JP3740706B2 - 被覆処理顔料、その製造方法および着色剤組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、顔料に実質的に水不溶性有機表面改質剤により被覆された被覆処理顔料その製造方法およびそれを用いた着色剤組成物に関し、さらに詳細には、塗料、インキ、プラスチック、捺染、トーニング剤、カラートナーその他の色材用に適性の優れた顔料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
顔料は色材分野で着色剤組成物に広範囲に使用されているが、各用途に適した作業性、品質が要求されている。例えば、分散性、流動性、濃度、光沢、鮮明性、粘度、経時安定性その他用途ごとの要求項目が挙げられる。これらの適性を付与するため、顔料に有機表面改質剤を被覆する表面改質が一般的に行われている。
この表面改質は、顔料が主に水系で製造される点、また、顔料の乾燥凝集のなく微細な粒子で存在する水系での表面改質が効果的である点等から水系で行われている。水溶性有機表面改質剤については、上記の適性を付与するため各種の有機物が従来より用いられている。しかし、実質的に水不溶性有機表面改質剤は、単独では水系での処理ができないため、その一部については、各種の改良が加えられ水系での処理に用いられている。
【0003】
液体の水不溶性有機表面改質剤については、界面活性剤、あるいは特開平5-230390号公報ではロジンを用い、エマルション化して水系での処理を行なっているが、エマルション化できる水不溶性有機表面改質剤は限定される。
また、エマルションによる表面改質は、界面活性剤、ロジン等が顔料に含まれるため、グラビアインキ、塗料でのブリード、耐水性不良、プラスチックでのマイグレーション、インキでの乳化適性不良等を起こす原因となり、用途が限定される欠点がある。さらに、顔料粒子に対して、エマルション化した不溶性有機表面改質剤の粒径が大きすぎ、表面改質効果が弱い欠点がある。
【0004】
固体の水不溶性有機表面改質剤については、水系での表面改質が出来ないため固体同士の混合による表面改質が用いられているが、この方法が適用できるのは、表面改質剤自身が顔料に対し吸着能を持つ有機顔料誘導体に限定されている。また、軟化点が低い固体の実質的に水不溶性有機表面改質剤においては、ニーダー、アトライター、バンバリーミキサー等による機械的な微細化による顔料化工程が必要なフタロシアニンブルー、ジオキサジンバイオレット等の顔料において、軟化点以上の温度で混合される例もあるが、顔料化温度は顔料の過度の結晶成長を防止するため高温は適さず、通常100℃前後で行われている。このため、実質的に水不溶性有機表面改質剤は半固体状態での処理となるため、顔料粒子に対して、均質な被覆は困難で、表面改質効果が弱い欠点がある。また、この方法に適した実質的に水不溶性有機表面改質剤はロジン誘導体が主に用いられているにすぎない。
これらの固体表面での表面改質は、微細な粒子で存在する水系での処理に比べ、効果が著しく弱い欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、水不溶性有機表面改質剤の性状や顔料との親和性に制限されることがない被覆処理顔料およびその製造方法を提供するものである。
本発明の更なる目的は、界面活性物質を使用することなく水不溶性有機表面処理剤により被覆処理した顔料およびその製造方法を提供するものである。
本発明の更なる目的は、顔料を必要以上に加熱することなく固体状の有機表面改質剤を被覆処理した顔料およびその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、水と実質的に水不溶性有機表面改質剤とを予備的に混合した後、高圧に加圧して径が縮小された部分を有する流路系に導入し、径が縮小された流路を混合液体が加速されながら通過する際の混合液体に生ずる剪断力により、又は、加速された混合液体同士の衝突する際の、もしくは加速された混合液体が流路を構成する壁面と衝突する際の衝撃力により、水に上記水不溶性有機表面改質剤を均一分散せしめた水系分散体と、顔料とを混合し、該混合物から水不溶性有機表面改質剤で被覆された顔料を単離してなる被覆処理顔料料に関する。
更に本発明は、実質的に水不溶性有機表面改質剤が、オレフィン系炭化水素、脂肪族系カルボン酸もしくはこれらのアミン塩もしくはアルキルエステル、芳香族系カルボン酸もしくはこれらのアミン塩もしくはアルキルエステル、合成樹脂、天然樹脂、ロジン誘導体、ワニス類、高分子分散剤、有機顔料誘導体から選ばれる少なくとも1種である上記被覆処理顔料。
更に本発明は、上記被覆処理顔料の製造方法に関する。
更に本発明は、上記被覆処理顔料とビヒクルとからなる着色剤組成物に関する。
【0007】
