JP3741375B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents
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そこで、本発明の光情報記録媒体は、基板と、基板の一方の主面に形成された少なくとも1層の情報記録層と、情報記録層を覆う光透過層とを有している。基板は、クランプ領域と、情報記録層に対応する情報記録領域とを備えている。クランプ領域における光透過層の平均厚みが、情報記録領域における光透過層の平均厚みよりも小さいことを特徴とする。
また、本発明の光情報記録媒体は、基板と光透過層の厚みが異なることを特徴とする。
この光情報記録媒体では、厚み方向に非対称な構造を有している。このような場合にもこの非対称性に起因する反りを抑制することが可能となる。
本発明の光情報記録媒体において、情報記録領域における光透過層の厚みが、略100μmであることが好ましい。あるいは、略75μmであることが好ましい。
本発明の光情報記録媒体において、クランプ領域における光透過層の平均厚みが、情報記録領域における光透過層の平均厚みの略95%以下であることが好ましい。
本発明の光情報記録媒体において、クランプ領域における光透過層の平均厚みが、情報記録領域における光透過層の平均厚みの略70%以上であることが好ましい。
これによって光情報記録媒体を記録再生するときの記録再生光のフォーカス位置が安定である。
また、光透過層は、複数の材料から形成されていることを特徴とする。複数の材料の少なくとも1つは、放射線硬化性樹脂であることが好ましい。これによって高価な材料を用いることなく、安価に作製することができるからである。
本発明の光情報記録媒体において、光透過層の記録再生側の一部もしくは全部に形成された保護層をさらに備えることが好ましい。保護層の鉛筆硬度はH以上であることが好ましい。
この際、クランプ領域の保護層の平均厚みが、情報記録領域の保護層の平均厚みよりも薄いことを特徴とする。
光情報記録媒体は、光透過層と基板の厚みが異なることを特徴とする。
ここで鉛筆硬度とは、鉛筆の先端を尖らせて、45度の角度で1kgの荷重で押し当て、荷重を加えたまま鉛筆を引っ張って、傷がつくかどうかで判定した。鉛筆硬度は、JIS-K5400に準拠して測定する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の光情報記録媒体100の概要を説明する図である。本発明の光情報記録媒体100は、中心孔102が形成された基板101の一方の主面に、情報記録層103と、光透過層106とを有している。基板101において、情報記録層103が形成される環状の領域を情報記録領域104とする。また、情報記録領域104よりも内周側に形成される領域であって、光情報記録媒体100がクランプされる領域をクランプ領域105とする。情報記録領域104とクランプ領域105は重なったり接したりしておらず、間に環状の領域を確保している。光透過層106は、情報記録領域104において情報記録層103を、クランプ領域105において基板101を覆うように形成されている。具体的には、光透過層106は、基板101の情報記録領域104とクランプ領域105とを覆っている。光透過層106において、情報記録領域104に対応する部分を情報記録領域対応部分106aといい、クランプ領域105に対応する部分をクランプ領域対応部分106bという。
この光情報記録媒体100は、記録再生を繰り返すことで暖まったドライブに挿入した場合においても、大きな反りを発生することなく、安定な記録再生を行うことが可能となる。
図6のように、光情報記録媒体110は、基板111と、情報記録層113と、光透過層116とから構成されている。基板111は、厚さ略1.1mm、直径略120mm、中心孔112の径が略15mmである。基板111は射出成形されたポリカーボネートからなっている。情報記録層113は、基板111に形成された深さ略20nmの案内溝と、その上に成膜された相変化材料や誘電体材料からなる記録膜とから形成されている。光透過層116は、基板111の情報記録層113上に形成され、厚さ略70μmのシート状基板117と厚さ略30μmの粘着材118からなる。光透過層116は、厚さ略100μm、内径略22mmである。光透過層116は一体化された粘着材118とシート状基板117を、基板111にローラで押し付けることにより形成したが、真空で重ね合わせるなどの方法を用いても構わない。シート状基板117はキャスティングにより作製されたポリカーボネート、粘着材118はアクリレートを主成分とする樹脂材料から成っている。
光情報記録媒体110では、光透過層116は、情報記録領域114に対応する部分の平均厚みよりも、クランプ領域115に対応する部分の平均厚みが小さくなるように形成されている。ここでは粘着材118の厚みは30μmで一定とし、シート状基板117の情報記録領域対応部分117aとクランプ領域対応部分117bとで異ならせている。
図2に示す従来の光情報記録媒体110を、記録・再生を繰り返し略50℃まで暖まったドライブに挿入したところ、挿入直後に光情報記録媒体110に図3に示すような大きな反りが短時間で発生することがわかった。図3のグラフはドライブに投入した時間を0秒として、光情報記録媒体110の半径58mmでの反りの変化量を示している。ここで光情報記録媒体110の記録・再生面を下方として、鉛直下方から入射したレーザ光と情報記録層113で反射したレーザ光の成す角131を反り量とし、図4(a)のような反り方向を+、図4(b)のような方向を−として定義している。
図6(a)のように、情報記録領域114における光透過層116の厚みに対して、クランプ領域115における光透過層116の厚みを様々に変化させた。ここではシート状基板117と粘着材118からなる光透過層116において、粘着材118の厚みは30μmとし、シート状基板117のクランプ領域対応部分117bの厚さだけを変えている。
ここでは、例として書き換え可能な記録再生型の光ディスクを示したが、一回のみの記録が可能な追記型、反射層がAlやAgを主成分とするような再生型であっても構わない。さらに、本実施例で示したような、情報記録層113の上に層が一つしかない場合だけでなく複数の層が存在する場合や、情報記録層113を2層以上の複数層有する、他層光ディスクであっても構わない。
図9(a)に、本発明の光情報記録媒体200を示す。図9に示す光情報記録媒体200では、実施例1と同様の基板201を用い、光透過層206を、放射線硬化性樹脂だけで形成した。
なお、図7に示す従来技術の構造では、光透過層206の平均厚みは全体で均一になっている。
放射線硬化性樹脂で光透過層206を形成する場合、硬化前は液体であるためその形状を変化させやすい。そこで、光透過層のクランプ領域対応部分は、図9に示したような形状だけでなく、図10(a)のように外周側に徐々に厚くなる形状のクランプ領域対応部分216b、図10(b)のように外周側に徐々に薄くなる形状のクランプ領域対応部分226b、図10(c)のように断面で波打った形状のクランプ領域対応部分236bなどであってもよい。このような形状にした場合でも、実施の形態1で述べた効果はほぼ同様に得られ、記録媒体の反り量は、光透過層のクランプ領域対応部分の平均厚みに基づくことがわかった。
ここでは光透過層を形成する放射線硬化性樹脂が1種類からなる場合のみを示したが、複数種類の放射線硬化性樹脂を積層したような構造であっても構わない。光透過層が複数層からなる場合においても同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
図11を用いて、本発明の光情報記録媒体について一例を説明する。なお、実施の形態1で説明した部分と同様の部分については、重複する説明を省略する場合がある。なお、図11(b)(c)は、本発明の構造を示しており、図11(a)は従来の構造を示している。
それに対して、図11(b)に示す本発明の光情報記録媒体300では、保護層317のクランプ領域対応部分317bの平均厚みが、情報記録領域対応部分317aの平均厚みより小さい。なお、保護層は一般に薄く形成されるため、ディスクのクランプの安定性に影響を与えることが少ない。したがって、光情報記録媒体のクランプ領域には保護層を形成しない、ということも可能である。
(実施の形態3)
ここでは、本発明の光情報記録媒体について一例を説明する。なお、実施の形態1および実施の形態2で説明した部分と同様の部分については、重複する説明を省略する場合がある。
例えば図12に示すような情報記録層を2層有するいわゆる2層ディスクである光情報記録媒体400では、第1情報記録層403と第2情報記録層413の間には略20〜略30μmの中間層408があり、光透過層406は略70〜略80μmで形成した。この場合においても、光透過層406において、クランプ領域対応部分406b平均厚みを情報記録領域対応部分406aの平均厚みよりも小さくすることで、実施の形態1または2で述べたような、反りを低減する効果があり、特に平均厚みを95%以下にすることが効果的であった。
以上、本発明の実施の形態について例をあげて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づき他の実施の形態に適用することができる。
101、111、201、301、401 基板
102、112、202、302、402 中心孔
103、113、203、303 情報記録層
104、114、204、214、304、404 情報記録領域
105、115、205、305、405 クランプ領域
106、116、206、216、226、236、306、326,406 光透過層
117 シート状基板
118 粘着材
119 ターンテーブル
120 センターコーン
121 クランパー
131 レーザ光の成す角
307、317、327 保護層
403 第1情報記録層
408 中間層
413 第2情報記録層
Claims (21)
- 基板と、前記基板の一方の主面に形成された少なくとも1層の情報記録層と、前記情報記録層を覆う光透過層とを備え、
前記基板は、クランプ領域と、前記情報記録層に対応する情報記録領域とを有し、
前記クランプ領域における前記光透過層の平均厚みが、前記情報記録領域における前記光透過層の平均厚みよりも小さいことを特徴とする、
光情報記録媒体。 - 前記基板と前記光透過層の厚みが異なることを特徴とする、
請求項1記載の光情報記録媒体。 - 全体の厚みが1.14〜1.50mmであることを特徴とする、
請求項1または2に記載の光情報記録媒体。 - 前記情報記録領域における前記光透過層の厚みが、略100μmであることを特徴とする、
請求項1ないし3のいずれかに記載の光情報記録媒体。 - 前記情報記録領域における前記光透過層の厚みが、略75μmであることを特徴とする、
請求項1ないし3のいずれかに記載の光情報記録媒体。 - 前記クランプ領域における前記光透過層の平均厚みが、前記情報記録領域における前記光透過層の平均厚みの略95%以下であることを特徴とする、
請求項1ないし5のいずれかに記載に光情報記録媒体。 - 前記クランプ領域における前記光透過層の平均厚みが、前記情報記録領域における前記光透過層の平均厚みの略70%以上であることを特徴とする、
請求項6に記載に光情報記録媒体。 - 前記光透過層が、放射線硬化性樹脂であることを特徴とする、
請求項1ないし7のいずれかに記載の光情報記録媒体。 - 前記光透過層が複数の材料から形成されることを特徴とする、
請求項1ないし7のいずれかに記載の光情報記録媒体。 - 前記複数の材料の少なくとも1つが、放射線硬化性樹脂であることを特徴とする、
請求項9に記載の光情報記録媒体。 - 前記複数の材料の少なくとも1つが、ポリカーボネートであることを特徴とする、
請求項9または10に記載の光情報記録媒体。 - 前記複数の材料の少なくとも1つが、粘着性材料であることを特徴とする、
請求項9ないし11のいずれかに記載の光情報記録媒体。 - 前記光透過層の記録再生側の一部もしくは全部に形成された保護層をさらに備えることを特徴とする、
請求項1ないし12のいずれかに記載の光情報記録媒体。 - 前記保護層の鉛筆硬度が、H以上であることを特徴とする、
請求項13に記載の光情報記録媒体。 - 前記クランプ領域における前記保護層の平均厚みが、前記情報記録領域における前記保護層の平均厚みよりも小さいことを特徴とする、
請求項13または14に記載の光情報記録媒体。 - 基板と、前記基板の一方の主面に形成された少なくとも1層の情報記録層と、前記情報記録層を覆う光透過層と、前記光透過層の記録再生側の一部もしくは全部に形成された保護層とを備え、
前記基板は、クランプ領域と、前記情報記録層に対応する情報記録領域とを有し、
前記クランプ領域における前記保護層の平均厚みが、前記情報記録領域における前記保護層の平均厚みよりも小さいことを特徴とする、
光情報記録媒体。 - 基板と、前記基板の一方の主面に形成された少なくとも1層の情報記録層と、前記情報記録層を覆う光透過層と、前記光透過層の記録再生側の一部もしくは全部に形成された保護層とを備え、
前記基板は、クランプ領域と、前記情報記録層に対応する情報記録領域とを有し、
前記クランプ領域には、前記保護層が形成されていないことを特徴とする、
光情報記録媒体。 - 前記保護層の鉛筆硬度が、H以上であることを特徴とする、
請求項16または17に記載の光情報記録媒体。 - 前記光透過層と前記基板の厚みが異なることを特徴とする、
請求項16ないし18のいずれかに記載の光情報記録媒体。 - 前記光透過層と前記保護層をあわせた厚みが、略100μmであることを特徴とする、
請求項16ないし19のいずれかに記載の光情報記録媒体。 - 前記光透過層と前記保護層をあわせた厚みが、略75μmであることを特徴とする、
請求項16ないし19のいずれかに記載の光情報記録媒体。
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