JP3737883B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒状版胴の内周部に印刷インクを供給して印刷を行う印刷装置にかかり、特に、版胴の内周部の両側にはみ出したインクを適宜掻き寄せする構造を備えた印刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
孔版印刷装置あるいは捺染印刷装置としての印刷装置は、図10に示すように、円筒状に形成されてインク通過性構造をなす周壁103を有し、該周壁103が中心軸102周りに図中矢印A方向に回転する版胴101を備えている。版胴101の内部には、版胴101の内周部に印刷インクを供給するため、自身の外周面を周壁103の内周面に接触し得るように回転軸107を以て回転するインク供給ローラ106がある。また、版胴101の外部には、版胴101の外周部にて、インク供給ローラ106と対向し、周壁103の外周面との間で印刷紙(不図示)を挟んで搬送するプレスローラ119がある。
【0003】
また、インク供給ローラ106の近傍には、インク供給ローラ106に所定間隔を置いて平行配置されたドクタロッド108がある。そして、ドクタロット108とインク供給ローラ106との間には、図示しないインク供給手段からインクが計量供給されて楔状のインク溜部109をなす。さらにインクは、インク供給ローラ106の回転によってインク溜部109からドクタロッド108とインク供給ローラ107との間隔を通過して計量されて周壁103の内周面とインク供給ローラ107との接触領域にもたらされる。
【0004】
ところが、インクの一部分は、前記接触領域においてインク供給ローラ106の両側(版胴101の内周部の両側)にはみ出して無駄に消費される。さらに、はみ出したインクは、印刷装置が長期停止することに伴って乾燥し、版胴101の内周面の平滑性を阻害する。また、印刷装置の作動中では、インク供給ローラ106の両側にはみ出したインクが次第に蓄積され、版胴101の側部から外部に漏れだして他の機構部分を汚損することとなる。なお、版胴101の側部からのインクの漏れを防止するためには、版胴101の側面を完全密封することが考えられるが設計上大きな制約となる。
【0005】
このような不都合に対し、従来の印刷装置では、版胴101の内部両側に支持板110を設け、この支持板110にインク掻き寄せ片112を固定している。このインク掻き寄せ片112は、周壁103の側縁部にある非インク通過性領域における内周面に接触するとともに、版胴101の移動方向(矢印A方向)に対して傾斜して配置されている。そして、インク掻き寄せ片112は、上記の如くインク供給ローラ106の両側にはみ出したインクに対して衝突し、このインクを前記傾斜を以て版胴の中央部にあるインク通過性領域へ掻き寄せる。
【0006】
このように従来では、インク掻き寄せ片112の採用によって、上述の不都合を解消しようとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の印刷装置では、冬期や寒冷地などの低温時において、インクの粘度が上昇し、インクの流動性が低下した場合、以下の問題が生じる。具体的には、図11(a)乃至図11(c)および図12に示す如く、非インク通過性領域103bにはみ出したインク190は、インク掻き寄せ片112に衝突する。このインク190が上記のように流動性が低下していると、インク掻き寄せ片112に対して付着する。そして、この状態が続くことによってさらにインク190が付着積層してインク掻き寄せ片112に溜まり、インク掻き寄せ片112を乗り越えたり、溜まったインク190が乾燥して硬化してしまい、所望とするインク掻き寄せ作用が得られなくなってしまう。
【0008】
そこで本発明は、上記課題を解消するために、版胴内の両側部にはみ出すインクを適宜掻き寄せることができ、特に、インクの粘度が上昇してインクの流動性が低下していても、はみ出したインクを適宜掻き寄せることができる印刷装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による印刷装置は、内周部に印刷インクを供給され、自身の中心軸線の周りに回転するインク通過性の円筒状の版胴を有した印刷装置において、
前記版胴内の両側部に配されてそれぞれ対面し、前記版胴の回転進行方向に対して対向面が斜行するように前記版胴の内方に屈曲あるいは湾曲して延出形成されるとともに、その下縁部が前記版胴の周壁の内周面に接触し、且つ、前記対向面には、周壁の周方向に沿う如く導通溝が形成されたインク掻き寄せ片を備えたことを特徴としている。