本発明の顔料は有機、無機を含むものである。具体的には、カラーインデックス(CI)にCIピグメントとして記載されている顔料である。顔料の形態としては、実質的に水不溶性有機表面処理剤を均質に、かつ効果的に被覆するため、水系で製造される顔料が好ましい。
有機溶剤中で製造される顔料に関しては、有機溶剤を除去し水性スラリーに置換後、あるいは、顔料の乾燥粉末をサンドミル、ボールミル、アトライター、ペイントコンディショナー、ハイスピードミキサー等の分散機を用い、水に分散した後、本発明に用いてもよい。
【0008】
本発明の実質的に水不溶性有機表面改質剤は、液体でも固体でもよいが、水系分散体の製造上、また、効果の点でも、液体あるいは固体であっても加熱により液体となるものが好ましく、低粘度となるものがより好ましい。
本発明の実質的に水不溶性有機表面改質剤としては、オレフィン系炭化水素、脂肪族系カルボン酸もしくはこれらのアミン塩もしくはアルキルエステル、芳香族系カルボン酸もしくはこれらのアミン塩もしくはアルキルエステル、合成樹脂、天然樹脂、ロジン誘導体、ワニス類、高分子分散剤、有機顔料誘導体等から選ばれる少なくとも1種である。
【0009】
オレフィン系炭化水素としては、ブタジエン、n−パラフィン、パラフィンワックス、オレフィンワックス等がある。脂肪族系カルボン酸としては、オクタン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の高級モノカルボン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸、ナフタレンカルボン酸、アントラキノンカルボン酸、テレフタル酸等の芳香族系カルボン酸等がある。又、上記脂肪族系カルボン酸もしくは芳香族系カルボン酸のアミン塩もしくはアルキルエステルであってもよい。
【0010】
合成樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン系アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース系プラスチック、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイト、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、アニリン重合体等がある。又、天然樹脂であってもよい。
【0011】
ロジン誘導体の例としては、重合ロジン、ロジンアミン、ロジンエステル、酸化ロジン、ライムロジン、ロジンアルキレンオキシド付加物、ロジンアルキド付加物、ロジン変性フェノール等が挙げられる。
ロジンアルキレンオキシド付加物としては、一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
一般式(1)
Q−(CH2 −CHR−O−)p −H
(ただし、式中、Qはロジン残基、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、p は1〜30の整数を表す。)
【0012】
ロジンアルキレンオキシド付加物のロジンとしては、ウッドロジン、ガムロジン、トール油ロジン等の天然ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、酸化ロジン、マレイン化ロジン等の変性ロジンが挙げられる。
また、アルキレンオキシドとしてはエチレンオキシド、プロピレンオキシドあるいはこれらの混合物が好ましい。アルキレンオキシドの付加モル数は、ロジンのカルボキシル基1当量当り1〜30モルが好ましい。付加モル数が30モルより大きい場合には、親水性が強まり水溶性となるため本発明を用いなくても直接水に溶解して使用できる。
【0013】
ロジンアルキド付加物としては、一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
一般式(2)
Q−(A)q −H
(ただし、式中、Qはロジン残基、Aはアルキド樹脂残基、q は1〜30の整数を表す。)
ロジンアルキド付加物のロジンとしては、ウッドロジン、ガムロジン、トール油ロジン等の天然ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、酸化ロジン、マレイン化ロジン等の変性ロジンが挙げられる。
また、アルキドとしては、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと、無水フタル酸、無水マレイン酸等の多価カルボン酸、および、アマニ油、桐油、大豆油等の乾性油からなるポリエステルで常法により合成されたものが挙げられる。アルキドの付加モル数は、ロジンのカルボキシル基1当量当り1〜30モルが好ましい。
【0014】
