JP3740307B2 - 帯電用磁性粒子及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電用磁性粒子及び電子写真方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の帯電装置としては、従来からコロナ放電を利用した手段が用いられているが、多量のオゾンを発生することからフィルタを具備する必要性があり、装置の小型化、ランニングコストのアップ等の問題点があった。
【0003】
このような問題点を解決するために、ローラ形状の帯電部材(帯電ローラ)を感光体表面に当接させ帯電を行う接触帯電装置が開発された。これは、帯電ローラと感光体との接触近傍に形成される狭い空間に、パッシェンの法則で解釈できるような放電を発生させることにより、感光体を帯電させる方法であり、オゾンの発生を極力抑える効果が認められている。
【0004】
接触方法の帯電は、帯電ローラから感光体への放電によって行われるため、ある閾値電圧以上の電圧を印加することにより帯電が開始される。一般に閾値以上の電圧を印可すれば、傾き1で線形に感光体表面電位が増加することから、この閾値電圧を帯電開始電圧Vthと定義すると、感光体表面電位Vdを得るためには、帯電ローラにはVd+VthのDC電圧が必要となる。この様なDC帯電では、環境か変化すると帯電ローラの抵抗値が変化するために、感光体の電位が変動することがある。
【0005】
一方、帯電の均一化を図るために特開昭63−149669号公報に開示されるように、所望のVdに相当する直流電圧に2×Vth以上のピーク間電圧を持つAC電圧を重畳した電圧を印加するAC帯電方式が用いられている。これは、交流による表面電位の平均化を目的としたものであり、感光体の表面電位はAC電圧のピークの中央値であるVdに収束することから、環境等の外乱には影響され難い利点がある。
【0006】
しかしながら帯電ローラは、ゴム等のソリッド材料から成るために、感光体の接触部において印可されるAC電圧の電界に起因した振動が発生し、その結果、騒音(AC帯電音)が問題となる場合がある。また、感光体と接触する帯電ローラの表面にトナーや紙粉等の微粉が付着することがあるが、この様な場合には、部分的に帯電が不均一になり、カブリ画像が発生することもあった。
【0007】
近年、画像形成装置のカラー化が進み、カラーの画像形成装置として4色それぞれが感光体、帯電装置、現像装置、クリーニング装置を有し(4つのステーション)、1パスで順次、転写材としての用紙上に4色重ねるタンデム方式が提案されている。この方式は、高速のカラー記録に対応できる利点を有することから、各感光体に配置される帯電装置に対しては、均一な帯電性、省エネルギー対策、オゾン対策等、従来の帯電装置以上の性能が必要とされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、帯電性及び耐久性に優れた帯電用磁性粒子を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、環境面及び省エネルギー面に優れ、かつオゾンレスである帯電装置を備え、長期的に高画質が得られる画像形成装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、粒度分布が0.5μm〜200μmの範囲に2つ以上のピーク又は肩を有し、平均径が10μm〜50μmであり、凝集度が60%以上であり、かつ比表面積(BET)が0.100m2/g以上である帯電用磁性粒子が提供される。
【0011】
また本発明に従って、導電性支持体上に感光層を有する感光体と、導電性部材に支持された磁性粒子から成り前記感光体に接触して電圧を印加することにより前記感光体を帯電させる帯電手段、前記感光体に静電潜像を形成する潜像形成手段、前記感光体に近接又は接触して配設され前記静電潜像を現像してトナー像を形成させると共に転写した後に前記感光体上に残留する転写残トナーを回収するクリーニング手段を兼ねた現像手段、及び前記感光体から前記トナー像を転写するための転写手段をそれぞれ備えた複数のステーションを有するタンデム式の画像形成装置において、前記磁性粒子の粒度分布が0.5μm〜200μmの範囲に2つ以上のピーク又は肩を有し、平均径が10μm〜50μmであり、凝集度が60%以上であり、かつ比表面積(BET)が0.100m2/g以上である画像形成装置が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
粒度分布が0.5μm〜200μmの範囲に2つ以上のピーク又は肩を有し、平均径が10μm〜50μmであり、凝集度が60%以上であり、比表面積(BET)が0.100m2/g以上である本発明の磁性粒子は、従来品よりも耐久性及び画質の向上において効果がある。
【0014】
一般に画像形成では、トナー、遊離外添剤、紙粉等の異物が帯電部材に混入し、繰り返し使用と共に帯電性が低下してしまうが、本発明の磁性粒子は、異物の混入や汚染に対しても感光体との接触性低下や帯電部材の抵抗変動を防止することができる。その結果、感光体表面を十分に帯電できるので良好な画質が維持される。
【0015】
粒度分布において小径側ピークの存在は、均一帯電の立場から感光体に対する接触性や緻密性を向上させる効果があり、大径側ピークは、磁気ブラシを形成した時に効率の良い搬送性を得ることができる。初期の帯電性は、磁性粒子の小径化より達成可能であるが、連続的な画像形成には磁性粒子の効率的な搬送性が必須であり、小径化のみでは困難である。本発明の2つ以上のピーク又は肩を有することにより、均一帯電と搬送性を両立させることができる。
【0016】
