JP3738588B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャリブレーション回数が少ない場合においても、黒文字画像の輪郭の滲みが改良された画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピューターの演算能力の向上や、ネットワーク技術の進歩に合わせて、画像をデジタルデータとして取り扱う機会が急速に増加している。スキャナなどを用いてデジタルデータ化された画像情報は、コンピューター上で編集加工したり、さらには文字やイラスト等のデータを付加することも比較的容易に行える。このようなデジタル化された画像情報に基づいたハードコピーを作製するハードコピー材料には、例えば昇華型熱転写プリント、溶融型熱転写プリント、インクジェットプリント、静電転写型プリント、サーモオートクロームプリント、ハロゲン化銀写真感光材料等が挙げられるが、中でもハロゲン化銀写真感光材料(以下、単に感光材料ともいう)は、高感度であること、階調性に優れていること、画像保存性に優れていること等、他のプリント材料に比べて非常に優れた特性を有しているため、特に高品質なハードコピーの作製用として今日盛んに用いられている。
【0003】
デジタル化された画像データをハロゲン化銀写真として再生するためには、画像データに応じて露光量を変化させながら露光を行う必要がある。このとき、画像データに基づいてプリント上に再現された画像の濃度が目標濃度と一致するように、キャリブレーション操作を行うことが知られている。具体的には、あるキャリブレーションパターンを出力し、その画像の濃度測定結果に基づいて露光量に補正を行い、再度キャリブレーションパターンを出力する、という操作をテストパターンの出力結果が目標濃度値にほぼ一致するまで繰り返すという方法がよく用いられる。
【0004】
理想的には全てのパッチに於いて濃度測定値と目標濃度値が完全に一致するまでキャリブレーション操作を繰り返すことが好ましいが、実際には濃度測定の精度や処理液状態の変動による濃度変動などにより完全に一致させることは難しく、許容範囲を設定し、ある程度の範囲に収まった段階でキャリブレーション終了とする場合が多い。従来、キャリブレーション終了までには、キャリブレーション操作をかなりの回数繰り返す必要があり、作業効率向上の妨げとなっていた。例えば人物、風景、静物等の写真撮影データに基づいた画像等(以下「シーン画像」と称す)を出力する場合には、許容範囲内に収まった段階でキャリブレーション操作を終了し画像を出力すれば、ほぼ問題なく美しいハードコピーを得ることが可能であった。しかし、文字画像(特に細くて小さな黒文字画像)を出力する場合、キャリブレーションが上記許容範囲内に収まっているにもかかわらず、細線の縁が本来の文字色と異なって見える現象(以下「色滲み」と称する)が生じやすく、さらに複数回のキャリブレーション操作を必要とする場合が多かった。また、単にキャリブレーションの回数を増やしても、色滲みの程度がキャリブレーションを行うたびに変動するような場合もあり、これらの改善が望まれていた。
【0005】
デジタル画像データに基づいて感光材料上に露光を行う場合、露光装置のダイナミックレンジの制約や、安定した画像再現性を得るという観点から目標最高濃度値は感光材料が再現可能な本来の最大濃度(Dmax)よりも若干低い値に設定される場合が多く、デジタル画像データに基づく露光で使われない露光量範囲の感光材料の特性に関してはあまり注目されていなかった。本発明者らは、デジタル画像データに基づく露光で使われない露光量範囲における感光材料の特性についても着目し、鋭意検討を重ねた結果、デジタル画像データに基づいた露光を行う場合の感光材料の特性が、デジタル画像データに基づく露光で使われない露光量範囲も含めての感光材料の特性に対してある条件を満たす場合に、前述の問題を改良できることを見いだし本発明をなすに至ったものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、キャリブレーション回数が少ない場合においても、黒文字画像の輪郭の滲みが改良されたされた画像形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0008】
(1) 反射支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀を含有して成るイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するネガ型ハロゲン化銀写真感光材料に、1画素当たりの露光時間が10-3秒以下となるような光ビームによる走査露光後、発色現像処理を行う画像形成方法において、グレースケールのキャリブレーションパッチの出力により画像形成時の最大露光量(Emax)の調整を行い、かつグレースケール出力時のEmaxにおけるポイントガンマがイエロー、マゼンタ、シアンの各々で2.5〜6.0であり、下記式(2)または式(3)の条件を満たすことを特徴とする画像形成方法。
PG(Y)<PG(M)≦PG(C) 式(2)
|PG(C)−PG(Y)|<0.5 式(3)
〔式中、PG(Y)はイエローポイントガンマ、PG(M)はマゼンタポイントガンマ、PG(C)はシアンポイントガンマを表す。〕
【0009】
(2) 反射支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀を含有して成るイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するネガ型ハロゲン化銀写真感光材料に、1画素当たりの露光時間が10-3秒以下となるような光ビームによる走査露光後、発色現像処理を行う画像形成方法において、グレースケールのキャリブレーションパッチの出力により画像形成時の最大露光量(Emax)の調整を行い、かつイエロー、マゼンタの単色スケール出力時のEmaxにおけるポイントガンマが各々2.0〜5.0であり、シアンの単色スケール出力時のEmaxにおけるポイントガンマが2.0〜6.0であることを特徴とする画像形成方法。
【0010】
(3) 反射支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀を含有して成るイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するネガ型ハロゲン化銀写真感光材料に、1画素当たりの露光時間が10-3秒以下となるような光ビームによる走査露光後、発色現像処理を行う画像形成方法において、グレースケールのキャリブレーションパッチの出力により画像形成時の最大露光量(Emax)の調整を行い、かつシアン色画像形成層において単色スケール出力時の最大ポイントガンマを与える露光量(Erm)とEmaxが式(1)の関係を満たすことを特徴とする画像形成方法。
【0011】
Erm≧Emax (1)
(4) 前記イエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層に含有される感光性ハロゲン化銀の平均塩化銀含有率が各々95モル%以上であることを特徴とする前記1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【0012】
(5) 前記ネガ型ハロゲン化銀写真感光材料が630nm〜730nmに分光感度極大を1つ有し、かつ670nmにおける反射光量が入射光量の10%以下であることを特徴とする前記1〜4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【0013】
(6) 走査露光終了から発色現像処理開始までの時間が30秒以内であることを特徴とする前記1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。第1の発明は、1画素当たりの露光時間が10-3秒以下となるような光ビームによる走査露光の後に発色現像処理を行う画像形成方法において、グレースケール出力時のEmax(画像形成時の最大露光量)におけるポイントガンマがイエロー、マゼンタ、シアンの各々で2.5以上であることを特徴とする。
【0015】
ポイントガンマの上限には特に制限はないが、デジタル化されたデータに基づく露光における濃度の不連続発生の可能性を軽減するために、6.0以下が好ましい。
【0016】
通常、画像情報をデジタル化して扱う場合、オリジナル画像を細かいマス目状に区切り、各マス目毎に濃度情報をデジタル化して扱う方式が一般的である。本発明においては、このオリジナル画像をマス目状に区切って取り扱った場合の、最小単位を1画素とする。従って、1画素当たりの露光時間とは、この1画素分のデジタルデータに基づいて、光ビームの強度或いは照射時間を制御している時間と考えることができる。
【0017】
