレイを構成する整列基板24の一部を拡大して示す平面図である。なお、以降では、前述した実施の形態1の部材と同様な部材については、前述した実施の形態1の説明で用いた符号と同一の符号を用いることにより、前述した実施の形態1における説明と重複する説明を省略する。
【0034】
図5に示すように、整列基板24のガイド孔14aは、この周囲にガイド孔14aの周縁に沿って円弧状をなす一対の緩衝溝24bを備える。また、対をなす緩衝溝24bの端部間には、ガイド孔14aと連通する切欠24cを備える。図1,2に示したフェルール12をガイド孔14aに差し込むときに、これら緩衝溝24b,切欠24cが、緩衝手段となる。
【0035】
このような緩衝溝24b等を形成した整列基板24においては、ガイド孔14a内にフェルール12を容易に差し込むことが可能となる。例えば、ガイド孔14aの内径よりフェルール12の外径の方が多少大きい場合、ガイド孔14a内にフェルール12を差し込むと、緩衝溝24bとガイド孔14aとの間が弾性変形して緩衝溝24bが狭くなり、ガイド孔14aが拡大する。この結果、この実施例によれば、フェルール12を、ガイド孔14a内に容易に差し込むことができる。
【0036】
前述した実施の形態1においては、整列基板14のガイド孔14aの内径とフェルール12の外径との差がほとんど無い場合、ガイド孔14a内にフェルール12を円滑に差し込むことが困難となる。従って、図3に示す整列基板14の場合、フェルール12及び整列基板14(ガイド孔14a)を高精度に成型する必要がある。これに対し、本実施の形態においては、上述した緩衝手段をガイド孔14aに設けるようにしたので、フェルール12の外径がガイド孔14aの内径より多少大きい場合であっても、これらの誤差が上記緩衝手段により緩衝されるようになる。
【0037】
この結果、本実施の形態によれば、フェルール12及び整列基板24は、前述した実施の形態1の場合ほど高い精度で成型しなくても、整列基板24にフェルール12を高い精度で配列させることが可能となる。この結果、本実施の形態においても、複数の光ファイバ11が、誤差の極めて小さい状態で二次元に配列されるようになる。
従って、本実施の形態によれば、前述した実施の形態1と同様な効果を得ることができるのはもちろんのこと、フェルール12及び整列基板24を前述した実施の形態1の場合よりも高い精度で成型しなくても済むようになるので、さらに低コスト化を図ることができる。
【0038】
[実施の形態3]
つぎに、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6は、本実施の形態3における光ファイバアレイを構成する整列基板34の概略的な構成を示す平面図である。なお、以降では、前述した実施の形態1,実施の形態2の部材と同様な部材については、前述した実施の形態1,実施の形態2の説明で用いた符号と同一の符号を用いることにより、前述した実施の形態1,実施の形態2での説明と重複する説明を省略する。
【0039】
図6に示すように、整列基板34は、まず、ガイド孔14aの一方の配列方向側(図6では上下方向側)の縁端近傍に、この配列に沿って各々緩衝孔34cを備える。加えて、整列基板34は、上記配列方向に、隣り合うガイド孔14aとの間及びガイド孔14aと緩衝孔34cとの間に、これらを連通させる緩衝溝34bを備える。図1,2に示したフェルール12をガイド孔14aに差し込むときに、これら緩衝溝34b、緩衝孔34cが、緩衝手段となる。
【0040】
このような緩衝溝34b等を形成された整列基板34においては、ガイド孔14aの内径よりフェルール12の外径の方が多少大きい場合であっても、ガイド孔14a内にフェルール12を差し込むと、緩衝溝34bが狭くなるようにガイド孔14aの間が弾性変形し、ガイド孔14aが拡大するので、ガイド孔14aにフェルール12を容易に差し込むことが可能となる。
【0041】
このように、本実施の形態では、隣り合うガイド孔14a間に緩衝溝34bを形成することにより、フェルール12の外径とガイド孔14aの内径との誤差を緩衝するようにした。
前述した実施の形態2では、隣り合うガイド孔14aの間隔を非常に小さくする場合、隣り合うガイド孔14aの間に円弧状の緩衝溝24bを形成することになり、非常に高度な成型技術が必要となる。これに対し、本実施の形態では、ガイド孔14aの間を連通させる緩衝溝34bを形成するだけなので、簡単な成型技術で整列基板34を作製することが可能となる。
【0042】
従って、本実施の形態によれば、前述した実施の形態2と同様な効果を得ることができるのはもちろんのこと、前述した実施の形態2の場合よりも簡単な成型技術で実施することができるので、隣り合うフェルール12の間隔を非常に小さくする場合であっても低コスト化を図ることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、光ファイバをフェルールに嵌入させ、これを整列基板に設けられたガイド孔に差し込むようにした。従って、光ファイバアレイの配列精度が、整列基板に配列されたガイド孔の配置精度と、フェルールの寸法精度とにより決定されるようになる。この結果、本発明によれば、配列誤差の極めて小さい二次元の光ファイバアレイを、低コストで提供できるようになる。
【0044】