この様な粒度分布を有する磁性粒子は、平均径を10μm〜50μmにすることにより、磁性粒子漏れを防止し環境変動に対しても均一な帯電性を得ることができる。平均径が10μmより小さい場合、小径側ピークの微粉粒子が漏れ易くなり接触性の不安定化や画質低下が認められることがある。また、平均径が50μmを越えると、特に低湿度条件下での帯電一様性が低下する傾向にあるために、平均径は10μm〜50μmであることが好ましい。
【0017】
本発明の磁性粒子の平均径及び分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置HEROS(日本電子製)を用いて、0.5μmを最小値とし、1.80μm〜350μmの範囲を31対数分割して測定し、体積50%メジアン径をもって平均径とした。対数分割した各チャンネル及びそれらの中心値は、表1に示す通りである。
【0018】
【表1】
【0019】
帯電性向上には、磁性粒子の小径化が一つの手段であるが、上述した様に微粉の増加は漏れを引き起こすことから、単なる小径化には限界がある。そこで、凝集度を60%以上とすることにより、磁性粒子の漏れを防止し良好な帯電を維持できる。更には、比表面積(BET)が0.100m2/gである磁性粒子を用いることにより、異物等の混入に対しても帯電性が低下することを防止できる。この様な磁性粒子としては、球形化磁性粒子に対し、少なくとも一部が異形化された磁性粒子が存在することが好ましい。
【0020】
磁性粒子の凝集度は、23℃/湿度60%の環境下で下記の方法により測定した。目開き45μm(2個)及び38μm、形状φ75mm×H20mmのステンレス製の篩を、上から目開き45μm(上段)、45μm(中段)、38μm(下段)の順に3段に重ねた。上段の篩に磁性粒子20.0gを静置させ、0.1mm(ピークトゥピーク)の振幅で30秒間振動を与え分級した。
【0021】
各篩に残った磁性粒子の量を計り、次式から凝集度(%)を算出した。
凝集度G(%)=(A×5/5+B×3/5+C×1/5)×1/20.0×100
ここでA、B、Cは、上、中、下段の節に残った磁性粒子の量(g)である。
【0022】
本発明の比表面積(BET)は、窒素吸着による多点法で行った。
【0023】
本発明の磁性粒子としては、フェライト粒子が好ましく用いられる。フェライトの組成としては、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム、鉄、リチウム、ストロンチウム、バリウム等の金属元素を含むものが好適に使用される。
【0024】
以下に磁性粒子の製造手段を例示する。
(1)焼成後に解砕された5μm〜200μm程度の磁性粒子を粉砕により微細化した後、分級により粒度分布を調製する。
(2)焼結工程で形状を制御し、解砕、分級を行い粒度分布を調整する。
【0025】
この様にして製造された異形化粒子を含む磁性粒子は、そのまま使用することができるが、必要に応じて、粒径の異なる磁性粒子、形状の異なる磁性粒子、その他の粒子と混合して用いることも可能である。また、フェライトの固まり(塊状)を直接粉砕する製法も可能であるが、製造効率の観点からは、上述した様な適当な粒子径を有する磁性粒子を粉砕することが好ましい。本発明においては、フェライト組成をもつ磁性粒子が好適に用いられ、その粒子の加熱減量が、0.5質量%以下であることが好ましい。
【0026】
従来例として、マグネタイトと樹脂を混練粉砕した樹脂磁性粒子を使用する開示がある。樹脂成分を多量に含むため帯電部材からの磁性粒子の漏れが起こり易い。樹脂磁性粒子においては、表面に樹脂の存在比率が高く、その導通路である磁性粒子の存在比率が少ないので、異物(トナー、外添剤、紙粉等)による表面汚染が進行すると抵抗が上昇し、十分な耐久性が得られないこともある。
【0027】
本発明の2つ以上のピーク又は肩を有する粒度分布において、2つの大ピーク又は肩の小径側ピークをP1、大径側ピークをP2とすると、P1の中心径DP1を5.2μm<DP1≦25.0μmにすることにより、長期的に微粉漏れを防止し、より緻密的になるので感光体との接触性が向上する。また、P2の中心径DP2を15.0μm<DP2≦72.0μmに調製することにより、搬送性が向上し耐久性が向上すると同時に、粗粉による感光体の傷を防止することができる。
【0028】
更に、本発明において、P1の強度SP1とP2の強度SP2の比(SP1/SP2)をY、磁性粒子の平均径をXとした時、両者の関係を以下の式で表わされる範囲内に調製することにより、低湿度の様な環境下でも均一な帯電を長期的に維持することができ、ゴースト等の画質低下が防止される。
−0.03X+1.20≦Y≦−0.03X+1.75
ここで、10≦X≦50(μm)、Y=SP1/SP2である。
【0029】
次に、本発明におけるピークについて定義する。
【0030】
まず、前述のレーザー回折式粒度分布測定装置HEROS(日本電子製)を用いた測定において、最大の体積比率であるチャンネルを最大ピークとし、その値をピーク値とする。最大ピークであるチャンネルが占める体積比率に対して、1/10以上の体積比率を持つものを大きい順に2つ目以降のピーク又は肩とする。ここで、1/10より小さいと、その効果が薄れる傾向にあるために1/10以上が好ましい。この様にして求めた最大2つのピーク又は肩が本発明のP1、P2であり、P1は粒度分布の小径側(微粉側)、P2は大径側(粗粉側)である。
【0031】
本発明の磁性粒子は、感光体に対し十分な接触性が必要であり、そのためには見掛け密度が1.70g/cm3以上であることが好ましい。見掛け密度が1.70g/cm3未満では、特に中速機以上のプロセススピードで部分的な帯電不均一性が認められることがある。
【0032】
本発明の磁性粒子は、5μm〜20μmの粒子の短軸長さ/長軸長さの比が、0.85以下であるような形状であると、転写後の感光体に付着した転写残トナーのすり抜け防止に効果が高くなる。この比が0.5より小さくなると、帯電部材としての流動性が低下し実用に供さなくなることがあるので、0.5〜0.85であることが好ましい。更に、20μmを越える粒子の短軸長さ/長軸長さの比が、0.85以下であるとより効果的である。5μm〜20μmの磁性粒子及び20μmを越える磁性粒子は、篩により分離する。
【0033】
目開き5μm、20μm及び25μm、形状φ75mm×H20mmの篩を用意する。これを上段から目明き25μm、20μm、5μmの順に3段に重ね、目開き25μmの篩上に磁性粒子0.5gをのせ、十分に振動を与え、20μmパス5μmオンの粒子を5μm〜20μmの磁性粒子として採取する。20μm及び25μmの篩上の磁性粒子を混合し、20μmを越える磁性粒子とする。
【0034】
短軸長さ/長軸長さの比は、一例として日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、500倍に拡大した磁性粒子像を無作為に100個抽出し、その画像情報を元に、Image Analyzer V10(東洋紡績株式会社製)で画像解析することにより得られる。
【0035】
具体的には、電子顕微鏡写真より実体顕微鏡を経由した画像信号を解析装置に入力し、画像情報を2値化する。ついで、2値化された画像情報を元に対象物の形状を楕円に置き換える手続きを経て、その楕円の長軸と短軸の長さの比を算出する。
【0036】
2値化された形状に対して、座標(u,v)における微小面積Δs=Δu・Δvの比重を1とした場合、原点(X,Y)に対して、粒子の2値化された形状の重心を通り、水平軸及び垂直軸についての2次モーメント(水平軸についての2次モーメントMx、垂直軸についての2次モーメントMy)は、各々
Mx=ΣΣ(u−X)2
My=ΣΣ(v−Y)2
で表され、慣性相乗モーメントMxyは、
Mxy=ΣΣ(u−X)・(v−Y)
であり、以下の式をみたす角度θは、2つの解を持つ。
【0037】
【数1】
【0038】
更に、水平軸と角θをなす軸方向の慣性モーメントは、Mθは、
Mθ=Mx・(cosθ)2+My・(sinθ)2−Mxy・sin2θ
で表され、前記θの2つの解を代入し、計算された、Mθのうち小さい方が主軸となる。
【0039】
更に、任意の軸上に、(1/Mθ)0.5に相当する点をプロットすると、これらは楕円を作り、この主軸が慣性主軸と一致するとすれば、Mθの小さな値を取る方向をA、大きな方をBとすると以下の楕円となる;
A・x2+B・y2=1
よって、短軸長さ/長軸長さの比は、以上の楕円に対して、
短軸長さ/長軸長さの比=(A/B)0.5
にて表されたものである。
【0040】
本発明の磁性粒子は、印加バイアスに対し安定な帯電を得るために、体積抵抗は1.0×104Ωcm〜1.0×1010Ωcmであることが好ましい。体積抵抗が1.0×104Ωcm未満であると、感光体に傷やピンホールが発生した場合にリークを起こす傾向にあり、1.0×1010Ωcmを越えると、低湿度環境下で帯電性が不十分となることがある。そこで体積抵抗は、1.0×104Ωcm〜1.0×1010Ωcmであることが好ましい。
【0041】
磁性粒子の体積抵抗は、上下2つの電極を配置したセルに磁性粒子を充填し、電極間に電圧を印加し、その時に流れる電流から算出した。測定条件は、23℃/湿度65%の環境下にて、充填した磁性粒子と電極との接触面積は2cm2、厚みは1mm、上部電極に荷重10kg、印加電圧100Vである。
【0042】
本発明の磁性粒子は、炭素原子が6個以上直鎖状に連なる構成を含むカップリング剤で処理することが好ましい。本発明の長鎖アルキル基を有するカップリング剤の付与は、磁性粒子に潤滑性を与える効果が優れおり、感光体に対して、傷や削れを長期的に防止できる。更に、帯電用磁性粒子として、粒子表面の汚染防止に効果があるので耐久性はより向上する。
【0043】
アルキル基は、炭素数6個以上連なることがトリボ付与性や流動性向上の面から効果的であり、30個以下程度までは可能と考えられる。アルキル基が30個を越えると、溶剤に不溶となる傾向にあり、磁性粒子表面に均一に処理することが難しくなり、更に処理された帯電用磁性粒子の流動性が極めて悪化し、帯電性が不均一となる傾向にある。
【0044】
カップリング剤の存在量としては、磁性粒子に対し0.0001質量%〜0.5質量%が好ましい。0.0001重量%未満であるとカップリング剤の効果が見られず、0.5質量%を越えると帯電用磁性粒子として流動性が悪化し、実用に供さなくなることがある。本発明においては、カップリング剤と樹脂の混合体をコートすることも可能である。
【0045】
本発明に用いられるカップリング剤としては、疎水基部分に、炭素原子が6個以上直鎖状に連なる構成を含むものであれば、チタン、アルミニウム、珪素、ジルコニウム等の中心元素を特には選ばない。本発明におけるカップリング剤とは、同一分子内に加水分解可能な基と疎水基を有し、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム等の中心元素に結合している化合物を示す。
【0046】
加水分解基としては、例えば、比較的親水性の高い、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基等が用いられる。その他、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ハロゲンその変性体等も用いられる。
【0047】
また、疎水基としては、その構造中に炭素原子が6個以上直鎖状に連なる構成を含むものであればよく、中心元素との結合形態においては、カルボン酸エステル、アルコキシ、スルホン酸エステル、燐酸エステル、あるいはダイレクトに結合していてもよい。更に、その構造中に、エーテル結合、エポキシ基、アミノ基等の官能基を含んでもよい。
【0048】
本発明の磁性粒子は、カップリング剤を表面に存在させる場合、その存在量が、0.5質量%以下であるから、抵抗値的には、処理前の磁性粒子とほぼ同等の抵抗値が得られるため、導電性粒子を分散した樹脂を表面コート剤として用いる場合等に比べて製造上の安定性、品質の安定性に優れている。
【0049】
本発明の画像形成装置の作用と効果を、ネガトナーを用いた反転現像方式で例示する。
【0050】
本発明の画像形成装置(図1)は、例えば、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの可視画像を形成するための第1〜第4のステーションがタンデム式に配列された構成を有するカラー画像形成装置である。
【0051】
4つのステーションは、導電性支持体上に感光層を有する感光体11a、11b、11c、11d、感光体に接触配置して電圧を印加することにより感光体を帯電させる磁気ブラシ帯電装置21a、21b、21c、21d、感光体に静電潜像を形成する潜像形成装置31a、31b、31c、31d、感光体に近接又は接触して配設され静電潜像を現像してトナー像を形成させると共に転写したのち感光体上に残留する転写残トナーを回収するクリーニング手段を兼ねた二成分現像装置41a、41b、41c、41d、転写装置51a、51b、51c、51d等から成り、転写したのち感光体上に残留する転写残トナーを回収するクリーニング装置81a、81b、81c、81d等が配置されている。
【0052】
転写では、1パスで順次、用紙上に4色のトナー像を転写するために転写ベルト52を用いる。転写ベルトは、各ステーションの感光体の下部に位置し、駆動プーリ53及び従動プーリ54に張架された状態で駆動される。
【0053】
カラー画像形成を行うには、まず第1ステーション(イエロー)において、感光体11aを帯電装置21aにより帯電させ、矢印で示す露光31aにより潜像を形成する。次に、イエロートナー用の現像器41aによって潜像が現像される。次に、給紙部61から転写ベルト52によって用紙62が、第1ステーションに搬送され転写装置51aにより静電的に転写される。ここで、感光体上に残存する転写残トナーは、クリーニング装置81aで回収される。
【0054】
第2ステーション(シアン)においても、第1ステーションと同様な工程が行われ、別色のトナー(シアン)が第1ステーションから移動してきた用紙に転写される。更に、第3及び第4ステーション(マゼンタ、ブラック)においても同様に行われ、所望のカラー画像を形成することができる。
【0055】
次に、図2に磁気ブラシ帯置装置の概略を例示する。
【0056】
磁気ブラシ帯電装置21は、磁力発生部材としてのマグネットロール22と、その外周を回転可能に設けられた非磁性(SUS、アルミニウム等)の電極スリーブ23と、電極スリーブの表面にマグネットロールの磁力により保持される磁性粒子24(磁気ブラシ)から成り、電極スリーブから帯電バイアスが端子25を介して印加される。帯電は、DC電圧によるDC帯電、DC電圧にAC電圧を重畳したAC帯電等が採用される。磁気ブラシは、回転可能な電極スリーブにより感光体に接触した状態で任意の周速差で対向回転又は順方向回転させながら感光体を帯電する。また、回転を行わない固定状態での帯電も可能である。
【0057】
本発明の磁気ブラシ帯電装置は、放電を利用したコロナ帯電器に比べ、低消費電力であり、オゾンの発生を抑えることができるので、複数の帯電装置を必要とする本発明のタンデム式の画像形成装置においては、環境及び省エネルギーの効果が十分に発揮される。更には、磁気ブラシ帯電装置と感光体が緻密に接触することができるので、長期的に均一な帯電が達成され良好な画像が得られる。
【0058】
また、本発明の画像形成装置では、転写残トナーを回収するためのクリーナー装置(例えば、ブレードを有するクリーナー容器)を配置することが好ましいが、クリーナー装置を取り除いたり、ブラシ状物等から成る散らし部材(例えば、ファーブラシ、磁気ブラシ)を配置してもよい。
【0059】
本発明の画像形成装置に用いる感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されたものである。感光層は、電荷発生層と電荷輸送層を積層して成るが、それぞれの層を構成する電荷発生材料及び電荷輸送材料を同一層化した単層型でもよい。電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、電荷発生層の膜厚は0.05〜5μmの範囲であり、感光層材料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料等の有機系材料、シリコーン化合物等の無機系材料等が挙げられる。感光体の導電性支持体には、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、スチール等の金属、導電性膜を有するプラスチックあるいは硝子、導電化した紙等が用いられる。
【0060】
本発明の感光体は、感光層の表面に電荷注入層を設けることが好ましい。電荷注入層は、露光時には帯電電荷をより効率的に導電性支持体に逃がす役割をはたし残留電位を低減させることができるので、コントラストの変動が抑えられ均一な画像が得られる。
【0061】
ところで、接触帯電部材に電圧を印加し、感光体表面にあるトラップ準位に電荷を注入して接触帯電を行う注入帯電方法が、Japan Hardcopy 92年論文集P287の「導電性ローラを用いた接触帯電特性」等に記載されている。
【0062】
注入帯電とは、DC電圧を印加することにより、印加された電荷を高い効率で感光体上に保持形成する帯電方法である。注入帯電は、目標の帯電電位に対し必要最小限のDC電圧を与える帯電手段なので、放電を利用した従来の接触帯電(DC帯電、AC重畳帯電)よりも更にオゾンの発生を抑えることができる。
【0063】
実際に、1kΩ程度の帯電ローラに周速差を与えれば、一般的な感光体に対しても適当な収束性をもって実施することができる。これは、低い抵抗値の帯電部材で、かつ十分な帯電時間をとることにより、感光体に電荷が注入されるためであるが、感光体にピンホールや削れ傷が生じた場合には、リークが発生し帯電不良を引き起こしてしまう。
【0064】
そこで、本発明の磁性粒子から成る磁気ブラシ帯電装置と電荷注入層を積層した感光体とを組み合わせることにより、長期的に安定な注入帯電を達成することができる。高い効率で感光体上に電荷を保持形成できるので、環境変化や感光体の膜厚変化による帯電性の変化が抑えられ安定な画質も得られる。
【0065】
本発明の電荷注入層は、体積抵抗値を1×108Ωcm〜1×1015Ωcmの範囲に調整することが好ましい。電荷注入層の体積抵抗値が1×108Ωcmより小さい場合、静置潜像を保持できずに画像流れが発生し、1×1015Ωcmを越えると帯電部材から電荷を十分に受け取ることができず、帯電不良を生じることがある。そこで、電荷注入層は、十分な帯電性と画像の再現性を満足するために、体積抵抗値を1×108Ωcm〜1×1015Ωcmの範囲に調整するが、好ましくは、高温高湿条件下での画像流れ防止の観点から1×1010Ωcm〜1×1015Ωcmである。
【0066】
ここで、電荷注入層の体積抵抗は、表面に導電膜を蒸着させたポリエチレンテレフタレート(PET)上に電荷注入層を作成し、これを体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4140B pAMATER)にて、23℃/湿度65%の環境下で100Vの電圧を印加し測定した。
【0067】
本発明の電荷注入層としては、絶縁性のバインダー樹脂に光透過性で、かつ導電性の粒子を適量分散させた樹脂層、半導体等で構成された無機層、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等の電子共役性ポリマーや有機ポリシラン類等の導電性高分子から成る有機層を用いることもできる。
【0068】
以下に樹脂層から成る電荷注入層の例を示す。バインダー樹脂には、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、セルロース、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等の樹脂を用いることができる。
【0069】
導電性微粒子としては、銅、アルミニウム、銀、ニッケル等の金属、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化チタン、あるいはこれらの固溶体、もしくは融着体等の金属酸化物、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性ポリマー等が使用できるが、感光体の透光性の観点から透明度の高い酸化スズ等の金属酸化物を選択使用することがより好ましい。
【0070】
これら導電性微粒子の粒径は、透光性の観点から0.3μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下である。電荷注入層に含有させる場合、導電性微粒子の含有量は、その粒径にも依存するが、バインダー樹脂に対し2〜280重量%の範囲が好ましい。含有量が2重量%未満では、電荷注入層の抵抗調整が困難となり、また280重量%を越えるとバインダー樹脂の塗膜性が部分的に低下することがある。よって、導電性微粒子の含有量は、バインダー樹脂に対し2〜280重量%の範囲が好ましい。
【0071】
導電性微粒子の分散性向上、バインダー樹脂との接着性、あるいは成膜後の塗膜平滑性の向上を目的として、種々の添加剤を加えることができる。また、分散性の向上に関しては、カップリング剤、あるいはレベリング剤等により、導電性微粒子の表面改質を行うことは非常に有効である。更には、分散性向上の点から、バインダー樹脂として硬化型樹脂を用いることが効果的である。
【0072】
硬化型樹脂を電荷注入層に用いる場合には、導電性微粒子を硬化性モノマー又はオリゴマーの溶液中に分散下塗工液を感光層上に塗布、成膜後、熱又は光照射によって塗膜を硬化させて表面層とする。このような硬化型樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられるが、これに限ったわけではなく、塗布成膜後に光又は熱等のエネルギーを与えることにより、化学反応を起こし硬化する樹脂であれば使用可能である。
【0073】
電荷注入層は、バインダー樹脂、導電性微粒子、及び必要に応じ添加剤の適当な溶液、又は分散溶液を感光体上に塗布乾燥することにより得られ、この膜厚は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmである。
【0074】
樹脂から成る電荷注入層には、滑材粉末を含有させてもよい。感光体と帯電部材との摩擦、又は感光体とクリーニング部材との摩擦が低減され、電子写真装置の力的負荷が軽減できる。感光体表面の離型性も向上するため、現像剤の付着が防止できる。このような滑材粒子としては、臨界表面張力の低い、フッ素樹脂、シリコーン樹脂又は、ポリオレフィン樹脂を用いるのが好ましい。
