JP3739568B2 - 装飾紐及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、装飾紐の製造方法に関し、さらに詳しくは紐の外周面に飾り層を巻き付け接着した装飾紐の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紐を使った例えば花瓶敷や鍋敷あるいはペンダント等は紐それ自体を渦巻状に巻き付け接着するようにしたり、所望する形状に折り曲げて接着したりしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の装飾紐は、既製の紐をそのまま用いているので、紐自体が有するデザイン以外の各種のデザインの物品を製造することができないという問題があった。
【0004】
この発明の目的は上記従来の技術に存する問題点を解消して、デザインの優れた商品価値のある物品を製造することができる装飾紐の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、載置台の上面に飾り層を展開して載置した後、該飾り層の上面に接着剤を貼着し、次に、直線状に保持することができるよう中心部の孔に芯線を挿入させた紐を前記飾り層の上面に載せ、前記紐を直線状に保持したまま紐の外周面に飾り層を巻き付け接着するようにしている。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、展開された飾り層の一側上面に前記紐を載せて該紐を回転させながら紐の外周面に飾り層を接着するようにしている。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2において、両面接着テープの下面側の遮蔽シートを剥離して該接着テープ本体の下面側の接着層を展開状態の飾り層の上面に接着し、次に、接着テープ本体の上面側の遮蔽シートを剥離した後、前記紐を接着テープ本体の上面側の接着層に接着し、その後、飾り層を紐の外周面に接着するようにしている。
【0010】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかにおいて、載置台は飾り布の下面との接触摩擦抵抗を大きくする材料により形成され、紐の外周面に飾り層を巻き付け接着する際、載置台上で飾り布が滑らないようにしている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
最初に、図1により装飾紐の製造方法に用いられる器具と、装飾紐の素材について説明する。
【0012】
図1の符号11は長方形をなす合成樹脂製の載置台であって、載置台11の上面側にはゴム製の滑り防止プレート12が接着されている。この滑り防止プレート12は表面が粗面となっていて、載置された布地との接触摩擦抵抗が大きくなり布地が滑りにくくなっている。
【0013】
13は綿繊維あるいはナイロン繊維を撚り合わせた糸を交互に編成して形成した可撓性を有する紐であって、その中心部には孔13aが全長に亘って形成されている。なお、この紐は広く市販されているものを用いるとよい。
【0014】
14は前記紐13の孔13aに挿入される芯線であって、前記紐13の孔13aに芯線14を挿通することにより、紐13を直線状に保持することができる。この芯線14の材質は鉄であっても、その他の金属材であっても、樹脂材であってもよい。
【0015】
15は前記紐13の外周面に接着される飾り層を形成する飾り布であって、この飾り布15には所望する形状のデザイン、例えば図1のように斜線を交互に平行に形成し、その菱形の枠内の色彩を変化させた模様が施されている。
【0016】
16は前記紐13と飾り布15を接着するための両面接着テープであって、樹脂製の接着テープ本体17と、その上下両面に接着された接着層18,19と、接着層18,19を遮蔽する上部及び下部の遮蔽シート20,21とにより構成されている。
【0017】
次に、前記のように構成した器具及び素材を用いて装飾紐を製造する方法を図2〜図4に基づいて説明する。なお、図2(a)〜(d)においては各部材13、15、16等を模式的に表している。
【0018】
図2(a)に示すように、載置台11の滑り防止プレート12の上面に前記飾り布15をその表面側が下となるように載置する。
次に、この飾り布15の上面に対し両面接着テープ16の下方の遮蔽シート21を剥離した状態で、図2(b)に示すように、該接着テープ16の下側の接着層19を飾り布15の上面に接着する。
【0019】
