JP3740763B2 - 冷房装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素を吸蔵、放出可能な水素貯蔵合金から水素が放出するときの放出潜熱を冷熱源として室内空気を冷却する冷房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、上記した冷房装置として、特開平7−99057号公報には、水素貯蔵合金に設けた熱交換部において上記放出潜熱を奪われて冷却された熱媒体を、冷房用熱交換器に循環させることにより、冷房空間を冷却するものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水素貯蔵合金は、所定量の水素を貯蔵する目的で使用されるため、必然的に大型となり、熱容量が大きくなってしまうので、水素の放出開始直後では、室温程度の水素貯蔵合金の冷却に上記放出潜熱が主に使用されてしまい、上記熱媒体を急速に冷却できず、室内空気を急速に冷却できない恐れがあることが、本発明者らの検討により見出された。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、水素貯蔵合金から水素が放出するときの放出潜熱を冷熱源として室内空気を冷却する冷房装置であって、水素の放出開始直後における室内空気の冷却を急速に行なうことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、吸着器(5)における吸着媒体の吸着、脱着に伴って、吸着媒体を蒸発、凝縮する凝縮蒸発器(6)において、吸着媒体を蒸発させるときは周囲から蒸発潜熱を奪うこと、さらに、この凝縮蒸発器(6)は水素貯蔵合金(32)に比べて体格が小さく、熱容量が小さく構成されることに着目して、以下に述べる発明を見出したものである。
【0006】
具体的に、請求項1に記載の発明では、水素貯蔵合金(32)から供給される水素と酸化剤とを反応させて発電する燃料電池(2)と組み合わせて使用される冷房装置であって、
水素の放出開始直後には、凝縮蒸発器(6)における吸着媒体の蒸発による蒸発潜熱を冷熱源として、室内熱交換器(10a、10b、10)により室内空気を冷却し、
また、水素の放出開始直後に、吸着器(5)にて吸着媒体を吸着させ、このときの吸着熱により燃料電池(2)を加熱することを特徴としている。
このような構成によれば、吸着媒体の蒸発による蒸発潜熱が、熱容量が小さく構成される凝縮蒸発器(6)自身の冷却に使用される量は少なく、この蒸発潜熱の多くを室内空気を冷却する冷熱源として使用できる。よって、上記従来技術に比べて、室内空気の冷却を急速に行なうことができ、室内の冷房を急速に行なうことができる。
【0007】
また、室内熱交換器(10a、10b、10)により、吸着媒体が蒸発するときの蒸発潜熱を室内空気から奪わせている、との見方もでき、この結果、吸着媒体の蒸発を良好に続行させることができる。
また、請求項1に記載の発明では、水素の放出開始直後に、吸着器(5)にて吸着媒体を吸着させ、このときの吸着熱により燃料電池(2)を加熱している。ここで、燃料電池(2)の発電開始直後、つまり、水素の供給(放出)開始直後では、燃料電池(2)が室温程度に低温であるため、水素と酸化剤との反応が良好に進まず、十分な発電効率が得られないものである。なお、燃料電池(2)が発電を継続して発電定常状態となると、この燃料電池(2)が発熱して温度が上昇し、発電効率が向上する。
これに対して、水素の放出開始直後、つまり、燃料電池(2)の発電開始直後において、燃料電池(2)を加熱できるため、燃料電池(2)の暖機を急速に行なうことができる。よって、発電開始直後において、水素と酸化剤との反応を良好に行なわせることができ、十分な発電効率を急速に得ることができる。
また、電気ヒータを使用して燃料電池(2)の急速暖機を行なう場合に比べて、省電力を図ることができる。また、吸着媒体を吸着するときの吸着熱を燃料電池(2)により奪わせている、との見方もでき、この結果、吸着媒体の吸着を良好に続行させることができる。
また、請求項2に記載の発明では、水素の放出開始直後において、上記放出潜熱および上記蒸発潜熱を冷熱源として使用しているので、室内空気をより急速に冷却できる。
【0008】
また、請求項3に記載の発明では、水素の放出開始直後に、吸着媒体の蒸発による蒸発潜熱により水素貯蔵合金(32)を冷却することにより、上記放出潜熱に加えて、水素貯蔵合金(32)の冷熱をも冷熱源として、室内熱交換器(10a)により室内空気を冷却することを特徴としている。
このような構成によれば、上記水素の放出開始直後において、蒸発潜熱により水素貯蔵合金(32)を冷却することにより、水素貯蔵合金(32)の冷熱の分だけ従来よりも急速に室内空気を冷却でき、室内の冷房を急速に行なうことができる。
【0009】
また、室内熱交換器(10a)により、吸着媒体が蒸発するときの蒸発潜熱を室内空気から奪わせている、との見方もでき、この結果、吸着媒体の蒸発を良好に続行させることができる。
【0010】
また、凝縮熱を室外空気へ放出しているので、室内空気の冷却(室内の冷房)を妨げることはない。
また、請求項4に記載の発明では、請求項3において、水素貯蔵合金(32)から供給される水素と酸化剤とを反応させて発電する燃料電池(2)と組み合わせて使用される冷房装置であって、水素の放出開始直後に、吸着器(5)にて吸着媒体を吸着させ、このときの吸着熱により燃料電池(2)を加熱することを特徴としている。
【0012】
これによると、請求項1の作用効果として前述したように、燃料電池(2)の発電開始直後において、燃料電池(2)を加熱できるため、燃料電池(2)の暖機を急速に行なうことができる。よって、発電開始直後において、水素と酸化剤との反応を良好に行なわせることができ、十分な発電効率を急速に得ることができる。また、電気ヒータを使用して燃料電池(2)の急速暖機を行なう場合に比べて、省電力を図ることができる。
【0013】
また、吸着媒体を吸着するときの吸着熱を燃料電池(2)により奪わせている、との見方もでき、この結果、吸着媒体の吸着を良好に続行させることができる。
また、請求項5に記載の発明では、燃料電池(2)が発電定常状態のとき、燃料電池(2)が発生する熱により凝縮蒸発器(6)を加熱して、吸着媒体が脱着される。
この結果、吸着媒体の脱着を行なうと同時に、燃料電池(2)の発生する熱を凝縮蒸発器(6)により奪わせる、との見方により、燃料電池(2)が異常に高温となることを抑制でき、燃料電池(2)を構成する電極等の構成部品(21、22、23、24)の損傷を抑制できる。
また、請求項6に記載の発明では、凝縮蒸発器(6)にて吸着媒体が凝縮するときの凝縮熱を室外空気へ放出させる室外熱交換器(8c)を設けてあるので、凝縮蒸発器(6)における吸着媒体の凝縮を良好に続行させることができる。
【0014】
また、請求項7に記載の発明では、吸着剤(52)から吸着媒体を脱着させた後に、吸着器(5)と凝縮蒸発器(6)との連通部(55)を開閉手段(43)にて閉じているので、次回の水素放出開始時まで、吸着器(5)の吸着剤(52)の脱着状態をそのまま維持できる。このため、次回の水素放出開始時に連通部(55)を開くことにより、▲1▼吸着器(5)における吸着媒体の吸着、つまり、凝縮蒸発器(6)における吸着媒体の蒸発を良好に行なうことができ、ひいては、室内空気の急速冷却(室内の急速冷房)を良好に行なうことができる。▲2▼吸着器(5)における吸着媒体の吸着を良好に行なうことができ、燃料電池(2)の急速暖機を良好に行なうことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、燃料電池システム1を電源とする燃料電池自動車に、本発明の冷房装置を適用したものである。燃料電池システム1は、水素と酸化剤(空気中の酸素)とを反応させて発電する燃料電池2と、水素を貯蔵する水素タンク3と、水素タンク3内の水素を燃料電池2に送る水素ポンプ4と、燃料電池2の急速暖機のための吸着器5と、後述する室内熱交換器10bの急速冷却のための凝縮蒸発器6とを備えている。これらは全て、自動車の床下(車室外)に設けられている。そして、燃料電池2からの電力を、図示しないインバータやコンバータを介して、車両駆動用モータ7へ供給するようになっている。
【0016】
燃料電池2は、図2に示すように、溝付コネクタ21、正極(カソード)22、電解質層23、および、負極(アノード)24を、この順に積層したものからなる。溝付コネクタ21のうち、正極22に対向する面には、図2中紙面垂直方向に、多数の溝211が形成され、負極24に対向する面には、図2中紙面左右方向に、多数の溝212が形成されている。
【0017】
そして、溝211にはエアポンプ101(図4参照)から空気が供給され、溝212には水素タンク3内の水素が水素ポンプ4を介して供給されるようになっている。そして、積層方向端部の溝付コネクタ21には、熱交換流体が蛇行状に流れる熱交換部25が配置されている。この熱交換部25により、燃料電池2の熱を熱交換流体へ放出させたり、熱交換流体の熱を燃料電池2へ放出させたりしている。
【0018】
水素タンク3は、密閉容器30の内部に、熱交換流体の流れる熱交換部31と、この熱交換部31の周囲に固定した水素貯蔵合金32、例えばLaNi5 H6 とを収容してなる。なお、熱交換部31により、水素タンク3(水素貯蔵合金32)の熱を熱交換流体へ放出させたり、熱交換流体の熱を水素タンク3(水素貯蔵合金32)へ放出させたりしている。
【0019】
水素貯蔵合金32は、冷却するか、もしくは、圧力を上げることにより水素を吸蔵し、加熱するか、もしくは、圧力を下げることにより水素を放出するものである。本実施形態では、水素ポンプ4により水素タンク3内の圧力を下げて、水素貯蔵合金32から水素を放出させている。なお、燃料電池2を使用するにつれて水素が消費されるため、定期的に水素貯蔵合金32に水素を吸蔵させる必要がある。
【0020】
吸着器5は、密閉容器50の内部に、熱交換流体の流れる熱交換部51と、この熱交換部51の周囲に固定した多数の粒状の吸着剤52、例えばシリカゲルとを収容してなる。なお、熱交換部51により、吸着器5の熱を熱交換流体へ放出させたり、熱交換流体の熱を吸着器5へ放出させたりしている。また、吸着剤52は、冷却されることにより吸着媒体(例えば水)を吸着し、加熱されることにより、その吸着媒体を脱着するものである。
【0021】
凝縮蒸発器6は、密閉容器60の内部に、熱交換流体の流れる熱交換部61と、吸着媒体としての水Wとを収容してなる。なお、熱交換部61により、凝縮蒸発器6の熱を熱交換流体へ放出させたり、熱交換流体の熱を凝縮蒸発器6へ放出させたりしている。また、凝縮蒸発器6の密閉容器60と吸着器5の密閉容器50との連通部55には、この連通部55を開閉する開閉弁(開閉手段)43が設けてある。
【0022】
そして、燃料電池2の熱交換部25と、吸着器5の熱交換部51とは、流体回路Aにより直列に接続され、燃料電池2の熱交換部25と、室外熱交換器8aとは、流体回路Bにより直列に接続されている。また、流体回路AおよびBの重なる部位に設けたウォータポンプ(ポンプ手段)83aにより、流体回路AおよびBに熱交換流体を循環可能としてある。なお、三方切替弁81a、81bにより、流体回路AまたはBに、熱交換流体が循環するようになっている。
【0023】
また、室外熱交換器(凝縮熱を室外空気へ放出させる室外熱交換器、蒸発潜熱を室外空気から奪わせる)8cと、凝縮蒸発器6の熱交換部61とは、流体回路Cにより直列に接続され、凝縮蒸発器6の熱交換部61と、室内熱交換器10bとは、流体回路Dにより直列に接続されている。また、流体回路CおよびDの重なる部位に設けたウォータポンプ(ポンプ手段)83cにより、流体回路CおよびDに熱交換流体を循環可能としてある。なお、三方切替弁81c、82cにより、流体回路CまたはDに、熱交換流体が循環するようになっている。
【0024】
また、水素タンク3(水素貯蔵合金32)の熱交換部31と、室外熱交換器8bとは、流体回路Eにより直列に接続され、水素タンク3の熱交換部31と、室内熱交換器10aとは、流体回路Fにより直列に接続されている。また、流体回路EおよびFの重なる部位に設けたウォータポンプ(ポンプ手段)83bにより、流体回路EおよびFに熱交換流体を循環可能としてある。なお、三方切替弁81b、81bにより、流体回路EまたはFに、熱交換流体が循環するようになっている。
【0025】
ここで、室内熱交換器10a、10bは、図3に示すように、多数の板状フィン11を並列的に配置したものに、熱交換流体の流れる流体配管12a、12bを蛇行状にくし刺したものである。ここで、図1には室内熱交換器10a、10bを全く別体に示してあるが、実際は図3に示すように、流体配管12a、12bは別体であり、板状フィン11は共有している。
【0026】
そして、室内熱交換器10a、10b近傍には、室内空気を送風する送風ファン100が設けられており、室内熱交換器10a、10bを通過した空気が、車室内へ送られるようになっている。なお、室内熱交換器10bの方が、室内熱交換器10aよりも空気流れ下流側に配置してある。
また、図1において、吸着器5の熱交換部51の入口部および出口部には、この入口部および出口部を流れる熱交換流体の温度T1 、T2 を検出する温度検出器(温度検出手段)45、46が設けられている。
【0027】
ここで、本実施形態の燃料電池自動車には、図4に示す電気制御装置(制御手段)200が設けてあり、この電気制御装置200は、燃料電池自動車(車両駆動用モータ7)の始動スイッチ201のオンオフ信号、温度検出器45、46の検出信号、および、車室内の冷房のオン、オフを切り替える冷房スイッチ202のオンオフ信号が入力されるとともに、これら入力信号に基づいて、上記した水素ポンプ4、ウォータポンプ83a、83b、83c、エアポンプ101、および、送風ファン100への通電のオンオフや、三方切替弁81a、82a、81b、82b、81c、82c、および、開閉弁43の回動位置の切り替え等を行なう。なお、電気制御装置200は、この他にも種々の公知の信号が入力され、種々の公知の電気制御を行なうようになっている。
【0028】
そして、上記冷房スイッチ202がオンのとき、送風ファン100への通電をオンし、上記冷房スイッチ202がオフのとき、送風ファン100への通電をオフする。なお、送風ファン100は、図示しない送風スイッチにて、その送風量(ファンの回転量)を多段に切り替え可能となっている。
また、上記冷房スイッチ202がオンのとき、三方切替弁81b、82bを図1中実線位置として、水素貯蔵合金32の熱交換部31と室内熱交換器10aとを直列に接続し、三方切替弁81c、82cを図1中実線位置として、凝縮蒸発器6の熱交換部61と室内熱交換器10bとを直列に接続する。また、上記冷房スイッチがオフのとき、三方切替弁81b、82bを図1中点線位置として、水素貯蔵合金32の熱交換部31と室外熱交換器8bとを直列に接続し、三方切替弁81c、82cを図1中点線位置として、凝縮蒸発器6の熱交換部61と室外熱交換器8cとを直列に接続する。
【0029】
また、燃料電池2とは独立して、図示しないバッテリが搭載されており、このバッテリは、自動車の運転時に所定容量充電されるようになっている。
次に、上記構成において、上記冷房スイッチ202がオンである場合の作動を説明する。なお、上記冷房スイッチ202がオフとなったときは、上述のような制御が、後述する制御1ないし3よりも優先的に行なわれる。また、電気制御装置200は、始動スイッチ201がオンされた後において、所定時間(例えば1分)毎に、上記温度T1 、T2 を検出するとともに、後述するステップS1〜S3の判定を行なうようになっている。
【0030】
まず、自動車の始動スイッチ201がオンされると、上記バッテリから電気制御装置200に通電されて、温度検出器45、46が温度T1 、T2 の検出を開始するとともに、図5に示す制御1が行なわれる。具体的に制御1とは、三方切替弁81a、82a、81b、82b、81c、82cの回動位置が図1中実線位置とされ、連通部55を開くように開閉弁43を回動させ、水素ポンプ4、ウォータポンプ83a、83b、83c、エアポンプ101に通電することである。
【0031】
これにより、燃料電池2の溝211に空気が供給されるとともに、溝212に水素が供給される。これにより、燃料電池2の負極24表面にて水素(H2 )が水素イオン(H+ )と電子(e- )に解離し、水素イオンは電解層質23中を拡散して正極22に移動し、電子は外部回路(車両駆動用モータ7)を通って正極22に移動する。そして、正極22においては、水素イオンおよび電子が酸素(O2 )と反応して水(H2 O)を生成する。このような過程により、燃料電池2の発電作用が得られる。
【0032】
同時に、室温(例えば25℃)程度の熱交換流体が吸着器5の熱交換部51を流れることにより、吸着剤52が冷却されて水を吸着し、この吸着による吸着熱を熱交換流体に放出して熱交換流体が加熱され、図6(a)に示すように、入口温度T1 よりも出口温度T2 の方が高くなる。この加熱された熱交換流体が、流体回路Aを経て燃料電池2の熱交換部25を流れ、この熱交換部25にて放熱することにより、燃料電池2を加熱する。
【0033】
この結果、始動スイッチ202をオンした直後(燃料電池2に水素および酸素が供給され始めた直後、つまり、燃料電池2の発電開始直後)において、燃料電池2を急速に暖機でき、上記反応を良好に行なわせることができるので、十分な発電効率を急速に得ることができる。
また、吸着媒体を吸着するときの吸着熱を燃料電池2へ放出している、といった見方もでき、この結果、吸着媒体の吸着を良好に続行させることができる。
【0034】
なお、始動スイッチ202をオンしてから所定時間経過後、具体的には、燃料電池2の発電が良好に行なわれるようになったとき、上記バッテリに替えて、燃料電池2により、電気制御装置200への通電を行なう。同時に、上記バッテリの充電を開始する。
また、吸着器5における水の吸着が開始されるのと同時に、密閉容器50および60内の圧力が下がり、凝縮蒸発器6において水の蒸発が開始する。このとき、凝縮蒸発器6の熱交換部61を流れる熱交換流体は、蒸発による蒸発潜熱を奪われて冷却され、この冷却された熱交換流体は、室内熱交換器10bにおいて室内空気から吸熱する。これにより、室内空気を冷却できる。
【0035】
また、水素貯蔵合金32においては、水素を放出させるとき、その放出潜熱を周囲から奪うようになっているため、この水素貯蔵合金32の熱交換部31を流れる熱交換流体は、この放出潜熱を奪われて冷却され、この冷却された熱交換流体は、室内熱交換器10aにおいて室内空気から吸熱する。これにより、室内空気を冷却できる。