【0075】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0076】
{磁性粒子の製造例1}
Fe2O3(55モル%)、CuO(23モル%)、ZnO(22モル%)を主成分とする酸化物にリン0.05質量部を添加し、粉砕混合した後、水、分散剤、バインダー剤を加えてスラリー状にした。スラリーをスプレードライヤー法により造粒し、1150℃で焼成することでCuZnフェライトを得た。焼成後、解砕及び分級を行い、平均径50μmの球形状の粒子とした。これを振動ミルで粉砕し、異形化させ、微粉をカットして本発明の磁性粒子を得た。
【0077】
この磁性粒子の短軸長さ/長軸長さの比(短軸/長軸)は、0.6〜0.85の範囲であり、8×104A/m(1KOe)での磁化は、60Am2/kg(57emu/g)であった。磁性粒子の物性値を表2に示した。これを磁性粒子1とする。
【0078】
{磁性粒子の製造例2及び3}
磁性粒子の製造例1で粗分のカット条件を調整し、粒度分布の異なる磁性粒子2及び磁性粒子3を得た。この磁性粒子の物性値を表2に示す。
【0079】
{磁性粒子の製造例4及び5}
磁性粒子の製造例1において、スプレードライヤー法による造粒条件を調整したものを焼成、解砕し、約40μmの球形状の粒子を作製した。これを気流式ジェットミルにて粉砕と共に微粉をカットし、更に粗粉のカッ卜条件を調整しながら磁性粒子4及び磁性粒子5を得た。この磁性粒子の物性値を表2に示す。
【0080】
{磁性粒子の製造例6}
磁性粒子の製造例2で得られた磁性粒子100重量部に対し、0.075質量部のTi系カップリング剤(イソプロピルトリイソステアロイルチタネート)をトルエン溶媒を用いて攪拌機の中で60℃で湿式コートした。これを120℃で加熱乾燥し、更に180℃で1時間キュアすることにより磁性粒子6を得た。この磁性粒子の物性値を表2に示す。
【0081】
{磁性粒子の製造例7}
磁性粒子の製造例4で得られた磁性粒子100重量部に対し、0.1質量部のTi系カップリング剤(イソプロピルトリイソステアロイルチタネート)を磁性粒子の製造例5と同様な方法で処理した。これを磁性粒子7とする。この磁性粒子の物性値を表2に示す。
【0082】
{磁性粒子の製造例8}
Fe2O3(53モル%)、MnO(32モル%)、MgO(15モル%)を粉砕混合した後、水、分散剤、バインダー剤を加えてスラリー状にした。スラリーをスプレードライヤー法により造粒し、酸素分圧を調整した電気炉で焼成し、MnMgフェライトを得た。焼成後、解砕及び分級を行い、約45μmの球形状の粒子を得た。これを振動ミルで粉砕し、微粉と粗粉をカットし、磁性粒子8を得た。8×104A/m(1KOe)での磁化は、実施例1と同レベルの60Am2/kg(57emu/g)であった。この磁性粒子の物性値を表2に示す。
【0083】
{磁性粒子の製造例9}
リンの添加重を2質量部とした以外は、磁性粒子の製造例1と同様にしてフェライトを製造したところ、粒子同士の焼結が進み塊状性の高いフェライトの固まりを得た。これをハンマーミルで解砕し、更に振動ミルで粉砕した後、微粉と粗粉をカットし磁性粒子9を得た。この磁性粒子の物性値を表2に示す。
【0084】
{磁性粒子の製造例10}
Fe2O3(50モル%)、CuO(25モル%)、ZnO(25モル%)を粉砕混合した。これに水、分散剤、バインダー剤を加えてスラリーとした後、スプレードライヤーにより造粒した。これを1100℃で焼成し、得られたCuZnフェライトを解砕処理の後に分級を行い、平均径45μmの球形状の磁性粒子を得た。磁性粒子の短軸と長軸の比は、0.85〜0.95の範囲であった。これを磁性粒子10とする。この磁性粒子の物性値を表2に示す。
【0085】
【表2】
【0086】
{現像剤の製造例1}
カラー用粉砕トナーとして、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの4色を作製した。
【0087】
(1)ブラックトナー
ポリエステル樹脂100質量部、合金属アゾ染料2質量部、低分子量ポリプロピレン3.5質量部、カーボンブラック5質量部を乾式混合した後に、150℃に設定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を空冷した後、気流式粉砕機により微粉砕し、更に風力分級し粒度分布を調整した。このトナー分級品100質量部に疎水化処理した酸化チタン及びシリカをそれぞれ1質量部添加して、平均径7μmのトナーを作製した。
【0088】
(2)シアントナー
ポリエステル樹脂100質量部、ジーターシャリーブチルサリチル酸のクロム化合物4質量部、銅フタロシアニン系顔料(C.l.ピグメントブルー15:3)4質量部を乾式で予備混合し、上記ブラックトナーの作製と同様に2軸混練押出機にて混練した。空冷後、気流式粉砕機により微粉砕し、風力分級により粒度分布を調製した。このトナー分級品100質量部に疎水化処理した酸化チタン及びシリカをそれぞれ1質量部添加して、平均径6.8μmのトナーを作製した。
【0089】
(3)マゼンタトナー
上記シアントナーの作製において、銅フタロシアニン系顔料をキナクリドン系顔料(C.l.ピグメントレッド122)5質量部に変更した以外は、同様な方法で平均径6.8μmのマゼンタトナーを作製した。
【0090】
(4)イエロートナー
上記シアントナーの作製において、銅フタロシアニン系顔料をジアリード系イエロー顔料(C.l.ピグメントイエロー17)4質量部に変更した以外は、同様な方法で平均径6.8μmのイエロートナーを作製した。