光ビームによる走査露光は、通常、光ビームによる線状露光(ラスター露光:主走査)と、この線状露光方向に対して垂直方向への感光材料の相対的な移動(副走査)の組み合わせで行われることが一般的である。例えば円筒状のドラムの外周あるいは内周に感光材料を固定し、光ビームを照射しながらドラムを回転させることで主走査を行うと同時に、光源をドラムの回転方向に対して垂直に移動させることで副走査を行う方式(ドラム方式)や、回転させたポリゴンミラーに光ビームを照射することで反射ビームをポリゴンミラーの回転方向と水平に走査(主走査)するとともに、感光材料をポリゴンの回転方向に対して垂直に搬送することで副走査を行う方式(ポリゴン方式)等が多く用いられている。また、露光する感光材料の幅以上に光源をアレイ状に並べた露光装置を用いる場合には、主走査に相当する部分をアレイ状光源で代用したと捉えることができ、本発明の走査露光に含めて考えることができる。
【0018】
本発明に用いることができる光源の種類としては、発光ダイオード(LED)、ガスレーザー、半導体レーザー(LD)、LDあるいはLDを励起光源として用いた固体レーザーと第2高調波変化素子(いわゆるSHG素子)との組み合わせ等、公知の光源をいずれも用いることができる。
【0019】
ここでいうEmaxとは、デジタル化された画像データに基づき露光する場合において、画像データ上で最大濃度を表すデータ(例えばアドビ社のPhotoShop上で加工された8bit階調を有する画像データにおいては(R,G,B)=(0,0,0)が最大濃度を表す画像データとなる)に基づいて露光が行われるときの露光量として定義されるものである。
【0020】
Emaxにおけるポイントガンマは、光ビームのラスター間重なりが5〜30%の範囲内となるように調整した走査露光装置を用いて、露光量を変化させながら1cm四方のパッチを感光材料上に露光していき、下記カラー現像液(CD−1)を用いて、37±0.5℃で45秒間の発色現像(発色現像後に通常の漂白定着及び水洗または安定化処理を施す)を行って得られた試料のイエロー、マゼンタ、シアン及びグレーの各パッチ部の反射濃度を測定し、露光量に対する反射濃度のプロット(特性曲線)を作製し、画像形成時のキャリブレーション操作で設定する最大濃度を得るのに必要な露光量(Emax)を求め、その露光量におけるポイントガンマとして求めることができる。なお、露光終了から現像開始までの時間は20〜30秒の間とする。
【0021】
Figure 0003738588
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸または水酸化カリウムによってpH10.1に調整する。
【0022】
また、キャリブレーション操作時に設定するDmaxの値は任意であるが、グレーパッチにおける赤反射濃度、緑反射濃度、青反射濃度の各々が2.1以上である場合が、シーン画像におけるシャドウ部のしまりが良く、また文字のような細くて細かい画像においても輪郭がくっきり浮き出て鮮鋭感が良く再現されるために好ましい。
【0023】
なお、ポイントガンマについては、T.H.James編、“The Theory of the Photographic Process”第4版、502頁に記されているように、特性曲線上の任意の点における微分値として定義される。
【0024】
本発明においては光ビームの直径(ビーム径)をラスターの幅とする。ここで言う光ビーム径とは、光ビーム強度がe-2となるときの光ビームの直径であり、例えばスリットとパワーメーターを組み合わせたビームモニター等によって求めることができる。
【0025】
本発明においては、グレースケール出力時のEmaxにおけるポイントガンマがイエロー、マゼンタ、シアンの各々で2.5以上とすることで、キャリブレーション回数が少ない場合においても、黒文字画像の輪郭の滲みが改良された画像を得ることが可能であるが、中でもイエロー、マゼンタ、シアンのポイントガンマ(各々PG(Y)、PG(M)、PG(C)と記す)が下記式(2)または式(3)の条件を満たす場合に本発明の効果が特に顕著であり好ましい。
【0026】
PG(Y)<PG(M)≦PG(C) 式(2)
|PG(C)−PG(Y)|<0.5 式(3)
式(2)については、黒文字画像を観察したときの鮮鋭感においてはシアン成分の与える影響が大きいためと推測され、式(3)については、各色のポイントガンマの差を小さくすることで黒文字のような細線が露光で滲んだ場合の色バランスが大きく崩れないためと推定される。
【0027】
第2の発明は、1画素当たりの露光時間が10-3秒以下となるような光ビームによる走査露光の後に発色現像処理を行う画像形成方法において、単色スケール出力時のEmax(画像形成時の最大露光量)におけるポイントガンマがイエロー、マゼンタ、シアンの各々で2.0以上であることを特徴とする。Emaxにおけるポイントガンマの求め方については、露光を単色光とする以外は前述した第1の発明の場合と同様にして求めることができる。
【0028】
単色スケールにおけるポイントガンマの上限に特に制限はないが、前述したような濃度の不連続発生の可能性を軽減するために6.0以下が好ましい。
【0029】
なお、ここでいう単色スケールとは、イエロー画像形成層、マゼンタ画像形成層及びシアン画像形成層のいずれか一層のみが段階的に発色するように一つの画像形成層にのみ露光を行い得られる画像であるが、本発明においては、目的の画像形成層で生じた発色現像主薬の酸化体の一部が未露光の隣接層に拡散していくことにより生じる極僅かな発色や、目的の画像形成層に強い露光を行うことにより本来発色させることを意図していない画像形成層のハロゲン化銀に潜像が形成されることにより生じる不要な発色(いわゆる色濁り)が若干生じた場合においても、それらは無視して単色スケールとして取り扱う。
【0030】
第3の発明は、少なくとも1つの色画像形成層において単色スケール出力時の最大ポイントガンマを与える露光量(Erm)とEmaxが式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
【0031】
Erm≧Emax (1)
Ermの求め方は、前述した第2の発明の場合と同様に単色スケール画像を出力し、得られた試料の測定濃度と露光量の関係から、露光量−ポイントガンマの関係をプロットすることで求めることができる。式(1)を満たすことでキャリブレーション回数が少ない場合においても、黒文字画像の輪郭の滲みが改良された画像を得ることが可能であるが、中でも下記式(4)を満たす場合に、感光材料が本来再現することができる最高濃度に近い値でくっきりとした黒文字画像を再現しやすくなり、本発明の効果が特に顕著で好ましい態様である。
【0032】
0.95×Erm≧Emax (4)
また、少なくともシアン画像形成層が一般式(1)を満たしている場合も、本発明の効果が顕著で特に好ましい態様である。
【0033】
本発明の要件を満たす手段に特に制限はないが、例えば感光材料中に含まれる感光性ハロゲン化銀の特性を適切にコントロールしたり、塗設される感光性ハロゲン化銀やカプラーの量を適切にコントロールしたり、あるいはキャリブレーションで設定する、デジタル化された画像データ上で最大濃度を表すデータのプリント上での再現濃度の目標値を適切にコントロールする方法等を単独、あるいは組み合わせて用いることができる。
【0034】
本発明に係る感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤の組成は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等任意のハロゲン組成を有するものであってもよいが、中でも塩化銀を95モル%以上含有する実質的に沃化銀を含有しない場合に本発明の効果が顕著となり好ましい。また、迅速処理性、処理安定性からは、好ましくは97モル%以上、より好ましくは98〜99.9モル%の塩化銀を含有するハロゲン化銀乳剤が好ましい。
【0035】
本発明に係る感光材料においては、高照度短時間露光における高濃度域での特性曲線の軟調化を軽減する観点から、臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤も好ましく用いることができる。この場合、高濃度に臭化銀を含有する部分は、ハロゲン化銀粒子にエピタキシー接合していても、いわゆるコア・シェル乳剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域が存在するだけであってもよい。また、組成は連続的に変化してもよいし不連続に変化してもよい。臭化銀が高濃度に存在する部分は、ハロゲン化銀粒子の表面、あるいは結晶粒子の頂点である事が特に好ましい。
【0036】
本発明に係る感光材料においては、高照度短時間の走査露光での軟調化を軽減する観点から重金属イオンを含有させたハロゲン化銀粒子を用いることが好ましい。このような目的に用いることの出来る重金属イオンとしては、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第12族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、ガリウム、クロムの各イオンを挙げることができる。中でも鉄、イリジウム、白金、ルテニウム、ガリウム、オスミウムの金属イオンが好ましい。これらの金属イオンは、塩や、錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することが出来る。