ロジン変性フェノール樹脂としては、ウッドロジン、ガムロジン、トール油ロジン等の天然ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、酸化ロジン、マレイン化ロジン等の変性ロジンで例示されるロジン類、フェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、クレゾール、ビスフェノールA等で例示されるアルキルフェノール類、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等で例示されるアルデヒド類、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール等で例示される多価アルコール類、必要により、無水フタル酸、無水マレイン酸、トリメリト酸等で例示される多価カルボン酸類を常法により200℃〜300℃で縮合して得られるものである。
【0015】
ワニス類としては、オフセットインキワニス、グラビアインキワニス、塗料ワニス、水系カラー用ワニス等が挙げられる。
より具体的には、オフセットインキワニスとしては、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、または、これらの乾性油変性樹脂等20〜50重量%と、アマニ油、桐油、大豆油等の乾性油0〜30重量%、n−パラフィン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オレフィン等の溶剤10〜60重量%からなるものが挙げられる。
【0016】
グラビアインキワニスとしては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ライムロジン、ロジンエステル、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ギルソナイト、ダンマル、セラック等またはこれらの混合物、あるいは上記樹脂またはこれらの混合物を水溶性化した水溶性樹脂、またはエマルション樹脂10〜50重量%と炭化水素、アルコール、ケトン、エーテルアルコール、エーテル、エステル、水等の溶剤30〜80重量%からなるものが挙げられる。
【0017】
塗料ワニスとしては、アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ゴム、塩化ビニル、合成樹脂エマルション、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等またはこれらの混合物、あるいは上記樹脂またはこれらの混合物を水溶性化した水溶性樹脂、またはエマルション樹脂20〜80重量%と炭化水素、アルコール、ケトン、エーテルアルコール、エーテル、エステル、水等の溶剤10〜60重量%からなるものが挙げられる。
【0018】
高分子分散剤の例としては、スルホン酸アミド系高分子分散剤、ヒドロキシステアリン酸系高分子分散剤、ε─カプロラクタム系高分子分散剤等が挙げられる。より具体的には、12─ヒドロキシステアリン酸縮合物、ゼネカ社製ソルスパーズ3000、17000、24000、ビックケミー社製BYK−160、161、162、181等が挙げられる。
【0019】
有機顔料誘導体の例としては、一般式(3)〜(9)で示される化合物が挙げられる。
【0020】
一般式(3)
P−〔A- (X/k)+ 〕n
(ただし、式中、Pは有機色素残基または複素環残基、Aは−SO3 、−COO、Xは水素原子、Ca、Ba、Sr、Al、Mn、あるいは炭素数1〜30のアルキル基またはアルケニル基を持ち、炭素数2〜5、重合数1〜30のポリアルキレンオキシドを含んでも良い、第1級、第2級、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、kはXの価数、nは1〜4の整数を表す。)
【0021】
一般式(4)
P−〔A−(CH2 )m N(R1 ,R2 )〕n
(ただし、式中、Pは有機色素残基または複素環残基、Aは−CH2 NH−、−SO2 NH−、−CH2 NHCOCH2 NH−、−CONH−、−SO2 −、−CH2 NHCOCH2 −、−CO−、もしくは直接結合、R1 、R2 はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル基、またはR1 、R2 とでN、OまたはSを含んでもよい置換されていてもよい複素環、または炭素数2〜5、重合度1〜30のアルキレンオキシド、mは0〜6の整数、nは1〜4の整数を表す。)
【0022】
一般式(5)
P−〔A−(CH2 )m N+ (H,R3 ,R4 )Z- 〕n