【0091】
(5)現像剤
それぞれのトナー7質量部を平均径60μmのニッケル亜鉛フェライトにシリコーン樹脂をコートした現像キャリア100質量部に混合して各現像剤を作製した。これら4色をまとめて現像剤1とする。
【0092】
{感光体製造例1}
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に感光層を積層しOPC感光体を作製した。積層した層は、アルミニウムシリンダーから順に第1、2、3、そして4層とする。
【0093】
第1層は下引き層である。アルミニウムシリンダーの欠陥等を均し、またレーザー露光の反射によるモアレ発生を防止するために、膜厚が20μmの導電性膜を設けた。
【0094】
第2層は正電荷注入防止層である。アルミニウムシリンダー側から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すことを防止する目的で、6×106Ωcmに調整したアミラン樹脂とメトキジメチル化ナイロンから成る層を約1μm形成した。
【0095】
第3層は電荷発生層である。レーザー露光により正負の電荷対を発生させるためにジスアゾ系顔料を分散した樹脂層を約0.5μm形成した。
【0096】
第4層は電荷輸送層である。ポリカーボネート樹脂にヒドラジンを分散しP型半導体層を約20μm形成した。この層は、電荷発生層で発生した正電荷を感光体表面に輸送する機能を有し、感光体表面に帯電された負電荷は、この層を移動することはできない。これを感光体1とする。
【0097】
{感光体製造例2}
上記感光体1の表面(第5層目)に電荷注入層を設けた。電荷注入層は、光硬化性アクリル樹脂に酸化すずを分散した導電性を有する膜厚3μmの樹脂層である。酸化すずは、アンチモンをドーピングして導電化した平均径約0.03μmの超微粒子であり、光硬化性アクリル樹脂100質量部に対して180質量部分散した。抵抗は、6×1012Ωcmである。電荷注入層には、表面滑り性向上の目的で、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子を20質量部、分散剤を1質量部分散した。これを感光体2とする。
【0098】
次に、実施例として画像形成装置として図1に示すタンデム式のカラー画像形成装置を用いた。イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックトナーをそれぞれ第1〜第4のステーションに搭載した。本実施例においては、ブレード型のクリーニングシステムを採用した。
【0099】
現像装置は、2成分磁気ブラシ現像器であり、現像スリーブ、現像スリーブ内に固定配置されたマグネットローラ、現像剤を攪拌させながら現像スリーブ上に搬送する攪拌スクリュー、現像スリーブ上の現像剤を薄層形成させるための規制ブレード等から成る。現像スリーブは、少なくとも現像時において、感光体に対し最近接領域が約500μmになるように配置し、現像剤が感光体に対して接触する状態で現像できるように設定した。
【0100】
現像スリーブには、電源から直流電圧及び交流電圧が印可され、本実施例では、直流電圧として−500V、交流電圧としてVpp=1500V、Vf=2000Hzを印加した。
【0101】
帯電装置は、図2に示す磁気ブラシ帯電装置である。固定マグネットを内包する非磁性の電極スリーブ(外径16mm)は、感光体に対し対向回転する。本実施例では、感光体の回転速度100mm/secに対し、130mm/secで対向回転させた。
【0102】
帯電は、表3に示すバイアスをそれぞれ印加した。注入帯電1及び2では、感光体2を使用し、AC帯電では感光体1を使用した。
【0103】
【表3】
【0104】
次に、評価方法を示す。
【0105】
各色6%相当の原稿をA4横送りで20000枚連続面出し耐久を行い、ゴースト、及び帯電不良により発生する紙上の画像カブリを反射濃度計で計測し、更に耐久後の感光体表面削れを調べた。耐久環境は、23℃/相対湿度60%(N/N環境)、23℃/相対湿度10%(N/L環境)である。
【0106】
本評価では、JIS−Z8722(0度−45度法)に基づいた反射濃度計(東京電色技術センター、TC−6MC)を用い、面出し前後の差(%)を算出しカブリ濃度とした。紙上の画像カブリ及び細線再現性の評価レベルをそれぞれ表4及び表5に示す。画質としてカブリ2%未満を実用上問題なしと判断する。
【0107】
【表4】
【0108】
【表5】
【0109】
(実施例1)
Ti系カップリング剤で表面処理した磁性粒子6から成る磁気ブラシ帯置装置及び重合トナーを前記タンデム式の画像形成装置に搭載し、10000枚の4色画出し耐久を行った。耐久条件及び評価結果を表6に示す。
【0110】
その結果、帯電が厳しいL/L環境においても、細線の再現性は良好であり、カブリも0.5%未満の高画質が達成され、均一帯電及び耐久性向上が認められた。磁性粒子の漏れが防止され、感光体の傷も防止された。また、全体的にオゾンの発生は、従来の帯電装置より抑えられ、特に注入帯電ではオゾン量は激減し、タンデム式の画像形成装置として環境対策に優れた効果が得られた。
【0111】
(実施例2〜7)
実施例1において、磁性粒子6を磁性粒子2、3、4、5、7及び8に変更した以外は、同様に耐久・評価を行ったところ、細線再現性は良好であり、L/Lの注入帯電1耐久においても、カブリの少ない(<1%)良好な画質が得られた。耐久条件及び評価結果を表6に示す。
【0112】
(実施例8)
実施例1において、磁性粒子6を磁性粒子1に変更した以外は、同様に耐久・評価を行ったところ、細線再現性は良好であり、画像カブリはL/L環境でも少ないレベル(<1%)に抑えられており、良好な画質が得られた。耐久条件及び評価結果を表6に示す。
【0113】
(実施例9)
実施例1において、磁性粒子6を磁性粒子9に変更した以外は、同様に耐久・評価を行ったところ、L/L環境においても、画像カブリの少なく(<1%)、細線再現性も実用上問題のない画質が得られた。耐久条件及び評価結果を表6に示す。
【0114】
(比較例1)
実施例1のN/N耐久において、磁性粒子6を粒度分布が1ピークである磁性粒子10に変更した以外は、実施例1と同様な方法で耐久・評価を行った。その結果、耐久と共にカブリが増加し、カブリが2%を越え画質が低下した。また、耐久途中で感光体の削れ傷に起因するカブリが目立ち、一部で画像流れが連続的に発生した。耐久条件及び評価結果を表6に示す。
【0115】
【表6】
【0116】
【発明の効果】
本発明では、帯電か厳しい低湿度環境においても、均一な帯電か行われ、画像形成装置として画像及び耐久性が向上した。更には、オゾンの発生が抑えられ、特に注入帯電では、オゾン量が激減し、環境対策に優れた画像形成装置が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタンデム式の画像形成装置の概略図である。
【図2】本発明の磁気ブラシ帯電器の断面図である。
【符号の説明】
11 感光体
21 磁気ブラシ帯電装置
22 マグネットローラ
23 電極スリーブ
24 磁性粒子
25 バイアスを供給する接点(端子)
31 潜像形成装置
41 現像装置
51 転写装置
52 転写ベルト
53 駆動プーリ
54 従動プーリ
61 給紙部
62 用紙(被転写材)
71 定着装置
a 第1ステーション
b 第2ステーション
c 第3ステーション
d 第4ステーション
Claims (14)
- 粒度分布が0.5μm〜200μmの範囲に2つ以上のピーク又は肩を有し、平均径が10μm〜50μmであり、凝集度が60%以上であり、かつ比表面積(BET)が0.100m2/g以上であることを特徴とする帯電用磁性粒子。
- 前記磁性粒子の2つの大ピーク又は肩をPl、P2とした時、それぞれのピークの粒径DP1、DP2(DP1<DP2)は、
5.2μm<DP1≦25.0μm
15.0μm<DP2≦72.0μm
である請求項1に記載の帯電用磁性粒子。 - 前記ピークP1、P2の強度をそれぞれSP1、SP2とし、これらの比(SP1/SP2)をY、平均径をXとした時、
−0.03X+1.20≦Y≦−0.03X+1.75
である請求項1又は2に記載の帯電用磁性粒子。 - 前記磁性粒子の見掛け密度が1.70g/cm3以上である請求項1〜3のいずれかに記載の帯電用磁性粒子。
- 前記磁性粒子の抵抗値が1.0×104Ωcm〜1.0×1010Ωcmである請求項1〜4のいずれかに記載の帯電用磁性粒子。
- 前記磁性粒子の表面が、炭素原子が6個以上のアルキル鎖を有する中心元素が、チタン、珪素、アルミニウム又はジルコニウムであるカップリング剤にて処理されており、該カップリング剤の存在量が0.0001質量%〜0.5質量%である請求項1〜5のいずれかに記載の帯電用磁性粒子。
- 導電性支持体上に感光層を有する感光体と、導電性部材に支持された磁性粒子から成り前記感光体に接触して電圧を印加することにより前記感光体を帯電させる帯電手段、前記感光体に静電潜像を形成する潜像形成手段、前記感光体に近接又は接触して配設され前記静電潜像を現像してトナー像を形成させると共に転写した後に前記感光体上に残留する転写残トナーを回収するクリーニング手段を兼ねた現像手段、及び前記感光体から前記トナー像を転写するための転写手段をそれぞれ備えた複数のステーションを有するタンデム式の画像形成装置において、前記磁性粒子の粒度分布が0.5μm〜200μmの範囲に2つ以上のピーク又は肩を有し、平均径が10μm〜50μmであり、凝集度が60%以上であり、かつ比表面積(BET)が0.100m2/g以上であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記磁性粒子の2つの大ピーク又は肩をPl、P2とした時、それぞれのピークの粒径DP1、DP2(DP1<DP2)は、
5.2μm<DP1≦25.0μm
15.0μm<DP2≦72.0μm
である請求項7に記載の画像形成装置。 - 前記ピークP1、P2の強度をそれぞれSP1、SP2とし、これらの比(SP1/SP2)をY、平均径をXとした時、
−0.03X+1.20≦Y≦−0.03X+1.75
である請求項7又は8に記載の画像形成装置。 - 前記磁性粒子の見掛け密度が1.70g/cm3以上である請求項7〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記磁性粒子の抵抗値が1.0×104Ωcm〜1.0×1010Ωcmである請求項7〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記磁性粒子の表面が、炭素原子が6個以上のアルキル鎖を有する中心元素が、チタン、珪素、アルミニウム又はジルコニウムであるカップリング剤にて処理されており、該カップリング剤の存在量が0.0001質量%〜0.5質量%である請求項7〜11のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記感光体の最外層に電荷注入層を有する請求項7〜12のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記電荷注入層が導電性微粒子を分散した樹脂層である請求項13に記載の画像形成装置。
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