JP3741833B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱箱体のルーフパネル上に配設された冷凍ユニットを介して冷却器の冷却制御を行うとともに、冷却器により冷却された冷気を庫内ファンを介して断熱箱体内を循環させる冷蔵庫に関し、特に、冷凍ユニットの凝縮器をファンにより冷却した際に発生する排気を断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内することにより、断熱箱体内の冷気に起因してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能な冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種の冷蔵庫が提案されており、この種冷蔵庫は、一般に、断熱箱体のルーフパネル上に配設された冷凍ユニットを介して冷却器の冷却制御を行い、冷却器により冷却された冷気を庫内ファンを介して断熱箱体内を循環させる構成を有し、また、冷凍ユニットを構成する凝縮器(コンデンサ)にて発生する熱をファンにて冷凍ユニットの外部に排出する際の排気を各種用途に使用する冷蔵庫も存在する。
【0003】
例えば、特開平8−247626号公報には、冷蔵庫本体の上面に冷凍サイクルユニットが配設され、また、冷凍サイクルユニットのエバポレータから発生する除霜水を下方に案内する排水ホースが冷蔵庫本体の背部断熱壁に埋設されるとともに、冷凍サイクルユニットのCファンの作動時に温風を下方に案内する送風ダクトが排水ホースを包含するように背部断熱壁に埋設された冷蔵庫が記載されている。この冷蔵庫では、除霜水が排水ホースを介して冷蔵庫本体の底部に配置された蒸発皿に供給され、また、温風が蒸発皿収容室にて蒸発皿の上面を前方に流されて外部に排出される。これにより、蒸発皿内の水が蒸発される。
また、実開昭58−201897号公報には、ユニットクーラーにて発生する温風を送風機により強制的に送風し、かかる送風を送風管を介して温風吹出管兼水滴受樋まで送るように構成したガラス扉付冷蔵庫が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平8−247626号公報及び実開昭58−201897号公報に記載された各冷蔵庫では、冷凍サイクルユニット(ユニットクーラー)から発生する温風が、Cファン(送風機)を介して冷蔵庫本体の背部に設けられた送風ダクト(送風管)から冷蔵庫本体の底部にまで送られることから、冷蔵庫本体内の冷気に起因して底部に結露が発生することをある程度は防止することが可能ではある。
【0005】
しかし、前記特開平8−247626号公報の冷蔵庫において、温風を冷蔵庫本体の底部にまで案内する送風ダクトは、冷蔵庫本体の背部断熱壁に埋設される程度の送風面積しか有しておらず、従って、そのダクトスペースは非常に狭いものである。これより、温風を効率的に下方に流すことができず、かかる構成からすれば、冷蔵庫本体内部の冷気に起因して冷蔵庫本体の底部にて発生する結露を有効に防止するにはまだまだ不充分なものである。
また、実開昭58−201897号公報の冷蔵庫においても、前記の場合と同様、温風を冷蔵庫の底部にまで案内する送風管は、その管径が極めて小さいものであるから、送風スペースは非常に狭く、従って、ユニットクーラーから発生する温風を冷蔵庫本体の底部に十分送ることができない。これより、冷蔵庫本体内部の冷気に起因して冷蔵庫本体の底部にて発生する結露を有効に防止するにはまだまだ不充分なものである。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、冷凍ユニットの凝縮器をファンにより冷却した際に発生する排気を断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内することが可能であり、もって断熱箱体内の冷気に起因してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能な冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る冷蔵庫は、冷却器及び庫内ファンが配設され、冷却器により冷却された冷気が庫内ファンを介して循環される断熱箱体と、前記断熱箱体のベースパネルに設けられ、断熱箱体を床面から離間させてベースパルの下面と床面との間に空間を形成する脚部材と、前記断熱箱体のルーフパネル上に配設され、前記冷却器の冷却制御を行う冷凍ユニットとを有する冷蔵庫において、前記冷凍ユニットを覆うと共に吸排気孔を有するユニットカバーと、前記ユニットカバーの幅と同等の幅を有し、該ユニットカバーの後方下部から断熱箱体のリアパネルに沿って下方に配設される排気ダクトと、を有し、前記排気ダクトは、下端部が前記ベースパネルと床面との間の空間内に向けて前側方向に曲折されて形成される排気口を有し、前記冷凍ユニットから排出される排気の一部が前記排気口を介して断熱箱体のベースパネルの下面と床面との空間に流れることを特徴とする。
【0008】
請求項1の冷蔵庫では、その冷却駆動を行った際に、吸排気孔を有するユニットカバーに覆われる冷凍ユニットから排出される排気は、該ユニットカバーの後方下部から断熱箱体のリアパネルに沿って下方に配設され、下端部がベースパネルと床面との間の空間内に向けて前側方向に曲折されて形成される排気口を有する排気ダクトを介して、断熱箱体のベースパネルの下面と床面との空間に案内される。このとき、排気ダクトは、断熱箱体のリアパネルに設けられるとともに、冷凍ユニットを覆うユニットカバーの幅と同等の幅を有しているので、ベースパネルの下面と床面との空間にて滞留する空気を排除して、排気を断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内することが可能であり、これより断熱箱体内の冷気に起因してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能となる。また、排気ダクトは冷凍ユニットを覆うユニットカバーの幅と同等の幅を有していることから、冷凍ユニットから発生する排気の一部を使用するのみで、排気をベースパネルの下面全体に渡って案内することが可能である。
【0009】
また、請求項2に係る冷蔵庫は、請求項1の冷蔵庫において、前記排気ダクトの排出口近傍に、排気ダクトから排出される排気をベースパネルの下面全体に渡って送る整流板が配設されたことを特徴とする。かかる請求項2の冷蔵庫では、排気ダクトの排出口近傍に整流板が配設され、この整流板により排気ダクトからの排気がベースパネルの下面全体に渡って分散されるので、ベースパネルの下面で排気を滞留させることなくベースパネル全体に渡って結露の発生を有効に防止することが可能となる。
【0010】
更に、請求項3に係る冷蔵庫は、請求項1の冷蔵庫において、前記排気ダクトの吸入口の近傍にて、冷凍ユニットから排出される排気を排気ダクト内に送風する送風ファンが配置されたことを特徴とする。請求項3の冷蔵庫では、排気ダクトの吸入口の近傍に送風ファンが配置されているので、前記のように排気ダクトが冷凍ユニットの幅と同等の幅を有していることとも相まって、送風ファンを介して排気を更に効率的に断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能となる。これにより、冷蔵庫を過酷な条件下で使用する場合においても、ベースパネルの下面への結露の発生を防止することが可能となる。
【0011】
また、請求項4に係る冷蔵庫は、請求項3の冷蔵庫において、前記送風ファンの作動状態を切り換える切換スイッチを備えたことを特徴とし、また、請求項5に係る冷蔵庫は、請求項4の冷蔵庫において、前記切換スイッチは、冷蔵庫のオン状態に連動させて送風ファンを作動状態に切り換える第1モードと、前記冷凍ユニットのオン・オフに連動させて送風ファンを作動させる第2モードとを切換可能であることを特徴とする。かかる請求項4及び請求項5の冷蔵庫では、切換スイッチを介して送風ファンの作動状態を切り換えることが可能であり、特に、送風ファンの作動状態を第1モードと第2モードとに切り換えることにより、冷蔵庫の使用条件に対応して送風ファンの節電を有効に行うことが可能となる。
【0012】
更に、請求項6に係る冷蔵庫は、請求項3の冷蔵庫において、前記ベースパネルの下面に配設された結露センサを有し、前記送風ファンは、結露センサからの検出出力に基づいて、そのオン・オフ制御が行われることを特徴とし、また、請求項7に係る冷蔵庫は、請求項6の冷蔵庫において、前記送風ファンは、結露センサを介してベースパネル下面に結露が発生したことが検出された場合にオンされることを特徴とする。請求項6及び請求項7の冷蔵庫では、ベースパネルの下面に結露センサを配設し、その結露センサの検出出力に基づいて送風ファンのオン・オフ制御を行い、特に、結露センサによりベースパネルの下面における結露の発生が検出された場合に送風ファンをオンするので、送風ファンを効率的に作動させることが可能となり、また、節電を有効に行うことも可能となる。
【0013】
また、請求項8に係る冷蔵庫は、請求項1の冷蔵庫において、前記冷凍ユニットを収納するとともに少なくとも背面側に排気孔が形成されたユニットカバーを備え、前記排気ダクトは、ユニットカバー背面側の排気孔を覆うようにユニットカバーに対して着脱自在に構成されたことを特徴とする。請求項8の冷蔵庫では、排気ダクトは、冷凍ユニットのユニットカバーに対して着脱自在として断熱箱体とは別体に構成されていることから、排気ダクトを断熱箱体の断熱壁内部に形成する場合に比べて、断熱箱体の構造をシンプルにすることが可能であるとともに、断熱性能を高く保持することが可能である。また、排気ダクトは断熱箱体に対して着脱自在であることから、冷蔵庫の使用状況に従い必要に応じて排気ダクトを断熱箱体に簡単に増設することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る冷蔵庫について、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施形態に係る冷蔵庫について図1乃至図4に基づき説明する。図1は第1実施形態に係る冷蔵庫の正面図、図2は冷蔵庫の側断面図、図3は冷蔵庫のベースパネル下面における排気の流れを模式的に示す説明図、図4は冷蔵庫の後側下部を拡大して示す部分説明図である。
【0015】
図1、図2において、冷蔵庫1は断熱箱体2を有し、断熱箱体2の前方開放面には一対の扉3が開閉可能に取り付けられている。断熱箱体2は、ルーフパネル4、ベースパネル5、ルーフパネル4とベースパネル5間に配置される一対のサイドパネル6(図2中に一方が図示されている)、及び、リアパネル7から箱状に組み立てられてなる。
【0016】