(ただし、式中、Pは有機色素残基または複素環残基、Aは−CH2 NH−、−SO2 NH−、−CH2 NHCOCH2 NH−、−CONH−、−SO2 −、−CH2 NHCOCH2 −、−CO−、もしくは直接結合、R3 、R4 はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル基、またはR1 、R2 とでN、OまたはSを含んでもよい置換されていてもよい複素環、または炭素数2〜5、重合度1〜30のアルキレンオキシド、Zはアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、高級脂肪酸のスルホン酸、オレフィンの硫酸エステル、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルフェノールの硫酸エステル、高級脂肪酸の硫酸エステル、高級脂肪酸の硫酸エステル、多価アルコール脂肪酸部分エステル等の硫酸エステル、高級アルコールのリン酸エステル、アルキルフェノールリン酸エステル、高級脂肪酸のリン酸エステル、多価アルコール脂肪酸部分リン酸エステル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等、mは0〜6の整数、nは1〜4の整数を表す。)
【0023】
一般式(6)
【化1】
(ただし、式中、Pは有機色素残基または複素環残基、R5 〜R8 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、スルホン基、カルボキシル基、または低級アルキル基、nは1〜4の整数を表す。)
【0024】
一般式(7)
【化2】
(ただし、式中、Pは有機色素残基または複素環残基、R5 〜R8 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、スルホン基、カルボキシル基、または低級アルキル基、Xは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基またはアルケニル基を少なくとも1つ以上持つ第4級アンモニウム塩、Ca、Ba、Sr、Al、またはMn、kはXの価数、nは1〜4の整数を表す。)
【0025】
一般式(8)
【化3】
(ただし、式中、Pは有機色素残基または複素環残基、Aは直接結合、−CONH−X2 −、−SO2 NH−X2 −、または−CH2 NHCOCH2 NH−X2 −(X2 は置換基を有していてもよいアルケニル基またはアリーレン基)、X1 は−NH−または−O−、Yは水酸基、アルコキシル基、または、
−X−(CH 2)m N(R1 ,R2 )あるいはnが1の場合−NH−A−Pであっても良い。R1 、R2 はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基またはR1 、R2 とでN、OまたはSを含んでもよい置換されていてもよい複素環を表す。mは1〜6の整数、nは1〜4の整数を表す。)
本発明の有機顔料誘導体の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
顔料に対する実質的に水不溶性有機表面改質剤の量は、顔料の用途に合わせ特に制限はないが、通常は、顔料100重量部に対し、実質的に水不溶性有機表面改質剤0.5〜300重量部が好ましく、1〜200重量部がさらに好ましい。0.5重量部より少ないと、実質的に水不溶性有機表面改質剤の効果がほとんどなく、300重量部より多いと、ロ過、水洗工程で過剰な実質的に水不溶性有機表面改質剤の水系分散体が洗い流される場合や、実質的に水不溶性有機表面改質剤によってはフィルターの目詰まりを起こしロ過できない場合もあるため不適当である。
【0031】
実質的に水不溶性有機表面改質剤の水系分散体は、界面活性剤やロジンエマルションの不在下で、水と実質的に水不溶性有機表面改質剤の混合物を、超高圧分散機を用い、高圧で衝突して得ることができるが、水と実質的に水不溶性有機表面改質剤の混合物が完全溶解あるいは完全エマルション化しない範囲に界面活性剤やロジンエマルションを添加しても良い。
超高圧分散機としては、衝突圧が200Kg/cm2以上得られる装置であれば特に制限はなく使用でき、例えば、ホモゲナイザー(ゴーリン社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)等が挙げられる。
【0032】
超高圧分散機の概略内部構造を図1〜図6に示した。図1では、流路1及び流路2から200Kg/cm2 以上の圧力で矢印方向に流入させた水と水不溶性有機表面改質剤の混合液体がそれぞれ流路3と流路4に入り流路5の入口付近で衝突し、流路5から排出する場合を示している。図3では、200Kg/cm2 以上の圧力で流路7及び流路8から矢印方向に流入させた水と水不溶性有機表面改質剤の混合液体が流路9付近で衝突し、流路10から排出する場合を示している。図5では、200Kg/cm2 以上の圧力で流路11から流入させた水と水不溶性有機表面改質剤の混合液体が壁面14に衝突し、流路13から排出する場合を示している。
【0033】
本発明の水系分散体は、実質的に水不溶性有機表面改質剤が常温で液体の場合は室温で、水の沸点以下の温度で液体となるものは融点まで加熱し、融点温度以上でハイスピードミキサー、ホモミキサー、低圧分散機等で予備混合した後、超高圧分散を行うのが好ましい。
