JP3737700B2 - マルチビームアンテナ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば成層圏に配備される飛行船や宇宙空間に配備される人工衛星等の飛翔体に搭載して所望の地域との通信を行うのに好適するマルチビームアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、通信の分野においては、複数の飛行船を成層圏に配備して、これら飛行船に搭載したアンテナ装置を用いて地上における所望の地域の通信サービスを実行する構想が進められている。このようなアンテナ装置としては、マルチビームアンテナ装置が有効であると考えられている。
【0003】
このような従来のマルチビームアンテナ装置には、例えば図18に示すようにホーンアンテナと称する複数のアンテナ1を所定の開き角を有して、いわゆる花弁状に固定配置して、各ビーム領域の一部が重なるように設定したアンテナ部2が備えられる。この複数のアンテナ1が花弁状に固定配置されたアンテナ部2は、互いに直交する二軸(X軸、Y軸)回りに回転自在に形成されたアンテナ支持機構、例えばX−Y(二軸)ジンバル3に対していわゆるロール軸及びピッチ軸と称する二軸回りの回転角が調整可能に組付けられる。そして、このX−Yジンバル3は、その基部が、飛翔体の電気系に対して、例えば図示しないロータリージョイントと称する結合機構4を介して電気的に接続された状態で、いわゆるヨー軸(Z軸)回りに回転自在に取付け配置される。
【0004】
上記構成において、アンテナ部2は、X−Yジンバル3により二軸回りが角度調整されると共に、上記結合機構4によりヨー軸回りが回転調整されることにより、その複数のアンテナ1が所望の地域に指向され、そのビーム領域内の地域との信号の送受が実行される。
【0005】
ところが、上記マルチビームアンテナ装置では、そのX−Yジンバル3に対して電力を供給するために、該X−Yジンバル3をロータリジョイント等の結合機構4を介して飛翔体内の電気系と電気的に接続させて取付配置しなければならない構成上、その取付構造が非常に複雑となり、動作制御の信頼性の低下を招いている。
【0006】
これによれば、アンテナ部2の複数のアンテナ1の一つが故障して、所望のサービス地域への通信サービスが困難となった場合、一旦、地上に回収して、その修理を含む交換作業を行わなければならないことにより、その保守作業が非常に面倒であるという問題を有する。
【0007】
また、これによれば、サービス地域における一部の地域の通信負荷が時間帯や季節等により変動したりすると、その対応が困難となるために、予め変動分を考慮しなければならないという問題を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来のマルチビームアンテナ装置では、取付構造が複雑で動作制御の信頼性が低いうえ、保守作業が非常に面倒であると共に、運用の多様化が困難であるという問題を有する。
【0009】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、信頼性の高い安定した通信を実現し得、且つ、運用の多様化の促進を図り得るようにしたマルチビームアンテナ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、特定の領域内に複数のアンテナそれぞれのビーム領域を一部重なるように並べて形成するマルチビームアンテナ装置において、前記複数のアンテナが取付面に並設配置されるアンテナ取付構体と、前記取付面の複数のアンテナそれぞれの併設配置部に設けられ、前記特定の領域に向けられる基準軸に対して前記アンテナをそのビーム方向が所定角度傾斜させた状態で前記基準軸回りに回転させて前記ビーム領域を前記特定の領域内で回転させる複数の回転機構と、前記複数の回転機構それぞれを、互いに任意の位相差を採って隣接するアンテナによるビーム領域の一部を重ねた状態で同期して回転させる回転同期機構とを備えるアンテナユニットとこのアンテナユニットを、前記アンテナ取付構体に対して互いに直交する二軸回りに回転自在に取付け配置するアンテナ支持機構とこのアンテナ支持機構を前記二軸回りに駆動制御して前記アンテナユニットのアンテナ全体の指向方向を制御し、該アンテナユニットの複数のアンテナを前記基準軸回りに回転制御して各アンテナによって形成されるビーム領域を可変設定するビーム領域設定手段とを具備してマルチビームアンテナ装置を構成したものである。
【0011】