前記断熱箱体2の内部において、ルーフパネル4の下面には冷却ユニット8が取り付けられており、かかる冷却ユニット8は、冷却ダクト9の前方位置(図2中、左側位置)に配置された庫内ファン10、冷却ダクト9内に配置された冷却器11、及び、冷却器11の下方にて冷却ダクト9の後方位置に配置された排水パイプ12を有する。排水パイプ12の後端部は、リアパネル7の内部に形成された排水路13(パイプ等が埋設されて構成される)に接続されている。かかる排水路13の下端部は、ベースパネル5の下面に取り付けられた排水部材14の上方に臨んでおり、また、排水部材14の前方端部は、ベースパネル5の下面に配置される排水容器15の上方に臨んでいる。前記構成において、冷却器11の除霜時に発生する除霜水は、冷却ダクト9上に滴下するとともに排水パイプ12から排水路13を経て排水部材14に集水され、また、排水部材14から排水容器15内に排水される。また、断熱箱体2内において、冷却器11により冷却された冷気は、庫内ファン10の作用により矢印にて示すように庫内を循環され、この間に断熱箱体2内に収納された農産物等の被冷却物の冷却が行われる。
【0017】
また、断熱箱体2のルーフパネル4の上面には、前記冷却器11を含んで公知の冷凍サイクルを構成する冷凍ユニット16が配設されている。かかる冷凍ユニット16のユニットカバー17内部には、公知の圧縮機、凝縮器が配設されており、また、凝縮器を冷却する冷却ファン18(図1参照)が設けられている。ユニットカバー17は、その両側及び後側に吸排気孔19(図2中に、一側のみ示す)を有している。また、ユニットカバー17の後方下部からは、リアパネル7に沿って排気ダクト20が一体に設けられている。排気ダクト20は、冷凍ユニット16のユニットカバー17の幅と略同等の幅を有しており、また、その下端部は、前側方向に曲折されている。かかる排気ダクト20を介してリアパネル7の後側には、排気通路21が形成される。
【0018】
更に、断熱箱体2におけるベースパネル5の下面には、複数の脚部材22、及び、キャスタ23が取り付けられている。ここに、脚部材22は断熱箱体2を床面F(冷蔵庫1の設置面)から離間させて、ベースパネル5の下面と床面Fとの間に空間Sを形成する。また、キャスタ23は、床面F上で冷蔵庫1を移動させる際に使用される。
【0019】
前記排気ダクト20の排出口25の近傍には、整流板24が配設されている。ここで、整流板24の構成について図3、図4に基づき説明する。図3、図4において、排気ダクト20の排出口25の近傍にて一対の整流板24が、断熱箱体2の前側に向かって開くように、ビス26を介して「ハ」字状に取り付けられている。これにより、排出口25において、3つの排出部25A、25B、25Cが形成されることとなり、従って、排気ダクト20の排気通路21を下方に流れてきた排気は、図3にて矢印で示すように、排出口25にて各排出部25A乃至25Cから空間S内でベースパネル5の下面全体に渡って流される。尚、断熱箱体2の外部から空気が空間Sからベースパネル5の下面に流れ込む。
【0020】
前記構成において、例えば、冷凍ユニット16の冷却運転時に冷却ファン18が回転駆動されて、図1に示すように右側の吸排気孔19から吸気した場合、その排気(一般に、冷却ユニット16や冷蔵庫1の周囲の温度よりも数℃高い)は、左側の吸排気孔19から排気されるとともに、その一部が後側にも排気される(図2参照)。このように、冷却ユニット16の後側に排出された排気は、矢印にて示すように、排気ダクト20の排気通路21に沿って下方に案内され、排出口25まで案内される。排出口25においては、各整流板24を介して3つの排出部25A、25B、25Cが形成されているので、排気は各排出部25A等を介して空間S内でベースパネル5の下面の全体に渡って流される。
【0021】
前記のように温度の高い排気がベースパネル5の下面に流されると、排水部材14、排水容器15、ベースパネル5の下面等が加温される。更に、排気は、周囲の温度差、及び、その風力に基づき、空間Sから抜けて断熱箱体2の前面側から上昇流となって上昇し、また、これに伴い、周囲の空気を引き込みつつ新たな空気の流れを引き起こす。これにより、空間Sを含む断熱箱体2の周囲で全体的に空気流が発生することとなる。この結果、排水部材14、排水容器15、ベースパネル5の下面等は、温度の高い空気流に晒されることとなって、その加温状態が維持され、排水部材14等の温度低下が防止される。従って、排水部材14等の温度低下に起因して結露がベースパネル5の下面にて発生することを確実に防止することができる。尚、排気ダクト20の排出口25からの排気量、及び、これに伴う空気流量が多い程、排水部材14等の温度を高く維持してベースパネル5下面への結露を防止する効果があるが、かかる排気量等については予め実験的に決定される。
【0022】
以上説明した通り第1実施形態に係る冷蔵庫1では、冷凍ユニット16の冷却駆動を行った際に、冷凍ユニット16における凝縮器の冷却ファン18により排出される排気は、その一部がユニットカバー17の吸排気孔19から排出されるとともに、排気ダクト20の排気通路21を介して、断熱箱体2のベースパネル5の下面と床面Fとの空間Sに案内される。このとき、排気ダクト20は、ユニットカバー17から一体に形成されるとともに、断熱箱体2のリアパネル7に沿って設けられており、また、ユニットカバー17の幅と略同等の幅を有しているので、冷凍ユニット16にて発生し冷却ファン18を介して排出される排気の一部を使用するのみで、ベースパネル5の下面と床面Fとの空間Sにて滞留する空気を排除して、排気を断熱箱体2のベースパネル5の下面に案内することができる。これより断熱箱体2内の冷気に起因してベースパネル5の下面に発生する結露を有効に防止することができるものである。
【0023】
また、前記のようにベースパネル5下面における結露の発生を防止することができることから、排水部材14等の腐食を防止することができ、また、結露により床面Fを濡らしてしまうことがなく、特に床面Fが木材である場合にはその腐敗を防止することができるものである。
【0024】
更に、排気ダクト20の排出口25近傍において、一対の整流板24を断熱箱体2の前側に向かって開放するように配設し、排出口25にて3つの排出部25A、25B、25Cを形成して排気ダクト20からの排気がベースパネル5の下面全体に渡って分散されるように構成したので、ベースパネル5の下面で排気を滞留させることなくベースパネル5全体に渡って排気を流すことができ、これによりベースパネル5の下面にて結露の発生を有効に防止することができる。
【0025】
次に、第2実施形態に係る冷蔵庫について図5乃至図7に基づき説明する。図5は第2実施形態に係る冷蔵庫の側断面図、図6は冷蔵庫を制御する制御回路の回路図、図7は冷蔵庫の冷却運転時におけるタイミングチャートである。
【0026】
ここに、第2実施形態に係る冷蔵庫は、前記第1実施形態の冷蔵庫1と基本的に同一の構成を有しており、排気ダクトの吸入口近傍にて送風ファンが配設されている一方、排気ダクトの排出口近傍にて整流板が設けられていない点で第1実施形態と異なるのみである。従って、以下の説明においては、第1実施形態の冷蔵庫1におけると同一の部材、要素等については同一の番号を付するものとし、また、第2実施形態に特徴的な構成に主眼を置いて説明することとする。
【0027】
図5において、冷凍ユニット16のユニットカバー17内にて、排気ダクト20の吸入口30の近傍には、小型送風ファン31が配設されている。この小型送風ファン31は、その取付板32の両側をビス33にてユニットカバー17にかしめることにより、ユニットカバー17の隅部にて傾斜した状態で取り付けられている。ここに、小型送風ファン33は、ユニットカバー17内に配設された凝縮器の冷却ファン18(図5中には図示せず)により後側に排出される排気を強制的に排気ダクト20の排気通路21に送出する作用を行う。
【0028】
このように、排気ダクト20の吸入口30の近傍に小型送風ファン31を配置し、小型送風ファン31を必要に応じて回転駆動させることにより、例えば、比較的地下水位が高く適切な防湿設備を有していない場所、或いは、周辺で水を使用することが多く常に湿度の高い場所等で結露発生の条件が満たされ易く、また、結露発生量の多い場所に冷蔵庫1を設置して使用する場合においても、小型送風ファン31を介して多量の排気を強制的に断熱箱体2のベースパネル5の下面全体に渡って案内することができ、ベースパネル5の下面に発生する結露を有効に防止することができる。このように、冷蔵庫1を過酷な条件下で使用する場合においても、ベースパネル5の下面への結露の発生を防止することができる。
【0029】
続いて、前記小型送風ファン31の回転制御を含む冷蔵庫1の制御回路について図6に基づき説明する。図6において、一対の電源ラインL1、L2間には、断熱箱体2の庫内温度を検知する庫内温度検知サーモTH、リレースイッチX、起動コンデンサSC、起動リレーSR、コンプレッサ(圧縮機)CM、及び、オーバーロードリレーOLが直列に接続されている。また、起動コンデンサSC、起動リレーSR等と並列に、リレースイッチXには、冷却ファン18のファンモータFM1、庫内ファン10のファンモータFM2、及び、切換スイッチSWと小型送風ファン31のファンモータFM3が、それぞれ両電源ラインL1、L2間に接続されている。
【0030】
ここに、切換スイッチSWは、3つのスイッチ端子T1、T2、T3を有しており、切換スイッチSWがスイッチ端子T1に切り換えられるとファンモータF3は各電源ラインL1、L2間に直接接続され、また、スイッチ端子T2に切り換えられるとファンモータF3に対する給電が遮断され、更に、スイッチ端子T3に切り換えられるとファンモータF3は前記起動コンデンサSC、起動リレーSR等と並列に各電源ラインL1、L2に接続されることとなる。尚、切換スイッチSWの切換は、手動切換であっても自動切換であってもよい。
【0031】
また、電源ラインL1、L2間には、リレーX及びカムタイマTMが接続されている。ここに、カムタイマTMは、モータMを介して通常はリレーXと各電源ラインL1、L2との接続を行ってリレースイッチXをオンさせることによりコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2を駆動して冷蔵庫1の冷却駆動を行い、また、所定時間毎に冷却器11の除霜を行う時にリレーXと各電源ラインL1、L2との接続を断ってリレースイッチXをオフさせることによりコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2の駆動を停止する作用を行う。尚、各電源ラインL1、L2間には、漏電遮断機ELBが接続されている。
【0032】