固体の実質的に水不溶性有機表面改質剤については、サンドミル、ボールミル、アトライター、ペイントコンディショナー、ハイスピードミキサー等の分散機で予備分散した後、超高圧分散を行うのが好ましい。
また、固体の実質的に水不溶性有機表面改質剤を有機溶剤に一部ないし大部分を溶解した後、水を加えて超高圧分散を行うことも可能である。
【0034】
水に対する実質的に水不溶性有機表面改質剤の量は、1〜80重量%の範囲で適宜選定すれば良い。濃度は高い方が生産効率が良いが、80重量%を越えると、水系分散体が得にくく、1重量%より低い場合は生産効率が悪いだけでなく、水系分散体も得にくくなるため、5〜60重量%が好ましい。
本発明の、衝突破砕するための圧力は、200Kg/cm2以上が好ましく、高圧ほど安定した水系分散体が得られる。圧力が200Kg/cm2より小さいと、実質的に水不溶性有機物は水とすぐに分離し水系分散体を得るのは困難である。
【0035】
本発明の被覆処理顔料は、顔料に水系分散体を添加し攪拌混合を行うことにより得られ、顔料粒子が微細な状態で存在する顔料の水系スラリーに水系分散体を添加するのが、実質的に水不溶性有機表面改質剤を均質、かつ、効果的に被覆できるため好ましい。
攪拌混合の温度は常温から水の沸点までの間で任意に設定できる。攪拌混合後、実質的に水不溶性有機表面改質剤によっては、pHを酸性、あるいは、アルカリ性にし、あるいは、金属塩、アミン塩とし、実質的に水不溶性有機表面改質剤を顔料に均質に析出させ被覆するのが好ましいが、この操作を用いなくても、物理吸着により十分効果的に被覆が可能である。
本発明の被覆処理顔料は、常法よるロ過、水洗工程で回収する。また、必要により水溶性有機表面改質剤を併用しても良い。
本発明の被覆処理顔料はこのままペースト状で使用しても、乾燥、あるいは、粉砕を行い、粉末状で使用しても良い。
【0036】
本発明の着色剤組成物は、本発明の被覆処理顔料をビヒクル樹脂、溶剤の少なくとも1種以上で分散したもので例えば、オフセットインキ、グラビアインキ、塗料、プラスチック、水系カラー等が挙げられる。使用するビヒクルは特に限定されるものではなく、補助剤や体質顔料を含んでいても良い。
本発明の着色剤組成物の分散には、ディゾルバー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、サンドミル、アトライター、2本ロール、3本ロール等の分散機を使用することが好ましい。
被覆処理顔料の形状は、粉末状のものを用いて分散するのが一般的であるが、水性の被覆処理顔料の場合、あるいは、オフセットインキやポリエチレン用には乾燥工程を省略したペースト状の顔料組成物を直接分散することもできる。
【0037】
本発明のオフセットインキ用ビヒクルの例としては、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、または、これらの乾性油変性樹脂等20〜50重量%と、アマニ油、桐油、大豆油等の乾性油0〜30重量%、n−パラフィン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オレフィン等の溶剤10〜60重量%からなるものが挙げられる。
【0038】
グラビアインキ用ビヒクルの例としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ライムロジン、ロジンエステル、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ギルソナイト、ダンマル、セラック等またはこれらの混合物、あるいは上記樹脂またはこれらの混合物を水溶性化した水溶性樹脂、またはエマルション樹脂10〜50重量%と炭化水素、アルコール、ケトン、エーテルアルコール、エーテル、エステル、水等の溶剤30〜80重量%からなるものが挙げられる。
【0039】
塗料用ビヒクルの例としては、アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ゴム、塩化ビニル、合成樹脂エマルション、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等またはこれらの混合物、あるいは上記樹脂またはこれらの混合物を水溶性化した水溶性樹脂、またはエマルション樹脂20〜80重量%と炭化水素、アルコール、ケトン、エーテルアルコール、エーテル、エステル、水等の溶剤10〜60重量%からなるものが挙げられる。
【0040】
プラスチック用ビヒクルの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン系アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース系プラスチック、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイト、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、さらにはこれらの複合物等が挙げられる。
【0041】
水系カラー用ビヒクルの例としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤、あるいはスルホン酸アミド系、ヒドロキシステアリン酸系、ε─カプロラクタム系の高分子分散剤から選ばれる少なくとも1種と、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、水、必要によりアミン、防腐剤、消泡剤等の助剤からなるものが挙げられる。
【0042】
【発明の作用】
本発明によれば、実質的に水不溶性有機表面改質剤を水に、所望の比率で混合した後、該混合液を200Kg/cm2以上の圧力で加圧し、高圧に加圧して径が縮小された部分を有する流路系に導入し、径が縮小された流路を混合液体が加速されながら通過する際の混合液体に生ずる剪断力により、又は、加速された混合液体同士の衝突する際の、もしくは加速された混合液体が流路を構成する壁面と衝突する際の衝撃力により、界面活性剤やロジンエマルションの不在下、あるいは水と実質的に水不溶性有機表面改質剤の混合物が完全溶解あるいは完全エマルション化しない範囲の少量の添加で、これまで不可能であった水系分散体が得られる。これは、高圧下での処理により、実質的に水不溶性有機表面改質剤が分子レベルまで微細化され、水と、実質的に水不溶性有機表面改質剤の分子間引力により、安定な水系分散体が生成するためと考えられる。
本発明の被覆処理は、顔料に、上記の微細化された実質的に水不溶性有機表面改質剤を混合することにより、顔料粒子表面に分子レベルで実質的に水不溶性有機表面改質剤が被覆されるため、従来のエマルション粒子レベルの被覆に比べ、少量ではるかに効果的な表面改質の効果が得られる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。例中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ表す。
実施例1
水50部と、ロジン1モルに対しプロピレンオキシド3モル付加物50部を80℃に加熱し、ナノマイザー(ナノマイザー社製)を用い、1000Kg/cm2の圧力で3回通過させ水系分散体を得た。この水系分散体10部を、銅フタロシアニンを常法によるニーダーでの顔料化を行った後、ニーディング助剤を分離して得たCIピグメントブルー15:3の乾燥品換算で100部を水1000部に分散した水性スラリーに加え、30分攪拌混合後、ロ過、水洗、乾燥し103部の被覆処理顔料を得た。
この被覆処理顔料の、3ロール分散によるオフセットインキの製造においてグラインドメーターでの粗大粒子が5μm以下となるのに2パスであったのに対し比較例1は3パスが必要であり、優れた分散性を示した。
【0044】
比較例1
銅フタロシアニン100部を実施例1の条件でニーディングする際、全ニーディング時間の90%が経過した時点で、ロジン1モルに対しプロピレンオキシド3モル付加物5部を添加しニーディングを続け103部の処理顔料を得た。
比較例2
水50部と、ロジン1モルに対しプロピレンオキシド3モル付加物50部を80℃に加熱し、ナノマイザー(ナノマイザー社製)を用い、100Kg/cm2の圧力で5回通過させたが油層と水層がすぐ分離し水系分散体は得られなかった。また、ホモミキサー分散、あるいは、サンドミル分散によっても水系分散体は得られず、水系での顔料への処理は出来なかった。
【0045】
実施例2
実施例1で、水50部と、ロジン1モルに対しプロピレンオキシド3モル付加物50部を80℃に加熱し、ナノマイザー(ナノマイザー社製)を用い水系分散体を得た操作を、水25部と、メチルアルコール25部にロジン1モルに対しプロピレンオキシド3モル付加物50部をハイスピードミキサーを用い25℃で混合攪拌し半溶解させた混合液をナノマイザー(ナノマイザー社製)を用い水系分散体を得た操作に変えた以外は同様に行い103部の被覆処理顔料を得た。
この被覆処理顔料の、3ロール分散によるオフセットインキの製造においてグラインドメーターでの粗大粒子が5μm以下となるのに2パスであり、優れた分散性を示した。
【0046】
実施例3
水70部と、オフセットインキ用アルキドワニス30部を80℃に加熱し、ナノマイザー(ナノマイザー社製)を用い、1700Kg/cm2の圧力で衝突させる操作を3回繰返して水系分散体を得た。この水系分散体40部を、常法により合成したCIピグメントレッド57:1の乾燥品換算で100部を水2000部に分散した水性スラリーに加え、70℃で30分攪拌混合後、ロ過、水洗し乾燥品換算で103部のペースト状被覆処理顔料を得た。
この被覆処理顔料を用いたオフセットインキの乳化水の表面張力は67μS/cmであったの対し比較例3は55μS/cmであり、優れた乳化適性を示した。
【0047】
比較例3
水80部と水酸化ナトリウム2部を含む溶液に煮沸下で不均化ロジン10部を加え攪拌しロジン溶液を調整した。このロジン溶液を室温まで冷却後、実施例3のアルキドワニス10部を加えハイスピードミキサーで攪拌混合しアルキドとロジンの半固溶状溶液を得た。このアルキドとロジンの半固溶状溶液120部を、実施例3の水系分散体と変えた以外は同様な操作を行い乾燥品換算で120部のペースト状処理顔料を得た。
【0048】
実施例4
水50部と、ゼネカ社製ソルスパーズ17000、50部を80℃に加熱し、ホモゲナイザー(ゴーリン社製)を用い、500Kg/cm2の圧力で4回通過させて水系分散体を得た。この水系分散体10部を、粉末状のCIピグメントバイオレット19、100部を水2000部にビーズミル分散した水性スラリーに加え、70℃で30分攪拌混合後、pH10に調整し、ロ過、水洗、乾燥し103部の被覆処理顔料を得た。
この被覆処理顔料を用いた塗料のB型粘度計で6rpmの粘度は800cpsであったのに対し比較例4では2000cpsで、優れた粘度を示した。なお参考とした未処理の顔料は3000cpsであった。
比較例4
実施例4でソルスパーズ17000、5部とCIピグメントバイオレット19、100部の比率で塗料分散時に加え塗料を作成した。
比較例5
実施例4でソルスパーズ17000は酸、アルカリ、あるいは界面活性剤を用いても水に溶解せず、ハイスピードミキサー分散、あるいは、サンドミル分散によっても水系分散体は得られず、水系での顔料への処理は出来なかった。
【0049】
実施例5
水90部と、P−SO2 NH(CH2 )3 N(C2 H5 )2 (ただしPはCIピグメントブルー15)で示される銅フタロシアニン誘導体10部を予めアトライターで分散したものを、ナノマイザー(ナノマイザー社製)を用い、1300Kg/cm23回通過させて水系分散体を得た。この水系分散体50部を、銅フタロシアニンを常法による硫酸での顔料化を行った後、硫酸を分離して得たCIピグメントブルー15:1の乾燥品換算で100部を水1000部に分散した水性スラリーに加え、80℃で30分攪拌混合後、ロ過、水洗、乾燥し103部のCIピグメントブルー15:2からなる被覆処理顔料を得た。
この被覆処理顔料を用いた塗料のB型粘度計で6rpmの粘度は150cpsであったのに対し比較例6では600cps、比較例7では420cpsで、優れた粘度を示した。なお参考とした顔料誘導体未添加の顔料は2700cpsであった。
比較例6
実施例5で顔料誘導体5部とCIピグメントブルー15:1、100部の比率で塗料分散時に加えアルキドメラミン塗料を作成した。
比較例7
実施例5で銅フタロシアニン誘導体の水系分散体を常法により合成した銅フタロシアニン誘導体10部と水190部からなる水性スラリーに変えた以外は同様な操作を行い104部のCIピグメントブルー15:2からなる処理顔料を得た。
【0050】
実施例6
水80部と、粉末状ポリプロピレン20部をナノマイザー(ナノマイザー社製)を用い、1500Kg/cm2の圧力で5回通過させて水系分散体を得た。この水系分散体500部を、銅フタロシアニンを常法によるニーダーでの顔料化を行った後、ニーディング助材を分離して得たCIピグメントブルー15:3の乾燥品換算で100部を水1000部に分散した水性スラリーに加え、30分攪拌混合後、ロ過、水洗、乾燥し196部の被覆処理顔料を得た。
この被覆処理顔料とポリプロピレン樹脂をタンブラーで混合後、射出成形を行いポリプロピレン樹脂成形物を得た。この成形物の着色力は比較例8に比べ24%高く、優れた発色性を示した。
比較例8
実施例6で水系分散体を加えずに得たCIピグメントブルー15:3とポリプロピレン樹脂の量が実施例6の成形物と同一なるように調整し、タンブラーで混合後、射出成形を行いポリプロピレン樹脂成形物を得た。
実施例7〜32
実施例1で、実質的に水不溶性有機表面改質剤、その濃度、圧力を表1に示す条件として同様な処理を行い、水系分散体を得た。この水系分散体を表1に示す顔料の水性スラリーに加え、同様な処理を行い被覆処理顔料を得た。この被覆処理顔料を用いた着色材組成物及び実質的に水不溶性有機表面改質剤による効果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【0053】
オフセットインキの製造例
顔料16部とロジン変性フェノール樹脂ワニス54部を混合し、3ロールで分散し、ベースインキを作成した。このベースインキにロジン変性フェノール樹脂ワニス20部、オフセットインキ用溶剤10部を混合しオフセットインキを作成した。
グラビアインキの製造例
顔料10部、ニトロセルロースワニス70部、酢酸エチル20部を3mmφスチールボール300gと共に225mlのマヨネーズビンにとり、ペイントコンディショナーで1時間分散し、グラビアインキを作成した。
油性塗料の製造例
顔料10部、アルキド樹脂ワニス(不揮発分60%)52部、メラミン樹脂ワニス(不揮発分50%)23部、キシレン15部を3mmφスチールボール300gと共に225mlのマヨネーズビンにとり、ペイントコンディショナーで1時間分散し、油性塗料を作成した。
【0054】
水性塗料の製造例
顔料10部、平均分子量25000、酸価60のアクリル樹脂溶液(不揮発分20%)12.5部、イオン交換水20部を3mmφアルミナビーズ150gと共に225mlのマヨネーズビンにとり、ペイントコンディショナーで3時間分散した後、さらに上記のアクリル樹脂37.5部とメチル化メラミン樹脂4.3部を加え混合し、水性塗料を作成した。
プラスチック着色剤組成物の製造例
顔料0.1部とポリプロピレン樹脂100部、ステアリン酸亜鉛0.1部をタンブラーで混合後、射出成形を行いポリプロピレン樹脂の着色剤組成物を作成した。
水系カラーの製造例
顔料15部、エチレングリコール6部、水29部、ノニオン系活性剤10部を3mmφガラスビーズ100gと共に225mlのマヨネーズビンにとり、ペイントコンディショナーで2時間分散した後、さらに水40部を加え混合し、水系カラーを作成した。
この水系カラー3部をアクリル樹脂系捺染用バインダー60部に混合し捺染用カラーを作成した。
【0055】
【発明の効果】
本発明の被覆処理顔料は、従来使用できなかった液体、固体の実質的に水不溶性有機物を表面改質剤として用いることができ、優れた表面改質効果を示すものである。また、本発明の被覆処理顔料は、界面活性剤やロジンエマルションを含まないため、あるいは従来に比べて少量の使用で済むため、界面活性剤やロジンエマルションに起因する悪影響がなく、用途の限定がなく着色剤組成物に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超高圧分散機の内部構造を示す断面図
【図2】図1のII−II断面図
【図3】別の超高圧分散機の内部構造を示す断面図
【図4】図3のIV−IV 断面図
【図5】別の超高圧分散機の内部構造を示す断面図
【図6】図5のVI−VI断面図
【符号の説明】
1〜5 流路
6 高圧分散機本体
7〜14 流路
15 流路の隔壁
Claims (14)
- 水と実質的に水不溶性有機表面改質剤とを予備的に混合した後、高圧に加圧して径が縮小された部分を有する流路系に導入し、径が縮小された流路を混合液体が加速されながら通過する際の混合液体に生ずる剪断力により、又は、加速された混合液体同士の衝突する際の、もしくは加速された混合液体が流路を構成する壁面と衝突する際の衝撃力により、水に上記水不溶性有機表面改質剤を均一分散せしめた水系分散体と、顔料とを混合し、該混合物から水不溶性有機表面改質剤で被覆された顔料を単離してなる被覆処理顔料。
- 実質的に水不溶性有機表面改質剤が、オレフィン系炭化水素、脂肪族系カルボン酸もしくはこれらのアミン塩もしくはアルキルエステル、芳香族系カルボン酸もしくはこれらのアミン塩もしくはアルキルエステル、合成樹脂、天然樹脂、ロジン誘導体、ワニス類、高分子分散剤、有機顔料誘導体から選ばれる少なくとも1種である請求項1の被覆処理顔料。
- 水不溶性有機表面改質剤が、常温で液体または固体である請求項1記載の被覆処理顔料。
- 少なくとも2個の高圧液体が導入される流路と、導入された高圧液体同士を衝突させる流路系を縮小した流路と、衝突した高圧液体を排出する流路とを具備する請求項1記載の被覆処理顔料。
- 1個の高圧液体が導入される流路と、少なくとも1個の径が縮小された流路とを具備する請求項1記載の被覆処理顔料。
- 水と水不溶性有機表面改質剤の衝突が、水不溶性有機表面改質剤の濃度を1〜80重量%として実施される請求項1記載の被覆処理顔料。
- 高圧が200Kg/cm2 以上の圧力である請求項1記載の被覆処理顔料。
- 請求項1記載の被覆処理顔料とビヒクルとからなる着色剤組成物。
- ビヒクルがオフセットインキ用ビヒクルである請求項8記載の着色剤組成物。
- ビヒクルがグラビアインキ用ビヒクルである請求項8記載の着色剤組成物。
- ビヒクルが塗料用ビヒクルである請求項8記載の着色剤組成物。
- ビヒクルがプラスチック用ビヒクルである請求項8記載の着色剤組成物。
- ビヒクルが水系カラー用ビヒクルである請求項8記載の着色剤組成物。
- 水と実質的に水不溶性有機表面改質剤とを予備的に混合した後、高圧に加圧して径が縮小された部分を有する流路系に導入し、径が縮小された流路を混合液体が加速されながら通過する際の混合液体に生ずる剪断力により、又は、加速された混合液体同士の衝突する際の、もしくは加速された混合液体が流路を構成する壁面と衝突する際の衝撃力により、水に上記水不溶性有機表面改質剤を均一分散せしめた水系分散体と、顔料とを混合し、該混合物から水不溶性有機表面改質剤で被覆された顔料を単離することからなる被覆処理顔料の製造方法。
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