【0036】
このようにして、始動スイッチ202のオン直後(水素貯蔵合金32が水素を放出させ始めた直後、つまり、水素の放出開始直後)において、上記放出潜熱、および、上記蒸発潜熱を冷熱源として、室内熱交換器10a、10bにより室内空気を冷却しており、上記従来技術に比べて室内空気を急速に冷却でき、室内の冷房を急速に行なうことができる。
【0037】
ここで、室内熱交換器10bにより、上記蒸発潜熱を室内空気から奪わせている、といった見方もでき、この結果、吸着媒体の蒸発を良好に続行させることができる。
また、室内熱交換器10aにより、上記放出潜熱を室内空気から奪わせている、といった見方もでき、この結果、水素の放出を良好に続行させることができる。
【0038】
なお、吸着器5は熱容量が小さく、この吸着器5における水の蒸発による蒸発潜熱の多くを、熱交換部51を流れる熱交換流体の冷却に使用できるが、水素貯蔵合金32は熱容量が大きいため、この水素貯蔵合金32における水素の放出による放出潜熱の多くが、水素貯蔵合金32自身の冷却に使用され、この放出潜熱を熱交換部31を流れる熱交換流体の冷却にさほど使用できない。よって、水素の放出開始直後では、上記蒸発潜熱を冷熱源とする室内熱交換器10bの方が、上記放出潜熱を冷熱源とする室内熱交換器10aよりも、その冷房能力が大きい。
【0039】
これに対して、室内熱交換器10bの方が、室内熱交換器10aよりも空気流れ下流側に配置してあるので、水素の放出開始直後において、冷房能力の大きな室内熱交換器10bにより冷却された室内空気を即座に室内の空気吹出口(図示しない)から吹き出させることができ、室内の人に、より急速に冷房フィーリングを与えることができる。
【0040】
そして、吸着器5における吸着が実行されているときは、図6(a)に示すように、入口温度T1 よりも出口温度T2 の方が高くなるが、吸着が完了したときは、入口温度T1 =出口温度T2 となる(図6中時間t1 )。
なお、冷房スイッチ202をオンしてから吸着が完了するまでの間には、水素貯蔵合金32自身を、上記放出潜熱により十分に冷却できるようになっている。よって、吸着が完了するときには、この放出潜熱の多くを、室内冷房の冷熱源として使用でき、室内熱交換器10aのみにより、室内を確実に冷房できる。
【0041】
そして、燃料電池2の発電が継続されて、燃料電池2が定常発電状態となると、この燃料電池2における上記化学反応の際の反応熱を発生(発熱)して、徐々に温度が高くなる。そして、吸着が完了した後に、吸着剤52から水を脱着可能な温度となったとき(例えば100℃となったとき)、この燃料電池2にて加熱された流体が吸着完了状態の吸着器5を流れることにより吸着器5を加熱し、吸着器5が水の脱着を開始する。これに伴い、凝縮蒸発器6では水の凝縮を開始する。
【0042】
このとき、吸着器5の熱交換部51を流れる流体は、水の脱着による脱着熱を奪われるため、入口温度T1 の方が出口温度T2 よりも高くなる。つまり、図5中ステップS1の判定結果がYESとなる。このとき、図5に示す制御2が行なわれる。
具体的に制御2とは、三方切替弁81c、82cの回動位置を図1中点線位置に切り替えて、凝縮蒸発器6の熱交換部61と室外熱交換器8cとを接続する。この結果、凝縮蒸発器6の熱交換部61を流れる熱交換流体は、水の凝縮による凝縮熱により加熱され、この加熱された熱交換流体を室外熱交換器8cに循環させることにより、加熱された熱交換流体が放熱する。
【0043】
従って、室外熱交換器8cにより、上記凝縮熱を室外空気へ放出させることができるので、水の凝縮を良好に続行させることができる。なお、凝縮熱を室外空気へ放出しているので、室内空気の冷却(室内の冷房)を妨げることはない。
また、燃料電池2の発生する熱により吸着器5を加熱することにより、水の脱着を良好に続行させることができる。また、燃料電池2の発生する熱を、吸着器5に奪わせている、といった見方もでき、燃料電池2が異常に高温となることを抑制でき、燃料電池2を構成する構成部品(溝付コネクタ21、正極22、電解質層23、負極24等)の損傷を抑制できる。
【0044】
その後、徐々に脱着完了状態に収束し、図6中時間t3 においては、|T2 −T1 |<ε(ε≒0、例えばε=0.5℃)、かつ、d(T2 −T1 )/dt>0となる。つまり、図5中ステップS2およびS3の判定結果がYESとなる。このとき、吸着器5の吸着剤52から水がほぼ全て脱着された状態(脱着完了状態)であると判断して、図5中制御3を行う。
【0045】
なお、吸着剤52から吸着媒体を脱着させた後とは、多少吸着媒体が吸着剤52に残っている状態も含むこととする。また、吸着状態から脱着状態へ入れ替わった直後(図6中時間t2 )においても、|T2 −T1 |<εとなるが、このときは、図6(c)に示すように、d(T2 −T1 )/dt<0であるため、S3の判定結果がNOとなり、制御2は行なわれない。また、d(T2 −T1 )/dtとは、図6(b)に示すグラフの傾きのことである。
【0046】
具体的に制御3とは、三方切替弁81a、82aを図1中点線位置に切り替えるとともに、開閉弁43にて連通部55を閉じ、さらに、ウォータポンプ83cへの通電を停止する。
これにより、燃料電池2の熱交換部25と室外熱交換器8aとが接続されて、燃料電池2の発生する熱にて加熱された熱交換流体を、室外熱交換器8aにて放熱している。従って、水の脱着が完了した後においても、燃料電池2が発電定常状態のときに発生する熱を室外空気へ放出でき、この燃料電池2の損傷を抑制できる。
【0047】
そして、始動スイッチ202がオフされたとき、上記水素ポンプ4、ウォータポンプ83a、83b、上記エアポンプ101への通電を停止する。そして、吸着器5の脱着が完了した状態で、連通部55を閉じているので、始動スイッチ201が再びオンとされるときまで、吸着器5の脱着状態を保持できる。
なお、冷房スイッチ202がオフで、かつ、凝縮蒸発器6で水が蒸発するときは、この蒸発潜熱を、室外熱交換器8cにより室外空気から奪わせることで、上記水の蒸発を良好に続行させる。
【0048】
また、冷房スイッチ202がオフで、かつ、水素貯蔵合金32から水素が放出されるときは、この放出潜熱を、室外熱交換器8bにより室外空気から奪わせることで、上記水素の放出を良好に続行させる。
なお、水素タンク3(水素貯蔵合金)は、水素の放出により、その放出潜熱を奪われて冷却される。そして、冷却され過ぎると、水素貯蔵合金32からの水素の放出が妨げられてしまい、水素を燃料電池2へ良好に供給できなくなる恐れがある。これに対して、冷房スイッチ202がオンのときは、室内熱交換器10aにより放出潜熱を室内空気から奪い、冷房スイッチ202がオフのときは、室外熱交換器8bにより放出潜熱を室外空気から奪っているので、上記恐れを抑制できる。
【0049】
ここで、本実施形態では、上記温度検出器45、46と、ステップS1ないしS3を判定する電気制御装置200により、吸着器5における吸着媒体(水)の吸着および脱着を検出する検出手段を構成している。また、電気制御装置200により、冷房スイッチ202のオン、オフを検出する検出手段を構成している。また、電気制御装置200により、以下の▲1▼〜▲3▼に示す制御手段を構成している。
【0050】
▲1▼前記検出手段にて、吸着媒体の脱着が完了したことが検出されたとき、開閉弁43により連通部55を閉じ、前記検出手段にて、水素の放出開始(=燃料電池2の発電の開始)が検出されたとき(本実施形態では、始動スイッチ201がオンされたとき)、開閉弁43により連通部55を開く制御手段。
▲2▼前記検出手段にて、吸着媒体の吸着が検出されるとき、凝縮蒸発器6の熱交換部61と室内熱交換器10bとを接続し(つまり、凝縮蒸発器6における吸着媒体の蒸発による蒸発潜熱を冷熱源として室内空気を冷却し)、前記検出手段にて、吸着媒体の脱着が検出されるとき、凝縮蒸発器6の熱交換部61と室外熱交換器8cとを接続する(つまり、凝縮蒸発器6における吸着媒体の凝縮による凝縮熱を室外熱交換器8cにより室外空気へ放出させる)制御手段。
【0051】
▲3▼前記検出手段にて、冷房スイッチ202のオンが検出されているとき、凝縮蒸発器6の熱交換部61と室内熱交換器10bとを接続し(つまり、凝縮蒸発器6における吸着媒体の蒸発による蒸発潜熱を冷熱源として室内空気を冷却し)、前記検出手段にて、冷房スイッチ202のオフが検出されているとき、凝縮蒸発器6の熱交換部61と室外熱交換器8cとを接続する(つまり、凝縮蒸発器6における吸着媒体の蒸発による蒸発潜熱を室外熱交換器8cにより室外空気から奪わせる)制御手段。
【0052】
▲4▼前記検出手段にて、吸着媒体の吸着または脱着が検出されているとき、燃料電池2の熱交換部25と吸着器5の熱交換部51とを接続し(吸着媒体の吸着熱にて燃料電池2を加熱し、または、燃料電池2の発生する熱を吸着媒体の脱着熱として放出させ)、前記検出手段にて、吸着媒体の脱着が完了したことが検出されたとき、燃料電池2の熱交換部25と室外熱交換器8aとを接続する(燃料電池2の発生する熱を室外空気へ放出させる)制御手段。
【0053】
(第2の実施形態)
本実施形態では、図7に示すように、水素タンク3に第1熱交換部311および第2熱交換部312を設け、これら第1熱交換部311および第2熱交換部312の周囲に、水素貯蔵合金32を配置してある。なお、上記第1の実施形態における室内熱交換器10b、流体回路D、室外熱交換器8c、流体回路C、ポンプ83c、三方切替弁81c、82cを廃止している。そして、第1熱交換部311と凝縮蒸発器6の熱交換部61とを、流体回路Gにより直列に接続し、第2熱交換部312と室内熱交換器10aとを、流体回路Fにより直列に接続し、第2熱交換部312と室外熱交換器8bとを、流体回路Eにより直列に接続してある。
【0054】
なお、流体回路Gには、この流体回路Gに流体を循環させるウォータポンプ(ポンプ手段)441が設けてある。また、ウォータポンプ441は、上記電気制御装置200(図4参照)により通電のオンオフを制御される。
そして、冷房スイッチ202(図4参照)がオンで、かつ、始動スイッチ201(図4参照)がオンとなったとき、三方切替弁81b、82bの回動位置を、図7中実線位置とし、ポンプ441、442に通電し、凝縮蒸発器6において水を蒸発させる。この結果、水の蒸発潜熱により、凝縮蒸発器6の熱交換部61を流れる熱交換流体を冷却し、この冷却された熱交換流体を、流体回路Gを経て第1熱交換部311へ流すことにより、水素貯蔵合金32を冷却できる。よって、水素貯蔵合金32の第2熱交換部32を流れる流体を、水素貯蔵合金32の冷熱、および、放出潜熱により冷却でき、この熱交換流体の冷熱を冷熱源として、従来よりも急速に室内空気を冷却できる。
【0055】
また、凝縮蒸発器6において水が凝縮するときは、流体回路Gを流れる熱交換流体を介して、その凝縮熱を水素貯蔵合金32へ放出することにより、▲1▼水の凝縮を良好に続行させることができる。▲2▼水素貯蔵合金32が過冷却されることを抑制でき、水素の放出を良好に続行できる。
そして、上記ステップS1〜S3の判定結果がYESとなったとき、ポンプ441への通電を停止する。なお、上記した作動以外の作動については、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0056】
(第3の実施形態)
上記第1の実施形態では、図3に示すように、室内熱交換器10aと室内熱交換器10bとを別体に設けていたが、図8に示す本実施形態では、室内熱交換器10のみを設けている。具体的に、多数の板状フィン11を並列的に配置したものに、熱交換流体の流れる流体配管12を蛇行状にくし刺したものである。そして、流体配管12と凝縮蒸発器6の熱交換部61とを、流体回路Dにより直列に接続し、流体配管12と水素タンク3(水素貯蔵合金32)の熱交換部31とを、流体回路Fにより直列に接続してある。なお、三方切替弁47、48により、流体回路DまたはFに、熱交換流体が循環するようになっている。
【0057】
そして、水素の放出を開始してから(冷房スイッチ202がオンで、かつ、始動スイッチ201がオンされたときから)所定時間の間は、流体回路Dに熱交換流体を流して、水の蒸発潜熱を冷熱源として室内空気を冷却し、所定時間経過後は、流体回路Fに熱交換流体を流して、水素の放出潜熱を冷熱源として室内空気を冷却する。ここで、上記所定時間とは、凝縮蒸発器6にて水の蒸発を行なっている間(つまり、吸着器5にて水の吸着を行なっている間)であり、言い換えれば、水素貯蔵合金32自身が、上記放出潜熱や蒸発潜熱により、所定温度(例えば ℃)に冷却されるまでの間である。
【0058】
そして、凝縮蒸発器6は熱容量が小さく構成されるため、水の蒸発開始直後において、蒸発潜熱はさほど凝縮蒸発器6自身の冷却に使用されず、水素貯蔵合金32は熱容量が大きく構成されるため、水素の放出開始直後において、放出潜熱は主に水素貯蔵合金32自身の冷却に使用される。このため、水素の放出開始直後において、蒸発潜熱を冷熱源として室内空気を冷却することにより、上記従来技術に比べて、室内空気の冷却を急速に行なうことができ、室内の冷房を急速に行なうことができる。
【0059】
(他の実施形態)
本実施形態では、吸着器5の熱交換部51の入口、出口を流れる流体温度T1 、T2 、および、上記ステップS1〜S3の判定を行なう電気制御装置200により、吸着器5における吸着媒体(水)の吸着および脱着を検出していたが、これに限定されることはなく、他の種々の検出手段により上記検出を行なうようにしてもよい。
【0060】
また、上記第1および第2の実施形態では、本発明の冷房装置を燃料電池自動車に適用していたが、これに限定されることはなく、他の種々の場合に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる燃料電池自動車の概略的な全体構成図である。
【図2】第1の実施形態に係わる燃料電池の概略的な斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係わる室内熱交換器の概略構成図である。
【図4】第1の実施形態に係わる電気制御ブロック図である。
【図5】第1の実施形態に係わる作動を示すフローチャートである。
【図6】(a)は吸着器の熱交換部の入口温度T1 および出口温度T2 の時間tに対する変化を示すグラフ、(b)はT2 −T1 の時間tに対する変化を示すグラフ、(c)はd(T2 −T1 )/dtの時間tに対する変化を示すグラフである。
【図7】第2の実施形態に係わる燃料電池自動車の概略的な部分構成図である。
【図8】第3の実施形態に係わる室内熱交換器の概略構成図である。
【符号の説明】
2…燃料電池、32…水素貯蔵合金、5…吸着器、52…吸着剤、
6…凝縮蒸発器、10a、10b…室内熱交換器。
Claims (7)
- 冷却されることで吸着媒体を吸着し、加熱されることで吸着媒体を脱着する多数の吸着剤(52)を備えた吸着器(5)と、
前記吸着器(5)に連通するとともに、内部に吸着媒体を内蔵し、前記吸着剤(52)が吸着媒体を吸着するとき吸着媒体を蒸発させ、前記吸着剤(52)が吸着媒体を脱着するとき吸着媒体を凝縮する凝縮蒸発器(6)と、
冷却または加圧されることで水素を吸蔵し、加熱または減圧されることで水素を放出する水素貯蔵合金(32)と、
前記水素貯蔵合金(32)における前記水素の放出による放出潜熱を冷熱源として、室内空気を冷却する室内熱交換器(10a、10b、10)とを備え、
前記水素貯蔵合金(32)から供給される水素と酸化剤とを反応させて発電する燃料電池(2)と組み合わせて使用される冷房装置であって、
前記水素の放出開始直後には、前記凝縮蒸発器(6)における前記吸着媒体の蒸発による蒸発潜熱を冷熱源として、前記室内熱交換器(10a、10b、10)により室内空気を冷却し、
また、前記水素の放出開始直後に、前記吸着器(5)にて吸着媒体を吸着させ、このときの吸着熱により前記燃料電池(2)を加熱することを特徴とする冷房装置。 - 前記水素の放出開始直後には、前記水素の放出による放出潜熱、および、前記吸着媒体の蒸発による蒸発潜熱を冷熱源として、前記室内熱交換器(10a、10b、10)により室内空気を冷却することを特徴とする請求項1に記載の冷房装置。
- 冷却されることで吸着媒体を吸着し、加熱されることで吸着媒体を脱着する多数の吸着剤(52)を備えた吸着器(5)と、
前記吸着器(5)に連通するとともに、内部に吸着媒体を内蔵し、前記吸着剤(52)が吸着媒体を吸着するとき吸着媒体を蒸発させ、前記吸着剤(52)が吸着媒体を脱着するとき吸着媒体を凝縮する凝縮蒸発器(6)と、
冷却または加圧されることで水素を吸蔵し、加熱または減圧されることで水素を放出する水素貯蔵合金(32)と、
前記水素貯蔵合金(32)における前記水素の放出による放出潜熱を冷熱源として、室内空気を冷却する室内熱交換器(10a)とを備え、
前記水素の放出開始直後に、前記凝縮蒸発器(6)における前記吸着媒体の蒸発による蒸発潜熱により前記水素貯蔵合金(32)を冷却することにより、前記水素の放出による放出潜熱に加えて、前記水素貯蔵合金(32)の冷熱をも冷熱源として、前記室内熱交換器(10a)により室内空気を冷却することを特徴とする冷房装置。 - 前記水素貯蔵合金(32)から供給される水素と酸化剤とを反応させて発電する燃料電池(2)と組み合わせて使用される冷房装置であって、
前記水素の放出開始直後に、前記吸着器(5)にて吸着媒体を吸着させ、このときの吸着熱により前記燃料電池(2)を加熱することを特徴とする請求項3に記載の冷房装置。 - 前記燃料電池(2)が発電定常状態のとき、前記燃料電池(2)が発生する熱により前記凝縮蒸発器(6)を加熱して、吸着媒体を脱着させることを特徴とする請求項1、2、4のいずれか1つに記載の冷房装置。
- 前記凝縮蒸発器(6)にて吸着媒体が凝縮するときの凝縮熱を室外空気へ放出させる室外熱交換器(8c)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の冷房装置。
- 前記吸着器(5)と前記凝縮蒸発器(6)との連通部(55)には、この連通部(55)を開閉する開閉手段(43)が設けられており、
前記吸着剤(52)から吸着媒体を脱着させた後に、前記開閉手段(43)にて前記連通部(55)を閉じることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の冷房装置。
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