【0010】
また、前記インク掻き寄せ片に形成された前記導通溝は、前記周壁の内周面に連通するように形成されていてもよい。
【0011】
また、前記導通溝の構成に代え、あるいは前記導通溝の構成に加えて、前記各インク掻き寄せ片の対面方向に延出する庇状の庇部材を設けたことを特徴としている。
【0012】
また、前記インク掻き寄せ片は取付部を介して配されており、該取付部は、摺動自在に設けられて、弾性部材を介して前記インク掻き寄せ片を周壁の内周面に当接付勢することを特徴としている。
【0013】
また、前記取付部は、前記インク掻き寄せ片を版胴の周方向に微動可能とすることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明による印刷装置の版胴にかかる構成を示す斜視図、図2は同印刷装置の版胴にかかる構成を示す側断面図、図3は同印刷装置の版胴にかかる構成を示す一部裁断正面図である。
【0015】
この実施の形態における印刷装置は、図1乃至図3に示すように、所定の幅を有する円筒状の版胴1を有している。版胴1は、図示しない駆動手段によって駆動され、自身の中心軸2の周りを図2中の矢印A方向に回転する。版胴1は、円筒状の外周部をなす如く周壁3を有している。この周壁3は、主として版胴1の幅方向中央部に配されたインクの通過を許すインク通過性領域3aと、版胴1の幅方向両側縁に配されたインクの通過を許さない非インク通過性領域3bとを備えている。
【0016】
周壁3の外周面には、版胴1の幅方向に沿って台座4が配されている。この台座4上には、製版された孔版印刷用原紙Mの先端部をクランプするクランプ手段5が設けられている。なお、上記インク通過性領域3aは、台座4部分を除いて配されている。
また、周壁3の外周面には、印刷に必要な量のインクを適宜通過させるスクリーン(図示せず)がインク通過性領域3aを覆う如く巻かれている。
【0017】
版胴1の内部には、版胴の内周部にインクを供給するインク供給ローラ6が設けられている。インク供給ローラ6は、自身の外周面を周壁3の内周面に接触するように回転軸7を以て回転自在に支持されている。
【0018】
また、インク供給ローラ6の近傍には、インク供給ローラ6に所定間隔を置いて平行配置されたドクタロッド8が設けられている。そして、ドクタロッド8とインク供給ローラ6との間には、図示しないインク供給手段からインクが計量供給されて楔状のインク溜部9が形成される。さらに、インク供給ローラ6の回転により、インク溜部9からドクタロッド8とインク供給ローラ6との間隔にインクが通過して計量され、周壁3の内周面とインク供給ローラ6との接触領域まで供給される。
【0019】
さらに、版胴1の内部の両側部には板状の支持体10が固定支持されている。この支持体10は、版胴1内部において、版胴1の回転に関与せずに固定されていて、本実施の形態では中心軸2の両側部に固定支持されている。そして、各支持体10には、それぞれインク掻き寄せ手段11が対向して配設されている。
【0020】
インク掻き寄せ手段11は、周壁3に接触するべきインク掻き寄せ片12と、インク掻き寄せ片12を支持体10側に取り付け支持する取付部13とを有している。これらインク掻き寄せ片12と取付部13とは、本実施の形態では、合成樹脂材により一体形成されている。
【0021】
インク掻き寄せ片12は、各支持体10に対し、取付部13を介して取り付け支持され、図2に示すように、インク供給ローラ6の近傍であって、版胴1の回転進行方向の前側にそれぞれ配されている。さらに、各インク掻き寄せ片12は、図3に示すように、インク供給ローラ2の両側部となる周壁3の非インク通過性領域3bに位置して対面されている。これらインク掻き寄せ片12は、版胴1の回転進行方向に対して対向面12aが斜行するように版胴1の内方に屈曲(あるいは湾曲)して延出形成されているとともに、その下縁部12bが周壁3の内周面における非インク通過性領域3bに沿って接触されている。また、各インク掻き寄せ片12の対向面12aには、周壁3の周方向に沿う如く導通溝14が形成されている。この導通溝14は、図2中では二箇所に設けられているが、単一あるいは二箇所以上の複数であってもよい。
【0022】