その後、前記両面接着テープ16の上部の遮蔽シート20を図2(c)に示すように剥離した状態で、芯線14を挿通した紐13を両面接着テープ16の上部の接着層18の一側縁に載置して接着する(この状態を図3の斜視図に示す)。この状態において、図2(c)、図2(d)に示すように紐13を矢印方向に回転することにより、紐13の外周面に両面接着テープ16により飾り布15が巻付接着される。
【0020】
このようにして得られた装飾紐22には、図4に示すように紐13の外周面に飾り布15が円筒状に接着されるので、その外周面のデザインを所望する形状とすることができる。
【0021】
次に、前記のように構成した装飾紐22及びその製造方法の作用効果を説明する。
(1)前記実施形態では、可撓性を有する紐13の外周面に接着テープ16により飾り布15を接着したので、装飾紐として所望するデザインを得ることができ、装飾紐22を用いた後述する各種の物品のデザイン的価値を向上することができる。
【0022】
(2)前記実施形態では、紐13の中心部に金属製の芯線14を挿通したので、装飾紐22の製造の際、紐がうねることはなく、紐を回転して飾り布15を接着する作業を安定して行うことができる。又、装飾紐22を用いた後述する各種の物品の製造時の型くずれを防止することができる。
【0023】
(3)前記実施形態では、紐13の外周面と飾り布15の内周面を両面接着テープ16により接着しているので、接着剤を塗布した装飾紐22と比較して、製造を容易に行うことができる。
【0024】
(4)前記実施形態では、前記飾り層として飾り布を用いたので、装飾紐22の外観を布地独特の柔らかなものにすることができる。
(5)前記実施形態においては、紐13の孔13aに芯線14を挿通した状態で飾り布15の上面に両面接着テープ16を接着し、この両面接着テープ16の上面に紐13を載せて回転することにより紐13の外周面に飾り布15を巻付接着するようにした。このため、紐13を直線状に保持したまま該紐13に飾り布15を巻き付け接着することができる。
【0025】
(6)前記実施形態では滑り防止プレート12の上面に飾り布15を載置するようにしたので、巻き付け接着時に飾り布15が位置ずれを起こすことを防止でき、巻き付け接着作業をスムーズに行うことができる。
【0026】
次に、この発明の別の実施形態を図5及び図6に基づいて説明する。
図5に示す載置台11及び滑り防止プレート12は半円筒(樋)状に形成されており、該滑り防止プレート12の内周面に飾り布15を円弧状に湾曲して載置する。
【0027】
次に、この飾り布15の中央部に前述したように両面接着テープ16を接着し、さらに、前記両面接着テープ16の中央部に紐13を載置する。そして、図6に示すように飾り布15の左右両側を両面接着テープ16とともに紐13の外周面に接着しながら巻き起こし、飾り布15の左右両端縁部を紐13の上端部において突き合わせるようにして接触し接着を完了する。
【0028】
この装飾紐22の製造方法は、その径が比較的大きい例えば20mm以上の場合に効果がある。
次に、前記のように形成した装飾紐22を用いて、例えば花瓶敷を製造するための製造用器具及び該器具を用いた花瓶敷の製造方法を、図7〜図11について説明する。
【0029】
図7は例えば花瓶敷の製造方法に用いられる器具であって、取付プレート31の上面に姿勢保持ピン32を多数箇所に放射状に植設している。これらの姿勢保持ピン32〜32は、図8に示すように取付プレート31の下面側から上向きに該プレート31の雌ねじ孔31aに螺合され、所定のピッチで配列されている。
【0030】
図9に示すように、芯線14を挿通した装飾紐22の端部を取付プレート31の中心部の姿勢保持ピン32に係止し、渦巻状に巻き付けていく。この時、装飾紐22は図8に示すように姿勢保持ピン32により位置規制されるので、巻き付けられた渦巻状の装飾紐22が型崩れすることはない。
【0031】
全ての装飾紐22の巻き付け作業が終了した後、図10に示すように装飾紐22の上面側に接着剤33を塗布するとともに、その上面に裏布地34を接着する。そして、この裏布地34の接着が終了した後、渦巻状に形成された花瓶敷35を取付プレート31の上面から引き離すことにより花瓶敷35の製造が完了する。前記接着剤33に代えて両面接着テープを用いてもよい。
【0032】
前記実施形態では、紐13に芯線14を挿通したことにより、紐13の花瓶敷35の製造時における渦巻状の形状を姿勢保持ピン32とともにより適正に保持することができる。従って、渦巻状に巻き付けた装飾紐22を型崩れすることなく接着剤33により裏布地34を接着することができる。
【0033】
前記芯線14は装飾紐22の製造終了後に取り除いても、取付プレート31による花瓶敷35の製造を円滑に行うことができる。
なお、この発明の前記実施形態は以下のように変更することもできる。
【0034】