次に、前記制御回路の動作について、図6、図7に基づき説明する。ここでは、切換スイッチSWは先ずスイッチ端子T3に切り換えられているものとする。冷蔵庫1の電源がオンされると、カムタイマTMの作用によりリレーXがオンされる。かかるリレーXのオンに基づきリレースイッチXがオンされ、コンプレッサCM、ファンモータFM1、ファンモータFM2がオンされて駆動される。これにより、冷蔵庫1の冷却駆動が行われる。この冷却駆動時に、冷蔵庫1の庫内温度が低くなって庫内温度検知サーモTHがオフされると、各電源ラインL1、L2からのコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2への給電が断たれ、これによりコンプレッサCM等の駆動が停止されて冷蔵庫1の冷却駆動が停止される。このように、冷蔵庫1の電源がオンされている間、庫内温度検知サーモTHの作用に基づき冷蔵庫1の冷却駆動とその停止が断続的に行われる。
【0033】
このとき、切換スイッチSWがスイッチ端子T3に切り換えられている場合には、小型送風ファン31のファンモータFM3は、各電源ラテンL1、L2に対して前記コンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2と並列に接続されることとなるので、前記したコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2の動作と同期して断続的にその回転駆動が行われることとなる。このように、切換スイッチSWをスイッチ端子T3に切り換えた場合には、小型送風ファン31のファンモータFM3は、コンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2と同期して回転駆動されるので、例えば、比較的湿度の低い梅雨時期以外の時期等において、電力を無駄に消費することなく有効に節電を行うことができる。
【0034】
また、切換スイッチSWがスイッチ端子T2に切り換えられた場合には、図6から明らかなように、各電源ラインL1、L2からのファンモータFM3への給電は完全に断たれた状態になるので、ファンモータFM3の回転駆動は行われることなく小型送風ファン31の送風は停止される。このように、切換スイッチSWをスイッチ端子T2に切り換えた場合には、小型送風ファン31のファンモータFM3は回転駆動されないので、例えば、冷蔵庫1が湿度環境が良好な場所に設置されてベースパネル5下面への結露が発生する虞がない場合には、更に無駄な電力の消費を防止して節電を推進することができる。
【0035】
更に、切換スイッチSWがスイッチ端子T1に切り換えられた場合には、図6から明らかなように、各電源ラインL1、L2からのファンモータFM3への給電が常時行われる状態になるので、冷蔵庫1の電源がオンされている限りファンモータFM3は常時回転駆動されて小型送風ファン31による送風が行われる。このように、切換スイッチSWをスイッチ端子T1に切り換えた場合には、小型送風ファン31のファンモータFM3は常時回転駆動されるので、例えば、比較的地下水位が高く適切な防湿設備を有していない場所、或いは、周辺で吸いを使用することが多く常に湿度の高い場所等で結露発生の条件が満たされ易く、また、結露発生量の多い場所に冷蔵庫1を設置して使用する場合に、小型送風ファン31を介して排気ダクト20からベースパネル5の下面に排気を常時強制的に送風することにより、ベースパネル5下面への結露の発生を防止することができる。
【0036】
以上説明した通り第2実施形態に係る冷蔵庫1では、排気ダクト20の吸入口30の近傍に小型送風ファン31を配置し、小型送風ファン31を必要に応じて回転駆動させることにより、例えば、比較的地下水位が高く適切な防湿設備を有していない場所、或いは、周辺で水を使用することが多く常に湿度の高い場所等で結露発生の条件が満たされ易く、また、結露発生量の多い場所に冷蔵庫1を設置して使用する場合においても、小型送風ファン31を介して多量の排気を強制的に断熱箱体2のベースパネル5の下面全体に渡って案内することができ、ベースパネル5の下面に発生する結露を有効に防止することができる。このように、冷蔵庫1を過酷な条件下で使用する場合においても、ベースパネル5の下面への結露の発生を防止することができる。
【0037】
また、切換スイッチSWにおける3つのスイッチ端子T1、T2、T3のいずれかに選択的に切り換えることにより、小型送風ファン31のファンモータFM3をコンプレッサCM等と同期させて回転駆動するモード(スイッチ端子T3に切り換えた場合)、ファンモータFM3を回転駆動を停止するモード(スイッチ端子T2に切り換えた場合)、及び、ファンモータFM3を常時回転駆動するモード(スイッチ端子T1に切り換えた場合)を選択することができ、これにより冷蔵庫1の設置場所等を含む使用条件にフレキシブルに対応して小型送風ファン31の節電を有効に行いつつベースパネル5下面への結露の発生を効果的に防止することができる。
【0038】
次に、第3実施形態に係る冷蔵庫について図8乃至図10に基づき説明する。図8は第3実施形態に係る冷蔵庫の側断面図、図9は冷蔵庫を制御する制御回路の回路図、図10は冷蔵庫の冷却運転時におけるタイミングチャートである。
【0039】
ここに、第3実施形態に係る冷蔵庫は、前記第2実施形態の冷蔵庫1と基本的に同一の構成を有しており、断熱箱体におけるベースパネル下面の前方位置に結露センサを配置した点で、第2実施形態と異なるのみである。従って、以下の説明においては、第2実施形態の冷蔵庫1におけると同一の部材、要素等については同一の番号を付するものとし、また、第3実施形態に特徴的な構成に主眼を置いて説明することとする。
【0040】
図8において、冷凍ユニット16のユニットカバー17内にて、排気ダクト20の吸入口30の近傍には、小型送風ファン31が配設されている。この小型送風ファン31は、その取付板32の両側をビス33にてユニットカバー17にかしめることにより、ユニットカバー17の隅部にて傾斜した状態で取り付けられている。ここに、小型送風ファン31は、ユニットカバー17内に配設された凝縮器の冷却ファン18(図8中には図示せず)により後側に排出される排気を強制的に排気ダクト20の排気通路21に送出する作用を行う。
【0041】
また、断熱箱体2におけるベースパネル5の下方に配置された排水容器15に対向して、ベースパネル5の下面には結露センサ40が取り付けられている。かかる結露センサ40は、ベースパネル5下面の空間Sにおける相対湿度が100%近傍状態であるか、又は、結露発生状態であるかを検出するセンサであり、かかる状態を検出した場合には、後述するように、小型送風ファン31の駆動を継続し、また、前記の状態を検出しない場合には小型送風ファン31の駆動を停止する作用を行うものである。尚、結露センサ40としては、湿度センサを使用することができる。この場合には、相対湿度値のスレッシホールド値(例えば、相対湿度値93%)を予め設定しておき、検出された相対湿度値がスレッシホールド値を越えた場合に結露が発生したものとして前記と同様の動作を行うように制御回路が構成される。
【0042】
続いて、前記小型送風ファン31の回転制御を含む冷蔵庫1の制御回路について図9に基づき説明する。図9において、一対の電源ラインL1、L2間には、断熱箱体2の庫内温度を検知する庫内温度検知サーモTH、リレースイッチX1、起動コンデンサSC、起動リレーSR、コンプレッサ(圧縮機)CM、及び、オーバーロードリレーOLが直列に接続されている。また、起動コンデンサSC、起動リレーSR等と並列に、リレースイッチX1には、冷却ファン18のファンモータFM1、庫内ファン10のファンモータFM2が、それぞれ両電源ラインL1、L2間に接続されている。
【0043】
また、各電源ラインL1、L2間には検出出力回路DCOが接続されており、また、かかる検出出力回路DCOには、前記結露センサ40及びリレーX2が接続されている。ここに、検出出力回路DCOは、結露センサ40からの検出出力に基づきリレーX2のオン・オフを制御する作用を行い、例えば、結露センサ40により結露状態が検出された場合には、その検出出力に基づきリレーX2をオンし、また、結露センサ40により結露状態が検出されていない場合には、リレーX2をオフ状態に保持する。
【0044】
更に、各電源ラインL1、L2間には、リレースイッチX2と小型送風ファン31のファンモータFM3が直列に接続されている。ここに、ファンモータFM3は、前記リレーX2のオン・オフに従ってオン・オフされるリレースイッチX2を介して回転駆動制御される。
【0045】
また、電源ラインL1、L2間には、リレーX1及びカムタイマTMが接続されている。ここに、カムタイマTMは、モータMを介して通常はリレーX1と各電源ラインL1、L2との接続を行ってリレースイッチX1をオンさせることによりコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2を駆動して冷蔵庫1の冷却駆動を行い、また、所定時間毎に冷却器11の除霜を行う時にリレーX1と各電源ラインL1、L2との接続を断ってリレースイッチX1をオフさせることによりコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2の駆動を停止する作用を行う。尚、各電源ラインL1、L2間には、漏電遮断機ELBが接続されている。
【0046】
次に、前記制御回路の動作について、図9、図10に基づき説明する。冷蔵庫1の電源がオンされると、カムタイマTMの作用によりリレーX1がオンされる。かかるリレーX1のオンに基づきリレースイッチX1がオンされ、コンプレッサCM、ファンモータFM1、ファンモータFM2がオンされて駆動される。これにより、冷蔵庫1の冷却駆動が行われる。この冷却駆動時に、冷蔵庫1の庫内温度が低くなって庫内温度検知サーモTHがオフされると、各電源ラインL1、L2からのコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2への給電が断たれ、これによりコンプレッサCM等の駆動が停止されて冷蔵庫1の冷却駆動が停止される。このように、冷蔵庫1の電源がオンされている間、庫内温度検知サーモTHの作用に基づき冷蔵庫1の冷却駆動とその停止が断続的に行われる。
【0047】
前記のように冷蔵庫1の冷却駆動が断続的に行われている間に、結露センサ40を介してベースパネル5下面への結露状態が検出された場合、検出出力回路DCOによりリレーX2がオンされ、これに基づきリレースイッチX2もオンされることとなる。そして、このようにリレースイッチX2がオンされている間、各電源ラインL1、L2からファンモータFM3に給電され、この結果、小型送風ファン31の回転駆動が行われて冷凍ユニット16からの排気が排気ダクト20を介してベースパネル5下面の空間Sに排出される。
【0048】
以上説明した通り第3実施形態に係る冷蔵庫1では、ベースパネル5の下面に結露センサ40を配設し、その結露センサ40の検出出力に基づいてファンモータFM3のオン・オフ制御を行い、特に、結露センサ40によりベースパネル5の下面における結露の発生が検出された場合にファンモータFM3をオンして小型送風ファン31により送風制御を行うようにしたので、小型送風ファン31を効率的に作動させることができるとともに、ベースパネル5下面における結露の発生状態にフレキシブルに対応して節電を有効に行うこともできる。