取付部13は、図4(a)、(b)に示すように、上下方向に長い板片をなし、その下端部に前記インク掻き寄せ片12が一体となっている。そして、支持体10に対し、上下に位置する支持ネジ15a、15bによって支持されている。また、取付部13は、各支持ネジ15a、15bに対し、それぞれ上下方向に穿設された長孔16を介して係合されて、上下に摺動自在に配されている。また、上側の支持ネジ15aは、長穴16に対して微小な遊びを有しており、取付部13の下端部にあるインク掻き寄せ片12を、下側の支持ネジ15bを中心として、版胴1の回転進行方向に極少量ではあるが揺動可能としている。なお、取付部13における支持体10との接触面には、複数の突起18が形成されており、前記摺動あるいは揺動の際に、支持体10との接触抵抗を低減させている。
【0023】
さらに、下側の支持ネジ15bと、取付部13の上端部との間には、弾性手段としての引張バネ17が介在されていて、取付部13の下端部にあるインク掻き寄せ片12を常に下方に(周壁3の内周面に接触するように)付勢している。この引張バネ17は、本実施の形態では、引っ張りコイルバネとして構成されているが、上記付勢力を付与するものであれば、板バネ、ねじりコイルバネなどであってもよい。また、引張バネ17による付勢力はインク掻き寄せ片12を介して周壁3を膨出させる程の力はない。
【0024】
また、上記構成の版胴1の外部下方には、版胴1の外周部にて、インク供給ローラ6と対向し、周壁3の外周面と接触するように昇降自在とされたプレスローラ19がある。
【0025】
以下、このように構成された印刷装置による印刷動作を説明する。
まず、製版済の孔版印刷用原紙Mの先端部をクランプ手段5で版胴1の台座4に固定する。そして、版胴1を回転させて、孔版印刷用原紙Mをスクリーンの外周面に巻き付ける。さらに、版胴1の回転に同期して、版胴1とプレスローラ19との間に印刷紙(不図示)が送られると、プレスローラ19が所定のタイミングで上昇し、印刷紙を版胴1の外周面にある孔版印刷用原紙Mに押し付ける。また、版胴1内において、上述の如く周壁3の内周面とインク供給ローラ6との接触領域まで供給されたインクは、インク供給ローラ6に押圧されて、版胴1の周壁3とスクリーンを通過し、さらに孔版印刷用原紙Mの穿孔画像部分を経て印刷紙に転移して印刷画像をなす。
【0026】
また、上記印刷動作において、図5(a)に示すように、一部のインク90は、版胴1内において、インク供給ローラ6の側端部より周壁3の非インク通過性領域3bにはみ出してしまう。さらに、この際、インク90は、冬期や寒冷地などの低温時でのインク全体の粘度上昇により、その流動性が低下していたとする。
【0027】
このような条件下において、周壁3の非インク通過性領域3bにはみ出したインク90は、図5(b)に示すように、周壁3の回転に伴って移動して、非インク通過性領域3bに接触配置されたインク掻き寄せ片12の対向面12aに衝突する。インク掻き寄せ片12に衝突したインク90は、流動性の低下によってインク掻き寄せ片12の対向面12aに止まろうとする。ところが、対向面12aに導通溝14が形成されているため、インク90は、図5(c)に示すように、導通溝14に沿って版胴1の回転進行方向に導かれる。このようにして、流動性が低下したインク90は、導通溝14の形状、およびインク掻き寄せ片12の傾斜に沿って、周壁3のインク通過性領域3aに向けて適宜掻き寄せられる。そして、図6に示すように、インク掻き寄せ片12に掻き寄せられたインク90は、インク供給ローラ6の外周面に付着して持ち去られて、インク溜部9に送られる。あるいは、非インク通過性領域3bよりインク通過性領域3aに流れ出し、版胴1の次の回転で、周壁3の内周面とインク供給ローラ6との接触領域に送られるなど、後続の印刷のために有効に消費される。
【0028】
なお、冬期や寒冷地などの低温時以外で、インク90の流動性が低下していない場合においても、インク90が導通溝14に沿って版胴1の回転進行方向に導かれるので、インク掻き寄せ片12による掻き寄せ作用を向上する。
【0029】
また、版胴1をなす周壁3の内周面は、例えば、台座4の取り付け部分あるいはその近傍などに凹凸段差が生じている場合がある。
本実施の形態では、図7(a)に示すように、取付部13に配された引張バネ17による付勢力によって、インク掻き寄せ片12が常に周壁3の内周面に接触しようとしている。そして、図7(b)に示すように、周壁3が膨出する段差Hがあったとする。この場合、図7(c)に示すように、引張バネ17の付勢力で取付部13が摺動し、周壁3の段差Hに追従する如く、インク掻き寄せ片12を周壁3の内周面に接触させる。なお、図7(b)で示す状態は、説明上インク掻き寄せ片12と周壁3の内周面との間に段差H分の隙間を設けているが、実際の動作では、引張バネ17の付勢力でインク掻き寄せ片12が周壁3の内周面に常に接触することとなる。