上記構成によれば、複数のアンテナは、そのアンテナユニットがアンテナ支持機構を介して二軸回りの回転角が制御されると、その回転角に応じて指向方向が制御され、その基準軸回りに回転されると、回転角に応じて各ビーム領域が移動されて、所望の地域に設定される。これにより、従来のようにアンテナ支持機構自体を基準軸回りに回転駆動することがなくなり、高精度なビーム領域の制御を実現したうえで、取付構体への取付構造の簡略化が図れて、動作制御の信頼性の向上が図れ、しかも、アンテナシステムとしての運用の多様化の促進を図ることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2は、この発明の一実施の形態に係るマルチビームアンテナ装置を示すもので、図1は、背面側から見た状態を示し、図2は、先端側から見た状態を示す。即ち、アンテナ支持機構を構成する二軸(X−Y)ジンバル10は、フレーム部材101に対して互いに直交し、且つ、交叉するX軸、Y軸が回転自在に設けられる。そして、この二軸ジンバル10は、取付構体として、例えば成層圏に配備される飛行船等の飛翔体11に対して、例えば地上のサービス地域に対応してX軸回りに回転自在に搭載される。
【0014】
二軸ジンバル10には、そのY軸に対してアンテナユニット12が回転自在に組付けられる。このアンテナユニット12は、そのX軸及びY軸のジンバル駆動モータ13、14がそれぞれ駆動力伝達可能に係合され、このジンバル駆動モータ13、14を介して選択的に二軸回りに回転制御される。
【0015】
また、アンテナユニット12には、例えばホーンアンテナで構成される第1乃至第3のアンテナ121、122、123がそれぞれサービス地域の略中心と飛翔体の取付面を結ぶ基準軸(Z軸)に対して、90度未満の所定の傾斜角(いわゆるオフセット角)を有した状態で、保持体に収容配置される。即ち、これら第1乃至第3のアンテナ121、122、123は、図3に示すようにその基準軸に対する傾斜角が各ビーム領域A、B、Cの一部が重なるように所定の位相差を有するように設定される。
【0016】
即ち、第1乃至第3のアンテナ121、122、123は、そのビーム方向が同様に上記基準軸に対して所定の傾斜角を有した状態で、保持体124に対してジンバル機構125を介してそれぞれ自在状に支持される。そして、これら第1乃至第3のアンテナ121、122、123の基端には、図4に示すようにそれぞれ同様に位相角及び傾斜角調整用の調整機構を構成するリンク部材151の一端が自在継手152を介して自在状にリンク結合される(但し、図4においては、便宜上、第1のアンテナのみを図示)。
【0017】
リンク部材151は、図5に示すようにその他端が、筒状の第1の摺動部材153の周囲部にリンク結合され、その中間部が筒状の第2の摺動部材154の周囲部にリンク155を介してリンク結合される。これら第1及び第2の摺動部材153、154には、スリーブ156が回転自在に内挿される。スリーブ156には、その周壁に螺旋溝157が形成され、その内部には、ベース部材158に突設される軸159が基準軸(Z軸)方向に移動自在に内挿される。この軸159には、詳細を後述する同期プーリ161が嵌着され(図4参照)、この同期プーリ161を介してベース部材158と一体的に回転駆動される。
【0018】
上記第1の摺動部材151には、例えばねじ孔162が上記スリーブ156の螺旋溝157に対応して形成され、このねじ孔162には、位相角調整用の調整螺子163が螺合される。この調整螺子163は、その先端部がねじ孔162を通ってスリーブ156の螺旋溝157に案内自在に係合される。
【0019】
上記スリーブ156は、後述する駆動制御部17(図10参照)を介して選択的に駆動制御されるリニア駆動部164により図6及び図7に示すように基準軸方向に選択的に移動制御される。すると、調整螺子163は、その先端部がスリーブ156の螺旋溝157に案内されて第1の摺動部材153を、ベース部材158の軸回りに図中時計及び反時計方向に回動付勢する。この際、第1の摺動部材153は、第2の摺動部材154と協働してリンク部材151を駆動して、第1のアンテナ121(あるいは第2のアンテナ122、第3のアンテナ123)を、その基準軸に対する傾斜角(オフセット角)を初期状態に保った状態で、基準軸回りに回転制御して、その位相角を可変設定する。
【0020】
また、上記第2の摺動部材154は、上記リニア駆動部164により図8及び図9に示すように基準軸方向に選択的に移動制御される。すると、第2の摺動部材154は、その移動に連動してリンク部材151の中間部を同方向に移動付勢して、第1のアンテナ121(あるいは第2のアンテナ122、第3のアンテナ123)を、初期の位相角を保った状態で、基準軸に対する傾斜角を可変設定する。
【0021】