例えば、本発明の一形態によれば、ポリマ系熱可塑性材料(熱可塑性樹脂)からなる整列基板に複数のガイド孔を形成し、このガイド孔に光ファイバを保持した耐熱性を有する材料からなる円筒形のフェルールを差し込んで光ファイバアレイを構成するようにした。このことにより、光ファイバの配列誤差を低コストで極めて小さくできるようになる。加えて、フェルールに保持された状態で、フェルールの先端とともに光ファイバの光入出射端面に無反射コートを取り付けることができるようになる。このように、フェルールの先端部に無反射コートが形成されていれば、本光ファイバアレイを、光通信等で使用される光スイッチの入出力部や光コネクタ等に適用することができる。
【0045】
また、本発明の他の形態によれば、上述した光ファイバアレイの構成において、整列基板のガイド孔の内径とフェルールの外径との誤差を緩衝する緩衝手段を設けるようにした。例えば、緩衝手段は、整列基板のガイド孔の周囲に当該ガイド孔の周縁に沿って形成された円弧状をなす緩衝溝を備えるようにすればよい。このようにすれば、フェルール及び整列基板を高い精度で成型しなくても、光ファイバの配列誤差を極めて小さくできるようになり、光ファイバアレイをさらに低コストで提供できるようになる。
【0046】
また、例えば、上述した緩衝手段は、整列基板の縁端近傍にガイド孔の配列に沿って形成された緩衝孔と、整列基板のガイド孔の隣り合う間及び緩衝孔とガイド孔との間に形成されて当該間を連通する緩衝溝とから構成することができる。このようにすれば、隣り合うフェルール(光ファイバ)の間隔を非常に小さくする場合であっても、フェルール及び整列基板を高い精度で成型しなくても光ファイバの配列誤差を極めて小さくできるようになり、光ファイバアレイをさらに低コストで提供できるようになる。
【0047】
また、例えば、上述した光ファイバアレイのいずれかの構成において、整列基板がトランスファ成型法により作製すれば、光ファイバの配列誤差を低コストで極めて小さくすることが簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における光ファイバアレイの構成を示す斜視図である。
【図2】 図1に示した光ファイバアレイを構成する各部分を示す斜視図である。
【図3】 図1に示した光ファイバアレイを構成する整列基板14の構成を示す斜視図である。
【図4】 図1の光ファイバアレイの組み立て手順を説明する工程図である。
【図5】 本発明の実施の形態2における光ファイバアレイを構成する整列基板の一部を拡大して示す平面図である。
【図6】 本発明の実施の形態3における光ファイバアレイを構成する整列基板の概略的な構成を示す平面図である。
【図7】 フリースペース型の光スイッチの概略的な構成を示す構成図である。
【図8】 従来よりある二次元の光ファイバアレイの概略的な構造を示す斜視図である。
【図9】 従来よりある二次元の光ファイバアレイの概略的な構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…光ファイバアレイ、11…光ファイバ、11a…コア、11b…クラッド、11c…外皮、11d…光入出射端面、12…フェルール、12a…端面、13…チューブ、14…整列基板、14a…ガイド孔。
Claims (5)
- 二次元的に配列されて貫通する複数のガイド孔を備えた整列基板と、
各々の前記ガイド孔に同一方向に差し込まれて中央部に貫通孔を備えた円筒形状の複数のフェルールと、
これら各々のフェルールの貫通孔に嵌入されて保持された複数の光ファイバと
を備え、
前記整列基板は、熱可塑性樹脂から構成され、
前記ガイド孔は、前記フェルールの外径に略等しい内径を備えた円筒形状に形成され、
前記光ファイバは、光入出射端面が前記フェルールの一方の端面に露出し、かつ前記光ファイバの光入出射端面に形成された無反射コート膜を備え、
前記フェルールは、前記光ファイバの光入出射端面が露出する側の端面に無反射コート膜を備える
ことを特徴とする光ファイバアレイ。 - 請求項1記載の光ファイバアレイにおいて、
前記整列基板の前記ガイド孔の内径と前記フェルールの外径との寸法誤差を緩衝する緩衝手段を設けたことを特徴とする光ファイバアレイ。 - 請求項2記載の光ファイバアレイにおいて、
前記緩衝手段が、前記整列基板の前記ガイド孔の周囲に当該ガイド孔の周縁に沿って形成された円弧状をなす緩衝溝を備えていることを特徴とする光ファイバアレイ。 - 請求項2記載の光ファイバアレイにおいて、
前記緩衝手段が、
前記整列基板の縁端近傍に前記ガイド孔の配列に沿って形成された緩衝孔と、
前記整列基板の隣り合う前記ガイド孔の間及び前記緩衝孔と前記ガイド孔との間を各々連通して形成された緩衝溝と
を備えていることを特徴とする光ファイバアレイ。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバアレイにおいて、
前記整列基板がトランスファ成型法により作製されていることを特徴とする光ファイバアレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002364925A JP3742382B2 (ja) | 2001-12-19 | 2002-12-17 | 光ファイバアレイ |
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