【0030】
さらに、図7(a)に示すように、周壁3は版胴1の回転に伴って図中矢印A方向に移動している。つまり、周壁3と常に接触しているインク掻き寄せ片12には、周壁3の移動方向に常に負荷がかかっていることとなる。
本実施の形態では、上述したように、取付部13において、上側の支持ネジ15aが長穴16に対して微小な遊びを有し、下側の支持ネジ15bを中心として、版胴1の回転進行方向に極少量の揺動を許されている。そして、周壁3の回転移動時や、上述の如く周壁3に生じた段差Hへの追従時にかかるインク掻き寄せ片12への負荷、あるいは該負荷の強弱を、取付部13の極少量の揺動を以て受け流している。
【0031】
したがって、このように構成された印刷装置では、版胴1における周壁3の内周面に接触するように対面する各インク掻き寄せ片12の対向面12aに、周壁3の周方向に沿うように導通溝14を設けたことにより、該導通溝14を以て、インク掻き寄せ片12の対向面12aに衝突したインク90を導通溝14に沿って導くので、非インク通過性領域3bにはみ出すインク90を適宜掻き寄せることが可能となる。
【0032】
また、特にインク90が、冬期や寒冷地などの低温時で流動性が低下している場合には、前記導通溝14によってインク掻き寄せ片12の対向面12aに衝突したインク90を導くので、インク90がインク掻き寄せ片12を乗り越えるなどの問題を解消することが可能となる。
【0033】
また、インク掻き寄せ片12を支持する如く支持体10に取り付けられる取付部13が上下方向に摺動自在であり、且つ、周壁3の内周面側に付勢されていることにより、インク掻き寄せ片12を周壁3に常に接触させているので、周壁3の内周面に凹凸段差が生じている場合でも、前記付勢力による取付部13の摺動により、インク掻き寄せ片12を周壁3の内周面に常に接触させ、周壁3の段差Hに追従させることが可能となる。
【0034】
さらに、取付部13は、版胴1の回転進行方向に極少量の揺動を許されているので、周壁3の回転移動時や、周壁3の段差Hに追従した時にかかり得る、インク掻き寄せ片12への負荷を受け流すことが可能となる。
【0035】
なお、上述した実施の形態では、インク掻き寄せ片12の対向面12aに形成された導通溝14を、周壁3の周方向に沿う如く湾曲して設けているが、周壁3の周方向に沿うように直線状に設けてもよい。
【0036】
また、導通溝14の構成は、上記の限りでなく、図8に示すように、周壁3の内周面に連通する如く複数設けてもよい。このように構成された導通溝14では、衝突したインク90を直接的に周壁3の内周面に導くこととなり、上述と同様の効果を得ることが可能である。また、周壁3の内周面に連通する構成の導通溝14の場合、図示したように直線状に形成せず、湾曲して形成してもよい。
【0037】
さらに、導通溝14に関し、溝の形状は、U溝、V溝、矩形状溝、弧状溝など種々の形状が考えられる。
【0038】
また、上述した導通溝14における溝状の構成に代えて、図9(a)あるいは図9(b)に示すように、各インク掻き寄せ片12の対面方向に延出する庇状の構成をなす庇部材20を設けてもよい。この場合、庇部材20を以て、インク90がインク掻き寄せ片12を乗り越えることを確実に防止することが可能となる。また、庇部材20は、図示の如く、元の導通溝14の形状に沿った形状であればよいが、図9(c)のように、少なくともインク掻き寄せ片12の上縁部に沿って設けられていればよい。
【0039】
また、上述した導通溝14あるいは庇部材20の構成において、図9(d)に示すように、庇部材20をインク掻き寄せ片12の上縁部に沿って設けるとともに、導通溝14を上述の如く、周壁3の周方向に沿うように設けてもよい。あるいは、図9(e)に示すように、庇部材20をインク掻き寄せ片12の上縁部に沿って設けるとともに、導通溝14を周壁3の内周面に連通するように設けてもよい。このように、導通溝14および庇部材20を併用する構成でもよい。
【0040】
また、上述した実施の形態では、印刷装置における孔版印刷装置として、昇降自在とされたプレスローラ19を備えて、版胴1の外部からプレスを行う外押しタイプの構成を図示して説明したが、孔版印刷装置として、版胴1の内部のインク供給ローラ6を昇降自在に構成して、版胴1の内部からプレスを行う中押しタイプの構成であってもよく、上記インク掻き寄せ手段11の構成を以て、同様の効果を得ることが可能である。さらに、印刷装置として、孔版印刷装置に限らず、捺染印刷装置であってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による印刷装置は、版胴内の両側部にそれぞれ対面して配され、版胴の回転進行方向に対して対向面が斜行するように版胴の内方に屈曲あるいは湾曲して延出形成され、その下縁部が周壁の内周面に接触し、且つ、対向面には、周壁の周方向に沿う如く導通溝が形成されたインク掻き寄せ片を備えている。ゆえに、導通溝を以てインク掻き寄せ片の対向面に衝突したインクを導通溝に沿って導くので、このインクを版胴の内方に適宜掻き寄せることができる。
【0042】
そして、特にインクが、冬期や寒冷地などの低温時で流動性が低下している場合には、上記の如く導通溝が作用するので、流動性の低下したインクが、インク掻き寄せ片に付着したり、インク掻き寄せ片を乗り越えるなどの不都合を解消することができる。
【0043】
また、上記導通溝を、周壁の内周面に連通するように形成してもよく、この場合、インク掻き寄せ片の対向面に衝突したインクを直接的に周壁の内周面に導くことができ、上述と同様の効果を得ることができる。
【0044】
また、導通溝の構成に代え、あるいは導通溝の構成に加えて、各インク掻き寄せ片の対面方向に延出する庇状の庇部材を設けてもよく、この場合、庇部材を以て、インクがインク掻き寄せ片を乗り越えることを確実に防止することができる。
【0045】
また、インク掻き寄せ片を取付部を介して配するように構成し、取付部を摺動自在として弾性部材を介してインク掻き寄せ片を周壁の内周面に当接付勢するようにしたことにより、周壁の内周面に凹凸段差があっても、常にインク掻き寄せ片を周壁の内周面に接触させることができる。
【0046】
また、インク掻き寄せ片が版胴の周方向に微動するように取付部を構成することにより、回転移動する周壁に常に接触されているインク掻き寄せ片にかかる負荷、あるいは該負荷の強弱を適宜受け流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷装置における版胴の概略構成を示す斜視図。
【図2】同版胴の概略構成を示す側断面図。
【図3】同版胴の概略構成を示す一部裁断正面図。
【図4】(a)要部を示す側面図。
(b)同要部を示す一部裁断正面図。
【図5】(a)〜(c)同要部の動作を示す平面図および側面図。
【図6】同動作を示す一部裁断正面図。
【図7】(a)〜(c)同要部の他の動作を示す側面図。
【図8】別構成の要部を備えた版胴の概略構成を示す側断面図。
【図9】(a)〜(e)さらに別構成の要部を示す側面図および断面図。
【図10】従来の印刷装置における版胴の概略構成を示す側断面図。
【図11】(a)〜(c)従来での動作を示す平面図および側面図。
【図12】同動作を示す一部裁断正面図。
【符号の説明】
1…版胴、2…中心軸、3…周壁、12…インク掻き寄せ片、12a…対向面、13…取付片、14…導通溝、17…引張バネ(弾性手段)、20…庇部材。
Claims (5)
- 内周部に印刷インクを供給され、自身の中心軸線の周りに回転するインク通過性の円筒状の版胴を有した印刷装置において、
前記版胴内の両側部に配されてそれぞれ対面し、前記版胴の回転進行方向に対して対向面が斜行するように前記版胴の内方に屈曲あるいは湾曲して延出形成されるとともに、その下縁部が前記版胴の周壁の内周面に接触し、且つ、前記対向面には、周壁の周方向に沿う如く導通溝が形成されたインク掻き寄せ片を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 前記インク掻き寄せ片に形成された前記導通溝は、前記周壁の内周面に連通するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記導通溝の構成に代え、あるいは前記導通溝の構成に加えて、前記各インク掻き寄せ片の対面方向に延出する庇状の庇部材を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
- 前記インク掻き寄せ片は取付部を介して配されており、該取付部は、摺動自在に設けられて、弾性部材を介して前記インク掻き寄せ片を周壁の内周面に当接付勢することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の印刷装置。
- 前記取付部は、前記インク掻き寄せ片を版胴の周方向に微動可能とすることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
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