上記第1乃至第3のアンテナ121、122、123には、同様に組付けられたベース部材158の軸159に上述したように嵌着される同期プーリ161間に同期ベルト167が巻掛けられ、その各ベース部材158がこれら同期ベルト167及び同期プーリ161を介してを同期して回転駆動される。
【0022】
また、第1乃至第3のアンテナ121、122、123のうち第1のアンテナ121の同期プーリ161上には、駆動プーリ168が同軸的に嵌着され、この駆動プーリ168には、駆動ベルト169の一端部が巻掛けられる。この駆動ベルト169の他端は、例えば駆動モータ18の回転軸に嵌着される図示しないプーリに回転力伝達可能に巻掛けられる(図1参照)。
【0023】
上記ジンバル駆動モータ13、14及び上記駆動モータ18は、例えば図10に示すように上記駆動制御部17が接続される。この駆動制御部17には、その第1の入力端に図示しない指令部からのビーム領域指令情報が入力されると共に、その第2の入力端に上記飛翔体11の位置・姿勢情報が入力される。
【0024】
駆動制御部17は、上記ビーム領域指令情報及び位置・姿勢情報が入力されると、そのビーム領域指令情報及び位置・姿勢情報に基づいてX軸回りのX軸駆動信号、Y軸回りのY軸駆動信号及び基準軸回りの基準軸駆動信号をそれぞれ生成して上記ジンバル駆動モータ13、14及び駆動モータ18に出力する。
【0025】
ここで、ジンバル駆動モータ13、14は、駆動制御部17からのX軸駆動信号及びY軸駆動信号に基づいて二軸ジンバル10のX軸及びY軸回りの回転角を制御して、アンテナユニット12全体を指向制御する。
【0026】
同時に、駆動モータ18は、駆動制御部17からの基準軸駆動信号に基づいて駆動制御され、その駆動にともなう回転力が駆動ベルト169を介して駆動プーリ168に伝達される。
【0027】
この駆動プーリ168に伝達された回転力は、同期プーリ161に伝達され、この同期プーリ161から同期ベルト167を介して、他の同期プーリ161、161に伝達される。各同期プーリ161、161、161は、その回転角に応じて図11(a)及び図12(a)に示すように第1乃至第3のアンテナ121、122、123を、各基準軸を中心軸として先端部をそれぞれ同期して所定の位相差を採って回転移動させて、そのビーム領域A、B、Cを図11(b)及び図12(b)に示すように可変設定する。
【0028】
また、上記駆動制御部17には、その第1の入力端に例えば上記指令部(図示せず)を介して位相角指令情報及び傾斜角指令情報が入力される。すると、駆動制御部17は、位相角指令情報及び傾斜角指令情報に基づいて位相角設定信号及び傾斜角設定信号を生成して上記リニア駆動部164に出力する。ここで、リニア駆動部164は、上述したようにスリーブ156あるいは第2の摺動部材154を選択的に基準軸方向に移動付勢して第1乃至第3のアンテナ121、122、123の位相角及び傾斜角を設定する。
【0029】
このようにアンテナユニット12の第1乃至第3のアンテナ121、122、123は、その位相角及び傾斜角をそれぞれ選択して、そのビーム領域を可変設定することにより、例えばサービス地域における特定地域の通信負荷が増大した場合の対応運用や、他のアンテナの故障時等における冗長運用に供される。
【0030】
上記構成において、二軸ジンバル10に組付けられたアンテナユニット12は、複数組、例えば5組が、サービス地域に対応して図13及び図14に示すように上記飛翔体11の取付面に併設して搭載される(図13及び図14中では、図の都合上、飛翔体を図示せず)。そして、これら5組の各二軸ジンバル10のジンバル駆動モータ13、14及びアンテナユニット12の駆動モータ18は、それぞれ上記駆動制御部17に接続される。
【0031】
駆動制御部17は、上述したように上記指令部(図示せず)からのビーム領域指令情報及び上記飛翔体11の位置・姿勢情報が入力されると、そのビーム領域指令情報及び位置・姿勢情報に基づいて5組の各二軸ジンバル10のX軸回りのX軸駆動信号、Y軸回りのY軸駆動信号、及び上記アンテナユニット12の基準軸回りの基準軸駆動信号をそれぞれ生成して各ジンバル駆動モータ13、14及び駆動モータ18に出力する。
【0032】
ここで、5組の各ジンバル駆動モータ13、14は、駆動制御部17からのX軸駆動信号及びY軸駆動信号に基づいて二軸ジンバル10のX軸及びY軸回りの回転角を制御して、各アンテナユニット12全体をサービス地域に指向制御する。
【0033】