・可撓性を有する紐として、樹脂あるいはゴム等の紐を用いてもよい。
・飾り層として飾り布以外に樹脂テープ、金属箔、あるいは木の葉等を用いてもよい。
【0035】
・両面接着テープに代えて、糊や通常の接着剤、瞬間接着剤等を用いてもよい。
【0036】
・両面接着テープの構造として、布あるいは多孔性を有する樹脂シートに粘着性の接着剤を含浸させ、その表裏両面に遮蔽シートを接着したものを用いてもよい。
【0037】
・載置台11として、ゴムあるいは樹脂製の単体のものを用い、全体として湾曲するようにしてもい。
・図4に示す載置台11を複数個直列に接続可能に構成してもよい。
【0038】
前記実施形態から把握される請求項以外の技術的思想について、以下に説明する。
(1)飾り層を載置する載置面を粗面とした装飾紐の製造方法に用いられる載置台。
【0039】
(2)上記(1)において、載置台11の上面には、ゴムや樹脂等の摩擦抵抗の高い滑り防止プレート12が設けられている装飾紐の製造方法に用いられる載置台。
【0040】
(3)上記(1)又は(2)において、載置台11は、樋状に形成されている装飾紐の製造方法に用いられる載置台。
この載置台は、紐13に対する飾り層の接着作業を容易に行うことができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、以下のような効果を奏する。
【0042】
請求項1〜4の装飾紐の製造方法の発明は、装飾紐の製造を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の装飾紐の製造方法に用いられる器具と素材を示す斜視図。
【図2】 (a)〜(d)は装飾紐の製造方法を説明する断面図。
【図3】 装飾紐の製造方法を説明する斜視図。
【図4】 装飾紐の部分斜視図。
【図5】 装飾紐の製造方法の別例を示す一部省略斜視図。
【図6】 装飾紐の製造方法の別例を示す断面図。
【図7】 装飾紐を用いた物品の製造に用いられる器具を示す斜視図。
【図8】 器具及び装飾紐の部分拡大断面図。
【図9】 装飾紐を用いた物品の製造方法を説明する平面図。
【図10】 装飾紐を用いた物品の製造方法を説明する断面図。
【図11】 物品の斜視図。
【符号の説明】
11…載置台、12…滑り防止プレート、13…紐、14…芯線、15…飾り層としての飾り布、16…両面接着テープ、17…接着テープ本体、18,19…上部及び下部の接着層、20,21…上部及び下部の遮蔽シート、22…装飾紐。
Claims (4)
- 載置台の上面に飾り層を展開して載置した後、該飾り層の上面に接着剤を貼着し、次に、直線状に保持することができるよう中心部の孔に芯線を挿入させた紐を前記飾り層の上面に載せ、前記紐を直線状に保持したまま紐の外周面に飾り層を巻き付け接着することを特徴とする装飾紐の製造方法。
- 請求項1において、展開された飾り層の一側上面に前記紐を載せて該紐を回転させながら紐の外周面に飾り層を接着するようにした装飾紐の製造方法。
- 請求項1又は2において、両面接着テープの下面側の遮蔽シートを剥離して該接着テープ本体の下面側の接着層を展開状態の飾り層の上面に接着し、次に、接着テープ本体の上面側の遮蔽シートを剥離した後、前記紐を接着テープ本体の上面側の接着層に接着し、その後、飾り層を紐の外周面に接着するようにした装飾紐の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、載置台は飾り布の下面との接触摩擦抵抗を大きくする材料により形成され、紐の外周面に飾り層を巻き付け接着する際、載置台上で飾り布が滑らないようにする装飾紐の製造方法。
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JP09459798A JP3739568B2 (ja) | 1998-04-07 | 1998-04-07 | 装飾紐及びその製造方法 |
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JPH11286858A JPH11286858A (ja) | 1999-10-19 |
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KR101480319B1 (ko) * | 2012-12-11 | 2015-01-09 | 박희자 | 장식용 끈 및 그 제조방법 |
-
1998
- 1998-04-07 JP JP09459798A patent/JP3739568B2/ja not_active Expired - Lifetime
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