【0049】
次に、第4実施形態に係る冷蔵庫について図11及び図12に基づき説明する。図11は第4実施形態に係る冷蔵庫の側断面図、図12は冷蔵庫の背部に排気ダクトカバーを取り付ける状態を模式的に示す分解斜視図である。
ここに、第4実施形態に係る冷蔵庫は、前記第1実施形態の冷蔵庫1と基本的に同一の構成を有しており、第1実施形態の冷蔵庫1では排気ダクト20が冷凍ユニット16のユニットカバー17から連続的且つ一体に形成されているのに対して、第4実施形態の冷蔵庫では、排気ダクトカバーが冷蔵庫とは別体に構成されるとともに、冷蔵庫の背部に対して着脱自在に構成されている点、及び、排気ダクトカバーの排出口近傍にて整流板が設けられていない点で第1実施形態と異なるのみである。従って、以下の説明においては、第1実施形態の冷蔵庫1におけると同一の部材、要素等については同一の番号を付するものとし、また、第4実施形態に特徴的な構成に主眼を置いて説明することとする。
【0050】
図11、図12において、冷凍ユニット16におけるユニットカバー17の左右両側及び背面側には、吸排気孔19が形成されており、また、ユニットカバー17の背面側には、その吸排気孔19を覆うように排気ダクトカバー50が着脱自在に取り付けられている。かかる取付関係について具体的に説明する。ユニットカバー17の背面にて吸排気孔19の周囲に複数個のネジ穴51(図12中、8個のネジ穴51)が形成されている。また、排気ダクトカバー50は、ユニットカバー17の幅と同等の幅に形成され、ユニットカバー17の背面側の吸排気孔19からの排気を導入する筒状の排気導入部52、及び、排気導入部52から導入した排気をリアパネル7に沿って下方に案内する筒状の排気案内部53を一体に形成してなる。更に、排気導入部52の入口周囲には、フランジ54が形成されており、また、フランジ54には、前記各ネジ穴51に対応するように、複数個のネジ挿通穴55(図12中、8個のネジ挿通穴55)が形成されている。また、排気案内部53の下端には、排気をベースパネル5下面の空間Sに向かって排出する排出口56が設けられている。
【0051】
そして、前記排気ダクトカバー50を冷蔵庫1のリアパネル7に取り付けるには、ユニットカバー17の背面に形成された各ネジ穴51と排気ダクトカバー50における排気導入部52のフランジ54に形成された各ネジ挿通穴55とを位置決めし、この状態で、各ネジ挿通穴55、ネジ穴51内にネジ57を締結固定する。これにより、排気ダクトカバー50は、リアパネル7の背面に取り付けられる。尚、排気ダクトカバー50をリアパネル7から取り外すには、ネジ57をリリースして取り外せばよい。
【0052】
前記構成において、冷凍ユニット16の冷却運転時に冷却ファン18が回転駆動されて、図12に示すように右側の吸排気孔19から吸気した場合、その排気(一般に、冷却ユニット16や冷蔵庫1の周囲の温度よりも数℃高い)は、左側の吸排気孔19から排気されるとともに、その一部が後側の吸排気孔19から排気される(図12参照)。このように、冷却ユニット16の後側に排出された排気は、矢印にて示すように、排気ダクトカバー50の排気導入部52から排気案内部53に沿って下方に案内され、排出口56まで案内される。そして、排気は排出口56から空間S内でベースパネル5の下面の全体に渡って流される。
【0053】
以上説明した通り第4実施形態に係る冷蔵庫1では、排気ダクトカバー50は、ユニットカバー17に対して着脱自在として断熱箱体2とは別体に構成されていることから、従来のように排気ダクトを断熱箱体の断熱壁内部に形成する場合に比べて、断熱箱体の構造をシンプルにすることができるとともに、断熱性能を高く保持することができる。また、排気ダクトカバー50は断熱箱体2に対して着脱自在であることから、冷蔵庫1の使用状況に従い必要に応じて排気ダクトカバー50を断熱箱体2に簡単に増設することができる。
尚、本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1の冷蔵庫では、その冷却駆動を行った際に、吸排気孔を有するユニットカバーに覆われる冷凍ユニットから排出される排気は、該ユニットカバーの後方下部から断熱箱体のリアパネルに沿って下方に配設され、下端部がベースパネルと床面との間の空間内に向けて前側方向に曲折されて形成される排気口を有する排気ダクトを介して、断熱箱体のベースパネルの下面と床面との空間に案内される。このとき、排気ダクトは、断熱箱体のリアパネルに設けられるとともに、冷凍ユニットを覆うユニットカバーの幅と同等の幅を有しているので、ベースパネルの下面と床面との空間にて滞留する空気を排除して、排気を断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内することが可能であり、これより断熱箱体内の冷気に起因してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能となる。また、排気ダクトは冷凍ユニットを覆うユニットカバーの幅と同等の幅を有していることから、冷凍ユニットから発生する排気の一部を使用するのみで、排気をベースパネルの下面全体に渡って案内することが可能である。
【0055】
また、請求項2に係る冷蔵庫では、排気ダクトの排出口近傍に整流板が配設され、この整流板により排気ダクトからの排気がベースパネルの下面全体に渡って分散されるので、ベースパネルの下面で排気を滞留させることなくベースパネル全体に渡って結露の発生を有効に防止することが可能となる。
【0056】
更に、請求項3に係る冷蔵庫では、排気ダクトの吸入口の近傍に送風ファンが配置されているので、前記のように排気ダクトが冷凍ユニットの幅と同等の幅を有していることとも相まって、送風ファンを介して排気を更に効率的に断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能となる。これにより、冷蔵庫を過酷な条件下で使用する場合においても、ベースパネルの下面への結露の発生を防止することが可能となる。
また、請求項4及び請求項5に係る冷蔵庫では、切換スイッチを介して送風ファンの作動状態を切り換えることが可能であり、特に、送風ファンの作動状態を第1モードと第2モードとに切り換えることにより、冷蔵庫の使用条件に対応して送風ファンの節電を有効に行うことが可能となる。
【0057】
更に、請求項6及び請求項7の冷蔵庫では、ベースパネルの下面に結露センサを配設し、その結露センサの検出出力に基づいて送風ファンのオン・オフ制御を行い、特に、結露センサによりベースパネルの下面における結露の発生が検出された場合に送風ファンをオンするので、送風ファンを効率的に作動させることが可能となり、また、節電を有効に行うことも可能となる。
【0058】
また、請求項8に係る冷蔵庫では、排気ダクトは、冷凍ユニットのユニットカバーに対して着脱自在として断熱箱体とは別体に構成されていることから、排気ダクトを断熱箱体の断熱壁内部に形成する場合に比べて、断熱箱体の構造をシンプルにすることが可能であるとともに、断熱性能を高く保持することが可能である。また、排気ダクトは断熱箱体に対して着脱自在であることから、冷蔵庫の使用状況に従い必要に応じて排気ダクトを断熱箱体に簡単に増設することが可能となる。
【0059】
以上の通り本発明は、冷凍ユニットの凝縮器をファンにより冷却した際に発生する排気を断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内することが可能であり、もって断熱箱体内の冷気に起因してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能な冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る冷蔵庫の正面図である。
【図2】冷蔵庫の側断面図である。
【図3】冷蔵庫のベースパネル下面における排気の流れを模式的に示す説明図である。
【図4】冷蔵庫の後側下部を拡大して示す部分説明図である。
【図5】第2実施形態に係る冷蔵庫の側断面図である。
【図6】冷蔵庫を制御する制御回路の回路図である。
【図7】冷蔵庫の冷却運転時におけるタイミングチャートである。
【図8】第3実施形態に係る冷蔵庫の側断面図である。
【図9】冷蔵庫を制御する制御回路の回路図である。
【図10】冷蔵庫の冷却運転時におけるタイミングチャートである。
【図11】第4実施形態に係る冷蔵庫の側断面図である。
【図12】冷蔵庫の背部に排気ダクトカバーを取り付ける状態を模式的に示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1・・・冷蔵庫、2・・・断熱箱体、3・・・扉、4・・・ルーフパネル、
5・・・ベースパネル、6・・・サイドパネル、7・・・リアパネル、
8・・・冷却ユニット、9・・・冷却ダクト、10・・・庫内ファン、
11・・・冷却器、16・・・冷凍ユニット、17・・・ユニットカバー、
18・・・冷却ファン、19・・・吸排気孔、20・・・排気ダクト、
21・・・排気通路、22・・・脚部材、24・・・整流板、25・・・排出口
30・・・吸入口、31・・・小型送風ファン、32・・・取付板、
33・・・ビス、40・・・結露センサ、50・・・排気ダクトカバー、
51・・・ネジ穴、52・・・排気導入部、53・・・排気案内部、
54・・・フランジ、55・・・ネジ挿通穴、56・・・排出口、
57・・・ネジ、F・・・床面、S・・・空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱箱体のルーフパネル上に配設された冷凍ユニットを介して冷却器の冷却制御を行うとともに、冷却器により冷却された冷気を庫内ファンを介して断熱箱体内を循環させる冷蔵庫に関し、特に、冷凍ユニットの凝縮器をファンにより冷却した際に発生する排気を断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内することにより、断熱箱体内の冷気に起因してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能な冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種の冷蔵庫が提案されており、この種冷蔵庫は、一般に、断熱箱体のルーフパネル上に配設された冷凍ユニットを介して冷却器の冷却制御を行い、冷却器により冷却された冷気を庫内ファンを介して断熱箱体内を循環させる構成を有し、また、冷凍ユニットを構成する凝縮器(コンデンサ)にて発生する熱をファンにて冷凍ユニットの外部に排出する際の排気を各種用途に使用する冷蔵庫も存在する。
【0003】
例えば、特開平8−247626号公報には、冷蔵庫本体の上面に冷凍サイクルユニットが配設され、また、冷凍サイクルユニットのエバポレータから発生する除霜水を下方に案内する排水ホースが冷蔵庫本体の背部断熱壁に埋設されるとともに、冷凍サイクルユニットのCファンの作動時に温風を下方に案内する送風ダクトが排水ホースを包含するように背部断熱壁に埋設された冷蔵庫が記載されている。この冷蔵庫では、除霜水が排水ホースを介して冷蔵庫本体の底部に配置された蒸発皿に供給され、また、温風が蒸発皿収容室にて蒸発皿の上面を前方に流されて外部に排出される。これにより、蒸発皿内の水が蒸発される。
また、実開昭58−201897号公報には、ユニットクーラーにて発生する温風を送風機により強制的に送風し、かかる送風を送風管を介して温風吹出管兼水滴受樋まで送るように構成したガラス扉付冷蔵庫が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平8−247626号公報及び実開昭58−201897号公報に記載された各冷蔵庫では、冷凍サイクルユニット(ユニットクーラー)から発生する温風が、Cファン(送風機)を介して冷蔵庫本体の背部に設けられた送風ダクト(送風管)から冷蔵庫本体の底部にまで送られることから、冷蔵庫本体内の冷気に起因して底部に結露が発生することをある程度は防止することが可能ではある。
【0005】
しかし、前記特開平8−247626号公報の冷蔵庫において、温風を冷蔵庫本体の底部にまで案内する送風ダクトは、冷蔵庫本体の背部断熱壁に埋設される程度の送風面積しか有しておらず、従って、そのダクトスペースは非常に狭いものである。これより、温風を効率的に下方に流すことができず、かかる構成からすれば、冷蔵庫本体内部の冷気に起因して冷蔵庫本体の底部にて発生する結露を有効に防止するにはまだまだ不充分なものである。
また、実開昭58−201897号公報の冷蔵庫においても、前記の場合と同様、温風を冷蔵庫の底部にまで案内する送風管は、その管径が極めて小さいものであるから、送風スペースは非常に狭く、従って、ユニットクーラーから発生する温風を冷蔵庫本体の底部に十分送ることができない。これより、冷蔵庫本体内部の冷気に起因して冷蔵庫本体の底部にて発生する結露を有効に防止するにはまだまだ不充分なものである。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、冷凍ユニットの凝縮器をファンにより冷却した際に発生する排気を断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内することが可能であり、もって断熱箱体内の冷気に起因してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能な冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る冷蔵庫は、冷却器及び庫内ファンが配設され、冷却器により冷却された冷気が庫内ファンを介して循環される断熱箱体と、前記断熱箱体のベースパネルに設けられ、断熱箱体を床面から離間させてベースパルの下面と床面との間に空間を形成する脚部材と、前記断熱箱体のルーフパネル上に配設され、前記冷却器の冷却制御を行う冷凍ユニットとを有する冷蔵庫において、前記冷凍ユニットを覆うと共に吸排気孔を有するユニットカバーと、前記ユニットカバーの幅と同等の幅を有し、該ユニットカバーの後方下部から断熱箱体のリアパネルに沿って下方に配設される排気ダクトと、を有し、前記排気ダクトは、下端部が前記ベースパネルと床面との間の空間内に向けて前側方向に曲折されて形成される排気口を有し、前記冷凍ユニットから排出される排気の一部が前記排気口を介して断熱箱体のベースパネルの下面と床面との空間に流れることを特徴とする。
【0008】
請求項1の冷蔵庫では、その冷却駆動を行った際に、吸排気孔を有するユニットカバーに覆われる冷凍ユニットから排出される排気は、該ユニットカバーの後方下部から断熱箱体のリアパネルに沿って下方に配設され、下端部がベースパネルと床面との間の空間内に向けて前側方向に曲折されて形成される排気口を有する排気ダクトを介して、断熱箱体のベースパネルの下面と床面との空間に案内される。このとき、排気ダクトは、断熱箱体のリアパネルに設けられるとともに、冷凍ユニットを覆うユニットカバーの幅と同等の幅を有しているので、ベースパネルの下面と床面との空間にて滞留する空気を排除して、排気を断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内することが可能であり、これより断熱箱体内の冷気に起因してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能となる。また、排気ダクトは冷凍ユニットを覆うユニットカバーの幅と同等の幅を有していることから、冷凍ユニットから発生する排気の一部を使用するのみで、排気をベースパネルの下面全体に渡って案内することが可能である。
【0009】
また、請求項2に係る冷蔵庫は、請求項1の冷蔵庫において、前記排気ダクトの排出口近傍に、排気ダクトから排出される排気をベースパネルの下面全体に渡って送る整流板が配設されたことを特徴とする。かかる請求項2の冷蔵庫では、排気ダクトの排出口近傍に整流板が配設され、この整流板により排気ダクトからの排気がベースパネルの下面全体に渡って分散されるので、ベースパネルの下面で排気を滞留させることなくベースパネル全体に渡って結露の発生を有効に防止することが可能となる。
【0010】
更に、請求項3に係る冷蔵庫は、請求項1の冷蔵庫において、前記排気ダクトの吸入口の近傍にて、冷凍ユニットから排出される排気を排気ダクト内に送風する送風ファンが配置されたことを特徴とする。請求項3の冷蔵庫では、排気ダクトの吸入口の近傍に送風ファンが配置されているので、前記のように排気ダクトが冷凍ユニットの幅と同等の幅を有していることとも相まって、送風ファンを介して排気を更に効率的に断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能となる。これにより、冷蔵庫を過酷な条件下で使用する場合においても、ベースパネルの下面への結露の発生を防止することが可能となる。
【0011】
また、請求項4に係る冷蔵庫は、請求項3の冷蔵庫において、前記送風ファンの作動状態を切り換える切換スイッチを備えたことを特徴とし、また、請求項5に係る冷蔵庫は、請求項4の冷蔵庫において、前記切換スイッチは、冷蔵庫のオン状態に連動させて送風ファンを作動状態に切り換える第1モードと、前記冷凍ユニットのオン・オフに連動させて送風ファンを作動させる第2モードとを切換可能であることを特徴とする。かかる請求項4及び請求項5の冷蔵庫では、切換スイッチを介して送風ファンの作動状態を切り換えることが可能であり、特に、送風ファンの作動状態を第1モードと第2モードとに切り換えることにより、冷蔵庫の使用条件に対応して送風ファンの節電を有効に行うことが可能となる。
【0012】
更に、請求項6に係る冷蔵庫は、請求項3の冷蔵庫において、前記ベースパネルの下面に配設された結露センサを有し、前記送風ファンは、結露センサからの検出出力に基づいて、そのオン・オフ制御が行われることを特徴とし、また、請求項7に係る冷蔵庫は、請求項6の冷蔵庫において、前記送風ファンは、結露センサを介してベースパネル下面に結露が発生したことが検出された場合にオンされることを特徴とする。請求項6及び請求項7の冷蔵庫では、ベースパネルの下面に結露センサを配設し、その結露センサの検出出力に基づいて送風ファンのオン・オフ制御を行い、特に、結露センサによりベースパネルの下面における結露の発生が検出された場合に送風ファンをオンするので、送風ファンを効率的に作動させることが可能となり、また、節電を有効に行うことも可能となる。
【0013】
また、請求項8に係る冷蔵庫は、請求項1の冷蔵庫において、前記冷凍ユニットを収納するとともに少なくとも背面側に排気孔が形成されたユニットカバーを備え、前記排気ダクトは、ユニットカバー背面側の排気孔を覆うようにユニットカバーに対して着脱自在に構成されたことを特徴とする。請求項8の冷蔵庫では、排気ダクトは、冷凍ユニットのユニットカバーに対して着脱自在として断熱箱体とは別体に構成されていることから、排気ダクトを断熱箱体の断熱壁内部に形成する場合に比べて、断熱箱体の構造をシンプルにすることが可能であるとともに、断熱性能を高く保持することが可能である。また、排気ダクトは断熱箱体に対して着脱自在であることから、冷蔵庫の使用状況に従い必要に応じて排気ダクトを断熱箱体に簡単に増設することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る冷蔵庫について、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施形態に係る冷蔵庫について図1乃至図4に基づき説明する。図1は第1実施形態に係る冷蔵庫の正面図、図2は冷蔵庫の側断面図、図3は冷蔵庫のベースパネル下面における排気の流れを模式的に示す説明図、図4は冷蔵庫の後側下部を拡大して示す部分説明図である。
【0015】
図1、図2において、冷蔵庫1は断熱箱体2を有し、断熱箱体2の前方開放面には一対の扉3が開閉可能に取り付けられている。断熱箱体2は、ルーフパネル4、ベースパネル5、ルーフパネル4とベースパネル5間に配置される一対のサイドパネル6(図2中に一方が図示されている)、及び、リアパネル7から箱状に組み立てられてなる。
【0016】
前記断熱箱体2の内部において、ルーフパネル4の下面には冷却ユニット8が取り付けられており、かかる冷却ユニット8は、冷却ダクト9の前方位置(図2中、左側位置)に配置された庫内ファン10、冷却ダクト9内に配置された冷却器11、及び、冷却器11の下方にて冷却ダクト9の後方位置に配置された排水パイプ12を有する。排水パイプ12の後端部は、リアパネル7の内部に形成された排水路13(パイプ等が埋設されて構成される)に接続されている。かかる排水路13の下端部は、ベースパネル5の下面に取り付けられた排水部材14の上方に臨んでおり、また、排水部材14の前方端部は、ベースパネル5の下面に配置される排水容器15の上方に臨んでいる。前記構成において、冷却器11の除霜時に発生する除霜水は、冷却ダクト9上に滴下するとともに排水パイプ12から排水路13を経て排水部材14に集水され、また、排水部材14から排水容器15内に排水される。また、断熱箱体2内において、冷却器11により冷却された冷気は、庫内ファン10の作用により矢印にて示すように庫内を循環され、この間に断熱箱体2内に収納された農産物等の被冷却物の冷却が行われる。
【0017】
また、断熱箱体2のルーフパネル4の上面には、前記冷却器11を含んで公知の冷凍サイクルを構成する冷凍ユニット16が配設されている。かかる冷凍ユニット16のユニットカバー17内部には、公知の圧縮機、凝縮器が配設されており、また、凝縮器を冷却する冷却ファン18(図1参照)が設けられている。ユニットカバー17は、その両側及び後側に吸排気孔19(図2中に、一側のみ示す)を有している。また、ユニットカバー17の後方下部からは、リアパネル7に沿って排気ダクト20が一体に設けられている。排気ダクト20は、冷凍ユニット16のユニットカバー17の幅と略同等の幅を有しており、また、その下端部は、前側方向に曲折されている。かかる排気ダクト20を介してリアパネル7の後側には、排気通路21が形成される。
【0018】
更に、断熱箱体2におけるベースパネル5の下面には、複数の脚部材22、及び、キャスタ23が取り付けられている。ここに、脚部材22は断熱箱体2を床面F(冷蔵庫1の設置面)から離間させて、ベースパネル5の下面と床面Fとの間に空間Sを形成する。また、キャスタ23は、床面F上で冷蔵庫1を移動させる際に使用される。
【0019】
前記排気ダクト20の排出口25の近傍には、整流板24が配設されている。ここで、整流板24の構成について図3、図4に基づき説明する。図3、図4において、排気ダクト20の排出口25の近傍にて一対の整流板24が、断熱箱体2の前側に向かって開くように、ビス26を介して「ハ」字状に取り付けられている。これにより、排出口25において、3つの排出部25A、25B、25Cが形成されることとなり、従って、排気ダクト20の排気通路21を下方に流れてきた排気は、図3にて矢印で示すように、排出口25にて各排出部25A乃至25Cから空間S内でベースパネル5の下面全体に渡って流される。尚、断熱箱体2の外部から空気が空間Sからベースパネル5の下面に流れ込む。
【0020】
前記構成において、例えば、冷凍ユニット16の冷却運転時に冷却ファン18が回転駆動されて、図1に示すように右側の吸排気孔19から吸気した場合、その排気(一般に、冷却ユニット16や冷蔵庫1の周囲の温度よりも数℃高い)は、左側の吸排気孔19から排気されるとともに、その一部が後側にも排気される(図2参照)。このように、冷却ユニット16の後側に排出された排気は、矢印にて示すように、排気ダクト20の排気通路21に沿って下方に案内され、排出口25まで案内される。排出口25においては、各整流板24を介して3つの排出部25A、25B、25Cが形成されているので、排気は各排出部25A等を介して空間S内でベースパネル5の下面の全体に渡って流される。
【0021】
前記のように温度の高い排気がベースパネル5の下面に流されると、排水部材14、排水容器15、ベースパネル5の下面等が加温される。更に、排気は、周囲の温度差、及び、その風力に基づき、空間Sから抜けて断熱箱体2の前面側から上昇流となって上昇し、また、これに伴い、周囲の空気を引き込みつつ新たな空気の流れを引き起こす。これにより、空間Sを含む断熱箱体2の周囲で全体的に空気流が発生することとなる。この結果、排水部材14、排水容器15、ベースパネル5の下面等は、温度の高い空気流に晒されることとなって、その加温状態が維持され、排水部材14等の温度低下が防止される。従って、排水部材14等の温度低下に起因して結露がベースパネル5の下面にて発生することを確実に防止することができる。尚、排気ダクト20の排出口25からの排気量、及び、これに伴う空気流量が多い程、排水部材14等の温度を高く維持してベースパネル5下面への結露を防止する効果があるが、かかる排気量等については予め実験的に決定される。
【0022】
以上説明した通り第1実施形態に係る冷蔵庫1では、冷凍ユニット16の冷却駆動を行った際に、冷凍ユニット16における凝縮器の冷却ファン18により排出される排気は、その一部がユニットカバー17の吸排気孔19から排出されるとともに、排気ダクト20の排気通路21を介して、断熱箱体2のベースパネル5の下面と床面Fとの空間Sに案内される。このとき、排気ダクト20は、ユニットカバー17から一体に形成されるとともに、断熱箱体2のリアパネル7に沿って設けられており、また、ユニットカバー17の幅と略同等の幅を有しているので、冷凍ユニット16にて発生し冷却ファン18を介して排出される排気の一部を使用するのみで、ベースパネル5の下面と床面Fとの空間Sにて滞留する空気を排除して、排気を断熱箱体2のベースパネル5の下面に案内することができる。これより断熱箱体2内の冷気に起因してベースパネル5の下面に発生する結露を有効に防止することができるものである。
【0023】
また、前記のようにベースパネル5下面における結露の発生を防止することができることから、排水部材14等の腐食を防止することができ、また、結露により床面Fを濡らしてしまうことがなく、特に床面Fが木材である場合にはその腐敗を防止することができるものである。
【0024】
更に、排気ダクト20の排出口25近傍において、一対の整流板24を断熱箱体2の前側に向かって開放するように配設し、排出口25にて3つの排出部25A、25B、25Cを形成して排気ダクト20からの排気がベースパネル5の下面全体に渡って分散されるように構成したので、ベースパネル5の下面で排気を滞留させることなくベースパネル5全体に渡って排気を流すことができ、これによりベースパネル5の下面にて結露の発生を有効に防止することができる。
【0025】
次に、第2実施形態に係る冷蔵庫について図5乃至図7に基づき説明する。図5は第2実施形態に係る冷蔵庫の側断面図、図6は冷蔵庫を制御する制御回路の回路図、図7は冷蔵庫の冷却運転時におけるタイミングチャートである。
【0026】
ここに、第2実施形態に係る冷蔵庫は、前記第1実施形態の冷蔵庫1と基本的に同一の構成を有しており、排気ダクトの吸入口近傍にて送風ファンが配設されている一方、排気ダクトの排出口近傍にて整流板が設けられていない点で第1実施形態と異なるのみである。従って、以下の説明においては、第1実施形態の冷蔵庫1におけると同一の部材、要素等については同一の番号を付するものとし、また、第2実施形態に特徴的な構成に主眼を置いて説明することとする。
【0027】
図5において、冷凍ユニット16のユニットカバー17内にて、排気ダクト20の吸入口30の近傍には、小型送風ファン31が配設されている。この小型送風ファン31は、その取付板32の両側をビス33にてユニットカバー17にかしめることにより、ユニットカバー17の隅部にて傾斜した状態で取り付けられている。ここに、小型送風ファン33は、ユニットカバー17内に配設された凝縮器の冷却ファン18(図5中には図示せず)により後側に排出される排気を強制的に排気ダクト20の排気通路21に送出する作用を行う。
【0028】
このように、排気ダクト20の吸入口30の近傍に小型送風ファン31を配置し、小型送風ファン31を必要に応じて回転駆動させることにより、例えば、比較的地下水位が高く適切な防湿設備を有していない場所、或いは、周辺で水を使用することが多く常に湿度の高い場所等で結露発生の条件が満たされ易く、また、結露発生量の多い場所に冷蔵庫1を設置して使用する場合においても、小型送風ファン31を介して多量の排気を強制的に断熱箱体2のベースパネル5の下面全体に渡って案内することができ、ベースパネル5の下面に発生する結露を有効に防止することができる。このように、冷蔵庫1を過酷な条件下で使用する場合においても、ベースパネル5の下面への結露の発生を防止することができる。
【0029】
続いて、前記小型送風ファン31の回転制御を含む冷蔵庫1の制御回路について図6に基づき説明する。図6において、一対の電源ラインL1、L2間には、断熱箱体2の庫内温度を検知する庫内温度検知サーモTH、リレースイッチX、起動コンデンサSC、起動リレーSR、コンプレッサ(圧縮機)CM、及び、オーバーロードリレーOLが直列に接続されている。また、起動コンデンサSC、起動リレーSR等と並列に、リレースイッチXには、冷却ファン18のファンモータFM1、庫内ファン10のファンモータFM2、及び、切換スイッチSWと小型送風ファン31のファンモータFM3が、それぞれ両電源ラインL1、L2間に接続されている。
【0030】
ここに、切換スイッチSWは、3つのスイッチ端子T1、T2、T3を有しており、切換スイッチSWがスイッチ端子T1に切り換えられるとファンモータF3は各電源ラインL1、L2間に直接接続され、また、スイッチ端子T2に切り換えられるとファンモータF3に対する給電が遮断され、更に、スイッチ端子T3に切り換えられるとファンモータF3は前記起動コンデンサSC、起動リレーSR等と並列に各電源ラインL1、L2に接続されることとなる。尚、切換スイッチSWの切換は、手動切換であっても自動切換であってもよい。
【0031】
また、電源ラインL1、L2間には、リレーX及びカムタイマTMが接続されている。ここに、カムタイマTMは、モータMを介して通常はリレーXと各電源ラインL1、L2との接続を行ってリレースイッチXをオンさせることによりコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2を駆動して冷蔵庫1の冷却駆動を行い、また、所定時間毎に冷却器11の除霜を行う時にリレーXと各電源ラインL1、L2との接続を断ってリレースイッチXをオフさせることによりコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2の駆動を停止する作用を行う。尚、各電源ラインL1、L2間には、漏電遮断機ELBが接続されている。
【0032】
次に、前記制御回路の動作について、図6、図7に基づき説明する。ここでは、切換スイッチSWは先ずスイッチ端子T3に切り換えられているものとする。冷蔵庫1の電源がオンされると、カムタイマTMの作用によりリレーXがオンされる。かかるリレーXのオンに基づきリレースイッチXがオンされ、コンプレッサCM、ファンモータFM1、ファンモータFM2がオンされて駆動される。これにより、冷蔵庫1の冷却駆動が行われる。この冷却駆動時に、冷蔵庫1の庫内温度が低くなって庫内温度検知サーモTHがオフされると、各電源ラインL1、L2からのコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2への給電が断たれ、これによりコンプレッサCM等の駆動が停止されて冷蔵庫1の冷却駆動が停止される。このように、冷蔵庫1の電源がオンされている間、庫内温度検知サーモTHの作用に基づき冷蔵庫1の冷却駆動とその停止が断続的に行われる。
【0033】
このとき、切換スイッチSWがスイッチ端子T3に切り換えられている場合には、小型送風ファン31のファンモータFM3は、各電源ラテンL1、L2に対して前記コンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2と並列に接続されることとなるので、前記したコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2の動作と同期して断続的にその回転駆動が行われることとなる。このように、切換スイッチSWをスイッチ端子T3に切り換えた場合には、小型送風ファン31のファンモータFM3は、コンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2と同期して回転駆動されるので、例えば、比較的湿度の低い梅雨時期以外の時期等において、電力を無駄に消費することなく有効に節電を行うことができる。
【0034】
また、切換スイッチSWがスイッチ端子T2に切り換えられた場合には、図6から明らかなように、各電源ラインL1、L2からのファンモータFM3への給電は完全に断たれた状態になるので、ファンモータFM3の回転駆動は行われることなく小型送風ファン31の送風は停止される。このように、切換スイッチSWをスイッチ端子T2に切り換えた場合には、小型送風ファン31のファンモータFM3は回転駆動されないので、例えば、冷蔵庫1が湿度環境が良好な場所に設置されてベースパネル5下面への結露が発生する虞がない場合には、更に無駄な電力の消費を防止して節電を推進することができる。
【0035】
更に、切換スイッチSWがスイッチ端子T1に切り換えられた場合には、図6から明らかなように、各電源ラインL1、L2からのファンモータFM3への給電が常時行われる状態になるので、冷蔵庫1の電源がオンされている限りファンモータFM3は常時回転駆動されて小型送風ファン31による送風が行われる。このように、切換スイッチSWをスイッチ端子T1に切り換えた場合には、小型送風ファン31のファンモータFM3は常時回転駆動されるので、例えば、比較的地下水位が高く適切な防湿設備を有していない場所、或いは、周辺で吸いを使用することが多く常に湿度の高い場所等で結露発生の条件が満たされ易く、また、結露発生量の多い場所に冷蔵庫1を設置して使用する場合に、小型送風ファン31を介して排気ダクト20からベースパネル5の下面に排気を常時強制的に送風することにより、ベースパネル5下面への結露の発生を防止することができる。
【0036】
以上説明した通り第2実施形態に係る冷蔵庫1では、排気ダクト20の吸入口30の近傍に小型送風ファン31を配置し、小型送風ファン31を必要に応じて回転駆動させることにより、例えば、比較的地下水位が高く適切な防湿設備を有していない場所、或いは、周辺で水を使用することが多く常に湿度の高い場所等で結露発生の条件が満たされ易く、また、結露発生量の多い場所に冷蔵庫1を設置して使用する場合においても、小型送風ファン31を介して多量の排気を強制的に断熱箱体2のベースパネル5の下面全体に渡って案内することができ、ベースパネル5の下面に発生する結露を有効に防止することができる。このように、冷蔵庫1を過酷な条件下で使用する場合においても、ベースパネル5の下面への結露の発生を防止することができる。
【0037】
また、切換スイッチSWにおける3つのスイッチ端子T1、T2、T3のいずれかに選択的に切り換えることにより、小型送風ファン31のファンモータFM3をコンプレッサCM等と同期させて回転駆動するモード(スイッチ端子T3に切り換えた場合)、ファンモータFM3を回転駆動を停止するモード(スイッチ端子T2に切り換えた場合)、及び、ファンモータFM3を常時回転駆動するモード(スイッチ端子T1に切り換えた場合)を選択することができ、これにより冷蔵庫1の設置場所等を含む使用条件にフレキシブルに対応して小型送風ファン31の節電を有効に行いつつベースパネル5下面への結露の発生を効果的に防止することができる。
【0038】
次に、第3実施形態に係る冷蔵庫について図8乃至図10に基づき説明する。図8は第3実施形態に係る冷蔵庫の側断面図、図9は冷蔵庫を制御する制御回路の回路図、図10は冷蔵庫の冷却運転時におけるタイミングチャートである。
【0039】
ここに、第3実施形態に係る冷蔵庫は、前記第2実施形態の冷蔵庫1と基本的に同一の構成を有しており、断熱箱体におけるベースパネル下面の前方位置に結露センサを配置した点で、第2実施形態と異なるのみである。従って、以下の説明においては、第2実施形態の冷蔵庫1におけると同一の部材、要素等については同一の番号を付するものとし、また、第3実施形態に特徴的な構成に主眼を置いて説明することとする。
【0040】
図8において、冷凍ユニット16のユニットカバー17内にて、排気ダクト20の吸入口30の近傍には、小型送風ファン31が配設されている。この小型送風ファン31は、その取付板32の両側をビス33にてユニットカバー17にかしめることにより、ユニットカバー17の隅部にて傾斜した状態で取り付けられている。ここに、小型送風ファン31は、ユニットカバー17内に配設された凝縮器の冷却ファン18(図8中には図示せず)により後側に排出される排気を強制的に排気ダクト20の排気通路21に送出する作用を行う。
【0041】
また、断熱箱体2におけるベースパネル5の下方に配置された排水容器15に対向して、ベースパネル5の下面には結露センサ40が取り付けられている。かかる結露センサ40は、ベースパネル5下面の空間Sにおける相対湿度が100%近傍状態であるか、又は、結露発生状態であるかを検出するセンサであり、かかる状態を検出した場合には、後述するように、小型送風ファン31の駆動を継続し、また、前記の状態を検出しない場合には小型送風ファン31の駆動を停止する作用を行うものである。尚、結露センサ40としては、湿度センサを使用することができる。この場合には、相対湿度値のスレッシホールド値(例えば、相対湿度値93%)を予め設定しておき、検出された相対湿度値がスレッシホールド値を越えた場合に結露が発生したものとして前記と同様の動作を行うように制御回路が構成される。
【0042】
続いて、前記小型送風ファン31の回転制御を含む冷蔵庫1の制御回路について図9に基づき説明する。図9において、一対の電源ラインL1、L2間には、断熱箱体2の庫内温度を検知する庫内温度検知サーモTH、リレースイッチX1、起動コンデンサSC、起動リレーSR、コンプレッサ(圧縮機)CM、及び、オーバーロードリレーOLが直列に接続されている。また、起動コンデンサSC、起動リレーSR等と並列に、リレースイッチX1には、冷却ファン18のファンモータFM1、庫内ファン10のファンモータFM2が、それぞれ両電源ラインL1、L2間に接続されている。
【0043】
また、各電源ラインL1、L2間には検出出力回路DCOが接続されており、また、かかる検出出力回路DCOには、前記結露センサ40及びリレーX2が接続されている。ここに、検出出力回路DCOは、結露センサ40からの検出出力に基づきリレーX2のオン・オフを制御する作用を行い、例えば、結露センサ40により結露状態が検出された場合には、その検出出力に基づきリレーX2をオンし、また、結露センサ40により結露状態が検出されていない場合には、リレーX2をオフ状態に保持する。
【0044】
更に、各電源ラインL1、L2間には、リレースイッチX2と小型送風ファン31のファンモータFM3が直列に接続されている。ここに、ファンモータFM3は、前記リレーX2のオン・オフに従ってオン・オフされるリレースイッチX2を介して回転駆動制御される。
【0045】
また、電源ラインL1、L2間には、リレーX1及びカムタイマTMが接続されている。ここに、カムタイマTMは、モータMを介して通常はリレーX1と各電源ラインL1、L2との接続を行ってリレースイッチX1をオンさせることによりコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2を駆動して冷蔵庫1の冷却駆動を行い、また、所定時間毎に冷却器11の除霜を行う時にリレーX1と各電源ラインL1、L2との接続を断ってリレースイッチX1をオフさせることによりコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2の駆動を停止する作用を行う。尚、各電源ラインL1、L2間には、漏電遮断機ELBが接続されている。
【0046】
次に、前記制御回路の動作について、図9、図10に基づき説明する。冷蔵庫1の電源がオンされると、カムタイマTMの作用によりリレーX1がオンされる。かかるリレーX1のオンに基づきリレースイッチX1がオンされ、コンプレッサCM、ファンモータFM1、ファンモータFM2がオンされて駆動される。これにより、冷蔵庫1の冷却駆動が行われる。この冷却駆動時に、冷蔵庫1の庫内温度が低くなって庫内温度検知サーモTHがオフされると、各電源ラインL1、L2からのコンプレッサCM、各ファンモータFM1、FM2への給電が断たれ、これによりコンプレッサCM等の駆動が停止されて冷蔵庫1の冷却駆動が停止される。このように、冷蔵庫1の電源がオンされている間、庫内温度検知サーモTHの作用に基づき冷蔵庫1の冷却駆動とその停止が断続的に行われる。
【0047】
前記のように冷蔵庫1の冷却駆動が断続的に行われている間に、結露センサ40を介してベースパネル5下面への結露状態が検出された場合、検出出力回路DCOによりリレーX2がオンされ、これに基づきリレースイッチX2もオンされることとなる。そして、このようにリレースイッチX2がオンされている間、各電源ラインL1、L2からファンモータFM3に給電され、この結果、小型送風ファン31の回転駆動が行われて冷凍ユニット16からの排気が排気ダクト20を介してベースパネル5下面の空間Sに排出される。
【0048】
以上説明した通り第3実施形態に係る冷蔵庫1では、ベースパネル5の下面に結露センサ40を配設し、その結露センサ40の検出出力に基づいてファンモータFM3のオン・オフ制御を行い、特に、結露センサ40によりベースパネル5の下面における結露の発生が検出された場合にファンモータFM3をオンして小型送風ファン31により送風制御を行うようにしたので、小型送風ファン31を効率的に作動させることができるとともに、ベースパネル5下面における結露の発生状態にフレキシブルに対応して節電を有効に行うこともできる。
【0049】
次に、第4実施形態に係る冷蔵庫について図11及び図12に基づき説明する。図11は第4実施形態に係る冷蔵庫の側断面図、図12は冷蔵庫の背部に排気ダクトカバーを取り付ける状態を模式的に示す分解斜視図である。
ここに、第4実施形態に係る冷蔵庫は、前記第1実施形態の冷蔵庫1と基本的に同一の構成を有しており、第1実施形態の冷蔵庫1では排気ダクト20が冷凍ユニット16のユニットカバー17から連続的且つ一体に形成されているのに対して、第4実施形態の冷蔵庫では、排気ダクトカバーが冷蔵庫とは別体に構成されるとともに、冷蔵庫の背部に対して着脱自在に構成されている点、及び、排気ダクトカバーの排出口近傍にて整流板が設けられていない点で第1実施形態と異なるのみである。従って、以下の説明においては、第1実施形態の冷蔵庫1におけると同一の部材、要素等については同一の番号を付するものとし、また、第4実施形態に特徴的な構成に主眼を置いて説明することとする。
【0050】
図11、図12において、冷凍ユニット16におけるユニットカバー17の左右両側及び背面側には、吸排気孔19が形成されており、また、ユニットカバー17の背面側には、その吸排気孔19を覆うように排気ダクトカバー50が着脱自在に取り付けられている。かかる取付関係について具体的に説明する。ユニットカバー17の背面にて吸排気孔19の周囲に複数個のネジ穴51(図12中、8個のネジ穴51)が形成されている。また、排気ダクトカバー50は、ユニットカバー17の幅と同等の幅に形成され、ユニットカバー17の背面側の吸排気孔19からの排気を導入する筒状の排気導入部52、及び、排気導入部52から導入した排気をリアパネル7に沿って下方に案内する筒状の排気案内部53を一体に形成してなる。更に、排気導入部52の入口周囲には、フランジ54が形成されており、また、フランジ54には、前記各ネジ穴51に対応するように、複数個のネジ挿通穴55(図12中、8個のネジ挿通穴55)が形成されている。また、排気案内部53の下端には、排気をベースパネル5下面の空間Sに向かって排出する排出口56が設けられている。
【0051】
そして、前記排気ダクトカバー50を冷蔵庫1のリアパネル7に取り付けるには、ユニットカバー17の背面に形成された各ネジ穴51と排気ダクトカバー50における排気導入部52のフランジ54に形成された各ネジ挿通穴55とを位置決めし、この状態で、各ネジ挿通穴55、ネジ穴51内にネジ57を締結固定する。これにより、排気ダクトカバー50は、リアパネル7の背面に取り付けられる。尚、排気ダクトカバー50をリアパネル7から取り外すには、ネジ57をリリースして取り外せばよい。
【0052】
前記構成において、冷凍ユニット16の冷却運転時に冷却ファン18が回転駆動されて、図12に示すように右側の吸排気孔19から吸気した場合、その排気(一般に、冷却ユニット16や冷蔵庫1の周囲の温度よりも数℃高い)は、左側の吸排気孔19から排気されるとともに、その一部が後側の吸排気孔19から排気される(図12参照)。このように、冷却ユニット16の後側に排出された排気は、矢印にて示すように、排気ダクトカバー50の排気導入部52から排気案内部53に沿って下方に案内され、排出口56まで案内される。そして、排気は排出口56から空間S内でベースパネル5の下面の全体に渡って流される。
【0053】
以上説明した通り第4実施形態に係る冷蔵庫1では、排気ダクトカバー50は、ユニットカバー17に対して着脱自在として断熱箱体2とは別体に構成されていることから、従来のように排気ダクトを断熱箱体の断熱壁内部に形成する場合に比べて、断熱箱体の構造をシンプルにすることができるとともに、断熱性能を高く保持することができる。また、排気ダクトカバー50は断熱箱体2に対して着脱自在であることから、冷蔵庫1の使用状況に従い必要に応じて排気ダクトカバー50を断熱箱体2に簡単に増設することができる。
尚、本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1の冷蔵庫では、その冷却駆動を行った際に、吸排気孔を有するユニットカバーに覆われる冷凍ユニットから排出される排気は、該ユニットカバーの後方下部から断熱箱体のリアパネルに沿って下方に配設され、下端部がベースパネルと床面との間の空間内に向けて前側方向に曲折されて形成される排気口を有する排気ダクトを介して、断熱箱体のベースパネルの下面と床面との空間に案内される。このとき、排気ダクトは、断熱箱体のリアパネルに設けられるとともに、冷凍ユニットを覆うユニットカバーの幅と同等の幅を有しているので、ベースパネルの下面と床面との空間にて滞留する空気を排除して、排気を断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内することが可能であり、これより断熱箱体内の冷気に起因してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能となる。また、排気ダクトは冷凍ユニットを覆うユニットカバーの幅と同等の幅を有していることから、冷凍ユニットから発生する排気の一部を使用するのみで、排気をベースパネルの下面全体に渡って案内することが可能である。
【0055】
また、請求項2に係る冷蔵庫では、排気ダクトの排出口近傍に整流板が配設され、この整流板により排気ダクトからの排気がベースパネルの下面全体に渡って分散されるので、ベースパネルの下面で排気を滞留させることなくベースパネル全体に渡って結露の発生を有効に防止することが可能となる。
【0056】
更に、請求項3に係る冷蔵庫では、排気ダクトの吸入口の近傍に送風ファンが配置されているので、前記のように排気ダクトが冷凍ユニットの幅と同等の幅を有していることとも相まって、送風ファンを介して排気を更に効率的に断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能となる。これにより、冷蔵庫を過酷な条件下で使用する場合においても、ベースパネルの下面への結露の発生を防止することが可能となる。
また、請求項4及び請求項5に係る冷蔵庫では、切換スイッチを介して送風ファンの作動状態を切り換えることが可能であり、特に、送風ファンの作動状態を第1モードと第2モードとに切り換えることにより、冷蔵庫の使用条件に対応して送風ファンの節電を有効に行うことが可能となる。
【0057】
更に、請求項6及び請求項7の冷蔵庫では、ベースパネルの下面に結露センサを配設し、その結露センサの検出出力に基づいて送風ファンのオン・オフ制御を行い、特に、結露センサによりベースパネルの下面における結露の発生が検出された場合に送風ファンをオンするので、送風ファンを効率的に作動させることが可能となり、また、節電を有効に行うことも可能となる。
【0058】
また、請求項8に係る冷蔵庫では、排気ダクトは、冷凍ユニットのユニットカバーに対して着脱自在として断熱箱体とは別体に構成されていることから、排気ダクトを断熱箱体の断熱壁内部に形成する場合に比べて、断熱箱体の構造をシンプルにすることが可能であるとともに、断熱性能を高く保持することが可能である。また、排気ダクトは断熱箱体に対して着脱自在であることから、冷蔵庫の使用状況に従い必要に応じて排気ダクトを断熱箱体に簡単に増設することが可能となる。
【0059】
以上の通り本発明は、冷凍ユニットの凝縮器をファンにより冷却した際に発生する排気を断熱箱体のベースパネルの下面全体に渡って案内することが可能であり、もって断熱箱体内の冷気に起因してベースパネルの下面に発生する結露を有効に防止することが可能な冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る冷蔵庫の正面図である。
【図2】冷蔵庫の側断面図である。
【図3】冷蔵庫のベースパネル下面における排気の流れを模式的に示す説明図である。
【図4】冷蔵庫の後側下部を拡大して示す部分説明図である。
【図5】第2実施形態に係る冷蔵庫の側断面図である。
【図6】冷蔵庫を制御する制御回路の回路図である。
【図7】冷蔵庫の冷却運転時におけるタイミングチャートである。
【図8】第3実施形態に係る冷蔵庫の側断面図である。
【図9】冷蔵庫を制御する制御回路の回路図である。
【図10】冷蔵庫の冷却運転時におけるタイミングチャートである。
【図11】第4実施形態に係る冷蔵庫の側断面図である。
【図12】冷蔵庫の背部に排気ダクトカバーを取り付ける状態を模式的に示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1・・・冷蔵庫、2・・・断熱箱体、3・・・扉、4・・・ルーフパネル、
5・・・ベースパネル、6・・・サイドパネル、7・・・リアパネル、
8・・・冷却ユニット、9・・・冷却ダクト、10・・・庫内ファン、
11・・・冷却器、16・・・冷凍ユニット、17・・・ユニットカバー、
18・・・冷却ファン、19・・・吸排気孔、20・・・排気ダクト、
21・・・排気通路、22・・・脚部材、24・・・整流板、25・・・排出口
30・・・吸入口、31・・・小型送風ファン、32・・・取付板、
33・・・ビス、40・・・結露センサ、50・・・排気ダクトカバー、
51・・・ネジ穴、52・・・排気導入部、53・・・排気案内部、
54・・・フランジ、55・・・ネジ挿通穴、56・・・排出口、
57・・・ネジ、F・・・床面、S・・・空間
Claims (8)
- 冷却器及び庫内ファンが配設され、冷却器により冷却された冷気が庫内ファンを介して循環される断熱箱体と、
前記断熱箱体のベースパネルに設けられ、断熱箱体を床面から離間させてベースパルの下面と床面との間に空間を形成する脚部材と、
前記断熱箱体のルーフパネル上に配設され、前記冷却器の冷却制御を行う冷凍ユニットとを有する冷蔵庫において、
前記冷凍ユニットを覆うと共に吸排気孔を有するユニットカバーと、
前記ユニットカバーの幅と同等の幅を有し、該ユニットカバーの後方下部から断熱箱体のリアパネルに沿って下方に配設される排気ダクトと、を有し、
前記排気ダクトは、下端部が前記ベースパネルと床面との間の空間内に向けて前側方向に曲折されて形成される排気口を有し、
前記冷凍ユニットから排出される排気の一部が前記排気口を介して断熱箱体のベースパネルの下面と床面との空間に流れることを特徴とする冷蔵庫。 - 前記排気ダクトの排出口近傍に、排気ダクトから排出される排気をベースパネルの下面全体に渡って送る整流板が配設されたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
- 前記排気ダクトの吸入口の近傍にて、冷凍ユニットから排出される排気を排気ダクト内に送風する送風ファンが配置されたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
- 前記送風ファンの作動状態を切り換える切換スイッチを備えたことを特徴とする請求項3記載の冷蔵庫。
- 前記切換スイッチは、冷蔵庫のオン状態に連動させて送風ファンを作動状態に切り換える第1モードと、前記冷凍ユニットのオン・オフに連動させて送風ファンを作動させる第2モードとを切換可能であることを特徴とする請求項4記載の冷蔵庫。
- 前記ベースパネルの下面に配設された結露センサを有し、前記送風ファンは、結露センサからの検出出力に基づいて、そのオン・オフ制御が行われることを特徴とする請求項3記載の冷蔵庫。
- 前記送風ファンは、結露センサを介してベースパネル下面に結露が発生したことが検出された場合にオンされることを特徴とする請求項6記載の冷蔵庫。
- 前記冷凍ユニットを収納するとともに少なくとも背面側に排気孔が形成されたユニットカバーを備え、前記排気ダクトは、ユニットカバー背面側の排気孔を覆うようにユニットカバーに対して着脱自在に構成されたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
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