同時に、5組の各駆動モータ18は、駆動制御部17からの基準軸駆動信号に基づいて駆動制御され、その駆動にともなう回転力が駆動ベルト169を介して各駆動プーリ168に伝達される。この各駆動プーリ168に伝達された回転力は、同期プーリ161に伝達され、この同期プーリ161から同期ベルト167を介して他の同期プーリ161、161に伝達される。ここで、同期プーリ161、161、161は、その回転角に応じて第1乃至第3のアンテナ121、122、123を、基準軸回りに同期して回転移動させて、そのビーム領域をサービス地域の所定の地域に向くように設定する。
【0034】
ここで、5組のアンテナユニット12は、各第1乃至第3のアンテナ121、122、123の各ビーム領域が隣接するビール領域と一部が重なるように設定されて、全体で所望のサービス地域への通信サービスを実行する。
【0035】
そして、通信サービスの実行状態において、上記飛翔体11の位置・姿勢が変化すると、上記駆動制御部17には、その第2の入力端に飛翔体位置・姿勢情報が入力される。すると、駆動制御部17は、入力した位置・姿勢情報に基づいて各二軸ジンバル10のX軸回りのX軸駆動信号、Y軸回りのY軸駆動信号、及び上記アンテナユニット12の基準軸回りの基準軸駆動信号をそれぞれ生成して各ジンバル駆動モータ13、14及び駆動モータ18に出力する。
【0036】
ここで、ジンバル駆動モータ13、14は、駆動制御部17からのX軸駆動信号及びY軸駆動信号に基づいて二軸ジンバル10のX軸及びY軸回りの回転角を制御して、アンテナユニット12全体の指向方向をそれぞれ補正する。
【0037】
同時に、5組の各駆動モータ18は、駆動制御部17からの基準軸駆動信号に基づいて駆動制御され、その駆動にともなう回転力が駆動ベルト169を介して駆動プーリ168に伝達される。
【0038】
駆動プーリ168に伝達された回転力は、同期プーリ161に伝達され、この同期プーリ161から同期ベルト167を介して、他の同期プーリ161、161に伝達される。ここで、同期プーリ161、161、161は、その回転角に応じて第1乃至第3のアンテナ121、122、123を、基準軸回りに所定の位相差を採って回転移動させて、そのビーム領域をそれぞれサービス地域の所定の地域に向くように補正する。
【0039】
ここで、5組のアンテナユニット12は、各第1乃至第3のアンテナ121、122、123の各ビーム領域が上記飛翔体11の位置・姿勢の変化に対応して調整され、所定のサービス地域への安定した高品質な通信サービスが継続される。
【0040】
また、通信サービス中において、サービス地域における特定地域の通信負荷が増大した場合や、他のアンテナの故障した場合においては、その5組のアンテナユニット12のうちのいずれかの第1乃至第3のアンテナ121、122、123の位相角及び傾斜角を可変設定して、そのビーム領域を可変設定することにより、継続して安定した高品質な通信サービスが実行される。
【0041】
このように、上記マルチビームアンテナ装置は、飛翔体11の取付面とサービス地域を結ぶ基準軸に対して所定の傾斜角を有して第1乃至第3のアンテナ121、122、123を併設配置して、これら第1乃至第3のアンテナ121、122、123をそれぞれ基準軸回りに独立して回転自在に配設したアンテナユニット12を、互いに直交する二軸回りに回転自在に取付け配置する二軸ジンバル10に組付けて、この二軸ジンバル10を駆動制御してアンテナユニット12全体の指向方向を制御すると共に、該アンテナユニット12の第1乃至第3のアンテナ121、122、123を基準軸回りに回転制御して各ビーム領域を可変設定するように構成した。
【0042】
これによれば、二軸ジンバル10の二軸が回転駆動されると、アンテナユニット12の二軸回りの回転角が制御され、その回転角に応じてアンテナユニット12全体の指向方向が制御され、その基準軸回りに回転されると、第1乃至第3のアンテナ121、122、123の各ビーム領域が移動されて、所望の地域にビーム領域が設定される。
【0043】
この結果、従来のように二軸ジンバル自体を基準軸回りに回転駆動することがなくなり、高精度なビーム領域の制御を実現したうえで、飛翔体11への取付構造の簡略化が図れて、動作制御の信頼性の向上が図れる。
【0044】
また、これによれば、アンテナユニット12の第1乃至第3のアンテナ121、122、123の各位相角及び傾斜角を、それぞれ可変設定して、通信負荷の変動に対する対応運用や、故障時における冗長運用への容易な対応が実現される等の運用の多様化の促進を図ることができる。
【0045】
また、上記実施の形態において、5組のアンテナユニット12に対応して少なくとも図15に示すように1本の冗長用アンテナ20を、互いに直交し、且つ、交叉しない二軸回りに回転自在に設けたアンテナ支持機構21を介して上記飛翔体11に搭載して冗長系を形成する。
【0046】