【0037】
前記重金属イオンが錯体を形成する場合には、その配位子またはイオンとしてはシアン化物イオン、チオシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、シアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、硝酸イオン、カルボニル、アンモニア等を挙げることができる。中でも、シアン化物イオン、チオシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン等が好ましい。
【0038】
ハロゲン化銀粒子に上述の重金属イオンを含有させるためには、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後等、物理熟成中の各工程における任意の場所で添加すればよい。また、添加においては、重金属化合物の溶液を粒子形成工程の全体或いは一部にわたって連続的に行う事ができる。
【0039】
前記重金属イオンをハロゲン化銀乳剤中に添加するときの量はハロゲン化銀1モル当り1×10-9モル以上、1×10-2モル以下がより好ましく、特に1×10-8モル以上5×10-5モル以下が好ましい。
【0040】
本発明に係る感光材料において、ハロゲン化銀粒子の形状は任意のものを用いることが出来る。好ましい一つの例は、(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、米国特許4,183,756号、同4,225,666号、特開昭55−26589号、特公昭55−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21、39(1973)等の文献に記載された方法等により、八面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子をつくり、これを用いることもできる。さらに、双晶面を有する粒子を用いてもよい。
【0041】
本発明に係る感光材料において、ハロゲン化銀粒子は単一の形状からなる粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳剤を二種以上同一層に添加する事が特に好ましい。
【0042】
本発明に係るハロゲン化銀粒子の粒径は特に制限はないが、迅速処理性及び、感度など、他の写真性能などを考慮すると好ましくは、0.1〜1.2μm、更に好ましくは、0.2〜1.0μmの範囲である。
【0043】
この粒径は、粒子の投影面積か直径近似値を使ってこれを測定することができる。粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分布は直径か投影面積としてかなり正確にこれを表すことができる。
【0044】
本発明に係る感光材料に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子であり、特に好ましくは変動係数0.15以下の単分散乳剤を2種以上同一層に添加する事である。ここで変動係数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
【0045】
変動係数=S/R
(ここに、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。)
ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合はその直径、また、立方体や球状以外の形状の粒子においては、その投影像を同面積の円像に換算したときの直径を表す。
【0046】
ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法としては、当業界において公知の種々の方法を用いることができる。
【0047】
本発明に係る感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該粒子は一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を作った後で成長させてもよい。種粒子を作る方法と成長させる方法は同じであっても、異なってもよい。
【0048】
また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式として特開昭54−48521号等に記載されているpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
【0049】
また、特開昭57−92523号、同57−92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ドイツ公開特許2921164号等に記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行なう装置などを用いてもよい。
【0050】
更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有する化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のような化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形成終了の後に添加して用いてもよい。
【0051】
本発明に係る感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤は、金化合物を用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を組み合わせて用いることが出来る。ハロゲン化銀乳剤に適用するカルコゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤などを用いることが出来るが、イオウ増感剤が好ましい。イオウ増感剤としてはチオ硫酸塩、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニン、無機イオウ等が挙げられる。イオウ増感剤の添加量としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより変える事が好ましいが、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モルの範囲、好ましくは5×10-8〜3×10-5モルの範囲が好ましい。
【0052】
金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の他各種の金錯体として添加することができる。用いられる配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシアン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などによって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1モル当たり1×10-4モル〜1×10-8モルであることが好ましい。更に好ましくは1×10-5モル〜1×10-8モルである。
【0053】
本発明に係るハロゲン化銀乳剤の化学増感法としては、還元増感法を用いてもよい。
【0054】
本発明にかかる感光材料に用いるハロゲン化銀乳剤には、感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、安定剤を用いることが出来る。こうした目的に用いることのできる好ましい化合物の例として、特開平2−146036号公報明細書7ページ下欄に記載された一般式(II)で表される化合物を挙げることができ、さらに好ましい具体的な化合物としては、同公報の8ページに記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、1−(3−メトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール等の化合物を挙げることができる。これらの化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加される。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-5モル〜5×10-4モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜1×10-2モルがより好ましい。またハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布被膜中の量が、1m2当り1×10-9モル〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
