JP3739536B2 - コンクリート杭の杭頭処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンクリート杭の杭頭処理方法、特に縦孔に注入,打設したコンクリートの杭頭の機械的強度を向上するための処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図9に示すように、地盤1に設けた縦孔2に図外のトレミー管を介してコンクリートを注入して打設し、コンクリートの杭3を地盤1中に設けている。上記杭3の杭頭4にはフーチング5が被せられ、このフーチング5に梁6が接続される。
【0003】
このようにして、例えばビル,マンション,スーパーマーケット等の基礎の構造が形成される。梁6の上には床のスラブが張られたり、フーチング5には建築物の柱が建てられることになる。このように杭3の杭頭4にはフーチング5からの荷重がかかるので、その強度は十分なものでなければならない。
【0004】
しかし、泥水やベントナイト等の安定液中にコンクリートを注入して打設する場合には、杭頭4のコンクリート中に泥水やスライムが混じることと、打設が終了した後に発生するブリーディングのために品質が著しく低下することになる。
【0005】
そのため、従来は図10に示すように打設コンクリート3aの量を、その上面3bの位置が杭頭位置4aをほぼ1m程度越えるまで充てんして余盛し、打設コンクリート3aが固化した後に、この余盛した余分な部分3cを図11に示すように切削除去して、はつり取るようにしていた。
【0006】
これによれば、杭頭位置4aの杭頭4には高密度の品質の良好なコンクリートが得られるので、フーチング5からの荷重に十分に耐えることができる。
【0007】
しかし、従来のこの工法によれば、はつり作業工程がクリティカルとなり、はつり取ったコンクリートのガラ処理が必要となるとともに、はつり作業による振動,騒音等が発生して公害上問題となるだけでなく、はつり出されたコンクリートの表面は粗骨材の付着が緩くなっている可能性も高く、強度の点から好ましいものではなかった。
【0008】
そこで、図12に示すように打設直後にコンクリート3aの上部の泥水,スライム及び安定液7をスクリューポンプで吸引して排出した後に、吸水装置8から突出する複数本の吸水パイプ9を杭頭4に対応する部分に上から差込んで吸水するようにした工法が特開平3−69716号によって公知である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来は吸水装置8をクレーン等を用いて上,下動しなければならないので、作業が煩雑となるだけでなく、吸水パイプ9を杭頭4に対応する部分に差込んで引抜いた時に引抜き跡の中空部は杭頭4に多数発生してしまうので、杭頭4の機械的強度を低下させてしまうだけでなく、杭頭4にコンクリートを打設してフーチングを固着するときに、その中空部によってフーチングとの接合強度の十分高いものが得にくいという欠点があった。
【0010】
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、上述したはつりに伴う問題を解消するとともに、杭頭4に多数の中空部が発生しないようにして杭頭の機械的強度を高めるとともに、フーチングとの接合強度の高いコンクリート杭の杭頭処理方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るコンクリート杭の杭頭処理方法は、縦孔内の安定溶液中にコンクリートを注入して縦孔の上部の安定溶液を排出しながらコンクリートの上面が杭頭位置を越えるまで縦孔内にコンクリートを充填し、杭頭位置を越えたコンクリートを除去してコンクリートの上面を杭頭位置に一致させた後に、コンクリートの上面に、吸水性繊維を含む心材と心材の両側に設けられた不織布とから成る重合材に通孔を設けて構成された吸水シートを敷設して当該吸水シートにコンクリートの上面からコンクリート内の水分を吸引させ、所定時間経過後、コンクリートの上面より吸水シートを剥いでコンクリートを硬化させたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1ないし図5は本発明によるコンクリート杭の杭頭処理方法の実施の形態を示す簡略構成図であり、各図において、地面10には所定の深さ、例えば支持地盤に達する程度の深さの縦孔11が形成される。この縦孔11は図外のスタンドパイプで心出しをしながら掘削機を回転させて掘削することにより行われ、この掘削は通常地中の支持地盤に達するところまで行われる。
【0014】
掘削完了後に縦孔11内に鉄筋12を収納し、さらに、その内部にトレミー管13を収納する。なお、鉄筋12は通常かご状を形成する。
次に、トレミー管13を介してコンクリートを縦孔11内に打設する。コンクリートが下部方向から徐々に埋まってくると、泥水,スライム,安定液14が溢れ出ることになるが、これはスクリューポンプ15により外部に排出して処理される。
【0015】
スクリューポンプ15で安定液14等を排出しながらコンクリートを打設すると、図2に示すように打設されたコンクリート16の上面16aが杭頭位置17を越えるまで充てんされ、次に、杭頭位置17を越えた余分な打設直後のコンクリート16bをスクリューポンプ15によって外部に排出し、打設コンクリート16の上面16aを杭頭位置17に一致させる。図3に、このように打設コンクリート16の上面16aが杭頭位置17に一致した状態を示す。
【0016】
次に図4に示すように、打設コンクリート16の上面16aの表面に吸水シート18を敷設する。この吸水シート18は図5に示すように、ポリアクリル酸塩系の超吸水性繊維と複数種類との合成繊維を心材18aとし、この心材18aの両側にコンクリートに対する付着を防止するための熱可塑性繊維から成る不織布18bの重合材にニードルパンチによる通孔18cを設けて構成されるのもである。
【0017】
このような吸水シート18をコンクリート打設後一時間以内に敷設する。この吸水シート18を冬期で約2〜4時間,夏期で約1〜3時間放置して打設コンクリート18の上面16aから吸水を行う。すなわち、吸水シート18によって上面16aから吸水が行われるので、その上面16aの水分が徐々に吸引され、その深さ方向に渡って水分の吸水がなされて、打設コンクリート16の上面16aから一定の深さまで水分を減少させることができる。所定時間経過後、吸水シート18を剥いで打設コンクリート16全体を固化することにより、上面16aは平坦な状態を保ったまま、硬化することになる。
【0018】
次に、図6に示すように地面10における縦孔11の外周を杭頭位置17より一定の距離だけ低い位置まで掘削して、掘削地面19を形成し、この掘削地面19に図外の型枠を設置して鉄筋を収納した後、コンクリートを打設することによりフーチングを形成することができる。
【0019】
図7は吸水シート18を敷設した場合と、敷設しない場合との圧縮強度の変化を示す特性図である。すなわち、図7はコンクリート杭の杭頭表面16aから距離L,M,Nにおけるコアを高さ約20cmに渡ってサンプリングした試料について圧縮強度を調べたもので、この圧縮強度を別々に製作したA,B,C,DのコアA,Bはシート18敷設、C,Dはシート18なしについて調査した結果、圧縮強度はシート18を敷設した場合、コアA,Bについては、位置Lの位置についてシート18のない場合に比較して圧縮強度は高く、さらに、その平均値も大きく、また、寸法Lの位置における圧縮強度から平均値を差し引いた値についてもシート18のある場合がない場合よりも大きいことが確かめられた。つまり、本実施の形態では杭頭表面側の圧縮強度が大きくなるので、杭全体に渡って強度のバラツキを小さくできる。
【0020】
このように、打設コンクリートの上面16a側から徐々に水分を吸水することにより圧縮強度の高い杭頭4を有するコンクリート杭が得られることが確かめられた。
なお、本実施の形態においては、打設コンクリートの杭頭位置の表面に吸水シート18によって吸引力を作用させるとして説明したが、本発明はこれに限定されず、図8に示すように吸引ポンプに連通するパイプ20の先端に大きな開口部21を設け、ここにスポンジ等のフィルタ22を配置した吸水装置23を用いて強制的に吸水するようにしてもよい。すなわち、開口部21を打設コンクリート16の上面16aに配置し、パイプ20から水分を吸水することにより水分がフィルタ22を介して排出される。この場合にも打設コンクリート16の上面16a側から水分が吸引して排出されるので、上面16a側から所定の深さまでの水分が除去されるため、上面16aを含む全体を硬化することが可能となる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、縦孔内の安定溶液中にコンクリートを注入して縦孔の上部の安定溶液を排出しながらコンクリートの上面が杭頭位置を越えるまで縦孔内にコンクリートを充填し、杭頭位置を越えたコンクリートを除去してコンクリートの上面を杭頭位置に一致させたので、比較的水分を含まないコンクリートを杭頭位置に望ませることができるので、硬化した上面を有するコンクリート杭を成形することができる。また、コンクリートの上面に、吸水性繊維を含む心材と心材の両側に設けられた不織布とから成る重合材に通孔を設けて構成された吸水シートを敷設して当該吸水シートにコンクリートの上面からコンクリート内の水分を吸引させ、所定時間経過後、コンクリートの上面より吸水シートを剥いでコンクリートを硬化させたので、吸水シートによって水分がコンクリートの上面から深さ方向に渡って吸引され、このため杭頭がより硬化したコンクリート杭を得ることができる。また、吸水シートを用いるので、吸水を簡単に行うことができる。すなわち、従来のように吸水パイプを打設コンクリートの表面に一定深さまで差込んで吸水する工法によれば、表面から一定深さの部分の水分を吸水できても、その表面側の吸水が十分行われないために、表面を十分に硬化することはできなかったが、本発明によれば表面側から吸水するので表面側から十分に硬化した杭頭を有するコンクリート杭を得ることができる。また、吸水パイプを差込むことがないので、その差込んだ後に生成される中空部が残らないので、このことによっても表面を十分に硬化することができ、しかも、フーチングとの接合強度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す簡略断面図。
【図2】この発明の一実施の形態を示す簡略断面図。
【図3】この発明の一実施の形態を示す簡略断面図。
【図4】この発明の一実施の形態を示す簡略断面図。
【図5】吸水シートの詳細を示す断面図。
【図6】この発明の一実施の形態を示す簡略断面図。
【図7】吸水シートを適用した場合と、適用しない場合の圧縮強度の比較例を示す特性図。
【図8】吸水シートに代わる吸水装置の一例を示す簡略断面図。
【図9】一般的な杭頭,近傍の構成を示す図。
【図10】従来の杭頭処理工法を示す図。
【図11】従来の杭頭処理工法を示す図。
【図12】従来の杭頭処理工法の一例を示す図。
【符号の説明】
10 地面
11 縦孔
12 鉄筋
13 トレミー管
14 安定液
15 スクリューポンプ
16 打設コンクリート
17 杭頭位置
18 吸水シート
23 吸水装置。
Claims (1)
- 縦孔内の安定溶液中にコンクリートを注入して縦孔の上部の安定溶液を排出しながらコンクリートの上面が杭頭位置を越えるまで縦孔内にコンクリートを充填し、杭頭位置を越えたコンクリートを除去してコンクリートの上面を杭頭位置に一致させた後に、コンクリートの上面に、吸水性繊維を含む心材と心材の両側に設けられた不織布とから成る重合材に通孔を設けて構成された吸水シートを敷設して当該吸水シートにコンクリートの上面からコンクリート内の水分を吸引させ、所定時間経過後、コンクリートの上面より吸水シートを剥いでコンクリートを硬化させたことを特徴とするコンクリート杭の杭頭処理方法。
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JP17585297A JP3739536B2 (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | コンクリート杭の杭頭処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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JPH1121884A JPH1121884A (ja) | 1999-01-26 |
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1997
- 1997-07-01 JP JP17585297A patent/JP3739536B2/ja not_active Expired - Fee Related
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