上記構成により、上記アンテナユニット12の第1乃至第3のアンテナ121、122、123のいずれかが故障したような場合、例えば上記指令部(図示せず)でアンテナ支持機構21を遠隔的に駆動制御して、冗長用アンテナ20を、アンテナユニット12に組付け配置した第1乃至第3のアンテナ121、122、123の中の故障したアンテナがサービスを行っていた所望のサービス地域に指向させて、そのサービス地域への継続した通信サービスを実行する。これにより、高品質な通信サービスを継続して行うことができて、信頼性の高い安定したサービスが実現される。
【0047】
さらに、上記実施の形態では、アンテナユニット12を、互いに直交する二軸回りに回転自在に支持するアンテナ支持機構として互いに直交する二軸が交差する構造の二軸ジンバル10を用いて構成した場合で説明したが、これに限ることなく、例えば互いに直交する二軸が交叉しないように配置される、いわゆる二軸マウント構造のものを用いて構成することも可能である。
【0048】
また、上記実施の形態では、アンテナユニット12の第1乃至第3のアンテナ121、122、123の基準軸に対する位相角及び傾斜角を調整自在に構成した場合で説明したが、これに限ることなく、その他、アンテナユニット12の第1乃至第3のアンテナ121、122、123の基準軸に対する位相角及び傾斜角を固定配置するように構成することも可能である。このアンテナユニット12の第1乃至第3のアンテナ121、122、123の位相角及び傾斜角を固定配置するように構成する場合には、上記図15の冗長用アンテナ20を備えることにより、同様に運用の多様化と共に、信頼性の高い安定した通信を実現することができる。
【0049】
さらに、上記実施の形態では、アンテナユニット12の第1乃至第3のアンテナ121、122、123を同期プーリ161、同期ベルト167、駆動プーリ168及び駆動ベルト169を用いたベルト同期機構を用いて同期駆動するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、その他、第1乃至第3のアンテナ121、122、123を独立した駆動モータで同期して回転駆動するように構成することも可能である。
【0050】
また、上記実施の形態では、アンテナとして、第1乃至第3のアンテナ121、122、123の3本を備えたアンテナユニット12を構成した場合で説明したが、これに限ることなく、その他、図16及び図17に示すように構成することも可能である。
【0051】
図16のアンテナ構造は、4本のアンテナ22を、基準軸に対して所定の傾斜角を有して配置し、相互間を同期機構231を介して回転自在に組合せてアンテナユニット241を構成したものである。
【0052】
また、図17のアンテナ構造は、6本のアンテナ22を、基準軸に対して所定の傾斜角を有して配置し、相互間を同期機構232を介して回転自在に組み合わせてアンテナユニット242を構成したものである。
【0053】
そして、これらのアンテナ構造において、その半分のアンテナ22で送信側を形成し、他の半分のアンテナ22で受信側を形成するように構成することも可能である。
【0054】
また、上記奇数本のアンテナ22を組合せ配置したアンテナユニットを構成することも可能である。この奇数本のアンテナ構造の場合には、送信側と受信側とでは、アンテナ本数が異なることとなる。
【0055】
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0056】
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、簡易な構成で、信頼性の高い安定した通信を実現し得、且つ、運用の多様化の促進を図り得るようにしたマルチビームアンテナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係るマルチビームアンテナ装置を背面側から見た状態を示した斜視図である。
【図2】図1を先端側から見た状態を示した斜視図である。
【図3】図1の第1乃至第3のアンテナの配置構成とビーム領域の関係を示した図である。
【図4】図1の第1乃至第3のアンテナの位相角及び傾斜角調整用の調整機構を取り出して示した斜視図である。
【図5】図4の調整機構の要部を分解して示した分解斜視図である。
【図6】図4の調整機構の位相角の調整動作を説明するために示した斜視図である。
【図7】図4の調整機構の位相角の調整動作を説明するために示した斜視図である。
【図8】図4の調整機構の傾斜角の調整動作を説明するために示した斜視図である。
【図9】図4の調整機構の傾斜角の調整動作を説明するために示した斜視図である。