【0055】
本発明に係る感光材料には、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。この目的で、公知の化合物をいずれも用いることが出来るが、特に、可視域に吸収を有する染料としては、特開平3−251840号公報308ページに記載のAI−1〜11の染料、および特開平6−3770号公報明細書記載の染料が好ましく用いられ、赤外線吸収染料としては、特開平1−280750号公報の2ページ左下欄に記載の一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物が好ましい分光特性を有し、ハロゲン化銀写真乳剤の写真特性への影響もなく、また残色による汚染もなく好ましい。好ましい化合物の具体例として、同公報3ページ左下欄〜5ページ左下欄に挙げられた例示化合物(1)〜(45)を挙げることができる。
【0056】
これらの染料を添加する量として、レーザー光による露光のように超高照度極短時間での露光及び、LEDを用いた露光のように高照度短時間での露光の両方における鮮鋭性を向上させるために、前記ハロゲン化銀写真感光材料が630nm〜730nmに分光感度極大を1つ有し、かつ670nmにおける反射光量が入射光量の10%以下である態様が好ましく用いられる。
【0057】
本発明に係る感光材料中に、蛍光増白剤を添加する事が白地性を改良でき好ましい。好ましく用いられる化合物としては、特開平2−232652号公報記載の一般式IIで示される化合物が挙げられる。
【0058】
本発明に係る感光材料をカラー写真感光材料として用いる場合には、イエローカプラー、マゼンタカプラー、シアンカプラーに組み合わせて400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。該ハロゲン化銀乳剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
【0059】
本発明に係る感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤の分光増感に用いる分光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用いることができるが、青感光性増感色素としては、特開平3−251840号公報28ページに記載のBS−1〜8を単独でまたは組み合わせて好ましく用いることができる。緑感光性増感色素としては、同公報28ページに記載のGS−1〜5が好ましく用いられる。赤感光性増感色素としては同公報29ページに記載のRS−1〜8が好ましく用いられる。また、半導体レーザーを用いるなどして赤外光により画像露光を行う場合には、赤外感光性増感色素を用いる必要があるが、赤外感光性増感色素としては、特開平4−285950号公報6〜8ページに記載のIRS−1〜11の色素が好ましく用いられる。また、これらの赤外、赤、緑、青感光性増感色素に特開平4−285950号公報8〜9ページに記載の強色増感剤SS−1〜SS−9や特開平5−66515号公報15〜17ページに記載の化合物S−1〜S−17を組み合わせて用いるのが好ましい。
【0060】
これらの増感色素の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期でよい。
【0061】
増感色素の添加方法としては、メタノール、エタノール、フッ素化アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水混和性有機溶媒や水に溶解して溶液として添加してもよいし、固体分散物として添加してもよい。
【0062】
本発明に係る感光材料に用いられるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカップリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極大波長を有するカップリング生成物を形成し得るいかなる化合物をも用いることが出来るが、特に代表的な物としては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を有するイエロー色素形成カプラー、波長域500〜600nmに分光吸収極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラー、波長域600〜750nmに分光吸収極大波長を有するシアン色素形成カプラーとして知られているものが代表的である。
【0063】
本発明に係る感光材料に好ましく用いることのできるシアンカプラーとしては、特開平4−114154号公報明細書5ページ左下欄に記載の一般式(C−I)、(C−II)で表されるカプラーを挙げることができる。具体的な化合物は、同公報明細書5ページ右下欄〜6ページ左下欄にCC−1〜CC−9として記載されているものを挙げることができる。
【0064】
本発明に係る感光材料に好ましく用いることのできるマゼンタカプラーとしては、特開平4−114154号公報明細書4ページ右上欄に記載の一般式(M−I)、(M−II)で表されるカプラーを挙げることができる。具体的な化合物は、同公報明細書4ページ左下欄〜5ページ右上欄にMC−1〜MC−11として記載されているものを挙げることができる。上記マゼンタカプラーのうちより好ましいのは、同号公報明細書4ページ右上欄に記載の一般式(M−I)で表されるカプラーであり、そのうち、上記一般式(M−I)のRMが3級アルキル基であるカプラーが耐光性に優れ特に好ましい。同公報明細書5ページ上欄に記載されているMC−8〜MC−11は青から紫、赤に到る色の再現に優れ、さらにディテールの描写力にも優れており好ましい。
【0065】
本発明に係る感光材料に好ましく用いることのできるイエローカプラーとしては、特開平4−114154号公報明細書3ページ右上欄に記載の一般式(Y−I)で表されるカプラーを挙げることができる。具体的な化合物は、同公報明細書3ページ左下欄以降にYC−1〜YC−9として記載されているものを挙げることができる。中でも同公報明細書の一般式[Y−1]のRY1がアルコキシ基であるカプラーまたは特開平6−67388号公報明細書記載の一般式[I]で示されるカプラーは好ましい色調の黄色を再現でき好ましい。このうち特に好ましい化合物例としては特開平4−114154号公報明細書4ページ左下欄に記載されているYC−8、YC−9、および特開平6−67388号公報明細書13〜14ページに記載のNo(1)〜(47)で示される化合物をあげることができる。さらに最も好ましい化合物は特開平4−81847号公報明細書1ページおよび同号公報明細書11ページ〜17ページに記載の一般式[Y−1]で示される化合物である。
【0066】
本発明に係る感光材料に用いられるカプラーやその他の有機化合物を添加するのに水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、攪拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いることができる。分散後、または、分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。カプラーを溶解して分散するために用いることの出来る高沸点有機溶媒としては、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリオクチルフタレート等のリン酸エステル類、が好ましく用いられる。また高沸点有機溶媒の誘電率としては3.5〜7.0である事が好ましい。また二種以上の高沸点有機溶媒を併用することもできる。
【0067】
また、高沸点有機溶媒を用いる方法に代えて、または高沸点有機溶媒と併用して、水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマー化合物を、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて種々の分散手段により乳化分散する方法をとることもできる。この時用いられる水不溶性で有機溶媒可溶性のポリマーとしては、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)等を挙げることができる。
【0068】
写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体的には特開昭64−26854号公報明細書記載のA−1〜A−11が挙げられる。またアルキル基に弗素原子を置換した界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は通常ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、分散後塗布液に添加されるまでの時間、および塗布液に添加後塗布までの時間は短いほうがよく各々10時間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
【0069】
上記各カプラーには、形成された色素画像の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤を併用することが好ましい。特に好ましい化合物としては、特開平2−66541号公報3ページ記載の一般式IおよびIIで示されるフェニルエーテル系化合物、特開平3−174150号公報記載の一般式IIIBで示されるフェノール系化合物、特開昭64−90445号公報記載の一般式Aで示されるアミン系化合物、特開昭62−182741号公報記載の一般式XII、XIII、XIV、XVで示される金属錯体が特にマゼンタ色素用として好ましい。また特開平1−196049号公報記載の一般式I′で示される化合物および特開平5−11417号公報記載の一般式IIで示される化合物が特にイエロー、シアン色素用として好ましい。
【0070】
発色色素の吸収波長をシフトさせる目的で、特開平4−114154号公報明細書9ページ左下欄に記載の化合物(d−11)、同号公報明細書10ページ左下欄に記載の化合物(A′−1)等の化合物を用いることができる。また、これ以外にも米国特許4,774,187号に記載の蛍光色素放出化合物を用いることも出来る。
【0071】
本発明に係る感光材料には、現像主薬酸化体と反応する化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色濁りを防止したりまたハロゲン化銀乳剤層に添加してカブリ等を改良する事が好ましい。このための化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、さらに好ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのようなジアルキルハイドロキノンである。特に好ましい化合物は特開平4−133056号公報記載の一般式IIで示される化合物であり、同号公報明細書13〜14ページ記載の化合物II−1〜II−14および17ページ記載の化合物1が挙げられる。
【0072】
本発明に係る感光材料中には紫外線吸収剤を添加してスタチックカブリを防止したり色素画像の耐光性を改良する事が好ましい。好ましい紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物としては特開平1−250944号公報記載の一般式III−3で示される化合物、特開昭64−66646号公報記載の一般式IIIで示される化合物、特開昭63−187240号公報記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−1633号公報記載の一般式Iで示される化合物、特開平5−165144号公報記載の一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
【0073】
本発明に係る感光材料には、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
【0074】
これらバインダーの硬膜剤としてはビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用する事が好ましい。特開昭61−249054号、同61−245153号公報記載の化合物を使用する事が好ましい。また写真性能や画像保存性に悪影響するカビや細菌の繁殖を防ぐためコロイド層中に特開平3−157646号公報記載のような防腐剤および抗カビ剤を添加する事が好ましい。また感光材料の処理前あるいは処理後の表面物性を改良するため保護層に特開平6−118543号公報や特開平2−73250号公報明細書記載の滑り剤やマット剤を添加する事が好ましい。
【0075】
本発明に係る感光材料に用いる支持体としては、どのような材質を用いてもよく、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙などを用いることができる。なかでも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体が好ましい。耐水性樹脂としてはポリエチレンやポリエチレンテレフタレートまたはそれらのコポリマーが好ましい。
【0076】
支持体に用いられる白色顔料としては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることができ、好ましくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。白色顔料において好ましくは硫酸バリウム、酸化チタンである。
【0077】
支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有される白色顔料の量は、鮮鋭性を改良するうえで13重量%以上が好ましく、さらには15重量%が好ましい。
【0078】
本発明に係る感光材料に用いる紙支持体において、耐水性樹脂層中の白色顔料の分散度は、特開平2−28640号公報に記載の方法で測定することができる。この方法で測定したときに、白色顔料の分散度が前記公報に記載の変動係数として0.20以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。
【0079】
また支持体の中心面平均粗さ(SRa)の値が0.15μm以下、さらには0.12μm以下である場合、光沢性がよいという効果が得られより好ましい。また反射支持体の白色顔料含有耐水性樹脂中や塗布された親水性コロイド層中に処理後の白地部の分光反射濃度バランスを調整し白色性を改良するため群青、油溶性染料等の微量の青味付剤や赤味付剤を添加する事が好ましい。
【0080】
本発明に係る感光材料は、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接または下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/またはその他の特性を向上するための1または2以上の下塗層)を介して塗布されていてもよい。
【0081】
ハロゲン化銀乳剤を用いた写真感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いてもよい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布することの出来るエクストルージョンコーティング及びカーテンコーティングが特に有用である。
【0082】
本発明は現像主薬を感光材料中に内蔵していない感光材料に適用する事が好ましく、特に直接鑑賞用の画像を形成する感光材料に適用する事が好ましい。例えばカラーペーパー、ディスプレイ用感光材料をあげる事ができる。
【0083】
本発明の画像形成方法において用いられる芳香族一級アミン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができる。これらの化合物の例として下記の化合物を上げることができる。
【0084】
cd−1) N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
cd−2) 2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン
cd−3) 2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリルアミノ)トルエン
cd−4) 4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
cd−5) 2−メチル−4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
cd−6) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)−アニリン
cd−7) N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフェニルエチル)メタンスルホンアミド
cd−8) N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン
cd−9) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メトキシエチルアニリン
cd−10) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−エトキシエチル)アニリン
cd−11) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(γ−ヒドロキシプロピル)アニリン
本発明においては、上記は色現像液を任意のpH域で使用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲で用いられる。
【0085】
本発明に係る発色現像の処理温度は、35℃以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほど短時間の処理が可能であり好ましいが、処理液の安定性からはあまり高くない方が好ましく、37℃以上60℃以下で処理することが好ましい。
【0086】
発色現像時間は、従来一般には45秒程度で行われているが、本発明では35秒以内が好ましく、さらに25秒以内の範囲で行うことがさらに好ましい。
【0087】
また、生産性向上の観点から、走査露光終了後、発色現像処理開始までの時間は短い方が好ましい。塩化銀含有率が高いハロゲン化銀を用いた場合、特に高照度短時間露光で生じた潜像が不安定となりやすく、得られるプリントの文字品質についてもばらつきやすかったが、本発明の画像形成方法においては、走査露光終了から発色現像開始までの時間が短くても、比較的安定した文字品質を再現することができ、好ましい態様である。中でも露光終了から現像開始までの時間が30秒以内の場合が好ましく、さらに好ましくは15秒以下である。
【0088】
発色現像液には、前記の発色現像主薬に加えて、既知の現像液成分化合物を添加することが出来る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イオン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、キレート剤などが用いられる。
【0089】
本発明の感光材料は、発色現像後、漂白処理及び定着処理を施される。漂白処理は定着処理と同時に行なってもよい。定着処理の後は、通常は水洗処理が行なわれる。また、水洗処理の代替として、安定化処理を行なってもよい。本発明の感光材料の現像処理に用いる現像処理装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさんで搬送するローラートランスポートタイプであっても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式なども用いることができる。大量に処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理されるのが通常だがこの際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであり、公開技報94−16935号に記載の方法が最も好ましい。
【0090】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づき説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されない。
【0091】
実施例1
(青感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−B1)の調製)
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A1液)及び(B1液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ同時添加し、更に下記(C1液)及び(D1液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ同時添加した。この時、pAgの制御は特開昭59−45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
【0092】
(A1液)
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて 200ml
(B1液)
硝酸銀 10g
水を加えて 200ml
(C1液)
塩化ナトリウム 102.7g
ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 4×10-8モル
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 2×10-5モル
臭化カリウム 1.0g
水を加えて 600ml
(D1液)
硝酸銀 300g
水を加えて 600ml
添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.55μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1Aを得た。
【0093】
次に、EMP−1Aの調製において、(A1液)と(B1液)の添加時間及び(C1液)と(D1液)の添加時間を変更した以外は同様にして、平均粒径0.50μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1Bを得た。
【0094】
上記EMP−1Aに対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−1Bに対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたEMP−1AとEMP−1Bを銀量で1:1の割合で混合し青感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−B1)を得た。
【0095】
チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX
塩化金酸 0.5mg/モルAgX
安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX
増感色素 BS−2 1×10-4モル/モルAgX
STAB−1:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−2:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
STAB−3:1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
(緑感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−G1)の調製)
前述のハロゲン化銀乳剤EMP−1Aの調製において、(A1液)と(B1液)の添加時間及び(C1液)と(D1液)の添加時間を変更する以外は同様にして、平均粒径0.40μm、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−11A及び、平均粒径0.45μm、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−11Bを得た。
【0096】
上記EMP−11Aに対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−11Bに対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたEMP−11AとEMP−11Bを銀量で1:1の割合で混合し、緑感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−G1)を得た。
【0097】
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX
塩化金酸 1.0mg/モルAgX
増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
(赤感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−R1)の調製)
前述のハロゲン化銀乳剤EMP−1Aの調製において、(A1液)と(B1液)の添加時間及び(C1液)と(D1液)の添加時間を変更する以外は同様にして、平均粒径0.38μm、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−21A及び、平均粒径0.42μm、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−21Bを得た。
【0098】
上記EMP−21Aに対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−21Bに対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたEMP−21AとEMP−21Bを銀量で1:1の割合で混合し、赤感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−R1)を得た。
【0099】
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素 RS−2 1×10-4モル/モルAgX
強色増感剤 SS−1 2×10-3モル/モルAgX
安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
乳剤(Em−B1)、(Em−G1)及び(Em−R1)の調製に用いた添加剤の構造を示す。
【0100】
【化1】
Figure 0003738588
【0101】
(感光材料101〜112の作製)
坪量180g/m2の紙パルプの両面に高密度ポリエチレンをラミネートし、紙支持体を作製した。ただし、乳剤層を塗布する側には、表面処理を施したアナターゼ型酸化チタンを15重量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチレンをラミネートした。この反射支持体をコロナ放電処理した後、ゼラチン下塗層を設け、更に、以下に示す構成の各層を塗設し、多層感光材料101を作製した。
【0102】
感光材料の作製においては、下記の塗布量になるよう各層塗布液を調製し、又、硬膜剤として(H−1),(H−2)を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2),(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。又、各層に防黴剤(F−1)を全量が0.04g/m2となるように添加した。尚、ハロゲン化銀乳剤は銀に換算した値で示した。各層の構成を以下に示す。
【0103】
Figure 0003738588
Figure 0003738588
感光材料作製に用いた添加剤の構造を以下に示す。
【0104】
SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム塩
SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩
H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン
H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
DBP:ジブチルフタレート
DIDP:ジイソデシルフタレート
DOP:ジオクチルフタレート
DNP:ジノニルフタレート
PVP:ポリビニルピロリドン
HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン
HQ−2:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノン
HQ−3:2,5−ジ−sec−テトラデシルハイドロキノン
HQ−4:2−sec−ドデシル−5−sec−テトラデシルハイドロキノン
HQ−5:2,5−ジ(1,1−ジメチル−4−ヘキシルオキシカルボニル)ブチルヒドロキノン
画像安定剤A:p−t−オクチルフェノール
【0105】
【化2】
Figure 0003738588
【0106】
【化3】
Figure 0003738588
【0107】
【化4】
Figure 0003738588
【0108】
【化5】
Figure 0003738588
【0109】
また、感光材料101の作製において、第1層、第3層及び第5層のハロゲン化銀乳剤及びカプラーの量をそれぞれ1.15倍及び1.3倍に変更した以外は同様にして、感光材料102及び103を作製した。
【0110】
このようにして作製した感光材料101〜103に対して、以下のような走査露光、処理を行った。走査露光は光源として、半導体レーザー(発振波長650nm)、He−Neガスレーザー(発振波長544nm)、Arガスレーザー(発振波長458nm)を用い、画像データに基づき各々のレーザービームに対してAOMにより光量を変調しながら、ポリゴンに反射させて、感光材料上に主走査を行うと同時に、主走査方向に対して垂直方向に感光材料を搬送する(副走査)ことにより行った。この時、ビーム径はBGR各々100μmであることを、ビームモニターを用いて確認した。この装置を用いて、1cm×1cmのパッチ画像でほぼグレーが再現できるように各色の露光量を調整しながら走査露光を行った後、20〜30秒の間に下記現像処理工程1により処理を行った。このようにして得られたグレーパッチ画像の各ステップに対して濃度計PDA−65(コニカ社製)を用いて反射濃度を測定し、赤色レーザーの露光量に対する赤色光反射濃度のプロット(特性曲線)、緑色レーザーの露光量に対する緑色光反射濃度のプロット、青色レーザーの露光量に対する青色光反射濃度のプロットを作製した。
【0111】
Figure 0003738588
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸または水酸化カリウムによってpH10.1に調整する。
【0112】
Figure 0003738588
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH=5.0に調整する。
【0113】
Figure 0003738588
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又は水酸化カリウムでpH=7.5に調整する。
【0114】
次に、目標最高濃度値を表1に示すように設定し、グレーパッチの出力を行い、グレーパッチの濃度測定結果から、画像データと露光量制御値を対応づける制御用変換テーブル(C−LUT)を書き換える作業(キャリブレーション)を3回繰り返した。3回のキャリブレーション作業終了後いずれの場合も、画像データと目標濃度を対応づける変換テーブル(D−LUT)に予め設定されていた目標濃度と、実際にプリントされたグレーパッチ濃度との差が、目標濃度に対して平均で5%以内となっていることを確認した。このようにして、各感材に対して目標最高濃度の設定及びキャリブレーションが終了した状態で、PhotoShop5.0(アドビ社製)上で作製した画像データに基づき走査露光を行い、前述した現像処理工程1による処理を行った。なお、使用した画像データは解像度300dpiで作製されており、1画素幅の黒線((R,G,B)=(0,0,0))と白線((R,G,B)=(255,255,255))の繰り返しパターン及び、3種類の黒色((R,G,B)=(0,0,0)、(13,13,13)、(26,26,26))で描かれている2ポイント及び4ポイントのテキスト文字から成るものを使用した。
【0115】
このようにして得られたプリント画像を被験者20名に比較してもらい、細線の再現性(黒のしまり、エッジの切れ等)や文字再現性(文字輪郭の色ズレや白抜け部のつぶれの有無等)について評価した。評価は、画質が優れているものほど高得点(最高100点)として採点してもらい、20人の平均点が高いものほどキャリブレーション回数が少ない場合においても、黒文字画像の輪郭の滲みが改良されるという本発明の効果が高いことを示す。
【0116】
また、設定された各目標最高濃度における最大露光量(Emax)におけるポイントガンマを、予め作製しておいた特性曲線から読みとった。結果を表1にまとめて示す。
【0117】
【表1】
Figure 0003738588
【0118】
表1の結果より、本発明の条件を満たすNo.106〜112においては、条件を満たさないNo.101〜105に比較して、細線繰り返しパターン部における白と黒のライン太さのバランス、及び黒文字部エッジがシャープであり、高い評価点が得られ、好ましい画像形成方法であることがわかる。またNo.106、107、109〜111においては、R、G、B各々の目標最高濃度が2.1以上であり、細線及び黒文字の輪郭の滲みが殆どなく、より高い評価点が得られ、またNo.109においてはグレーパッチ出力時におけるシアン画像とイエロー画像のポイントガンマの差が0.5以下であり、特に高い評価点が得られ、本発明の特に好ましい態様であることがわかる。
【0119】
実施例2
実施例1の感光材料102〜103において、感光性ハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀粒子形成時に、ヘキサクロロロジウム(III)酸カリウムを、ハロゲン化銀1モル当たり1.2×10-8モルとなるように添加し調製した感光性ハロゲン化銀乳剤を用いた以外は同様にして、感光材料202〜203を作製した。
【0120】
このようにして作製した感光材料202、203及び感光材料101に対して、実施例1と同様の露光装置で、R、G、B各色光において露光量を段階的に調整しながら走査露光を行った後、20〜30秒の間に前記現像処理工程1により処理を行った。このようにして得られたイエロー、マゼンタ、シアンのパッチ画像(1cm×1cm)の各ステップに対して濃度計PDA−65(コニカ社製)を用いて反射濃度を測定し、赤色レーザーの露光量に対する赤色光反射濃度のプロット(特性曲線)、緑色レーザーの露光量に対する緑色光反射濃度のプロット、青色レーザーの露光量に対する青色光反射濃度のプロットを作製した。
【0121】
次に、目標最高濃度値を表2に示すように設定し、グレーパッチの出力を行い、実施例1と同様のキャリブレーション操作を3回繰り返した。このようにして、各感材に対して目標最高濃度の設定及びキャリブレーションが終了した状態で、実施例1で用いた画像データに基づき走査露光を行い、前述した現像処理工程1による処理を行った。
【0122】
このようにして得られたプリント画像に対して、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2にまとめて示す。
【0123】
【表2】
Figure 0003738588
【0124】
表2の結果より、本発明の条件を満たすNo.206〜212においては、条件を満たさないNo.201〜205に比較して、細線繰り返しパターン部における白と黒のライン太さのバランス、及び黒文字部エッジがシャープであり、高い評価点が得られ、好ましい画像形成方法であることがわかる。
【0125】
実施例3
実施例1の感光材料102及び103において、感光性ハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀粒子形成時に、ヘキサブロモロジウム(III)酸カリウムを、ハロゲン化銀1モル当たり1.5×10-8モルとなるように添加し調製した感光性ハロゲン化銀乳剤を用いた以外は同様にして、感光材料302及び303を作製した。
【0126】
このようにして作製した感光材料302、303及び感光材料101に対して、実施例1と同様の露光装置で、R、G、B各色光の露光量を段階的に調整しながら走査露光を行った後、30秒以内に前記現像処理工程1により処理を行った。このようにして得られたイエロー、マゼンタ、シアンの各パッチ画像(1cm×1cm)の各ステップに対して濃度計PDA−65(コニカ社製)を用いて反射濃度を測定し、赤色レーザーの露光量に対する赤色光反射濃度のプロット(特性曲線)、緑色レーザーの露光量に対する緑色光反射濃度のプロット、青色レーザーの露光量に対する青色光反射濃度のプロットを作製した。またこのプロットから、単色スケール出力時の最大ポイントガンマを与える露光量(Erm)を読みとった。次に、目標最高濃度値を表3に示すように設定し、グレーパッチの出力を行い、実施例1と同様のキャリブレーション操作を3回繰り返した。このようにして、各感材に対して目標最高濃度の設定及びキャリブレーションが終了した状態で、実施例1で用いた画像データに基づき走査露光を行い、前述した現像処理工程1による処理を行った。
【0127】
このようにして得られたプリント画像に対して、実施例1と同様の評価を行った。R、G、Bの各々におけるErmを1としたときのEmaxの相対値及び評価結果を表3にまとめて示す。
【0128】
【表3】
Figure 0003738588
【0129】
表3の結果より、少なくとも1つの色画像形成層において、Erm≧Emaxという条件を満たすNo.305,306,308、309は、細線繰り返しパターン部における白と黒のライン太さのバランス、及び黒文字部エッジがシャープであり、高い評価点が得られ、好ましい画像形成方法であることがわかる。特にシアン画像形成層において0.95×Erm≧Emaxという条件を満たすNo.306及び309においては特に高い評価点が得られており、本発明の特に好ましい態様であることがわかる。
【0130】
実施例4
実施例1で作製した感光材料101及び102の作製において、第6層及び第4層におけるAI−1の添加量を1.25倍とした以外は同様にして感光材料401及び402を作製した。感光材料101及び102の670nmにおける反射光量は入射光量の11.2%であったのに対し、感光材料401及び402の670nmにおける反射光量は入射光量の8.9%であった。感光材料101、102、401及び402に対して、走査露光終了から発色現像処理開始までの時間を10秒、25秒、45秒と変更した以外は実施例1と同様の評価を行った。なお、キャリブレーション時に設定した目標最高濃度は、全ての場合において、(R,G,B)=(2.10,2.10,2.10)とした。結果を表4に示す。
【0131】
【表4】
Figure 0003738588
【0132】
表4の結果より、本発明の条件を満たさないNo.401〜403及びNo.407〜409においては、走査露光終了から現像開始までの時間が短くなるほど黒文字のエッジ部での色ズレが大きくなり、評価点が著しく低下するのに対し、本発明の条件を満たすNo.404〜406及び、410〜412においては、走査露光終了から現像開始までの時間が短くなっても黒文字のエッジ部での色ズレの発生が比較的小さく、評価点が著しく低下することはなかった。このことから、本発明は、走査露光終了から現像開始までの時間が30秒以下と短い場合において、特に有効な画像形成方法であることがわかる。また、感光材料102と402の比較から、感光材料の670nmにおける反射光量が入射光量の10%以下である場合には、1画素当たりの露光時間が10-3秒以下となるような光ビームによる走査露光後、発色現像処理を行う画像形成方法において、黒文字の輪郭部の滲みがさらに軽減されて、より美しい文字画像を再現できることがわかる。また、感光材料102と402については、タングステン光を光源とし、リスフィルムにて作製した文字及び細線画像のネガフィルムを通して感光材料に面露光(露光時間0.5秒)した場合、感光材料402の方が文字及び細線画像がシャープに再現されていた。このことから、感光材料の670nmにおける反射光量が入射光量の10%以下である場合には、デジタル化されたデータに基づく走査露光、及びアナログ露光の両方において、文字や細線の滲みが小さく好ましい本発明の特に好ましい画像形成方法であることがわかる。
【0133】
【発明の効果】
本発明により、キャリブレーション回数が少ない場合においても、黒文字画像の輪郭の滲みが改良されたされた画像形成方法を提供することができた。

Claims (6)

  1. 反射支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀を含有して成るイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するネガ型ハロゲン化銀写真感光材料に、1画素当たりの露光時間が10-3秒以下となるような光ビームによる走査露光後、発色現像処理を行う画像形成方法において、グレースケールのキャリブレーションパッチの出力により画像形成時の最大露光量(Emax)の調整を行い、かつグレースケール出力時のEmaxにおけるポイントガンマがイエロー、マゼンタ、シアンの各々で2.5〜6.0であり、下記式(2)または式(3)の条件を満たすことを特徴とする画像形成方法。
    PG(Y)<PG(M)≦PG(C) 式(2)
    |PG(C)−PG(Y)|<0.5 式(3)
    〔式中、PG(Y)はイエローポイントガンマ、PG(M)はマゼンタポイントガンマ、PG(C)はシアンポイントガンマを表す。〕
  2. 反射支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀を含有して成るイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するネガ型ハロゲン化銀写真感光材料に、1画素当たりの露光時間が10-3秒以下となるような光ビームによる走査露光後、発色現像処理を行う画像形成方法において、グレースケールのキャリブレーションパッチの出力により画像形成時の最大露光量(Emax)の調整を行い、かつイエロー、マゼンタの単色スケール出力時のEmaxにおけるポイントガンマが各々2.0〜5.0であり、シアンの単色スケール出力時のEmaxにおけるポイントガンマが2.0〜6.0であることを特徴とする画像形成方法。
  3. 反射支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀を含有して成るイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するネガ型ハロゲン化銀写真感光材料に、1画素当たりの露光時間が10-3秒以下となるような光ビームによる走査露光後、発色現像処理を行う画像形成方法において、グレースケールのキャリブレーションパッチの出力により画像形成時の最大露光量(Emax)の調整を行い、かつシアン色画像形成層において単色スケール出力時の最大ポイントガンマを与える露光量(Erm)とEmaxが式(1)の関係を満たすことを特徴とする画像形成方法。
    Erm≧Emax (1)
  4. 前記イエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層に含有される感光性ハロゲン化銀の平均塩化銀含有率が各々95モル%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記ネガ型ハロゲン化銀写真感光材料が630nm〜730nmに分光感度極大を1つ有し、かつ670nmにおける反射光量が入射光量の10%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 走査露光終了から発色現像処理開始までの時間が30秒以内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
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