JP3738411B2 - 転炉吹錬終点制御方法 - Google Patents
転炉吹錬終点制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3738411B2 JP3738411B2 JP25327197A JP25327197A JP3738411B2 JP 3738411 B2 JP3738411 B2 JP 3738411B2 JP 25327197 A JP25327197 A JP 25327197A JP 25327197 A JP25327197 A JP 25327197A JP 3738411 B2 JP3738411 B2 JP 3738411B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- end point
- steel
- model formula
- control model
- converter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、転炉吹錬終点制御方法に関し、特に、間欠操業鋼種例えば操業頻度の少ない鋼種の制御モデル式に対して最も生産割合の多い鋼種区分の制御モデル式の学習項を付け加えることにより、操業頻度の少ない鋼種の制御精度を向上させるための新規な改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、転炉などで用いられている終点制御方法は種々あるが、その中で代表的なものについて述べると、スタティック制御と呼ばれる計算式で必要酸素量を求め、その計算された推定吹錬終了時点から約2分前に酸素流量を落としてサブランスを溶鋼中に降下させて溶鋼温度、溶鋼中の炭素含有量を測定(中間測定という。)を行い、該測定値等から必要冷却材量や精錬終了までに必要な酸素量を再予測(ダイナミック制御という。)し、目標とする終点温度、成分になるよう操業している。
例えばその方法の一部実施例としては、特開平1−230710号公報に、スタティック制御モデル式やダイナミック制御モデル式の学習方法が示されており、また特開平4−187709公報には、ダイナミック制御モデル式が具体的に開示され、計算精度を上げるために目標とする炭素含有量の範囲によって制御式の係数を区分していることが記載されている。
また、それを開示する文献名を示していないが、従来の学習方法は、次のように表されていた。
すなわち、鋼種区分iに対しては、制御モデル式を
y’=Fi(x1,x2,・・xm) +Δai
但し、y,x1,x2,・・・,xm:変数
Δai:鋼種区分iに使用する学習項
y’:実績値yの計算値
とし、前記モデル式を用いて転炉吹錬を行い、転炉吹錬終了後に、前記実績値(y)と前記制御モデル式のみを用いた計算値(y’)との差である誤差(y−y’)に応じて、学習項Δaiを更新する方法のみであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の転炉吹錬終点制御方法は、前述のようにスタティック制御モデル式やダイナミック制御モデル式が鋼種区分毎に存在しているため、各式の学習項も鋼種区分毎となっており、溶製鋼種区分が変化した場合には直前の操業実績がその吹錬制御に反映されず、かなり時間的に離れている同一鋼種区分の学習項の値を使用した吹錬制御が行われるため、終点制御精度が低下すると言う課題があった。
すなわち、操業回数により徐々に変化する転炉耐火物溶損状況変化などの時系列的に比較的緩やかに変動する外乱に追従するための学習機能が、操業回数の少ない鋼種にあっては十分機能せず、鋼種区分が変化した後数チャージの操業では終点制御精度が極端に低下し、また、頻繁な鋼種変更操業には十分に対応できないという課題があった。
【0004】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、操業頻度の多い鋼種区分の学習項を頻度の少ない制御式に加味することにより、間欠操業鋼種区分の吹錬制御精度を向上させるようにした転炉吹錬終点制御方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による転炉吹錬終点制御方法は、転炉のスタティック制御モデル式又はサブランスを使用するダイナミック制御モデル式を用いた転炉吹錬終点制御方法において、鋼種を予め複数の鋼種区分に分割しておき、鋼種区分番号iで表される鋼種区分(以降、鋼種区分i)に対する制御モデル式を
y’=F(x1,x2,・・xm)+Δai0+Δai,if i≠i0
y’=F(x1,x2,・・xm) +Δai ,if i=i0
但し、y,x1,x2,・・・,xm:変数
i0:予め指定された学習の基本となる最も生産割合の多い鋼種区分
Δai:鋼種区分iに使用する学習項
y’:実績値yの計算値
とし、前記制御モデル式を用いて転炉吹錬を行い、転炉吹錬終了後に、前記実績値(y)と前記制御モデル式を用いた計算値(y’)との差である誤差(y−y’)に応じて、学習項Δaiを更新することを特徴とする転炉吹錬終点制御方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による転炉吹錬終点制御方法の好適な実施の形態について述べる。
(実施例)
まず、185トン転炉において、鋼種区分を次のように設定した。
ここで、生産比率は極低炭素鋼が約10%、低炭素鋼が約60%、中炭素鋼が約30%である。ここで、学習の基本となる鋼種区分は、最も生産割合の多い低炭素鋼とした。すなわち、鋼種区分番号i0=4とした。また、スタティック制御では終点炭素濃度と終点温度を制御するものとし、ダイナミック制御においては、例えば特開平4−187709公報に記載されている周知の方法(すなわち終点炭素濃度と終点温度を制御する方式と、終点りん濃度と終点温度を制御する方式、の二つの方式を使い分ける方式)を採用した。また、学習項の更新手順としては、例えば特開平1−230710号公報に示された周知の段階的指数平滑法を採用した。
図2は、スタティック温度モデルにおける学習項が無い場合の誤差(以降、残差)である(y−F(x1,x2,・・・xm))の値の実操業における推移を表示している。この例では、〇印の鋼種区分3の極低炭素鋼の吹錬の終了後、●印の鋼種区分4の低炭素鋼と鋼種区分5の中炭素鋼の吹錬を37チャージ行い、その後に、再度鋼種区分3の極低炭素鋼の溶製が開始されている。この例では、鋼種区分5の中炭素鋼の溶製は8チャージであり、鋼種区分4の低炭素鋼溶製の間に挟まれて連続して溶製されたが、図2では省略している。残差(y−F(x1,x2,・・・xm))の傾向的な低下が認められる。この傾向的変化の理由は定かではないが、転炉の溶損状況の変化、転炉ランスノズルの損耗状況の変化、あるいは学習項を除いたモデル式の精度が十分でないために学習項無しでは何らかの条件変化に十分に対応できないため、などの理由が考えられる。
図1は、図2の操業における学習項を用いた場合の誤差(y−y’)の推移を示している。従来方法による誤差と本発明による誤差を両方示している。本発明の場合は、●印の鋼種区分4の最初の開始時点より学習法を新法に切り替えた場合の誤差を示している。〇印鋼種区分3の極低炭素鋼の溶製再開時点において、従来法では長いインターバルに追従できず大きな誤差が残ったのに対し、本発明法においては長いインターバルにも拘わらず、以前と比べても誤差が大きくなっていないことがわかる。