【図10】図1の制御系の構成を示したブロック図である。
【図11】図1の第1乃至第3のアンテナの傾斜角及び位相角とビーム領域の関係を示した図である。
【図12】図1の第1乃至第3のアンテナの傾斜角及び位相角とビーム領域の関係を示した図である。
【図13】図1をアンテナユニットを5組配置した構成を背面側から見た状態を示した斜視図である。
【図14】図13のアンテナユニットを5組配置した構成を先端側から見た状態を示した斜視図である。
【図15】この発明の他の実施の形態に係るマルチビームアンテナ装置の要部を取り出して示した斜視図である。
【図16】この発明の他の実施の形態に係るマルチビームアンテナ装置の要部の構成を示した図である。
【図17】この発明の他の実施の形態に係るマルチビームアンテナ装置の要部の構成を示した図である。
【図18】従来のマルチビームアンテナ装置を示した斜視図である。
【符号の説明】
10 … 二軸ジンバル。
101 … フレーム部材。
11 … 飛翔体。
12 … アンテナユニット。
121〜123 … 第1乃至第3のアンテナ。
124 … 保持体。
125 … ジンバル機構。
13 … ジンバル駆動モータ。
14 … 送受信機。
151 … リンク部材。
152 … 自在継手。
153、154 … 第1及び第2の摺動部材。
155 … リンク。
156 … スリーブ。
157 … 螺旋溝。
158 … ベース部材。
159 … 軸。
161 … 同軸プーリ。
162 … ねじ孔。
163 … 調整螺子。
164 … リニア駆動部。
167 … 同期ベルト。
168 … 駆動プーリ。
169 … 駆動ベルト。
17 … 駆動制御部。
18 … 駆動モータ。
20 … アンテナ。
21 … アンテナ支持機構。
22 … アンテナ。
231、232 … 同期機構。
242、242 … アンテナユニット。
A、B、C … ビーム領域。

Claims (5)

  1. 特定の領域内に複数のアンテナそれぞれのビーム領域を一部重なるように並べて形成するマルチビームアンテナ装置において、
    前記複数のアンテナが取付面に並設配置されるアンテナ取付構体と、前記取付面の複数のアンテナそれぞれの併設配置部に設けられ、前記特定の領域に向けられる基準軸に対して前記アンテナをそのビーム方向が所定角度傾斜させた状態で前記基準軸回りに回転させて前記ビーム領域を前記特定の領域内で回転させる複数の回転機構と、前記複数の回転機構それぞれを、互いに任意の位相差を採って隣接するアンテナによるビーム領域の一部を重ねた状態で同期して回転させる回転同期機構とを備えるアンテナユニットと
    このアンテナユニットを、前記アンテナ取付構体に対して互いに直交する二軸回りに回転自在に取付け配置するアンテナ支持機構と
    このアンテナ支持機構を前記二軸回りに駆動制御して前記アンテナユニットのアンテナ全体の指向方向を制御し、該アンテナユニットの複数のアンテナを前記基準軸回りに回転制御して各アンテナによって形成されるビーム領域を可変設定するビーム領域設定手段と
    を具備することを特徴とするマルチビームアンテナ装置。
  2. 前記アンテナユニットには、前記基準軸に対してビーム指向方向が所定の傾斜角を有して配設される複数のアンテナを備えた送信側アンテナ部、及び前記基準軸に対して所定の傾斜角を有して配設される複数のアンテナを備えた受信側アンテナ部が設けられることを特徴とする請求項記載のマルチビームアンテナ装置。
  3. さらに、前記アンテナユニットは、前記複数のアンテナの前記基準軸に対する傾斜角を調整する傾斜角調整機構と、前記複数のアンテナの回転機構の回転位相角を調整する位相角調整機構とを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のマルチビームアンテナ装置。
  4. さらに、少なくとも1個のアンテナを、前記アンテナ取付構体の取付面に対して互いに直交する二軸回りに回転自在に取付け配置して、該アンテナを前記二軸回りに回転駆動してビーム領域を可変設定するアンテナ冗長手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のマルチビームアンテナ装置。
  5. 前記取付構体は、飛翔体であり、前記ビーム領域設定手段は、前記飛翔体の位置・姿勢に基づいて前記アンテナ支持機構を駆動制御すると共に、前記複数のアンテナを基準軸回りに回転駆動して前記複数のアンテナのビーム領域を初期状態に保持することを特徴とする請求項1又は2記載のマルチビームアンテナ装置。
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