【0007】
【発明の効果】
本発明による転炉吹錬終点制御方法は、間欠操業鋼種例えば操業頻度の少ない鋼種の制御モデル式に対して最も生産割合の多い鋼種区分の制御モデル式の学習項を付け加えることにより、操業頻度の少ない鋼種の制御精度を従来よりも大幅に向上させることができる。また、終点制御精度が向上し、約1℃の終点温度の低減が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による転炉吹錬終点制御方法における学習項を用いた場合の誤差を、従来法による学習項を用いた場合の誤差を対比して示す特性図である。
【図2】スタティック制御モデル式における学習項が無い場合の誤差を示す特性図である。
Claims (1)
- 転炉のスタティック制御モデル式又はサブランスを使用するダイナミック制御モデル式を用いた転炉吹錬終点制御方法において、鋼種を予め複数の鋼種区分に分割しておき、鋼種区分番号iで表される鋼種区分(以降、鋼種区分i)に対する制御モデル式を
y’=F(x1,x2,・・xm)+Δai0+Δai,if i≠i0
y’=F(x1,x2,・・xm) +Δai ,if i=i0
但し、y,x1,x2,・・・,xm:変数
i0:予め指定された学習の基本となる最も生産割合の多い鋼種区分
Δa1:鋼種区分iに使用する学習項
y’:実績値yの計算値
とし、前記制御モデル式を用いて転炉吹錬を行い、転炉吹錬終了後に、前記実績値(y)と前記制御モデル式を用いた計算値(y’)との差である誤差(y−y’)に応じて、学習項Δaiを更新することを特徴とする転炉吹錬終点制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25327197A JP3738411B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 転炉吹錬終点制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25327197A JP3738411B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 転炉吹錬終点制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1192813A JPH1192813A (ja) | 1999-04-06 |
JP3738411B2 true JP3738411B2 (ja) | 2006-01-25 |
Family
ID=17248969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25327197A Expired - Fee Related JP3738411B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 転炉吹錬終点制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3738411B2 (ja) |
-
1997
- 1997-09-18 JP JP25327197A patent/JP3738411B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1192813A (ja) | 1999-04-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2013023696A (ja) | 転炉吹錬制御方法 | |
JP3738411B2 (ja) | 転炉吹錬終点制御方法 | |
JP2012136767A (ja) | 転炉りん濃度推定方法 | |
JP4140939B2 (ja) | 転炉吹錬方法 | |
JP6064520B2 (ja) | 吹錬制御方法及び吹錬制御装置 | |
JPS62158810A (ja) | 転炉操業における主原料装入量の決定方法 | |
JPH04346611A (ja) | ステンレス鋼の精錬方法 | |
JPH0520484B2 (ja) | ||
JP2002180142A (ja) | 銅転炉操業における造カン期終点判定方法 | |
JPH0433846B2 (ja) | ||
JP4048010B2 (ja) | 転炉および溶銑予備処理容器におけるりん平衡状態の推定方法 | |
JPH05320740A (ja) | Rhにおける浸漬管寿命の延長方法 | |
JPH07268433A (ja) | 転炉製鋼の終点制御方法 | |
EP4289976A1 (en) | Supplied heat quantity estimation method, supplied heat quantity estimation device, and operation method for blast furnace | |
JPH06264129A (ja) | 転炉製鋼の終点制御方法 | |
JPS5856729B2 (ja) | 純酸素上吹き転炉の吹錬制御法 | |
KR20000042501A (ko) | 저린 고탄소용강 제조를 위한 전로정련방법 | |
JP2003105421A (ja) | 溶鉄の脱バナジウム方法 | |
SU1126609A1 (ru) | Способ управлени конвертерной плавкой | |
JP4357082B2 (ja) | 含クロム溶鋼の脱炭精錬方法 | |
JPH0633124A (ja) | 鋼中マンガン推定方法及び転炉吹錬制御方法 | |
JPH0641626A (ja) | 転炉の酸素吹錬制御方法 | |
JP2703254B2 (ja) | 転炉吹錬終点制御方法 | |
JPH04124211A (ja) | 酸素製鋼炉の吹錬制御方法 | |
SU1054420A1 (ru) | Способ выплавки стали |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040825 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050921 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051018 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051020 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091111 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101111 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101111 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111111 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |